JP6297917B2 - 湯量管理システム及び湯量管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、湯量管理システム及び湯量管理方法に係り、特に、予測対象期間内に消費される湯量を予測し、その予測結果を反映して湯の生成量を制御する湯量管理システム及び湯量管理方法に関する。
近年、ヒートポンプ等の加熱装置によって生成した湯を貯湯タンクに貯え、貯湯タンクから給湯を行う貯湯式給湯機が広く用いられている。また、貯湯式給湯機の中には、貯湯量を過不足なく制御するための学習機能を備えるものが存在する。学習機能を備えた貯湯式給湯機は、毎日の湯消費量を学習し、学習結果に基づいて将来(例えば翌日)の湯生成量、すなわち沸き上げ量を制御する。
沸き上げ量の制御に関して言うと、より高度な湯量制御を実現するべく、現在改良が進められている。その一例を説明すると、特許文献1には、家族の構成人数に応じて沸き上げ量を変更することが可能な給湯装置が記載されている。かかる装置では、結婚や出産等で家族の人数が変わった際、変化後の人数に適した量の湯を沸き上げることが可能である。
また、別例を挙げると、特許文献2には、通常日と、来客予定等がある特別日との間で沸き上げ湯を変更する給湯機が記載されている。かかる装置によれば、来客がある日でも湯切れを起こさないように沸き上げ量を調整することが可能になる。
一方、湯消費量については個人間で差があるため、必要となる湯量を正確に見積もる上では湯消費量の個人差を考慮する必要がある。しかし、特許文献1や特許文献2に記載された技術は、家族の構成人数や来客の有無を考慮するだけに留まり、湯消費量の個人差まで考慮するものではない。
上記課題に対する改善案としては、特許文献3に記載の制御システムが挙げられる。かかるシステムでは、住宅の居住者が移動するときの推移を移動パターンとして記憶し、移動パターンと湯の使用パターンとの関係を居住者別に学習する。そして、学習結果に基づき、その後に必要となる湯量(沸き上げ量)を居住者の現在位置に応じて推定する。つまり、特許文献3に開示の制御システムによれば、居住者毎の湯の使用パターンを考慮して必要沸き上げ量を精度よく見積もることが可能である。
特開2013−181667号公報 特開2013−253728号公報 特開2011−220655号公報
ところで、将来必要となる湯量、例えば翌日に必要となる湯量を予測するには、個人毎の湯消費量に関する情報のみならず、翌日に湯を消費する予定が有る者が誰であるかを特定する必要がある。ここで、特許文献3に開示の制御システムでは、居住者の現在位置を特定し、特定した現在位置と、居住者の移動パターン及び湯の使用パターンの関係と、を対比することで、その後の時間帯に必要となる湯量を推定することになっている。つまり、特許文献3に開示の制御システムは、各居住者の当日の移動推移に応じて当日追加的に必要となる湯量を予測するものであり、予測対象日に必要となる総給湯量を予測して同量の湯を事前に確保することを目的とするものではない。
したがって、特許文献3に開示の制御システムを用いたとしても、予測対象日における湯消費予定者が誰であるかを考慮して同予測対象日に必要となる湯量を精度よく予測することは困難である。特に、来客がある日など、必要沸き上げ量が通常日と異なってくる日については、必要沸き上げ量を予測する上で訪問客の湯消費量等を考慮しておかないと、湯切れを起こしてしまう虞がある。一方、旅行等の外出予定がある日について、出発時間から帰宅時間までの間に湯を消費することがないので、外出予定がある日に通常日と同量の湯を沸き上げてしまうと、外出時間帯分の湯を無駄にしてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物内に在居する利用者に応じて予測対象期間の必要沸き上げ量を精度よく予測することが可能な湯量管理システム及び湯量管理方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、来客や外出がある日の必要沸き上げ量を正確に予測することである。
前記課題は、本発明の湯量管理システムによれば、(A)複数の利用者に利用される建物内での湯消費量を計測する計測装置と、(B)該計測装置の計測結果に基づき、前記利用者が所定期間内に前記建物内で湯を消費した際の消費度合いを、前記利用者別に特定する消費度合い特定部と、(C)複数の前記利用者のうち、予め指定された指定利用者すべてが前記建物内に在居する場合に前記所定期間内に前記建物内で消費される湯の総量を決定する総量決定部と、(D)前記建物内にどの前記利用者が在居するかを示す在居スケジュールを記憶した記憶部と、(E)予測対象期間における湯の消費量を、前記総量決定部が決定した湯の総量と、前記消費度合い特定部が特定した前記利用者別の前記消費度合いと、前記記憶部に記憶された前記予測対象期間の前記在居スケジュールと、に基づいて予測する湯消費量予測部と、(F)湯を生成する湯生成装置を制御し、前記湯消費量予測部による予測結果に応じた量の湯を、前記予測対象期間内に消費される湯として前記湯生成装置に生成させる制御部と、を備えていることで解決される。
上記のように構成された本発明の湯量管理システムでは、予測対象期間の在居スケジュール、すなわち、予測対象期間における建物の利用者各人の在居予定に基づいて、予測対象期間における湯の消費量(換言すると、必要沸き上げ量)を予測する。そして、沸き上げ量の予測結果に応じた量の湯を、予測対象期間内に消費される湯として湯生成装置に生成させることとしている。これにより、予測対象期間に必要となる湯量(必要沸き上げ量)を、当該予測対象期間内に誰が建物内に在居するかに応じて精度よく予測し、必要沸き上げ量の湯を当該予測対象期間の事前に確保しておくことが可能となる。
また、上記の湯量管理システムにおいて、前記消費度合い特定部が特定する前記消費度合いの中には、前記建物を訪問したことがある前記利用者である訪問客の前記消費度合いが含まれており、前記総量決定部は、前記指定利用者すべてが前記建物内に在居し、かつ、前記訪問客が前記建物内に在居していない場合に前記所定期間内に前記建物内で消費される湯の総量を決定し、前記予測対象期間の前記在居スケジュールから特定される前記予測対象期間における前記建物の在居予定者の中に前記訪問客が含まれているとき、前記湯消費量予測部は、前記予測対象期間における湯の消費量を予測するにあたり、前記総量決定部が決定した湯の総量に、前記訪問客の前記消費度合いに応じた湯量を加算すると、好適である。
上記の構成では、予測対象期間における建物の在居予定者の中に訪問客が含まれているとき、予測対象期間における湯の消費量を予測するにあたり、総量決定部が決定した湯の総量に、訪問客の湯の消費度合いに応じた湯量を加算する。これにより、訪問客が来る日には、当該訪問客の湯消費量を加味し、当該日の必要沸き上げ量を正確に予測することが可能となる。この結果、来客がある日に湯切れが生じるのを抑えることが可能となる。
また、上記の湯量管理システムにおいて、前記総量決定部は、前記指定利用者すべてが前記建物内に在居する場合に1日間に前記建物内で消費される湯の総量を決定し、前記消費度合い特定部は、前記利用者が1日間に前記建物内で湯を消費した際の消費度合いを、季節別に平均化することで前記消費度合いを特定し、前記湯消費量予測部は、前記記憶部に記憶された予測対象日の前記在居スケジュールから前記予測対象日に前記建物内に在居しない前記指定利用者を特定するとともに、前記予測対象日における湯の消費量を予測するにあたり、前記総量決定部が決定した湯の総量から、特定した前記指定利用者の前記消費度合いに応じた湯量を減算すると、より好適である。
上記の構成では、1日間に建物内で消費される湯の総量から、予測対象日に建物内に在居しない不在居者の湯の消費度合いに応じた湯量を減算して、予測対象日の必要沸き上げ量を予測する。これにより、不在居者が消費する分の湯量を余計に沸き上げてしまうのを抑制することが可能となる。また、利用者の湯の消費度合いを特定するにあたり、1日毎の消費度合いを季節別に平均化するにしている。これにより、予測対象日の必要沸き上げ量を予測する際には、季節の違いによる影響を反映させることが可能となる。
また、上記の湯量管理システムにおいて、前記計測装置は、前記建物としての住宅中の浴室又はシャワールーム内での湯消費量を計測するセンサであり、前記総量決定部は、前記指定利用者である前記住宅の居住者すべてが前記住宅内に在居する場合に1日間に前記住宅内で消費される湯の総量を決定し、前記消費度合い特定部は、前記居住者を含む前記住宅の前記利用者の各々が1日間に前記浴室又はシャワールーム内で湯を消費した際の消費度合いを、季節別に平均化することで前記消費度合いを特定すると、より一層好適である。
上記の構成では、住宅での必要沸き上げ量を予測するにあたり、住宅の利用者の各々が一日間に浴室又はシャワールーム内で湯を消費する際の消費度合いを特定する。これは、住宅の利用者が消費する湯のうち、浴室又はシャワールーム内で消費する分が大半を占めることを反映している。すなわち、住宅における湯消費の実情を考慮して必要沸き上げ量を適切に予測することが可能となる。
また、上記の湯量管理システムにおいて、前記湯消費量予測部は、前記予測対象期間の前記在居スケジュールに基づいて、いずれの前記利用者も前記建物内に在居しない外出時間帯が前記予測対象期間中に存在するか否かを判定し、前記外出時間帯が存在する場合には、前記予測対象期間における湯の消費量を予測するにあたり、前記総量決定部が決定した湯の総量から、前記外出時間帯に応じた湯量を減算すると、さらに好適である。
上記の構成によれば、予測対象期間中、いずれの利用者も建物内に在居しない外出時間帯、すなわち、湯消費がない時間帯が存在する場合には、当該時間帯に応じた湯量を、1日間に建物内で消費される湯の総量から減算して必要沸き上げ量を予測する。これにより、外出時間帯に応じた量の湯を余計に沸き上げて、その分の湯を無駄にしてしまうのを抑制することが可能となる。
また、上記の湯量管理システムにおいて、前記予測対象期間における複数の前記利用者の各々の前記建物内での在居予定を指定するために行われる操作を受け付けて、前記在居予定の指定結果を示すデータを発信する操作受け付け部と、該操作受け付け部が発信したデータを受信することにより、前記予測対象期間の前記在居スケジュールを取得するスケジュール取得部と、を有すると、益々好適である。
上記の構成によれば、利用者の在居予定を指定するために行われる操作を受け付けて、指定された在居予定から在居スケジュールを取得することになる。このように在居スケジュールには操作者である利用者の意思が反映されるようになるため、在居スケジュールに基づいて予測される必要沸き上げ量の妥当性が高まることになる。
また、上記の湯量管理システムにおいて、単位時間あたりの湯の消費量を消費速度とし、湯を連続的に消費したときの継続時間を消費継続時間としたとき、前記消費度合い特定部は、前記消費度合いとして、湯を前記消費速度にて前記消費継続時間だけ連続的に消費する行動と当該行動の前記所定期間における実施頻度との対応関係を示す湯消費頻度パターンを前記利用者別に特定すると、尚一層好適である。
上記の構成によれば、建物の各利用者の湯の消費度合いとして、ある消費速度にてある消費継続時間だけ湯を消費する行動とその実施頻度との対応関係を示す湯消費頻度パターンを特定する。これにより、湯の消費度合いが適切に特定されるようになり、結果として、必要沸き上げ量の予測精度についても向上することになる。
また、上記の湯量管理システムにおいて、前記消費度合い特定部は、複数の前記利用者のうち、ある利用者及び他の利用者の双方の前記湯消費頻度パターンと、前記他の利用者のみの前記湯消費頻度パターンと、を特定した後、特定した2つの前記湯消費頻度パターンの差分を求めることで前記ある利用者の前記湯消費頻度パターンを特定するとよい。
上記の構成によれば、ある利用者が在居しているときの湯消費頻度パターンと在居していないときの湯消費頻度パターンとの差分を求めることで、ある利用者の湯消費頻度パターンを簡便に特定することが可能となる。
また、上記の湯量管理システムにおいて、前記建物中の部屋内に居る前記利用者を検知したときに検知結果に応じた信号を出力する検知器と、該検知器が出力した信号を受信し、当該信号から前記部屋内に居る前記利用者を特定する利用者特定部と、を備え、前記計測装置は、前記検知器が設置された前記部屋における前記湯消費量を計測し、前記消費度合い特定部は、前記検知器が前記部屋内に居る前記利用者を検知した時点を含む一定時間における前記計測装置の計測結果に基づき、前記利用者特定部が特定した前記利用者の前記消費度合いを特定することとしてもよい。
上記の構成によれば、建物中の所定の部屋内に居る利用者を検知器の検知結果から特定する一方で、同部屋における湯消費量を計測装置によって計測する。そして、ある利用者を検知器が検知した時点を含む一定時間における湯消費量の計測結果、に基づいて湯の消費度合いを特定し、特定した消費度合いをある利用者の消費度合いとして特定する。これにより、各利用者の湯の消費度合いを、当該各利用者が建物中の所定の部屋にて実際に湯を消費していた時の計測結果に基づいて適切に特定することが可能となる。
また、上記の湯量管理システムにおいて、前記検知器は、前記建物としての住宅中の浴室に設置された浴槽に溜められた湯面位置に応じた信号を出力する湯面検知器であり、前記利用者特定部は、前記湯面検知器が出力した信号から前記湯面位置を特定した上で、前記湯面位置から求められる指標値と前記利用者との対応関係に基づいて、前記浴室に居る前記利用者を特定すると、より好適である。
上記の構成によれば、浴槽の湯面位置の変動量に基づいて、浴室に居る利用者を比較的簡便に特定することが可能となる。
また、前述した課題は、本発明の湯量管理方法によれば、コンピュータが、(A)複数の利用者に利用される建物内での湯消費量を計測する計測装置の計測結果に基づき、前記利用者が所定期間内に前記建物内で湯を消費した際の消費度合いを、前記利用者別に特定する消費度合い特定処理と、(B)複数の前記利用者のうち、予め指定された指定利用者すべてが前記建物内に在居する場合に前記所定期間内に前記建物内で消費される湯の総量を決定する総量決定処理と、(C)前記建物内にどの前記利用者が在居するかを示す在居スケジュールを記憶部に記憶する記憶処理と、(D)予測対象期間における湯の消費量を、前記総量決定処理で決定した湯の総量と、前記消費度合い特定処理で特定した前記利用者別の前記消費度合いと、前記記憶部に記憶された前記予測対象期間の前記在居スケジュールと、に基づいて予測する予測処理と、(E)湯を生成する湯生成装置を制御し、前記予測処理における予測結果に応じた量の湯を、前記予測対象期間内に消費される湯として前記湯生成装置に生成させる制御処理と、を実行することにより解決される。
上記の方法によれば、予測対象期間の必要沸き上げ量を、当該予測対象期間内に誰が建物内に在居するかに応じて精度よく予測し、必要沸き上げ量の湯を当該予測対象期間の事前に確保しておくことが可能となる。
本発明の湯量管理システム及び湯量管理方法によれば、予測対象期間の必要沸き上げ量を、当該予測対象期間内に誰が建物内に在居するかに応じて精度よく予測し、必要沸き上げ量の湯を当該予測対象期間の事前に確保しておくことが可能となる。
また、来客がある日については、訪問客の湯消費量を加味し、その日の必要沸き上げ量を精度よく予測することが可能となるので、来客があったとしても湯切れの発生を抑えることが可能となる。さらに、外出がある日については、外出時間帯に消費される湯量の分だけ必要沸き上げ量を少なくすることで、湯を余計に沸き上げて無駄にしてしまうのを抑制することが可能となる。
以上のように本発明の本発明の湯量管理システム及び湯量監視方法であれば、予測対象期間に必要となる量の湯を過不足なく確保することが可能となり、合理的な湯量管理が実現される。また、必要沸き上げ量の予測及び湯生成装置の制御に掛かる手間について言及すると、システムのユーザは、在居スケジュールの管理を行うだけでよく、それ以外の演算・制御処理についてはシステム側で自動的に実行される。このため、比較的に手間を要さず、使い勝手の面で優れた湯量管理システム及び湯量管理方法が実現されることになる。
本発明の一実施形態に係る湯量管理システムの概略構成を示す図である。 ホームサーバのハードウェア構成を示す図である。 在居スケジュール取得用の入力操作に関する図である。 ホームサーバに記憶されている各種データの説明図である。 在居スケジュールを示す図であり、図5の(A)は、通常日のスケジュールを、(B)は、外出の日のスケジュールを、(C)は、来客がある日のスケジュールをそれぞれ示している。 時間別給湯量データの説明図である。 湯消費頻度パターンの説明図である。 ホームサーバの機能の一覧図である。 個人別湯消費頻度パターンを特定する際の手順を示す図である。 湯量管理フローに関する説明図である。 給湯量データ収集処理の流れを示す図である。 個人別湯消費量特定処理の流れを示す図である。 予測処理の流れを示す図である。 変形例に係る湯量管理システムの構成を示す図である。 変形例でホームサーバに記憶されているデータに関する説明図である。 変形例でホームサーバの機能の一覧図である。 変形例における給湯量データ収集処理の流れを示す図である。 変形例における個人別湯消費量特定処理の流れを示す図である。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について説明する。なお、以下では、建物の一例として住宅Hを挙げ、住宅Hにおける湯量管理に関して説明することとする。ただし、あくまでも住宅Hは、建物の一例に過ぎず、他の建物、例えば商業ビル、工場内の建屋、店舗や施設等における湯量管理に対しても本発明は適用可能である。
<<本実施形態に係る湯量管理システムの概要>>
先ず、本実施形態に係る湯量管理システム(以下、本管理システム)S1について、その概略構成を説明する。本管理システムS1は、複数の利用者に利用される建物としての住宅H内での湯量、具体的には給湯量及び湯消費量を管理するために構築されたものである。ここで、住宅Hの利用者とは、住宅Hで生活している家族(すなわち、居住者)、及び住宅Hへの訪問客である。なお、説明を分かり易くするために、以下では、住宅Hで生活している家族の構成が父、母、長女及び長男の4人構成である場合を例に挙げて説明することとする。また、以下の説明では、住宅Hへの訪問客のうち、客A及び客Bが過去に住宅Hに訪問したことがあるとする。
本管理システムS1は、図1に示すように貯湯式給湯設備1を構成要素として有する。貯湯式給湯設備1は、湯生成装置に相当し、不図示の加熱装置と貯湯タンクとを備えている。貯湯タンク内の湯は、住宅H内に敷設された配管(給湯ライン)内を流れて、住宅Hの各室における熱負荷(具体的には湯消費機器)へ供給される。なお、図1には、住宅H内の熱負荷の例としてシャワー装置X1、風呂用蛇口X2、洗面所用蛇口X3及び台所用蛇口X4が図示されているが、これら以外の熱負荷が加わっていてもよい。
貯湯式給湯設備1の構成について説明すると、公知の構成となっており、具体的にはヒートポンプを加熱源として採用している。ただし、加熱源については、ヒートポンプ以外の加熱源(具体的には、電気ヒータや排熱回収機構等)を利用してもよい。
また、貯湯式給湯設備1は、マイコンからなるコントローラ2を備えている。このコントローラ2が所定の制御プログラムを実行することで、貯湯式給湯設備1が設定された温度及び量にて湯を生成するようになる。生成された貯湯タンクに貯められ、その後、貯湯タンクから各熱負荷に供給される。なお、本実施形態の貯湯式給湯設備1は、1日分の給湯量を所定の時間帯内に一度で沸き上げるものであり、具体的には、電力等の料金が安くなる深夜帯(例えば24時〜5時)に沸き上げる。
また、本管理システムS1は、図1に示すようにホームサーバ10を備えている。このホームサーバ10は、本管理システムS1中、住宅Hにおける湯量管理を統括する機器であり、具体的には、コントローラ2を介して貯湯式給湯設備1を制御する。より詳しく説明すると、ホームサーバ10は、予測対象期間における住宅H内で必要となる給湯量、すなわち必要沸き上げ量を予測し、予測対象期間の事前に必要沸き上げ量の湯を貯湯式給湯設備1に生成させる。
ここで、予測対象期間とは、予測対象日の朝から同日の深夜(厳密には24時)までの期間である。また、予測対象日とは、必要沸き上げ量を予測する処理を実行する日の翌日、若しくは当該実行日と同一日である。本実施形態では、上記の予測処理を深夜の時間帯(厳密には0時以降)に行うこととしている。つまり、予測対象日は、予測処理の実行日と同一日であり、予測対象期間は、予測対象日の朝方から同日の24時までの期間となる。
そして、本実施形態に係るホームサーバ10は、予測対象日の必要沸き上げ量を、その日における各居住者の在宅/不在宅の予定、外出の有無、及び来客の有無に応じて設定する。かかる機能は、本実施形態の特徴であり、当該機能が発揮されることで、予測対象日における住宅Hの在宅予定者の構成(人員)に応じた量の湯を沸き上げることが可能となる。この結果、予測対象日の湯使用開始前までに同日に必要となる量の湯が過不足なく確保されることとなる。
<<ホームサーバ及び周辺機器の構成>>
次に、ホームサーバ10及びその周辺機器についてより詳しく説明する。本管理システムS1の主要構成機器としては、前述した貯湯式給湯設備1とホームサーバ10とが挙げられる。また、図1に示すように、住宅Hの居住者によって操作される操作端末3と、住宅H内での湯消費量を計測するために備えられたセンサ4、5と、がホームサーバ10の周辺機器として設けられている。
ホームサーバ10は、住宅H内に設置されたサーバコンピュータである。このホームサーバ10は、宅内ネットワークを通じて住宅H内の通信機器と通信可能であり、当該通信端末との間でデータの送受信を行う。より具体的に説明すると、ホームサーバ10は、住宅H内においてHEMS(Home Energy Management System)を構築するために設置されたホームゲートウェイ。そして、ホームサーバ10は、住宅H内に設置されたエネルギー消費機器から当該機器のエネルギー消費量を取得し、宅内のエネルギー消費状況を見える化(可視化)してユーザに提示する。
なお、ホームサーバ10が宅内の通信機器と通信する際の通信方式については、特に限定されるものではなく、無線方式及び有線方式のうち、いずれの方式を採用することとしてもよい。
ホームサーバ10のハードウェア構成について説明すると、図2に示すように、CPU11、ROM及びRAMからなるメモリ12、通信用インタフェース13(図2中、通信用I/Fと表記)、及びハードディスクドライブ14(図2中、HDDと表記)を有する。また、メモリ12には湯量管理プログラムが格納されており、かかる湯量管理プログラムがCPU11によって実行されることで、ホームサーバ10は、後述する一連の湯量管理機能を発揮するようになる。
また、ホームサーバ10は、前述したように、通信用インタフェース13を介して住宅H内の通信機器と通信することが可能である。ここで、ホームサーバ10と通信可能な通信機器の中には、貯湯式給湯設備1のコントローラ2、操作端末3及び湯消費量計測用のセンサ4、5が含まれている。
具体的に説明すると、貯湯式給湯設備1のコントローラ2は、予測対象日の湯使用開始の数時間前にホームサーバ10と通信し、この際ホームサーバ10から沸き上げ要求を受信する。コントローラ2は、受信した沸き上げ要求を解析することで必要沸き上げ量を特定し、貯湯式給湯設備1各部を制御して必要沸き上げ量に相当する量の湯を所定時刻(具体的には、予測対象日の湯使用開始時刻)までに生成する。
湯消費量計測用のセンサ4、5は、計測装置の一例であり、具体的には流量センサである。各センサ4、5は、ホームサーバ10と通信し、住宅H内で計測した湯消費量の計測結果をホームサーバ10に配信する。ホームサーバ10は、センサ4、5の計測結果を湯消費量の実績値としてハードディスクドライブ14に記憶し、かかる計測結果に基づいて予測対象日の必要沸き上げ量を予測する。なお、本実施形態では、給湯ラインにおいて互いに異なる箇所に2つのセンサ4、5を配置している。一つのセンサ4は、貯湯式給湯設備1の貯湯タンクの吐出口付近に設置されている。すなわち、センサ4は、住宅Hにおける給湯量の総量を計測するために設置されたものであり、以下では、総量センサ4と呼ぶ。
もう一つのセンサ5は、住宅中の浴室又はシャワールーム内での湯消費量、より具体的にはシャワー装置X1分の給湯量を計測するためにシャワー装置X1の直ぐ上流位置に設置されたものであり、以下では、シャワー用センサ5と呼ぶ。このように総量センサ4とは別にシャワー用センサ5が設置されている理由は、住宅Hの利用者各人の湯消費量(以下、個別消費量)を算出するためであり、より詳しく説明すると、シャワー装置X1での湯消費量が個人の湯使用量の大半を占めていることを反映している。
なお、本実施形態では2つのセンサ4、5を設置することとしたが、2つ以上のセンサを設置することとしてもよい。あるいは、シャワー用センサ5のみを設置し、総量センサ4については、貯湯式給湯設備1に搭載された給湯量監視機構(例えば、貯湯タンク内に設置された液面計)にて代用してもよい。
操作端末3は、住宅Hの居住者が行う操作を受け付ける操作受け付け部であり、居住者が保有する通信端末、具体的にはスマートフォン、タブレット型端末、ノートパソコン、通信機能を有するデジタルフォトフレーム等、携帯性を有する端末によって構成される。以下では、タッチパネルを備えたタブレット型端末からなる操作端末3を例に挙げて説明する。
操作端末3は、住宅Hを利用する複数の利用者の各々の、予測対象日における住宅H内での在居予定を指定するために行われる入力操作を受け付ける。具体的に説明すると、住宅Hの居住者の一人(以下、操作者)が操作端末3のタッチパネルにて所定の操作(例えば、あるアプリケーションプログラムのアイコンをタッチする操作)を行うと、在居予定入力用のアプリケーションプログラムが起動する。かかるアプリケーションプログラムの起動により、操作端末3のタッチパネルには図3に示す入力画面が表示されるようになる。そして、操作者は、入力画面上にて、予測対象日における各居住者の在宅/不在宅の予定、外出の有無及び来客の有無を入力する。
より具体的に説明すると、先ず、図3の(A)に図示の画面にて予測対象日の日付、具体的には翌日の日付を入力する。その後、同図の(B)に図示の画面にて予測対象日(翌日)における外出の有無を入力する。ここで、外出があることは、予測対象日中、いずれの利用者も住宅H内に在宅(在居)しない時間帯、すなわち、外出時間帯が存在することを意味し、例えば、家族旅行等により居住者全員が出かけている場合が該当する。そして、外出がある場合には、図3の(C)に図示の画面にて出発時間及び帰宅時間を入力する。なお、図3の(C)では帰宅時間のみを入力する形になっているが、外出が複数日に跨る場合には帰宅日も併せて入力するとよい。
一方、外出がない場合には、次に、図3の(D)に図示の画面にて予測対象日(翌日)における来客の有無を入力する。そして、来客がある場合には、同図の(E)に図示の画面にて訪問客を選択する。具体的に説明すると、過去に住宅Hを訪問したことがある訪問客(具体的には来客A、B)については、その者の名前が既に登録されており、登録された名前の一を選択することになる。一方、訪問経験がない新規の客については、新規客を選択することとなる。
訪問者の入力が終わると、その後に、図3の(F)に図示の画面にて住宅Hの居住者(具体的には父、母、長女及び長男)のうち、予測対象日(翌日)に在宅する予定の者を入力する。また、外出がなく、かつ、来客がない場合にも同一の要領にて翌日の在宅予定者を入力することになる。
そして、操作端末3は、上述した在居予定に関する入力操作を受け付けると、その操作内容を示すデータ、換言すると住宅Hの利用者各人の在居予定について操作者が指定した結果(指定結果)を示すデータを発信する。具体的に説明すると、図3の(C)や(F)に図示された入力画面中の完了ボタンが操作者によって押されると、それまでに入力された事項を示すデータがアプリケーションプログラムの機能によって生成され、当該データがホームサーバ10に向けて送信される。ホームサーバ10は、宅内ネットワークを経由して操作端末3が発信したデータを受信する。
なお、本実施形態では、住宅Hに備えられた操作端末3の台数が一台であり、居住者の一人(例えば、長女)が操作端末3を操作して居住者全員の在居予定を指定するものとする。ただし、これに限定されるものではなく、操作端末3の台数は任意であり、例えば、各居住者がそれぞれ操作端末3を保有していてもよい。かかる場合、在居予定の指定については各居住者が個別に行うことになり、ホームサーバ10は、各居住者が保有する操作端末3からそれぞれデータを受信することになる。
また、誤操作の防止やセキュリティ確保の観点から、操作端末3とホームサーバ10との通信を開始するに際して、操作端末3側でパスワードやID(以下、パスワード等)を入力し、入力されたパスワード等と事前に登録されたパスワード等とを照合するとよい。
次に、ホームサーバ10が取得し記憶する各種情報及びデータについて図4を参照しながら説明する。ホームサーバ10のハードディスクドライブ14には在宅スケジュール、シャワー分給湯量データ、日別総給湯量データ、時間別給湯量データ、個人別湯消費頻度パターン、個人別湯消費量データ、沸き上げ温度、標準沸き上げ量が記憶されている。以下、各情報及びデータについて、それぞれ説明する。
在宅スケジュールは、在居スケジュールに相当し、各日において住宅Hにどの利用者が在宅(在居)するかを示すものである。この在宅スケジュールは、操作端末3から受信した在居予定の指定結果を示すデータを展開することで取得される。在宅スケジュールについて図5を参照しながら説明すると、在宅スケジュールには、日付、外出の有無及び来客の有無とともに、その日の在宅予定者がリスト形式で表されている。より具体的に説明すると、通常日(外出及び来客のいずれもがない日)の在宅スケジュールでは、図5の(A)に示すように、当該通常日における在宅予定者が在宅者リスト中に表示される。この場合に表示される在宅予定者は、住宅Hの居住者のうち、その日に住宅Hを利用する者(換言すると、外泊等により住宅Hに一日間不在とする者を除いた居住者)である。
また、外出日の在宅スケジュールでは、図5の(B)に示すように、外出時間帯の開始/終了時間、すなわち、出発時間と帰宅時間とが表示される。また、来客がある日の在宅スケジュールでは、図5の(C)に示すように、その日に住宅Hを利用する居住者及び訪問客と、が在宅者リスト中に表示される。
以上の在宅スケジュールが、ホームサーバ10のハードディスクドライブ14に記憶されて蓄積されている。ハードディスクドライブ14中に記憶されている在宅スケジュールの中には、過去数カ月分のスケジュールが含まれている。ここで、過去の在宅スケジュールの蓄積数については、任意に決定することが可能である。また、ハードディスクドライブ14中に記憶されている在宅スケジュールの中には、将来、具体的には予測対象日の在宅スケジュールが含まれている。すなわち、ホームサーバ10は、予測対象日前に操作端末3と通信して予測対象日における住宅Hの各利用者の在居予定を示すデータを受信し、当該データを展開することで予測対象日の在宅スケジュールを取得し、これをハードディスクドライブ14に記憶する。
シャワー分給湯量データは、シャワー装置X1にて消費された湯量、すなわち、シャワー分の給湯量を示すデータである。具体的に説明すると、前述したシャワー用センサ5が単位時間あたりに消費される湯量を計測し、その計測結果を所定時間毎(例えば1分毎)にホームサーバ10に送信する。一方、ホームサーバ10は、シャワー用センサ5の計測結果を受信すると、当該計測結果を特定し、シャワー装置X1での湯消費の有無を確認する。つまり、ホームサーバ10は、シャワー用センサ5の計測値が0より大きいか否かを判定する。そして、計測値が0より大きい場合、ホームサーバ10は、湯消費が継続する時間(消費継続時間)を内部クロックにてカウントする。
以上の手順により、ホームサーバ10は、シャワー用センサ5の計測結果(すなわち、単位時間あたりの湯消費量)とシャワー装置X1における湯の消費継続時間とを示すデータとしてシャワー給湯量データを生成する。なお、本実施形態では、シャワー装置X1が使用される都度、換言すると、シャワー装置X1における湯消費量が0から増える毎にシャワー分給湯量データが生成されることになっている。
日別総給湯量データは、住宅Hで1日間に消費される湯量、換言すると住宅Hにおける1日分の総給湯量を示すデータである。具体的に説明すると、ホームサーバ10は、前述した総量センサ4の計測結果を定期的に総量センサ4から受信し、当該計測結果に基づいて1時間毎の給湯量を算出し、算出した1時間毎の給湯量を24時間分合算して1日分の総給湯量とする。このような手順にて1日分の総給湯量を求めることで、当該総給湯量を示す日別総給湯量データが生成される。
時間別給湯量データは、1日における住宅H内での湯の消費量の時間変化、換言すると住宅Hにおける給湯量の時間変化を1日単位で示すものである。具体的に説明すると、ホームサーバ10は、総量センサ4の計測結果を定期的に受信し、当該計測結果に基づいて1時間毎の給湯量を算出する。このように各時間の給湯量を順次算出する結果、図6に示すように住宅Hにおける給湯量の時間変化が特定され、かかる時間変化を示すデータとして時間別給湯量データが生成される。
個人別湯消費頻度パターンは、住宅Hの利用者が所定期間内、具体的には1日間にシャワー装置X1で湯を消費した際の消費度合いを示す情報である。この個人別湯消費頻度パターンは、上述したシャワー分給湯量データに基づいて生成される。また、個人別湯消費頻度パターンは、図4に示すように、住宅Hの居住者(具体的には父、母、長女及び長男)各人に対して個別に生成されるともに、過去に住宅Hに訪問したことがある訪問客(具体的には客A、B)のそれぞれに対しても個別に生成される。
ここで、湯消費頻度パターンについて説明すると、図7に示すような2次元ヒストグラム(2変量ヒストグラム)となっている。ここで、パターンの縦軸は、湯の消費速度を示す軸となっており、具体的には単位時間あたりのシャワー装置X1での湯の消費量、より厳密には、1分間あたりのシャワー分給湯量を示す軸となっている。パターンの横軸は、シャワー装置X1で湯を連続的に消費したときの消費継続時間、すなわちシャワー使用継続時間を示す軸となっている。
そして、パターンの縦軸及び横軸の各々の目盛によって区切られる単位領域としてのセルには、当該セルに対応するシャワー使用行動の1日間における実施頻度が規定されている。ここで、「セルに対応するシャワー使用行動の実施頻度」とは、シャワー装置X1において、当該セルを区切る縦軸目盛の値に相当する消費速度で、当該セルを区切る横軸目盛の値に相当する消費継続時間だけ湯を連続的に消費する行動を、1日間に何度行うかを示す数値(度数)である。
以上のように、湯消費頻度パターンとは、ある消費速度である消費継続時間だけ湯を消費するシャワー使用行動と、当該シャワー使用行動の1日あたりの実施頻度との対応関係を示すものである。ちなみに、本実施形態では、図7に示すように、実施頻度(度数)が1未満となるセルについては実施頻度を規定せず、1以上となるセル(図中、ハッチングが施されたセル)にのみ実施頻度を規定することとしている。
なお、個人別湯消費頻度パターンの作成手順については、後に説明する。
個人別湯消費量データは、上述した個人別湯消費量データ応じた湯量(湯消費量)を示すデータであり、詳しくは住宅Hの利用者が1日間にシャワー装置X1で湯を消費した際の湯量を示す数値情報である。この個人別湯消費量データは、個人別湯消費頻度パターンに基づいて生成される。具体的に説明すると、個人別湯消費頻度パターンの各セルと対応したシャワー使用行動における湯の消費速度と消費継続時間とを掛け合わせた値に、当該シャワー使用行動の実施頻度を更に掛けたときの積を全セルに対して求め、全セル分の責を合算することで個人別の湯消費量(シャワー装置X1での消費量)が算出される。
また、個人別湯消費量データは、図4に示すように、住宅Hの居住者及び過去に住宅Hに訪問したことがある訪問客のそれぞれに対して個別に生成され、ホームサーバ10のハードディスクドライブ14に記憶されている。さらにまた、住宅Hに訪問したことがない新規客用の個人別湯消費量データがハードディスクドライブ14に記憶されている。この新規客用の個人別湯消費量データが示す値(湯量)は、予め設定された固有値となっている。ただし、これに限定されず、新規客用の個人別湯消費量データが示す値については、住宅Hの居住者が操作端末3を通じて適宜変更してもよい。
沸き上げ温度は、貯湯式給湯設備1に生成させる湯の温度に関する管理値であって、予め設定された固有値となっている。ただし、これに限定されず、沸き上げ温度については、住宅Hの居住者が操作端末3を通じて適宜変更してもよい。また、沸き上げ温度については、年間を通じて単一の温度を採用してもよく、あるいは、季節別に分けて設定する等して、日付に応じて沸き上げ温度を変えてもよい。
標準沸き上げ量は、予め指定された指定利用者すべてが住宅H内に在宅(在居)する場合に1日間に住宅H内で消費される湯の総量を示す情報である。ここで、指定利用者とは、住宅Hの居住者、すなわち、父、母、長女及び長男のことである。つまり、標準沸き上げ量は、住宅Hの居住者すべてが住宅H内に在宅する一方で来客がない場合(換言すると、訪問客が在宅しない場合)に1日間に住宅H内で消費される湯の総量に相当する。
標準沸き上げ量を決定する方法としては、例えば下記2つの方法が挙げられる。
(1)貯湯式給湯設備1が通常日に生成する湯量として予め設定された値、例えば、貯湯タンクにおける上限貯湯量の約8〜9割に相当する値を標準沸き上げ量として決定する方法
(2)前述した日別総給湯量データが示す総給湯量について、所定日数分の平均値を算出し、当該平均値を標準沸き上げ量として決定する方法
本実施形態のホームサーバ10は、上記2つの方法のうち、(1)の方法によって決定された標準沸き上げ量をハードディスクドライブ14に記憶している。なお、当然ながら、(2)の方法によって決定された標準沸き上げ量が記憶されてもよい。また、(1)の方法によって決定された標準沸き上げ量については、住宅Hの居住者が操作端末3を通じて適宜変更してもよい。
以上までに説明してきた情報及びデータがホームサーバ10のハードディスクドライブ14に記憶されている。そして、ホームサーバ10(厳密にはCPU11)は、住宅Hにおける湯量管理に際してハードディスクドライブ14から情報やデータを読み出し、読み出した情報やデータを用いて各種処理を実行する。なお、本実施形態では、上述したように各種の情報やデータをホームサーバ10のハードディスクドライブ14に記憶することとしたが、記憶先については特に限定されず、例えば、ホームサーバ10とインターネット等を通じて通信可能に接続された外部サーバに記憶してもよい。
<<ホームサーバの機能について>>
次に、ホームサーバ10の構成を、機能面から改めて説明することとする。ホームサーバ10は、住宅H内での湯量管理に係る一連の処理を実行することで、予測対象日の必要沸き上げ量を予測し、その予測結果に相当する量の湯を予測対象日の湯消費開始前までに貯湯式給湯設備1に生成させる。
換言すると、ホームサーバ10は、住宅H内での湯量管理に係る一連の処理を実行する処理実行部を有している。具体的に説明すると、ホームサーバ10は、図8に示すように、総給湯量データ取得部21と、シャワー分給湯量データ取得部22と、スケジュール取得部23と、記憶部24と、消費度合い特定部25と、総量決定部26と、湯消費量予測部27と、制御部28とを有する。これらの処理実行部は、ホームサーバ10が備えるハードウェア機器(具体的には、CPU11、メモリ12、通信用インタフェース13及びハードディスクドライブ14)と湯量管理プログラムとの協働によって実現される。以下、各処理実行部について説明する。
総給湯量データ取得部21は、総量センサ4と定期的に通信することで総量センサ4の計測結果を受信し、受信した計測結果から前述の日別総給湯量データ及び時間別給湯量データを生成するものである。総量センサ4と通信する際の時間間隔については、任意に設定することが可能であり、日別総給湯量や時間別給湯量を算出するにあたって好適な間隔に設定されていることが望ましい。なお、総給湯量データ取得部21が生成したデータについては、記憶部24に記憶される。
シャワー分給湯量データ取得部22は、シャワー用センサ5と通信することで当該シャワー用センサ5の計測結果を受信し、受信した計測結果に基づいて前述のシャワー分給湯量データを生成する。
より詳しく説明すると、シャワー分給湯量データ取得部22は、シャワー用センサ5の計測結果を受信すると、当該計測結果からシャワー装置X1で単位時間(具体的には1分間)あたりに消費されている湯量、すなわち、消費速度を特定する。その後、シャワー分給湯量データ取得部22は、消費速度を示す値が0より大きいか否かを判定する。さらに、消費速度が0より大きい場合、シャワー分給湯量データ取得部22は、シャワー装置X1における湯の消費継続時間を内部クロックにてカウントする。このような手順により、シャワー分給湯量データ取得部22は、シャワー装置X1における湯の消費速度と消費継続時間とを示すシャワー給湯量データを生成する。
また、本実施形態において、シャワー分給湯量データ取得部22は、シャワー装置X1が使用される都度(すなわち、シャワー使用行動毎)にシャワー分給湯量データを生成することになっている。なお、生成されたシャワー分給湯量データについては、記憶部24に記憶される。
スケジュール取得部23は、操作端末3と通信することで、予測対象日(翌日)における各利用者の在宅予定に関するデータ(以下、在宅予定データ)を受信する。ここで、在宅予定データは、住宅Hの利用者、すなわち、住宅Hの居住者及び訪問客の各々の在宅予定に関して居住者の一人(操作者)が操作端末3を通じて指定した際の指定結果を示すデータである。そして、スケジュール取得部23は、予測対象日の在宅予定データを展開することで予測対象日の在宅スケジュールを取得する。取得した在宅スケジュールについては、記憶部24に記憶される。
記憶部24は、ハードディスクドライブ14によって構成され、図4に図示した各種情報やデータ、すなわち、総給湯量データ取得部21等の処理実行部が取得又は生成した情報やデータを記憶するものである。また、記憶部24には、湯の沸き上げ条件である沸き上げ温度が記憶されている。
消費度合い特定部25は、記憶部24に記憶されたシャワー分給湯量データを読み出し、読み出したシャワー分給湯量データに基づき、1日間にシャワー装置X1にて湯を消費する際の消費度合いを各利用者別に特定するものである。より詳しく説明すると、消費度合い特定部25は、前述した個人別湯消費頻度パターンを、住宅Hの居住者である父、母、長女及び長男並びに過去に住宅Hを訪問したことがある客A及び客Bのそれぞれに対して個別に特定する。
以下、個人別湯消費頻度パターンの特定手順について、図9を参照しながら説明する。個人別湯消費頻度パターンを特定するにあたっては、先ず、住宅Hにおける日別の湯消費頻度パターンを特定する必要がある。ここで、ある日の湯消費頻度パターンを例に挙げて、その特定手順を説明すると、シャワー分給湯量データ取得部22が生成したシャワー分給湯量データのうち、ある日の分のデータを特定する。なお、本実施形態において、シャワー分給湯量は、1分毎のデータとなっているため、ある日のシャワー分給湯量データは、1440個(60分×24時間)存在することになる。
ある日のシャワー分給湯量データを特定した後には、特定したデータを用いて、ある日における1時間毎のシャワー分給湯量を算出する。そして、ある日の0時〜24時に亘って1時間毎のシャワー分給湯量を算出すると、図9の(A)に示すように、ある日におけるシャワー分給湯量の時間変化を示すグラフが明らかになる。
一方、ある日のシャワー分給湯量データの各々について、当該シャワー分給湯量データが示す湯の消費速度及び消費継続時間を特定し、その特定結果を湯消費頻度パターンの各セルに入力する。そして、ある日のシャワー分給湯量データすべてについて上記の入力が完了すると、図9の(B)に示すように、ある日の湯消費頻度パターンが特定されるようになる。
以上の手順により日別の湯消費頻度パターンを特定した後には、住宅Hの利用者別の湯消費頻度パターン、すなわち個人別湯消費頻度パターンを特定する。ここで、住宅Hの居住者である長女を例に挙げて、日別の湯消費頻度パターンから個人別湯消費頻度パターンを特定する手順について説明すると、先ず、長女が在宅する日の湯消費頻度パターンと、在宅しない日の湯消費頻度パターンと、をそれぞれ抽出する。ここで、長女が在宅する日であるか在宅しない日であるかについては、過去の在宅スケジュールを参照することで判定可能である。なお、長女が在宅する日と在宅しない日とは、長女の在宅の有無だけが相違し、他の在宅者については共通する関係にある。
また、本実施形態では、長女が在宅する日の湯消費頻度パターンと、在宅しない日の湯消費頻度パターンと、がそれぞれ数日分抽出されることになっている。さらに、本実施形態では、当該数日分の湯消費頻度パターンが、いずれも同じ季節に属する日のパターンとなっている。これにより、季節の違いによる影響を反映した形で個人別湯消費頻度パターンを特定することが可能となる。より分かり易く説明すると、個人別湯消費頻度パターンを季節毎に特定することが可能となる。
そして、長女が在宅する日の湯消費頻度パターン、及び、在宅しない日の湯消費頻度パターンの両パターンについて、それぞれ、図9の(C)に示すように数日分のパターンを平均化する。これにより、長女が在宅する日と在宅しない日のそれぞれについて、季節別に平均化した湯消費頻度パターンが特定されるようになる。その上で、季節別に平均化された2つの湯消費頻度パターン(具体的には、長女が在宅する日のパターンと在宅しない日のパターン)の差分を求めることで、長女の湯消費頻度パターンが季節別に特定されることになる。なお、2つの湯消費頻度パターンの差分を求めるとは、各パターン中、同一のセルに規定された実施頻度(度数)同士の差を求め、当該差に相当する値を対応するセルに規定することで新たな湯消費量パターンを特定することである。
以上のように消費度合い特定部25は、住宅Hを利用する複数の利用者のうち、ある利用者及び他の利用者の双方の湯消費頻度パターンと、他の利用者のみの湯消費頻度パターンと、を特定する。その後、消費度合い特定部25は、特定した2つの湯消費頻度パターンの差分を求めることで、ある利用者の湯消費頻度パターンを特定する。このような手順により、本実施形態では、ある利用者の湯消費頻度パターンを簡便に特定することが可能である。
なお、個人別湯消費頻度パターンについては、記憶部24に記憶される。さらに、本実施形態では、前述した通り、各利用者の個人別湯消費頻度パターンが季節毎に特定されるため、記憶部24では個人別湯消費頻度パターンが季節別に記憶されることになる。
さらにまた、消費度合い特定部25は、個人別湯消費頻度パターンに基づき、1日間にシャワー装置X1で湯を消費した際の湯量を示す湯消費量データ(個人別湯消費量データ)を住宅Hの利用者各人について生成する。生成した個人別湯消費量データは、記憶部24に記憶される。
総量決定部26は、標準沸き上げ量を決定するものであり、本実施形態では、貯湯式給湯設備1が通常日に貯湯する湯量として予め設定された値を標準沸き上げ量とする。なお、決定された標準沸き上げ量は、記憶部24に記憶される。
湯消費量予測部27は、予測対象日における湯の消費量、すなわち、必要沸き上げ量を予測するものである。具体的に説明すると、湯消費量予測部27は、総量決定部26が決定した標準沸き上げ量と、消費度合い特定部25が特定した個人別湯消費頻度パターンと、記憶部24に記憶された予測対象日の在宅スケジュールと、に基づいて必要沸き上げ量を予測する。なお、予測対象日の必要沸き上げ量を予測する具体的な手順については、後の項で詳しく説明する。
制御部28は、貯湯式給湯設備1を制御し、湯消費量予測部27による予測結果に応じた量の湯を、予測対象日に消費される湯として貯湯式給湯設備1に生成させるものである。具体的に説明すると、制御部28は、湯消費量予測部27が予測した必要沸き上げ量と、記憶部24に記憶された沸き上げ温度と、を確認した上で、必要沸き上げ量に相当する量の湯を沸き上げ温度にて沸き上げる要求(沸き上げ要求)を貯湯式給湯設備1のコントローラ2に対して出力する。
コントローラ2は、受信した沸き上げ要求を解析することで必要沸き上げ量及び沸き上げ温度を特定し、貯湯式給湯設備1各部を制御して上記必要沸き上げ量に相当する量の湯を、沸き上げ温度となるように沸き上げる。なお、制御部28がコントローラ2に対して沸き上げ要求を出力してから貯湯式給湯設備1が実際に必要沸き上げ量の湯を沸き上げるまでの工程は、予測対象日の湯使用開始時刻までに完了することになっている。
<<本実施形態に係る湯量管理方法>>
次に、上述した構成を有するホームサーバ10によって行われる湯量管理フローについて概説する。本実施形態に係る湯量管理フローは、本発明の湯量管理方法の一例を採用している。つまり、本発明の湯量管理方法は、コンピュータとしてのホームサーバ10を用いた湯量管理フローにおいて実現されるものである。そして、以下に説明する湯量管理フローの流れは、本発明の湯量管理方法の手順例を示しており、湯量管理フロー中で実行される各処理は、本発明の湯量管理方法の構成ステップに相当する。
湯量管理フローの概要について図10を参照しながら説明するように、同図に示すように、給湯量データ収集処理S001と、個人別湯消費量特定処理S002と、予測処理S003と、制御処理S004とが実行される。これらの処理は、ホームサーバ10により毎日繰り返し実行される。給湯量データ収集処理S001は、総量センサ4やシャワー用センサ5の各々の計測結果を受信し、日別総給湯量データ、時間別給湯量データ及びシャワー分給湯量データ等を生成する処理である。
また、給湯量データ収集処理S001では、シャワー用センサ5の計測結果から生成したシャワー分給湯量データに基づき、住宅Hにおける当日の湯消費頻度パターンを特定する。給湯量データ収集処理S001のうち、当日の湯消費頻度パターンを特定する流れについて図11を参照しながら説明すると、先ず、当日の湯消費頻度パターンを初期化するところから始まる(S011)。具体的には、当日の湯消費頻度パターン中の各セル内の値をクリアして0とする。
その後、ホームサーバ10は、シャワー用センサ5の計測結果を受信し(S012)、当該計測結果が示すシャワー装置X1での単位時間(具体的には1分間)あたりの湯消費量、すなわち、消費速度が0より大きいか否かを判定する(S013)。消費速度が0である場合(S013でNo)、つまり、シャワー装置X1において湯消費が行われていない場合、ホームサーバ10は、消費速度が0より大きくなるまでシャワー用センサ5の計測結果を受信し続ける。
一方、消費速度が0より大きい場合(S013でYes)、ホームサーバ10は、シャワー装置X1での湯の消費継続時間をカウントし(S014)、消費速度が0になるまで、すなわち、シャワー装置X1での湯消費が終わるまで消費継続時間をカウントし続ける(S015)。そして、消費速度が0になると(S015でYes)、カウントを中止するとともに、それまでの消費継続時間と同時間中の消費速度(厳密には、同時間中における消費速度の平均値)とを特定する(S016)。
消費継続時間及び消費速度を特定した後、ホームサーバ10は、当日の湯消費頻度パターン中、特定した消費継続時間及び消費速度に対応するセル内の値に1を加算する(S017)。そして、シャワー用センサ5の計測結果を受信するところから当日の湯消費頻度パターン中の該当セル内の値に1を加算するまでの工程が、日付が変わるまで繰り返し実施される(S018)。この結果、当日の湯消費頻度パターンが特定される(完成する)。
給湯量データ収集処理S001が終了すると、ホームサーバ10は、引き続き個人別湯消費量特定処理S002を実行する。より詳しく説明すると、個人別湯消費量特定処理S002は、その直前に実行された給湯量データ収集処理S001の終了時点(具体的には深夜24時)の直後に実行される。そして、個人別湯消費量特定処理S002では、その直前に実行された給湯量データ収集処理S001で特定された湯消費頻度パターン(すなわち、前日の湯消費頻度パターン)を含む過去の湯消費頻度パターンから、個人別消費量データを生成する。
個人別湯消費量特定処理S002の流れについて図12を参照しながら説明すると、先ず、ホームサーバ10が前日の在宅スケジュールを参照して前日の在宅者を特定するところから始まる(S021)。その後、ホームサーバ10は、前日の日付を特定し、さらに、特定した日付が属する季節を特定する(S022)。
次に、ホームサーバ10は、前日の在宅者の各々について、個人別湯消費頻度パターンを特定する。このように個人別湯消費量特定処理S002では、1日間にシャワー装置X1で湯を消費した際の消費度合いを示す湯消費頻度パターンを、前日の在宅者の各々に対して特定する。かかる意味で、個人別湯消費量特定処理S002は、湯の消費度合いを住宅Hの利用者別に特定する消費度合い特定処理に相当すると言える。
なお、前日の各在宅者の湯消費頻度パターンについては、前述した手順にて特定される。具体的に説明すると、前日の在宅者のうち、一人の在宅者が在宅する日の湯消費頻度パターンと、在宅しない日の湯消費頻度パターンと、をそれぞれ季節別に数日分抽出する。その上で、上記の在宅者が在宅する日及び在宅しない日のそれぞれについて、それぞれ季節別に抽出した数日分の湯消費頻度パターンを平均化する(S023)。そして、季節別に平均化された2つの湯消費頻度パターンの差分を求める(S024)。これにより、前日の在宅者のうち、一人の在宅者に対して季節別の湯消費頻度パターンが特定されることになる。
以上のようにして一人の在宅者の湯消費頻度パターンを特定した後、ホームサーバ10は、当該湯消費頻度パターンに基づいて、一人の在宅者が1日間にシャワー装置X1にて消費した湯量、すなわち湯消費量を特定する(S025)。なお、湯消費頻度パターンについては季節別に特定されるため、湯消費頻度パターンに基づいて特定される湯消費量についても季節別に特定されることになる。そして、ホームサーバ10は、特定した湯消費量を示すデータ、すなわち、個人別湯消費量データを生成する。生成された個人別湯消費量データは、ハードディスクドライブ14に記憶される。
個人別湯消費頻度パターンの特定及び湯消費量データの生成については、前日の在宅者全員について湯消費量を特定し、前日の在宅者全員分の個人別湯消費量データを生成するまで繰り返される(S026)。なお、前日の在宅者の中に訪問客が含まれる場合には、当該訪問客の個人別湯消費量データを上記と同様の手順にて生成し、ハードディスクドライブ14に記憶する。そして、前日の在宅者全員分の個人別湯消費量データがハードディスクドライブ14に記憶された時点で個人別湯消費量特定処理S002が終了する。
個人別湯消費量特定処理S002が終了すると、ホームサーバ10は、予測処理S003を実行し、予測対象日の必要沸き上げ量(湯消費量)を予測する。予測処理S003の流れについて図13を参照しながら説明すると、先ず、記憶部24としてのハードディスクドライブ14に記憶された標準沸き上げ量を読み出すところから始まる(S031)。本工程S031を行うにあたり、ホームサーバ10は、標準沸き上げ量を決定しハードディスクドライブ14に記憶する。つまり、ホームサーバ10は、予測処理S003の事前に標準沸き上げ量を決定する処理(総量決定処理に相当)を実行している。
次に、ホームサーバ10は、予測対象日当日の在宅スケジュールをハードディスクドライブ14から読み出す(S032)。本工程S032を行うにあたり、ホームサーバ10は、予測対象日の在宅予定データを操作端末3から受信し、当該在宅予定データを展開して予測対象日の在宅スケジュールを取得する。そして、ホームサーバ10は、取得した在宅スケジュールをハードディスクドライブ14に記憶する。つまり、ホームサーバ10は、予測処理S003の事前に予測対象日の在宅スケジュールをハードディスクドライブ14に記憶する処理、すなわち記憶処理を実行している。
その後、ホームサーバ10は、読み出した標準沸き上げ量及び在宅スケジュール、並びにハードディスクドライブ14に記憶された個人別湯消費量データに基づいて、予測対象日の必要沸き上げ量を予測する。具体的に説明すると、ホームサーバ10は、読み出した在宅スケジュールを基に、予測対象日における外出の有無及び来客の有無を判定する(S033)。判定の結果としては、1)外出及び来客が何れもないケース、2)外出があるケース、3)来客があるケースの3種類が挙げられる。判定後の流れは、判定結果に応じて変わるため、以下、判定結果別に説明することとする。
1)外出及び来客が何れもないケース
ホームサーバ10は、予測対象日の在宅スケジュールから、住宅Hの各居住者について予測対象日における在宅/不在宅を特定する(S034)。これにより、予測対象日に住宅H内に在宅(在居)しない居住者の有無が特定される。そして、不在宅の居住者がない場合(S035でNo)、ホームサーバ10は、標準沸き上げ量を予測対象日の必要沸き上げ量に設定する(S036)。
一方で、不在宅の居住者がある場合(S035でYes)、ホームサーバ10は、予測対象日の日付から予測対象日が属する季節を特定する(S037)。その後、ホームサーバ10は、不在宅の居住者を特定した上で、当該不在宅の居住者の個人別湯消費量データのうち、前工程S037で特定した季節に対応するデータを読み出す。これにより、ホームサーバ10は、該当季節における不在宅の居住者の湯消費量を把握する(S038)。そして、ホームサーバ10は、直前の工程S038で把握した不在宅の居住者の湯消費量を標準沸き上げ量から減算することで得られる湯量を、予測対象日の必要沸き上げ量に設定する(S039)。
2)外出があるケース
ホームサーバ10は、予測対象日の在宅スケジュールから外出時間帯、具体的には出発時間及び帰宅時間を特定する(S040)。その後、ホームサーバ10は、特定した外出時間帯に応じた湯量(湯消費量)を割り出した上で、当該湯消費量を標準沸き上げ量から減算することで得られる湯量を、予測対象日の必要沸き上げ量に設定する(S041)。
なお、外出時間帯に応じた湯消費量を割り出す方法については、特に限定されるものではないが、一例を挙げると、ハードディスクドライブ14に記憶された時間別給湯量データに基づいて割り出す方法が考えられる。具体的に説明すると、時間別給湯量データを展開することで、図6に示すような住宅Hにおける湯消費量(給湯量)の時間変化を示すグラフが特定される。そして、当該グラフにおける各時間の湯消費量のうち、外出時間帯に該当する時間内で消費される分の湯量を合算することで、外出時間帯に応じた湯消費量を割り出せばよい。
3)来客があるケース
ホームサーバ10は、予測対象日の在宅スケジュールから、在宅予定者として含まれている訪問客が新規客であるか否かを判定する(S042)。訪問客が新規客である場合(S042でYes)、ホームサーバ10は、当該訪問客の湯消費量を予め登録されている固定値に設定する(S043)。
一方、訪問客が過去に住宅Hを訪問したことがある客(以下、再来客)である場合(S042でNo)、ホームサーバ10は、予測対象日の日付から予測対象日が属する季節を特定する(S044)。その後、ホームサーバ10は、ハードディスクドライブ14に記憶された再来客の個人別湯消費量データのうち、直前の工程S044で特定した季節に対応するデータを読み出す。これにより、ホームサーバ10は、該当季節における再来客の湯消費量を把握する(S045)。
その後の流れは、1)のケースと略同様の流れとなっており、具体的には予測対象日の在宅スケジュールから、予測対象日における住宅Hの各居住者の在宅/不在宅を特定する(S047)。そして、不在宅の居住者がない場合(S047でNo)、ホームサーバ10は、前工程S045で特定した再来客の湯消費量を標準沸き上げ量に加算することで得られる湯量を、予測対象日の必要沸き上げ量に設定する(S048)。
一方で、不在宅の居住者がある場合(S047でYes)、ホームサーバ10は、当該不在宅の居住者の個人別湯消費量データのうち、前工程S044で特定した季節に対応するデータを読み出すことで、該当季節における不在宅の居住者の湯消費量を把握する(S049)。そして、ホームサーバ10は、標準沸き上げ量に対して前工程S045で特定した再来客の湯消費量を標準沸き上げ量を加算し、かつ、直前の工程S049で把握した不在宅の居住者の湯消費量を減算することで得られる湯量を、予測対象日の必要沸き上げ量に設定する(S050)。
以上の手順にて予測対象日の必要沸き上げ量を予測した後、ホームサーバ10は、制御処理S004を実行し、予測結果に応じた量の湯を予測対象日に消費される湯として貯湯式給湯設備1に生成させる。制御処理S004の流れについて説明すると、ホームサーバ10は、ハードディスクドライブ14に記憶された沸き上げ温度を読み出す。その後、ホームサーバ10は、必要沸き上げ量の湯を沸き上げ温度となるように沸き上げる要求(沸き上げ要求)を生成して貯湯式給湯設備1のコントローラ2に向けて出力する。
以上のようにホームサーバ10は、貯湯式給湯設備1が必要沸き上げ量の湯の沸き上げを予測対象日の湯消費開始時までに完了するように、湯量管理フローに係る一連の処理を実行する。これにより、予測対象日の湯使用開始前までに必要量の湯を過不足なく確保することが可能となる。ここで、確保すべき湯量、すなわち、必要沸き上げ量として事前に予測される湯消費量については、予測対象日における住宅Hの各居住者の在宅予定に応じた湯量に設定される。具体的には、標準沸き上げ量から不在宅者の湯消費量分だけ減した量を必要沸き上げ量に設定する。この結果、各居住者の在宅状況に適した量の湯を必要沸き上げとして設定することが可能となる。
また、来客がある日については、訪問客の湯消費量を加味し、その日の必要沸き上げ量を精度よく予測することが可能となる。この結果、来客があったとしても湯切れの発生を抑えることが可能となる。さらに、予測対象日中、いずれの居住者も住宅H内に在宅しない外出時間帯がある場合には、外出時間帯に消費される分の湯量を減じた量を必要沸き上げ量とすることで、外出時間帯に消費される量分の湯を余計に沸き上げて無駄にしてしまうのを抑制することが可能となる。
なお、各居住者の在宅予定、外出の有無、及び来客の有無(以下、在宅予定等)については、住宅Hの居住者が操作端末3を操作することで指定されるため、操作端末3を操作する居住者の意思が反映されるようになる。この結果、在宅予定等に応じて予測される予測対象日の必要沸き上げ量の妥当性がより高まる。
以上の効果により、本実施形態では、住宅Hでの湯量管理がより一層合理的に行われるようになる。また、湯量管理に際して、本管理システムS1のユーザである住宅Hの居住者は、在宅予定等を指定するだけでよく、必要沸き上げ量の予測や貯湯式給湯設備1の制御についてはホームサーバ10が自動的に実行する。このように本管理システムS1によれば、居住者の手間を要さず、継続的に湯量管理を行うことが可能となる。
<<本発明の変形例について>>
上述の実施形態(以下、本件例)では、1日におけるシャワー装置X1での湯消費量を個人別に特定する上で、個人別の湯消費頻度パターンを特定することとした。また、本件例では、ある利用者の湯消費頻度パターンを特定するにあたり、ある利用者及び他の利用者の双方の湯消費頻度パターンと、他の利用者のみの湯消費頻度パターンとを特定し、両パターンの差分を求めることとした。ただし、シャワー装置X1での湯消費量を個人別に特定する方法としては、上記の方法以外の方法も考えられる。以下では、個人別の湯消費量を特定する他の方法を採用した実施形態(以下、変形例)について説明する。なお、以下では、変形例のうち、本件例と共通する内容については説明を省略し、本件例と異なる内容についてのみを説明することとする。
変形例に係る湯量管理システム(以下、変形例に係る管理システムS2)の機器構成について説明すると、図14に示すように、住宅H中の浴室に設置された浴槽に設けられた湯面検知器6及び体重センサ7が追加されている。湯面検知器6は、検知器の一例であり、浴室内に居る住宅Hの利用者を検知するものであり、厳密には、浴槽に貯められた湯面位置の変化を検知することで利用者(すなわち、入浴者)を検知する。そして、湯面検知器6は、湯面位置に応じた信号(以下、湯面検知信号)を出力する。かかる湯面検知信号は、湯面検知器6からの出力信号に相当し、湯面検知器6が入浴者を検知したときの検知結果に応じて出力される。
体重センサ7は、検知器の他例であり、浴槽の底面に取り付けられており、入浴者の体重を計測し、その計測結果をホームサーバ10に向けて配信する。
なお、変形例においても、本件例と同様にシャワー用センサ5が設けられており、当該シャワー用センサ5によって浴室における湯消費量、厳密にはシャワー装置X1にて単位時間あたりに消費される湯量が計測される。
次に、変形例においてホームサーバ10のハードディスクドライブ14に記憶されている情報及びデータを、図15を参照しながら説明する。変形例では、本件例とは異なり、個人別湯消費頻度パターンが記憶されていない一方で、個人別の体積データが記憶されている。この体積データは、身長と体重を所定の変換式に代入することによって得られる体積値を示すものであり、住宅Hの各居住者及び住宅Hに来客したことがある訪問客の各々に対して個別に用意されている。
なお、各人の身長及び体重については、操作端末3を通じて予め入力されることになっている。そして、入力結果が操作端末3から送信され、ホームサーバ10が当該入力結果を受信すると、上記の変換式により体積を算出し、その算出結果を利用者の氏名に紐付けてハードディスクドライブ14に記憶する。
次に、変形例のホームサーバ10の機能、換言すると、ホームサーバ10が備える処理実行部について図16を参照しながら説明する。図16に示すように、変形例のホームサーバ10は、本件例のホームサーバ10が備える処理実行部に加えて、入浴者特定部29を更に備える。この入浴者特定部29は、利用者特定部に相当し、湯面検知器6が出力した信号を受信し、当該信号が示す湯面位置に基づいて入浴者(すなわち、浴室内に居る住宅Hの利用者)を特定するものである。
入浴者の特定手順について説明すると、入浴者が浴槽内に入ることで浴槽内の湯面の位置が変化すると、湯面検知器6が変化後の湯面位置に応じた信号を出力する。入浴者特定部29は、湯面検知器6からの出力信号を受信し、かかる信号から変化後の湯面位置を特定する。その上で、入浴者特定部29は、湯面位置から求められる指標値と住宅Hの利用者との対応関係に基づいて入浴者を特定する。ここで、湯面位置から求められる指標値とは、体積値のことであり、湯面位置の変動量(湯面上昇量)と浴槽のサイズとを所定の変換式に代入することで求められる。また、体積値と利用者との対応関係とは、ハードディスクドライブ14に記憶された個人別の体積データのことである。
より具体的に説明すると、入浴者特定部29は、変化後の湯面位置を特定した後、その特定結果から入浴者の体積値を求める。一方で、入浴者特定部29は、ハードディスクドライブ14に記憶された個人別の体積データの中から、直前に求めた体積値と一定の誤差範囲内で一致する体積値の体積データを抽出する。そして、入浴者特定部29は、抽出した体積データと紐付けられた利用者を入浴者として特定する。
なお、入浴者の特定については、湯面検知器6が湯面位置の変化を検知して当該湯面位置の変動量から特定する場合に限定されず、体重センサ7の計測結果から特定することとしてもよい。具体的に説明すると、体重と利用者との対応関係を予めデータ化してハードディスクドライブ14に記憶しておき、ある利用者が浴槽内に入った際の体重センサ7の計測結果を取得し、かかる計測結果が示す値(体重値)と一致するデータを抽出し、当該データと紐付けられた利用者を入浴者として特定するとよい。
ところで、変形例において、ホームサーバ10が備える処理実行部のうち、消費度合い特定部25は、個人別の湯消費量を算出するにあたり、個人別湯消費頻度パターンを特定することがない。その代わりに、消費度合い特定部25は、入浴者が浴槽内に入る前後n分間(nは、0より大きい任意の実数)におけるシャワー装置X1での湯消費量を、当該入浴者の湯消費量として特定することにしている。すなわち、変形例では、住宅Hの各利用者が1日間でシャワー装置X1にて湯を消費する際の消費度合いとして、浴槽内に入る前後n分間におけるシャワー装置X1での湯消費量を特定することとしている。かかる構成が本件例と変形例との間で相違する点である。
以下、変形例において個人別の湯消費量(湯の消費度合い)を特定する手順を、図17及び図18を参照しながら説明する。なお、図17は、図11に対応する図であり、図18は、図12に対応する図である。
変形例では、個人別の湯消費量を特定するにあたって、図17に示すように、先ず、浴槽に規定量の湯が貯められているか否かをホームサーバ10が判定するところから始まる(S061)。具体的に説明すると、ホームサーバ10は、浴槽に注湯する時間(注湯時間)を監視しており、注湯時間が所定時間に達したか否かを判定する。浴槽に規定量の湯が貯められていると判定した場合(S061でYes)、以降、ホームサーバ10は、湯面検知器6からの湯面検知信号、及び、体重センサ7の計測結果を一定間隔毎(具体的には1分間毎)に受信する(S062)。また、ホームサーバ10は、シャワー用センサ5の計測結果を一定間隔毎(具体的には1分間毎)に受信する(S063)。
ここで、ホームサーバ10は、湯面検知器6からの湯面検知信号を受信する都度、当該湯面検知信号を解析して現在の湯面位置を特定する。そして、湯面検知信号から特定した湯面位置に変化があった場合、特に入浴者が浴槽に入ることに起因して湯面位置が上昇した場合(S064でYes)、ホームサーバ10は、湯面上昇量と湯面上昇時刻を記憶する(S065)。一方、湯面位置に変化がない場合(S064でNo)、ホームサーバ10は、引き続き、湯面検知器6からの湯面検知信号、体重センサ7の計測結果及びシャワー用センサ5の計測結果を1分間毎に受信する。
そして、ホームサーバ10は、浴槽に規定量の湯が貯められているか否かを判定する工程S061の後の工程S062〜S065を、日付が変わるまで繰り返し実施する(S066)。その後、ホームサーバ10は、図18に示す流れにて個人別湯消費量特定処理S002を実行する。
変形例における個人別湯消費量特定処理S002では、先ず、前日の在宅スケジュールをハードディスクドライブ14から読み出して、前日の在宅者を特定するところから始まる(S071)。その後、ホームサーバ10は、前日の日付を特定し、さらに当該日付が属する季節を特定する(S072)。
その後、ホームサーバ10は、前日中の湯面上昇時刻をすべて特定した上で、各湯面上昇時刻における湯面上昇量を特定する。さらに、ホームサーバ10(厳密には、入浴者特定部29)は、特定した湯面上昇量に基づき、前述した特定方法を適用して各湯面上昇時刻における入浴者を特定する(S073)。さらにまた、ホームサーバ10は、ある湯面上昇時刻の入浴者を特定した後、同時刻の前後n分間にシャワー装置X1にて消費された湯量を、ある湯面上昇時刻における入浴者の湯消費量として特定する(S074)。
以上のように変形例のホームサーバ10(厳密には、消費度合い特定部25)は、湯面検知器6が入浴者を検知した時点である湯面上昇時刻を含む一定時間におけるシャワー用センサ5の計測結果に基づいて、当該湯面上昇時刻における入浴者の湯消費量を特定する。なお、各湯面上昇時刻における入浴者の湯消費量を特定する際、当該湯消費量は、前工程072で特定された季節と紐付けされる。これにより、該当季節における入浴者の湯消費量を示すデータ(個人別湯消費量データ)が生成され、ハードディスクドライブ14に記憶されるようになる。
そして、ホームサーバ10は、前日の湯面上昇時刻すべてについて、その時刻における入浴者を特定する工程S073と、入浴者の該当季節における湯消費量を特定する工程S074と、を繰り返して行う(S075)。なお、浴槽に入らずにシャワーのみを使用する場合、上述の手順では、誰がシャワーを使用しているかを特定することができない。このため、シャワー装置X1における湯消費が一定時間以上継続する場合には、当該時間内の湯消費量を複数人分(具体的には、シャワーのみ使用者の人数分)の湯消費量として按分し、シャワーのみ使用者各人の個別湯消費量データとして記憶することにしている。
最終的に、前日の湯面上昇時刻すべてについて、個人別湯消費データが生成されハードディスクドライブ14に記憶された時点で個人別湯消費量特定処理S002が完了する。
以上のように変形例では、入浴者を検知した時刻を含む前後n分間におけるシャワー装置X1での湯消費量を特定し、かかる湯消費量を、直前に特定した入浴者の湯消費量とする。これにより、住宅Hの各利用者の湯消費量を、当該各利用者がシャワー装置X1にて実際に湯を消費していた時の計測結果に基づいて適切に特定することが可能となる。この結果、予測対象日の必要沸き上げ量をより精度よく予測することが可能となる。
<<その他の実施形態>>
以上までに説明してきた実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、上記の実施形態では、湯量管理に関する機能がホームサーバ10に集約されていることとした。つまり、上記の実施形態では、総給湯量データ取得部21と、シャワー分給湯量データ取得部22と、スケジュール取得部23と、記憶部24と、消費度合い特定部25と、総量決定部26と、湯消費量予測部27と、制御部28と、(変形例では更に入浴者特定部29と)が一台のホームサーバ10によって構成されることとした。ただし、これに限定されるものではなく、上記の処理実行部のうちの一部が、ホームサーバ10とは異なる装置によって構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、住宅Hにおける予測対象日の必要沸き上げ量を予測する処理、及び、貯湯式給湯設備1を制御して予測結果に応じた湯を生成させる処理が、ホームサーバ10によって実行されることとした。すなわち、上記の実施形態では、予測処理及び制御処理を実行する湯量管理装置が住宅H内に設置されていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、APS(Application Service Provider)サーバやクラウドサービス用のサーバのような外部サーバが、予測処理や制御処理等のホームサーバ10が実行する一連の処理を実行することとしてもよい。
また、上記の実施形態では、予測対象日の必要沸き上げ量を当日の深夜に予測することとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、予測対象日の湯消費開始までに必要沸き上げ量の湯を確保できればよく、その限りにおいては、予測処理の実行時間を任意に決めることが可能である。
また、上記の実施形態では、予測処理実行時点の翌朝から同日の24時までの必要沸き上げ量を予測することとしたが、これに限定されず、予測対象期間は任意に定めることが可能であり、例えば、翌日以降の日付の中で指定された日付又は時間帯の必要沸き上げ量を予測することとしてもよい。
また、上記の実施形態では、湯の消費度合いとして、湯消費頻度パターンや、一定時間内(厳密には、浴槽内に入った時点の前後n分間)における湯消費量を特定することとした。ただし、湯の消費度合いとしては、湯消費頻度パターンや湯消費量以外の指標を採用することとしてもよく、例えば、湯の消費継続時間を消費度合いとして特定してもよい。
1 貯湯式給湯設備
2 コントローラ
3 操作端末
4 総量センサ
5 シャワー用センサ
6 湯面検知器
7 体重センサ
10 ホームサーバ
11 CPU
12 メモリ
13 通信用インタフェース
14 ハードディスクドライブ
21 総給湯量データ取得部
22 シャワー分給湯量データ取得部
23 スケジュール取得部
24 記憶部
25 消費度合い特定部
26 総量決定部
27 湯消費量側部
28 制御部
29 入浴者特定部
H 住宅
S1 本管理システム
S2 変形例に係る管理システム
X1 シャワー装置
X2 風呂用蛇口、X3 洗面所用蛇口、X4 台所用蛇口

Claims (11)

  1. 複数の利用者に利用される建物内での湯消費量を計測する計測装置と、
    該計測装置の計測結果に基づき、前記利用者が所定期間内に前記建物内で湯を消費した際の消費度合いを、前記利用者別に特定する消費度合い特定部と、
    複数の前記利用者のうち、予め指定された指定利用者すべてが前記建物内に在居する場合に前記所定期間内に前記建物内で消費される湯の総量を決定する総量決定部と、
    前記建物内にどの前記利用者が在居するかを示す在居スケジュールを記憶した記憶部と、
    予測対象期間における湯の消費量を、前記総量決定部が決定した湯の総量と、前記消費度合い特定部が特定した前記利用者別の前記消費度合いと、前記記憶部に記憶された前記予測対象期間の前記在居スケジュールと、に基づいて予測する湯消費量予測部と、
    湯を生成する湯生成装置を制御し、前記湯消費量予測部による予測結果に応じた量の湯を、前記予測対象期間内に消費される湯として前記湯生成装置に生成させる制御部と、を備えていることを特徴とする湯量管理システム。
  2. 前記消費度合い特定部が特定する前記消費度合いの中には、前記建物を訪問したことがある前記利用者である訪問客の前記消費度合いが含まれており、
    前記総量決定部は、前記指定利用者すべてが前記建物内に在居し、かつ、前記訪問客が前記建物内に在居していない場合に前記所定期間内に前記建物内で消費される湯の総量を決定し、
    前記予測対象期間の前記在居スケジュールから特定される前記予測対象期間における前記建物の在居予定者の中に前記訪問客が含まれているとき、前記湯消費量予測部は、前記予測対象期間における湯の消費量を予測するにあたり、前記総量決定部が決定した湯の総量に、前記訪問客の前記消費度合いに応じた湯量を加算することを特徴とする請求項1に記載の湯量管理システム。
  3. 前記総量決定部は、前記指定利用者すべてが前記建物内に在居する場合に1日間に前記建物内で消費される湯の総量を決定し、
    前記消費度合い特定部は、前記利用者が1日間に前記建物内で湯を消費した際の消費度合いを、季節別に平均化することで前記消費度合いを特定し、
    前記湯消費量予測部は、前記記憶部に記憶された予測対象日の前記在居スケジュールから前記予測対象日に前記建物内に在居しない前記指定利用者を特定するとともに、前記予測対象日における湯の消費量を予測するにあたり、前記総量決定部が決定した湯の総量から、特定した前記指定利用者の前記消費度合いに応じた湯量を減算することを特徴とする請求項2に記載の湯量管理システム。
  4. 前記計測装置は、前記建物としての住宅中の浴室又はシャワールーム内での湯消費量を計測するセンサであり、
    前記総量決定部は、前記指定利用者である前記住宅の居住者すべてが前記住宅内に在居する場合に1日間に前記住宅内で消費される湯の総量を決定し、
    前記消費度合い特定部は、前記居住者を含む前記住宅の前記利用者の各々が1日間に前記浴室又はシャワールーム内で湯を消費した際の消費度合いを、季節別に平均化することで前記消費度合いを特定することを特徴とする請求項3に記載の湯量管理システム。
  5. 前記湯消費量予測部は、前記予測対象期間の前記在居スケジュールに基づいて、いずれの前記利用者も前記建物内に在居しない外出時間帯が前記予測対象期間中に存在するか否かを判定し、前記外出時間帯が存在する場合には、前記予測対象期間における湯の消費量を予測するにあたり、前記総量決定部が決定した湯の総量から、前記外出時間帯に応じた湯量を減算することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の湯量管理システム。
  6. 前記予測対象期間における複数の前記利用者の各々の前記建物内での在居予定を指定するために行われる操作を受け付けて、前記在居予定の指定結果を示すデータを発信する操作受け付け部と、
    該操作受け付け部が発信したデータを受信することにより、前記予測対象期間の前記在居スケジュールを取得するスケジュール取得部と、を有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の湯量管理システム。
  7. 単位時間あたりの湯の消費量を消費速度とし、湯を連続的に消費したときの継続時間を消費継続時間としたとき、前記消費度合い特定部は、前記消費度合いとして、湯を前記消費速度にて前記消費継続時間だけ連続的に消費する行動と当該行動の前記所定期間における実施頻度との対応関係を示す湯消費頻度パターンを前記利用者別に特定することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の湯量管理システム。
  8. 前記消費度合い特定部は、複数の前記利用者のうち、ある利用者及び他の利用者の双方の前記湯消費頻度パターンと、前記他の利用者のみの前記湯消費頻度パターンと、を特定した後、特定した2つの前記湯消費頻度パターンの差分を求めることで前記ある利用者の前記湯消費頻度パターンを特定することを特徴とする請求項7に記載の湯量管理システム。
  9. 前記建物中の部屋内に居る前記利用者を検知したときに検知結果に応じた信号を出力する検知器と、
    該検知器が出力した信号を受信し、当該信号から前記部屋内に居る前記利用者を特定する利用者特定部と、を備え、
    前記計測装置は、前記検知器が設置された前記部屋における前記湯消費量を計測し、
    前記消費度合い特定部は、前記検知器が前記部屋内に居る前記利用者を検知した時点を含む一定時間における前記計測装置の計測結果に基づき、前記利用者特定部が特定した前記利用者の前記消費度合いを特定することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の湯量管理システム。
  10. 前記検知器は、前記建物としての住宅中の浴室に設置された浴槽に溜められた湯面位置に応じた信号を出力する湯面検知器であり、
    前記利用者特定部は、前記湯面検知器が出力した信号から前記湯面位置を特定した上で、前記湯面位置から求められる指標値と前記利用者との対応関係に基づいて、前記浴室に居る前記利用者を特定することを特徴とする請求項9に記載の湯量管理システム。
  11. コンピュータが、
    複数の利用者に利用される建物内での湯消費量を計測する計測装置の計測結果に基づき、前記利用者が所定期間内に前記建物内で湯を消費した際の消費度合いを、前記利用者別に特定する消費度合い特定処理と、
    複数の前記利用者のうち、予め指定された指定利用者すべてが前記建物内に在居する場合に前記所定期間内に前記建物内で消費される湯の総量を決定する総量決定処理と、
    前記建物内にどの前記利用者が在居するかを示す在居スケジュールを記憶部に記憶する記憶処理と、
    予測対象期間における湯の消費量を、前記総量決定処理で決定した湯の総量と、前記消費度合い特定処理で特定した前記利用者別の前記消費度合いと、前記記憶部に記憶された前記予測対象期間の前記在居スケジュールと、に基づいて予測する予測処理と、
    湯を生成する湯生成装置を制御し、前記予測処理における予測結果に応じた量の湯を、前記予測対象期間内に消費される湯として前記湯生成装置に生成させる制御処理と、
    を実行することを特徴とする湯量管理方法。
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