図1は、本発明の実施例に係る建設機械の一例であるショベルを示す側面図である。ショベルの下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載される。上部旋回体3にはブーム4が取り付けられる。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられる。なお、エンドアタッチメントは、法面バケット、チルトバケット、浚渫用バケット等であってもよい。
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成し、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。また、ブーム4にはブーム角度センサS1が取り付けられ、アーム5にはアーム角度センサS2が取り付けられ、バケットリンクにはバケット角度センサS3が取り付けられる。なお、掘削アタッチメントは、バケットチルト機構を備えていてもよい。
ブーム角度センサS1は、ブーム4の回動角度を検出するセンサである。本実施例では、水平面に対する傾斜を検出して上部旋回体3とブーム4とを連結するブームフートピン回りのブーム4の回動角度を検出する加速度センサである。
アーム角度センサS2は、アーム5の回動角度を検出するセンサである。本実施例では、水平面に対する傾斜を検出してブーム4とアーム5とを連結する連結ピン回りのアーム5の回動角度を検出する加速度センサである。
バケット角度センサS3は、バケット6の回動角度を検出するセンサである。本実施例では、水平面に対する傾斜を検出してアーム5とバケット6を連結する連結ピン回りのバケット6の回動角度を検出する加速度センサである。また、掘削アタッチメントがバケットチルト機構を備える場合、バケット角度センサS3は、チルト軸回りのバケット6の回動角度を追加的に検出する。
なお、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3の少なくとも1つは、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、対応する油圧シリンダのストローク量を検出するストロークセンサ、連結ピン回りの回動角度を検出するロータリエンコーダ等であってもよい。
上部旋回体3にはキャビン10が設けられ且つエンジン11等の動力源が搭載される。また、上部旋回体3には機体傾斜センサS4が取り付けられる。また、キャビン10内には、入力装置D1、音声出力装置D2、表示装置D3、コントローラ30、及びマシンガイダンス装置50が搭載される。
コントローラ30は、ショベルの駆動制御を行う主制御部としての制御装置である。本実施例では、コントローラ30は、CPU及び記憶装置を含む演算処理装置で構成される。そして、コントローラ30の各種機能は、CPUが記憶装置に格納されたプログラムを実行することで実現される。
マシンガイダンス装置50は、ショベルの操作をガイドするマシンガイダンス機能を実行する。本実施例では、マシンガイダンス装置50は、例えば、目標施工面とバケット6の先端(爪先)位置との鉛直方向における距離を視覚的に且つ聴覚的に運転者に知らせることで運転者によるショベルの操作をガイドする。なお、マシンガイダンス装置50は、その距離を視覚的に運転者に知らせるのみであってもよく、聴覚的に運転者に知らせるのみであってもよい。具体的には、マシンガイダンス装置50は、コントローラ30と同様、CPU及び記憶装置を含む演算処理装置で構成される。そして、マシンガイダンス装置50の各種機能はCPUが記憶装置に格納されたプログラムを実行することで実現される。また、マシンガイダンス装置50はコントローラ30に統合されていてもよい。
機体傾斜センサS4は、水平面に対する上部旋回体3の傾斜を検出するセンサである。本実施例では、上部旋回体3の前後軸及び左右軸の水平面に対する傾斜角度を検出する2軸加速度センサである。
入力装置D1は、ショベルの運転者が各種情報を入力するための装置である。本実施例では、入力装置D1は表示装置D3の表示画面の周辺に取り付けられるボタンスイッチであり、コントローラ30に各種情報を入力する。また、入力装置D1はコントローラ30を介してマシンガイダンス装置50に各種情報を入力してもよい。なお、入力装置D1はマシンガイダンス装置50に直接的に各種情報を入力してもよい。また、入力装置D1はタッチパネルであってもよい。
音声出力装置D2は、音声出力指令に応じて各種情報を音声出力する装置である。本実施例では、音声出力装置D2はキャビン10内に設置された車載スピーカであり、コントローラ30からの音声出力指令に応じて各種情報を音声出力する。また、音声出力装置D2はコントローラ30を介して受けるマシンガイダンス装置50からの音声出力指令に応じて各種情報を音声出力してもよい。なお、音声出力装置D2はマシンガイダンス装置50からの音声出力指令を直接的に受けて各種情報を音声出力してもよい。また、音声出力装置D2はブザーであってもよい。
表示装置D3は各種画像情報を出力する装置である。本実施例では、表示装置D3はキャビン10内に設置された車載液晶ディスプレイであり、コントローラ30からの表示指令に応じて各種情報を表示する。また、表示装置D3はコントローラ30を介して受けるマシンガイダンス装置50からの表示指令に応じて各種情報を表示してもよい。なお、表示装置D3はマシンガイダンス装置50からの表示指令を直接的に受けて各種情報を表示してもよい。
図2は、図1のショベルの駆動系の構成例を示す図である。図2において、機械的動力系は二重線、高圧油圧ラインは太実線、パイロットラインは破線、電気制御系は一点鎖線でそれぞれ示される。
エンジン11はショベルの動力源である。本実施例では、エンジン11はエンジン負荷の増減にかかわらずエンジン回転数を一定に維持するアイソクロナス制御を採用するディーゼルエンジンである。
エンジン11には油圧ポンプとしてのメインポンプ14及びコントロールポンプ15が接続される。メインポンプ14には高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続される。また、メインポンプ14の吐出量はレギュレータ13によって増減される。
コントロールバルブ17はショベルの油圧系の制御を行う油圧制御装置である。左側走行用油圧モータ1A、右側走行用油圧モータ1B、旋回用油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9等の油圧アクチュエータは、高圧油圧ラインを介してコントロールバルブ17に接続される。
コントロールポンプ15にはパイロットライン25を介して操作装置26が接続される。操作装置26は、油圧アクチュエータの操作に用いられる装置であり、左側走行体操作ペダル、右側走行体操作ペダル、旋回操作レバー、ブーム操作レバー、アーム操作レバー、バケット操作レバー等を含む。本実施例では、操作装置26は、油圧ライン27を介してコントロールバルブ17に接続され、且つ、油圧ライン28を介して圧力センサ29に接続される。圧力センサ29は、操作装置26の操作内容を圧力の形で検出するセンサであり、検出値をコントローラ30に対して出力する。コントローラ30は圧力センサ29の出力を含む各種情報に応じてレギュレータ13に制御指令を出力してメインポンプ14の吐出量を制御する。
次に、図3を参照し、図1のショベルに搭載される油圧回路の構成例について説明する。なお、図3は、図1のショベルに搭載される油圧回路の構成例を示す図である。また、図3は、図2と同様、高圧油圧ライン、パイロットライン、及び電気制御系をそれぞれ実線、破線、及び一点鎖線で示す。
メインポンプ14L、14Rは、エンジン11によって駆動される可変容量型油圧ポンプであり、図2のメインポンプ14に対応する。本実施例では、メインポンプ14Lは、コントロールバルブ17を構成する制御弁171L〜175Lのそれぞれを通るセンターバイパス油路21Lを通じて作動油タンクTまで作動油を循環させる。また、メインポンプ14Lは、センターバイパス油路21Lに平行に伸びるパラレル油路22Lを通じて制御弁172L〜175Lのそれぞれに作動油を供給可能である。同様に、メインポンプ14Rは、コントロールバルブ17を構成する制御弁171R〜175Rのそれぞれを通るセンターバイパス油路21Rを通じて作動油タンクTまで作動油を循環させる。また、メインポンプ14Rは、センターバイパス油路21Rに平行に伸びるパラレル油路22Rを通じて制御弁172R〜175Rのそれぞれに作動油を供給可能である。なお、以下では、メインポンプ14L及びメインポンプ14Rは、集合的に「メインポンプ14」として参照される場合もある。左右一対で構成される他の構成要素についても同様である。
レギュレータ13L、13Rは、メインポンプ14L、14Rの吐出量を制御する装置であり、図2のレギュレータ13に対応する。本実施例では、レギュレータ13L、13Rはコントローラ30からの制御指令に応じてメインポンプ14L、14Rの吐出量を増減させる。
制御弁171Lは、左側走行体操作ペダル(図示せず。)が操作された場合に、メインポンプ14Lが吐出する作動油を左側走行用油圧モータ1Aに供給するために作動油の流れを切り替えるスプール弁である。
制御弁171Rは、走行直進弁としてのスプール弁である。本実施例では、走行直進弁171Rは、4ポート2位置のスプール弁であり、第1弁位置及び第2弁位置を有する。具体的には、第1弁位置は、メインポンプ14Lとパラレル油路22Lとを連通する油路と、メインポンプ14Rと制御弁172Rとを連通する油路と有する。また、第2弁位置は、メインポンプ14Rとパラレル油路22Lとを連通する油路と、メインポンプ14Lと制御弁172Rとを連通する油路とを有する。
制御弁172Lは、バケットチルトシリンダ等のオプション用油圧アクチュエータ(図示せず。)を操作するための操作装置26が操作された場合に、メインポンプ14Lが吐出する作動油をそのオプション用油圧アクチュエータに供給するために作動油の流れを切り替えるスプール弁である。
制御弁172Rは、右側走行体操作ペダル(図示せず。)が操作された場合に、メインポンプ14が吐出する作動油を右側走行用油圧モータ1Bに供給するために作動油の流れを切り替えるスプール弁である。
制御弁173Lは、旋回操作レバー(図示せず。)が操作された場合に、メインポンプ14が吐出する作動油を旋回用油圧モータ2Aに供給するために作動油の流れを切り替えるスプール弁である。
制御弁173Rは、バケット操作レバー(図示せず。)が操作された場合に、メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給するために作動油の流れを切り替えるスプール弁である。
制御弁174L、174Rは、ブーム操作レバー(図示せず。)が操作された場合に、メインポンプ14が吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給するために作動油の流れを切り替えるスプール弁である。なお、制御弁174Lは、ブーム操作レバーが所定のレバー操作量以上でブーム上げ方向に操作された場合に、作動油を追加的にブームシリンダ7に供給する。
制御弁175L、175Rは、アーム操作レバー(図示せず。)が操作された場合に、メインポンプ14が吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給するために作動油の流れを切り替えるスプール弁である。なお、制御弁175Rは、アーム操作レバーが所定のレバー操作量以上で操作された場合に、作動油を追加的にアームシリンダ8に供給する。
なお、左側走行用油圧モータ1A、オプション用油圧アクチュエータ、旋回用油圧モータ2A、アームシリンダ8のそれぞれから流出する作動油は、戻り油路23Lを通じて作動油タンクTに排出される。同様に、右側走行用油圧モータ1B、バケットシリンダ9、ブームシリンダ7のそれぞれから流出する作動油は、戻り油路23Rを通じて作動油タンクTに排出される。また、アームシリンダ8から流出する作動油の一部は戻り油路23Rを通じて作動油タンクTに排出される場合もある。
センターバイパス油路21L、21Rはそれぞれ最も下流にある制御弁175L、175Rと作動油タンクTとの間にネガティブコントロール絞り20L、20Rを備える。なお、以下では、ネガティブコントロールを「ネガコン」と略称する。ネガコン絞り20L、20Rは、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油の流れを制限してネガコン絞り20L、20Rの上流でネガコン圧を発生させる。コントローラ30は、このネガコン圧を利用してネガコン制御を実行する。具体的には、ネガコン絞り20L、20Rで発生させたネガコン圧が低いほどメインポンプ14L、14Rの吐出量を増大させる。また、ネガコン絞り20L、20Rで発生させたネガコン圧が所定圧力を上回った場合にメインポンプ14L、14Rの吐出量を所定の下限値まで低減させる。
旋回油圧回路40は、旋回機構2を駆動するための油圧回路であり、旋回用油圧モータ2A、旋回リリーフ弁41L、41R、チェック弁42L、42R、旋回ブレーキ43を含む。
旋回リリーフ弁41Lは、旋回用油圧モータ2Aの左ポート2AL側の作動油の圧力を所定の旋回リリーフ圧以下に制御する弁である。また、旋回リリーフ弁41Rは、旋回用油圧モータ2Aの右ポート2AR側の作動油の圧力を所定の旋回リリーフ圧以下に制御する弁である。
チェック弁42Lは、旋回用油圧モータ2Aの左ポート2AL側の作動油の圧力を作動油タンクTにある作動油の圧力以上に維持する弁である。また、チェック弁42Rは、旋回用油圧モータ2Aの右ポート2AR側の作動油の圧力を作動油タンクTにある作動油の圧力以上に維持する弁である。
旋回ブレーキ43は、旋回用油圧モータ2Aの回転を機械的に制動するメカニカルブレーキである。本実施例では、旋回ブレーキ43はバネ力を利用してブレーキパッド(図示せず。)をブレーキディスク(図示せず。)に押し付け、ブレーキディスクと一体的に回転する旋回機構2を制動する。
切替弁44は、旋回ブレーキ43の作動状態を切り替える弁である。本実施例では、切替弁44はコントローラ30からの制御指令に応じて切り替わる電磁弁である。具体的には、切替弁44は、コントローラ30から制動指令を受けた場合に第2位置に切り替わり、制動指令を受けていない場合に第1位置に切り替わる。なお、図3は、切替弁44が第1位置にある状態を示す。第1位置にある切替弁44は、コントロールポンプ15と旋回ブレーキ43との間を連通させて旋回ブレーキ43内に作動油を流入させる。そして、バネ力に反する力を作用させて旋回ブレーキ43による制動力を消失させる。一方、第2位置にある切替弁44は、コントロールポンプ15と旋回ブレーキ43との間を遮断して旋回ブレーキ43内の作動油を作動油タンクTに排出する。そして、バネ力に反する力を消失させて旋回ブレーキ43による制動力を発生させる。
圧力センサP1L、P1Rは、ネガコン絞り20L、20Rの上流で発生したネガコン圧を検出し、検出した値を電気的なネガコン圧信号としてコントローラ30に対して出力する。
圧力センサP2L、P2Rは、メインポンプ14L、14Rの吐出圧を検出し、検出した値を電気的な吐出圧信号としてコントローラ30に対して出力する。
コントローラ30は、圧力センサ29、P1L、P1R、P2L、P2R等の出力に応じて各種演算を実行し、レギュレータ13L、13R、切替弁44等に対して制御指令を出力する。そして、メインポンプ14L、14Rのそれぞれの吐出量を調整する機能、旋回機構2をロックする機能等を実現する。
次に、図4を参照し、コントローラ30及びマシンガイダンス装置50が有する各種機能要素について説明する。なお、図4は、コントローラ30及びマシンガイダンス装置50の構成例を示す図である。
本実施例では、マシンガイダンス装置50は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、バケット角度センサS3、及び機体傾斜センサS4の出力を受信する。また、マシンガイダンス装置50は、コントローラ30を介して入力装置D1の出力を受信し、且つ、コントローラ30を介して音声出力装置D2及び表示装置D3のそれぞれに各種指令を出力する。また、マシンガイダンス装置50は、姿勢検出部51、偏差計算部52、音声出力制御部53、及び表示制御部54を有する。なお、コントローラ30及びマシンガイダンス装置50は、CAN(Controller Area Network)を通じて互いに接続される。また、マシンガイダンス装置50はコントローラ30に統合されてもよい。
姿勢検出部51は、アタッチメントの姿勢を検出する機能要素である。本実施例では、姿勢検出部51は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、バケット角度センサS3、及び機体傾斜センサS4のそれぞれの検出値に基づいて掘削アタッチメントの姿勢を検出する。具体的には、姿勢検出部51は、掘削アタッチメント上の各点に対応する基準座標系上の座標を導き出す。なお、基準座標系は、上部旋回体3上の1点を原点とする座標系であり、例えば、水平面上の掘削アタッチメントの延在方向をX軸とし鉛直線をZ軸とする3次元直交座標系である。また、掘削アタッチメント上の各点は、バケット6の先端(爪先)位置に対応する点を含む。
偏差計算部52は、バケット6の現在位置と目標位置との偏差を導き出す。本実施例では、偏差計算部52は、姿勢検出部51が検出した掘削アタッチメントの姿勢と後述の目標地形情報とに基づいてバケット6の現在位置と目標位置との偏差を導き出す。具体的には、偏差計算部52は、バケット6の先端位置と目標施工面との鉛直方向における距離を偏差として導き出す。なお、偏差は、バケット6の先端位置と目標施工面との水平方向における距離、最短距離等であってもよい。
音声出力制御部53は音声出力装置D2から出力させる音声情報の内容を制御する。本実施例では、音声出力制御部53は、偏差計算部52が導き出した偏差が所定値以下となった場合に音声出力装置D2からガイダンス音としての断続音を出力させる。また、音声出力制御部53は、その偏差が小さくなるほど断続音の出力間隔(無音部分の長さ)を短くする。なお、音声出力制御部53は、その偏差がゼロの場合、すなわち、バケット6の先端位置と目標施工面とが一致する場合、音声出力装置D2から連続音(出力間隔がゼロの断続音)を出力させてもよい。また、音声出力制御部53は、その偏差の正負が反転した場合、断続音の高さ(周波数)を変化させてもよい。なお、偏差は、例えば、バケット6の先端位置が目標施工面より鉛直上方にある場合に正値となる。
目標地形情報は、施工完了時の地形に関する情報であり、入力装置D1を通じて入力され、マシンガイダンス装置50の記憶装置等に記憶される。具体的には、運転者は、目標施工面の深さ(高さ)、及び、基準座標系のX軸に対する目標施工面の勾配を目標地形情報として入力する。
目標施工面の深さ(高さ)及び勾配を入力した後、運転者はショベルを実際に操作してバケット6の先端位置を基準点に移動させる。基準点は、例えば、測量用回転レーザによって定められる点である。そして、運転者は、バケット6の先端位置を基準点に移動させた状態で入力装置D1を操作し、バケット6の先端位置が基準点に一致したことをマシンガイダンス装置50に通知する。この時点でマシンガイダンス装置50は目標施工面に対するバケット6の先端位置を正確に把握でき、運転者による床掘施工、法面施工等を支援できる。なお、床掘施工の場合には運転者は勾配の値を0度に設定すればよい。或いは、法面施工の場合には、運転者は目標施工面としての法面の勾配のみを入力し、法面の最上端である法肩を基準点としてバケット6の先端位置をその基準点に移動させた上でバケット6の先端位置が基準点に一致したことをマシンガイダンス装置50に通知してもよい。この場合、目標施工面の深さ(高さ)の入力は省略されてもよい。以下では、運転者によるこのような目標地形情報の入力を目標設定処理と称する。
マシンガイダンス装置50は目標設定処理が行われたか否かを管理する。本実施例では、マシンガイダンス装置50は自身の記憶装置に記憶される目標設定済みフラグを用いて目標設定処理が行われたか否かを管理する。目標設定済みフラグは、初期値である値「0」によって目標設定処理が未実施である状態を示し、値「1」によって目標設定処理が実施済みである状態を示す。そして、マシンガイダンス装置50は、目標設定処理が実施された場合に目標設定済みフラグの値を「1」に設定し、コントローラ30からリセット指令を受信した場合に目標設定済みフラグの値を「0」に設定する。なお、コントローラ30は、走行操作が行われた場合、旋回操作が行われた場合、イグニッションスイッチがオフされた場合等に、マシンガイダンス装置50に対してリセット指令を出力する。また、マシンガイダンス装置50は、目標設定済みフラグが値「0」の場合、すなわち、目標設定処理が実施されていない状態ではマシンガイダンス機能を実行させないようにしてもよい。
図5は入力装置D1及び表示装置D3の構成例を示す概略図である。図5に示すように、入力装置D1及び表示装置D3は一体的に形成され、表示装置D3のディスプレイ70に隣接するように入力装置D1の操作パネルが配置される。
操作パネルは、主に、方向ボタン71、決定ボタン72、及び取消ボタン73を含む。方向ボタン71は、左ボタン71L、右ボタン71R、上ボタン71U、及び下ボタン71Dで構成される。入力装置D1は、例えば方向ボタン71のうちの何れかが押下されると、マシンガイダンス設定画面を表示装置D3のディスプレイ70上に表示させる。マシンガイダンス設定画面はマシンガイダンス機能を実行する際に必要となる各種パラメータを運転者が設定できるようにする画面である。
左ボタン71L及び右ボタン71Rはマシンガイダンス設定画面において項目を選択する際に用いられる。項目は「深さ設定」及び「勾配設定」を含む。また、上ボタン71Uは項目値(例えば深さ又は勾配の値である。)を増大させる際に用いられ、下ボタン71Dは項目値を低減させる際に用いられる。
また、決定ボタン72は、バケット6の先端位置が基準点に一致したことをマシンガイダンス装置50に通知する際に用いられる。また、取消ボタン73はマシンガイダンス装置50に対してリセット指令を出力する際に用いられる。マシンガイダンス装置50は、決定ボタン72が押下された場合に、目標施工面の深さ及び勾配の現在値に基づいてマシンガイダンスを開始させる。また、マシンガイダンス装置50は、取消ボタン73が押下された場合にマシンガイダンスを停止させる。
表示制御部54は表示装置D3に表示させる各種情報の内容を制御する。本実施例では、表示制御部54はマシンガイダンスに関する情報を表示装置D3に表示させる。
次に、コントローラ30の詳細について説明する。本実施例では、コントローラ30は動作ロック部31及びパラメータ設定部32を有する。また、コントローラ30は、入力装置D1及びマシンガイダンス装置50の出力を受信し、音声出力装置D2、表示装置D3、及び切替弁44に対して各種指令を出力する。
動作ロック部31はショベルを構成する1又は複数の要素の動きをロックする。本実施例では、動作ロック部31はマシンガイダンス中に旋回機構2をロックする。以下ではこの機能を「旋回ロック」と称する。具体的には、動作ロック部31は決定ボタン72が押下された場合に切替弁44に対して制動指令を出力し、切替弁44を第2位置に切り替えて旋回ブレーキ43による制動力を発生させる。その後、切替弁44は、取消ボタン73が押下されるまで第2位置のまま維持され、マシンガイダンスが停止されるまで旋回ブレーキ43による制動力が維持されるようにする。
また、動作ロック部31は、決定ボタン72が押下された場合に表示装置D3に対して旋回ロック画像表示指令を出力し、旋回機構2がロックされた旨を表す旋回ロック画像をディスプレイ70上に表示させる。その後、表示装置D3は、取消ボタン73が押下されてマシンガイダンスが停止されるまで旋回ロック画像の表示が維持されるようにする。
また、動作ロック部31は、決定ボタン72が押下された場合に旋回操作レバーを介した旋回操作入力を無効にしてもよい。具体的には、動作ロック部31は図示しない電磁弁を制御して旋回操作レバーと制御弁173Lのパイロットポートとの間を遮断し、旋回操作レバーが発生させるパイロット圧を制御弁173Lのパイロットポートに作用させないようにしてもよい。
このようにして、動作ロック部31は、マシンガイダンス中に旋回機構2をロックしてマシンガイダンス中の意図しない旋回動作を防止する。目標設定処理が実施された後で旋回動作により上部旋回体3の旋回位置に変化が生じた場合、マシンガイダンス装置50による正確なガイダンスを継続できないおそれがあるためである。具体的には、上部旋回体3の旋回位置に変化が生じた場合、目標設定処理においてバケット6の先端位置を基準点に合わせたときのショベルが取り得る姿勢(以下、「基準姿勢」とする。)と現在のショベルが取り得る姿勢との間にずれが生じる(ショベルをどのように操作したとしても基準姿勢と同じ姿勢を実現できない)ためである。
なお、動作ロック部31は、旋回機構2をロックするのと同様に、下部走行体1をロックしてマシンガイダンス中の意図しない走行動作を防止してもよい。以下ではこの機能を「走行ロック」と称する。目標設定処理が実施された後で走行動作により下部走行体1の位置又は姿勢に変化が生じた場合、マシンガイダンス装置50による正確なガイダンスを継続できないおそれがあるためである。
具体的には、動作ロック部31は決定ボタン72が押下された場合に切替弁44に対して制動指令を出力し、切替弁44を第2位置に切り替えて旋回ブレーキ43、左側走行ブレーキ(図示せず。)、及び右側走行ブレーキ(図示せず。)のそれぞれによる制動力を発生させてもよい。この場合、左側走行ブレーキ及び右側走行ブレーキは旋回ブレーキ43と同様の構成を有するメカニカルブレーキであり、左側走行ブレーキが左側走行用油圧モータ1Aの回転を機械的に制動し、右側走行ブレーキが右側走行用油圧モータ1Bの回転を機械的に制動する。その後、切替弁44は取消ボタン73が押下されるまで第2位置のまま維持され、マシンガイダンスが停止されるまで旋回ブレーキ43、左側走行ブレーキ、及び右側走行ブレーキのそれぞれによる制動力が維持されるようにする。また、左側走行ブレーキ及び右側走行ブレーキの作動状態を切り替える切替弁が切替弁44とは別に用意されてもよい。
また、動作ロック部31は、決定ボタン72が押下された場合に表示装置D3に対してロック画像表示指令を出力し、旋回ロック画像に加え、下部走行体1がロックされた旨を表す走行ロック画像をディスプレイ70上に表示させてもよい。この場合、表示装置D3は、取消ボタン73が押下されてマシンガイダンスが停止されるまで旋回ロック画像及び走行ロック画像の表示が維持されるようにする。
また、動作ロック部31は、決定ボタン72が押下された場合、旋回操作レバーを介した旋回操作入力を無効にするのと同様、左右の走行体操作ペダルを介した走行操作入力を無効にしてもよい。具体的には、動作ロック部31は図示しない電磁弁を制御して左側走行体操作ペダルと制御弁171Lのパイロットポートとの間を遮断し、左側走行体操作ペダルが発生させるパイロット圧を制御弁171Lのパイロットポートに作用させないようにしてもよい。また、動作ロック部31は図示しない電磁弁を制御して右側走行体操作ペダルと制御弁172Rのパイロットポートとの間を遮断し、右側走行体操作ペダルが発生させるパイロット圧を制御弁172Rのパイロットポートに作用させないようにしてもよい。
パラメータ設定部32はマシンガイダンス中の動作ロックに関するパラメータを運転者が設定できるようにする。本実施例では、パラメータ設定部32はマシンガイダンス中の旋回ロックの採否に関する旋回ロック採否パラメータを運転者が設定できるようにする。具体的には、パラメータ設定部32は所定の入力操作が行われた場合に表示装置D3のディスプレイ70上にパラメータ設定画面を表示させる。パラメータ設定画面は旋回ロック採否パラメータの現在値を変更可能に表示する。運転者はこの現在値を見ながら入力装置D1を用いて旋回ロック採否パラメータを所望の値に設定する。なお、旋回ロック採否パラメータは旋回ロックの採用を意味する値「1」、又は、旋回ロックの非採用を意味する値「0」に設定され得る。
旋回ロック採否パラメータが値「1」に設定されている場合、動作ロック部31はマシンガイダンス中に旋回機構2をロックする。一方で、旋回ロック採否パラメータが値「0」に設定されている場合、動作ロック部31はマシンガイダンス中であっても旋回機構2をロックしない。
なお、パラメータ設定部32は、マシンガイダンス中の走行ロックの採否に関する走行ロック採否パラメータを運転者が設定できるようにしてもよい。
次に、図6を参照し、マシンガイダンス開始時にコントローラ30が旋回機構2をロックする処理(以下、「旋回ロック処理」とする。)について説明する。なお、図6は旋回ロック処理の流れを示すフローチャートである。コントローラ30は、マシンガイダンスが実行されていないときに所定の制御周期で繰り返しこの旋回ロック処理を実行する。
最初に、コントローラ30はマシンガイダンスが開始されたかを判定する(ステップST1)。本実施例では、コントローラ30は決定ボタン72が押下された場合に記憶装置に記憶された目標設定済みフラグの値を参照する。そして、目標設定済みフラグの値が「1」である場合、すなわち目標設定処理を通じて目標施工面の深さ及び勾配が既に入力されていることが確認できた場合にマシンガイダンスが開始されたと判定する。また、目標設定済みフラグの値が「0」である場合、すなわち目標施工面の深さ及び勾配が未だ入力されていない場合にマシンガイダンスが開始されていないと判定する。
マシンガイダンスが未だ開始されていないと判定した場合(ステップST1のNO)、コントローラ30はマシンガイダンスが開始されるまでこの判定を繰り返す。
マシンガイダンスが開始されたと判定した場合(ステップST1のYES)、コントローラ30は旋回ロックが有効であるかを判定する(ステップST2)。本実施例では、コントローラ30は記憶装置に記憶された旋回ロック採否パラメータの値を参照する。旋回ロック採否パラメータはマシンガイダンス中の旋回ロックを有効とするか否かをショベルの運転者が選択できるようにするパラメータである。そして、旋回ロック採否パラメータの値が「1」である場合に旋回ロックが有効であると判定し、旋回ロック採否パラメータの値が「0」である場合に旋回ロックが有効でないと判定する。
旋回ロックが有効であると判定した場合(ステップST2のYES)、コントローラ30はショベルの状態を旋回ロックONモードに切り替える。旋回ロックONモードはショベルの動作モードの1つであり、旋回機構2がロックされ且つ旋回ロック画像がディスプレイ70に表示された状態で掘削アタッチメントの動きを許容する動作モードである。
具体的には、コントローラ30の動作ロック部31は切替弁44に対して制動指令を出力し、切替弁44を第2位置に切り替えて旋回ブレーキ43による制動力を発生させる。また、動作ロック部31は表示装置D3に対して旋回ロック画像表示指令を出力し、旋回ロック画像をディスプレイ70上に表示させる。また、動作ロック部31は、図示しない電磁弁を制御して旋回操作レバーと制御弁173Lのパイロットポートとの間の遮断し、旋回操作レバーが発生させるパイロット圧を制御弁173Lのパイロットポートに作用させないようにする。
一方、旋回ロックが有効でないと判定した場合(ステップST2のNO)、コントローラ30はショベルの状態を旋回ロックOFFモードに切り替える。旋回ロックOFFモードはショベルの動作モードの1つであり、旋回機構2がロックされず且つ旋回ロック画像がディスプレイ70に表示されない状態で掘削アタッチメントの動きを許容する動作モードである。
次に、図7を参照し、マシンガイダンス中に表示装置D3のディスプレイ70上に表示される表示画面の1例について説明する。図7はマシンガイダンス中の表示画面の状態とショベルの動作状態とを示す図である。具体的には、図7はバケット6の先端位置を目標施工面にほぼ一致させながら法面を形成しているときの状態を示す。また、図7(A)はマシンガイダンス中に表示される表示画面を示し、図7(B)はマシンガイダンス中のショベルの動きを示す。
図7(A)に示すように、マシンガイダンス装置50の表示制御部54は、マシンガイダンス中、コントローラ30がディスプレイ70上に表示する画像上に旋回ロック画像G1、偏差バーグラフG2、及び数値情報表示G3を重畳表示する。なお、コントローラ30はディスプレイ70上に任意の画像を表示可能であり、例えばバックモニタカメラ(図示せず。)が撮像した画像を表示する。また、表示制御部54は、バケット6及び目標地形の断面を側方(Y軸方向)から見たCG画像をディスプレイ70上に表示させてもよく、バケット6及び目標地形の断面を後方(X軸方向)から見たCG画像をディスプレイ70上に表示させてもよい。
旋回ロック画像G1は旋回機構2がロックされている状態を表すアイコンである。本実施例では、旋回ロック画像G1は旋回機構2がロックされている場合にディスプレイ70の左上隅領域に重畳表示される。なお、旋回ロック画像G1はテキストメッセージであってもよい。また、旋回ロック画像G1は旋回機構2がロックされていない場合には非表示とされる。
偏差バーグラフG2は偏差計算部52が算出するバケット6の現在位置と目標位置との偏差を表すバーグラフである。本実施例では、偏差バーグラフG2は11個のセグメントG2−1〜G2−11で構成され、ディスプレイ70の左端領域に重畳表示される。また、中央のセグメントG6を偏差ゼロの状態に対応させる。また、マシンガイダンス装置50は、各セグメントを点灯状態及び消灯状態の何れかで表示する。具体的には、マシンガイダンス装置50は、各セグメントを点灯色(例えば黄色又は赤色)にすることで点灯状態を表現する。また、マシンガイダンス装置50は、各セグメントを消灯色(例えば灰色又は黒色)にすることで消灯状態を表現する。なお、1つのセグメントが表す偏差の大きさは任意に設定可能であり、例えば5cmである。
数値情報表示G3は、マシンガイダンスに関する数値情報を表す画像である。本実施例では、数値情報表示G3はディスプレイ70上の右下隅領域に重畳表示され、目標設定処理で設定された目標施工面の勾配、及び、現在の偏差(バケット6の先端位置と目標施工面との間の鉛直方向における距離)の大きさを表示する。
また、図7(A)の表示画面の状態は図7(B)に示すショベルの動きに対応する。具体的には、図7(B)はバケット6を位置B1から位置B2を経て位置B3に移動させて法面を形成する際の掘削アタッチメントの動きを示す。また、図7(B)の線分ALは実際に形成された施工面(法面)を表し、線分TLは目標施工面を表す。
また、図7(B)は、現に形成された法面の高さが目標施工面の高さにほぼ一致している状態を示す。そのため、偏差バーグラフG2は、中央の3つのセグメントG2−5〜G2−7のみを点灯状態(黄色表示)にしてバケット6の先端位置が目標施工面の位置にほぼ一致していることを表す。また、数値情報表示G3は、目標施工面の勾配が30°であり、且つ、偏差が「±0.00」、すなわちバケット6の先端位置が目標施工面の位置と一致していることを表す。
次に、図8を参照し、マシンガイダンス中に表示装置D3のディスプレイ70上に表示される表示画面の別の1例について説明する。図8はマシンガイダンス中の表示画面の状態とショベルの動作状態とを示す図であり図7に対応する。具体的には、図8は実際に形成された法面の勾配と目標施工面の勾配との間にずれが生じているときの状態を示す。また、図8(A)はマシンガイダンス中に表示される表示画面を示し、図8(B)はマシンガイダンス中のショベルの動きを示す。
具体的には、図8(B)は、現に形成された法面の高さが目標施工面の高さよりも僅かに高い位置にずれている状態を示す。そのため、偏差バーグラフG2は、上端寄りの2つのセグメントG2−3及びG2−4のみを点灯状態(赤色表示)にしてバケット6の先端位置が目標施工面の位置よりも高い位置にあることを表す。また、数値情報表示G3は、目標施工面の勾配が30°であり、且つ、偏差が[+0.10]、すなわちバケット6の先端位置が目標施工面の上方0.10[m]の位置にあることを表す。
次に、図9を参照し、マシンガイダンス終了時にコントローラ30が旋回機構2のロックを解除する処理(以下、「旋回ロック解除処理」とする。)について説明する。なお、図9は旋回ロック解除処理の流れを示すフローチャートである。コントローラ30は、マシンガイダンス中に所定の制御周期で繰り返しこの旋回ロック解除処理を実行する。
最初に、コントローラ30はマシンガイダンスが終了したかを判定する(ステップST11)。本実施例では、コントローラ30は取消ボタン73が押下された場合にマシンガイダンスが終了したと判定する。
マシンガイダンスが未だ終了していないと判定した場合(ステップST11のNO)、コントローラ30はマシンガイダンスが終了するまでこの判定を繰り返す。
マシンガイダンスが終了したと判定した場合(ステップST11のYES)、コントローラ30はショベルの動作モードが旋回ロックONモードにあるかを判定する(ステップST12)。本実施例では、コントローラ30は記憶装置に記憶された旋回ロック採否パラメータの値を参照する。そして、旋回ロック採否パラメータの値が「1」である場合に旋回ロックONモードであると判定し、旋回ロック採否パラメータの値が「0」である場合に旋回ロックONモードにないと判定する。
旋回ロックONモードにあると判定した場合(ステップST12のYES)、コントローラ30は旋回ロックを解除する(ステップST13)。本実施例ではコントローラ30はショベルの状態を旋回ロックOFFモードに切り替える。旋回機構2のロックを解除し且つディスプレイ70に表示されている旋回ロック画像を消去するためである。
具体的には、コントローラ30の動作ロック部31は切替弁44に対する制動指令の出力を中止し、切替弁44を第1位置に切り替えて旋回ブレーキ43による制動力を消失させる。また、動作ロック部31は表示装置D3に対して旋回ロック画像消去指令を出力し、ディスプレイ70に表示されている旋回ロック画像を消去させる。また、動作ロック部31は、図示しない電磁弁を制御して旋回操作レバーと制御弁173Lのパイロットポートとの間の遮断していた場合にはその間を連通させて旋回操作レバーが発生させるパイロット圧を制御弁173Lのパイロットポートに作用させる。
一方、旋回ロックONモードにないと判定した場合(ステップST12のNO)、コントローラ30はショベルの状態を旋回ロックOFFモードに切り替えることなく旋回ロック解除処理を終了させる。旋回機構2は既にロックが解除された状態にあり、旋回ロック画像G1も表示されていないためである。
以上の構成により、コントローラ30は、床掘施工、法面施工等の旋回を必要としない作業のためのマシンガイダンスが開始されたときに旋回機構2を自動的にロックできる。そのため、マシンガイダンス中の意図しない旋回動作を防止できる。例えば、コントローラ30は、ディスプレイ70を注視する運転者の不注意による誤った旋回操作による意図しない旋回動作の発生を防止できる。また、コントローラ30は、ショベルの操作が未熟な運転者がマシンガイダンス中にアーム5を操作しようとして誤って旋回操作を行ってしまい上部旋回体3を旋回させてしまうといった意図しない旋回動作の発生を防止できる。その結果、運転者はマシンガイダンスにしたがって目標施工面通りの作業を容易に実行できる。また、コントローラ30は床掘施工、法面施工等の作業の施工制御を向上させることができる。また、コントローラ30は床掘施工、法面施工等の作業に伴う安全性を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、コントローラ30は目標施工面の深さ及び勾配が設定された後で決定ボタン72が押下された場合に旋回機構2をロックする。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、コントローラ30は目標施工面の深さ及び勾配が設定された時点で旋回機構2をロックしてもよい。
また、上述の実施例では、入力装置D1は表示装置D3と一体的に構成される。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、入力装置D1は、アーム操作レバー、ブーム操作レバー等の操作レバーの先端に配置される1又は複数の押しボタンで構成されてもよい。