JP6296838B2 - バスバー - Google Patents

バスバー Download PDF

Info

Publication number
JP6296838B2
JP6296838B2 JP2014045121A JP2014045121A JP6296838B2 JP 6296838 B2 JP6296838 B2 JP 6296838B2 JP 2014045121 A JP2014045121 A JP 2014045121A JP 2014045121 A JP2014045121 A JP 2014045121A JP 6296838 B2 JP6296838 B2 JP 6296838B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bus bar
section
cross
element conductors
conductors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014045121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015170755A (ja
Inventor
智彰 田宮
智彰 田宮
正志 澤田
正志 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP2014045121A priority Critical patent/JP6296838B2/ja
Publication of JP2015170755A publication Critical patent/JP2015170755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6296838B2 publication Critical patent/JP6296838B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Patch Boards (AREA)
  • Connection Or Junction Boxes (AREA)

Description

本発明は、電力変換器における負荷電流の流路を構成するバスバーに関する。
近年、電気機器の製作において、部品間の接続にバスバーを利用することが多い。バスバーとは、銅やアルミ等の導電性材料を板状に加工したもので、配線用の部品として使用される。バスバーは、従来使用されてきたケーブルと比較して、配線のインダクタンスが低減する点、配線工数低減によるコスト低下が可能である点で優れている。
一方、交流用の導電路においては、いわゆる表皮効果により、導電路の表面付近に電流が集中して導電路のインピーダンスが増加することが知られている。この表皮効果を考慮した導電路として、例えば、特許文献1に、車両に搭載されたモータとインバータとの間の交流用の導電路が開示されており、その本体部は断面形状が矩形状を成し積層された複数のバスバーを有している。
特開2011−146237号公報
しかし、上記従来の導電路は、複数のバスバーが集合されてなる導電路の全体において表皮効果の影響により電流は内部を均一に流れず、表面付近に偏る傾向がある。特に、高周波数帯域ではその影響が大きく、ほぼ表面のみを流れる。この電流の偏りは導電路全体の交流抵抗を増加させ、損失が増加、温度上昇が大きくなるという課題がある。
このような課題は、電力変換器における負荷電流の流路を構成するバスバーで顕著である。
そこで、本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、複数の素導体が全体としてバスバー状の導体になるように形成され且つ集合されてなるバスバーの内部の電流の流れを改善し、電流路の損失及び発熱を抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のある態様に係るバスバーは、電力変換器における負荷電流の流路を構成するバスバーであって、一本のバスバーが通電方向に平行に延びる複数の素導体に分割された態様に形成された当該複数の素導体と、前記複数の素導体を互いに絶縁するように配置された絶縁体と、前記複数の素導体の各々の端部を互いにそれぞれ接続する一対の接続部と、を備え、前記複数の素導体は、それぞれ、自己の前記バスバー断面における位置を他の素導体の前記バスバー断面における位置に移すように転位して配置されている。ここで、本発明のある態様に係る「バスバー」は、複数の素導体が全体としてバスバー状の導体になるように形成され且つ集合されてなるバスバー状導体である。本発明では、便宜上、この「バスバー状導体」を「バスバー」と呼ぶ。
本発明者等は、上記課題を解決するための検討の一環として、一本のバスバーが通電方向に平行に延びる複数の素導体に分割された態様のバスバー状導体において、表皮効果による電流の分布をシミュレーションした。その結果、一本のバスバーを通電方向に平行に延びる複数の素導体に分割としても、表皮効果の影響により、電流は当該バスバー状導体の内部ではなく表面付近に偏る傾向があることが判明した。上記構成によれば、バスバーを通電方向に平行に延びる複数の素導体に分割された態様に形成することにより交流抵抗が低減するとともに、複数の素導体をバスバー断面における異なる位置間で転位して配置することによりバスバーの表面付近に偏る電流が内部を流れるので、バスバー内部の電流の流れが改善される。これにより、電流路の損失及び発熱を抑制することができる。また、上記構成は一本のバスバーを形成する部材から実現できる。よって、新たな部品を増設する必要がなく、従来のバスバーと比べて実質的に大きさ自体は変わることがない。更に発熱を小さくできるので熱的に最適な設計が可能となる。よって、機器の小型化が可能になる。また、同程度の損失を許容すれば従来のバスバーと比べてサイズを小さくすることができる。
前記バスバーは、矩形の断面を有し、前記素導体は矩形断面を有する板状部材である。上記構成により、例えば断面が円筒形状の場合と比べて、バスバーの表面積を大きくすることができる。よって、放熱しやすく温度上昇を抑制することができる。また、矩形断面を有する板状部材にすることにより電力変換器内部のバスバーの設置面積を小さくして、主要部品のためのスペースを確保することができ、設計の自由度が広がる。
前記複数の素導体は、前記バスバー断面における長手方向において分割された態様に形成され、前記バスバー断面の長手方向における外側に位置する第1の素導体が前記バスバー断面の長手方向において当該第1の素導体の内側に位置する第2の素導体の位置に転位するように配置されている。
上記構成により、矩形断面を有するバスバーの形状に応じた分割の態様を実現できる。特に、バスバーが矩形断面を有する場合は、短手方向に比べて長手方向において表皮効果が大きく発現するので電流路の損失及び発熱を好適に抑制することができる。
前記複数の素導体は、前記バスバー断面における短手方向において分割された態様に形成され、前記バスバー断面の短手方向における外側に位置する第3の素導体が前記バスバー断面の短手方向において当該第3の素導体の内側に位置する第4の素導体の位置に転位するように配置されている。
上記構成により、矩形断面を有するバスバーの形状に応じた分割の態様を実現できるので電流路の損失及び発熱を好適に抑制することができる。負荷電流の周波数が相対的に高くなると、短手方向における表皮効果が無視できなくなるので、そのような場合に、電流路の損失及び発熱を好適に抑制することができる。
前記電力変換器の仕様における前記負荷電流の周波数制御範囲の上限周波数が所定周波数より低い場合に、前記複数の素導体は、前記バスバー断面における長手方向において分割された態様に形成されるとともに、前記バスバー断面の長手方向における外側に位置する第1の素導体が前記バスバー断面の長手方向において当該第1の素導体の内側に位置する第2の素導体の位置に転位するように配置されており、前記上限周波数が所定周波数より高い場合に、前記複数の素導体は、更に、前記バスバー断面における短手方向において分割された態様に形成されるとともに前記バスバー断面の短手方向における外側に位置する第3の素導体が前記バスバー断面の短手方向において当該第3の素導体の内側に位置する第4の素導体の位置に転位するように配置されていてもよい。
表皮効果による電流の表皮深さは電流の周波数に依存する。上記構成により、電力変換器の仕様における負荷電流の周波数制御範囲の上限値に応じて、電流路の損失及び発熱を効果的に抑制することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様に係るバスバーの設計方法は、電力変換器における負荷電流の流路を構成するバスバーの設計方法であって、前記バスバーは、一本のバスバーが通電方向に平行に延びる複数の素導体に分割された態様に形成され且つ集合された当該複数の素導体と、前記複数の素導体を互いに絶縁するように配置された絶縁体と、前記複数の素導体の各々の端部を互いにそれぞれ接続する一対の接続部と、を備え、前記複数の素導体は、それぞれ、自己の前記バスバー断面における位置を他の素導体の前記バスバー断面における位置に移すように転位して配置されており、且つ前記バスバーは、矩形の断面を有し、前記素導体は矩形断面を有する板状部材であり、前記電力変換器の仕様における前記負荷電流の周波数制御範囲の上限周波数が所定周波数より低い場合に、前記複数の素導体が、前記バスバー断面における長手方向において分割された態様に形成されるとともに前記バスバー断面の長手方向における外側に位置する第1の素導体が前記バスバー断面の長手方向において当該第1の素導体の内側に位置する第2の素導体の位置に転位するように配置されるよう設計し、
前記上限周波数が所定周波数より高い場合に、前記複数の素導体が、更に、前記バスバー断面における短手方向において分割された態様に形成されるとともに前記バスバー断面の短手方向における外側に位置する第3の素導体が前記バスバー断面の短手方向において当該第3の素導体の内側に位置する第4の素導体の位置に転位するように配置されるよう設計する。
上記構成により、電力変換器の仕様における負荷電流の周波数制御範囲の上限値に応じて、電流路の損失及び発熱を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、複数の素導体が全体としてバスバー状の導体になるように形成され且つ集合されてなるバスバー内部の電流の流れを改善し、電流路の損失及び発熱を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係るバスバーの斜視図である。 図1のバスバーのII−II線断面図である。 図1のバスバーのIII−III線断面図である。 図1のバスバーのIV−IV線断面図である。 図1のバスバーの製造工程を説明するための第1図である。 図1のバスバーの製造工程を説明するための第2図である。 図1のバスバーの製造方法を説明するための第3図である。 本発明の第2の実施の形態に係るバスバーの斜視図である。 図8のバスバーのIX−IX線断面図である。 図8のバスバーのX−X線断面図である。 図8のバスバーのXI−XI線断面図である。 図8のバスバーの製造工程を説明するための第1図である。 図8のバスバーの製造工程を説明するための第2図である。 バスバー内部を流れる電流密度分布の解析結果を示す図である。 上記バスバーが適用された電力変換装置の回路構成図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
(実施形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るバスバーの斜視図である。バスバー1は、図示しない電力変換器における負荷電流の流路を構成するものである。バスバー1は、例えば電動機駆動用又は系統連系用インバータ等の電力変換器内部に使用されてもよい。以下では、便宜上、三次元直交座標系におけるX軸方向をバスバーの長さ方向、Y軸方向をバスバー1の長手方向、Z軸方向をバスバー1の短手方向と定義する。しかし、バスバー1が、使用態様において、特に方向を限定されないことはいうまでもない。図1に示すように、バスバー1は、一本のバスバーが通電方向(図中の矢印方向)に平行に延びる複数の素導体に分割された態様に形成された当該複数の素導体2と、複数の素導体2を互いに絶縁するように配置された絶縁体3と、複数の素導体2の各々の端部を互いにそれぞれ接続する一対の接続部4と、を備える。尚、通電方向とはバスバー1内部を流れる負荷電流の向きである。図1では通電方向はバスバー1の長さ方向(X軸方向)に一致している。
複数の素導体2は、通電方向に平行に延びる2つの素導体2に分割された態様に形成されている。各素導体2は、板状に成形された本体部2aと、本体部2aの中央付近に形成された転位部2bとを備える。2つの素導体2の本体部2aでは互いに主面同士が接合される。2つの素導体2の転位部2bでは、それぞれ、自己のバスバー1断面における位置を他の素導体2のバスバー1断面における位置に移すように転位して配置されている。
本実施の形態では、素導体2は銅やアルミ等の導電性材料で形成される。絶縁体3は、2つの素導体2を互いに絶縁するように配置される。本実施の形態では、絶縁体3は、絶縁性の合成樹脂膜(樹脂フィルム、樹脂被膜等)からなる。このように、2つの素導体2は通電方向と平行に且つ電気的に絶縁されるように分割される。
一対の接続部4は、2つの素導体2の各々の端部が互いにそれぞれ接続されて形成される。本実施の形態では接続部4は、溶接により接合される。
次に、バスバー1の転位構造について図2〜図4を用いて説明する。図2は、図1のバスバー1のII−II線断面図である。同図では中央分よりもやや電流上流側のバスバー1本体の断面を示している。図2に示すように、バスバー1は矩形の断面を有し、素導体2の本体部2aは矩形断面を有する板状部材である。本実施の形態では、2つの素導体2は、バスバー1断面における短手方向(Z方向)において分割された態様に形成されている。そして、2枚の板状の素導体2の本体部2aが絶縁体3を介して配置されている。
図3は、図1のバスバー1のIII-III線断面図である。図3は中央付近のバスバー1本体断面を示している。図3に示すように、バスバー1本体中央付近では、2つの素導体2は、バスバー1断面における長手方向(Y方向)において分割された態様に形成されている。具体的には、図2で示した矩形の短手方向(Z方向)における右側の素導体2の本体部2aが、矩形の長手方向(Y方向)の上側の転位部2bに転じ、図2で示した矩形の短手方向(Z方向)における左側の素導体2の本体部2aが、矩形の長手方向(Y方向)の下側の転位部2bに転じている。
図4は、図1のバスバー1のIV-IV線断面図である。図4は中央よりもやや電流下流側のバスバー1本体の断面を示している。図4に示すように、バスバー1本体中央よりも下流付近では、2つの素導体2は、再び、バスバー1断面における短手方向(Z方向)において分割された態様に形成されている。具体的には、図3で示した矩形の長手方向(Y方向)の上側の素導体2の転位部2bが、矩形の短手方向(Z方向)における左側の素導体2の本体部2aに転じ、図3で示した矩形の長手方向(Y方向)の下側の素導体2の転位部2bが、矩形の短手方向(Z方向)における右側の素導体2の本体部2aに転じている。
図2〜図4に示すように、バスバー1断面の短手方向(Z方向)における一端側に位置する素導体2がバスバー1断面の短手方向(Z方向)において素導体2の他端側に位置する素導体2の位置に転位するように配置されている。
つまり、本実施の形態では、転位構造により、バスバー1内部を流れる電流が、上流側(図2)から本体中央(図3)を経て下流側(図4)へ至るに際し、一端側に流れる電流と他端側に流れる電流の流路が入れ替わるように構成されている。
次に、上記構成のバスバー1の製造方法について図5〜図7を用いて説明する。
まず、一本のバスバーが通電方向に平行に延びる2本の素導体2に分割された態様に形成する。具体的には主面が長方形の薄い板状部材10を4本用意する。板部材10は、導電性材料で形成される。そして、各板部材10の一端の四隅のうちの二隅を直方体状に切り欠いて、残りの二隅を含むL字部分を突出部11とする。
次に、図5に示すように、2枚の板部材10を直列に配置し、2枚の板部材10のそれぞれの突出部11の内側を互いに対向させ、図6に示すように、2枚の板部材10のそれぞれの一端の突出部11の内側側面同士を溶接等により接続する。ここでは接合部5を破線で示している。このように2枚の板部材10を溶接により接続して素導体2の本体部2aを直線状に形成し、溶接により接続された2つの突出部11を転位部2bとする。同様な手順で残りの2本の板部材10から他方の素導体2を形成する。
次に、製造された一方の素導体2と他方の素導体2を互いに絶縁するように絶縁体3を形成する。図7に示すように、一方の素導体2の本体部2a及び転位部2bの内側側面に絶縁体3を形成する。
次に、2本の素導体2を、それぞれ、自己のバスバー1断面における位置を他の素導体2のバスバー1断面における位置に移すように転位して形成する。図1に示すように、絶縁体3を形成した素導体2と、同様な手順により製造した他方の素導体2とを組み合わせる。このとき、2つの素導体2の各々の端部を互いにそれぞれ接続する一対の接続部4を形成する。端部に対しては溶接等を行い接続する。これにより、従来のバスバーと比べて複雑な分割及び転位構造を有する上記バスバーを容易に製造できる。
以上のような構成のバスバー1によれば、バスバー1を通電方向に平行に延びる2本素導体2に分割された態様に形成することにより交流抵抗が低減するとともに、2本の素導体2を転位して配置することによりバスバー1の表面付近に偏る電流が内部を流れる。従来、バスバーに通電する際には、表皮効果の影響により、電流はバスバー内部ではなく表面付近に偏る傾向があるが、本実施の形態のバスバー1によれば、内部の電流の流れが改善される。よって、電流路の損失及び発熱を抑制することができる。
また、上記構成は一本のバスバーを形成する部材から実現できる。よって、新たな部品を増設する必要がなく、従来のバスバーと比べて大きさ自体は変わることがない。更に発熱を小さくできるので熱的に最適な設計が可能となる。よって、機器の小型化が可能になる。また、同程度の損失を許容すれば従来のバスバーと比べてサイズを小さくすることができる。
また、バスバー1は、矩形の断面を有し、素導体2は矩形断面を有する板状部材であるので、例えば断面が円筒形状の場合と比べて、バスバー1の表面積を大きくすることができる。よって、放熱しやすく温度上昇を抑制することができる。また、電力変換器内部のバスバー1の設置面積を小さくして、主要部品のためのスペースを確保することができ、設計の自由度が広がる。
また、2本の素導体2は、バスバー1断面における短手方向(Z方向)において分割された態様に形成され、バスバー1断面の短手方向(Z方向)における外側に位置する素導体2がバスバー1断面の短手方向(Z方向)において素導体2の内側に位置する素導体2の位置に転位するように配置されていることにより、矩形断面を有するバスバーの形状に応じた分割の態様を実現できる。よって、電流路の損失及び発熱を好適に抑制することができる。
(実施形態2)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るバスバーの斜視図である。尚、実施の形態1と共通する構成については同一符号を付して説明は省略する。図8に示すように、本実施の形態では、2本の素導体20は、バスバー100断面における長手方向(Y軸方向)において分割された態様に形成され、バスバー100断面の長手方向(Y軸方向)における一端側に位置する素導体20がバスバー100断面の長手方向において素導体20の他端側に位置する素導体20の位置に転位するように配置されている点が実施の形態1と異なる。
図9は、図8のバスバー100のIX−IX線断面図である。同図では中央よりもやや電流上流側のバスバー100本体の断面を示している。図9に示すように、バスバー100は、実施の形態1同様に、矩形の断面を有し、素導体20の本体部20aは矩形断面を有する板状部材である。本実施の形態では、2つの素導体20は、バスバー100断面における長手方向(Y軸方向)において分割された態様に形成されている。
図10は、図8のバスバー100のX-X線断面図である。図10ではバスバー100本体中央付近の断面を示している。図10に示すように、バスバー100本体中央付近では、2つの素導体20は、バスバー100断面における短手方向(Z方向)において分割された態様に形成されている。具体的には、図9で示した矩形の長手方向(Y方向)における上側の素導体20の本体部20aが、矩形の短手方向(Z方向)の右側の転位部20bに転じ、図9で示した矩形の長手方向(Y方向)における下側の素導体20の本体部20aが、矩形の短手方向(Z方向)の左側の転位部20bに転じている。
図11は、図8のバスバー100のXI-XI線断面図である。図11では中央よりもやや電流下流側のバスバー100本体の断面を示している。図11に示すように、バスバー100本体中央よりも下流付近では、2つの素導体20は、再び、バスバー100断面における長手方向(Y方向)において分割された態様に形成されている。具体的には、図10で示した矩形の短手方向(Z方向)の右側の素導体20の転位部20bが、矩形の長手方向(Y方向)における下側の素導体20の本体部20aに転じ、図10で示した矩形の短手方向(Z方向)の左側の素導体20の転位部20bが、矩形の長手方向(Y方向)における上側の素導体20の本体部20aに転じている。
上記構成のバスバー100の製造方法については実施形態1と同様であるので詳細な説明を省略する。例えば主面が長方形の板部材200の一端の四隅のうちの二隅を直方体状に切り欠いて、残りの二隅を含むL字部分を突出部210とする。図12に示すように、2本の板部材200を直列に配置し、2本の板部材200のそれぞれの突出部11の底面と上面を互いに対向させ、図13に示すように、2本の板部材200のそれぞれの突出部210の底面と上面を溶接等により接続する。ここでは接合部50を破線で示している。このように2枚の板部材200を溶接により接続して素導体20の本体部20aを直線状に形成し、溶接により接続された2つの突出部210を転位部20bとする。
更に、絶縁体3を形成した素導体20と、同様な手順により製造した他方の素導体2とを組み合わせる。図8に示すように、2つの素導体20の各々の端部を互いにそれぞれ接続する一対の接続部40を形成してバスバー100を製造する。
以上のような構成によれば、バスバー100の素導体20は、バスバー100断面における長手方向(Y方向)において分割された態様に形成され、バスバー100断面の長手方向(Y方向)における一端側に位置する素導体20がバスバー100断面の長手方向において素導体20の他端に位置する素導体20の位置に転位するように配置されているので、矩形断面を有するバスバー100の形状に応じた分割の態様を実現できる。よって、上記第1の実施形態と同様に、電流路の損失及び発熱を好適に抑制することができる。
尚、上記実施の形態1及び実施の形態2では、2つの素導体に分割したが、素導体を2以上に分割してもよい。
(比較例)
次に、上記実施の形態による効果を確認するために比較例を挙げて説明する。まず、第1の比較例として、単一の金属の板からなるバスバーを想定する。このようなバスバーに通電する際には、表皮効果の影響により内部を流れる電流の偏りが顕著である。このため、電力変換器内においては、整流器とインバータの間にある直流部のケーブルの発熱が想定すべき課題として挙げられる。例えば、インバータまたは整流器の近くに平滑用コンデンサを増設し、インバータとコンデンサをバスバーで接続した場合には、大きな電流がコンデンサに流れ、接続したバスバーが発熱し、支持材のがいしが融ける可能性、又はバスバーの損傷する場合が想定される。この想定ケースでは、バスバーにはインバータのキャリア周波数と同程度の数kHzの電流が通電すると考えられる。この高調波電流により、交流抵抗が増加し、温度が想定よりも上昇、支持材の損傷に至るものと推測される。
これに対し、第2の比較例として、交流抵抗の低減を目的として、従来の一本のバスバーが通電方向に平行に延びる複数の素導体に分割されたバスバーを想定する。第2の比較例のバスバーによれば交流抵抗が低減し、バスバー内部の電流の流れが改善される。しかし、単なる分割構造のみでは、電流路の損失及び発熱に対する抑制効果には改善の余地があった。
そこで、本発明者らは、第2の比較例のバスバーの分割の態様に更なる創意工夫を加え上記実施の形態に示したような転位構造を備えたバスバーを想到した。
(解析結果)
上記実施の形態のバスバーの分割、転位による効果を実証するためのシミュレーションにより電流密度分布の解析を行った。バスバー1の寸法は以下の数値として設定した。バスバーの通電方向の長さ寸法(同図のX方向の寸法)は1mとした。バスバーの長手方向の幅寸法(同図のY方向の寸法)は10mmとした。バスバーの短手方向の厚さ寸法(同図のZ方向の寸法)は2mmとした。そして、バスバーに通電する電源周波数には60Hz,580Hzを使用した。
図14は、バスバー内部を流れる電流密度分布の解析結果を示す図である。ここでは、それぞれのバスバーの中央付近の断面における電流密度分布を示している。バスバー内部の電流密度J(A/m)の値は濃淡で示し、最大値と最小値は規格化して示している。
上段の解析結果は電源周波数が60Hzの場合の電流密度分布を示している。左から順に比較例として、従来の分割無しの場合、Z方向に2分割した場合、Z方向に4分割した場合、Y方向に4分割した場合の解析結果をそれぞれ示した。そして、本発明の態様として、実施の形態1で示したZ方向に2分割且つ転位有りの場合、その他の態様としてZ方向に4分割且つ転位有りの場合、Y方向に4分割且つ転位有りの場合の解析結果をそれぞれ示した。左端の従来の構造に比べて、バスバーを分割、更には転位を行う事でバスバー内部の電流の偏りが改善されていることがわかる。右端に示したY方向に4分割且つ転位有りの場合の電流密度分布が一様な値を示し、最も電流の流れが改善している。
一方、下段の解析結果は電源周波数が580Hzの場合の電流密度分布を示している。上段と下段の結果を比較すると、分割及び転位による改善傾向は類似するが、バスバーの形状は同一にも関わらず、周波数を変動することにより電流密度分布が変化している。
ここで一般に、導体の電流密度Jは、深さσに対して、次式(1)のように減少することが知られている。
J=e−σ/d・・・(1)
また、ここでdは表皮深さで、電流が 表面電流の1/e(約0.37)になる深さであり次式(2)のように計算される。
d=√(2ρ/ωμ)・・・(2)
ρ=導体の電気抵抗率、ω=電流の角周波数=2π×周波数、μ=導体の絶対透磁率とする。つまり、表皮効果による電流の表皮深さdは電流の周波数ωに依存する。発明者らはこのような事実を裏付ける今回の解析結果により、バスバーの分割の態様は、負荷電流の周波数に基づいて決定することにより、電力変換器における負荷電流の周波数に応じて、電流路の損失及び発熱を効果的に抑制することができることの可能性を示した。
尚、バスバーの周波数に応じた具体的な分割の態様(分割の数及び転位の形態)については本発明者らの今後の更なる解析及び検討によって明らかにされる。例えば、電力変換器の仕様における負荷電流の周波数制御範囲の上限周波数が所定周波数より低い場合に、複数の素導体は、バスバー断面における長手方向において分割された態様に形成されるとともに、バスバー断面の長手方向における外側に位置する第1の素導体がバスバー断面の長手方向において当該第1の素導体の内側に位置する第2の素導体の位置に転位するように配置されており、前記上限周波数が所定周波数より高い場合に、前記複数の素導体は、更に、前記バスバー断面における短手方向において分割された態様に形成されるとともに前記バスバー断面の短手方向における外側に位置する第3の素導体が前記バスバー断面の短手方向において当該第3の素導体の内側に位置する第4の素導体の位置に転位するように配置されていてもよい。上記構成により、電力変換器の仕様における負荷電流の周波数制御範囲の上限値に応じて、電流路の損失及び発熱を効果的に抑制することができる。
次に、上記実施の形態のバスバーの適用例について説明する。図15は、本実施の形態のバスバーが適用された一般的な電力変換装置300の回路構成図を示している。電力変換装置300は、バッテリ400、DC/DCコンバータ500、平滑コンデンサ600、インバータ700、および負荷として3相交流モータ800を備える。図15に示すように、上記実施の形態1のバスバー1は、インバータ700の出力と三相交流モータ800の入力を結ぶインバータ700内部の配線に使用されている。これにより、上記各実施の形態で説明した効果が発揮される。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明のバスバーは、インバータ等の電力変換器における負荷電流の流路として有用である。
1 バスバー
2 素導体
2a 本体部(素導体)
2b 転位部(素導体)
3 絶縁層(絶縁体)
4 接続部
5 接合部
10 板部材
11 突出部

Claims (6)

  1. 電力変換器における負荷電流の流路を構成するバスバーであって、
    一本のバスバーが通電方向に平行に延びる複数の素導体に分割された態様に形成され且つ集合された当該複数の素導体と、
    前記複数の素導体を互いに絶縁するように配置された絶縁体と、
    前記複数の素導体の各々の端部を互いにそれぞれ接続する一対の接続部と、を備え、
    前記複数の素導体は、それぞれ、自己の前記バスバー断面における位置を他の素導体の前記バスバー断面における位置に移すように転位して配置されている、バスバー。
  2. 前記バスバーは、矩形の断面を有し、前記素導体は矩形断面を有する板状部材である、請求項1に記載のバスバー。
  3. 前記複数の素導体は、前記バスバー断面における長手方向において分割された態様に形成され、
    前記バスバー断面の長手方向における一端側に位置する第1の素導体が前記バスバー断面の長手方向における他端側に位置する第2の素導体の位置に転位するように配置されている、請求項2に記載のバスバー。
  4. 前記複数の素導体は、前記バスバー断面における短手方向において分割された態様に形成され、
    前記バスバー断面の短手方向における一端側に位置する第3の素導体が前記バスバー断面の短手方向における他端側に位置する第4の素導体の位置に転位するように配置されている、請求項2に記載のバスバー。
  5. 前記電力変換器の仕様における前記負荷電流の周波数制御範囲の上限周波数が所定周波数より低い場合に、前記複数の素導体は、前記バスバー断面における長手方向において分割された態様に形成されるとともに、前記バスバー断面の長手方向における一端側に位置する第1の素導体が前記バスバー断面の長手方向における他端側に位置する第2の素導体の位置に転位するように配置されており、
    前記上限周波数が所定周波数より高い場合に、前記複数の素導体は、更に、前記バスバー断面における短手方向において分割された態様に形成されるとともに前記バスバー断面の短手方向における一端側に位置する第3の素導体が前記バスバー断面の短手方向における他端側に位置する第4の素導体の位置に転位するように配置されている、請求項2に記載のバスバー。
  6. 電力変換器における負荷電流の流路を構成するバスバーの設計方法であって、
    前記バスバーは、一本のバスバーが通電方向に平行に延びる複数の素導体に分割された態様に形成され且つ集合された当該複数の素導体と、前記複数の素導体を互いに絶縁するように配置された絶縁体と、前記複数の素導体の各々の端部を互いにそれぞれ接続する一対の接続部と、を備え、前記複数の素導体は、それぞれ、自己の前記バスバー断面における位置を他の素導体の前記バスバー断面における位置に移すように転位して配置されており、且つ前記バスバーは、矩形の断面を有し、前記素導体は矩形断面を有する板状部材であり、
    前記電力変換器の仕様における前記負荷電流の周波数制御範囲の上限周波数が所定周波数より低い場合に、前記複数の素導体が、前記バスバー断面における長手方向において分割された態様に形成されるとともに前記バスバー断面の長手方向における一端側に位置する第1の素導体が前記バスバー断面の長手方向における他端側に位置する第2の素導体の位置に転位するように配置されるよう設計し、
    前記上限周波数が所定周波数より高い場合に、前記複数の素導体が、更に、前記バスバー断面における短手方向において分割された態様に形成されるとともに前記バスバー断面の短手方向における一端側に位置する第3の素導体が前記バスバー断面の短手方向における他端側に位置する第4の素導体の位置に転位するように配置されるよう設計する、バスバーの設計方法。
JP2014045121A 2014-03-07 2014-03-07 バスバー Active JP6296838B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014045121A JP6296838B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 バスバー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014045121A JP6296838B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 バスバー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015170755A JP2015170755A (ja) 2015-09-28
JP6296838B2 true JP6296838B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=54203218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014045121A Active JP6296838B2 (ja) 2014-03-07 2014-03-07 バスバー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6296838B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102463629B1 (ko) * 2017-11-30 2022-11-03 엘에스전선 주식회사 부스바 및 이를 구비하는 부스덕트

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0664367U (ja) * 1992-06-09 1994-09-09 東洋電機製造株式会社 積層導体の電気回路
JP2010219216A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Fuji Electric Systems Co Ltd 積層配線導体の接続構造及びこれを使用した電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015170755A (ja) 2015-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7869193B2 (en) Power conversion apparatus
JP6075784B2 (ja) バスバー及びバスバーモジュール、並びにバスバーの製造方法
US20160033557A1 (en) Assembly of current sensor and power conductor
JP2021507664A5 (ja)
JP2017143250A (ja) リニア磁気コア体を有するマルチパルス電磁デバイス
JP2011146237A (ja) 導電路
JP2009099884A (ja) コンデンサ
CN109873262B (zh) 层叠扁平型电线
JP6715583B2 (ja) トランジスタリード線の溶接およびはんだ付け
EP2808892B1 (en) Inverter unit
JP6296838B2 (ja) バスバー
CN103680957A (zh) 电容器模块
JP2013090529A (ja) 電力変換装置
US10193284B2 (en) Device for establishing a multi-phase electric connection and an arrangement comprising corresponding devices
JP4957842B2 (ja) 電力変換装置
JP5549467B2 (ja) インバータ装置
JP2016025705A (ja) 電源装置
JP2006217769A (ja) バスバー構造体
JP2015076153A (ja) 電子部品、電機部品の接続部材
JP5012233B2 (ja) 電力変換装置および積層配線導体の接続方法
WO2013168633A1 (ja) ワイヤハーネス
JP2006310079A (ja) バスバー構造体
JP6077356B2 (ja) 通電加熱装置
JP6604097B2 (ja) スイッチング回路および電力変換装置
JP6437849B2 (ja) 三相電磁機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6296838

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250