JP6296785B2 - バルーン形状補正具およびバルーンコーティング方法 - Google Patents

バルーン形状補正具およびバルーンコーティング方法 Download PDF

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Description

本発明は、バルーンの形状を補正するバルーン形状補正具およびバルーンの外表面にコーティング層を形成するバルーンコーティング方法に関する。
近年、生体管腔内に生じた病変部(狭窄部)の改善のために、バルーンカテーテルが用いられている。バルーンカテーテルは、通常、長尺なシャフト部と、シャフト部の先端側に設けられて径方向に拡張可能なバルーンとを備えており、収縮されているバルーンを、細い生体管腔を経由して体内の目的場所まで到達させた後に拡張させることで、病変部を押し広げることができる。
しかしながら、病変部を強制的に押し広げると、内皮細胞が過剰に増殖して病変部に新たな狭窄(再狭窄)が発症する場合がある。このため、最近では、バルーンの外表面に狭窄を抑制するための薬剤をコーティングした薬剤溶出バルーンが用いられている。薬剤溶出バルーンは、拡張することで外表面にコーティングされている薬剤を病変部へ瞬時に放出し、薬剤を生体組織へ移行させることができ、これにより、再狭窄を抑制することができる。
バルーンに薬剤を含むコーティング層を形成する方法として、例えば、スプレー法、ドロップ法、糸引き法などがある。スプレー法は、薬剤を含むコーティング液を、バルーンに対して接触しないディスペンシングチューブから霧状に吹き付けた後、コーティング液を乾燥させて、バルーンの外表面にコーティング層を形成する方法である。ドロップ法は、コーティング液を、バルーンに対して接触しないディスペンシングチューブから滴下した後、コーティング液を乾燥させて、バルーンの外表面にコーティング層を形成する方法である。糸引き法は、コーティング液を、バルーンに接触する糸等を介してバルーンの外表面上に供給した後、コーティング液を乾燥させて、バルーンの外表面にコーティング層を形成する方法である。
上述した種々の方法によってバルーンにコーティング液を塗布する際には、バルーンを回転させつつ、コーティング液を供給するディスペンシングチューブや糸等の器具をバルーンの軸方向へ移動させることで、バルーンの外表面に連続的にコーティング液を塗布することができる(例えば、特許文献1を参照)。
特許第4906926号明細書
バルーンが軸心に沿って湾曲していると、バルーンを回転させる際に、回転に伴ってバルーンが偏心し、塗布する器具(塗布部)とバルーンとの距離が変化する。そして、バルーンは、軸心に沿う湾曲が個体によって異なるため、塗布部とバルーンとの距離の変化が、個体によって異なることになる。塗布部とバルーンとの距離が変化すると、塗布部がバルーンに接触してバルーンの表面を傷つける可能性があり、かつ回転を不安定とし、塗りムラが生じて、バルーンにコーティングされる薬剤の厚さが不均一とする可能性がある。
ところで、バルーンの外表面にコーティングされる薬剤は、溶媒を揮発させる際の時間の長短等によって、結晶型、非結晶質(アモルファス)型、およびそれらの混合型などの異なる形態型となり得る。結晶および非晶質は、必ずしもどちらが望ましいというものではなく、目的に応じて選択できることが望まれる。そして、塗布部とバルーンとの距離が変化し、コーティング液の塗布が不均一となると、溶媒の揮発する時間も不均一となり、バルーンにコーティングされる薬剤の形態型を適切に設定することが困難となる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、バルーンの形状を補正することが可能なバルーン形状補正具、および、バルーンの損傷を抑制しつつバルーンにコーティングされる薬剤の厚さや形態型などを適切に設定可能なバルーンコーティング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るバルーン形状補正具は、バルーンカテーテルのバルーンの形状を補正するバルーン形状補正具であって、前記バルーンの外周囲を囲むことが可能な本体部と、前記本体部に連結されるとともに、前記バルーンカテーテルの前記バルーンが固定されるシャフト部の外周面に当接可能な当接部と、前記本体部の前記バルーンに向かう側へ進退移動可能に前記本体部に接続されて前記バルーンを押圧可能な押圧部と、を有する。
また、上記目的を達成する本発明に係るバルーンコーティング方法は、バルーンカテーテルのバルーンの外表面にコーティング層を形成するバルーンコーティング方法であって、前記バルーンの外周囲を囲むことが可能な本体部により前記バルーンの外周囲を囲み、当該本体部の前記バルーンに向かう側へ進退移動可能に前記本体部に接続される押圧部により前記バルーンを押圧して前記バルーンの形状を補正する形状補正工程と、前記バルーンを当該バルーンの軸心を中心に回転させつつ、薬剤を含むコーティング液を塗布する塗布部を前記バルーンに対して軸心方向へ相対的に移動させて前記コーティング液を前記バルーンの外表面に塗布する塗布工程と、を有する。
上記のように構成したバルーン形状補正具は、本体部のバルーンに向かう側へ進退移動可能に本体部に接続されてバルーンを押圧可能な押圧部を有するため、バルーンを本体部で囲んだ状態で押圧部によりバルーンを押圧し、バルーンの形状を補正することができる。
バルーン形状補正具が、前記本体部に連結されるとともに、前記バルーンカテーテルの前記バルーンが固定されるシャフト部の外周面に当接可能な当接部を有するため、当接部をシャフト部に当接させることで、当接部に連結される本体部をシャフト部に対して位置固定的とすることができ、本体部に接続される押圧部を用いて、効果的にバルーンを押圧して形状を補正することが可能となる。
前記当接部が、周方向に部分的に形成されるともに前記本体部へ向かって外径が漸次的に大きくなり、かつ外周面にねじ溝が形成されており、バルーン形状補正具が、前記当接部のねじ溝に螺合可能な固定用ねじ穴が内周面に形成される筒状の固定部をさらに有するようにすれば、固定部を回転させて固定用ねじ穴に当接部のねじ溝を螺合させることで、当接部を径方向内側へ変形させて、シャフト部に対して固定させることができる。
前記本体部は、周方向へ非連続であり、非連続となる部位同士を係合する係合部を有するようにすれば、バルーンの基端側であっても、非連続な部位を介して本体部をバルーンカテーテルに取り付けることが容易である。また、非連続な部位を介して本体部をバルーンカテーテルから取り外すことができるため、バルーンの外表面にコーティング層を形成した場合に、コーティング層に本体部を接触させずに本体部を取り外すことができ、コーティング層を良好に維持することができる。
前記押圧部は、前記本体部の周方向の異なる位置に3つ以上設けられるようにすれば、バルーンの軸心と直交する断面において、各押圧部の押し込み量の組み合わせにより、任意の方向へ任意の押し込み量でバルーンを押圧することができる。
前記本体部は、当該本体部の中心側へ向かって貫通する押圧部用ねじ穴が形成され、前記押圧部は、前記押圧部用ねじ穴に螺合可能なねじ部を有するようにすれば、押圧部用ねじ穴にねじ部を螺合させることで、任意の押込み量でバルーンを押圧することができる。
また、上記のように構成したバルーンコーティング方法は、形状補正工程によりバルーンの形状を補正した後に、コーティング液をバルーンの外表面に塗布するため、例えばバルーンが軸心に沿って湾曲している場合に、この湾曲を補正した後に、コーティング液を前記バルーンの外表面に塗布することができる。このため、バルーンが回転しても、塗布部とバルーンとの距離が回転によって変化し難くなり、塗布部との接触によるバルーンの損傷を抑制できるとともに、バルーンに塗布されるコーティング液の厚さのバラツキを抑制して、薬剤の厚さや形態型などを適切に設定可能となる。
前記形状補正工程において、前記本体部に連結される当接部を前記バルーンカテーテルの前記バルーンが固定されるシャフト部の外周面に当接させて前記本体部を前記シャフト部に対して固定するようにすれば、当接部に連結される本体部をシャフト部に対して位置固定的とすることができ、本体部に接続される押圧部を用いて、効果的にバルーンを押圧して形状を補正することが可能となる。
バルーンカテーテルを示す断面図である。 実施形態に係るバルーン形状補正具を示す平面図である。 バルーン形状補正具の環状部を示す平面図である。 バルーン形状補正具の環状部の第1係合部および第2係合部を離脱させた状態を示す平面図である。 バルーン形状補正具の固定部を示す平面図である。 バルーン形状補正具の固定部の第3係合部および第4係合部を離脱させた状態を示す平面図である。 バルーン形状補正具によりバルーンの形状を補正する際の状態を示す平面図である。 バルーン形状補正具によりバルーンの形状を補正する際の状態を示す断面図である。 バルーンコーティング装置を示す概略図である。 バルーンコーティング装置によりバルーンの外表面にコーティング液を塗布する際の状態を示す平面図である。 バルーン形状補正具の変形例を示す断面図である。 バルーン形状補正具の他の変形例を示す断面図である。 バルーンカテーテルの他の例を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
本発明の実施形態に係るバルーン形状補正具110は、図2に示すように、バルーンカテーテルのバルーンの形状を補正する器具であり、バルーンの外表面に薬剤を含むコーティング層を形成する際に用いられる。バルーンの外表面にコーティング層を形成する際には、図9に示すバルーンコーティング装置50が用いられる。なお、本明細書では、バルーンカテーテルの生体管腔に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称することとする。
まず、バルーンカテーテル10の構造を説明する。バルーンカテーテル10は、図1に示すように、長尺なシャフト部20と、シャフト部20の先端部に設けられるバルーン30と、シャフト部20の基端に固着されたハブ40とを有している。
シャフト部20は、先端および基端が開口した管状体である外管21と、外管21の内部に配置される内管22とを備えている。外管21および内管22の間には、バルーン30を拡張するための拡張用流体が流通する拡張ルーメン23が形成されており、内管22の内側には、ガイドワイヤーが挿通されるガイドワイヤールーメン24が形成されている。
バルーン30は、一定の外径で形成されるバルーン中央部31と、バルーン中央部31よりも先端側に形成されて先端方向へ向かって縮径するテーパー状のバルーン先端部32と、バルーン中央部31よりも基端側に形成されて基端方向へ向かって縮径するテーパー状のバルーン基端部33とを備えている。バルーン中央部31の外周面には、薬剤を含むコーティング層34が形成される。バルーン30は、バルーン先端部32の先端側が内管22に接着され、バルーン基端部33の基端側が外管21に接着されており、バルーン30の内部が、拡張ルーメン23に連通している。
ハブ40は、外管21の拡張ルーメン23と連通して拡張用流体を流入出させるポートとして機能する第1開口部41と、ガイドワイヤールーメン24を挿通させる第2開口部42とを備えている。第2開口部42には、血液の流出を抑制する止血弁43が設けられている。
バルーン30は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されることが好ましく、そのような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用できる。
次に、バルーン形状補正具110について説明する。バルーン形状補正具110は、図2,3に示すように、環状に形成される環状部120(本体部)と、環状部120の中心側へ進退移動可能に環状部120に接続される4つの押圧部130と、環状部120に連結される当接部140と、当接部140をシャフト部20に対して固定するための固定部150とを備えている。なお、本体部は、押圧部130を連結可能であれば、環状部120のように全周的に形成されずに部分的に形成されてもよく、例えば、周方向に不連続となって断面がC字状となるように形成されてもよい。
環状部120は、一端側の小径部121から他端側の大径部122へ向かって内径および外径がテーパー状に広がる環状の部材である。環状部120には、外周面から内周面へ貫通する4つの押圧部用ねじ穴123が、周方向へ等間隔に並んで形成されている。環状部120は、図3,4に示すように、周方向に不連続となっており、不連続となる部位に、互いに係合および離脱可能な第1係合部124および第2係合部125が形成されている。第1係合部124は、環状部120の径方向外側へ突出し、第2係合部125は、第1係合部124に係合可能なフック形状で形成されている。第1係合部124および第2係合部125を離脱させた状態で環状部120を開くと、不連続となっている部位から、シャフト部20およびバルーン30を環状部120の内側に収容することができる。この後、第1係合部124と第2係合部125とを係合し、環状部120の内側に、バルーン先端部32またはバルーン基端部33を位置させることができる。
当接部140は、バルーンカテーテル10のシャフト部20の外周面に当接可能な部位であり、図2に示すように、小径部121の周方向の対向する位置に2つ設けられ、環状部120の中心軸に沿って環状部120から離れる方向へ延在している。2つの当接部140は、周方向に全周的ではなく部分的に形成されるともに、環状部120から離れる方向へ向かって外径が漸次的に小さくなり、かつ外周面にねじ溝141が形成されている。なお、当接部140は、3つ以上設けられてもよく、または、環状部120の中心軸と直交する断面がC字状となるように1つだけ設けられてもよい。または、当接部140は、後述するように固定部150によって内側へ向かって変形可能であれば、環状となるように1つだけ設けられてもよい。
固定部150は、図2,5に示すように、当接部140のねじ溝141に螺合可能な固定用ねじ穴151が内周面に形成される円筒状の部材である。固定用ねじ穴151は、軸方向へ同一内径の内周面に、ねじ溝141が形成されている。固定用ねじ穴151の内径は、当接部140の環状部120から離れた端部における外径と略等しく、当接部140の環状部120と接続される端部における外径よりも小さい。したがって、環状部120の内側に、バルーン30のバルーン先端部32またはバルーン基端部33を位置させた状態で、固定用ねじ穴151に当接部140のねじ溝141を螺合させ、固定部150を回転させると、図7,8に示すように、固定部150が環状部120に近づくに連れて、当接部140の環状部120に近い部位が固定部150内に収容される。当接部140の環状部120に近い部位は、外径が固定部150の内径よりも小さいため、当接部140が、固定部150によって径方向内側へ押圧されて変形し、シャフト部20に当接して固定される。環状部120は、図5,6に示すように、周方向に不連続となっており、不連続となる部位に、互いに係合および離脱可能な第3係合部152および第4係合部153が形成されている。第3係合部152は、環状部120の径方向外側へ突出し、第4係合部153は、第3係合部152に係合可能なフック形状で形成されている。第3係合部152および第4係合部153を離脱させた状態で、固定部150を開くと、不連続となっている部位から、シャフト部20を固定部150の内側に収容することができる。この後、第3係合部152と第3係合部152とを係合し、固定部150の内側に、バルーン30のシャフト部20を位置させることができる。
押圧部130は、環状部120の押圧部用ねじ穴123に螺合可能なねじ部131と、ねじ部131を回転させるためにねじ部131の一端部に形成される円盤状の把持部132と、ねじ部131の他端部に形成される押圧端部133とを備えている。押圧部130は、把持部132を把持してねじ部131を回転させることで、ねじ部131が押圧部用ねじ穴123に螺合し、回転角度を調節することで、環状部120の中心側へ任意の押し込み量で進退移動可能である。当接部140をシャフト部20に固定し、環状部120の内側にバルーン先端部32またはバルーン基端部33を位置させた状態で、押圧部130を回転させると、図7,8に示すように、押圧部130の押圧端部133がバルーン先端部32またはバルーン基端部33と接触して押圧する。
バルーン形状補正具110の寸法は、バルーンカテーテル10の寸法に応じて適宜設定される。当接部140の内径は、固定部150により径方向内側へ変形しつつシャフト部20と当接できるように、シャフト部20の外径よりも多少大きいことが好ましく、例えば0.5〜2.0mmである。当接部140の軸方向への長さは、特に限定されないが、例えば1.0〜5.0mmである。環状部120の内径は、当接部140をシャフト部20に固定した際に、バルーン先端部32またはバルーン基端部33と接しない寸法で形成されることが好ましく、例えば0.5〜10mmである。環状部120の軸方向への長さは、環状部120がバルーン中央部31に被さらない寸法で設定されることが好ましく、例えば0.5〜10mmである。
バルーン形状補正具110の構成材料は、バルーン30の形状を補正できるのであれば、特に限定されず、例えば、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、アクリル、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリカーボネート等の各種樹脂材料やステンレス、アルミニウム等の各種金属材料等を適用できる。
次に、バルーンコーティング装置50について説明する。バルーンコーティング装置50は、図9に示すように、バルーンカテーテル10を保持してバルーン30の軸心Xを中心として回転させる回転機構60と、バルーンカテーテル10を支持する支持台70と、バルーンカテーテル10の軸心Xの方向へ移動可能な移動台81を備える移動機構80と、バルーン30の外表面にコーティング液Rを塗布する塗布機構90と、バルーンコーティング装置50を制御する制御部100と、を有する。
回転機構60は、バルーンカテーテル10のハブ40を保持し、内蔵されるモーター等の駆動源によってバルーンカテーテル10を回転させる。バルーンカテーテル10は、ガイドワイヤールーメン24内に芯材61が挿通されて保持されるとともに、芯材61によってコーティング液Rのガイドワイヤールーメン24内への流入が防止されている。また、バルーンカテーテル10は、拡張ルーメン23を覆うようにハブ40の第1開口部41にキャップ63が被せられ、バルーン30を拡張させた際に拡張用流体を密封することができる。なお、キャップ63ではなしに、三方活栓を利用してもよい。
支持台70は、シャフト部20を内部に収容して回転可能に支持する管状の基端側支持部71と、芯材61を回転可能に支持する先端側支持部72とを備えている。なお、本実施形態では、芯材61をバルーンカテーテル10とともに回転させているが、芯材61を先端側支持部72に固定して、芯材61の外側をバルーンカテーテル10が回転してもよい。
移動機構80は、バルーン30の軸心Xと平行な方向へ直線的に移動可能な移動台81を備えている。移動台81は、内蔵されるモーター等の駆動源によって、直線的に移動可能である。移動台81には、塗布機構90が載置されており、塗布機構90をバルーンカテーテル10の軸心Xに沿う両方向へ直線的に移動させる。
塗布機構90は、コーティング液Rを収容する容器92と、任意の送液量でコーティング液Rを送液する送液ポンプ93と、コーティング液Rをバルーン30に塗布するディスペンシングチューブ94とを備えている。
送液ポンプ93は、例えばシリンジポンプであり、制御部100によって制御されて、容器92から吸引チューブ95を介してコーティング液Rを吸引し、供給チューブ96を介してディスペンシングチューブ94へコーティング液Rを任意の送液量で供給することができる。送液ポンプ93は、移動台81に設置され、移動台81の移動により直線的に移動可能である。なお、送液ポンプ93は、コーティング液Rを送液可能であればシリンジポンプに限定されず、例えばチューブポンプであってもよい。
ディスペンシングチューブ94は、バルーン30の外表面へ向かって開口する開口部からコーティング液Rを吐出する円管状の部材である。ディスペンシングチュ−ブ94の開口部は、ディスペンシングチュ−ブ94の軸心と直交する面で開口するように形成されているが、これに限定されない。ディスペンシングチューブ94は、移動台81に固定される移動部材98に固定されており、移動台81に設置される送液ポンプ93とともに、バルーンカテーテル10の軸心Xに沿う両方向へ直線的に移動可能である。なお、ディスペンシングチューブ94は、コーティング液Rを供給可能であれば、円管状でなくてもよい。なお、バルーン30にコーティング液Rを塗布する方法は、ディスペンシングチューブ94を用いる方法に限定されず、例えば、コーティング液Rを含ませた繊維材、織布、不織布、スポンジ等の多孔質体、ヘラ状の部材、ブラシ等を用いて塗布してもよい。
ディスペンシングチューブ94の内径は、例えば0.1〜2.0mmであるが、バルーン30の大きさやコーティング液Rの粘度等に応じて適宜設定されることが好ましい。
ディスペンシングチューブ94の構成材料は、コーティング液Rを塗布できれば、特に限定されず、一般的な樹脂や金属等を適用できる。
制御部100は、例えばコンピュータにより構成され、回転機構60、移動機構80および塗布機構90を統括的に制御する。
コーティング液Rは、薬剤、添加剤、および揮発性溶媒を含んでいる。薬剤は、生体へ作用する物質であり、水溶性薬剤および不水溶性薬剤のいずれであってもよいが、薬剤の血中への溶出を抑制するという観点から、不水溶性薬剤が好ましい。
不水溶性薬剤は、水に不溶または難溶性である薬剤を意味し、具体的には、水に対する溶解度が、pH5〜8で5mg/mL未満である。その溶解度は、1mg/mL未満、さらに、0.1mg/mL未満でもよい。水不溶性薬剤は、脂溶性薬剤を含む。
いくつかの好ましい水不溶性薬剤の例は、免疫抑制剤、例えば、シクロスポリンを含むシクロスポリン類、ラパマイシン等の免疫活性剤、パクリタキセル等の抗がん剤、抗ウイルス剤または抗菌剤、抗新生組織剤、鎮痛剤および抗炎症剤、抗生物質、抗てんかん剤、不安緩解剤、抗麻酔剤、拮抗剤、ニューロンブロック剤、抗コリン作用剤、抗不整脈剤、抗高血圧剤、ホルモン剤ならびに栄養剤を含む。
水不溶性薬剤としては、ラパマイシン、パクリタキセル、ドセタキセルおよびエベロリムスからなる群から選択される少なくとも1つが好ましい。ラパマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、エベロリムスは、それぞれ、同様の薬効を有する限り、それらの類似体および/またはそれらの誘導体を含む。例えば、パクリタキセルとドセタキセルとは類似体の関係にあり、ラパマイシンとエベロリムスとは誘導体の関係にある。これらのうちでは、パクリタキセルがさらに好ましい。
本実施形態におけるコーティング液Rは、上記水不溶性薬剤を、好ましくは5〜60mg/mLの濃度で、より好ましくは20〜50mg/mLの濃度で、さらに好ましくは30〜40mg/mLの濃度で、含有する。
添加剤は、特に制限されないが、薬剤と固体分散体を形成するポリマー(重合体)及び/又は高分子または低分子の化合物を適用でき、例えば、ポリオレフィン、ポリイソブチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、アクリルポリマーおよび共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニル・メチル・エーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−メチル・メタクリル酸塩共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ナイロン12およびそのブロック共重合体、ポリカプロラクトン、ポリオキシメチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、レーヨン・トリアセテート、セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、セロハン、硝酸セルロース、プロピオニルセルロース、セルロース・エーテル、カルボキシメチルセルロース、キチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリエチレンオキシド、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシド共重合体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン・グリコール、グリセロール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、有機酸、有機酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。なお、添加剤は、必ずしも設けられなくてもよい。
添加剤は、薬剤に対して少量であることが好ましく、マトリクスを形成しないことが好ましい。また、添加剤は、ミセル、リポソーム、造影剤、乳化剤、界面活性剤を含まないことが好ましいが、含まれてもよい。また、添加剤は、ポリマーを含まず低分子の化合物のみを含むことが好ましい。
揮発性溶媒は、特に限定されないが、メタノール、エタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、アセトン等の揮発性有機溶媒を少なくとも1種類を含むことが好ましい。また、揮発性有機溶媒に水等が混合されてもよい。
次に、上述したバルーン形状補正具110およびバルーンコーティング装置50を用いて、バルーン30の表面に薬剤を含むコーティング層34を形成するバルーンコーティング方法を説明する。
初めに、バルーンカテーテル10の第1開口部41から拡張用の流体をバルーン30内に供給し、バルーン30を拡張させた状態で第1開口部41にキャップ63を被せて密封し、バルーン30を拡張させた状態で維持する。なお、バルーン30を拡張させずに、バルーン30の表面にコーティング層34を形成することもでき、その場合には、拡張用の流体をバルーン30内に供給する必要はない。
次に、図4に示すように、環状部120の第1係合部124および第2係合部125を離脱させた状態で環状部120の不連続な部位を開き、開いた部位から、バルーン30よりも基端側でシャフト部20の外管21を環状部120の内側に収容する。この後、図3に示すように、第1係合部124と第2係合部125とを係合し、当接部140の内側に外管21を位置させつつ、環状部120の内側に、バルーン基端部33を位置させる。このとき、環状部120の内周面に、バルーン基端部33が接しないことが好ましい。環状部120の固定用ねじ穴151には、環状部120の内周面から押圧部130の押圧端部133が突出しない程度に、ねじ部131が螺合されている。
次に、図6に示すように、固定部150の第3係合部152および第4係合部153を離脱させた状態で固定部150の不連続な部位を開き、開いた部位から、環状部120よりも基端側でシャフト部20の外管21を固定部150の内側に収容する。この後、図5に示すように、第3係合部152と第4係合部153とを係合し、固定部150の内側に外管21を位置させる。次に、固定部150の固定用ねじ穴151に当接部140のねじ溝141を螺合させ、固定部150を回転させると、図7,8に示すように、固定部150が環状部120に近づくに連れて、テーパー状の当接部140が径方向内側へ押圧されて変形し、外管21に当接して固定される。
さらに、バルーン形状補正具110をもう1つ準備し、バルーン先端部32側に取り付けるが、バルーン先端部32へ取り付ける際には、環状部120の第1係合部124および第2係合部125を係合させた状態で、内管22を先端側から環状部120に挿入することができる。この後、当接部140の内側に内管22を位置させつつ、環状部120の内側にバルーン先端部32を位置させる。このとき、環状部120の内周面に、バルーン先端部32が接しないことが好ましい。環状部120の固定用ねじ穴151には、環状部120の内周面から押圧部130の押圧端部133が突出しない程度に、ねじ部131が螺合されている。次に、固定部150の第3係合部152および第4係合部153を係合させた状態で、内管22を先端側から固定部150に挿入する。次に、固定用ねじ穴151に当接部140のねじ溝141を螺合させ、固定部150を回転させると、固定部150が環状部120に近づくに連れて、テーパー状の当接部140が径方向内側へ押圧されて変形し、内管22に当接して固定される。なお、バルーン先端部32側に環状部120および固定部150を取り付ける際に、バルーン基端部33側に取り付ける際と同様に、第1係合部124および第2係合部125を離脱させ、かつ第3係合部152および第4係合部153を離脱させて取り付けてもよい。
次に、各々のバルーン形状補正具110において、4つの押圧部130を適宜回転させて、押圧端部133によりバルーン先端部32またはバルーン基端部33を押圧し、バルーン30の湾曲を補正するように押し込み量を調節する(形状補正工程)。なお、押圧部130によりバルーン30を押圧することで、湾曲のみならず、例えば断面が楕円形状となっている場合に真円に近づけるなど、多様な形状の補正を行うことができる。そして、押圧部130が、環状部120の周方向の異なる位置に4つ設けられており、3つ以上設けられるため、バルーン30の軸心Xと直交する断面において、各押圧部130の押し込み量の組み合わせにより、任意の方向へ任意の押し込み量でバルーン30を押圧することができる。
次に、バルーンカテーテル10を支持台70に回転可能に設置し、ハブ40を回転機構60に連結する。
次に、移動台81を移動させて、バルーン30においてコーティング層34を形成する最も先端側の位置にディスペンシングチューブ94を位置させる。
次に、送液ポンプ93により送液量を調節しつつコーティング液Rをディスペンシングチューブ94へ供給し、回転機構60によりバルーンカテーテル10を回転させるとともに、移動台81を移動させて、ディスペンシングチューブ94を徐々に基端方向へ移動させる。これにより、図10に示すように、ディスペンシングチューブ94から吐出されるコーティング液Rは、バルーン30の回転およびディスペンシングチューブ94の移動によって、バルーン30の外周面上に、螺旋を描きつつ連続的に隙間なく塗布される(塗布工程)。
ディスペンシングチューブ94の移動速度は、例えば0.05〜5mm/秒であるが、これに限定されない。コーティング液Rのディスペンシングチューブ94からの吐出速度は、例えば0.05〜5μL/秒であるが、これに限定されない。バルーン30の回転数は、例えば10〜300rpmであるが、これに限定されない。
バルーンカテーテル10が回転する際に、バルーン30が軸心Xに沿って湾曲していると、バルーン30が偏心するが、バルーン形状補正具110によってバルーン30の湾曲が補正されているため、バルーン30の偏心が抑制される。バルーン30が偏心すると、ディスペンシングチューブ94とバルーン30との距離が回転によって変化し、ディスペンシングチューブ94がバルーン30に接触してバルーン30の外表面を傷つける可能性がある。さらに、回転が不安定となり、コーティング液Rが途中で途切れたり塗布される量が変化するなどの塗りムラを生じさせて、バルーン30にコーティングされるコーティング液Rの厚さが不均一となる可能性がある。しかしながら、上述のように、バルーン形状補正具110によってバルーン30の偏心が抑制されるため、バルーン30の損傷の発生が抑えられ、バルーン30の回転が安定し、バルーン30に塗布されるコーティング液Rの厚さのバラツキが抑制されて、コーティング液R(コーティング層34)の厚さの調節が容易となる。
この後、バルーン30の表面に塗布されたコーティング液Rに含まれる揮発性溶媒が揮発して、バルーン30の表面に薬剤および添加物を含むコーティング層34が徐々に形成される。揮発させる時間は、溶媒により適宜設定されるが、例えば、数秒〜十数秒程度である。
バルーン30の外表面にコーティングされる薬剤は、結晶型、非結晶質(アモルファス)型、およびそれらの混合型などの異なる形態型となり得る。薬剤が結晶型となる場合でも、結晶構造が異なる種々の形態型が存在する。さらに、結晶や非晶質は、コーティング層34において規則性を有するように配置されてもよいが、不規則に配置されてもよい。そして、このような薬剤の形態型は、揮発性溶媒を揮発させる時間の長短や雰囲気温度により影響を受ける。したがって、上述のように、コーティング液Rの厚さを適切に調節することで、溶媒を揮発させる時間を調節することが容易となり、コーティング層34に含まれる薬剤の形態型や大きさなどをより自在に調節することが可能となる。
そして、バルーン30を回転させつつ、ディスペンシングチューブ94を徐々に軸心Xに沿って先端側から基端側へ向かって移動させることで、バルーン30の外表面に、コーティング層34を徐々に形成する。バルーン30のコーティングする範囲であるバルーン中央部31の全体にコーティング層34が形成された後、回転機構60、移動機構80および塗布機構90を停止させる。バルーン中央部31は、バルーン形状補正具110によって囲まれていないため、バルーン中央部31へのコーティング層34のコーティングは、バルーン形状補正具110によって妨げられない。
コーティング層34の厚さは、例えば1〜50μmであるが、これに限定されず、バルーン30の寸法や薬剤の種類等に応じて適宜設定可能である。
この後、バルーンカテーテル10をバルーンコーティング装置50から取り外す。次に、バルーン先端部32に取り付けられているバルーン形状補正具110の押圧部130を回転させて押圧端部133をバルーン先端部32から離間させ、かつ固定部150を回転させて当接部140の内管22に対する押圧を緩める。この後、バルーン先端部32に取り付けられているバルーン形状補正具110から、内管22を引き抜き、バルーン先端部32に取り付けられていたバルーン形状補正具110が取り外される。
次に、バルーン基端部33に取り付けられているバルーン形状補正具110の押圧部130を回転させて押圧端部133をバルーン基端部33から離間させ、かつ固定部150を回転させて当接部140から完全に切り離す。この後、環状部120の第1係合部124と第2係合部125との係合を離脱させ、図4に示すように、非連続となる部位を開いて、当該部位から、バルーンカテーテル10を取り出す。次に、固定部150の第3係合部152と第4係合部153との係合を離脱させ、図6に示すように、非連続となる部位を開いて、当該部位から、バルーンカテーテル10を取り出す。これにより、バルーン30のコーティングが完了する。
以上のように、本実施形態に係るバルーン形状補正具110は、バルーンカテーテル10のバルーン30の形状を補正するバルーン形状補正具110であって、バルーン30の外周囲を囲むことが可能な環状部120(本体部)と、環状部120の前記バルーン30に向かう側へ進退移動可能に環状部120に接続される押圧部130と、を有している。このため、バルーン30に環状部120を被せた状態で押圧部130をバルーン30に接触させて押圧し、バルーン30の形状を補正することができる。したがって、例えばバルーン30が軸心Xに沿って湾曲している場合に、この湾曲を補正でき、バルーン30が回転しても、ディスペンシングチューブ94とバルーン30との距離が回転によって変化し難くなる。このため、ディスペンシングチューブ94との接触によるバルーン30の損傷を抑制でき、回転を安定させ、コーティング液Rが途中で途切れたり塗布される量が変化するなどの塗りムラを抑制できる。このため、バルーン30に塗布されるコーティング液Rの厚さのバラツキを抑制して、コーティング液R(コーティング層34)の厚さの調節が容易となる。さらに、コーティング液Rの厚さを調節することで、溶媒を揮発させる時間を調節することが容易となり、コーティング層34に含まれる薬剤の形態型や大きさなどをより自在に設定することが可能となる。そして、バルーン30に適切なコーティング層34が形成されることで、望ましい治療効果を期待できる。
また、バルーン形状補正具110が、環状部120(本体部)に連結されるとともにバルーンカテーテル10のバルーン30が固定されるシャフト部の外周面に当接可能な当接部140を有するため、当接部140をシャフト部に当接させることで、当接部140に接続される環状部120をシャフト部に対して位置固定的とすることができ、環状部120に連結される押圧部130を用いて、効果的にバルーン30を押圧して形状を補正することが可能となる。
また、当接部140は、周方向に部分的に形成されるともに環状部120(本体部)へ向かって外径が漸次的に大きくなり、かつ外周面にねじ溝141が形成され、バルーン形状補正具110は、当接部140のねじ溝141に螺合可能な固定用ねじ穴151が内周面に形成される筒状の固定部150をさらに有するため、固定用ねじ穴151に当接部140のねじ溝141を螺合させて固定部150を回転させることで、外径が漸次的に大きくなる当接部140が径方向内側へ押圧されて変形し、当接部140をシャフト部に対して強圧して固定することができる。
また、環状部120(本体部)が、周方向へ非連続であり、非連続となる部位同士を係合する係合部(第1係合部124および第2係合部125)を有するため、バルーン30の基端側であっても、非連続な部位を介して環状部120をバルーンカテーテル10に取り付けることが容易である。また、非連続な部位を介して環状部120をバルーンカテーテル10から取り外すことができるため、バルーン30の外表面に形成されたコーティング層34に環状部120を接触させずに環状部120を取り外すことができ、コーティング層34を良好に維持することができる。
また、押圧部130が、環状部120(本体部)の周方向の異なる位置に3つ以上設けられるため、バルーン30の軸心Xと直交する断面において、各押圧部130の押し込み量の組み合わせにより、任意の方向へ任意の押し込み量でバルーン30を押圧することができる。
また、環状部120(本体部)は、当該環状部120の中心側へ向かって貫通する押圧部用ねじ穴123が形成され、押圧部130は、押圧部用ねじ穴123に螺合可能なねじ部131を有するため、押圧部用ねじ穴123にねじ部131を螺合させることで、任意の押込み量でバルーン30を押圧することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、バルーン30の先端側から基端側へ向かってコーティング液Rを塗布しているが、基端側から先端側へ向かって塗布してもよい。
また、上述した実施形態では、バルーン先端部32およびバルーン基端部33の両方に、バルーン形状補正具110を取り付けているが、いずれか一方のみに取り付けられてもよい。
また、バルーン形状補正具は、バルーン30の形状を補正できるのであれば、シャフト部20に当接する当接部140や固定部150が設けられなくてもよい。また、環状部および固定部は、非連続でなくてもよい。
また、図11に示すように、押圧部130とバルーン30との間に、バルーン30の損傷を抑制するために、フィルム状の保護部材160を巻き付けるように設けてもよい。保護部材160に構成材料は、例えば、テフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂を適用できるが、バルーン30を保護できれば、特に限定されない。保護部材160は、バルーン30を囲む1枚の部材であってもよく、または、周方向に複数枚に分割して設けられてもよい。また、保護部材160は、押圧部130の押圧力を広い面積に分散させて、広い面でバルーン30を押圧することを可能とする役割をも果たす。押圧部130の端部よりも広い面でバルーン30を押圧可能とすることで、バルーン30が局所的に変形することを抑制し、バルーン30の湾曲を効果的に補正できる。
また、バルーン30を押圧する押圧部は、ねじ構造でなくてもよい。一例として、図12に示すように、環状部170(本体部)に形成される孔部171に、変形可能な凸部172が形成され、孔部171に挿入可能な押圧部180に、所定間隔毎に並んで凸部172と接触可能な複数の凹部181が形成されてもよい。このようにすれば、凸部172を変形させつつ、押圧部180を凹部181の間隔毎に移動させることができる。
また、上述の実施形態に係るバルーンコーティング方法では、バルーンカテーテル10は、オーバーザワイヤ型(Over−the−wire type)のバルーンカテーテル10のバルーン30にコーティングを施しているが、図13に示すように、ラピッドエクスチェンジ型(Rapid exchange type)のバルーンカテーテル200のバルーン250にコーティングを施してもよい。バルーンカテーテル200は、基端側からハブ210、基部シャフト220、中間部分230、先端シャフト240、バルーン250および内管シャフト260を備えている。
ハブ210には、金属または一部の樹脂など比較的剛性の高い材質からなる基部シャフト220が、流体を流通可能に連通して接合されている。
基部シャフト220の先端側には、中間部分230が流体を流通可能に連通して設けられている。中間部分230の先端側には樹脂などの材質からなる比較的剛性の低い先端シャフト240が流体を流通可能に連通して設けられている。先端シャフト240の先端側には、バルーン250の基端部が流体を流通可能に連通して設けられている。
内管シャフト260は、先端シャフト240及びバルーン250の内部を同軸状に貫通している。内管シャフト260の先端部は先端チップ261となっており、先端チップ261はバルーン250の先端部より先端側へ延在している。先端チップ261は、バルーン250の先端部と液密を保った状態で接合されている。内管シャフト260の基端は、中間部分230から先端シャフト240にかけての一部分に設けられたガイドワイヤ開口部262まで延長され、液密を保った状態で接合されている。ガイドワイヤは、先端チップ261の先端開口部263を入口とし、ガイドワイヤ開口部202を出口として、内管シャフト260内に挿入可能である。
上述のラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテル200であっても、バルーン250を拡張させて密封し、ハブ210を回転機構60に取り付け、支持台70により基部シャフト220、中間部分230および先端シャフト240の少なくとも一部を支持し、芯材61をガイドワイヤ開口部262から内管シャフト260内に挿入して、バルーンコーティング装置50に取り付けることができる。そして、上述の実施形態において説明した方法と同様の方法で、バルーン250の外表面にコーティング層を形成することができる。
10,200 バルーンカテーテル、
30,250 バルーン、
32 コーティング層、
50 バルーンコーティング装置、
60 回転機構、
80 移動機構、
90 塗布機構、
94 ディスペンシングチューブ(塗布部)、
110 バルーン形状補正具、
120,170 環状部(本体部)、
123 押圧部用ねじ穴、
124 第1係合部(係合部)、
125 第2係合部(係合部)、
130,180 押圧部、
131 ねじ部、
133 押圧端部、
140 当接部、
141 ねじ溝、
150 固定部、
151 固定用ねじ穴、
R コーティング液。

Claims (7)

  1. バルーンカテーテルのバルーンの形状を補正するバルーン形状補正具であって、
    前記バルーンの外周囲を囲むことが可能な本体部と、
    前記本体部に連結されるとともに、前記バルーンカテーテルの前記バルーンが固定されるシャフト部の外周面に当接可能な当接部と、
    前記本体部の前記バルーンに向かう側へ進退移動可能に前記本体部に接続されて前記バルーンを押圧可能な押圧部と、を有するバルーン形状補正具。
  2. 前記当接部は、周方向に部分的に形成されるともに前記本体部へ向かって外径が漸次的に大きくなり、かつ外周面にねじ溝が形成されており、
    前記当接部の前記ねじ溝に螺合可能な固定用ねじ穴が内周面に形成される筒状の固定部をさらに有する請求項に記載のバルーン形状補正具。
  3. 前記本体部は、周方向へ非連続であり、非連続となる部位同士を係合する係合部を有する請求項1または2に記載のバルーン形状補正具。
  4. 前記押圧部は、前記本体部の周方向の異なる位置に3つ以上設けられる請求項1〜のいずれか1項に記載のバルーン形状補正具。
  5. 前記本体部は、当該本体部の中心側へ向かって貫通する押圧部用ねじ穴が形成され、
    前記押圧部は、前記押圧部用ねじ穴に螺合可能なねじ部を有する請求項1〜のいずれか1項に記載のバルーン形状補正具。
  6. バルーンカテーテルのバルーンの外表面にコーティング層を形成するバルーンコーティング方法であって、
    前記バルーンの外周囲を囲むことが可能な本体部により前記バルーンの外周囲を囲み、当該本体部の前記バルーンに向かう側へ進退移動可能に前記本体部に接続される押圧部により前記バルーンを押圧して前記バルーンの形状を補正する形状補正工程と、
    前記バルーンを当該バルーンの軸心を中心に回転させつつ、薬剤を含むコーティング液を塗布する塗布部を前記バルーンに対して軸心方向へ相対的に移動させて前記コーティング液を前記バルーンの外表面に塗布する塗布工程と、を有するバルーンコーティング方法。
  7. 前記形状補正工程において、前記本体部に連結される当接部を前記バルーンカテーテルの前記バルーンが固定されるシャフト部の外周面に当接させて前記本体部を前記シャフト部に対して固定する請求項に記載のバルーンコーティング方法。
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