JP6296407B1 - 多列型プリント基板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
プリント基板には、搭載する電子部品の近傍に、ビアホールや開口部が形成されている。このような基板は、例えば、次の特許文献1に記載されている。
従来、プリント基板材料に対する開口部やビアホールの形成には、一般的にドリル加工が用いられる。
しかるに、マトリックス状に多列配列された多列型プリント基板において、個々の単位製品部の外形を非四角形状にすることが必要となる場合がある。その場合、多列型プリント基板には、単位製品部の外形を形成する開口部と単位製品部を連結する連結部を形成する必要が生じる。
しかし、ダイシング加工では、単位製品部の外形を非四角形状に形成することが難しい。このため、単位製品部の外形を非四角形状に形成することが必要となる場合、ドリル加工やルータ加工等が必要となる。
また、プリント基板の開口部は、搭載する電子部品の形状に応じて、開口形状を略長円又は略矩形に形成することが求められる場合がある。
また、ドリル加工やルータ加工により単位製品部の外形を非四角形状に形成するための開口形状や略長円又は略矩形の開口形状を形成する際、プリント基板材料においてドリルやルータと接触する部位と接触しない部位とが存在することになるため、プリント基板材料と接触する部位にドリル加工やルータ加工の圧力が偏り、ドリルやルータの折れ等が生じる虞がある。
しかし、レーザ加工で単位製品部の外形を非四角形状に形成するための開口形状や、略長円又は略矩形の開口形状を形成すると、加工端面が炭化して、導電性を有してしまう虞がある。また、レーザ加工は、加工時間が長くかかり、生産性が悪くなる。
上述したように、開口部やビアホールを加工する方法として、ドリル加工、レーザ加工、プレス加工がある。
また、上述したように、単位製品部が連結部を介してマトリックス状に多列配列された多列型プリント基板においては、電子部品を搭載して製品を組立て後に個々の単位製品部は、ダイシング加工されて四角形状に形成されることが多い。
しかるに、マトリックス状に多列配列された多列型プリント基板において、個々の単位製品部の外形を非四角形状にすることが必要となる場合がある。その場合、多列型プリント基板には、単位製品部の外形を形成する開口部と単位製品部を連結する連結部を形成する必要が生じる。
しかし、ダイシング加工では、単位製品部の外形を非四角形状に形成することが難しい。このため、単位製品部の外形を非四角形状に形成することが必要となる場合、ドリル加工やルータ加工等が必要となる。
また、プリント基板の開口部は、搭載する電子部品の形状に応じて、開口形状を略長円又は略矩形に形成することが求められる場合がある。
そこで、本件発明者は、まず、従来一般的に用いられているドリル加工により、開口形状が略長円又は略矩形の第1の開口部と開口形状が円形のビアホールを有し、外形が非四角形状に形成された単位製品部と、単位製品部の外形を形成する第2の開口部と、隣り合う単位製品部を連結する連結部とを有し、単位製品部が連結部によりマトリックス状に連結されて多数配列された多列型プリント基板を形成することを試みた。
プリント基板材料には、絶縁基材の両面に厚さ2μm以上35μm以下の銅層を有する、総厚さが34μm以上370μm以下である板材を用いた。なお、絶縁基材は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等を、単体または複数樹脂を混合したものを用いることができる。また、各種添加剤や柔軟剤をさらに調合したものや、補強材としてガラス等の無機繊維、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、各種天然繊維等の有機繊維を使用したのを用いることもできる。
また、開口形状が略長円又は略矩形の第1の開口部と、開口形状が円形のビアホールと、外形が非四角形状に形成された単位製品部の外形を形成する第2の開口部は、夫々、開口径の最小径が50μm以上となる所定の大きさで設計した。
その結果、ドリル加工では、図3に示すように、外形が非四角形状に形成された単位製品部の外形を形成するための開口形状や略長円又は略矩形の開口形状を精度よく形成することができなかった。図3中、一点鎖線は、単位製品部における開口形状が略長円又は略矩形の第1の開口部と、開口形状が円形のビアホールと、単位製品部の非四角形状の外形の夫々についての設計時の形状、実線はドリル加工時の形状を示している。そして、単位製品部の外形や第1の開口部には、円形のドリル孔が複数個連なり、連なり合う円形のドリル孔近傍に加工されない略山形状の領域が残ってしまい、その分、開口面積が狭くなった。
しかるに、レーザ加工方法は、上述したように、加工端面が炭化し、炭化部分が導電性を有してしまう虞がある。
発明者は、過去に、デスミア処理を施すことにより炭化樹脂を除去する試験を行ったが、デスミア処理では炭化樹脂を完全に除去することができなかった。
また、炭化部分が導電性を有してショートした状態のプリント基板から炭化部分を、電子部品搭載時に除去することは困難である。
しかも、レーザ加工は、加工時間が長くかかり、生産性が悪くなる上、レーザ加工のための設備コストも高くなる。
ブラスト加工は、プリント基板材料における加工対象部位のみを露出させるようにレジストマスクで覆った状態にして、微細砥粒を圧縮エアで高速噴射して加工対象部位の基板を除去する加工方法である。
ブラスト加工は、ドリル加工とは異なり、レジストマスク形成後にブラスト加工装置への手動でのセットが必要となり、一方向に搬送される連続したライン上での製造ができない。このため、連続したライン上での電子部品搭載用基板の製造には、用い難い加工方法である。
本発明者が、他の加工方法と比較検討したところ、ブラスト加工は、ドリル加工とは異なり、単位製品部の外形を非四角形状に形成するための開口形状や略長円又は略矩形の開口形状を精度よく加工でき、また、単位製品部の外形と単位製品部内の開口部とビアホールとを同時形成でき、さらに、レーザ加工とは異なり加工面の炭化がなく、しかも、プレス加工とは異なり設計の自由度も広く、製造コストも低減できることが判明した。
また、本発明者が、さらに検討したところ、絶縁基材の両面に厚さ2μm以上35μm以下の銅層を有する、総厚さが34μm以上370μm以下であるプリント基板材料を用いて、開口径の最小径が短径50μm以上で、開口形状が略長円又は略矩形の開口部と、単位製品部の非四角形状の外形の形成にブラスト加工を用いる場合には、次のような課題があることも判明した。
ブラスト加工において、レジストマスクで覆われている部位を露出させることなく単位製品部における開口部や外縁部を形成するための方策としては、加工対象以外の部位に形成するレジストマスクに用いるレジスト膜の膜厚を厚くすることが考えられる。
しかし、レジスト膜の膜厚を厚くすると、露光及び現像を経てレジスト膜に形成されるマスク形状の加工精度が低下し、その結果、ブラスト加工により形成される開口形状が略長円又は略矩形の開口部と、単位製品部の非四角形状の外形の加工精度が低下する。しかも、レジスト膜の膜厚を厚くすると、その分、材料費がかさみ、生産コストが高くなる。
このようにすれば、単位製品部における開口形状が略長円又は略矩形の開口部(第1の開口部)と、単位製品部の非四角形状の外形と、単位製品部における開口形状が円形のビアホールの加工精度がよい、多列型プリント基板が得られる。
このようにすれば、単位製品部における開口形状が略長円又は略矩形の開口部(第1の開口部)と、単位製品部の非四角形状の外形と、開口形状が円形のビアホールの加工精度がよい多列型プリント基板を、コストを抑えて生産効率よく形成することができる。
このような所定の深さ位置で狭くなるブラスト加工面は、例えば、次の本発明の多列型プリント基板の製造方法のように、プリント基板材料の両側からブラスト加工を行うことによって形成することができる。
このようにプリント基板材料の両面側からのブラスト加工によって、単位製品部における開口部(第1の開口部)と、ビアホールと、単位製品部の外形とを同時形成するようにすれば、プリント基板材料の一方の側のみからのブラスト加工によって単位製品部における開口部(第1の開口部)と、ビアホールと、単位製品部の外形とを形成する加工方法に比べて、片側からのブラスト加工時間を大幅に短縮することができ、レジストマスクに衝突する微細砥粒の時間を大幅に減らすことができる。その結果、ブラスト加工時間に使用するレジスト膜の膜厚を薄くすることができ、レジスト膜に形成するマスク形状の加工精度が高くなり、ブラスト加工により形成される略長円又は略矩形の開口部(第1の開口部)や円形のビアホールや非四角形状の外形の加工精度が向上する。また、レジスト膜の膜厚が薄くて済む分、材料費を減らし、生産コストを低減することができる。
また、プリント基板材料の両面側からのブラスト加工によって、単位製品部における開口部(第1の開口部)と、ビアホールと、単位製品部の外形とを形成するようにすると、単位製品部における第1の開口部の内壁面と、ビアホールの内壁面と、単位製品部の外形を形成する第2の開口部の内壁面のブラスト加工面は、夫々、略中間の深さ位置での開口径がプリント基板材料の面位置での開口径に比べて狭くなるように形成されうる。このため、プリント基板に対しビアフィルめっきを形成する場合には、ビアホールにおける略中間の深さ位置の内壁面で留まり易くなり、めっきを充填し易くなる。なお、ビアホールに対しスルーホールめっきを実施する場合であれば、単位製品部における第1の開口部の内壁面と、ビアホールの内壁面と、単位製品部の外形を形成する第2の開口部の内壁面のブラスト加工面を、夫々、開口径が全ての深さ位置において同じとなるように形成してもよい。
また、ビアホールに対しビアフィルめっきを実施する場合には、本発明の多列型プリント基板の製造方法において、好ましくは、単位製品部における第1の開口部と、ビアホールと、第2の開口部とを形成する工程において、第1の開口部の内壁面と、ビアホールの内壁面と、第2の開口部の内壁面の夫々のブラスト加工面における、略中間の深さ位置に、開口径の最も狭い部位を形成する。
略中間の深さ位置に開口径の最も狭い部位が形成されるようにすれば、プリント基板材料の両側からの夫々のブラスト加工時間を略同じに、半減させることができる。このため、レジスト膜の膜厚をプリント基板材料の両側で同じ厚さにすることができ、ブラスト加工に用いるレジスト膜の種類が1種類で済む。また、プリント基板材料の両側の夫々のブラスト加工時間を略同じにすることで、加工時間も最小限に短縮できるため、生産効率が向上する。
このようにすれば、ブラスト加工時間を大幅に短縮できる。
図1は本発明の一実施形態にかかる多列型プリント基板の概略構成を示す図で、(a)は多列型プリント基板における単位製品部の配置を概念的に示す平面図、(b)は単位製品部における開口部と、ビアホールと、単位製品部の外形の形状を示す(a)の部分拡大図、(c)は(b)のA−A断面図、(d)は(b)のB−B断面図である。図2は本発明の一実施形態にかかる多列型プリント基板の製造工程の一例を示す説明図である。図3は本発明の比較例にかかる、従来のドリル加工により多列型プリント基板に形成される単位製品部における開口部と、ビアホールと、外縁部の形状を示す説明図である。
多列型プリント基板1を構成する基板材料は、図1(c)、図1(d)に示すように、絶縁基材1aと、銅層1bを有する、総厚さが34μm以上370μm以下の板材で構成されている。
コア材1aは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等を、単体または複数樹脂を混合したものを用いることができる。また、各種添加剤や柔軟剤をさらに調合したものや、補強材としてガラス等の無機繊維、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、各種天然繊維等の有機繊維を使用したものを用いることもできる。
銅層1bは、コア材1bの両面に2μm以上35μm以下の厚さで形成されている。
単位製品部1nは、図1(b)に示すように、開口形状が略長円又は略矩形(ここでは、略矩形)の第1の開口部2と、開口形状が円形のビアホール3を有し、外形4が非四角形状に形成されている。なお、図1(b)では横方向に連結された2つの単位製品部1nを示している。そして、図1の例の多列型プリント基板1では、単位製品部1nの非四角形状の外形4は、縦横方向に隣り合う単位製品部1nの外縁部に囲まれた第2の開口部5によって形成されている。また、図1(b)の例では、第2の開口部5は、直線を組み合わせてなる所定形状(ここでは、略十字形状)に形成されている。なお、第2の開口部5は、単位製品部1nの外形4を非四角形状に形成できれば、どのような形状であってもよい。
第1の開口部2、ビアホール3及び第2の開口部5は、開口径が50μm以上に形成されている。
また、第1の開口部2の内壁面と、ビアホール3の内壁面と、第2の開口部5の内壁面は、夫々、ブラスト加工面を有している。
第1の開口部2の内壁面と、ビアホール3の内壁面と、第2の開口部5の内壁面のブラスト加工面は、図1(b)、図1(c)に示すように、略中間の深さ位置での開口径が多列型プリント基板1の面位置での開口径に比べて狭く形成されている。
そして、第1の開口部2の内壁面と、ビアホール3の内壁面と、第2の開口部5の内壁面のブラスト加工面における、開口径の最も狭い部位は、略中間の深さ位置に形成されている。
次に、配線パターンの形成を行う。詳しくは、まず、プリント基板材料1’に形成したビアホール3に、スルーホールめっき又はビアフィルめっき等を施すことにより導体を形成して層間接続を行う(不図示)。次に、プリント基板材料1’の両面に、第2のドライフィルムレジスト8’をラミネートし(図2(h)参照)、第1のレジストマスク7と同様の形成方法を用いて、銅層1bによる配線パターンを形成するための第2のレジストマスクを形成する(不図示)。次に、第2のレジストマスクから露出する銅層1bにエッチング加工を施し所定の配線パターンを形成する(不図示)。その後、第2のレジストマスクを除去する(不図示)。
これにより、ビアホールが導通し、配線が形成された多列型プリント基板1が得られる。
そして、本実施形態の多列型プリント基板の製造方法によれば、ブラスト加工により形成される略長円又は略矩形の第1の開口部2や円形のビアホール3や非四角形状の外形4の加工精度が向上する結果、従来のドリル加工で略長円又は略矩形の開口部を非四角形状の外形を形成する場合に比べて、加工精度が高いことに加えて、開口面積を約20%増やすことができる。
また、第1の開口部2の内壁面やビアホール3の内壁面や第2の開口部5の内壁面の夫々のブラスト加工面は、略中間の深さ位置での開口径がプリント基板材料1’の面位置での開口径に比べて狭くなるように形成される。このため、多列型プリント基板1の単位製品部1nにおけるビアホール3に対しビアフィルめっきを実施する場合には、ビアホール3における略中間の深さ位置の内壁面で留まり易くなり、めっきを充填し易くなる。
このようにすれば、ブラスト加工時間を大幅に短縮できる。
第1の変形例の多列型プリント基板の製造方法では、例えば、プリント基板材料1’の両面に第1のドライフィルムレジスト7’をラミネート後に、第1のドライフィルムレジスト7’における所定部位に、ビアホール3に対応する円形パターンのみを露光し、現像して、ビアホール3に対応する円形の開口のみが形成された第1のレジストマスク7を形成する。
次に、図2の製造工程と同様のエッチング加工、ブラスト加工を行い、開口形状が円形のビアホール3を形成し、次に、第1のレジストマスク7を剥離する。
次に、ビアホール3に導体を形成して層間接続を行い、次に、プリント基板材料1’の両面に、第2のドライフィルムレジスト8’をラミネートし、第1のレジストマスク7と同様の方法を用いて、銅層1bによる配線パターンを形成するための第2のレジストマスクを形成する。次に、第2のレジストマスクから露出する銅層1bにエッチング加工を施し所定の配線パターンを形成する。その後、第2のレジストマスクを除去する。
次に、プリント基板材料1’の両面に第3のドライフィルムレジストをラミネートし、第3のドライフィルムレジストにおける所定部位に、第1の開口部2に対応する略長円又は略矩形パターンと非四角形状の外形4を形成するための所定形状パターンを露光し、現像して、第1の開口部2に対応する略長円又は略矩形の開口と、非四角形状の外形4を形成するための所定形状の開口が形成された第3のレジストマスクを形成する。
次に、図2の製造工程と同様のエッチング加工、ブラスト加工を行い、開口形状が略長円又は略矩形の第1の開口部2と、非四角形状の外形4を形成するための第2の開口部5を形成し、次に、第3のレジストマスクを剥離する。
第1の変形例の多列型プリント基板の製造方法のようにすれば、配線パターンの形成時に、第1の開口部2の内壁面のエッチング速度が速すぎて、配線パターンの線幅の精度に悪影響を及ぼす虞がないため、配線パターンを高精度に形成することができる。
第2の変形例の多列型プリント基板の製造方法では、例えば、第1の変形例と同様の手順で、プリント基板材料1’の両面にビアホール3に対応する円形の開口のみが形成された第1のレジストマスク7を形成する。
次に、図2の製造工程と同様のエッチング加工を施し、銅層1bを除去し、除去した部位において絶縁基材1aを露出させる。
次に、第1のレジストマスク7を剥離し、絶縁基材1aが露出した部位にレーザ加工を施し、ビアホール3を形成する。なお、レーザ加工はダイレクト加工によって行ってもよい。
以下は、第1の変形例と同様に、ビアホール3に導体を形成した層間接続、配線パターンの形成、ブラスト加工による開口形状が略長円又は略矩形の第1の開口部2及び外形4を形成するための第2の開口部5の形成を行う。なお、ブラスト加工による開口形状が略長円又は略矩形の第1の開口部2及び外形4を形成するための第2の開口部5の形成は、ビアホール3に導体を形成した層間接続及び配線パターンの形成の前に行ってもよい。
第2の変形例の多列型プリント基板の製造方法は、ビアホール3の径が、ブラスト加工では困難な程に極小(φ40μm程度)である場合に有効である。
第3の変形例の多列型プリント基板の製造方法では、例えば、プリント基板材料1’にドリル加工を施し、ビアホール3を形成する。
以下は、第1の変形例と同様に、ビアホール3に導体を形成した層間接続、配線パターンの形成、ブラスト加工による開口形状が略長円又は略矩形の第1の開口部2及び外形4を形成するための第2の開口部5の形成を行う。
第3の変形例の多列型プリント基板の製造方法によれば、ビアホール3の形成タイミングと、第1の開口部2及び外形4を形成するための第2の開口部5の形成タイミングとを異ならせて行う製造方法を用いる場合におけるコストを低減することができる。
まず、プリント基板材料1’として、ガラス布基材高Tgエポキシ樹脂材からなる絶縁基材1aの両面に厚さ2μm以上35μm以下の銅層1bが形成されてなる、総厚さが34μm以上370μm以下である多層用銅張積層板を準備し、両面に、加工する絶縁基材1aの厚さ及び最小の開口径により定まる所定厚さの第1のドライフィルムレジスト7’をラミネートした(図2(a)、図2(b)参照)。
なお、本実施例では、ビアホール3の開口径がφ60μmの多列型プリント基板を製造することとし、円形パターンについては、φ60μmの径のものを第1のレジストマスク7として形成した。
次に、両面の第1のレジストマスク7の開口から露出する銅層1bにエッチング加工を施して、銅層1bを除去し、除去した部位において絶縁基材1aを露出させた(図2(d)参照)。
次に、第1のレジストマスク7を剥離し(図2(h)参照)た。
次に、プリント基板材料1’に形成したビアホール3に、スルーホールめっき又はビアフィルめっき等を施すことにより導体を形成して層間接続を行った(不図示)。次に、プリント基板材料1’の両面に、第2のドライフィルムレジスト8’をラミネートし(図2(h)参照)、第1のレジストマスク7と同様の形成方法を用いて、銅層1bによる配線パターンを形成するための第2のレジストマスクを形成した(不図示)。次に、第2のレジストマスクから露出する銅層1bにエッチング加工を施し所定の配線パターンを形成し(不図示)、その後、第2のレジストマスクを除去し、実施例1の多列型プリント基板1を得た。
実施例1と同様のプリント基板材料1’の両面に第1のドライフィルムレジスト7’をラミネート後に、第1のドライフィルムレジスト7’における所定部位に、ビアホール3に対応する円形パターンのみを露光し、現像して、ビアホール3に対応する円形の開口のみが形成された第1のレジストマスク7を形成した。
次に、実施例1と同様のエッチング加工、ブラスト加工を行い、開口形状が円形のビアホール3を形成し、次に、第1のレジストマスク7を剥離した。
次に、ビアホール3に導体を形成して層間接続を行い、次に、プリント基板材料1’の両面に、第2のドライフィルムレジスト8’をラミネートし、第1のレジストマスク7と同様の方法を用いて、銅層1bによる配線パターンを形成するための第2のレジストマスクを形成した。次に、第2のレジストマスクから露出する銅層1bにエッチング加工を施し所定の配線パターンを形成し、その後、第2のレジストマスクを除去した。
次に、プリント基板材料1’の両面に第3のドライフィルムレジストをラミネートし、第3のドライフィルムレジストにおける所定部位に、第1の開口部2に対応する略矩形パターンと第2の開口部5に対応する所定形状(ここでは、十字形状)パターンを露光し、現像して、第1の開口部2に対応する略矩形の開口と、第2の開口部5に対応する所定形状(ここでは、十字形状)の開口が形成された第3のレジストマスクを形成した。
次に、実施例1と同様のエッチング加工、ブラスト加工を行い、開口形状が略矩形の第1の開口部2と、非四角形状の外形4を形成するための第2の開口部5を形成し、次に、第3のレジストマスクを剥離し、実施例2の多列型プリント基板1を得た。
実施例2と同様の手順で、実施例1と同様のプリント基板材料1’の両面にビアホール3に対応する円形の開口のみが形成された第1のレジストマスク7を形成した。なお、ビアホール3に対応する円形の開口径は、φ40μmとなるように形成した。
次に、図2の製造工程と同様のエッチング加工を施し、銅層1bを除去し、除去した部位において絶縁基材1aを露出させ、次に、第1のレジストマスク7を剥離し、絶縁基材1aが露出した部位にレーザ加工を施し、ビアホール3を形成した。
以下は、実施例2と同様に、ビアホール3に導体を形成した層間接続、配線パターンの形成、ブラスト加工による開口形状が略矩形の第1の開口部2及び非四角形状の外形4を形成するための第2の開口部5の形成を行い、実施例3の多列型プリント基板1を得た。
実施例1と同様のプリント基板材料1’にドリル加工を施し、開口径がφ60μmのビアホール3を形成した。
以下は、実施例2と同様に、ビアホール3に導体を形成した層間接続、配線パターンの形成、ブラスト加工による開口形状が略長円の第1の開口部2及び非四角形状の外形4を形成するための第2の開口部5の形成を行い、実施例4の多列型プリント基板1を得た。
1n 単位製品部
1’ プリント基板材料
1a 絶縁基材
1b 銅層
2 開口形状が略長円又は略矩形の開口部(第1の開口部)
3 開口形状が円形のビアホール
4 非四角形状の外形
5 第2の開口部
6 連結部
7’ 第1のドライフィルムレジスト
7 第1のレジストマスク
8’ 第2のドライフィルムレジスト
Claims (2)
- 開口形状が略長円又は略矩形の第1の開口部と開口形状が円形のビアホールを有し、外形が非四角形状に形成された単位製品部と、前記単位製品部の外形を形成する第2の開口部と、隣り合う前記単位製品部を連結する連結部とを有し、前記単位製品部が前記連結部によりマトリックス状に連結されて多数配列された多列型プリント基板であって、
前記多列型プリント基板は、絶縁基材の表裏両面に銅層による配線を備えてなり、
前記配線の側面は、エッチング加工面を有し、
前記絶縁基材における、前記第1の開口部の内壁面と、前記ビアホールの内壁面と、前記第2の開口部の内壁面が、略中間の深さ位置を境として表面側と裏面側からブラスト加工により形成されたブラスト加工面を有し、前記ビアホールの前記ブラスト加工面には表面側の銅層による配線と裏面側の銅層による配線を接続する銅層を備えていることを特徴とする多列型プリント基板。 - 開口形状が略長円又は略矩形の第1の開口部と開口形状が円形のビアホールを有し、外形が非四角形状に形成された単位製品部と、前記単位製品部の外形を形成する第2の開口部と、隣り合う前記単位製品部を連結する連結部とを有し、前記単位製品部が前記連結部によりマトリックス状に連結されて多数配列された多列型プリント基板の製造方法であって、
絶縁基材の両面に銅層を有するプリント基板材料を準備する工程と、
前記プリント基板材料の両面に、前記第1の開口部と、前記ビアホールと、前記第2の開口部とが開口した第1のレジストマスクを形成する工程と、
前記第1のレジストマスクから露出する前記銅層をエッチング加工により除去する工程と、
前記エッチング加工により前記第1のレジストマスクから露出した前記絶縁基材を、前記プリント基板材料の一方の面側からのブラスト加工により略半分の厚さに掘り込み、更に前記プリント基板材料の他方の面側からのブラスト加工により前記掘り込みを貫通させて、前記第1の開口部と、前記ビアホールと、前記第2の開口部とを同時形成する工程と、
前記第1のレジストマスクを除去する工程と、
前記ビアホールに導体を形成して層間接続を行う工程と、
前記第1の開口部と、前記ビアホールと、前記第2の開口部とが形成された前記プリント基板材料の両面に、前記銅層による配線パターンを形成するための第2のレジストマスクを形成する工程と、
前記第2のレジストマスクから露出する前記銅層にエッチング加工を施し所定の配線パターンを形成する工程と、
を有することを特徴とする多列型プリント基板の製造方法。
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