JP6296290B2 - 金属ベースプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

金属ベースプリント配線板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6296290B2
JP6296290B2 JP2014083563A JP2014083563A JP6296290B2 JP 6296290 B2 JP6296290 B2 JP 6296290B2 JP 2014083563 A JP2014083563 A JP 2014083563A JP 2014083563 A JP2014083563 A JP 2014083563A JP 6296290 B2 JP6296290 B2 JP 6296290B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
layer
group
plating
wiring board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014083563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015204410A (ja
Inventor
白髪 潤
潤 白髪
村川 昭
昭 村川
亘 冨士川
亘 冨士川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp filed Critical DIC Corp
Priority to JP2014083563A priority Critical patent/JP6296290B2/ja
Publication of JP2015204410A publication Critical patent/JP2015204410A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6296290B2 publication Critical patent/JP6296290B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

本発明は、金属ベースプリント配線板及びその製造方法に関するものである。
近年、半導体素子であるLED(Light Emitting Diode)ランプは、さまざまな分野で使用されており、10mAから1A以上で駆動させるものまで、幅広い用途で用いられている。低電流駆動のものはインジケータや表示器などに使用され、大電流駆動のものは主に照明器具などの光源として使用されている。LEDランプは使用条件(実装基板、実装密度、環境温度など)により高温での動作が必要になる場合もあり、特に大電力タイプのLEDランプに関してはLEDランプ単体の発熱が大きいため、熱の影響が大きくなる。そのためLEDランプの性能を充分に引き出すためには、LEDランプの放熱設計が必須となる。
放熱設計技術の1つとして、基板と、前記基板上に形成された熱伝導性に優れるダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」という。)膜と、前記DLC膜上に形成され、前記DLC膜の膜厚よりも薄い薄膜と、半導体素子を有し、前記薄膜上に接合された半導体薄膜とを備えたことを特徴とする光プリントヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
上記の光プリントヘッドは、基板の上に設けたDLC膜上に、分極性が高い薄膜を形成して半導体薄膜を接合するようにしており、対向する半導体薄膜の表面と分極性が高い薄膜の表面との間に分子間力(特に、ファンデルワールス力または水素結合力)による引力が働き、高い接合強度が得られるものがある。しかし、分子間力を発現させるためには、DLC膜上の分極性が高い薄膜と半導体膜の両材料間を極めて近くまで接近させる必要があり、そのためには両材料の表面の凹凸を無くし平坦な表面を形成する技術が必要となるため、基材の形状に制約を受ける点と、平坦な表面を形成できる材料に制限される点で汎用性が乏しいという欠点があった。
特開2010−56194号公報
本発明が解決しようとする課題は、放熱性に優れ、LEDランプ等の発熱する半導体素子を実装する基板として種々の用途に用いることができる配線を有した金属ベースプリント配線板を提供することである。さらには、前記金属ベースプリント配線板の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、DLC層が設けられた金属基材に、密着層として高分子層(A)を設け、その上にめっき下地層(B)として導電性インクで配線パターンの下地を形成し、そのめっき下地層(B)に金属めっきを施すことで金属配線を形成した金属ベースプリント配線板が、LEDランプ等の発熱する半導体素子を実装する基板として種々の用途に用いることができ、放熱性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、金属基材上にダイヤモンドライクカーボン層が設けられた基材のダイヤモンドライクカーボン層上に、高分子層(A)と、導電性インクを用いて形成しためっき下地層(B)と、金属めっき層(C)とを順次積層したことを特徴とする金属ベースプリント配線板及びその製造方法を提供するものである。
本発明の金属ベースプリント配線板は、放熱性に優れる金属基板上に、放熱性に優れる絶縁層としてDLC層が設けられた金属基材に対して、基材の表面が平坦ではなく凹凸がある場合においても密着性に優れる配線が形成できる。従って、例えば、LEDランプ等の発熱する半導体素子を実装する基板として、住宅用LED照明や自動車内装用LED照明、自動車ヘッドランプ用LEDランプ、屋外灯光用LEDランプ等に使用される金属ベースプリント配線板として用いることができる。また、表面実装型LED、多数のLEDチップを基板に直接実装した構造のチップオンボード型LEDに使用される金属ベースプリント配線板として好適に用いることができる。一方、本発明の金属ベースプリント配線板は、LEDランプ以外の用途にも用いることができ、例えば、産業用電子機器として、トランジスタおよびダイオードモジュール、ステッピングおよびサーボモーターなど、自動車電装として、電動パワーステアリングコントローラー、ハイブリッド電気自動車用DC−DCコンバーター、電源として、通信用電源、OA機器用電源、半導体各機器のAC−DCコンバンター、DC−DCコンバーター、家電機器として、オーディオ用アンプ、エアコン用インバーター等の金属ベースプリント配線板としても用いることができる。
図1は、実施例1で作製した金属ベースプリント配線板の断面を表したものである。 図2は、実施例2で作製した金属ベースプリント配線板の断面を表したものである。
本発明の金属ベースプリント配線板は、金属基材上にダイヤモンドライクカーボン層が設けられた基材のダイヤモンドライクカーボン層上に、高分子層(A)と、導電性インクを用いて形成しためっき下地層(B)と、金属めっき層(C)とを順次積層したものである。
前記金属基材としては、本発明の金属ベースプリント配線板が、折り曲げ可能な柔軟性を求められる用途に用いられる場合、柔軟でフレキシブルな金属薄膜を用いることが好ましい。具体的には、シート状の金属を用いることが好ましい。
前記金属基材の形状がフィルム状またはシート状の場合、フィルム状またはシート状の基材の厚さは、通常、1〜5,000μm程度であることが好ましく、1〜300μm程度の厚さであることがより好ましい。また、本発明の金属ベースプリント配線板を屈曲性が求められるものに用いる場合には、前記金属基材として、1〜200μm程度の厚さのフィルム状のものを用いることが好ましい。
また、前記金属基材は、後述する配線や、配線の下地となるめっき下地層(B)や、さらにその下部に密着性を付与するために設ける高分子層(A)との密着性を向上するため、必要に応じて、その表面を水や有機溶剤、界面活性剤等で洗浄処理、機械研磨や化学エッチング等による表面の凹凸化処理、シランカップリング剤等による前処理等により処理をしたものを用いることができる。
本発明では、前記金属基材上に絶縁層としてDLC層を設ける。DLC層は、金属基材に対し、固体の炭素からスパッタリングや陰極アーク放電を利用して成膜する方法(PVD法)、メタン、エチレン、ベンゼン等の炭化水素系ガスをプラズマ化して成膜する方法(CVD法)、またはこれらのプロセスを組み合わせた方法で形成することができる。
前記DLC層は、本発明の金属ベースプリント配線板の絶縁層として機能させるため、その膜厚は、0.05〜10μmの範囲であることが好ましい。さらに、前記DLC層の膜厚は、放熱性に優れる点から、0.05〜3μmの範囲であることがより好ましい。
また、前記DLC層の表面は、後述する高分子層(A)との密着性をより向上するため、例えば、コロナ放電処理法等のプラズマ放電処理法;紫外線処理法等の乾式処理法;水、酸性またはアルカリ性薬液、有機溶剤等を用いた湿式処理法によって、表面処理されていてもよい。
次に、本発明では、前記DLC層上に後述する配線との密着性を付与するために高分子層(A)が設ける。高分子層(A)を形成する高分子としては、例えば、ウレタン樹脂、、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン−アクリル複合樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の各種樹脂が挙げられる。
前記高分子として用いる樹脂の中でも、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン−アクリル複合樹脂が好ましく、ポリエーテル構造を有するウレタン樹脂、ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂、ポリエステル構造を有するウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び、ウレタン−アクリル複合樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂がより好ましい。また、ウレタン−アクリル複合樹脂は、密着性、導電性に優れた配線パターンが得られるのでさらに好ましい。
また、後述するめっき下地層(B)を形成するための導電性インク中に、反応性官能基[Y]を有する化合物(b1)を含有する場合、前記高分子層(A)を形成する高分子は、反応性官能基[Y]との反応性を有する官能基[X]を有する化合物(a1)であることが好ましい。前記反応性官能基[X]を有する化合物(a1)としては、例えば、アミノ基、アミド基、アルキロールアミド基、カルボキシル基、無水カルボキシル基、カルボニル基、アセトアセチル基、エポキシ基、脂環エポキシ基、オキセタン環、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(ブロック化)イソシアネート基、(アルコキシ)シリル基等を有する化合物、シルセスキオキサン化合物などが挙げられる。
特に、後述するめっき下地層(B)を形成するための導電性インク中の前記反応性官能基[Y]を有する化合物(b1)が、後述する塩基性窒素原子含有基を有する化合物(b1)の場合、前記高分子層(A)を形成する高分子は、反応性官能基[X]として、カルボキシル基、カルボニル基、アセトアセチル基、エポキシ基、脂環エポキシ基、アルキロールアミド基、イソシアネート基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基であることが、最終的に得られる前記金属層と前記第二絶縁保護層との密着性を向上できるので好ましい。
前記高分子層(A)は、前記DLC層上の全面に薄膜として設けられていてもよいが、金属基板の放熱性を最大限発揮させるという観点から、前記高分子層(A)は最終的に得られる配線パターンの下部に同じパターンとして設け、配線以外の部分はDLC層が露出していることが好ましく、言い換えると、前記高分子層(A)は、後述するめっき下地層(B)と同じパターンで形成することが好ましい。
前記高分子層(A)を形成する高分子を前記DLC層の表面に塗布する際には、前記高分子を溶媒中に溶解又は分散したものを用いる。塗布する方法としては、例えば、グラビア方式、コーティング方式、スクリーン方式、ローラー方式、ロータリー方式、スプレー方式等が挙げられる。
前記高分子層(A)を、前記めっき下地層(B)と同じパターンで形成する方法としては、高分子層(A)を形成する高分子のインクを印刷してパターンを形成する方法が挙げられ、印刷方法としては、例えば、インクジェット印刷法、反転印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法等が挙げられる。これらの印刷法の中でも、パターンの変更に容易に対応できるインクジェット印刷法が好ましい。
前記インクジェット印刷法には、一般にインクジェットプリンターといわれるものを用いることができる。インクジェットプリンターの具体例としては、例えば、「コニカミノルタEB100、XY100」(コニカミノルタIJ株式会社製)、「ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP−3000、DMP−2831」(富士フィルム株式会社製)等が挙げられる。
また、高精細な前記高分子層(A)のパターンを作製する場合には、細線の印刷精度に優れる反転印刷法が好ましい。
反転印刷法としては、凸版反転印刷法、凹版反転印刷法が知られており、例えば、各種ブランケットの表面に前記導電性インクを塗布し、非画線部が突出した版と接触させ、前記非画線部に対応する導電性インクを前記版の表面に選択的に転写することによって、前記ブランケット等の表面に前記パターンを形成し、次いで、前記パターンを、前記第二絶縁保護層の上(表面)に転写する方法が挙げられる。
前記高分子層(A)を形成する高分子を前記DLC層の表面に塗布または印刷した後、その塗布層に含まれる溶媒を除去する方法としては、例えば、乾燥機を用いて乾燥させ、前記溶媒を揮発させる方法が一般的である。乾燥温度としては、前記溶媒を揮発させることが可能で、かつ支持体である前記金属基材や前記DLC層に悪影響を与えない範囲の温度に設定することが好ましい。
前記高分子を用いて形成する高分子層(A)の厚さは、前記DLC層と後述するめっき下地層(B)との密着性をより向上できることから、5〜5,000nmの範囲が好ましく、最終的に得られる配線の放熱性に優れる点から、10〜200nmの範囲がより好ましい。
次に、本発明では、配線パターンを形成するために導電性インクを用いて形成しためっき下地層(B)を用いる。導電性インクは、めっき層の下地としてパターンを作製するために使用されるが、その上に形成する金属めっき層との密着性や、金属めっき時のめっき析出性に優れることから、導電性物質(b2)として金属ナノ粒子を含有するものが好ましい。さらに、前記金属ナノ粒子は、前記高分子層(A)との密着性に優れることから、高分子分散剤により分散された金属ナノ粒子であることが好ましい。
前記高分子分散剤は、金属ナノ粒子に配位する官能基を有する高分子が好ましい。前記官能基としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アセトアセチル基、リン原子含有基、チオール基、チオシアナト基、グリシナト基等が挙げられる。
前記金属ナノ粒子としては、遷移金属またはその化合物が挙げられ、前記遷移金属の中でもイオン性の遷移金属が好ましい。前記イオン性の遷移金属としては、例えば、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト等の金属やこれら金属の複合体が挙げられる。これらの金属ナノ粒子は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。また、これらの金属ナノ粒子の中でも、特に酸化劣化などの取り扱い上の問題点が少ないことやコストの面から、銀ナノ粒子が好ましい。
また、前記導電性インクに含まれる導電性物質(b2)は、金属ナノ粒子に代えて、めっき核剤を用いることもできる。その場合には、前記遷移金属の酸化物、有機物によって表面被覆された金属等を用いることができる。これらのめっき核剤は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記遷移金属の酸化物は、通常、不活性(絶縁)な状態であるが、例えば、ジメチルアミノボラン等の還元剤を用いて処理することによって金属を露出させ、活性(導電性)を付与することができる。
また、前記有機物によって表面被覆された金属としては、乳化重合法等によって形成した樹脂粒子(有機物)中に金属を内在させたものが挙げられる。これらは、通常、不活性(絶縁)な状態であるが、例えば、レーザー等を用いて前記有機物を除去することによって、金属を露出させ、活性(導電性)を付与することできる。
前記導電性物質(b2)としては、1〜100nm程度の平均粒子径を有する粒子状のものを用いることが好ましく、1〜50nmの平均粒子径を有するものを用いることが、マイクロメートルオーダーの平均粒子径を有する導電性物質を用いる場合と比較して、微細な導電性パターンが形成でき、後述する焼成後の抵抗値をより低下できることからより好ましい。なお、本発明において、平均粒子径は、前記導電性物質(b2)を分散良溶媒にて希釈し、動的光散乱法により測定した体積平均値である。この測定にはマイクロトラック社製「ナノトラックUPA」を用いることができる。
前記高分子層(A)が、前記反応性官能基[X]を有する高分子である場合には、前記めっき下地層(B)を形成する導電性インクとしては、高分子層(A)とめっき下地層(B)との密着性をさらに向上させるため、反応性官能基[Y]を有する化合物(b1)及び前記導電性物質(b2)を含有するものが好ましい。
前記化合物(b1)が有する反応性官能基[Y]は、前記反応性官能基[X]との結合に関与するものであり、具体例としては、アミノ基、アミド基、アルキロールアミド基、カルボキシル基、無水カルボキシル基、カルボニル基、アセトアセチル基、エポキシ基、脂環エポキシ基、オキセタン環、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(ブロック化)イソシアネート基、(アルコキシ)シリル基等を有する化合物、シルセスキオキサン化合物等が挙げられる。
特に、前記高分子層(A)との密着性をより向上させるため、前記反応性官能基[Y]が塩基性窒素原子含有基であることが好ましい。
前記塩基性窒素原子含有基を有する化合物中の塩基性窒素原子含有基としては、例えばイミノ基、1級アミノ基、2級アミノ基等が挙げられる。
また、1分子中に複数の塩基性窒素原子含有基を有する化合物(b1)を用いることで、前記塩基性窒素原子含有基の一方は、前記めっき下地層(B)のパターンを形成した際に、前記高分子層(A)を形成する高分子が有する前記反応性官能基[X]との結合に関与し、他方は、前記めっき下地層(B)中に含まれる銀等の前記導電性物質(b2)との相互作用に寄与し、最終的に得られる後述の金属めっき層と前記DLC層との密着性をさらに向上できるため好ましい。
前記塩基性窒素原子含有基を有する化合物(b1)は、前記導電性物質(b2)の分散安定性、及び後述する第二絶縁保護層との密着性をより向上できることから、ポリアルキレンイミン、または、オキシエチレン単位を含むポリオキシアルキレン構造を有するポリアルキレンイミンが好ましい。
前記を有するポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミンとポリオキシアルキレンとが、直鎖状の結合したものであってもよく、前記ポリエチレンイミンからなる主鎖に対して、その側鎖に前記ポリオキシアルキレンがグラフトしたものであってもよい。
前記ポリオキシアルキレン構造を有するポリアルキレンイミンの具体例としては、ポリエチレンイミンとポリオキシエチレンとのブロック共重合体、ポリエチレンイミンの主鎖中に存在するイミノ基の一部にエチレンオキサイドを付加反応させてポリオキシエチレン構造を導入したもの、ポリアルキレンイミンが有するアミノ基と、ポリオキシエチレングリコールが有する水酸基と、エポキシ樹脂が有するエポキシ基とを反応させたもの等が挙げられる。
前記ポリアルキレンイミンの市販品としては、株式会社日本触媒製の「エポミン(登録商標)PAOシリーズ」の「PAO2006W」、「PAO306」、「PAO318」、「PAO718」等が挙げられる。
前記ポリアルキレンイミンの数平均分子量は、3,000〜30,000の範囲が好ましい。
前記化合物(b1)が有する反応性官能基[Y]が、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アセトアセチル基、リン原子含有基、チオール基、チオシアナト基、グリシナト基等である場合は、これらの官能基は金属ナノ粒子と配位する官能基としても機能するため、前記化合物(b1)は金属ナノ粒子の高分子分散剤としても用いることができる。
前記導電性インクは、後述する各種印刷方式での印刷適性を付与するため、溶媒を用いて適正な粘度にすることが好ましい。前記溶媒としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等の水性媒体;アルコール溶剤、エーテル溶剤、ケトン溶剤、エステル溶剤等の有機溶剤が挙げられる。
前記アルコール溶剤またはエーテル溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、アリルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオール、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
前記ケトン溶剤としては、例えば、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等が挙げられる。また、前記エステル溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、3―メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート等が挙げられる。さらに、その他の有機溶剤として、トルエン等の炭化水素溶剤、特に炭素原子数8以上の炭化水素溶剤が挙げられる。
前記炭素原子数8以上の炭化水素溶剤としては、例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、シクロオクタン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラリン、トリメチルベンゼンシクロヘキサン等の非極性溶剤が挙げられ、他の溶媒と必要に応じて組み合わせて用いることができる。さらに、混合溶剤であるミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の溶媒を併用することもできる。
前記導電性インクは、例えば、前記高分子分散剤と、前記導電性物質と、必要に応じて前記溶媒とを混合することによって製造することができる。具体的には、ポリアルキレンイミン鎖と、親水性セグメントと、疎水性セグメントとを有する化合物を分散した媒体中に、予め調製した前記導電性物質のイオン溶液を加え、該金属イオンを還元することによって製造することができる。
また、前記導電性インクには、水性媒体、有機溶剤等の溶媒中における導電性物質の分散安定性、被塗布面への濡れ性を向上するために、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、レオロジー調整剤等を加えてもよい。
本発明では前記高分子層(A)の上に前記導電性インクを印刷してめっき下地層(B)からなるパターンを形成するが、前記導電性インクを印刷する方法としては、例えば、インクジェット印刷法、反転印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法等が挙げられる。これらの印刷法の中でも、パターンの変更に容易に対応できるインクジェット印刷法が好ましい。
前記インクジェット印刷法には、一般にインクジェットプリンターといわれるものを用いることができる。具体的には、「コニカミノルタEB100、XY100」(コニカミノルタIJ株式会社製)、「ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP−3000、DMP−2831」(富士フィルム株式会社製)等が挙げられる。
また、高精細な金属層のパターンを作製する場合には、細線の印刷精度に優れる反転印刷法が好ましい。
反転印刷法としては、凸版反転印刷法、凹版反転印刷法が知られており、例えば、各種ブランケットの表面に前記導電性インクを塗布し、非画線部が突出した版と接触させ、前記非画線部に対応する導電性インクを前記版の表面に選択的に転写させることによって、前記ブランケット等の表面に前記パターンを形成し、次いで、前記パターンを、前記第二絶縁保護層の上(表面)に転写させる方法が挙げられる。
次に、前記導電性インクで、めっき下地としてのパターンを形成するために前記導電性インクを塗布した後に行う焼成工程は、前記導電性インク中に含まれる導電性物質同士を密着し接合することで導電性を有するめっき下地パターンを形成するために行う。前記焼成は、80〜300℃の温度範囲で、1〜200分程度行うことが好ましい。ここで、前記第二絶縁保護層との密着性に優れためっき下地パターンを得るためには、前記焼成の温度を100〜200℃の範囲にすることがより好ましい。
前記焼成は大気中で行っても良いが、導電性物質のすべてが酸化することを防止するため、焼成工程の一部または全部を還元雰囲気下で行ってもよい。
また、前記焼成工程は、例えば、オーブン、熱風式乾燥炉、赤外線乾燥炉、レーザー照射、マイクロウェーブ、光照射(フラッシュ照射装置)等を用いて行うことができる。
上記のような方法により、前記導電性インクを用いて形成された前記めっき下地層(B)からなるパターンは、前記パターン中に80〜99.9質量%の範囲で導電性物質を含有し、0.1〜20質量%の範囲で高分子分散剤を含有するものであることが好ましい。
前記導電性インクを用いて形成しためっき下地層(B)厚さは、低抵抗で導電性に優れた導電性パターンを形成できることから、50〜2,000nmの範囲が好ましい。
本発明の配線を構成する金属めっき層(C)の形成方法としては、例えば、電解めっき法、無電解めっき法等の湿式めっき法が挙げられ、これらのめっき法を2つ以上組み合わせてめっき層を形成してもよい。
前記めっき法の中でも、前記めっき下地層(B)のパターンと、前記めっき法で形成しためっき層との密着性がより向上し、また、導電性に優れたパターンが得られることから、電解めっき法、無電解めっき法等の湿式めっき法が好ましく、生産性や得られる金属膜の力学的特性に優れることから、電解めっき法がより好ましい。
前記無電解めっき法は、例えば、前記めっき下地層(B)のパターンを構成する導電性物質に、無電解めっき液を接触させることで、無電解めっき液中に含まれる銅金属を析出させ金属皮膜からなる無電解めっき層(被膜)を形成する方法である。
前記無電解めっき液としては、例えば、銅と、還元剤と、水性媒体、有機溶剤等の溶媒とを含有するものが挙げられる。
前記還元剤としては、例えば、ジメチルアミノボラン、次亜燐酸、次亜燐酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム、フェノール等が挙げられる。
また、前記無電解めっき液としては、必要に応じて、酢酸、蟻酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマール酸等のジカルボン酸化合物;リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸化合物;グリシン、アラニン、イミノジ酢酸、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸化合物;イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸等のアミノポリカルボン酸化合物などの有機酸、またはこれらの有機酸の可溶性塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物等の錯化剤を含有するものを用いることができる。
前記無電解めっき液は、20〜98℃の範囲で用いることが好ましい。
前記電解めっき法は、例えば、前記めっき下地層(B)を構成する金属、または、前記無電解処理によって形成された無電解めっき層(被膜)の表面に、電解めっき液を接触した状態で通電することにより、前記電解めっき液中に含まれる銅等の金属を、カソードに設置した前記めっき下地層(B)を構成する導電性物質または前記無電解処理によって形成された無電解めっき層(被膜)の表面に析出させ、電解めっき層(金属被膜)を形成する方法である。
前記電解めっき液としては、例えば、銅の硫化物と、硫酸と、水性媒体とを含有するもの等が挙げられる。具体的には、硫酸銅と硫酸と水性媒体とを含有するものが挙げられる。
前記電解めっき液は、20〜98℃の範囲で用いることが好ましい。
前記めっき処理の方法は、毒性の高い物質を用いることなく、作業性がよいため、電解めっき法が好ましい。また、電解めっきは、無電解めっきと比較して、めっき時間が短縮でき、めっきの膜厚の制御が容易であることから好ましい。
前記めっき層は、めっき層の上にさらに別の金属のめっき層が積層されていてもよく、例えば、銅めっき層の上にニッケルめっき層や金めっき層、スズめっき層を設けると銅めっき層表面の酸化劣化や腐食が防止できる。
前記めっき法で形成した金属めっき層(C)の厚さは、導電層としての導電性に優れることから、0.2〜30μmの範囲が好ましい。また、電解めっき法によりめっき層を形成する場合、その層の厚さは、めっき処理工程における処理時間、電流密度、めっき用添加剤の使用量等を制御することによって調整することができる。
前記めっき法で形成する金属めっき層(C)の金属種としては、銅、ニッケル、金、銀などが挙げられるが、配線の導電性やコストの点から、銅が主成分であることが好ましい。
次に、本発明の金属ベースプリント配線板の製造方法について述べる。製造方法としては、例えば、DLC層が形成された金属基材の上に、前記高分子を塗布または印刷し、乾燥して高分子層(A)を形成し、前記高分子層(A)上に金属ナノ粒子を含有する導電性インクを印刷し、乾燥してめっき下地層(B)のパターンを形成し、前記めっき下地層(B)のパターン上に、電解めっきまたは無電解めっきを行って金属めっき層(C)を形成する方法が挙げられる。
前記DLC層の上に前記高分子層(A)を形成する方法としては、高分子を塗布または印刷する方法や、乾燥する方法は、上記で例示した方法で実施することができ、必要に応じて高分子を加熱硬化、紫外線で硬化させて高分子層(A)を形成することができる。
次に、前記高分子層(A)の上に、前記めっき下地層(B)を形成する方法は、金属ナノ粒子を含有する導電性インクを印刷してパターンを形成し、このパターンを上記で例示した方法で焼成することでめっき下地層(B)を形成することができる。
次に、めっき下地層(B)のパターン上に、電解めっきまたは無電解めっきにより金属めっき層(C)を形成する方法は、前述で例示した湿式めっき法で実施することができ、特に、電解銅めっき法を用いることが、生産性や得られる金属膜の力学的特性、コスト面で優れることから好ましい。
このようにして製造される本発明の金属ベースプリント配線板は、前述で例示した用途における金属ベースプリント配線板として用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
[導電性インク(1)の調製]
エチレングリコール30質量部と、イオン交換水70質量部との混合溶媒に、分散剤としてポリエチレンイミンにポリオキシエチレンが付加した化合物を用いて平均粒径20nmの銀粒子を分散させることによって、金属ナノ粒子と、反応性官能基として塩基性窒素原子含有基を有する高分子分散剤とを含有する金属ナノ粒子分散液を調製した。次いで、得られた金属ナノ粒子分散液に、イオン交換水及び界面活性剤を添加して、その粘度を10mPa・sに調整することによって、インクジェット印刷用の導電性インク(1)を調製した。
[高分子層(A−1)用樹脂の製造]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートポリオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールと炭酸エステルとを反応させて得られる酸基当量1000g/当量のポリカーボネートジオール)を100質量部、2,2―ジメチロールプロピオン酸9.7質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール5.5質量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート51.4質量部を、メチルエチルケトン111質量部の混合溶剤中で反応させることによって、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの有機溶剤溶液を得た。
次いで、前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液にトリエチルアミンを7.3質量部加えることで、前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基の一部または全部を中和し、さらに水355質量部を加え十分に攪拌することにより、ウレタン樹脂の水性分散液を得た。
次いで、前記水性分散液に、25質量%のエチレンジアミン水溶液を4.3質量部加え、攪拌することによって、粒子状のポリウレタン樹脂を鎖伸長させ、次いでエージング・脱溶剤することによって、固形分濃度30質量%のウレタン樹脂の水性分散液を得た。
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、単量体混合物滴下用滴下漏斗、重合触媒滴下用滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水140質量部、前記で得たウレタン樹脂の水分散液100質量部を入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。80℃まで昇温した反応容器内に、攪拌下、メタクリル酸メチル60質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド10質量部を含有する単量体混合物と、過硫酸アンモニウム水溶液(濃度:0.5質量%)20質量部を別々の滴下漏斗から、反応容器内温度を80±2℃に保ちながら120分間かけて滴下し重合した。
滴下終了後、同温度にて60分間攪拌し、その後、前記反応容器内の温度を40℃に冷却し、ついで、不揮発分が20質量%になるように脱イオン水を添加した後、200メッシュ濾布で濾過することによって、反応性官能基としてカルボキシル基とN−n−ブトキシメチルアクリルアミド基を含有する高分子層(A−1)用樹脂を得た。
[高分子層(A−1)用樹脂を含有するインクの調整]
前記高分子層(A−1)用樹脂の製造で得られた高分子層(A−1)用樹脂20質量部に、脱イオン水10質量部、エタノール40質量部、エチレングリコール30質量部を攪拌混合し、高分子層(A−1)用樹脂を含有するインクを得た。
(実施例1)
膜厚2μmのDLC層が設けられたアルミ基材(縦20mm、横30mm、厚さ1mm)を用いた。DLC層の表面粗さは、原子間力顕微鏡で測定したところ、表面粗さRzが75nmであった。前記基材のDLC層の上に、上記で調整した高分子層(A−1)用樹脂を含有するインクを乾燥後の膜厚が0.1μmとなるようにDLC層の全面に塗布し、乾燥して高分子層(A−1)を形成した。
次に、上記方法で形成した高分子層(A−1)の上に、上記で得られた導電性インク(1)をインクジェットプリンター(コニカミノルタIJ株式会社製インクジェット試験機EB100、評価用プリンタヘッドKM512L、吐出量14pL)を用いて、線幅90μm、膜厚0.2μmのLEDランプ実装用配線パターンを印刷し、次いで120℃で20分間焼成することによって、導電性インク(1)からなるめっき下地層のパターンを形成した。
次に、上記で得られた導電性インク(1)からなるめっき下地層を陰極に設定し、含リン銅を陽極に設定し、硫酸銅を含有する電解めっき液を用いて電流密度2A/dmで10分間電解銅めっきを行うことによって、導電性インクからなる層の表面に、厚さ20μmの銅めっき層を積層した。前記電解銅めっき液としては、硫酸銅70g/リットル、硫酸200g/リットル、塩素イオン50mg/リットル、添加剤(奥野製薬工業(株)製「トップルチナSF−M」)5ml/リットルを使用した。
次に、上記で得られたDLC層上に形成されたLEDランプ実装用銅配線パターンに、InGaN系白色LEDランプ(0.5Wタイプ)をはんだ付けし、放熱性評価用LED実装回路基板を作製した。
次に、放熱性の評価として、前記放熱評価用LED実装回路基板に、LEDランプへの印加電流I150mA、通電時間1000秒、周囲雰囲気温度25℃で自然対流のみの条件下で、赤外線サーモグラフィーにてLEDランプの表面温度を測定した結果、48℃であった。
(実施例2)
実施例1では、前記アルミ基材のDLC層の上に、上記で調整した高分子層(A−1)用樹脂を含有するインクを全面に塗布したが、実施例2では、高分子層(A−1)用樹脂を含有するインクをインクジェットプリンター(コニカミノルタIJ株式会社製インクジェット試験機EB100、評価用プリンタヘッドKM512L、吐出量14pL)を用いて、線幅100μm、膜厚0.1μmのLEDランプ実装用配線パターンと同じパターンを印刷し、乾燥して高分子層(A−1)のパターンを形成した。
次に、上記方法で形成した高分子層(A−1)のパターンの上に、上記で得られた導電性インク(1)をインクジェットプリンター(コニカミノルタIJ株式会社製インクジェット試験機EB100、評価用プリンタヘッドKM512L、吐出量14pL)を用いて、線幅90μm、膜厚0.2μmのLEDランプ実装用配線パターンを印刷し、次いで120℃で20分間焼成することによって、導電性インク(1)からなるめっき下地層のパターンを形成した。その後、実施例1と同様にして電解銅めっきを行い、さらに、LEDランプを実装して放熱評価用LED実装回路基板を作製し、LEDランプの放熱性を実施例1と同じ条件で実施し、赤外線サーモグラフィーにてLEDランプの表面温度を測定した結果、41℃であった。
[比較用の接着剤用樹脂の製造]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、及び窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸、テレフタル酸、及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量が1006であるジオール414質量部、ジメチロールブタン酸8質量部、イソホロンジイソシアネート145質量部、及びトルエン40質量部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。次いで、この反応溶液に、さらにトルエン300質量部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。
次に、イソホロンジアミン27質量部、ジ−n−ブチルアミン3質量部、2−プロパノール342質量部及びトルエン576質量部を混合した混合物に、上記で得られたウレタンプレポリマーの溶液816質量部を添加し、70℃で3時間反応させてポリウレタンポリウレア樹脂の溶液を得た。これに、トルエン144質量部、及び2−プロパノール72質量部を加えて、ポリウレタンポリウレア樹脂の固形分30質量%である樹脂溶液を得た。
上記で得られた樹脂溶液100質量部、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「JER828」)70質量部を攪拌混合し、接着層用樹脂を得た。
(比較例1)
実施例1で用いたDLC層が設けられたアルミ基材の代わりに、DLC層が無いアルミ基材(縦20mm、横30mm、厚さ1mm)を用いた。前記アルミ基材の上に上記で得られた比較用の接着剤用樹脂を乾燥後の膜厚が30μmとなるように塗布し、乾燥して接着剤樹脂層を絶縁層として形成した。前記樹脂層の上に膜厚25μmの銅箔を貼り合わせ、ホットロールラミネータで加熱圧着した。
次に、前記で得られた銅箔付きアルミ基材の銅箔面を、フォトマスク・エッチング法で実施例1と同様の線幅90μm、銅膜厚20μmのLEDランプ実装用配線パターンを作製し、実施例1と同様にしてLEDランプを実装して放熱評価用LED実装回路基板を作製し、LEDランプの放熱性を実施例1と同じ条件で実施し、赤外線サーモグラフィーにてLEDランプの表面温度を測定した結果、63℃であった。
上記の結果から、本発明の金属ベースプリント配線板は、LEDランプ等の発熱する半導体素子を実装した場合においても放熱性に優れ、半導体素子の温度上昇を抑制できることが確認できた。
1・・・・金属基材
2・・・・ダイヤモンドライクカーボン層
3・・・・高分子層
4・・・・導電性インクを用いて形成した層
5・・・・金属めっき層
10・・・金属ベースプリント配線板

Claims (11)

  1. 金属基材上にダイヤモンドライクカーボン層が設けられた基材のダイヤモンドライクカーボン層上に、高分子層(A)と、導電性インクを用いて形成しためっき下地層(B)と、金属めっき層(C)とを順次積層したことを特徴とする金属ベースプリント配線板。
  2. 前記導電性インクが、導電性物質(b2)として金属ナノ粒子を含有するものである請求項1記載の金属ベースプリント配線板。
  3. 前記金属ナノ粒子が、高分子分散剤により分散されたものである請求項2記載の金属ベースプリント配線板。
  4. 前記導電性インクが、反応性官能基[Y]を有する化合物(b1)及び導電性物質(b2)を含有する導電性インクであり、
    かつ、前記高分子層(A)が、反応性官能基[X]を有する化合物(a1)を含有する高分子からなる層であり、
    前記反応性官能基[Y]と、前記反応性官能基[X]とを反応させることによって結合を形成したものである請求項3記載の金属ベースプリント配線板。
  5. 前記反応性官能基[Y]が塩基性窒素原子含有基である請求項4記載の金属ベースプリント配線板。
  6. 前記化合物(b1)が、ポリアルキレンイミン、または、オキシエチレン単位を有するポリオキシアルキレン構造を有するポリアルキレンイミンである請求項4記載の金属ベースプリント配線板。
  7. 前記反応性官能基[X]が、ケト基、アセトアセチル基、エポキシ基、カルボキシル基、N−アルキロール基、イソシアネート基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基からなる群より選ばれる1種以上である請求項4〜6のいずれか1項記載の金属ベースプリント配線板。
  8. 前記高分子層(A)が、前記めっき下地層(B)と同じパターンで形成されている請求項1〜7のいずれか1項記載の金属ベースプリント配線板。
  9. 前記金属基材が、銅、アルミニウム、または、窒化アルミニウムである請求項1〜8のいずれか1項記載の金属ベースプリント配線板。
  10. 前記金属めっき層(C)が、銅めっき層である請求項1〜9のいずれか1項記載の金属ベースプリント配線板。
  11. 金属基材上にダイヤモンドライクカーボン層が設けられた基材上に、高分子を塗布または印刷し、乾燥して高分子層(A)を形成し、
    前記高分子層(A)上に金属ナノ粒子を含有する導電性インクを印刷し、乾燥してめっき下地層(B)のパターンを形成し、
    前記めっき下地層(B)のパターン上に、電解めっきまたは無電解めっきにより金属めっき層(C)を形成することを特徴とする金属ベースプリント配線板の製造方法。
JP2014083563A 2014-04-15 2014-04-15 金属ベースプリント配線板及びその製造方法 Active JP6296290B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014083563A JP6296290B2 (ja) 2014-04-15 2014-04-15 金属ベースプリント配線板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014083563A JP6296290B2 (ja) 2014-04-15 2014-04-15 金属ベースプリント配線板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015204410A JP2015204410A (ja) 2015-11-16
JP6296290B2 true JP6296290B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=54597682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014083563A Active JP6296290B2 (ja) 2014-04-15 2014-04-15 金属ベースプリント配線板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6296290B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018029139A (ja) * 2016-08-18 2018-02-22 住友電気工業株式会社 プリント配線板用基板及びプリント配線板用基板の製造方法
JP2019132983A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 住友理工株式会社 加熱部材の製造方法
JP2019161016A (ja) * 2018-03-13 2019-09-19 住友電気工業株式会社 プリント配線板用基板、プリント配線板、プリント配線板用基板の製造方法及び銅ナノインク
KR102152101B1 (ko) * 2018-11-02 2020-09-07 진영글로벌 주식회사 차량 전장용 디바이스

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005050965A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Ngk Spark Plug Co Ltd 配線基板及びその製造方法
JP2006245235A (ja) * 2005-03-02 2006-09-14 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 構造体、並びに、それを用いた半導体素子放熱部材及び半導体装置
JP5382279B1 (ja) * 2012-03-28 2014-01-08 Dic株式会社 導電性パターン、電気回路、電磁波シールド、及び、導電性パターンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015204410A (ja) 2015-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6575738B1 (ja) 電子部品パッケージの製造方法
JP5177607B1 (ja) 受容層形成用樹脂組成物ならびにそれを用いて得られる受容基材、印刷物、導電性パターン及び電気回路
TWI551433B (zh) Laminated body, conductive pattern, circuit, and laminate
JP5975195B1 (ja) シールドフィルム、シールドプリント配線板及びそれらの製造方法
JP6296290B2 (ja) 金属ベースプリント配線板及びその製造方法
WO2013146195A1 (ja) 導電性パターン、電気回路、電磁波シールド、及び、導電性パターンの製造方法
JP5201433B1 (ja) 受容層形成用樹脂組成物ならびにそれを用いて得られる受容基材、印刷物、導電性パターン及び電気回路
WO2015137132A1 (ja) シールドフィルム、シールドプリント配線板及びそれらの製造方法
JP6579295B2 (ja) 積層体、それを用いたプリント配線板、フレキシブルプリント配線板及び成形品
JP5569662B1 (ja) 積層体、導電性パターン及び電気回路
WO2013172229A1 (ja) 導電性パターン、導電回路及び導電性パターンの製造方法
JP2019014188A (ja) 積層体、それを用いたプリント配線板、フレキシブルプリント配線板及び成形品
WO2019013040A1 (ja) 積層体、それを用いたプリント配線板、フレキシブルプリント配線板及び成形品
JP5622067B1 (ja) 受容層形成用組成物、それを用いて得られる受容基材、印刷物、導電性パターン及び電気回路
WO2015037512A1 (ja) 導電性パターンおよび電子回路
JPWO2013179965A1 (ja) 導電性パターン、導電回路及び導電性パターンの製造方法
JP7052927B2 (ja) 積層体、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、電磁波シールド及び成形品
WO2019013039A1 (ja) 積層体、それを用いたプリント配線板、フレキシブルプリント配線板及び成形品
JP2017117931A (ja) 積層体、導電性パターン、電子回路、透明電極及び電磁波シールド材の製造方法
WO2023286873A1 (ja) 積層体および積層体を備えた電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180207

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6296290

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250