JP2017117931A - 積層体、導電性パターン、電子回路、透明電極及び電磁波シールド材の製造方法 - Google Patents

積層体、導電性パターン、電子回路、透明電極及び電磁波シールド材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持体の表面に、大面積で金属めっき層を形成する場合でも均一に金属めっき層を形成できる積層体の製造方法を提供する。また、線幅が細い導電性パターンの金属めっき層を形成する場合でも均一に金属めっき層を形成できる導電性パターンの製造方法を提供する。
【解決手段】支持体(I)の表面に、パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属を含有する流動体を塗布して金属層(II’)を形成し、前記金属層(II’)の表面をパラジウムイオンを含有する水溶液に浸漬することによって、前記金属層(II’)を構成する金属の一部がパラジウムに置換された金属層(II)を形成し、次いで、前記金属層(II)の表面に無電解めっき処理により金属めっき層(III)を形成することを特徴とする積層体の製造方法を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子回路、透明電極、電磁波シールド材等に用いることのできる積層体又は導電性パターンの製造方法に関するものである。
電子機器の高性能化、小型化及び薄型化にともなって、それに使用される電子回路や集積回路の高密度化、小型化及び薄型化が、近年、強く求められている。
前記電子回路等に使用可能な導電性パターンとしては、例えば、支持体の表面に、銀等の導電性物質を含有する導電性インク、めっき核剤を塗布し焼成することによって導電性物質層を形成し、次いで、前記導電性物質層の表面をめっき処理することによって、前記導電性物質層の表面に金属めっき層が設けられた導電性パターンが知られている(例えば特許文献1及び2参照。)。
しかし、大面積の基材全面に無電解めっきにより金属めっき層を形成した際、場所によってめっきが付着せず、金属めっき層にムラが発生することがあった。また、導電性パターンにおいて、線幅が1〜300μmの細線にめっき処理をする際、細線になるほどめっきが付着しない場合があった。特に1〜100μmの線幅へのめっきは困難なものがあった。
大面積の基材全面や細線へ無電解めっきを付着させる方法としては、めっき前処理としてアルカリ性や酸性の水溶液に浸漬する湿式法、プラズマ処理やコロナ処理などの乾式法が検討されているが、特に1〜100μmの線幅へはめっきの付着が不十分であった。
特開昭60−246695号公報 特開2005−286158号公報
本発明が解決しようとする課題は、支持体の表面に、大面積で金属めっき層を形成する場合でも均一に金属めっき層を形成できる積層体の製造方法を提供することである。また、線幅が細い導電性パターンの金属めっき層を形成する場合でも均一に金属めっき層を形成できる導電性パターンの製造方法を提供することである。さらには、これらの製造方法により得られた積層体又は導電性パターンを用いた電子回路又は電磁波シールド材の製造方法も提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属を含有する金属層の表面の一部を予めパラジウムに置き換えた後、その表面に金属めっき層を形成することによって、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、支持体(I)の表面に、パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属を含有する流動体を塗布して金属層(II’)を形成し、前記金属層(II’)の表面をパラジウムイオンを含有する水溶液に浸漬することによって、前記金属層(II’)を構成する金属の一部がパラジウムに置換された金属層(II)を形成し、次いで、前記金属層(II)の表面に無電解めっき処理により金属めっき層(III)を形成することを特徴とする積層体の製造方法を提供するものである。
また、前記金属層(II’)を形成する際にパターンを形成することを特徴とする導電性パターンの製造方法を提供するものである。さらには、これらの製造方法により得られた積層体又は導電性パターンを用いた電子回路、透明電極又は電磁波シールド材の製造方法も提供するものである。
本発明の積層体の製造方法は、支持体の表面に、大面積で金属めっき層を形成する場合でも均一に金属めっき層を形成できる。また、本発明の導電性パターンの製造方法は、線幅が細い導電性パターンの金属めっき層を形成する場合でも均一に金属めっき層を形成できる。したがって、本発明の製造方法により製造された積層体又は導電性パターンは、例えば、高密度化した電子回路、無機又は有機太陽電池、有機EL素子、有機トランジスタ、フレキシブルプリント基板、非接触ICカード等のRFID、タッチパネルで用いられる透明電極、電磁波シールド材等の、一般にプリンテッド・エレクトロニクス分野といわれる新規分野で用いることができる。
本発明の積層体の製造方法は、支持体(I)の表面に、パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属を含有する流動体を塗布して金属層(II’)を形成し、前記金属層(II’)の表面をパラジウムイオンを含有する水溶液に浸漬することによって、前記金属層(II’)を構成する金属の一部がパラジウムに置換された金属層(II)を形成し、次いで、前記金属層(II)の表面に無電解めっき処理により金属めっき層(III)を形成するものである。
前記支持体(I)としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂をグラフト共重合化した塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)、セルロースナノファイバー、シリコン、シリコンカーバイド、窒化ガリウム、サファイア、セラミックス、ガラス、ガラスエポキシ樹脂、ガラスポリイミド樹脂、紙フェノール、ダイアモンドライクカーボン、アルミナ、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維等の合成繊維、カーボンファイバー等の無機繊維、セルロースナノファイバー等の天然繊維などからなる支持体が挙げられる。これらの支持体は、絶縁性のものが好ましく、多孔質のものも用いることができる。また、前記繊維質の材料は、予め加工が施されていてもよい。
また、本発明により製造される導電性パターンを回路基板等に用いる場合は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ガラス、セルロースナノファイバーなどからなる支持体を用いることが好ましい。
さらに、本発明により製造される導電性パターンを柔軟性の必要な用途に用いる場合は、前記支持体(I)として、柔軟性に富んだフィルム状又はシート状の支持体を用いることが好ましい。
前記フィルム状又はシート状の支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等が挙げられる。
また、本発明の製造方法で透明電極を製造する場合には、前記支持体(I)としては、透明であることが好ましい。このような透明の支持体(I)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、透明ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ガラス等が挙げられる。
また、前記フィルム状又はシート状の支持体としては、本発明により製造される導電性パターンの軽量化及び薄型化を実現できることから、1〜2,000μmの厚さのものであることが好ましく、1〜100μmの厚さのものがより好ましい。また、より柔軟性が求められる場合には、1〜80μmの厚さのものがさらに好ましい。
さらに、前記支持体(I)の表面には、後述するプライマー層(X)又は金属層(II)との密着性を向上でき、後述するプライマー層(X)を形成するプライマー又はパラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属を含有する流動体との濡れ性を向上できることから、微細な凹凸の形成、その表面に付着した汚れの洗浄、ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基等の官能基の導入のための表面処理等を施すことか好ましい。これらの表面処理の方法としては、例えば、コロナ放電処理等のプラズマ放電処理、紫外線処理等の乾式処理、水、酸・アルカリ等の水溶液または有機溶剤等を用いる湿式処理などが挙げられる。
前記支持体(I)は、前記金属層(II)との密着性を向上できることから、その表面に、樹脂(x)からなるプライマー層(X)を形成したものを用いることが好ましい。このプライマー層(X)は、前記支持体(I)の表面に、必要に応じて、一部又は全部に形成できる。
前記プライマー層(X)を形成するのに用いるプライマーとしては、前記樹脂(x)と溶媒とを含有するものを用いることができる。
前記樹脂(x)としては、例えば、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ウレタン−アクリル複合樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネート等が挙げられる。
前記樹脂(x)の中でも、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びウレタン−アクリル複合樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂を用いることが好ましい。前記ウレタン樹脂としては、ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂、脂肪族ポリエステル構造を有するウレタン樹脂が好ましく、前記アクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル由来の構造単位を有するアクリル樹脂が好ましく、前記ウレタン−アクリル複合樹脂としては、シェル部に水性ウレタン樹脂、コア部にアクリル樹脂を有するコア・シェル型のウレタン−アクリル複合樹脂が好ましい。これらの中でも、ウレタン−アクリル複合樹脂は、前記金属層(II)との密着性や耐湿熱性をより向上できることから、より好ましい。
また、前記樹脂(x)として架橋性官能基を有するものを用いると、架橋性官能基によりプライマー層(X)中に架橋構造を形成することができ、この架橋構造を有することで、前記プライマー層(X)の表面に塗布する後述するパラジウムよりイオン化傾向が大きい金属を含有する流動体の塗布時にパターンの精度を低下させるにじみ等を抑制し、前記金属層(II)との密着性を向上できることから好ましい。
なお、前記樹脂(x)及びそれを含有するプライマーとしては、例えば、特許第5696825号公報、特許第5713223号公報等に記載のものを用いることができる。
また、前記プライマー層(X)の表面の金属層(II)との密着性を向上でき、後述するパラジウムよりイオン化傾向が大きい金属を含有する流動体との濡れ性を向上できることから、前記支持体(I)と同様の方法により、プライマー層(X)の表面処理を施すことが好ましい。
本発明の積層体の製造方法では、上記の支持体(I)又はプライマー層(X)を有する支持体(I)の表面に、パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属を含有する流動体を塗布して金属層(II’)を形成する。前記パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属としては、例えば、コバルト、ニッケル、スズ、銅、銀等が挙げられる。これらの金属の中でも、電気抵抗が低く、腐食に強い金属層(II)を形成できることから、銀が好ましい。
前記パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属としては、1〜500nmの平均粒子径を有する粒子状のものが好ましく、5〜100nmの平均粒子径を有するものが、微細な導電性パターンを形成でき、焼成後の抵抗値をより低減できるためより好ましい。なお、本発明における「平均粒子径」は、前記金属を分散良溶媒にて希釈し、動的光散乱法により測定した体積平均値である。この測定にはマイクロトラック社製ナノトラックUPA−150を用いることができる。
前記金属は、前記流動体中のパラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属の含有量は、0.5〜90質量%の範囲が好ましく、1〜60質量%の範囲がより好ましい。
また、前記流動体は、塗布方法に合わせた粘度とするために溶媒を含有するものが好ましい。前記溶媒としては、水性媒体や有機溶剤を用いることができる。前記水性媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等が挙げられる。また、前記有機溶剤としては、アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物等が挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、アリルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオール、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
また、前記流動体には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール等を配合してもよい。
さらに、前記流動体には、界面活性剤、レベリング剤等を配合してもよい。前記界面活性剤としては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等が挙げられる。また、前記レベリング剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、アセチレンジオール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
前記流動体の粘度(25℃でB型粘度計を用いて測定した値)は、0.1〜500,000mPa・sの範囲が好ましく、0.5〜10,000mPa・sの範囲がより好ましい。また、前記流動体を、後述するインクジェット印刷法、凸版反転印刷等の方法によって塗布する場合には、その粘度は5〜20mPa・sの範囲が好ましい。
前記流動体を前記支持体(I)全面に塗布することで、後述する金属めっき層(III)のベタ層を有する積層体が製造でき、前記流動体を前記支持体(I)の表面にパターンで塗布することで、導電性パターンが製造できる。
前記流動体を塗布する方法としては、例えば、インクジェット印刷法、反転印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ダイコート法、スリットコート法、ロールコート法、ディップコート法等が挙げられる。
これらの方法の中でも、電子回路等の高密度化が求められる0.01〜100μm程度の細線状のパターンを形成する場合には、インクジェット印刷法、反転印刷法を用いることが好ましい。
前記インクジェット印刷法としては、一般にインクジェットプリンターといわれるものを用いることができる。具体的には、コニカミノルタEB100、XY100(コニカミノルタ株式会社製)、ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP−3000、ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP−2831(富士フィルム株式会社製)等が挙げられる。
また、反転印刷法としては、凸版反転印刷法、凹版反転印刷法が知られており、例えば各種ブランケットの表面に前記流動体を塗布し、非画線部が突出した版と接触させ、前記非画線部に対応する流動体を前記版の表面に選択的に転写させることによって、前記ブランケット等の表面に前記パターンを形成し、次いで、前記パターンを、前記支持体(I)の表面に転写させる方法が挙げられる。
前記流動体を線状にパターンニングする場合の幅(線幅)としては、本発明により製造される導電性パターンを高密度化するため、0.01〜100μmの範囲が好ましく、0.05〜50μmの範囲がより好ましく、0.1〜30μmの範囲がさらに好ましい。また、100μm以下の線幅での金属めっき層(III)の形成は、通常のめっき手法では困難であるが、本発明の方法によれば、100μm以下の線幅であっても均一な金属めっき層(III)を形成することができる。
また、本発明の製造方法で透明電極を製造する場合には、透明であることが求められるため、前記流動体を線状にパターニングする場合の幅(線幅)はより狭い方が好ましい。具体的には、低抵抗の電極を比較的容易に形成できることから、0.01〜30μmの範囲が好ましく、0.05〜10μmの範囲がより好ましく、0.1〜5μmの範囲がより好ましい。
前記流動体を塗布した後に、前記流動体中の媒体を蒸発させ、前記金属層(II’)を形成する際に、併せて焼成工程を行うことにより、前記流動体中に含まれる金属を密着し接合することで導電性を備えた金属層(II’)とすることができる。前記焼成工程の条件としては、例えば、80〜300℃の温度で、2〜200分程度行うことが好ましい。前記焼成工程は大気中で行っても良いが、前記流動体中に含まれる金属の酸化を防止するため、還元雰囲気下で行ってもよい。
また、前記焼成工程は、例えばオーブン、熱風式乾燥炉、赤外線乾燥炉、レーザー照射、マイクロウェーブ等を用いて行うことができる。
上記の方法で形成した金属層(II’)の表面をパラジウムイオンを含有する水溶液に浸漬することによって、前記金属層(II’)を構成する金属の一部がパラジウムに置換された金属層(II)を形成できる。
また、前記パラジウムイオンを含有する水溶液は、前記金属層(II’)を構成する金属の一部をパラジウムにより効率よく置換することができることから、さらに酸を含有する水溶液であることが好ましい。
前記パラジウムイオンを含有する水溶液としては、例えば、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウムの水溶液が挙げられ、これらの中でも塩化パラジウム水溶液が好ましい。
また、前記酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、シュウ酸、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、アジピン酸等が挙げられ、これらの中でも塩酸が好ましい。
前記パラジウムイオンを含有する水溶液中のパラジウムとしての含有率は、0.1〜10質量%の範囲が好ましく、1〜5質量%の範囲がより好ましい。
また、前記パラジウムイオンを含有する水溶液に、酸を含有させる場合の該水溶液中の酸の含有率は、0.1〜20質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
前記パラジウムイオンを含有する水溶液に前記金属層(II’)を浸漬する際の温度としては、室温から60℃の範囲が好ましい。また、前記金属層(II’)が細線パターンで形成されている場合は、パラジウムへの置換を速め、確実にパラジウムに置換でき、後述する金属めっき層(III)を均一に形成できることから、35〜50℃の範囲が好ましく、40〜45℃の範囲がより好ましい。
前記金属層(II’)の表面をパラジウムイオンを含有する水溶液に浸漬することによって、前記金属層(II’)を構成する金属の一部がパラジウムに置換された前記金属層(II)が得られる。ここで、本発明の利点は、前記金属層(II)が存在する部分にのみ、選択的に後述する金属めっき層(III)を形成できる点である。
また、前記金属層(II’)の表面を、予め酸性の水溶液に浸漬し、次いで、パラジウムイオンを含有する水溶液に浸漬することでも、前記金属層(II’)を構成する金属の一部がパラジウムに置換された金属層(II)を形成してもよい。
前記金属層(II)は、後述する金属めっき層(III)の形成時に行う無電解めっき処理の際に、めっき核として機能する。前記金属層(II)の厚さは、10nm〜10μmの範囲のものを用いることができる。また、前記金属層(II)と後述する金属めっき層(III)との密着性を向上できることから、前記金属層(II)の厚さは、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10nm〜300nmの範囲がより好ましい。前記金属層(II)の厚さは、前記パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属を含有する流動体の塗布量等によって調整することができる。また、前記金属層(II)が細線状のパターンである場合、その厚さ(高さ)は10nm〜1μmの範囲が好ましい。
前記金属めっき層(III)は、前記金属層(II)の表面に無電解めっき処理によって形成される層である。
前記金属めっき層(III)は、例えば、本発明により製造される導電性パターンを、長期間にわたり断線等を生じることなく、良好な導電性が維持できる信頼性の高い配線パターンとすること、本発明により製造される電磁波シールド材のシールド性を向上させること、タッチパネルで用いられる透明電極の導電性パターンの導電性を向上させることなどを目的として設けられる層である。
また、本発明の製造方法を用いれば、前記金属層(II)の表面に対し、無電解めっき処理法で形成された金属めっき層(III)は、大型基材全面に金属めっき層を均一に形成でき、前記金属層(II)が細線パターンで形成されている場合も、1〜100μmの細線に均一に金属めっき層(III)が形成できる。
前記金属めっき層(III)は、例えば、銅、白金、金、銀、ニッケル、クロム、コバルト、スズ等の金属からなる層であることが好ましく、銅、白金、金、銀、ニッケルからなる金属めっき層であることがより好ましい。
前記金属めっき層(III)の厚さは、0.01〜50μmの範囲が好ましく、0.1〜10μmの範囲がより好ましい。前記金属めっき層(III)の厚さは、前記金属めっき層(III)の形成する際のめっき処理工程における処理時間、めっき用添加剤の使用量等を制御することによって調整することができる。
前記無電解めっき処理は、例えば、前記金属層(II)の表面に、無電解めっき液を接触させることで、前記無電解めっき液中に含まれる銅等の金属を析出させ金属皮膜からなる金属めっき層(III)を形成する方法である。
前記無電解めっき液としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、コバルト、スズ等の金属と、還元剤と、水性媒体、有機溶剤等の溶媒とを含有するものを用いることができる。
前記還元剤としては、例えば、ジメチルアミノボラン、次亜燐酸、次亜燐酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム、フェノール等が挙げられる。
また、前記無電解めっき液には、必要に応じて、酢酸、蟻酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマール酸等のジカルボン酸;リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グリシン、アラニン、イミノジ酢酸、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸;イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸等のアミノポリカルボン酸等の有機酸、これらの有機酸の可溶性塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミンなどの錯化剤を含有させてもよい。
前記無電解めっき処理における処理温度は、20〜98℃の範囲が好ましく、前記無電解めっき液をこの温度範囲に制御することが好ましい。
また、本発明においては、上記の方法により形成した前記金属めっき層(III)の表面に電解めっき処理を行い、さらに金属めっき層(IV)を形成してもよい。
前記電解めっき処理は、例えば、前記金属めっき層(III)の表面に、電解めっき液を接触した状態で、前記金属めっき層(III)を負極として通電することにより、前記電解めっき液中に含まれる銅等の金属を、前記金属めっき層(III)の表面に析出させ、金属めっき層(IV)を形成する方法である。なお、本発明において、前記金属めっき層(III)の表面に、さらに電解めっき法により形成した金属めっき層を「金属めっき層(IV)」とする。
前記電解めっき液としては、銅、ニッケル、クロム、コバルト、スズ等の金属の硫酸塩と、硫酸と、水性媒体とを含有するものを用いることができる。具体的には、硫酸銅と硫酸と水性媒体とを含有するもの等を用いることができる。
前記電解めっき処理における処理温度は、20℃〜98℃の範囲が好ましく、前記電解めっき液をこの温度範囲に制御することが好ましい。
また、本発明の製造方法により製造された金属めっき層(III)のベタ層を有する積層体を用いて、この積層体の前記金属層(II)及び金属めっき層(III)をエッチングするサブトラクティブ法、セミアディティブ法等のフォトリソ−エッチング法によって、導電性パターンを製造することもできる。
前記サブトラクティブ法は、予め本発明の製造方法により製造された金属めっき層(III)のベタ層を有する積層体の前記金属層(III)の表面に、所望のパターン形状に対応した形状のエッチングレジスト層を形成し、その後の現像処理によって、前記エッチングレジスト層の除去された部分の前記金属層(II)及び金属めっき層(III)を薬液で溶解し除去することによって、所望のパターンを形成する方法である。前記薬液としては、塩化銅、塩化鉄等を含有する薬液を用いることができる。
前記セミアディティブ法は、本発明の製造方法により前記金属層(II)まで形成し、その表面に、所望のパターンに対応した形状のめっきレジスト層を形成し、次いで、めっきレジスト層が形成されていない部分を無電解めっき法によって、金属めっき層(III)を形成した後、前記めっきレジスト層とそれに接触した金属層(II)とを薬液等に溶解し除去することによって、所望のパターンを形成する方法である。
また、前記セミアディティブ法として、本発明の製造方法により製造された前記金属めっき層(III)の表面に、所望のパターンに対応した形状のめっきレジスト層を形成し、次いで、めっきレジスト層が形成されていない部分を電解めっき法又は無電解めっき法によって、さらに金属めっき層(IV)を形成した後、前記めっきレジスト層とそれに接触した金属めっき層(III)とを薬液等に溶解し除去することによって、所望のパターンを形成する方法も挙げられる。
上記の本発明の製造方法により製造された積層体又は導電性パターンは、高温高湿度下、電圧を印加した状態で、配線間のエレクトロケミカルマイグレーションが発生しにくいため、電子回路、集積回路等に使用される回路形成用基板、無機又は有機太陽電池、有機EL素子、有機トランジスタ、フレキシブルプリント基板、RFID、タッチパネル等で用いられる透明電極、電磁波シールド材などに用いることができる。特に、高い耐久性の求められる用途には好適に用いることができ、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)、テープ自動ボンディング(TAB)、チップオンフィルム(COF)、プリント配線板(PWB)等の一般に銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)といわれる用途に用いることが可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(製造例1:プライマー樹脂(x−1)の製造)
撹拌装置、温度計、ガス導入管を備え窒素置換された反応容器内で、ポリエステルポリオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール及びアジピン酸を原料としたポリエステルポリオール、水酸基当量:1,000g/当量)100質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸17.6質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール21.7質量部及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート106.2質量部を、メチルエチルケトン178質量部中に混合し、80℃で6時間反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
上記で得られたウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液に、トリエチルアミン13.3質量部を加えてウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、さらに脱イオン水380質量部を加えて十分に攪拌した。次いで、25質量%エチレンジアミン水溶液を8.8質量部加えて攪拌することによって、鎖伸長されたウレタン樹脂を得た後、エージング及び脱溶剤して、不揮発分30質量%のウレタン樹脂の水分散液を得た。このウレタン樹脂の重量平均分子量は53,000であった。
次に、攪拌装置、温度計、冷却管、ガス導入管、2つの滴下漏斗を備えた反応容器に、脱イオン水140質量部、上記で得たウレタン樹脂の水分散体100質量部を入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。次いで、攪拌しながら、反応容器内にメタクリル酸メチル60質量部、アクリル酸n−ブチル30質量部及びN−n−ブトキシメチルアクリルアミド10質量部からなる単量体混合物と、0.5質量%過硫酸アンモニウム水溶液20質量部とを別々の滴下漏斗から、反応容器内温度を80℃に保ちながら120分間かけて滴下し重合反応を行った。
滴下終了後、80℃で60分間攪拌した後、40℃に冷却し、次いで、不揮発分が20質量%になるように脱イオン水を加えた後、200メッシュ濾布で濾過することによって、ウレタン樹脂からなるシェル層と、アクリル樹脂からなるコア層とによって構成されるウレタン−アクリル複合樹脂であるプライマー樹脂(x−1)の水分散体を得た。
(調製例1:銀粒子を含有する流動体の調製)
エチレングリコール45質量部及びイオン交換水55質量部の混合溶媒に、分散剤としてポリエチレンイミンにポリオキシエチレンが付加した化合物を用いて平均粒径30nmの銀粒子を分散させることによって、ナノサイズの銀粒子及び分散剤を含有する流動体(銀粒子の含有量:5質量%)を調製した。さらに、得られた流動体は、イオン交換水及び界面活性剤を加えることにより、粘度を10mPa・sに調整した。
(調製例2:めっき前処理剤(1)の調製)
イオン交換水80質量部に、塩化パラジウム3質量部と36質量%の塩酸17質量部とを溶解して、パラジウムイオン及び酸を含有する水溶液であるめっき前処理剤(1)を調製した。
(調製例3:めっき前処理剤(2)の調製)
イオン交換水97質量部に、塩化パラジウム3質量部を溶解して、パラジウムイオンを含有する水溶液であるめっき前処理剤(2)を調製した。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製「ルミラーT60#50」、厚さ50μm)を縦30cm×横20cmの大きさに切り出して支持体とした。この支持体の表面に、製造例1で得られたプライマー樹脂(x−1)を、バーコーターを用いて、その乾燥後の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、熱風乾燥機を用いて80℃で5分間乾燥することによって、プライマー層を有するPETフィルムを得た。
次いで、上記で得られたPETフィルムのプライマー層の表面に、バーコーターを用いて、調製例1で得られた銀粒子を含有する流動体をその乾燥後の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、熱風乾燥機を用いて120℃で30分間乾燥し、銀粒子のベタ層を形成した。この銀粒子のベタ層は、本発明における金属層(II’)に相当する。
上記の銀粒子のベタ層の表面を、調製例2で得られためっき前処理剤(1)に45℃で1分間浸漬し、銀粒子のベタ層中の銀の一部をパラジウムへ置換する処理を行った。なお、この処理により得られた層は、本発明における金属層(II)に相当する。
次いで、上記でめっき前処理剤により処理された表面を、無電解銅めっき液(奥野製薬工業株式会社製「OICカッパー」、pH12.5)中に55℃で20分間浸漬し、無電解銅めっきを行うことにより、積層体(1)を得た。
(実施例2)
実施例1でのめっき前処理剤(1)への浸漬時間を1分から2分に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、積層体(2)を得た。
(実施例3)
実施例1でのめっき前処理剤(1)への浸漬時間を1分から3分に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、積層体(3)を得た。
(実施例4)
実施例1でのめっき前処理剤(1)への浸漬時間を1分から5分に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、積層体(4)を得た。
(実施例5)
実施例1で用いためっき前処理剤(1)を、調製例3で得られためっき前処理剤(2)に代え、該処理剤への浸漬時間を3分とした以外は、実施例1と同様の方法によって、積層体(5)を得た。
(比較例1)
実施例1の前記めっき前処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法によって、積層体(R1)を得た。
[金属めっき層の均一性評価]
上記の実施例1〜5及び比較例1で得られた積層体(1)〜(5)及び(R1)の無電解銅めっきにより形成した金属(銅)めっき層の均一性を、下記の基準にしたがい評価した。
5:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の100%である。
4:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の75%以上100%未満である。
3:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の50%以上75%未満である。
2:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の25%以上50%未満である。
1:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の1%以上25%未満である。
0:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の1%未満である。
上記の金属めっき層の均一性評価の結果を表1に示す。
Figure 2017117931
実施例1〜5で得られた積層体と比較例1で得られた積層体との比較から、金属(銀)の一部をパラジウムに置換していないと、金属(銅)めっき層の均一性が損なわれることが確認できた。
(実施例6)
実施例1と同様の方法により、プライマー層を有するPETフィルムを得た。得られたPETフィルムのプライマー層の表面に凸版反転印刷法を用いて、調製例1で得られた銀粒子を含有する流動体をメッシュ形状に印刷し、銀粒子層を形成した。この銀粒子層は、本発明における金属層(II’)に相当する。なお、メッシュ形状のサイズとしては、線幅は5μm、10μm、20μ、30μm、50μm及び100μmの5水準とし、線間幅はいずれも500μmとした。
上記の銀粒子層の表面を、調製例2で得られためっき前処理剤(1)に45℃で1分間浸漬し、銀粒子層中の銀の一部をパラジウムへ置換する処理を行った。なお、この処理により得られた層は、本発明における金属層(II)に相当する。
次いで、上記でめっき前処理剤(1)により処理された表面を、無電解銅めっき液(奥野製薬工業株式会社製「OICカッパー」、pH12.5)中に55℃で20分間浸漬し、無電解銅めっきを行うことにより、導電性パターン(1)を得た。
(実施例7)
実施例6でのめっき前処理剤(1)への浸漬時間を1分から2分に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、導電性パターン(2)を得た。
(実施例8)
実施例6でのめっき前処理剤(1)への浸漬時間を1分から3分に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、導電性パターン(3)を得た。
(実施例9)
実施例6でのめっき前処理剤(1)への浸漬時間を1分から5分に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、導電性パターン(4)を得た。
(実施例10)
実施例6で用いためっき前処理剤(1)を調製例3で得られためっき前処理剤(2)に代え、該処理剤への浸漬時間を3分とした以外は、実施例1と同様の方法によって、導電性パターン(5)を得た。
(比較例2)
実施例6の前記めっき前処理を行わなかったこと以外は、実施例6と同様の方法によって、導電性パターン(R1)を得た。
[細線パターンにおける金属めっき層の均一性評価]
上記の実施例6〜10及び比較例2で得られた導電性パターン(1)〜(5)及び(R1)の無電解銅めっきにより形成した細線パターンにおける金属(銅)めっき層の均一性を、下記の基準にしたがい評価した。
5:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の100%である。
4:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の75%以上100%未満である。
3:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の50%以上75%未満である。
2:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の25%以上50%未満である。
1:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の1%以上25%未満である。
0:銅めっき層が形成された面積が、銀粒子を含有する流動体を塗布した面積の1%未満である。
上記の細線パターンにおける金属めっき層の均一性評価の結果を表2に示す。
Figure 2017117931
実施例6〜10で得られた導電性パターンと比較例2で得られた導電性パターンとの比較から、金属(銀)の一部をパラジウムに置換していないと、細線パターンにおいても金属(銅)めっき層の均一性が損なわれることが確認できた。

Claims (10)

  1. 支持体(I)の表面に、パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属を含有する流動体を塗布して金属層(II’)を形成し、前記金属層(II’)の表面をパラジウムイオンを含有する水溶液に浸漬することによって、前記金属層(II’)を構成する金属の一部がパラジウムに置換された金属層(II)を形成し、次いで、前記金属層(II)の表面に無電解めっき処理により金属めっき層(III)を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 前記パラジウムイオンを含有する水溶液が、さらに酸を含有する水溶液である請求項1記載の積層体の製造方法。
  3. 前記支持体(I)として、その表面に、樹脂(x)からなるプライマー層(X)を形成したものを用いる請求項1又は2記載の積層体の製造方法。
  4. 前記パラジウムよりもイオン化傾向が大きい金属が銀である請求項1〜3のいずれか1項記載の積層体の製造方法。
  5. 前記銀の平均粒子径が1〜500nmの範囲である請求項4記載の積層体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の積層体の製造方法において、前記金属層(II’)を形成する際にパターンを形成することを特徴とする導電性パターンの製造方法。
  7. 導電性パターンの線幅が0.01〜100μmである請求項6記載の導電性パターンの製造方法。
  8. 請求項6又は7記載の導電性パターンの製造方法によって得られた導電性パターンを用いることを特徴とする電子回路の製造方法。
  9. 請求項6又は7記載の導電性パターンの製造方法によって得られた導電性パターンを用いることを特徴とする透明電極の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項記載の積層体又は導電性パターンの製造方法によって得られた積層体又は導電性パターンを用いることを特徴とする電磁波シールド材の製造方法。
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