JP6296272B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法に関する。
ポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PPSと言うことがある。)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PASと言うことがある。)は、耐熱性、耐薬品性に優れ、電気電子部品、自動車部品、給湯器部品、繊維、フィルム用途等に幅広く用いられている。
ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法として、ポリハロ芳香族化合物及び有機極性溶媒の混合物に、150℃以上で含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、そして実質的に無水の状態の系内で重合反応を行う方法が知られている(特許文献1参照)。この方法は高分子量ポリアリーレンスルフィドを得ることが可能であるものの、系内の水分量を無水状態にするため、アルカリ金属スルフィドの溶媒への溶解性が小さくなり、そのため反応速度が遅くなり重合反応に長時間を要する、或いは分解反応等の副反応が併発する等の問題があった。
そこで、ポリハロ芳香族化合物及び有機極性溶媒の混合物に、150℃以上で含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入する際に、反応系内の水分量を有機極性溶媒1モルに対して0.02〜0.5モルの範囲にコントロールする方法が知られている(特許文献2参照)。当該方法は、高分子量化されたポリアリーレンスルフィド樹脂を収率良く得ることができるものの、近年求められている高分子量化レベルには至らないものであった。さらに末端カルボキシ基数の割合も低いものであった。このため、他の化合物や樹脂との反応性が低く、エポキシシランカップリング剤や官能基含有熱可塑性エラストマーなどの耐衝撃性改質剤を加えた際の耐衝撃性改善効果も十分なものしか得られず、用途や使用法に制限があった。
一方、固形の無水硫化ナトリウムを含むスラリーを製造した後、当該スラリーを脂肪族環状アミド化合物とリチウムイオンの存在下でポリハロ芳香族化合物と重合反応させて高分子量ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法が知られている。しかしながら、該方法は、無水硫化ナトリウムを含むスラリーを得る為に、含水硫化ナトリウムをポリハロ芳香族化合物の存在下で、硫黄原子1モルに対して1モル未満の有機極性溶媒と混合して水を除去する脱水工程が必須となる。そのため製造工程が長時間かつ複雑化すること、さらに、固形物を重合反応に用いるため、チタン、クロムあるいはジルコニウム等の高価な金属類で作られた反応容器が必要となるなど、生産性に改善の余地があった。
特開昭60−104130号公報 特開平7−228699号公報 特開2009−185143号公報
そこで本発明が解決しようとする課題は、エポキシシランカップリング剤や官能基含有熱可塑性エラストマーなどの耐衝撃性改良剤との反応性に優れる、末端カルボキシ基数の高い、高分子量ポリアリーレンスルフィド樹脂を生産性良く製造する方法を提供することにある。
本願発明者らは種々の検討を行った結果、ポリハロ芳香族化合物及び有機極性溶媒の混合物に、150℃以上で、スルフィド化剤とリチウム塩化合物を含む水溶液を水が反応混合物から除去され得る速度で導入しながら重合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、有機極性溶媒中で、ジハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させるポリアリーレンスルフィドの製造方法であって、
有機極性溶媒とポリハロ芳香族化合物とを含む混合物に前記スルフィド化剤およびリチウム塩化合物を含む水溶液を導入しながら反応させることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法に関する。
本発明により、エポキシシランカップリング剤や官能基含有熱可塑性エラストマーなどの耐衝撃性改良剤との反応性に優れる、末端カルボキシ基数の高い、高分子量ポリアリーレンスルフィド樹脂を生産性良く製造する方法を提供することができる。
本発明は、有機極性溶媒中で、ジハロ芳香族化合物と含水スルフィド化剤とを反応させるポリアリーレンスルフィドの製造方法であって、
リチウムイオンの存在下で、有機極性溶媒とポリハロ芳香族化合物とを含む混合物に前記含水スルフィド化剤を導入しながら反応させることを特徴とする。以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いる有機極性溶媒は、活性水素を有しない有機極性溶媒、すなわちアプロチックタイプの有機極性溶媒である。前記有機極性溶媒は、前記重合反応を阻害せず、原料であるジハロ芳香族化合物及びS2−を与えるスルフィド化剤を反応に必要な濃度に溶解することができる程度の溶解能を持つものであれば、とくに限定されない。これらの中でも、この溶媒は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を有する極性溶媒であることが好ましい。更に、この溶媒は原料ジハロ芳香族化合物と同様な脱ハロゲン化/硫化反応に関与しうるものでないことが望ましい。従って、例えば、本発明の重合反応に使用する有機極性溶媒としてはハロ芳香族炭化水素ではないことが望ましい。また、有機極性溶媒としては、制御された少量の水を重合反応に提供する事も使用目的の一つであり、その為、水を溶媒和しうる事が望ましい。
また、前記有機極性溶媒の沸点は水の沸点よりも高いことが望ましい。これらの条件を満足するもの有機極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と略記する。)、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン酸、ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム等の脂肪族環状アミド化合物、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、テトラメチル尿素(TMU)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド類、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル(重合度は2000以下で、炭素数1〜20のアルキル基を有するもの)等のエーテル化ポリエチレングリコール類、テトラメチレンスルホキシド、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類が挙げられる。前記溶媒の中でも、N−メチルカプロラクタムおよびNMPは、化学的安定性が高いので、特に好ましい。
前記有機極性溶媒の使用量は、使用する溶媒の種類及び系内の溶媒に対する水分量によっても異なるが均一な重合反応が可能な反応系の粘度を保持すること、また、ある程度の生産性を維持するためには、重合に用いるスルフィド化剤中の硫黄原子1モル当り1.0〜8.0モルの範囲が好ましい。また、生産性を更に考慮すると、重合に用いるスルフィド化剤中の硫黄原子1モル当り1.0〜6.0モルの範囲が好ましく、また、更に好ましい使用溶媒量は重合に用いるスルフィド化剤中の硫黄原子1モル当り1.2〜5.0モルである。
本発明に用いるポリハロ芳香族化合物は、例えば、p−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、o−ジハロベンゼン、1,2,3−トリハロベンゼン、1,2,4−トリハロベンゼン、1,3,5−トリハロベンゼン、1,2,3,5−テトラハロベンゼン、1,2,4,5−テトラハロベンゼン、1,4,6−トリハロナフタレン、2,5−ジハロトルエン、1,4−ジハロナフタレン、1−メトキシ−2,5−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロビフェニル、3,5−ジハロ安息香酸、2,4−ジハロ安息香酸、2,5−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロアニソール、p,p’−ジハロジフェニルエーテル、4,4’−ジハロベンゾフェノン、4,4’−ジハロジフェニルスルホン、4,4’−ジハロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジハロジフェニルスルフィド、及び、上記各化合物の芳香環に炭素原子数1〜18のアルキル基を核置換基として有する化合物が挙げられる。また、上記各化合物中に含まれるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子であることが望ましい。
これらの中でも、本発明では線状高分子量ポリアリーレンスルフィド樹脂を効率的に製造できることを特徴とする点から、2官能性のジハロ芳香族化合物が好ましく、とりわけ最終的に得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の機械的強度や成形性が良好となる点からp−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン及び4,4’−ジクロロジフェニルスルホンが好ましく、特にp−ジクロロベンゼンが好ましい。また、線状ポリアリーレンスルフィド樹脂のポリマー構造の一部に分岐構造を持たせたい場合には、上記ジハロ芳香族化合物と共に、1,2,3−トリハロベンゼン、1,2,4−トリハロベンゼン、又は1,3,5−トリハロベンゼンを一部併用することが好ましい。
本発明で用いるスルフィド化剤としては、硫化ナトリウム、または水硫化ナトリウムおよび水酸化ナトリウムが挙げられ、硫化ナトリウムと水硫化ナトリウムおよび水酸化ナトリウムとの混合物であってもよい。当該混合物の場合には、硫化ナトリウムと水硫化ナトリウムおよび水酸化ナトリウムとの混合比が、硫化ナトリウム1モルに対して、水硫化ナトリウムが0.04〜1モルの範囲とすることが好ましい。
なお、前記硫化ナトリウムとしては、無水物、水和物、水溶液が挙げられ、入手の容易さから、化合物内に結晶水を有する、液状又は固体状の水和物が好ましいものとして挙げられる。なお、水和物の場合、その固形分濃度は10〜80質量%、特に35〜65質量%であることが好ましい。また、硫化ナトリウムとして予め水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウムとを反応させて得られた硫化ナトリウムを用いることもでき、さらには硫化水素と水酸化ナトリウムとを反応させて得られた硫化ナトリウムを用いることもできる。
前記水硫化ナトリウムとしては、無水物、水和物、水溶液が挙げられ、入手の容易さから、化合物内に結晶水を有する、液状又は固体状の水和物が好ましいものとして挙げられる。なお、水和物の場合、その固形分濃度は10〜80質量%であることが好ましい。また、水硫化ナトリウムは予め硫化水素と水酸化ナトリウムとを反応させて得られた水硫化ナトリウムを用いることもできる。
前記水酸化ナトリウムは、濃度20質量%以上の水溶液であるものを用いることが好ましい。水酸化ナトリウムの使用量は、水硫化ナトリウム1モル当たり、0.8〜1.2モルの範囲が好ましく、特に0.9〜1.1モルの範囲がより好ましい。
なお、本発明において、硫化ナトリウムまたは水硫化ナトリウムの結晶内に結晶水を有するものを含水スルフィド化剤と称することがある。
本発明で用いるリチウム塩化合物は、水に溶解してリチウムイオンを放出し得ることができれば特に制限なく用いることができる。
このようなリチウム塩化合物としては、例えば、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、硫酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸二水素リチウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸リチウム、塩素酸リチウム、クロム酸リチウム、モリブデン酸リチウム、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、マロン酸リチウム、プロピオン酸リチウム、酪酸リチウム、イソ酪酸リチウム、マレイン酸リチウム、フマル酸リチウム、ブタン二酸リチウム、吉草酸リチウム、ヘキサン酸リチウム、オクタン酸リチウム、酒石酸リチウム、ステアリン酸リチウム、オレイン酸リチウム、安息香酸リチウム、フタル酸リチウム、ベンゼンスルホン酸リチウム、p−トルエンスルホン酸リチウム、硫化リチウム、水硫化リチウム、水酸化リチウム等の無機リチウム塩化合物;リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムポロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムブトキシド、リチウムフェノキシド等の有機リチウム塩化合物が挙げられる。これらの中でも塩化リチウムと酢酸リチウムが好ましく、特に塩化リチウムが好ましい。また、上記リチウム塩化合物は無水物又は含水物又は水溶液を用いることができる。
本発明に用いるリチウム塩化合物は、溶液内のリチウムイオン量がスルフィド化剤の硫黄原子の合計モル数を1モルとした場合に、0.01モル以上0.9モル未満の範囲となる割合となるよう加えることが反応性の改善効果が顕著になる点から好ましく、さらに0.05モル以上0.5モル未満の範囲となる割合であることがより好ましい。
また、スルフィド化剤とリチウム塩化合物とを含む水溶液には、本発明の効果を損ねない範囲で他の有機溶媒を併用することもできる。このような有機溶媒としては、例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、テトラメチル尿素(TMU)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド類、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル(重合度は2000以下で、炭素数1〜20のアルキル基を有するもの)等のエーテル化ポリエチレングリコール類、テトラメチレンスルホキシド、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類が挙げられ、リチウム塩化合物の有機溶媒に対する溶解度を考慮して適宜選択すればよい。
スルフィド化剤とリチウム塩化合物とを含む水溶液中の水分量はスルフィド化剤とリチウム塩化合物の溶解度を考慮して適宜選択すればよいが、概ね30〜65質量%の範囲、好ましくは40〜60質量%の範囲となるよう調整すればよい。
さらにスルフィド化剤とリチウム塩化合物を含む水溶液の温度はスルフィド化剤とリチウム塩化合物の溶解度を考慮して適宜選択すればよいが、スルフィド化剤の凝固点以上、沸点以下でスルフィド化剤とリチウム塩化合物が溶解する温度であれば良い。例えば、スルフィド化剤濃度が50質量%の場合、概ね90〜140℃の範囲、好ましくは100〜130℃の範囲である。
当該溶液を有機極性溶媒とポリハロ芳香族化合物とリチウム塩化合物を含む混合物に、スルフィド化剤を導入すると、スルフィド化剤がポリハロ芳香族化合物とリチウム塩化合物とに対して競争的に反応し、リチウム塩化合物を用いた効果が得られにくくなる。このため、スルフィド化剤とリチウム塩化合物を含む溶液を予め調製しておき、当該溶液を有機極性溶媒とポリハロ芳香族化合物の混合物に導入して重合反応させることによって、生産性よくポリアリーレンスルフィド樹脂を製造することができる。
本発明では、重合に使用する全スルフィド化剤1モルに対して、反応系内の水分量が1モル未満となるように、スルフィド化剤の導入速度を反応系内中の水分量が反応混合物から除去されるように調整し制御することが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法の重合反応に存在させる水分は、加水分解反応などの併発を回避させるために、なるべく少ない方が良い。他方、重合反応が全く無水の状態である場合は、反応速度が著しく遅くなるといった問題がある。従って、本発明の重合反応において反応系内に存在すべき水分量は、重合に使用した該スルフィド化剤1モルに対して、重合反応終了時1モル未満であることが必須である。また、反応が円滑に進行する点からは、重合に使用した該スルフィド化剤1モルに対して、0.02モル以上存在させることが好ましい。これらの中でも重合に使用した該スルフィド化剤1モルに対して0.03〜0.60モルの範囲が好ましく、0.05〜0.40の範囲が特に好ましい。上記の範囲を満たす場合には、反応速度の制御性と高分子量化との両立がより容易に行える。
なお、本発明の製造方法では、上記の該スルフィド化剤1モルに対して水分量が0.03〜0.60モルの範囲にあることが重合終了時に満たしていることが好ましいが、スルフィド化剤の反応率が80モル%を越えた時点以降、より好ましくは60モル%を越えた時点以降、さらに好ましくは重合開始直後から上記範囲を満たしていることが好ましい。
本発明の製造方法において、ポリハロ芳香族化合物、有機極性溶媒の原料の仕込み順序、仕込み方法には特に制限は無い。
前記スルフィド化剤は、水和物を形成しやすいことから、本発明の製造方法の特徴を満たすため脱水操作を行うことが好ましい。本発明の製造方法としては、(1)脱水と重合を同時に行っても良いし、あるいは(2)脱水と重合を別々に行っても良いし、あるいは(3)重合を行いながら適宜脱水を行っても良い。
(1)脱水と重合を同時に行う方法としては、例えば、重合反応が実質的に進行し得る温度、200〜300℃、好ましくは210〜280℃、更に好ましくは215〜260℃の温度で、有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいても良い)とポリハロ芳香族化合物の混合物を加熱して、反応系内の水分量が上記範囲内にコントロールされ得る速度で、スルフィド化剤およびリチウム塩化合物を含む水溶液を混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量を上記範囲内にコントロールした後、さらに200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して40時間以下、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行う方法が挙げられる。
(2)また、脱水と重合を別々に行う方法としては、例えば、有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいて良い)とポリハロ芳香族化合物の混合物を、重合反応がほとんど進行しない温度、即ち120〜200℃、好ましくは150〜190℃で保ち、反応系内の水分量をスルフィド化剤1モルに対して1モル未満にコントロールされ得る速度でスルフィド化剤およびリチウム塩化合物を含む溶液を前記混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量をスルフィド化剤1モルに対して1モル未満にコントロールする。その後、調製された有機極性溶媒とポリハロ芳香族化合物とリチウム塩化合物とスルフィド化剤との混合物を重合反応が実質的に進行する温度、即ち、200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して40時間以下、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行う方法が挙げられる。
(3)また、重合を行いながら適宜脱水を行う方法としては、例えば、下記の(3−1)または(3−2)が挙げられる。
(3−1)重合反応がほとんど進行しない温度、即ち120〜200℃、好ましくは150〜190℃に有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいて良い)およびポリハロ芳香族化合物の混合物を保ち、反応系内の水分量がコントロールできる速度でスルフィド化剤とリチウム塩化合物を含む水溶液を混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量を反応系内のスルフィド化剤1モルに対して1モル未満にコントロールした後、調製した有機極性溶媒、ポリハロ芳香族化合物、リチウム塩化合物及びスルフィド化剤の混合物を重合反応が実質的に進行する温度、即ち、200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して0.1〜40時間、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行い、重合反応を行っている間に、必要に応じて更に連続的にあるいは一時的にあるいは断続的に系内の水分を除去して更に水分量を低減する方法が挙げられる。
(3−2)重合反応が進行し得る温度、200〜300℃、好ましくは210〜280℃、更に好ましくは215〜260℃の温度に有機極性溶媒(有機極性溶媒1モルに対して0.5モル以下の水を含んでいて良い)およびポリハロ芳香族化合物の混合物を加熱して、反応系内の水分量がコントロールされ得る速度でスルフィド化剤とリチウム塩化合物を含む水溶液を混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量を反応系内のスルフィド化剤1モルに対して1モル未満になるようにコントロールした後、さらに200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して40時間以下、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して重合反応を行い、重合反応を行っている間に、連続的にあるいは一時的にあるいは断続的に系内の水分を除去して更に水分量を低減する方法が挙げられる。
上記の重合方法の中でも、生産性等の点から、重合を行いながら適宜脱水をする方法が好ましい。これらの中でも重合反応が実質的に進行し得る温度に有機極性溶媒およびポリハロ芳香族化合物の混合物を加熱して、反応系内の水分量がコントロールされ得る速度でスルフィド化剤とリチウム塩化合物を含む水溶液を混合物に導入して余分の水を系外に除去し、反応系内の水分量をコントロールした後、さらに重合反応を行い、重合反応を行っている間に、必要に応じて連続的にあるいは一時的にあるいは断続的に系内の水分を除去して更に水分量を低減する重合方法が好ましく、特に重合工程全般を通じて反応系内の水分量が、反応系内のスルフィド化剤1モルに対して1モル未満になっている重合方法(前記(3−2))が最も好ましい。
上記のスルフィド化剤とリチウム塩化合物を含む水溶液を導入する速度は反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して目的の範囲にコントロールできるように余分の水を系外に除去できる速度であれば特に制限はない。導入時間はコントロールする水分量、導入する際の温度、スルフィド化剤の含水率等によっても異なるので、得に限定されないが、スルフィド化剤を0.1〜20時間、好ましくは0.5〜10時間かけて導入することが好ましい。この時間内であると、反応系の水分量あるいは温度等を制御しやすく、また生産性も良い。
また、スルフィド化剤とリチウム塩化合物を含む水溶液を導入する温度もコントロールする水分量、導入する際の速度、スルフィド化剤の含水率あるいは反応の形式によっても異なるので一概には規定できないが、脱水と重合を別々に行うのであれば、120〜200℃、好ましくは150〜190℃で導入すると良い。また、脱水と重合を同時に行うのであれば、200〜300℃、好ましくは210〜280℃、更に好ましくは215〜260℃の温度で導入すれば良い。
重合反応は、200〜300℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して0.1〜40時間、好ましくは0.5〜20時間、更に好ましくは1〜10時間加熱して行うことが好ましい。この範囲内であると反応の進行がスムーズである。
なお、重合時の水の除去方法としては、反応系の温度・圧力をコントロールすることによって容易に行える。即ち、水、溶媒、ジハロ芳香族化合物の各蒸気圧曲線によりコントロールすべき温度・圧力が容易に推定でき、その温度・圧力でコントロールすれば所望の系内水分量にすることができる。
重合反応により得られたポリアリーレンスルフィド樹脂を含む反応混合物の後処理方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、重合反応終了後、先ず反応混合物をそのまま、あるいは酸または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で溶媒を留去し、次いで溶媒留去後の固形物を水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に中和、水洗、濾過および乾燥する方法、或いは、重合反応終了後、反応混合物に水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使用した重合溶媒に可溶であり、且つ少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂に対しては貧溶媒である溶媒)を沈降剤として添加して、ポリアリーレンスルフィド樹脂や無機塩等の固体状生成物を沈降させ、これらを濾別、洗浄、乾燥する方法、或いは、重合反応終了後、反応混合物に反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹拌した後、濾過して低分子量重合体を除いた後、水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、その後中和、水洗、濾過および乾燥をする方法等が挙げられる。
尚、上記に例示したような後処理方法において、ポリアリーレンスルフィド樹脂の乾燥は真空中で行なってもよいし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気中で行なってもよい。
この様にして得られたポリアリーレンスルフィド樹脂は、そのまま各種成形材料等に利用可能であるが、空気あるいは酸素富化空気中あるいは減圧条件下で熱処理を行い、酸化架橋させてもよい。この熱処理の温度は、目標とする架橋処理時間や処理する雰囲気によっても異なるものの、180℃〜270℃の範囲であることが好ましい。また、前記熱処理は押出機等を用いてポリアリーレンスルフィド樹脂の融点以上で、ポリアリーレンスルフィド樹脂を溶融した状態で行ってもよいが、ポリアリーレンスルフィド樹脂の熱劣化の可能性が高まるため、融点プラス100℃以下で行うことが好ましい。
以上詳述した本発明の製造方法によって得られたポリアリーレンスルフィド樹脂は、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形の如き各種溶融加工法により、耐熱性、成形加工性、寸法安定性等に優れた成形物に加工することが出来る。
また、本発明により得られたポリアリーレンスルフィド樹脂は、更に強度、耐熱性、寸法安定性等の性能を更に改善するために、各種充填材と組み合わせたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物として使用することが出来る。充填材としては、特に制限されるものではないが、例えば、繊維状充填材、無機充填材等が挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラストナイト等の天然繊維等が使用出来る。また無機充填材としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、バイロフェライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タルク、アタルパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ等が使用出来る。また、成形加工の際に添加剤として離型剤、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑剤等の各種添加剤を含有せしめることが出来る。
更に、本発明により得られたポリアリーレンスルフィド樹脂は、用途に応じて、適宜、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等の合成樹脂、或いは、ポリオレフィン系ゴム、弗素ゴム、シリコーンゴム等のエラストマーを配合したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物として使用してもよい。
本発明の製造方法で得られるポリアリーレンスルフィド樹脂は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の本来有する耐熱性、寸法安定性等の諸性能も具備しているので、例えば、コネクタ、プリント基板及び封止成形品等の電気・電子部品、ランプリフレクター及び各種電装品部品などの自動車部品、各種建築物、航空機及び自動車などの内装用材料、あるいはOA機器部品、カメラ部品及び時計部品などの精密部品等の射出成形若しくは圧縮成形、若しくはコンポジット、シート、パイプなどの押出成形、又は引抜成形などの各種成形加工用の材料として、或いは繊維若しくはフィルム用の材料として幅広く有用である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これら例は例示的なものであって限定的なものではない。
(PPS樹脂の溶融粘度の測定)
参考例で製造したPPS樹脂を島津製作所製フローテスター、CFT−500Cを用い、300℃、荷重:1.96×10Pa、L/D=10/1にて、6分間保持した後に測定した。
(分子量)
PPSの分子量は、株式会社センシュー科学製高温ゲルパーミエーションクロマトグラフ( 高温GPC )SSC−7000 を用いて測定した( 溶媒:1−クロロナフタレン、温度:210 ℃、検出器:UV 検出器(360nm) 、サンプル注入量:200μl(濃度:0.2重量% ) 。流速1 ml/分)。なお、分子量はポリスチレン換算で算出し、分子量分布のピークトップの値Mpで比較を行った。
(PPS樹脂のカルボキシ基の定量)
PPS樹脂のカルボキシ基の定量を350℃でプレスしたのち、急冷することによって非晶性を示すフィルムを作成し、フーリエ変換赤外分光装置(以下「FT−IR装置」と略記する。)で測定した。赤外吸収スペクトルのうち630.6cm−1の吸収に対する1705cm−1の吸収の相対強度を求め、別途後述する方法により作成した検量線を用いて測定サンプル中のカルボキシ基の含有量(以下「カルボキシ基の全含有量」と略記する。)を求めた。カルボキシ基の含有量は樹脂組成物1g中のモル数で示され、その単位はμmol/gで表される。検量線の作成方法は酸処理を行わずにカルボン酸塩を分子末端に含有するPPS樹脂3gに所定量の4−クロロフェニル酢酸を加え良く混合したのち、前記と同じようにしてフィルムを作成し、FT−IR装置で測定を行い、カルボキシ基含有量に対する、前記吸収の相対強度比をプロットした検量線を作成した。PPS樹脂中のカルボキシ基の含有量が多いほど、エポキシシランカップリング剤や官能基含有熱可塑性エラストマーなどの耐衝撃性改質剤との反応性が向上することから、耐衝撃性に優れる組成物が得られることを示す。
(反応性評価方法)
PPS樹脂を小型粉砕機で粉砕した後、日本工業規格Z8801の目開き0.5mmの試験用篩いを用いて篩った。篩いを通過したPPS樹脂100質量部に対し、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を配合し、均一に混合した後に溶融粘度V6を測定した。添加後の溶融粘度V6/添加前の溶融粘度V6の比から粘度上昇度を倍率として算出した。粘度上昇度が大きいほど反応性が高く、優れていることを示す。
[実施例1]
温度センサー、冷却塔、滴下槽、滴下ポンプ、留出物分離槽を連結した攪拌翼付ステンレス製(チタンライニング)4リットルオートクレーブにp−DCB735.0g(5.0モル)、NMP1983g(20モル)、水36.0g(2.0モル)を室温で仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下で100℃まで20分かけて昇温し、系を閉じ、更に220 ℃ まで40分かけて昇温し、その温度で内圧を0.22MPa(ゲージ圧)にコントロールした。そこへ、予め調製した含水フレーク状硫化ソーダ(NaS:58.9重量%、NaSH:1.3重量%)600g、含水フレーク状水硫化ソーダ(NaSH:71.2重量%、NaS:2.7重量%)90g、塩化リチウム38.7g(0.91モル)、水170gを含む混合液(NaS:4.56モル、NaSH:1.28モル、水分48.1重量%)を3時間かけて滴下した。滴下中は同時に脱水操作を行い、水は系外に除去し、水と共に留出するp−DCBは連続的にオートクレーブに戻した。なお、脱水操作とp−DCBを戻す操作は240℃昇温完了まで行い、昇温完了時に系を密閉した。
その後、そのままの温度圧力で1時間保持した後、1時間かけて、内圧を0.17MPaに下げながら、内温を240℃ まで昇温し、その温度で1時間保持して反応を終了し、室温まで冷却した。留出液の分析結果は、水が450g、NMP18gであった。結果的に、反応終了時の反応系内の水分量は全使用スルフィド化剤に対して0.18(モル/モル)であった。なお、p−DCB については、留出した全量をオートクレーブ内に戻したので、系外に除去したp−DCBは実質的に0であった。また系外に飛散した硫化水素量は19gであった。従って反応の実質的なモル比〔(仕込みp−DCB(モル))−(系外に除去したp−DCB(モル))〕/〔(全使用スルフィド化剤(モル))−(系外に除去したHS(モル))〕は0.95であった。得られた反応スラリーを一部サンプリングし、ガスクロマトグラフにより残存DCB量を測定し、自動滴定装置を用いた硝酸銀滴定により残存スルフィド化剤量を測定した。その結果は、仕込みのDCB1モルに対して残存DCB:1.5モル%、残存NaS:3.5モル%、残存NaSH:4.4モル%であった。
得られた反応スラリー200gを1リットルの水に注いで80℃1時間攪拌した後、濾過した。このケーキを再び500ミリリットルの温水で1時間攪拌し、濾過したのち、酢酸を加えてpHを4.0に調整し、30分間撹拌後、濾過した。さらに濾過ケーキに500ミリリットルの温水を加え、30分間撹拌して濾過したのち、濾過した。この操作を3回繰り返し、濾過後、熱風乾燥機で120℃、10時間乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。得られたポリマーの溶融粘度、分子量(Mp)、カルボキシ基含有量および反応性評価結果を表1に示した。
[実施例2]
塩化リチウム77.3g(1.82モル)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたポリマーの溶融粘度、分子量(Mp)、カルボキシ基含有量および反応性評価結果を表1に示した。
[実施例3]
塩化リチウム154.6g(3.65モル)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたポリマーの溶融粘度、分子量(Mp)、カルボキシ基含有量および反応性評価結果を表1に示した。
[実施例4]
酢酸リチウム74.8g(0.91モル)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたポリマーの溶融粘度、分子量(Mp)、カルボキシ基含有量および反応性評価結果を表1に示した。
[比較例1]
塩化リチウムを使用しなかったこと以外は実施例1と同様に行った。得られたポリマーの溶融粘度、分子量(Mp)、カルボキシ基含有量および反応性評価結果を表1に示した。
[比較例2]
酢酸ナトリウムを使用したこと以外は実施例1と同様に行った。得られたポリマーの溶融粘度、分子量(Mp)、カルボキシ基含有量および反応性評価結果を表1に示した。
Figure 0006296272

Claims (8)

  1. 有機極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させるポリアリーレンスルフィドの製造方法であって、
    有機極性溶媒とポリハロ芳香族化合物とを含む混合物に前記スルフィド化剤およびリチウム塩化合物を含む水溶液を導入しながら反応させること、および、反応系内に存在すべき水分量が、重合に使用した該スルフィド化剤1モルに対して、0.02モル以上、かつ、1モル未満であること、および、前記有機極性溶媒が脂肪族環状アミド化合物であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
  2. 前記リチウム塩化合物の割合が、スルフィド化剤1モルに対して、0.01〜0.9モルの範囲である請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
  3. 前記スルフィド化剤およびリチウム塩化合物を含む水溶液中の水分量が30〜65質量%の範囲である請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
  4. 前記リチウム塩化合物は、塩化リチウムまたは酢酸リチウムである請求項1〜3の何れか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
  5. 重合に使用する全スルフィド化剤1モルに対して、反応系内中の水が1モル未満となるように調整する、請求項1〜4の何れか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
  6. 前記スルフィド化剤1モルに対して、反応系内中の水が1モル未満となるように、スルフィド化剤の導入速度と反応系内中の水が反応混合物から除去される速度とを調整する、請求項1〜5の何れか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
  7. 前記スルフィド化剤は、アルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物とを含む混合物である、請求項1〜6の何れか一項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
  8. 前記アルカリ金属硫化物とアルカリ金属水硫化物との混合比が、アルカリ金属硫化物1モルに対してアルカリ金属水硫化物が0.04〜1モルの範囲である、請求項7記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
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