JP6296034B2 - 空調機 - Google Patents

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Description

本発明は、空調機に関する。
従来、室内温度が安定しているときは圧縮機の運転周波数を適切に制御することによって省エネルギー運転(以下、省エネ運転という。)を実現しているが、起動から室内温度が設定温度範囲に到達するまでは特に省エネ運転制御を行っていない。例えば、特許文献1(特許第2606489号公報)に記載の空気調和装置では、圧縮機の起動時にインバータの出力周波数を一定の加減速レートで所定の目標周波数まで増大させることによって圧縮機の運転容量を円滑に所定容量まで立ち上げるようにしている。
これは、立ち上がりの運転周波数を制御すると快適温度に早く到達することができないという事態や、急激に立ち上げると、狙いの温度に対して暖房運転の場合は上がり過ぎ、冷房運転の場合は下がり過ぎるという事態などを招来するからである。
しかしながら、近年、省エネ志向の強いユーザーからは、快適温度に素早く到達することよりもさらなる省エネ効果を要求されることもあり、メーカーとしてはこのような要求にも対応しておく必要がある。
本発明の課題は、起動から室内温度が設定温度範囲に到達するまでの、いわゆる立ち上がり期間においても省エネ運転を選択することができる空調機を提供することにある。
本発明の第1観点に係る空調機は、圧縮機、凝縮器、減圧機構および蒸発器の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空調機であって、圧縮機の能力を制御する制御部と、予備運転選択部と、記憶部とを備えている。予備運転選択部は、設定時刻に室内温度が設定温度に近づくように当該設定時刻より前に自動的に運転を開始させる予備運転を選択するためのものである。記憶部は、予備運転の時間である予備運転時間、及び圧縮機に入力される電流値の上限である上限電流値を記憶する。制御部は、運転開始後、室内温度を設定温度に近づけていく初期空調運転モードとして、通常初期空調運転モードと、第1初期空調運転モードとを有している。第1初期空調運転モードは、通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制する空調運転モードである。また、制御部は、予備運転が選択されたとき、第1初期空調運転モードで予備運転を行う。さらに、制御部は、記憶された直近の予備運転時間及び/又は上限電流値を補正して次回の予備運転に用いる学習機能を有している。そして、制御部は、予備運転時の消費電力を演算して記憶部に記憶させ、前回及び今回の予備運転時の消費電力との比較結果に基づいて、次回の予備運転の予備運転時間及び/又は前記上限電流値を決定する。
この空調機では、初期空調運転時に第1初期空調運転モードを選択することができ、通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制することができるので、省エネ運転を実現することができ、省エネ志向の強いユーザーにとって利便性がよい。また、予備運転は設定時刻に室内温度が設定温度に近づくように当該設定時刻より前に自動的に運転を開始するので、運転開始から当該設定時刻までは居住者の快適性よりも省エネ性を優先することができる。それゆえ、ユーザーが予備運転を選択したときは、第1初期空調運転モードで予備運転を行うことによって省エネ運転を実現することができる。また、直近の予備運転時間、上限電流値を補正して予備運転を行うので、直近の運転情報が活かされ、予備運転の都度、運転状態が省エネ運転を実現する理想状態へ収束していく。さらに、予備運転の消費電力を前回と今回とでどちらが優れているのか比較して、次回の予備運転の予備運転時間及び/又は上限電流値を決定するので、室内負荷に応じて消費電力を最適化することができる。
本発明の第2観点に係る空調機は、圧縮機、凝縮器、減圧機構および蒸発器の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空調機であって、圧縮機の能力を制御する制御部と、予備運転選択部と、記憶部とを備えている。予備運転選択部は、設定時刻に室内温度が設定温度に近づくように設定時刻より前に自動的に運転を開始させる予備運転を選択するためのものである。記憶部は、予備運転の時間である予備運転時間、及び圧縮機に入力される電流値の上限である上限電流値を記憶する。制御部は、運転開始後、室内温度を設定温度に近づけていく初期空調運転モードとして、通常初期空調運転モードと、第1初期空調運転モードとを有している。第1初期空調運転モードは、通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制する空調運転モードである。また、制御部は、予備運転が選択されたとき、第1初期空調運転モードで前記予備運転を行う。また、制御部は、記憶された直近の予備運転時間及び/又は上限電流値を補正して次回の予備運転に用いる学習機能を有している。また、制御部は、運転停止時の室内温度、室外温度、設定温度及び直近の予備運転時間からの補正量に基づいて予備運転時間を演算する。さらに制御部は、予備運転開始後の室内温度の変化から設定時刻における室内温度を推定する。
この空調機では、初期空調運転時に第1初期空調運転モードを選択することができ、通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制することができるので、省エネ運転を実現することができ、省エネ志向の強いユーザーにとって利便性がよい。また、予備運転は設定時刻に室内温度が設定温度に近づくように当該設定時刻より前に自動的に運転を開始するので、運転開始から当該設定時刻までは居住者の快適性よりも省エネ性を優先することができる。それゆえ、ユーザーが予備運転を選択したときは、第1初期空調運転モードで予備運転を行うことによって省エネ運転を実現することができる。また、直近の予備運転時間、上限電流値を補正して予備運転を行うので、直近の運転情報が活かされ、予備運転の都度、運転状態が省エネ運転を実現する理想状態へ収束していく。さらに、仮に、何らかの要因で室内負荷が大きく変動し、補正による運転で設定時刻に設定温度に達しない可能性があっても、その判断に基づいて制御を変更することができる。
本発明の第観点に係る空調機は、第観点に係る空調機であって、制御部が、運転停止時の室内温度、室外温度、設定温度及び直近の予備運転時間からの補正量に基づいて予備運転時間を演算する。さらに制御部は、予備運転開始後の室内温度の変化から設定時刻における室内温度を推定する。
この空調機では、仮に、何らかの要因で室内負荷が大きく変動し、補正による運転で設定時刻に設定温度に達しない可能性があっても、その判断に基づいて制御を変更することができる。
本発明の第観点に係る空調機は、第観点又は第3観点に係る空調機であって、制御部が、予備運転において設定時刻までに設定温度にならないと判断したとき、予備運転中に上限電流値の制限を解除する。
この空調機では、仮に、何らかの要因で室内負荷が大きく変動し、補正による運転で設定時刻に設定温度に達しない可能性があっても、その判断を行った上で、上限電流値の制限を緩和することによって適切に対応することができる。
本発明の第観点に係る空調機は、第観点に係る空調機であって、制御部は、記憶した予備運転時間及び上限電流値を消去するリセット機能をさらに有している。
この空調機では、転居等により空調機の据付場所が変更されたときは、空調対象空間の断熱性、気密性などの違いにより室内負荷が変わるので、一旦、リセットさせることが望ましい。それゆえ、リセット機能を有していることは、ユーザーにとって使い勝手がよい。
本発明の第観点に係る空調機は、第観点から第観点のいずれか一つに係る空調機であって、空調室外機と空調室内機とで構成されている。空調室外機は、圧縮機、及び凝縮器又は蒸発器として機能する室外熱交換器を搭載している。空調室内機は、蒸発器又は凝縮器として機能する室内熱交換器を搭載し、空調室外機に冷媒連絡配管を介して接続されている。制御部は、室外側制御部と、室内側制御部と、リモコンとを有している。室外側制御部は、空調室外機に搭載される。室内側制御部は、空調室内機に搭載される。リモコンは、予備運転選択部を搭載し室内側制御部と通信する。室内側制御部は、リモコンから予備運転を選択する指令を受信したとき、室外側制御部に対し、第1初期空調運転モードで予備運転を行う指令を送信する。
この空調機では、初期空調運転時に第1初期空調運転モードを選択することができ、通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制することができるので、省エネ運転を実現することができ、省エネ志向の強いユーザーにとって利便性がよい。
本発明の第1観点に係る空調機では、初期空調運転時に第1初期空調運転モードを選択することができ、通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制することができるので、省エネ運転を実現することができ、省エネ志向の強いユーザーにとって利便性がよい。また、予備運転は設定時刻に室内温度が設定温度に近づくように当該設定時刻より前に自動的に運転を開始するので、運転開始から当該設定時刻までは居住者の快適性よりも省エネ性を優先することができる。それゆえ、ユーザーが予備運転を選択したときは、第1初期空調運転モードで予備運転を行うことによって省エネ運転を実現することができる。また、直近の予備運転時間、上限電流値を補正して予備運転を行うので、直近の運転情報が活かされ、予備運転の都度、運転状態が省エネ運転を実現する理想状態へ収束していく。さらに、予備運転の消費電力を前回と今回とでどちらが優れているのか比較して、次回の予備運転の予備運転時間及び/又は上限電流値を決定するので、室内負荷に応じて消費電力を最適化することができる。
本発明の第2観点に係る空調機では、初期空調運転時に第1初期空調運転モードを選択することができ、通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制することができるので、省エネ運転を実現することができ、省エネ志向の強いユーザーにとって利便性がよい。また、予備運転は設定時刻に室内温度が設定温度に近づくように当該設定時刻より前に自動的に運転を開始するので、運転開始から当該設定時刻までは居住者の快適性よりも省エネ性を優先することができる。それゆえ、ユーザーが予備運転を選択したときは、第1初期空調運転モードで予備運転を行うことによって省エネ運転を実現することができる。また、直近の予備運転時間、上限電流値を補正して予備運転を行うので、直近の運転情報が活かされ、予備運転の都度、運転状態が省エネ運転を実現する理想状態へ収束していく。さらに、仮に、何らかの要因で室内負荷が大きく変動し、補正による運転で設定時刻に設定温度に達しない可能性があっても、その判断に基づいて制御を変更することができる。
本発明の第観点に係る空調機では、仮に、何らかの要因で室内負荷が大きく変動し、補正による運転で設定時刻に設定温度に達しない可能性があっても、その判断に基づいて制御を変更することができる。
本発明の第観点に係る空調機では、仮に、何らかの要因で室内負荷が大きく変動し、補正による運転で設定時刻に設定温度に達しない可能性があっても、その判断を行った上で、上限電流値の制限を緩和することによって適切に対応することができる。
本発明の第観点に係る空調機では、転居等により空調機の据付場所が変更されたときは、空調対象空間の断熱性、気密性などの違いにより室内負荷が変わるので、一旦、リセットさせることが望ましい。それゆえ、リセット機能を有していることは、ユーザーにとって使い勝手がよい。
本発明の第観点に係る空調機では、初期空調運転時に第1初期空調運転モードを選択することができ、通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制することができるので、省エネ運転を実現することができ、省エネ志向の強いユーザーにとって利便性がよい。
本発明の一実施形態に係る空調機の構成図。 空調機の空調室内機の斜視図。 図2における空調室内機の断面図。 空調機の制御ブロック図 図3における前フラップ及び後フラップの拡大断面図。 運転停止時の空調室内機の断面図。 サブ前フラップを利用する前方下向き気流モード時の空調室内機の断面図。 図7における前フラップ、サブ前フラップ及び後フラップの拡大断面図。 サブ前フラップを利用しない前方下向き気流モード時の空調室内機の断面図。 サーキュレーション気流モード時の空調室内機の部分断面図。 中間気流モード時の空調室内機の部分断面図。 予備運転のタイムチャート。 予備運転の制御フローチャートであって、当該フローチャートのうちのステップS1からステップS9Aまでの流れを示すチャート。 予備運転の制御フローチャートであって、当該フローチャートのうちのステップS9BからステップS13までの流れを示すチャート。 予備運転開始時刻から入り時刻までの室内温度の上昇予測を示すグラフ。 起動時刻補正値tcor及び起動電流補正値Icorの変遷を示す説明図。 1回目から3回目までの予備運転について学習機能による起動電流上限値の変化を示すグラフ。 1回目から3回目までの予備運転について学習機能による室内温度収束状態の変化を示すグラフ。 図13AのステップS8の判定条件を変更したステップS8´を示す図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)空調機1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る空調機1の構成図である。図1において、空調機1は、冷房運転及び暖房運転が可能な空調機であり、空調室内機10と、空調室外機70と、空調室外機70と空調室内機10とを接続するための液冷媒連絡配管7、及びガス冷媒連絡配管9とを備えている。
(1−1)空調室外機70
図1において、空調室外機70は、主に、圧縮機73、四路切換弁75、室外熱交換器77、膨張弁79、及びアキュムレータ71を有している。さらに、空調室外機70は室外ファン78も有している。
(1−1−1)圧縮機73、四路切換弁75およびアキュムレータ71
圧縮機73は、インバータによって運転容量を可変に調節し、ガス冷媒を吸入して圧縮する。圧縮機73の吸込口手前には、アキュムレータ71が配置されており、圧縮機73に液冷媒が直に吸い込まれないようになっている。
四路切換弁75は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換える。冷房運転時、四路切換弁75は、圧縮機73の吐出側と室外熱交換器77のガス側とを接続するとともに圧縮機73の吸入側と室内熱交換器13のガス側とを接続する。つまり、図1の四路切換弁75内の実線で示された状態である。
また、暖房運転時、四路切換弁75は、圧縮機73の吐出側と室内熱交換器13のガス側とを接続するとともに圧縮機73の吸入側と室外熱交換器77のガス側とを接続する。つまり、図1の四路切換弁75内の点線で示された状態である。
(1−1−2)室外熱交換器77および室外ファン78
室外熱交換器77は、室外空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を凝縮又は蒸発させることができる。なお、室外ファン78が、この室外熱交換器77に対面するように配置されており、回転することによって室外空気を取り込んで室外熱交換器77に送風し、冷媒と室外空気との熱交換を促進する。
(1−1−3)膨張弁79
膨張弁79は、冷媒圧力や冷媒流量の調節を行うために、室外熱交換器77と室内熱交換器13の間の配管に接続され、冷房運転時及び暖房運転時のいずれにおいても、冷媒を膨張させる機能を有している。
(1−2)空調室内機10
図2は空調機1の空調室内機10の斜視図であり、図3は図2における空調室内機10の断面図である。図1、図2及び図3において、空調室内機10には、本体ケーシング11、室内熱交換器13、室内ファン14、及びフレーム17が搭載されている。
(1−2−1)本体ケーシング11
本体ケーシング11は、内部に室内熱交換器13、室内ファン14、フレーム17、及び制御部50を収納している。
本体ケーシング11の下部には、吹出口15が設けられている。吹出口15には、吹出口15から吹き出される吹出空気の方向を変更する、風向切換手段としての後フラップ40が回動自在に取り付けられている。後フラップ40は、モータ(図示せず)によって駆動し、吹出空気の方向を変更するだけでなく、吹出口15を開閉することもできる。後フラップ40は、傾斜角が異なる複数の姿勢をとることが可能である。
また、吹出口15の近傍には、風向切換手段としての前フラップ31が設けられている。前フラップ31は、モータ(図示せず)によって前後方向に傾斜した姿勢をとることが可能であり、運転停止時には前面パネル11bの下端と吹出口15との間の傾斜下面部11dに設けられた収容部130に収容される。前フラップ31は、傾斜角が異なる複数の姿勢をとることが可能である。前フラップ31よりも吹出空気の流れの上流側には、風向切換手段としてのサブ前フラップ32が回動可能に配置されている。
(1−2−2)室内熱交換器13及び室内ファン14
室内熱交換器13は、クロスフィン型熱交換器であり、室内空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を蒸発又は凝縮させ、室内の空気を冷却又は加熱することができる。また、室内熱交換器13は、側面視において両端が下方に向いて屈曲する逆V字状の形状を成し、その下方に室内ファン14が位置する。室内ファン14は、クロスフローファンであり、室内から取り込んだ空気を、室内熱交換器13に当てて通過させた後、室内に吹き出す。室内熱交換器13及び室内ファン14は、フレーム17に取り付けられている。
(1−3)制御部50
図4は、空調機1の制御ブロック図である。図1及び図4において、制御部50は、空調室内機10内に内蔵されている室内側制御部50aと空調室外機70内に内蔵されている室外側制御部50bとを有している。室内側制御部50aとリモコン52との間では赤外線信号の送受信が行われる。室内側制御部50aと室外側制御部50bとの間では信号の送受信がワイヤを介して行われる。
室内側制御部50aは、リモコン52からの指令信号に基づいて、前フラップ駆動モータ315、サブ前フラップ駆動モータ325、後フラップ駆動モータ405、及び室内ファン14を駆動する。
また、室外側制御部50bは、リモコン52から指令を受けた室内側制御部50aからの指令信号に基づき、圧縮機73の運転周波数、四路切換弁75の切換動作、膨張弁79の開度、および室外ファン78の回転を制御する。
(1−4)リモコン52
リモートコントロールユニット(これ以後、リモコン52とよぶ)は、ユーザーの操作に応じて、空調室内機10及び空調室外機70に内蔵されている制御部と交信して空調機を制御する。
リモコン52には、運転スイッチ522、運転切換スイッチ524、温度設定スイッチ526、入りタイマースイッチ528、予備運転入/切スイッチ530及び風向調整スイッチ532が設けられている。
なお、風向調整スイッチ532、前フラップ31、サブ前フラップ32、後フラップ40、前フラップ駆動モータ315、サブ前フラップ駆動モータ325、及び後フラップ駆動モータ405を総称して風向切換手段とよぶ。
運転スイッチ522は、操作される毎に空調機1の運転と停止とを交互に切り換える。運転切換スイッチ524は、操作される毎に運転を自動→冷房→除湿冷房→除湿→暖房→加湿暖房の順に切り換える。温度設定スイッチ526は、上押操作される毎に設定温度が上昇し、下押操作される毎に設定温度が降下する。入りタイマースイッチ528は、操作される毎に1時間後、2時間後・・・6時間後のように順次に入り時刻が変更される。
予備運転入/切スイッチ530は、予備運転を行うか否かを決定するスイッチである。予備運転とは、入りタイマースイッチ528がオンのときに、予備運転入/切スイッチ530がオン操作された場合、時刻が入りタイマー設定時刻になったときに室内温度が設定温度になっているように、入りタイマー設定時刻よりも早い時刻から自動的に運転を開始するものである。
風向調整スイッチ532は、操作される毎に前フラップ31及び後フラップ40の上下遥動と任意位置固定とを交互に切り換える。
リセットスイッチ534は、記憶部54に蓄積される予備運転のデータを消去するスイッチである。予備運転には、予備運転データを次の予備運転に使用する学習機能が備わっているが、空調機1の移動等により予備運転データの初期化が必要な場合に利用される。
(2)風向切換手段の詳細
(2−1)垂直風向調整板20
垂直風向調整板20は、吹出口15の長手方向(図3の紙面に垂直な方向)に沿って配置された複数の羽根片201を有している。垂直風向調整板20は、吹出流路18において、後フラップ40よりも室内ファン14に近い位置に配置されている。複数枚の羽根片201は、吹出口15の長手方向に沿って水平往復移動することによって、その長手方向に対して垂直な状態を中心に左右に揺動する。
(2−2)前フラップ31
図5は、図3における前フラップ31及び後フラップ40の拡大断面図である。また、図6は、運転停止時の空調室内機の断面図である。図5及び図6において、前フラップ31は、空調運転が停止している間は収容部130に収容されている。
前フラップ31は回動することによって収容部130から離れる。前フラップ31の回動軸は、吹出口形成壁16の上隔壁161の前リブ15aの下方に設定されており、前フラップ31の後端と回動軸とは所定の間隔を保って連結されている。それゆえ、前フラップ31が回動して収容部130から離れるほど、前フラップ31の後端の高さ位置は低くなるように回転する。
前フラップ31は、図6正面視反時計方向に回動することによって、前フラップ31の前端および後端ともに円弧を描きながら収容部130から離れる。また、前フラップ31は、図3正面視時計方向に回動することによって、前フラップ31は収容部130に近づき、最終的に収容部130に収容される。
前フラップ31の運転状態の姿勢としては、収容部130に収容された姿勢(図6参照)、回転して前方上向きに傾斜した姿勢、さらに回転してほぼ水平な姿勢、さらに回転して前方下向きに傾斜した姿勢、さらに回転して後方下向きに傾斜した姿勢(図3及び図5参照)がある。
前フラップ31は、収容部130に収容された姿勢のときに外側の面を成す第1面31aと、内側の面を成す第2面31bとを有している。第1面31a及び第2面31bは、前フラップ31が図3及び図5の後方下向きに傾斜した姿勢をとったときには、それぞれ後面及び前面を成す。
第1面31aには、図5に示すように前フラップ31の厚み方向に寸法が小さくなる窪み部311が設けられている。窪み部311は、前フラップ31の中央から視て回動軸寄りに位置している。
(2−3)サブ前フラップ32
サブ前フラップ32は、前フラップ31よりも吹出空気の流れの上流側に位置する板状の部材である。サブ前フラップ32は前フラップ31よりも小さいが、サブ前フラップ32は吹出流路18を通った空気を前フラップ31の第1面31aへ導くに十分な大きさに設定されている。
サブ前フラップ32は、使用されないときには吹出口形成壁16の上隔壁161に設けられた収容部16aに収容されている。サブ前フラップ32は、収容部16aに収容された姿勢のときに下側の面を成す第1面32aと、上側の面を成す第2面32bとを有している。第1面32a及び第2面32bは、サブ前フラップ32が図3及び図5の姿勢をとったときには、それぞれ後面及び前面を成す。
収容部16aは、吹出口形成壁16の上隔壁161を厚み方向に窪ませることによって形成される。収容部16aの深さは、サブ前フラップ32を収容した際にサブ前フラップ32の第1面32aが上隔壁161の面よりも流路側へ突出しないように設定されている。
また、サブ前フラップ32は、使用されるとき、回動によって収容部16aから移動して上隔壁161の面よりも流路側へ突出する。サブ前フラップ32の回動軸は、収容部16aの上流側端部の下方に設定されている。
例えば、図5に示すように前フラップ31が後方下向きに傾斜した姿勢をとったときには、サブ前フラップ32は自己の先端が前フラップ31の窪み部311に入り込むように回動する。このとき、サブ前フラップ32全体が収容部16aから離れると上隔壁161とサブ前フラップ32との隙間から吹出空気がバイパスするので、それを防止するためにサブ前フラップ32の後端が収容部16aに残り、上隔壁161とサブ前フラップ32との隙間の拡大を抑制している。
この後、サブ前フラップ32の第1面32aと前フラップ31の第1面31aとが気流ガイド面30aを成し、後フラップ40と共に側壁の下部に向かう気流を生成する。
(2−4)後フラップ40
後フラップ40は、図6に示すように吹出口15を塞ぐことができる程度の面積を有している。後フラップ40は、吹出口15を閉じた姿勢のときに外側の面を成す第1面40aと、内側の面を成す第2面40bとを有している。第1面32a及び第2面32bは、後フラップ40が図3及び図5の後方下向きに傾斜した姿勢をとったときには、それぞれ後面及び前面を成す。
第1面40aは、意匠性を重視して外側に凸のなだらかな円弧曲面に仕上げられている。これに対し、第2面40bは、平面40baと湾曲面40bbとを含んでおり、図5に示すように、後フラップ40の上端から下端に向かって平面40ba及び湾曲面40bbの順に配置されている。また、図5において湾曲面40bbは、半径200mm以上の前側に膨らむ湾曲面である。
後フラップ40の回動軸は、吹出口形成壁16の下隔壁162の後リブ15bに隣接する位置に設定されている。後フラップ40が、回動軸回りに図6正面視反時計方向に回動することによって、後フラップ40が吹出口15の前端から遠ざかるように動作して吹出口15を開ける。逆に、後フラップ40が、回動軸回りに図3正面視時計方向に回動することによって、後フラップ40が吹出口15の前端へ近づくように動作して吹出口15を閉じる。
後フラップ40が吹出口15を開けている状態において、吹出口15から吹き出された吹出空気は、後フラップ40の第2面40bに概ね沿って流れる。
(3)吹出空気の方向制御
本実施形態の空調室内機は、吹出空気の方向を制御する手段として、風向モードごとに前フラップ31、サブ前フラップ32及び後フラップ40の姿勢を変えて吹出空気の方向を調整している。以下、各風向モードについて図面を参照しながら説明する。なお、各風向モードは、自動的に変更されるように制御されることも、ユーザーによってリモコン等を介して選択されることもできる。
(3−1)後方下向き気流モード
後方下向き気流モードは、吹出空気を空調室内機10が設置されている側壁の下部に向けるモードである。後方下向き気流モードでは、吹出空気は、側壁の下部から床面に至り、床面に沿いながら対向する側壁に向かって流れる。
後方下向き気流モードでは、前フラップ31、サブ前フラップ32及び後フラップ40は図2、図3及び図5に示した姿勢をとる。図5で言えば、サブ前フラップ32は自己の下端を上端より前側に位置させて垂直面に対して角度α(0〜10°)だけ傾斜させる。
また、前フラップ31は自己の下端を上端よりも側壁側に位置させて垂直面に対して角度β(0〜20°)だけ傾斜する。これによって、サブ前フラップ32の第1面32aと前フラップ31の第1面31aとが前側に膨出する凸形状の気流ガイド面30aを形成する。
このときの前フラップ31の下端は、[吹出口15の後端位置から鉛直下方に突出する後リブ15b]の先端の高さ位置よりも下方に位置する。後リブ15bの先端は、吹出口15の最下端である。
一方、後フラップ40は自己の下端を上端よりも側壁側に位置させて第2面40bを垂直面に対して傾斜させる。具体的には図3に示すように、後リブ15bの先端に後フラップ40の第1面40aが接触、若しくは近接するまで後フラップ40が傾斜する。
本実施形態では、後フラップ40と後リブ15bとの隙間が一定値(5mm)以下になっているので、その隙間を空気が流れるときの通風抵抗が増大しており、吹出空気はその隙間を避けてもっと広い通路である気流ガイド面30aと第2面40bとで挟まれた風路空間に流れる。
したがって、吹出空気は、気流ガイド面30aと第2面40bとで挟まれた風路空間を通過する。その際、サブ前フラップ32に案内された吹出空気がそれよりも大きい前フラップ31に沿う。前フラップ31は自己の下端を上端よりも側壁側に位置させ垂直面に対して傾斜しているので、吹出空気を水平よりも90°以上下向きの側壁下部へ導くことができる。
また、気流ガイド面30aと第2面40bとで挟まれた風路空間を通過する吹出空気は、後リブ15bの先端(吹出口15の最下端)の高さ位置より下方に到達するまで、前方への拡散を前フラップ31に阻止された状態で当該風路空間に沿って進む。吹出空気は、当該風路空間を離れる際には後フラップ40の第2面40bに沿った気流となっているので、側壁の下部に向かう気流が十分に生成される。
さらに、吹出空気は後フラップ40の第2面40bの平面40ba及び湾曲面40bbの順に沿って流れる。湾曲面40bbは、コアンダ効果を発揮し易いように半径200mm以上に設定されているので、吹出空気は平面40baに沿った下向き気流になった後にコアンダ効果によって湾曲面40bbに引き寄せられて側壁の下部に向かう気流となる。
以上にように、前フラップ31及びサブ前フラップ32による前フラップ群30と後フラップ40とが相互に作用することによって、側壁の下部に向かう後方下向き気流が容易に生成される。
(3−2)前方下向き気流モード
前方下向き気流モードでは、サブ前フラップ32を利用するモードと利用しないモードのいずれかが自動的に又はユーザーにより選択される。
(3−2−1)サブ前フラップ32を利用するモード
図7は、サブ前フラップ32を利用する前方下向き気流モード時の空調室内機10の断面図である。また図8は、図7における前フラップ31、サブ前フラップ32及び後フラップ40の拡大断面図である。
図7及び図8において、先ず、前フラップ31が回動して、前フラップ31の第1面31aが水平よりも所定角度x1だけ下向きに傾斜する姿勢をとる。なお、第1面31aが円弧面のため角度の基準がとり難い場合には、図8に示すよう、第1面31aの両端を結ぶ線を角度の基準としてもよい。
また、サブ前フラップ32も回動して、サブ前フラップ32の第1面32aが水平よりも所定角度y1だけ下向きに傾斜する姿勢をとる。このとき、サブ前フラップ32全体が収容部16aから離れると上隔壁161とサブ前フラップ32との隙間から吹出空気がバイパスするので、それを防止するためにサブ前フラップ32の後端が収容部16aに残り、上隔壁161とサブ前フラップ32との隙間の拡大を抑制している。
さらに、後フラップ40も回動して、後フラップ40の第2面40bの平面40baが水平よりも所定角度z1だけ下向きに傾斜する姿勢をとる。
図8に示すように、前フラップ31及びサブ前フラップ32を水平方向前方から視たとき、サブ前フラップ32の前端部は、前フラップ31よりも吹出空気の流れの上流側で且つ前フラップ31の後端面より鉛直下方で、前フラップ31の後端部と寸法Lだけ重なっている。
前フラップ31、サブ前フラップ32及び両者の隙間の位置関係は、吹出空気の流れの上流側から視て、サブ前フラップ32、当該隙間、前フラップ31の順で並ぶ関係となり、当該隙間がその上流側のサブ前フラップ32によって隠れるので、吹出流路18を通過してサブ前フラップ32の第1面32aに案内された空気は、勢い、当該隙間に回らずに前フラップ31の第1面31aに流れる。その結果、当該隙間があったとしても空調空気がその隙間へバイパスすることは防止される。
上記のように、サブ前フラップ32を利用する前方下向き気流モードでは、サブ前フラップ32が上隔壁161と前フラップ31との隙間を通る気流を阻む姿勢を採り、前フラップ31の上端を境に吹出空気が前フラップ31の両面に沿って流れることを防止するので、前フラップ31の上端が通風抵抗にならない。その結果、室内ファン14の消費電力上昇、省エネ性能の低下が防止される。
また、サブ前フラップ32を利用する前方下向き気流モードは、特に冷房運転における前方下向きの吹出空気を発生させる際に有用である。なぜなら、冷却された空気が前フラップ31の第2面31b側へ流れないので、結露防止という効果を奏するからである。
本実施形態では、冷房運転において、上向きの気流を発生させる場合を除き、サブ前フラップ32を使用している。
(3−2−2)サブ前フラップ32を利用しないモード
図9は、サブ前フラップ32を利用しない前方下向き気流モード時の空調室内機10の断面図である。図9において、サブ前フラップ32は収容部16aに収容されており、サブ前フラップ32の第1面32aは、隣接する上隔壁161の延長面上に沿っており、上隔壁161に沿った空気の流れを妨げない。
サブ前フラップ32を利用しない前方下向き気流モードでは、サブ前フラップ32自身は通風抵抗にならない。しかし、サブ前フラップ32が上隔壁161と前フラップ31との隙間を通る気流を阻止できないので、前フラップ31の上端が通風抵抗になることは否めない。
(3−3)前方気流モード
前方気流モードでは、吹出空気を前方へ勢い良く送り出すサーキュレーション気流モードと、吹出空気を厚く前方へ送り出す中間気流モードが自動的に又はユーザーにより選択される。
(3−3−1)サーキュレーション気流モード
図10は、サーキュレーション気流モード時の空調室内機10の部分断面図である。図10において、前フラップ31は水平姿勢、或いは前端を水平前方に向ける姿勢をとっている。サブ前フラップ32は、収容部16aに収容されている。後フラップ40は、第2面40bの平面40baが吹出口形成壁16の下隔壁162の終端の接線の延長上に沿う傾斜姿勢をとっている。下隔壁162も下スクロール172の終端の接線の延長上に沿うように傾斜しているので、あたかも下スクロール172、下隔壁162及び平面40baが1つのスクロール壁を形成しているように並び、空気の流れは妨げられることなく後フラップ40の第2面40b上に導かれる。
サーキュレーション気流モードでは、前フラップ31の第1面31aと後フラップ40の第2面40bとの間隔が狭いので、吹出空気は絞られて流速が増し、勢い良く前方に送りだされ、空調対象空間の空気を攪拌する。その結果、空調対象空間の空気のよどみを解消することができる。
(3−3−2)中間気流モード
図11は、中間気流モード時の空調室内機10の部分断面図である。図11において、前フラップ31は前端を水平よりも上に向ける姿勢をとっている。サブ前フラップ32は、収容部16aに収容されている。後フラップ40は、第2面40bの平面40baが前方下向きに傾斜する姿勢をとっている。
一見、吹出空気は後フラップ40の平面40baに沿って前方下向きに流れるようにも思えるが、吹出口15を出た吹出空気はコアンダ効果によって前フラップ31の第1面31aに引き寄せられて水平及び水平よりもやや上向きの気流となって送り出される。
ここで、コアンダ効果とは、気体や液体の流れのそばに壁があると、流れの方向と壁の方向とが異なっていても、壁面に沿った方向に流れようとする現象である(朝倉書店「法則の辞典」)。
図11において、前フラップ31の第1面31aにコアンダ効果を生じさせるには、前フラップ31と後フラップ40とが所定の開き角度以下になる必要がある。両者の位置関係については、出願人によって平成23年9月30日に出願された特許文献(特開2013−76530)に開示されているので、ここでは説明を省略する。
(4)初期空調運転モード
本実施形態では、制御部50は、圧縮機73の起動から室内温度が設定温度の許容範囲に至るまでの初期空調運転モードとして、通常モードと能力抑制モードとを有している。
(4−1)通常起動モード
通常、空調機1では、圧縮機73の起動時、インバータの出力周波数を一定の加減速レートで目標周波数値まで増大させ、室内温度を設定温度に近づけていく。目標周波数は、起動時直前の室内温度と設定温度との差に基づき、制御部50が決定する。
(4−2)能力抑制モード
これに対し、能力抑制モードでは、圧縮機73の能力に所定上限値を設定して通常起動モードよりも圧縮機能力を抑制しながら、室内温度を設定温度に近づけていく。能力抑制は、圧縮機73に入力されるインバータ電流を制限することによって行われる。
(5)予備運転
予備運転とは、入りタイマースイッチ528がオンのときに、予備運転入/切スイッチ530がオン操作された場合、時刻が入りタイマー設定時刻になったときに室内温度が設定温度になっているように、入りタイマー設定時刻よりも早い時刻から自動的に運転を開始するものである。
図12は、予備運転のタイムチャートである。図12において、例えばユーザーは空調機1が所定の時刻(入り時刻)に自動的に暖房運転または冷房運転が開始されるように、「入り時刻tes」をリモコン52(図4参照)の入りタイマースイッチ528で設定することができる。
「入り時刻tes」は、ユーザーが入りタイマースイッチ528を操作する毎に1時間後、2時間後・・・6時間後のように順次に入り時刻が変更されるので、ユーザーは希望の時刻に近い時刻を確定すればよい。この確定した時刻は、入りタイマー設定オン時刻tesoとして記憶部54に記憶される。また、記憶部54は、直近の運転停止時刻tstpも記憶している。
制御部50は、入り時刻tesが設定され、時刻が入り時刻tesに到達したとき、運転を開始する。ここで、制御部50は、入り時刻tesが設定されているとき、予備運転入/切スイッチ530がオンになると、時刻が上記入り時刻tesに到達した時点で室温が設定温度になっているように、上記入り時刻tesよりも早い時刻(予備運転開始時刻tyus)から運転が開始される。制御部50は予備運転開始時刻tyusを決定するが、当該時刻よりも前の予備運転開始時刻の判定時刻tyusdに決定する。
本実施形態では、制御部50は、能力抑制モードで予備運転を行う。以下、フローチャートを参照しながら、予備運転の動作を説明する。
図13A及び図13Bは予備運転の制御フローチャートである。便宜上、図13Aは当該フローチャートのうちのステップS1からステップS9Aまでの流れを示しており、図13Bは当該フローチャートのうちのステップS9BからステップS13までの流れを示している。
(ステップS1)
図13Aにおいて、制御部50はステップS1で入りタイマーがオンになっているか否かを判定し、入りタイマーがオンのときはステップS2へ進み、入りタイマーがオフのときは当該判定を継続する。なお、「入りタイマーがオンになる」とは、入りタイマースイッチ528がオンになることである。
(ステップS2)
次に、制御部50はステップS2において、予備運転の開始条件が成立しているか否かを判定する。予備運転の開始条件は、以下の通りである。
第1条件として、予備運転がオンになっている必要がある。「予備運転がオンになる」とは、予備運転入/切スイッチ530がオンになることである。
第2条件として、直近の運転停止時刻tstpから入り時刻tesまでの時間(図12参照)が第1所定時間t1以上である必要がある。理由は、前回の予備運転を学習対象としているからである。
第3条件として、入りタイマー設定オン時刻tesoから入り時刻tesまでの時間(図12参照)が第2所定時間t2以上である必要がある。第2所定時間t2は、予備運転開始時刻判定時刻tyusdから入り時刻tesまでの時間(図12参照)に相当し、これ以上の時間がなければ、たとえ第2条件のtstp〜tes≧t1を充足していても、前回の予備運転を学習対象することができない。
第4条件として、実運転モードが冷房運転、除湿冷房運転、暖房運転及び加湿暖房運転のいずれかである必要がある。
制御部50は、上記第1条件から第4条件の全てが成立しているときは、予備運転の開始条件が成立したと判定しステップS3へ進み、上記第1条件から第4条件の一つでも欠けているときは、予備運転の開始条件が成立するまで判定を継続する。
(ステップS3)
次に、制御部50はステップS3において、起動時刻補正値tcor及び起動電流補正値Icorを取得する。起動時刻補正値tcor及び起動電流補正値Icorは、先の予備運転終了時に決定されるものであるが、空調機1の据付後や予備運転リセット後など初回運転に相当する場合は、起動時刻補正値tcor=0、起動電流補正値Icor=0に設定される。
(ステップS4)
次に、制御部50はステップS4において、予備運転開始時刻tyus(図12参照)を決定する。先ず、予備運転時間Y(単位:分)が、外気温度To(単位:℃)、室内温度Tr(単位:℃),設定温度Ts(単位:℃)及び起動時刻補正値tcor(単位:分)をパラメータとして、下記の[1]式に基づいて算出される。
Y=(α×To+β)×(Tr−Ts)+tcor・・・[1]
α及びβは、冷房運転、暖房運転によって異なる値を採る。
そして、図12に示すように、算出した予備運転時間Y(単位:分)だけ入り時刻tesから逆算し、予備運転開始時刻tyusを決定する。
(ステップS5)
次に、制御部50はステップS5において、初期空調運転モードのうちの「能力抑制モード」を選択する。具体的には、制御部50は、起動電流上限値初期値Iupを取得し、その起動電流上限値初期値Iupに起動電流補正値Icorを加算して起動電流上限値Iurを決定する。起動電流上限値初期値Iupは、「冷房運転」、「除湿冷房運転」、「暖房運転」、「加湿暖房運転」毎に個別の値を有している。
(ステップS6)
次に、制御部50はステップS6において、予備運転を開始する。予備運転開始時の風向はリモコン設定である。風量は自動であるが、「冷房運転・除湿冷房運転」、「暖房運転・加湿暖房運転」毎に異なる値の上限値が設定される。
予備運転は、能力抑制モードで行われるので、予備運転開始時刻tyusから入り時刻tesまでは快適性よりも省エネ性を重視した運転となる。
(ステップS7)
次に、制御部50はステップS7において、現在時刻の理想室温Trtを算出する。図14は、予備運転開始時刻tyusから入り時刻tesまでの室内温度の上昇予測を示すグラフである。図14において、予備運転開始時刻tyusから入り時刻tesまでの時間で予備運転開示時の室温Trsが設定温度Tsに向かってリニアに上昇しているとの仮定の下では、現在時刻Tcurにおける理想室温Trtは、開始時室温Trsから下記の[2]式に基づいて算出される。
Trt=Trs+(Ts−Trs)(tcur−tyus)/(tes−tyus)・・・[2]
(ステップS8)
次に、制御部50はステップS8おいて、冷房運転又は除湿冷房運転の場合、室内温度Trが理想室温Trt以上であるか否かを判定する。冷房運転又は除湿冷房運転では、室内温度Trが理想室温Trt以上ならば能力が不足しているので、このままでは入り時刻tesになっても室内温度Trが設定温度Tsの範囲内に入らないと推定する。制御部50は、Tr≧TrtであるときはステップS9Aに進み、Tr≧TrtでないときはステップS9Bに進む。
一方、暖房運転又は加湿暖房運転の場合は、室内温度Trが理想室温Trt以下であるか否かを判定する。暖房運転又は加湿暖房運転では、室内温度Trが理想室温Trt以下ならば能力が不足しているので、このままでは入り時刻tesになっても室内温度Trが設定温度Tsの範囲内に入らないと推定する。制御部50は、Tr≦TrtのときはステップS9Aに進み、Tr≦TrtでないときはステップS9Bに進む。
(ステップS9A)
制御部50は、ステップS9Aに進んだときは、起動電流上限値Iurを上昇させ、ステップS8の再判定を行う。
(ステップS9B)
制御部50は、ステップS9Bに進んだときは、時刻が入り時刻tesに到達したか否かを判定し、時刻が入り時刻tesに到達したと判定したときはステップS10へ進み、時刻が入り時刻tesに到達していないと判定したときはステップS7へ戻る。
(ステップS10)
次に、制御部50はステップS10おいて、予備運転を終了し、通常運転へ移行する。時刻が入り時刻tesに到達したことにより、制御部50は、室内温度Trが設定温度Tsの範囲内にあるか否かに拘わらず、通常運転へ移行する。
(ステップS11)
次に、制御部50はステップS11おいて、今回の予備運転時の消費電力Qnを算出する。消費電力Qnは、予備運転中の圧縮機73への入力電流、室外ファン78への入力電流を基に算出される。なお、比較に使用する消費電力Qnは、予備運転の消費電力を「予備運転開始時刻tyusの室内温度Trと設定温度との差の絶対値で除した値を用いるのが好ましい。
(ステップS12)
次に、制御部50はステップS12おいて、前回の予備運転時の消費電力Qn―1と今回の消費電力Qnとを比較して、次回の予備運転に備えて、起動時刻補正値tcor及び起動電流補正値Icorを決定する。
例えば、Qn≦Qn−1であって、今回の予備運転では最大電流を下げていた場合には、「次回は起動時刻補正値tcorを変えずに(to+0)、起動電流補正値Icorを△Iだけ下げる(Io−△I)」というような決定をする。
或いは、Qn≦Qn−1であって、今回の予備運転では開始時刻を遅めた場合には、「次回はさらに開始時刻を遅めるため起動時刻補正値tcorをさらに小さくして(to−Δt)、起動電流補正値Icorをそのまま維持する(Io+0)」というような決定をする。
他方、Qn>Qn−1であって、今回の予備運転では最大電流を下げていた場合には、「次回は開始時刻を早めるため起動時刻補正値tcorを大きく(to+△t)、起動電流補正値Icorを変えない(Io−0)」というような決定をする。
或いは、Qn>Qn−1であって、今回の予備運転では開始時刻を遅めた場合には、「次回は開始時刻を変えないように起動時刻補正値tcorを維持し(to−0)、起動電流補正値Icorを小さくする(Io−△I)」というような決定をする。
ここで、決定された起動時刻補正値tcor及び起動電流補正値Icorは、ステップS3で採用される。
(ステップS13)
次に、制御部50はステップS13において、予備運転の停止条件が成立しているか否かを判定する。予備運転の停止条件は、以下のいずれかの条件が成立することである。
第1条件として、入りタイマーがオフになっている必要がある。「入りタイマーがオフになる」とは、入りタイマースイッチ528がオフになることである。
第2条件として、予備運転がオフになっている必要がある。「予備運転がオンになる」とは、予備運転入/切スイッチ530がオフになることである。
第3条件として、実運転モードが除湿運転、加湿運転及び送風運転のいずれかである必要がある。
制御部50は、上記第1条件から第3条件のいずれかが成立しているときは、予備運転の停止条件が成立したと判定し、制御を終了する。
(6)予備運転の学習機能
(6−1)動作
ここでは、上記ステップS12で説明した予備運転の学習機能について説明する。図15は、起動時刻補正値tcor及び起動電流補正値Icorの変遷を示す説明図である。
(1回目の予備運転)
図15において、1回目の予備運転は、起動時刻補正値tcor及び起動電流補正値Icorを共に0として行われる。1回目の予備運転では、入り時刻tes到達前に室内温度Trが設定温度Tsの範囲内に入ったので、能力は十分であった。
(2回目の予備運転)
2回目の予備運転は、1回目の予備運転の能力が十分であったので、消費電力を1回目よりも低くするため起動時刻補正値tcorを0で維持したまま、起動電流補正値Icorを[0−△I]として行った。その結果、2回目の予備運転は、消費電力が1回目よりも低くなった。
(3回目の予備運転)
先の2回目の予備運転では消費電力が1回目よりも低くなったので、3回目の予備運転ではさらに省エネ運転を行うため、起動時刻補正値tcorを0で維持したまま、起動電流補正値Icorを[0−2△I]とした。その結果、3回目の予備運転では、消費電力が2回目よりも低くなった。
(4回目の予備運転)
先の3回目の予備運転では消費電力が2回目よりも低くなったので、4回目の予備運転ではさらに省エネ運転を行うため、起動時刻補正値tcorを0で維持したまま、起動電流補正値Icorを[0−3△I]とした。
しかしながら、消費電力は3回目よりも大きくなってしまった。これは、起動電流上限値Iurが下がり過ぎて、入り時刻tesになっても設定温度Tsに到達しなかったか、或いは外部環境の変化によって空調負荷が増加し、制御部50が「このままでは入り時刻tesになっても室内温度Trが設定温度Tsに到達しない」と推定して、起動電流上限値Iurを上昇させた可能性がある。
(5回目から7回目までの予備運転)
5回目の予備運転は、起動電流補正値Icorを3回目と同じ[0−2△I]へ戻して起動電流上限値Iurを上昇させ、起動時刻補正値tcorを[0+△t]として予備運転開始時刻を入り時刻tesから遠ざけて運転時間を少し長くした。その結果、4回目の予備運転では、消費電力が4回目よりも低くなった。
そこで、起動電流補正値Icorを[0−2△I]で維持したまま、起動時刻補正値tcorを前回よりも[+△t]長くすることを7回目の予備運転まで続けた。つまり、7回目の予備運転における起動時刻補正値tcorは[0+3△t]、起動電流補正値Icorは[0−2△I]である。
(8回目の予備運転)
7回目までは消費電力が前回よりも小さくなる傾向であったので、8回目の起動時刻補正値tcorを[0+4△t]とし、起動電流補正値Icorを[0−2△I]として8回目の予備運転を行った。
しかしながら、消費電力は7回目よりも大きくなった。これは、予備運転開始時刻tyusを入り時刻tesから遠ざけていくことを継続した結果、予備運転時間が長くなり過ぎたのか、或いは外部環境の変化によって空調負荷が増加し、制御部50が「このままでは入り時刻tesになっても室内温度Trが設定温度Tsに到達しない」と推定して、起動電流上限値Iurを上昇させた可能性がある。
(9回目の予備運転)
9回目の予備運転では、起動時刻補正値tcorを8回目より小さい[0+3△t]として予備運転時間を8回目よりも短くし、起動電流補正値Icorを8回目より大きい[0−△I]として起動電流上限値Iurを大きくした。その結果、消費電力は8回目よりも小さくなった。
(10回目の予備運転)
10回目の予備運転では、起動時刻補正値tcorを[0+3△t]で維持し、起動電流補正値Icorを[0]としたところ、消費電力が9回目よりも大きくなった。これは外部環境の変化によって空調負荷が増加し、制御部50が「このままでは入り時刻tesになっても室内温度Trが設定温度Tsに到達しない」と推定して、起動電流上限値Iurを上昇させた可能性がある。
(11回目の予備運転)
そこで、11回目の予備運転では、起動時刻補正値tcorを[0+2△t]として予備運転開始時刻tyusを早め、起動電流補正値Icorを9回目と同じ[0−△I]として起動電流上限値Iurを10回目よりも小さくする設定を行った。
以上のように、制御部50は学習を繰り返しながら、より消費電力が低くなる予備運転開始時刻tyus及び起動電流上限値Iurを求めて予備運転を行う。
(6−2)学習機能の効果
図16は、1回目から3回目までの予備運転について学習機能による起動電流上限値Iurの変化を示すグラフである。図16において、縦軸に起動電流、横軸に時刻をとり、予備運転開始時刻tyusから入り時刻tesまでの期間、1回目から3回目までの予備運転それぞれにおける起動電流の変化を描いている。
図16に示すように、起動電流上限値が予備運転の回数を経るごとに小さくなっていることがわかる。
図17は、1回目から3回目までの予備運転について学習機能による室内温度収束状態の変化を示すグラフである。図17において、縦軸に室内温度、横軸に時刻をとり、予備運転開始時刻tyusから入り時刻tesまでの期間、1回目から3回目までの予備運転それぞれにおける室内温度収束状態の変化を描いている。
図17に示すように、室内温度が設定温度に収束する時刻が予備運転の回数を経るごとに早くなっていることがわかる。
(7)特徴
(7−1)
空調機1では、初期空調運転時に能力抑制モードを選択することができ、通常起動モードよりも圧縮機能力を抑制することができるので、省エネ運転を実現することができるので、省エネ志向の強いユーザーにとって利便性がよい。
(7−2)
空調機1では、予備運転は入り時刻tesに室内温度Trが設定温度Tsに近づくように当該入り時刻tesより前に自動的に運転を開始するので、運転開始から当該入り時刻tesまでは居住者の快適性よりも省エネ性を優先することができる。それゆえ、ユーザーが予備運転を選択したときは、能力抑制モードで予備運転を行うことによって省エネ運転を実現することができる。
(7−3)
空調機1では、直近の予備運転時間、起動電流上限値Iurを補正して予備運転を行うので、直近の運転情報が活かされ、予備運転の都度、運転状態が省エネ運転を実現する理想状態へ収束していく。
(7−4)
空調機1では、予備運転の消費電力を前回と今回とでどちらが優れているのか比較して、次回の予備運転の予備運転時間及び/又は起動電流上限値Iurを決定するので、室内負荷に応じて消費電力を最適化することができる。
(7−5)
空調機1では、予備運転中に、何らかの要因で室内負荷が大きく変動し、補正による運転で入り時刻tesに室内温度Trが設定温度Tsに達しない可能性があっても、その判断を行った上で、制御部50が起動電流上限値Iurの制限を緩和することで対応することができる。
(7−6)
空調機1では、制御部50は、リモコン52のリセットスイッチ534の操作信号を受けたとき、記憶部54に記憶している予備運転時間及び起動電流上限値を消去するリセット機能を有している。転居等により空調機1の据付場所が変更されたときは、空調対象空間の断熱性、気密性などの違いにより室内負荷が変わるので、一旦、リセットさせることが望ましく、そのような場合に用いられる。
(8)変形例
上記実施形態では、制御部50が、冷房の予備運転中に入り時刻tes到達時に室内温度Trが設定温度Ts範囲に入るか否かを、その時点の室内温度Trが理想室温Trt以上のときには、入り時刻tes到達時に室内温度Trが設定温度範囲内に入らないと推定して、起動電流上限値Iurを上げる制御を行っている(図13AのステップS8及びステップS9A参照)。
しかし、冷房運転の場合、室内温度Trに加えて、湿度も快適性を左右する要素であるので、本変形例では、湿度条件を加えた判定を提案する。
図18は、図13AのステップS8の判定条件を変更したステップS8´を示す図である。図18において、冷房の予備運転のときは、室内温度Trが理想室温Trt以上であるか否かという判定に加えて、その判定時点の湿度が所定値Ha以上であるか否かを判定し、さらに室内熱交換器温度Thが[露点温度−補正値d]以上であるか否かを判定する。
制御部50は、室内温度Tr≧理想室温Trtと判定するか、或いは「湿度≧所定値Ha、且つ、室内熱交換器温度Th≧[露点温度−補正値d]」であると判定したときは、
「入り時刻tes(図12参照)に到達しても、室内温度Trが設定温度Tsの範囲内で、且つ、快適な湿度になる」ことはできないと判断し、ステップS9Aにおいて起動電流上限値を上昇させる。
その結果、入り時刻tesに到達したときには、室内温度Trが設定温度Tsの範囲内で、且つ、快適な湿度になる。
1 空調機
10 空調室内機
50 制御部
50a 室内側制御部
50b 室外側制御部
52 リモコン
54 記憶部
70 空調室外機
73 圧縮機
77 室外熱交換器
528 予備運転選択部
特許第2606489号公報

Claims (6)

  1. 圧縮機(73)、凝縮器、減圧機構および蒸発器の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空調機であって、
    前記圧縮機(73)の能力を制御する制御部(50)と、
    設定時刻に室内温度が設定温度に近づくように前記設定時刻より前に自動的に運転を開始させる予備運転を選択するための予備運転選択部(528)と、
    前記予備運転の時間である予備運転時間、及び前記圧縮機(73)に入力される電流値の上限である上限電流値を記憶する記憶部(54)と、
    を備え、
    前記制御部(50)は、運転開始後、室内温度を前記設定温度に近づけていく初期空調運転モードとして、
    通常初期空調運転モードと、
    前記通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制する第1初期空調運転モードと、
    を有
    前記制御部(50)は、前記予備運転が選択されたとき、前記第1初期空調運転モードで前記予備運転を行い、
    前記制御部(50)は、記憶された直近の前記予備運転時間及び/又は前記上限電流値を補正して次回の前記予備運転に用いる学習機能を有し、
    前記制御部(50)は、前記予備運転時の消費電力を演算して前記記憶部(54)に記憶させ、前回及び今回の前記予備運転時の消費電力との比較結果に基づいて、次回の前記予備運転の前記予備運転時間及び/又は前記上限電流値を決定する、
    空調機(1)。
  2. 圧縮機(73)、凝縮器、減圧機構および蒸発器の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空調機であって、
    前記圧縮機(73)の能力を制御する制御部(50)と、
    設定時刻に室内温度が設定温度に近づくように前記設定時刻より前に自動的に運転を開始させる予備運転を選択するための予備運転選択部(528)と、
    前記予備運転の時間である予備運転時間、及び前記圧縮機(73)に入力される電流値の上限である上限電流値を記憶する記憶部(54)と、
    を備え、
    前記制御部(50)は、運転開始後、室内温度を前記設定温度に近づけていく初期空調運転モードとして、
    通常初期空調運転モードと、
    前記通常初期空調運転モードよりも圧縮機能力を抑制する第1初期空調運転モードと、
    を有し、
    前記制御部(50)は、前記予備運転が選択されたとき、前記第1初期空調運転モードで前記予備運転を行い、
    前記制御部(50)は、記憶された直近の前記予備運転時間及び/又は前記上限電流値を補正して次回の前記予備運転に用いる学習機能を有し、
    前記制御部(50)は、運転停止時の室内温度、室外温度、前記設定温度及び直近の前記予備運転時間からの補正量に基づいて前記予備運転時間を演算し、
    さらに前記制御部(50)は、前記予備運転開始後の室内温度の変化から前記設定時刻における室内温度を推定する、
    空調機(1)。
  3. 前記制御部(50)は、運転停止時の室内温度、室外温度、前記設定温度及び直近の前記予備運転時間からの補正量に基づいて前記予備運転時間を演算し、
    さらに前記制御部(50)は、前記予備運転開始後の室内温度の変化から前記設定時刻における室内温度を推定する、
    請求項に記載の空調機(1)。
  4. 前記制御部(50)は、前記予備運転において前記設定時刻までに前記設定温度にならないと判断したとき、前記予備運転中に前記上限電流値の制限を解除する、
    請求項2又は請求項3に記載の空調機(1)。
  5. 前記制御部(50)は、記憶した前記予備運転時間及び前記上限電流値を消去するリセット機能をさらに有する、
    請求項に記載の空調機(1)。
  6. 前記空調機(1)は、
    前記圧縮機(73)、及び前記凝縮器又は前記蒸発器として機能する室外熱交換器(77)を搭載した空調室外機(70)と、
    前記蒸発器又は前記凝縮器として機能する室内熱交換器を搭載し、前記空調室外機(70)に冷媒連絡配管を介して接続される空調室内機(10)と、
    によって構成され、
    前記制御部(50)は、
    前記空調室外機(70)に搭載される室外側制御部(50b)と、
    前記空調室内機(10)に搭載される室内側制御部(50a)と、
    前記予備運転選択部(528)を搭載し前記室内側制御部(50a)と通信するリモコン(52)と、
    を有し、
    前記室内側制御部(50a)は、前記リモコン(52)から前記予備運転を選択する指令を受信したとき、前記室外側制御部(50b)に対し、前記第1初期空調運転モードで前記予備運転を行う指令を送信する、
    請求項から請求項のいずれか1項に記載の空調機(1)。
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