JP6295898B2 - エンジンの廃熱回収装置 - Google Patents

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Description

この発明はエンジンの廃熱回収装置、特に外周冷却型かつ常時回収型のものに関する。
冷却水の流量の不足から生じる冷却水の沸騰を防止するため、デッドソーク中にウォータポンプを駆動させるものがある(特許文献1参照)。
特開2008−202485号公報
ところで、フィンアンドプレート型の熱回収器、バイパス通路、切換弁から構成される廃熱回収装置では大型化を招くため、外周冷却型かつ常時回収型のエンジンの廃熱回収装置が開発されている。この開発中の外周冷却型かつ常時回収型の廃熱回収装置では、イグニッションキーのONからOFFへの切換に伴ってウォータポンプが停止されたとき、そのウォータポンプの停止直後に排熱回収装置の内部に貯まっている冷却水が沸騰するという問題が生じている。しかしながら、上記特許文献1の技術には、外周冷却型かつ常時回収型の廃熱回収装置について一切記載がない。
そこで本発明は、外周冷却型かつ常時回収型の廃熱回収装置であっても、排熱回収装置の内部に貯まっている冷却液の沸騰を防止し得る装置を提供することを目的とする。
本発明では、外周冷却型かつ常時回収型の廃熱回収装置を前提としている。ここで、廃熱回収装置には排気管の内部に円柱状のフィン部材を配置し、内部に冷却液が流れるウォージャケットを有する円筒状の金属管を前記フィン部材の外周に設けている。上記外周型冷却型は、排気によって温度上昇する前記フィン部材から前記ウォータジャケットを流れる冷却液に熱が伝わることでフィン部材の軸に直交する断面に温度分布が生じるものである。上記常時回収型は、前記フィン部材に排気を常時流すことで廃熱を回収するのである。そして、本発明では、前記ウォータジャケット内部の冷却液の熱容量を前記フィン部材の保持熱量以上に設定する。
本発明では、冷却液の熱容量をフィン部材の保持熱量以上に設定することで、外周冷却型かつ常時回収型の廃熱回収装置であっても、ウォータポンプ停止時に廃熱回収装置の内部に貯まっている冷却液の沸騰を防止することができる。
本発明の第1実施形態の廃熱回収装置の概略縦断面図である。 図1のX−X線断面図である。 エンジンの冷却装置の概略構成図である。 第1実施形態のエンジンの概略構成図である。 比較例の廃熱回収装置の概略構成図である。 比較例の廃熱回収装置の一部を構成する熱回収器の概略断面図である。 第1実施形態の廃熱回収装置のウォータジャケット内部冷却液への流入熱量の特性図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態のエンジンの廃熱回収装置1の概略縦断面図、図2は図1のX−X線断面図である。
本実施形態の廃熱回収装置1は外周冷却型かつ常時回収型の廃熱回収装置である。具体的には、廃熱回収装置1はフィン部材2、金属管11から構成され、排気管21に介装される。フィン部材2の全体の形状は円柱状である。フィン部材2の軸に直交する方向の断面をみると、フィン部材2には格子状(あるいはハニカム状)に仕切られた多数の空間を有している。多数の各空間は排気流れに沿う通路3として構成されている。すなわち、格子状に仕切られた多数の通路3を排気が流れると、排気から熱をもらってフィン部材2の温度が上昇する。このようにフィン部材2は排気の熱を受けると共に、受けた熱を他の部材(ここでは金属管11)に伝える役割をするものである。ここで、フィン部材2の材料としては腐食に強く耐熱性のあるステンレス鋼(SUS)を用いている。
フィン部材2の外周には円筒状の金属管11を備える。金属管11の内周12にはフィン部材2の外周4が隙間なく当接している。このため、フィン部材2が受けた熱は速やかに金属管11に伝えられる。
金属管11は排気管21を切断して取り付けられる。つまり、金属管11の軸に直交する両面13,14が排気管21の切断面22,22と当接して取り付けられている。ここで、金属管11の内径は、金属管11に隣接する排気管21,21の内径と同じにされている。
金属管11の内部には、金属管11の周方向に円筒状のウォージャケット15を形成している。これによって、ウォージャケット15はフィン部材2の外周を取り囲んでいる。ウォータジャケット15の外周16には冷却液(例えば冷却水やクーラント液)の入口17と出口18が設けられている。ウォータポンプ36(図3参照)が駆動されると、このウォータポンプにより圧送される冷却液が入口17からウォータジャケット15の内部に流入し、出口18から流出する。
排気管を流れる排気によって温度上昇するフィン部材2からフィン部材2の外周にある金属管11に、さらにはウォータジャケット15内部の冷却液へと熱が伝わる。これによって、高温側のフィン部材2と低温側の冷却液との間で熱交換が行われる。フィン材2とウォータジャケット15内部の冷却液との間で熱交換が行われるとき、フィン部材2の軸心部5で最も温度が高くなり軸心部5から放射状に外周部6に向かうにつれて温度が低下する温度分布が生じる。このように、円柱状のフィン部材2の外周に冷却液を流す本実施形態の排熱回収装置1では、フィン部材2の外周が冷却されるので、「外周冷却型」といわれる。
上記円筒状のフィン部材2を排気管21の内部に設けると、通路3を仕切る壁が通気抵抗となりフィン部材2の前後で圧力損失が生じる。本実施形態では、通路3を仕切る壁を可能な限り薄く形成することで通気抵抗を小さくし、圧力損失が大きくなることがないようにしている。このため、エンジンの低負荷から高負荷までの全域でフィン部材2に排気を流すことが可能となっている。このように、本実施形態の排熱回収装置1では、フィン部材2に排気を常時流すことで廃熱を回収するので、「常時回収型」といわれる。
このように構成される廃熱回収装置1はエンジンの冷却装置31の一部を構成している。これについて説明すると、図3はエンジンの冷却装置31の概略構成図である。冷却装置31は、ラジエータ32、エンジンのウォータジャケット33、これらを連通する冷却液通路24,35、ウォータポンプ36、ラジエータ32をバイパスするバイパス通路37、サーモスタット38から構成される。本実施形態の廃熱回収装置1は、例えばウォータポンプ36下流の冷却液通路34に介装される。
エンジンの冷間始動直後でエンジンの暖機完了前にはサーモスタット38が閉じられているために、冷却液がバイパス通路37を流れる。この場合に、エンジンの冷間始動直後の排気流量が少ない低負荷域では、廃熱回収装置1において排気との熱交換で温度上昇した冷却液がエンジンのウォータジャケット33に流れる。これによって、冷却装置31に本実施形態の廃熱回収装置1を有しないエンジンの場合よりエンジンの暖機完了を早めることができる。
次に、本実施形態の廃熱回収装置1を設ける位置を説明すると、図4はエンジンの概略構成図である。エンジン19は例えばガソリンエンジンである。エンジン19の排気通路は、排気マニホールド20、排気管21で構成されている。排気マニホードル20集合部の直ぐ下流にはマニホールド触媒22が、エンジン19が搭載される車両の床下にはメイン触媒23が設けられている。本実施形態の廃熱回収装置1は例えばメイン触媒23下流の排気管21に設けられる。触媒22,23は活性温度にまで上昇しないと、排気中の有害成分を無害化できない。このため、エンジン19の廃熱を触媒22,23の活性化に利用し、その後に残る排気の熱を本実施形態の排熱回収装置1でさらに回収するわけである。
次に、本実施形態の廃熱回収装置1が必要になった理由を説明する。
図5は比較例の廃熱回収装置41の概略構成図、図6は廃熱回収装置41の一部を構成する熱回収器42の概略断面図である。比較例の廃熱回収装置41では、排気管21に熱回収器42を設けている。熱回収器42はフィンアンドプレート型といわれるもので、排気管21の内部に設けられる。熱回収器42は図6に示したように冷却液通路43,44a,44b,44c,44d,45とフィン46から構成されている。すなわち、一本の冷却液通路43が、入口で複数(例えば4つ)の冷却液通路44a,44b,44c,44dに分岐され、その後、一本の冷却液通路45に合流している。4つの各冷却液通路44a,44b,44c,44dの周囲には上下方向に波打つ波板状のフィン46が左右方向に並列的に5つ設けられている。この並列的に5つ設けられるフィン46の間を排気が紙面に直交する方向に流れる。ここで、各フィン46の材料としては腐食に強く耐熱性のあるステンレス鋼(SUS)が用いられている。
フィンアンドプレート型の熱回収器42では、波板状のフィン46の5つの列の直ぐ近くを分岐された各冷却液通路44a,44b,44c,44dが走り、各冷却液通路を冷却液が流れている。このように、フィン46の5つの列の直ぐ近くに冷却液が存在するので、フィン46の温度がそもそもあまり上がらないという特徴を有している。本発明で問題としているのは、イグニッションキーのONからOFFへの切換に伴ってウォータポンプ36が停止されたとき、そのウォータポンプ36の停止直後にウォータジャケット15内部の冷却液が沸騰することである。この冷却液の沸騰を簡単に「キーオフ沸騰」というとすると、キーオフ沸騰は、ウォータポンプ36を止めたときに、フィン部材2が有している保持熱量がウォータジャケット15内部の冷却液に移っていくことで生じる。つまり、ウォータジャケット15内部の冷却液が沸騰するか否かは基本的にはフィン部材2の保持熱量で決まる。このため、フィンアンドプレート型の熱回収器42だと、フィン46に熱がそもそも保持されないので、キーオフ沸騰は起こりにくい。 一方、本実施形態の排熱回収装置1では、フィン部材2の外周部6は冷却液の温度に近いものの、フィン部材2の軸心部5は排気温度に近い温度まで上昇している(温度分布が生じている)。つまり、軸心部5には高温の熱が蓄えられた状態となっているため、ウォータポンプ36の停止と同時に高温部から低温部への熱移動が起こり、これによって、キーオフ沸騰が起こりやすいのである。
図5に示したように、熱回収器42の上流から分岐し熱回収器42の下流に合流するバイパスする通路51が設けられ、バイパス通路51の分岐部に切換弁52を備える。切換弁52は、エンジンコントローラ55からの信号に応動し、排気の流れを排気管21とバイパス通路51のいずれかに切換えるためのものである。
排気流量が少ない領域(低負荷の領域)では、エンジンコントローラ55が切換弁52を切換えて排気の全量を排気管21に流す。すると、排気によって温度上昇する並列的に設けられた5つのフィン46と4つの各冷却液通路44a,44b,44c,44dを流れる冷却液との間で熱交換が行われ、冷却液の温度が上昇する(廃熱を回収する)。
ラジエータ32には耐熱温度が定められているため、比較例の廃熱回収装置41では、廃熱回収装置41により冷却液を加熱したくない場合がある。例えば、排気流量が多くなり(高負荷となり)廃熱回収装置41により冷却液に回収した熱で冷却液がラジエータ32の耐熱温度を超えることがあれば、ラジエータ32の性能に悪い影響を及ぼす。
そこで、排気流量が多くなる(高負荷となる)と、エンジンコントローラ55が切換弁52を切換えて排気の全量をバイパス通路51に流す。これによって、廃熱回収装置41により廃熱を回収しないようにして熱回収器42の出口(45)の冷却液温度が高くなり過ぎないようにするのである。
しかしながら、比較例の廃熱回収装置41では、バイパス通路51と切換弁52を追加しなければならないため、廃熱回収装置41が大型化し、あるいはコストが上昇するという問題がある。
比較例の廃熱排熱回収装置41に対して小型化するためには、バイパス通路51及び切換弁52を無くすことである。そこで、本実施形態では、図1,図2に示した構造の外周冷却型かつ常時回収型の廃熱回収装置として、バイパス通路51及び切換弁52を無くしたわけである。
さらに説明すると、横軸を排気流量、縦軸を熱回収効率とした特性を考えると、排気流量が小さい領域(低負荷)では冷間始動後のエンジンの早期暖機のため、熱回収効率を高くしたい。一方、排気流量が大きい領域(高負荷)では熱回収は必要ないので、熱回収効率を低くしたい。このように考えると、排気流量が相対的に小さい領域で熱回収効率が相対的に高く、排気流量が相対的に大きい領域で熱回収効率が相対的に低くなる特性が望みの特性である。このため、バイパス通路51に排気の全量を流しているときのモードと、排気管21に排気の全量を流しているときのモードとの2つのモードが比較例の廃熱回収装置41にはあり、この2つのモードを切換えることで、望みの特性を得ていたわけである。
これに対して、本実施形態の廃熱回収装置1では、排気流量が相対的に小さい領域で熱回収効率が相対的に高く、排気流量が増えるほど熱回収効率が低下していく特性が得られている。本実施形態の廃熱回収装置1によれば、1つだけの特性で望みの特性を得ることができるのである。
廃熱回収装置でもう一つ考えなければならないのは圧力損失である。比較例の廃熱回収装置41では、4つの各冷却液通路44a〜44dが排気管21の内部を走り、この各冷却液通路44a〜44dが通気抵抗となっているので、排気流量が増えるほど熱回収器42の圧力損失が大きくなる。このため、圧力損失が大きくなる高負荷域では切換弁52を切換えて排気の全量をバイパス通路51に流すことで圧力損失が多くなることがないようにしていた。これに対して、本実施形態の廃熱回収装置41では圧力損失を抑えるため、通路3を仕切る壁を可能な限り薄く形成している。このため、排気流量が増えても、圧力損失が大きくなることはない。このように、本実施形態の排熱回収装置1を、外周冷却型かつ常時回収型とすることで、廃熱回収装置1の小型化が可能となっている。
しかしながら、本実施形態では排熱回収装置1を外周冷却型かつ常時回収型としたことで新たな問題が生じている。すなわち、イグニッションキーのONからOFFへの切換に伴ってウォータポンプ36が停止されたとき、そのウォータポンプ36の停止直後にウォータジャケット15内部の冷却液が沸騰する(キーオフ沸騰が生じる)という問題が生じている。
キーオフ沸騰が生じるメカニズムは次の通りである。すなわち、ウォータポンプ36を停止したとき、ウォータジャケット15内部の冷却液は静止した状態となる。ウォータポンプ36を停止したタイミングでは、フィン部材2の外周部6は冷却液とほぼ同じ温度(相対的低い温度)となっている。一方、フィン部材2の軸心部5はエンジン停止の直前まで排気に晒されていたため、排気温度と同じ高温の状態(相対的に高い温度)にある。このように、フィン部材2に軸心部5から放射状に外周部6に向かう温度分布があると、熱は高温側の軸心部5から低温側の外周部6に伝えられる。ウォータポンプ36を停止したとき、フィン部材2の軸心部5に貯まっている熱がフィン部材2の外周部6、つまりウォータジャケット15内部の冷却液へと移動することによって、ウォータジャケット15内部の冷却液を加熱し沸騰させることとなる。
熱の移動をさらに説明する。図7は本実施形態の廃熱回収装置1のウォータジャケット15内部冷却液への流入熱量の特性図である。図7では横軸にウォータポンプ36を停止してからの経過時間を、縦軸にウォータジャケット15内部の冷却液への流入熱量[J/s]を採っている。図7に示したように、t1のタイミングでウォータポンプ36を停止した直後にフィン部材2の有する保持熱量の分がウォータジャケット15内部の冷却液に流入する。図7でt1からt2までの期間の面積分(ハッチング部参照)が、ウォータジャケット15内部の冷却液に流入する熱量の合計である。なお、フィン部材2の有する保持熱量の流入が一段落するt2のタイミングからは、フィン部材2の有する保持熱量の流入の後には周辺部品からの熱量分の流入がだらだらと続く。ここで、熱伝導性の高い金属管11の温度はウォータジャケット15内部の冷却液と同じであるので、ここでいう周辺部品とは、金属管11に隣接する排気管21のことである。このように、フィン部材2の有する保持熱量の流入のほうが圧倒的であるので、フィン部材2の有する保持熱量の分がウォータジャケット15内部の冷却液に流入する対策を立てない限り、ウォータジャケット15内部の冷却液の沸騰を避けることができない。
そこで本実施形態では、ウォータポンプ36を停止したタイミングでウォータジャケット15内部の冷却液の熱容量をフィン部材2が保持する熱量以上に設定する。以下、具体的に説明する。ウォータジャケット15内部の冷却液の質量(マス)をm[g]、冷却液の比熱をc[J/g・K]、冷却液の沸点をTboil[K]、ウォータポンプ36停止時の冷却液の温度をTw[K]とすると、冷却液の沸騰までの熱量Hmas1[J]は、次の式で与えられる。
Hmas1=m×c×(Tboil−Tw) …(1)
一方、フィン部材2の質量をM[g]、フィン部材2の比熱をC[J/g・K]、フィン部材2の平均温度をTwall[K]とすると、冷却液が沸騰するまでのフィン部材2の保持熱量Hmas2[J]は、次の式で与えられる。
Hmas2=M×C×(Twall−Tboil) …(2)
ここで、ウォータジャケット15内部の冷却液が沸騰しないようにするには次の2つの選択枝がある。
選択枝1:(1)式の熱量Hmas1を(2)式の保持熱量Hmas2より大きくする。
選択枝2:(2)式の保持熱量Hmas2を(1)式の熱量Hmas1より小さくする。
ここで、エンジンを対象とする場合には、冷却液を用いざるを得ないので、上記(1)式の比熱c、沸点tboil、温度twは変えようがない。よって、上記(1)式で変え得るのは、(1)式の冷却液の質量mのみである。
一方、廃熱回収装置1の性能面から廃熱回収装置1のサイズ、つまり上記(2)式の質量Mは決まってしまう。よって、上記(2)式で変え得るのは、(2)式の比熱Cまたは温度Twallである。
そこで、第1実施形態では、上記(1)式の熱量Hmas1が上記(2)式の保持熱量Hmas2より大きくなるようにウォータジャケット15内部の冷却液の質量mを大きくすることによって、ウォータジャケット15内部の冷却液の沸騰を回避する。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態では、外周冷却型かつ常時回収型の廃熱回収装置を前提としている。ここで、廃熱回収装置1には排気管21の内部に円柱状のフィン部材2を配置し、内部に冷却液が流れるウォージャケット15を有する円筒状の金属管11をフィン部材2の外周に設けている。上記外周型冷却型は、排気によって温度上昇するフィン部材2からウォータジャケット15を流れる冷却液に熱が伝わることでフィン部材2の軸に直交する断面に温度分布が生じるものである。上記常時回収型は、外周冷却型であって、フィン部材2に排気を常時流すものである。そして、本実施形態では、ウォータジャケット15内部の冷却液の熱容量をフィン部材2の保持熱量以上に設定する。これによって、本実施形態では、外周冷却型かつ常時回収型の廃熱回収装置であっても、ウォータポンプ36の停止時に廃熱回収装置の内部に貯まっている冷却液の沸騰を防止することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、フィン部材2の材料としてステンレス鋼(SUS)を用いると共に、ウォータジャケット15内部の冷却液の熱容量をフィン部材2の保持熱量以上に設定した。これは、ウォータポンプ36停止直後にウォータジャケット15内部の冷却液が沸騰しないようにする受熱側からのアプローチであった。
一方、第2実施形態は、ウォータポンプ36停止直後にウォータジャケット15内部の冷却液が沸騰しないようにする出熱側からのアプローチである。すなわち、前述したように上記(2)式で変え得るのは、(2)式の比熱Cまたは温度Twallであった。そこで、第2実施形態では、上記(2)式の保持熱量Hmas2が上記(1)式の熱量Hmas1より小さくなるようにフィン部材2に用いる材料の単位体積当たりの比熱C’[J/m3・K]をステンレス鋼(SUS)より小さくする。これによって、ウォータジャケット15内部の冷却液の沸騰を回避する。
具体的には単位体積当たりの比熱C’がステンレス鋼(SUS)より小さいセラミクスをフィン部材2に用いる。ここで、単位体積当たりの比熱C’がステンレス鋼(SUS)より小さいセラミクスとしては、SiC(炭化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)、コージェライト等がある。ただし、これらの材料に限定されるものでない。なお、第1実施形態ではフィン部材2の比熱Cの単位は[J/g・K]、つまり単位質量当たりの比熱であったが、第2実施形態ではフィン部材2について単位体積当たりの比熱C’を考えている。
第2実施形態では、フィン部材2の体積が同じでも、材料をステンレス鋼からセラミクスに変更することによって、単位体積当たりの比熱C’がステンレス鋼より小さくなる。両者の単位体積当たりの比熱C’の差の分だけフィン部材2の保持熱量を低減することが可能となる。
第2実施形態では、フィン部材2に単位体積当たりの比熱C’がステンレス鋼より小さいセラミックスを用いるので、上記(2)式の保持熱量Hmas2が上記(1)式の熱量Hmas1より小さくなる。これによって、第2実施形態においても、ウォータポンプ36の停止時に廃熱回収装置1の内部に貯まっている冷却液の沸騰を防止することができる。また、第2実施形態では、フィン部材2の保持熱量が低減する分だけ、ウォータジャケット15内部の冷却液の容量を節減できる。
(第3実施形態)
第3実施形態も、ウォータポンプ36停止直後にウォータジャケット15内部の冷却液が沸騰しないようにする出熱側からのアプローチである。すなわち、前述したように上記(2)式で変え得るのは、(2)式の比熱Cまたは温度Twallであった。そこで、第3実施形態では、上記(2)式の保持熱量Hmas2が上記(1)式の熱量Hmas1より小さくなるようにフィン部材2に用いる材料の熱伝導率κ[W/m・K]をステンレス鋼(SUS)より大きくする。これによって、ウォータジャケット15内部の冷却液の沸騰を回避する。
具体的には熱伝導率κがステンレス鋼(SUS)より大きい構造用セラミクスをフィン部材2に用いる。ここで、熱伝導率κがステンレス鋼(SUS)より大きい構造用セラミクスとしては、SiC(炭化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)等がある。ただし、これらの材料に限定されるものでない。
第3実施形態では、フィン部材2の体積が同じでも、材料をステンレス鋼から構造用セラミクスに変更することによって、熱伝導率κがステンレス鋼より大きくなる。両者の熱伝導率κの差の分だけフィン部材2の温度Twallが低下する。これによって、フィン部材2の保持熱量が低減することが可能となる。
第3実施形態では、フィン部材に熱伝導率がステンレス鋼より大きい構造用セラミックスを用いるので、上記(2)式の保持熱量Hmas2が上記(1)式の熱量Hmas1より小さくなる。これによって、第3実施形態においても、ウォータポンプ36の停止時に廃熱回収装置1の内部に貯まっている冷却液の沸騰を防止することができる。また、第3実施形態でも、フィン部材2の保持熱量が低減する分だけ、ウォータジャケット15内部の冷却液の容量を節減できる。
第2実施形態と第3実施形態のいずれかと第1実施形態とを組み合わせてもかまわない。
実施形態では、フィン部材5が排気管21の断面の全てを覆うように設けられているが、フィン部材5が排気管21の断面の全てを覆っていることは必ずしも必要ない。要は、排気によって温度上昇するフィン部材2からウォータジャケット15内部の冷却液に熱が伝わることでフィン部材2の軸に直交する断面にフィン部材2の軸心部5から放射状に外周部6に向かう温度分布が生じることが必須である。この温度分布が生じる外周冷却型かつ常時回収型の排熱回収装置であれば、フィン部材5が排気管21の断面の全てを覆っていなくても本発明の適用がある。
実施形態では、対象とするエンジンがガソリンエンジンである場合で説明したが、ディーゼルエンジンである場合にも本発明の適用がある。
1 廃熱回収装置
2 フィン部材
5 軸心部
6 外周部
11 金属管
15 ウォータジャケット
21 排気管

Claims (3)

  1. 排気管の内部に円柱状のフィン部材を配置し、
    内部に冷却液が流れるウォージャケットを有する円筒状の金属管を前記フィン部材の外周に設け、
    排気によって温度上昇する前記フィン部材から前記ウォータジャケットを流れる冷却液に熱が伝わることでフィン部材の軸に直交する断面に温度分布が生じる外周冷却型であって、前記フィン部材に排気を常時流すことで廃熱を回収する常時回収型の廃熱回収装置において、
    前記ウォータジャケット内部の冷却液の熱容量を前記フィン部材の保持熱量以上に設定することを特徴とするエンジンの廃熱回収装置。
  2. 前記フィン部材に体積当たりの比熱がステンレス鋼より小さい構造用セラミックスを用いることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの廃熱回収装置。
  3. 前記フィン部材に熱伝導率がステンレス鋼より大きい構造用セラミックスを用いることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの廃熱回収装置。
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