JP6295401B2 - ガラス壜の検査装置 - Google Patents
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Description
上述したビリはガラス壜の破損の原因になるため壜口部を撮像することによりビリの有無を検出し、ビリがあるガラス壜を不良壜として排除するようにしている。
また、本発明は、予め撮影した良品のガラス壜の画像に基づいて基準画像となる適切なテンプレートを作成しておき、検査対象のガラス壜の画像を得て、この得られた画像をテンプレートと比較してガラス壜の良否の検査を行うガラス壜の検査装置を提供することを目的とする。
なお、ガラス壜の特定部位の前記特定範囲に、制限された一部の光のみが入射するようにした場合でも、制限された一部の光のみがカメラに入射して限られた画像部分のみが明るく光るため、画像処理装置は、画像中に、前記限られた画像部分を除いて検査範囲を設定すれば、ビリ欠陥を適切に検出できる。
本発明によれば、良品のガラス壜を連続して撮影した原画像から、差分画像を順次生成する。すなわち、撮影した原画像と次のタイミングで撮影した原画像を重ね合わせ、それぞれの画素値を引き算し、絶対値を画素値としたものが差分画像となる。そして、作成された差分画像を重ね合わせることによりテンプレートを作成する。
本発明によれば、2台の照明が光軸を挟んで左右対称に配置されているため、2台の照明からの光がビリの亀裂面で左右どちらに反射してもカメラで撮像できる。また、2台の照明に対応して2台の遮蔽物が配置されているため、2台の照明のいずれが点灯した場合においても前記特定範囲からの反射光がカメラに入射することがない。
本発明によれば、照明ごとに異なるテンプレートを作成するため、照明に応じて異なる領域を適切に検査することができる。
(1)ガラス壜の特定部位の特定範囲に入射し、該特定範囲で反射してカメラに入射する光の少なくとも一部を遮断することにより、壜口部や壜胴部等の特定部位にあるビリ欠陥をカメラで得られた画像から適切に検出することができる。
(2)特定範囲で反射した反射光の影響を受けないテンプレートを作成することにより、この特定範囲近傍のビリを適切に検出することができる。
(3)予め撮影した良品のガラス壜の画像に基づいて基準画像となるテンプレートを作成しておき、検査対象のガラス壜の画像を得て、この得られた画像をテンプレートと比較してガラス壜の良否の判定を高速で行うことができる。
(4)基準画像となるテンプレートに検査後に良品と判定されたガラス壜の画像データのみを追加してテンプレートを補正または更新していくことができる。
(5)検査対象のガラス壜を自転させてガラス壜を連続して撮影した原画像から差分画像を順次作成し、差分画像とテンプレートとを比較してガラス壜の良否の判定を行うとともに検査対象のガラス壜の検査1回分で得られた全ての差分画像を合成して差分合成画像を作成することができる。差分画像とテンプレート画像は全く違う形をしているが、差分合成画像とテンプレートは、ほぼ同じ形をしているため、面積計算や周囲長などの特徴検査も可能となる。
(1)新規テンプレートの作成工程
まず、所定数の良壜のみを撮影して新規テンプレートを作成する工程を説明する。照明LED1又はLED2からの光は、壜台3に載置されたガラス壜1の壜口部2の上方から壜口内に入射する。壜口内に入射した光は壜口部2を透過及び/又は反射して壜口部2の斜め上方に配置されたカメラCAM1により撮影される。このとき、壜台3によってガラス壜1を回転(自転)させながら、カメラCAM1により壜口部2を連続して撮影し多数の原画像を得る。コントローラ4に設けられた画像処理装置は、上記撮像工程と併行して、図4に示すように、連続して撮影した2枚の原画像から、差分画像を順次生成する。すなわち、撮影した原画像と次のタイミングで撮影した原画像を重ね合わせ、それぞれの画素値を引き算し、絶対値を画素値としたものが差分画像となる。この場合、壜口部2の全周を連続して撮影した原画像から多数の差分画像を得る。例えば、1回の検査で差分画像は約200〜400枚ほど生成される。
良壜のみから作成された新規テンプレートを用いて、ガラス壜の製造工程において実際に製造されたガラス壜の検査を行う。
図2に示すガラス壜の検査装置によって、検査対象のガラス壜1を自転させつつガラス壜1の壜口部2を連続して撮影し多数の原画像を得る。コントローラ4に設けられた画像処理装置は、上記撮像工程と併行して、図6に示すように、連続して撮影した2枚の原画像から、差分画像を順次生成する。すなわち、撮影した原画像と次のタイミングで撮影した原画像を重ね合わせ、それぞれの画素値を引き算し、絶対値を画素値としたものが差分画像となる。例えば、1回の検査で差分画像は約200〜400枚ほど生成される。
(3)テンプレートの更新
検査1回分で得られた図8に示す差分合成画像が良壜のものであった場合(すなわち、図7に示す比較工程において検査1回分の全ての差分画像が良壜のものと判定された場合)、画像処理装置は、図9に示すように、差分合成画像を仮テンプレートとして合成する。これに対して、検査1回分で得られた差分合成画像が不良壜のものであった場合(すなわち、図7に示す比較工程において検査1回分の差分画像のうち1つでも不良壜のものと判定された場合)、差分合成画像は仮テンプレートとして合成されることはない。このように良壜から得られた仮テンプレートは、図10に示すように、これまで検査に用いたテンプレートに追加データとして合成される。仮テンプレートを追加データとして合成する場合、加工して合成してもよいし、そのまま合成してもよい。したがって、本発明をガラス壜製造工場において用いる場合には、ガラス壜の製造を行いながら、予め良品に基づいて作成されたテンプレートに新たに製造された良品のガラス壜のデータを追加してテンプレートを補正または更新していくことができ、製造ラインの稼働状況に対応したテンプレート(画像)にすることができる。こうして、補正または更新されたテンプレートを用いて次のガラス壜を検査することができる。
図13及び図14において、調整用原画像は、縦びりの存在するガラス壜を撮影した画像であり、ガラス壜の自転により縦びりの位置が変化している。図13において、上の画像は縦びりが正面にある場合の各画像であり、下の画像は縦びりが正面から+6°移動した位置にあるときの各画像である。図14において、上の画像は縦びりが正面から+12°移動した位置にあるときに得られる各画像であり、下の画像は縦びりが正面から+18°移動した位置にあるときに得られる各画像である。図15は差分合成画像の一例を示す。
図24に示す例では、照明LED1の中心から壜口部2に向かう照明光(矢印付実線で示す)は、カメラCAM1の光軸Cxが壜口部2と交叉する位置よりやや右側の位置で壜口部2に投光(交叉)するように設定されている。ここで、角度θは、20度から60度に設定されている。図24に示す構成により、照明LED1,LED2からの光がビリの亀裂面で左右どちらに反射してもカメラCAM1で撮像できるようになっている。照明LED1,LED2には赤色LED照明から構成されており、カメラCAM1はCCDカメラから構成されている。
図示例では、遮蔽物5−1,5−2を照明LED1,LED2にそれぞれ固定したが、遮蔽物5−1,5−2を照明LED1,LED2から離間させてもよい。この場合、遮蔽物5−1,5−2を照明とガラス壜との間で支持する支持部材が設置される。また、遮蔽物5−1,5−2は板状以外の形状、例えば弧状であってもよい。また、遮蔽物5−1,5−2は反射を防止する黒色樹脂材から形成されてもよい。
図26(a)に示すように、遮蔽物を設置しない場合には、画像の左側の楕円状の点線内に現れているように、壜口部2の特定範囲からの反射光が明るい画像部分になっている。画像の右側の点線の円内に現れているように、ビリ欠陥からの反射光が明るい画像部分になっている。
図26(b)に示すように、遮蔽物5−1を設置した場合には、画像の左側の楕円状の点線内に現れているように、壜口部2の特定範囲からの反射光がないため暗い画像部分になっている。画像の右側の点線の円内に現れているように、ビリ欠陥からの反射光が明るい画像部分になっている。図26(b)に示す画像では、暗い背景の中にビリ欠陥からの反射光により明るい画像部分が形成されるため、画像処理装置は、暗い背景の中に明るい画素領域を識別することにより、ビリ欠陥を適切に検出することができる。したがって、ビリ欠陥の見逃しを抑えることができるとともに、ビリ欠陥をテンプレートに頼ることなく検出できる。
図27は、ガラス壜の壜胴部6のビリ欠陥を検出するガラス壜の検査装置を示す平面図である。図27に示すように、2台の照明LED1,LED2と、1台のカメラCAM1と、遮蔽物5−1,5−2の構成は、図24と同様である。ただし、照明LED1,LED2は、壜胴部6を斜め上方または側方から照明している。図27には、遮蔽物5−1がないと光る部分が点線で示されている。遮蔽物5−1は、照明LED1から壜胴部6の外周面に入射して該外周面で反射してカメラCAM1に入射する光および照明LED1から壜胴部6の内周面の裏面に入射して該裏面で反射してカメラCAM1に入射する光の少なくとも一方を遮断するように配置されている。図27に示すように構成されたガラス壜の検査装置によって、壜胴部6にあるビリ欠陥も、図24に示すガラス壜の検査装置と同様の作用で検出することができる。
2 壜口部
2n ねじ部
2s スカート部
3 壜台
4 コントローラ
5−1,5−2 遮蔽物
6 壜胴部
Cx 軸心
CAM1 カメラ
LED1,LED2 照明
Claims (11)
- ガラス壜の特定部位を撮像し、得られた画像から特定部位のビリを検出するガラス壜の検査装置であって、
ガラス壜の特定部位に投光する照明と、
ガラス壜の特定部位を撮像するカメラと、
前記照明から特定部位に投光される光の一部を遮る遮蔽物と、
前記カメラで得られた画像を処理して特定部位のビリを検出する画像処理装置とを備え、
前記遮蔽物は、前記照明から特定部位の面に入射して該面で反射して前記カメラに入射する光の少なくとも一部を遮断するように配置され、
前記画像処理装置は、前記カメラで得られた画像を処理して基準画像となるテンプレートを作成しておき、検査対象のガラス壜の画像を前記テンプレートと比較して特定部位のビリを検出し、
前記画像処理装置は、
自転する検査対象のガラス壜を連続して撮影した原画像から差分画像を順次作成し、
前記差分画像と前記テンプレートとを比較してガラス壜の良否の判定を行うとともに検査対象のガラス壜の検査1回分で得られた全ての差分画像を合成して差分合成画像を作成し、
前記ガラス壜の検査1回分の全ての差分画像が良品のガラス壜のものと判定された場合に前記差分合成画像を仮テンプレートとし、
前記仮テンプレートを用いて前記テンプレートを補正することを特徴とするガラス壜の検査装置。 - ガラス壜の特定部位を撮像し、得られた画像から特定部位のビリを検出するガラス壜の検査装置であって、
ガラス壜の特定部位に投光する照明と、
ガラス壜の特定部位を撮像するカメラと、
前記照明から特定部位に投光される光の一部を遮る遮蔽物と、
前記カメラで得られた画像を処理して特定部位のビリを検出する画像処理装置とを備え、
前記遮蔽物は、前記照明から特定部位の面に入射して該面で反射して前記カメラに入射する光の少なくとも一部を遮断するように配置され、
前記画像処理装置は、前記カメラで得られた画像を処理して基準画像となるテンプレートを作成しておき、検査対象のガラス壜の画像を前記テンプレートと比較して特定部位のビリを検出し、
前記画像処理装置は、
自転する検査対象のガラス壜を連続して撮影した原画像又はこの原画像から作成された比較用画像と前記テンプレートとを比較してガラス壜の良否の判定を行うとともに検査対象のガラス壜の検査1回分で得られた全ての原画像又は比較用画像を合成して合成画像を作成し、
前記ガラス壜の検査1回分の全ての原画像又は比較用画像が良品のガラス壜のものと判定された場合に前記合成画像を仮テンプレートとし、
前記仮テンプレートを用いて前記テンプレートを補正することを特徴とするガラス壜の検査装置。 - 前記画像処理装置は、所定数の良品のガラス壜を連続して撮影した原画像から差分画像を順次作成し、作成された差分画像を重ね合わせることにより前記テンプレートを作成することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス壜の検査装置。
- 前記画像処理装置は、前記仮テンプレートを追加データとして前記テンプレートに合成することにより、前記テンプレートを補正することを特徴とする請求項1または2に記載のガラス壜の検査装置。
- 前記照明は1台のカメラに対して2台配置され、前記2台の照明は前記カメラの光軸に対して左右対称の位置に配置され、前記遮蔽物は前記2台の照明に対応して2台配置され、前記2台の遮蔽物は前記カメラの光軸に対して左右対称の位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガラス壜の検査装置。
- 前記2台の照明は、交互に点灯し、
前記1台のカメラは、前記2台の照明の点灯と同期して撮像し、
前記画像処理装置は、照明ごとに区分して前記テンプレートを作成することを特徴とする請求項5に記載のガラス壜の検査装置。 - 前記画像処理装置は、前記カメラで得られた画像における画素の明るさを用いて特定部位のビリを検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガラス壜の検査装置。
- 前記特定部位は壜口部であり、
前記照明は、ガラス壜の壜口部の斜め上方または側方に配置されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のガラス壜の検査装置。 - ガラス壜の特定部位を撮像し、得られた画像から特定部位のビリを検出するガラス壜の検査装置であって、
ガラス壜の特定部位に投光する照明と、
ガラス壜の特定部位を撮像するカメラと、
前記照明から特定部位に投光される光の一部を遮る遮蔽物と、
前記カメラで得られた画像を処理して特定部位のビリを検出する画像処理装置とを備え、
前記遮蔽物は、前記照明から特定部位の面に入射して該面で反射して前記カメラに入射する光の少なくとも一部を遮断するように配置され、
前記特定部位は壜口部であり、
前記照明は、ガラス壜の壜口部の斜め上方または側方に配置され、
前記カメラは、ガラス壜を挟んで前記照明と反対側に配置され、
前記遮蔽物は、前記照明から壜口部の内周面に入射して該内周面で反射して前記カメラに入射する光および前記照明から壜口部の外周面の裏面に入射して該裏面で反射して前記カメラに入射する光の少なくとも一方を遮断するように配置されることを特徴とするガラス壜の検査装置。 - ガラス壜の特定部位を撮像し、得られた画像から特定部位のビリを検出するガラス壜の検査装置であって、
ガラス壜の特定部位に投光する照明と、
ガラス壜の特定部位を撮像するカメラと、
前記照明から特定部位に投光される光の一部を遮る遮蔽物と、
前記カメラで得られた画像を処理して特定部位のビリを検出する画像処理装置とを備え、
前記遮蔽物は、前記照明から特定部位の面に入射して該面で反射して前記カメラに入射する光の少なくとも一部を遮断するように配置され、
前記特定部位は壜口部であり、
前記照明は、ガラス壜の壜口部の斜め上方または側方に配置され、
前記カメラは、ガラス壜に対して前記照明の側に配置され、
前記遮蔽物は、前記照明から壜口部の外周面に入射して該外周面で反射して前記カメラに入射する光および前記照明から壜口部の内周面の裏面に入射して該裏面で反射して前記カメラに入射する光の少なくとも一方を遮断するように配置されることを特徴とするガラス壜の検査装置。 - ガラス壜の特定部位を撮像し、得られた画像から特定部位のビリを検出するガラス壜の検査装置であって、
ガラス壜の特定部位に投光する照明と、
ガラス壜の特定部位を撮像するカメラと、
前記照明から特定部位に投光される光の一部を遮る遮蔽物と、
前記カメラで得られた画像を処理して特定部位のビリを検出する画像処理装置とを備え、
前記遮蔽物は、前記照明から特定部位の面に入射して該面で反射して前記カメラに入射する光の少なくとも一部を遮断するように配置され、
前記特定部位は壜胴部であり、
前記照明は、ガラス壜の壜胴部の斜め上方または側方に配置され、
前記カメラは、ガラス壜に対して前記照明の側に配置され、
前記遮蔽物は、前記照明から壜胴部の外周面に入射して該外周面で反射して前記カメラに入射する光および前記照明から壜胴部の内周面の裏面に入射して該裏面で反射して前記カメラに入射する光の少なくとも一方を遮断するように配置されることを特徴とするガラス壜の検査装置。
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