JP6295001B1 - 積層造形装置および積層造形物の製造方法 - Google Patents

積層造形装置および積層造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】造形物の残留応力を制御することで、造形物の変形を抑制可能な積層造形装置および積層造形物の製造方法を提供する。【解決手段】本発明によれば、造形領域を覆うチャンバと、前記造形領域に対して所望の三次元造形物を所定高さで分割してなる複数の分割層毎に材料層を形成する材料層形成装置と、前記材料層の所定の照射領域にレーザ光または電子ビームを照射して焼結または溶融させ固化層を形成する照射装置と、1層または複数層の前記固化層が新たに形成される毎に、前記固化層のうち少なくとも新たに形成された前記固化層である上面層を第1温度、第2温度、前記第1温度の順番で温度調整する温度調整装置と、を備え、前記第1温度をT1、前記第2温度をT2、前記固化層のマルテンサイト変態開始温度をMsおよび前記固化層のマルテンサイト変態終了温度をMf、とすると、下記式(1)から(3)の関係が全て満たされる、T1≧Mf (1)T1>T2 (2)T2≦Ms (3)積層造形装置が提供される。【選択図】図10

Description

本発明は、積層造形装置および積層造形物の製造方法に関する。
金属の積層造形には複数の方式があるが、例えばレーザ光による粉末焼結積層造形法または粉末溶融積層造形法では、不活性ガスが充満された密閉されたチャンバ内において、上下方向に移動可能な造形テーブル上に金属材料粉体からなる材料層を形成し、この材料層の所定箇所にレーザ光を照射して照射位置の材料粉体を焼結または溶融させることを繰り返すことによって、複数の固化層を積層して所望の三次元造形物を造形する(特許文献1)。なお、造形テーブル上に造形プレートを配置し、造形プレート上に1層目の溶融層を形成してもよい。
また、シート積層法では、金属材料粉体の代わりに板状の金属シートを使用して材料層を形成し、材料層の所定箇所にレーザ光を照射して金属シートを焼結または溶融させることを繰り返すことによって、複数の固化層を積層して所望の三次元造形物を造形する(特許文献2)。
なお、以上の方式において、固化層を形成するために、レーザ光に代えて電子ビームを用いてもよい(特許文献3)。
特許第5653657号公報 特開2015−098111号公報 特許第6026688号公報
しかし、材料層へのレーザ光または電子ビームの照射により形成された固化層は、固化直後は非常に高温であるが、不活性ガス雰囲気や、既に形成されている固化層および造形プレートへの放熱等により温度が急速に低下する。このとき、金属では熱膨張係数が正であるために体積が収縮する。しかし、隣接する溶融層や造形プレートとの密着により収縮量は制限されるため引張応力として残留する。これを繰り返すとその引張応力により造形物は変形し、時には割れが発生する。このような制約があるため、金属の積層造形法では造形物の大きさや形状、要求精度によって、所望の品質の造形物を得ることが困難であった。
一方、材料となる金属が炭素鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼等のマルテンサイト系の材料であった場合、固化層として形成された直後はオーステナイト相であるが、所定の温度条件等を満たした上で急冷されることによってマルテンサイト相へと変態する。マルテンサイト変態は体積の膨張を伴うため、圧縮応力が発生する。
そこで、1層または複数層の固化層を形成する毎に意図的にマルテンサイト変態を進行させることで、金属の収縮による引張応力を、マルテンサイト変態による圧縮応力で軽減し、造形物の残留応力を制御することができる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、造形物の残留応力を制御することで、造形物の変形を抑制可能な積層造形装置および積層造形物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、造形領域を覆うチャンバと、前記造形領域に対して所望の三次元造形物を所定高さで分割してなる複数の分割層毎に材料層を形成する材料層形成装置と、前記材料層の所定の照射領域にレーザ光または電子ビームを照射して焼結または溶融させ固化層を形成する照射装置と、1層または複数層の前記固化層が新たに形成される毎に、前記固化層のうち少なくとも新たに形成された前記固化層である上面層を第1温度、第2温度、前記第1温度の順番で温度調整する温度調装置と、を備え、前記第1温度をT1、前記第2温度をT2、前記固化層のマルテンサイト変態開始温度をMsおよび前記固化層のマルテンサイト変態終了温度をMf、とすると、下記式(1)から(3)の関係が全て満たされる、
T1≧Mf (1)
T1>T2 (2)
T2≦Ms (3)
積層造形装置が提供される。
本発明の他の側面によれば、造形領域に対して所望の三次元造形物を所定高さで分割してなる複数の分割層毎に材料層を形成するリコート工程と、前記材料層の所定の照射領域にレーザ光または電子ビームを照射して焼結または溶融させ固化層を形成する固化工程と、1層または複数層の前記固化層が新たに形成される毎に、前記固化層のうち少なくとも新たに形成された前記固化層である上面層を第1温度、第2温度、前記第1温度の順番で温度調整する温度調工程と、を備え、前記第1温度をT1、前記第2温度をT2、前記固化層のマルテンサイト変態開始温度をMsおよび前記固化層のマルテンサイト変態終了温度をMf、とすると、下記式(1)から(3)の関係が全て満たされる、
T1≧Mf (1)
T1>T2 (2)
T2≦Ms (3)
積層造形物の製造方法が提供される。
本発明に係る積層造形装置は、1層または複数層の固化層が新たに形成される毎に該固化層、すなわち上面層の温度調整を行うものである。かかる構成によれば、造形物に生じる引張応力を軽減し、造形物の変形を抑制することが可能であり、造形物の大きさや形状の制約なく、高精度な造形物を造形可能となる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記材料層は、炭素鋼またはマルテンサイト系ステンレス鋼からなる。
好ましくは、前記材料層は、第1の金属と、前記第1の金属よりも炭素含有量の高い第2の金属または炭素の少なくとも一方を含む混合材料からなる。
好ましくは、前記上面層の温度を測定する温度センサをさらに備え、前記温度調装置は前記温度センサによって測定された温度によりフィードバック制御される。
好ましくは、前記固化層を切削する切削装置をさらに備え、前記切削装置は、前記温度調整装置が前記上面層を前記第1温度から前記第2温度に温度調整後、前記第2温度から前記第1温度に温度調整する前に、前記上面層を含む前記固化層の端面に対し切削を行う。
好ましくは、前記上面層の温度は、温度センサにより測定され、前記温度調整工程は、前記温度センサによって測定された温度によりフィードバック制御される。
好ましくは、前記固化層を切削する切削工程をさらに備え、前記切削工程は、前記上面層を前記第1温度から前記第2温度に温度調整後、前記第2温度から前記第1温度に温度調整する前に、前記上面層を含む前記固化層の端面に対し切削を行う。
好ましくは、下記式(4)および(5)の関係をさらに満たす。
T1>Ms (4)
T2<Mf (5)
好ましくは、下記式(4)および(6)の関係をさらに満たす。
T1>Ms (4)
T2≧Mf (6)
好ましくは、下記式(7)および(6)の関係をさらに満たす。
T1≦Ms (7)
T2≧Mf (6)
好ましくは、下記式(7)および(5)の関係をさらに満たす。
T1≦Ms (7)
T2<Mf (5)

本発明の実施形態に係る積層造形装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係るリコータヘッド11の斜視図である。 本発明の実施形態に係るリコータヘッド11の別の角度から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係るレーザ照射装置13の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る温度調整装置90を備える造形テーブル5の一例の概略構成図である。 本発明の他の実施形態の温度調整装置95および温度センサ99を備える積層造形装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る積層造形装置を用いた積層造形方法の説明図である。 本発明の実施形態に係る積層造形装置を用いた積層造形方法の説明図である。 本発明の実施形態に係る積層造形装置を用いた積層造形方法の説明図である。 本発明の実施形態に係る温度調整のパターンAの場合における上面層の温度変化の概略図である。 本発明の実施形態に係る温度調整のパターンBの場合における上面層の温度変化の概略図である。 本発明の実施形態に係る温度調整のパターンCの場合における上面層の温度変化の概略図である。 本発明の実施形態に係る温度調整のパターンDの場合における上面層の温度変化の概略図である。 実施例による造形物のひずみについて測定した結果を三次元的に示す図である。 実施例による造形物の図14のy=0におけるxz平面上のひずみについて示す図である。 比較例による造形物のひずみについて測定した結果を三次元的に示す図である。 比較例による造形物の図16のy=0におけるxz平面上のひずみについて示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
本発明の実施形態に係る積層造形装置は、材料粉体からなる材料層8を形成し、この材料層8の所定箇所にレーザ光Lを照射して照射位置の材料粉体を焼結または溶融させることを繰り返すことによって、複数の固化層を積層して所望の三次元形状造形物を造形する積層造形装置である。なお、固化層とは焼結層および溶融層の総称である。図1に示すように、本発明の積層造形装置は、チャンバ1とレーザ照射装置13とを有する。
チャンバ1は、所要の造形領域Rを覆い且つ所定濃度の不活性ガスで充満される。チャンバ1には、内部に材料層形成装置3が設けられ、上面部に保護ウインドウ汚染防止装置17が設けられる。材料層形成装置3は、ベース台4とリコータヘッド11とを有する。
ベース台4は、積層造形物が形成される造形領域Rを有する。造形領域Rには、造形テーブル5が設けられる。造形テーブル5は、造形テーブル駆動機構31によって駆動されて上下方向(図1の矢印A方向)に移動することができる。積層造形装置の使用時には、造形テーブル5上に造形プレート7が配置され、その上に材料層8が形成される。また、所定の照射領域は、造形領域R内に存在し、所望の三次元造形物の輪郭形状で囲繞される領域とおおよそ一致する。
造形テーブル5の周りには、粉体保持壁26が設けられる。粉体保持壁26と造形テーブル5とによって囲まれる粉体保持空間には、未固化の材料粉体が保持される。図1においては不図示であるが、粉体保持壁26の下側には、粉体保持空間内の材料粉体を排出可能な粉体排出部が設けられてもよい。かかる場合、積層造形の完了後に造形テーブル5を降下させることによって、未固化の材料粉体が粉体排出部から排出される。排出された材料粉体は、シューターガイドによってシューターに案内され、シューターを通じてバケットに収容されることになる。
リコータヘッド11は、図2および図3に示すように、材料収容部11aと材料供給部11bと材料排出部11cとを有する。
材料収容部11aは材料粉体を収容する。材料供給部11bは、材料収容部11aの上面に設けられ、不図示の材料供給装置から材料収容部11aに供給される材料粉体の受口となる。材料排出部11cは、材料収容部11aの底面に設けられ、材料収容部11a内の材料粉体を排出する。なお、材料排出部11cは、リコータヘッド11の移動方向(矢印B方向)に直交する水平1軸方向(矢印C方向)に延びるスリット形状である。
また、リコータヘッド11の両側面には、それぞれブレード11fb、11rbが設けられる。ブレード11fb、11rbは、材料粉体を撒布する。換言するとブレード11fb、11rbは、材料排出部11cから排出された材料粉体を平坦化して材料層8を形成する。
切削装置50は、スピンドルヘッド60が設けられた加工ヘッド57を有する。加工ヘッド57は、不図示の加工ヘッド駆動機構により、スピンドルヘッド60を所望の位置に移動させる。
スピンドルヘッド60は、不図示のエンドミル等の切削工具を取り付けて回転させることができるように構成されており、材料粉体を焼結または溶融して得られた固化層の表面や不要部分に対して切削加工を行うことができる。また切削工具は複数種類の切削工具であることが好ましく、使用する切削工具は不図示の自動工具交換装置によって、造形中にも交換可能である。
チャンバ1の上面には、保護ウインドウ1aを覆うように保護ウインドウ汚染防止装置17が設けられる。保護ウインドウ汚染防止装置17は、円筒状の筐体17aと、筐体17a内に配置された円筒状の拡散部材17cを備える。筐体17aと拡散部材17cの間に不活性ガス供給空間17dが設けられる。また、筐体17aの底面には、拡散部材17cの内側に開口部17bが設けられる。拡散部材17cには多数の細孔17eが設けられており、不活性ガス供給空間17dに供給された清浄な不活性ガスは細孔17eを通じて清浄室17fに充満される。そして、清浄室17fに充満された清浄な不活性ガスは、開口部17bを通じて保護ウインドウ汚染防止装置17の下方に向かって噴出される。
照射装置として、レーザ照射装置13が、チャンバ1の上方に設けられる。レーザ照射装置13は、造形領域R上に形成される材料層8の所定箇所にレーザ光Lを照射して照射位置の材料粉体を焼結または溶融させる。具体的には、図4に示すように、レーザ照射装置13は、レーザ光源42と2軸のガルバノミラー43a、43bとフォーカス制御ユニット44とを有する。なお、各ガルバノミラー43a、43bは、それぞれガルバノミラー43a、43bを回転させるアクチュエータを備えている。
レーザ光源42はレーザ光Lを照射する。ここで、レーザ光Lは、材料粉体を焼結または溶融可能なレーザであって、例えば、CO2レーザ、ファイバーレーザ、YAGレーザ等である。
フォーカス制御ユニット44は、レーザ光源42より出力されたレーザ光Lを集光し所望のスポット径に調整する。2軸のガルバノミラー43a、43bは、レーザ光源42より出力されたレーザ光Lを制御可能に2次元走査する。ガルバノミラー43a、43bは、それぞれ、不図示の制御装置から入力される回転角度制御信号の大きさに応じて回転角度が制御される。かかる特徴により、ガルバノミラー43a、43bの各アクチュエータに入力する回転角度制御信号の大きさを変化させることによって、所望の位置にレーザ光Lを照射することができる。
ガルバノミラー43a、43bを通過したレーザ光Lは、チャンバ1に設けられた保護ウインドウ1aを透過して造形領域Rに形成された材料層8に照射される。保護ウインドウ1aは、レーザ光Lを透過可能な材料で形成される。例えば、レーザ光LがファイバーレーザまたはYAGレーザの場合、保護ウインドウ1aは石英ガラスで構成可能である。
本発明の実施形態に係る積層造形装置は、1層または複数層の固化層が新たに形成される毎に、固化層のうち少なくとも新たに形成された固化層を第1温度、第2温度、第1温度の順番で温度調整する温度調整装置を有する。なお、第1温度および第2温度は温度調整装置によって調整可能な温度幅に含まれ、第1温度をT1、第2温度をT2、固化層のマルテンサイト変態開始温度をMsおよび固化層のマルテンサイト変態終了温度をMf、とすると、下記式(1)から(3)の関係が全て満たされる。
T1≧Mf (1)
T1>T2 (2)
T2≦Ms (3)
また、以下において、新たに形成された固化層、すなわち形成されてから第1温度、第2温度、第1温度の一連の順番で行われる温度調整が1度も実施されていない固化層を上面層と呼ぶ。焼結または溶融後、温度調整される前の上面層は、オーステナイト相を含む状態であって、温度調整により少なくとも一部がマルテンサイト相へと変態する。
温度調整装置は、上面層を第1温度および第2温度に温度調整可能に構成されていればよい。特に、温度調整装置は上面層を加熱可能な加熱器と、上面層を冷却可能な冷却器のうち少なくともいずれか一方を有し、好ましくは両者を有する。
例えば、温度調整装置90は、造形テーブル5に設けられる。図5に示すように、一実施形態においては、温度調整装置90を備える造形テーブル5は、天板5aおよび3つの支持板5b,5c,5dを備える。天板5aとこれに隣接する支持板5bの間には天板5aを加熱可能な加熱器92が配置されている。また、支持板5bの下側の2枚の支持板5c,5dの間には天板5aを冷却可能な冷却器93が配置されている。造形テーブル5は、加熱器92および冷却器93によって温度調可能に構成されており、加熱器92および冷却器93が温度調整装置90を構成する。なお、図5に示される実施形態では、管材を支持板5c,5dの間に挟み込むようにして冷却器93を構成しているが、例えば、支持板5c,5dの一方または両方に配管穴を形成し支持板5c,5dを合わせることによって支持板5c,5dに直接冷却配管を形成するようにして冷却器93を構成するようにすることができる。なお、造形テーブル駆動機構31の熱変位を防止するため、温度調整装置90と造形テーブル駆動機構31との間に一定の温度に保たれた恒温部が設けられてもよい。以上のように温度調整装置90を構成することで、所望の温度に設定された造形テーブル5の天板5aと接触する造形プレート7および下層の固化層を介して、上面層を所望の温度に調整することが可能である。なお、材料層8は焼結または溶融にあたり所定温度に予熱されていることが望ましいが、温度調整装置90は材料層8の予熱装置としての役割も果たす。具体的に、材料層8は温度調整装置9によって第1温度に保温される。
また、例えば、図6に示すように、積層造形装置は、上面層をその上方側から温度調整するように構成されている温度調整装置95を備えるよう構成してもよい。温度調整装置95の加熱器97は、例えば、ハロゲンランプである。また、温度調整装置95の冷却器98は、例えば、上面層に対しチャンバ1に充満される不活性ガス等と同種の冷却気体を吹き付ける送風機であってもよいし、あるいはペルチェ素子等によって冷却された冷却板を上面層に接触させるよう構成してもよい。このような温度調整装置95によれば、直接上面層を温度調整することができるため、多数層の固化層を形成した後でも迅速に上面層の温度調を行うことができる。
前述の通り、温度調整装置は、上面層を第1温度および第2温度に温度調整可能に構成されればよく、種々の形態を採用可能である。上に具体的に示した温度調整装置90,95は組み合わせて実施してもよいし、一方のみでもよい。またはその他の形態であってもよい。
また、図6に示すように、積層造形装置は、上面層の温度を測定する温度センサ99を有し、温度調整装置90,95はフィードバック制御されてもよい。かかる構成により、より正確に上面層の温度を制御することができる。なお、温度センサ99は、複数設けてもよい。また、温度センサ99は、例えば、赤外線温度センサである。
チャンバ1は所定濃度の不活性ガスが供給されるとともに、材料層8の焼結または溶融時に発生するヒュームを含んだ不活性ガスを排出している。具体的には、チャンバ1には、不活性ガス供給装置15と、ダクトボックス21,23を介してヒュームコレクタ19が接続されている。不活性ガス供給装置15は、不活性ガスを供給する機能を有し、例えば、周囲の空気から窒素ガスを取り出す膜式窒素セパレータを備える装置である。不活性ガス供給装置15は、チャンバ1に設けられた供給口から不活性ガスの供給を行い、チャンバ1を所定濃度の不活性ガスで充満させる。また、チャンバ1の排出口から排出されたヒュームを多く含む不活性ガスはヒュームコレクタ19へと送られ、ヒュームが除去された上でチャンバ1へと返送される。なお、本明細書において、不活性ガスとは、材料粉体と実質的に反応しないガスをいい、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等から材料粉体の種類に応じて適当なものが選択される。
ここで、本発明の一実施形態に係る積層造形物の製造方法における各工程について図7〜図9を用いて説明する。なお、図7〜図9では、視認性を考慮し図1では示していた構成要素を一部省略している。また、以下において、造形領域Rに対して所望の三次元造形物を所定高さで分割してなる複数の分割層毎に材料層8を形成する工程をリコート工程、材料層8の所定の照射領域にレーザ光Lを照射して焼結または溶融させ固化層を形成する工程を固化工程、固化層のうち少なくとも上面層を第1温度、第2温度、第1温度の順番で温度調整する工程を温度調整工程と呼ぶ。
まず、1回目のリコート工程を行う。図7に示すように、造形テーブル5上に造形プレート7を載置し、造形テーブル5の高さを適切な位置に調整する。この状態で材料収容部11a内に材料粉体が充填されているリコータヘッド11を図7の矢印B方向に造形領域Rの左側から右側に移動させることによって、造形プレート7上に1層目の材料層8を形成する。
次に、1回目の固化工程を行う。材料層8中の所定部位にレーザ光Lを照射し材料層8のレーザ照射位置を焼結または溶融させることによって、図8に示すように、1層目の固化層81fを得る。ここで、1層目の固化層81fは、第1温度に温度調整される。
次に、2回目のリコート工程として、造形テーブル5の高さを材料粉体層8の所定厚(1層)分下げ、リコータヘッド11を造形領域Rの右側から左側に移動させることによって、固化層81f上に2層目の材料層8を形成する。
次に、2回目の固化工程として、材料粉体層8中の所定部位にレーザ光Lを照射し材料層8のレーザ照射位置を焼結または溶融させることによって、図9に示すように、2層目の固化層82fを得る。ここで、2層目の固化層82fは、第1温度に温度調整される。
以上の工程を繰り返すことによって、3層目以降の固化層が形成される。所定数の固化層が形成された段階で、温度調整装置によって温度調整工程が行われる。まず、第1温度に保持されている上面層を冷却し、第2温度へと温度調整する。次に、第2温度へと温度調整された上面層を昇温し、第1温度へと再び温度調整する。
なお、本実施形態のように切削装置50を備える積層造形装置においては、所定数の固化層を形成する度に、固化層の端面に対して、スピンドルヘッド60に装着された回転切削工具によって切削加工を行う切削工程を実施してもよい。切削工程は、例えば、固化層が0.4mmから1mmの所定厚積層する毎に行われる。好ましくは、第2温度に温度調整された上面層に対して切削加工が実施される。換言すれば、温度調整装置が上面層を第1温度から第2温度に温度調整してから第2温度から第1温度に温度調整するまでの間に、上面層を含む固化層の端面に対し切削を行う。マルテンサイト変態を起こし寸法が安定した後の上面層に対して切削を行うことができるので、より高精度に切削を行うことができる。また、焼結または溶融時に発生したスパッタが固化層の表面に付着し突起部が生成されることがあるが、リコート工程時にリコータヘッド11が突起部に衝突したときは、突起部を除去するために最上位の固化層の上面に対して切削加工を行ってもよい。
このようなリコート工程、固化工程および温度調整工程と、好ましくは切削工程が繰り返され、所望の三次元造形物が形成される。なお、温度調工程は固化層を1層形成する毎に実施してもよいし、複数層形成する毎に実施してもよいし、切削工程を実施する場合は切削工程毎に実施してもよい。また、造形物の形状に応じて温度調工程の周期は可変に設定してもよい。例えば、通常時には固化層を5mm積層する毎に温度調工程を行うが、割れやすい形状の固化層を形成する直前には温度調整工程を割り込ませるようにしてもよい。

以上のような温度調整工程により、固化層の冷却による収縮に起因する引張応力を軽減し、造形物の変形を抑制することが可能である。すなわち、マルテンサイト変態が生じる金属材料においては、マルテンサイト変態時に体積が膨張し、冷却時の体積収縮が緩和される。ここで、マルテンサイト変態開始温度以下かつマルテンサイト変態終了温度以上の範囲でマルテンサイト変態が起こる。
また、この変態量(=膨張量)は、第1温度、第2温度、マルテンサイト変態終了温度、およびマルテンサイト変態開始温度の関係により制御することができる。すなわち、それらの温度関係によって造形物の残留応力を制御することができる。ここで、残留応力の制御方法の代表的な例として、4つの温度調整パターン(A〜D)が挙げられる。なお、全ての固化層について同一のパターンを適用してもよいが、各固化層について異なるパターンを個別に適用してもよい。
<パターンA>
パターンAでは、マルテンサイト変態が起こる温度帯に第1温度、第2温度の両方が含まれない。すなわち、下記式(1)〜(5)をすべて満たす。また、パターンAの上面層の温度変化の概略図を図10に示す。
T1≧Mf (1)
T1>T2 (2)
T2≦Ms (3)
T1>Ms (4)
T2<Mf (5)
パターンAでは、温度調整装置による温度調整が可能な範囲で第1温度の上限および第2温度の下限に制限がなくなるため温度制御が容易となる。また、マルテンサイト変態が起こる温度帯の全ての範囲でマルテンサイト変態を起こすため再現性が高い。マルテンサイト変態による膨張量が造形時の収縮量以下である材料に適する制御方法である。
<パターンB>
パターンBでは、マルテンサイト変態が起こる温度帯に第2温度のみ含まれる。すなわち、下記式(1)〜(4)、および(6)をすべて満たす。また、パターンBの上面層の温度変化の概略図を図11に示す。
T1≧Mf (1)
T1>T2 (2)
T2≦Ms (3)
T1>Ms (4)
T2≧Mf (6)
パターンBでは、レーザ光Lの照射による固化層の温度上昇の影響を考慮する必要がなく、残留応力を抑えた状態で造形を進行することができ、造形終了後に温度を下げることにより圧縮応力を発生させることができる。造形物に適度な圧縮応力を残留させることで、割れの発生を抑制できる。マルテンサイト変態による膨張量が造形時の収縮量よりも十分大きな材料に適する制御方法である。
<パターンC>
パターンCでは、マルテンサイト変態が起こる温度帯に第1温度、第2温度の両方が含まれる。すなわち、下記式(1)〜(3)、および(6)〜(7)をすべて満たす。また、パターンCの上面層の温度変化の概略図を図12に示す。
T1≧Mf (1)
T1>T2 (2)
T2≦Ms (3)
T1≦Ms (7)
T2≧Mf (6)
パターンCでは、正確に温度制御ができる場合には、造形中および造形が完了して温度が下がった後の残留応力を制御することが可能である。マルテンサイト変態による膨張量が造形時の収縮量よりも十分大きな材料に適する制御方法である。
<パターンD>
パターンでは、マルテンサイト変態が起こる温度帯に第1温度のみ含まれる。すなわち、下記式(1)〜(3)、(5)、および(7)をすべて満たす。また、パターンDの上面層の温度変化の概略図を図13に示す。
T1≧Mf (1)
T1>T2 (2)
T2≦Ms (3)
T1≦Ms (7)
T2<Mf (5)
パターンDでは、レーザ光Lの照射による固化層の温度上昇の影響はあるものの、造形中の残留応力と造形完了後の残留応力とは略一致し管理が容易である。特に、前述のように、第2温度に温度調整された上面層に対して切削加工する切削工程を実施する場合は、より高精度に造形物を仕上げることができ好適である。マルテンサイト変態による膨張量が造形時の収縮量よりも十分大きな材料に適する制御方法である。
本発明の一実施形態の金属積層造形物の製造方法において使用可能な材料粉体は、マルテンサイト変態が生じる金属材料、例えば炭素鋼またはマルテンサイト系ステンレス鋼の粉体である。また、材料粉体の形状は、例えば平均粒径20μmの球形である。
また、前述の温度調整各パターンはそれぞれ適応可能な材料が限定される。例えば、前述のパターンAの温度調整を行う場合は、温度調整装置による温度制御が可能な範囲に、少なくともマルテンサイト変態開始温度およびマルテンサイト変態終了温度が含まれている必要があるが、すべての材料がその条件を満たすわけではない。一方、マルテンサイト変態開始温度およびマルテンサイト変態終了温度は、材料の炭素含有量によってする上下することが分かっている。そこで、材料の炭素含有量を調整することで、本願発明のマルテンサイト変態を利用した造形方法を多様な材料に適応することができる。
材料の炭素含有量の調整方法として、例えば、複数の材料を混合してもよい。具体的には、ある金属に対し、相対的に炭素含有量の高い金属または炭素の少なくとも一方を混合することで、所望のマルテンサイト変態開始温度またはマルテンサイト変態終了温度を有する混合材料を生成してもよい。
本発明の実施形態に係る積層造形装置は粉末焼結積層造形方式または粉末溶融積層造形方式による積層造形装置であったが、シート積層方式による積層造形装置であってもよい。すなわち、材料粉体に代えて板状の金属シートを使用して材料層を形成し、材料層の所定箇所にレーザ光を照射して金属シートを溶融させることを繰り返すよう構成してもよい。また、本実施形態では固化層の形成のための照射装置としてレーザ光Lを照射するレーザ照射装置13を使用したが、電子ビームを照射する電子ビーム照射装置を使用してもよい。
本発明の実施形態やその変形例を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以下、詳細な内容について実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
材料粉体として、平均粒径20μmのSUS420J2(炭素含有量:<0.44wt%、Ms:約100℃、Mf:約0℃)を用い、種々の温度条件において、125×125×15mm(縦×横×厚さ)の造形プレート7上に、80×80×35mm(縦×横×厚さ)の造形物の積層造形を行った。
<実施例>
まず、造形テーブル5の温度を温度調整装置90により、70℃に調整した。続いて、造形テーブル5上にリコータヘッド11により材料粉体を均一に撒布して材料層8を形成するリコート工程と、材料層8の所定箇所にレーザ光Lを約4分照射して材料粉体を焼結する固化工程とを繰り返し、複数の固化層により形成される厚さ5mmの上面層を形成した。その後約70℃に保たれていた造形テーブル5の温度を29℃まで降温した。上面層の温度が29℃に降温後、造形テーブル5の温度を70℃に昇温した。すなわち、上記パターンDに相当する温度調整工程を行った。その後、同様の工程を6回繰り返し80×80×35mm(縦×横×厚さ)の造形物を得た。得られた造形物について、造形プレート7の裏面(造形物が形成された面の反対の面)の反りの状態を測定することにより、残留応力の状態を確認した。その結果、図14および図15に示すように、残留応力が抑制された状態であった。
<比較例>
造形テーブル5の温度を24℃で略一定に保ち、温度調整工程を行わずに、リコート工程と固化工程を繰り返し80×80×35mm(縦×横×厚さ)の造形物を得た。実施例と同様に造形物の状態を確認した結果、図16および図17に示すように、ひずみが大きく、引張応力が大きい状態であった。なお、造形プレート7との境界に大きな割れが発生し、造形物に割れが確認された。
1 :チャンバ
1a :保護ウインドウ
3 :材料層形成装置
4 :ベース台
5 :造形テーブル
5a :天板
5b :支持板
5c :支持板
5d :支持板
7 :造形プレート
8 :材料層
11 :リコータヘッド
11a :材料収容部
11b :材料供給部
11c :材料排出部
11fb :ブレード
11rb :ブレード
13 :レーザ照射装置
15 :不活性ガス供給装置
17 :保護ウインドウ汚染防止装置
17a :筐体
17b :開口部
17c :拡散部材
17d :不活性ガス供給空間
17e :細孔
17f :清浄室
19 :ヒュームコレクタ
21 :ダクトボックス
23 :ダクトボックス
26 :粉体保持壁
31 :造形テーブル駆動機構
42 :レーザ光源
43a :ガルバノミラー
43b :ガルバノミラー
44 :フォーカス制御ユニット
50 :切削装置
57 :加工ヘッド
60 :スピンドルヘッド
81f :固化層
82f :固化層
90 :温度調整装置
92 :加熱器
93 :冷却器
95 :温度調整装置
97 :加熱器
98 :冷却器
99 :温度センサ
L :レーザ光
R :造形領域

Claims (18)

  1. 造形領域を覆うチャンバと、
    前記造形領域に対して所望の三次元造形物を所定高さで分割してなる複数の分割層毎に材料層を形成する材料層形成装置と、
    前記材料層の所定の照射領域にレーザ光または電子ビームを照射して焼結または溶融させ固化層を形成する照射装置と、
    1層または複数層の前記固化層が新たに形成される毎に、前記固化層のうち少なくとも新たに形成された前記固化層である上面層を第1温度、第2温度、前記第1温度の順番で温度調整する温度調装置と、を備え、
    前記第1温度をT1、前記第2温度をT2、前記固化層のマルテンサイト変態開始温度をMsおよび前記固化層のマルテンサイト変態終了温度をMf、とすると、下記式(1)から(3)の関係が全て満たされる、
    T1≧Mf (1)
    T1>T2 (2)
    T2≦Ms (3)
    積層造形装置。
  2. 前記材料層は、炭素鋼またはマルテンサイト系ステンレス鋼からなる、請求項1に記載の積層造形装置。
  3. 前記材料層は、第1の金属と、前記第1の金属よりも炭素含有量の高い第2の金属または炭素の少なくとも一方を含む混合材料からなる、請求項1または請求項2に記載の積層造形装置。
  4. 前記上面層の温度を測定する温度センサをさらに備え、
    前記温度調装置は前記温度センサによって測定された温度によりフィードバック制御される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の積層造形装置。
  5. 前記固化層を切削する切削装置をさらに備え、
    前記切削装置は、前記温度調整装置が前記上面層を前記第1温度から前記第2温度に温度調整後、前記第2温度から前記第1温度に温度調整する前に、前記上面層を含む前記固化層の端面に対し切削を行う、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の積層造形装置。
  6. 下記式(4)および(5)の関係をさらに満たす、
    T1>Ms (4)
    T2<Mf (5)
    請求項1から請求項5に記載の積層造形装置。
  7. 下記式(4)および(6)の関係をさらに満たす、
    T1>Ms (4)
    T2≧Mf (6)
    請求項1から請求項5に記載の積層造形装置。
  8. 下記式(7)および(6)の関係をさらに満たす、
    T1≦Ms (7)
    T2≧Mf (6)
    請求項1から請求項5に記載の積層造形装置。
  9. 下記式(7)および(5)の関係をさらに満たす、
    T1≦Ms (7)
    T2<Mf (5)
    請求項1から請求項5に記載の積層造形装置。
  10. 造形領域に対して所望の三次元造形物を所定高さで分割してなる複数の分割層毎に材料層を形成するリコート工程と、
    前記材料層の所定の照射領域にレーザ光または電子ビームを照射して焼結または溶融させ固化層を形成する固化工程と、
    1層または複数層の前記固化層が新たに形成される毎に、前記固化層のうち少なくとも新たに形成された前記固化層である上面層を第1温度、第2温度、前記第1温度の順番で温度調整する温度調工程と、を備え、
    前記第1温度をT1、前記第2温度をT2、前記固化層のマルテンサイト変態開始温度をMsおよび前記固化層のマルテンサイト変態終了温度をMf、とすると、下記式(1)から(3)の関係が全て満たされる、
    T1≧Mf (1)
    T1>T2 (2)
    T2≦Ms (3)
    積層造形物の製造方法。
  11. 前記材料層は、炭素鋼またはマルテンサイト系ステンレス鋼からなる、請求項10に記載の積層造形物の製造方法。
  12. 前記材料層は、第1の金属と、前記第1の金属よりも炭素含有量の高い第2の金属または炭素の少なくとも一方を含む混合材料からなる、請求項10または請求項11に記載の積層造形物の製造方法。
  13. 前記上面層の温度は、温度センサにより測定され、
    前記温度調整工程は、前記温度センサによって測定された温度によりフィードバック制御される、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の積層造形物の製造方法。
  14. 前記固化層を切削する切削工程をさらに備え、
    前記切削工程は、前記上面層を前記第1温度から前記第2温度に温度調整後、前記第2温度から前記第1温度に温度調整する前に、前記上面層を含む前記固化層の端面に対し切削を行う、請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の積層造形物の製造方法。
  15. 下記式(4)および(5)の関係をさらに満たす、
    T1>Ms (4)
    T2<Mf (5)
    請求項10から請求項14に記載の積層造形物の製造方法。
  16. 下記式(4)および(6)の関係をさらに満たす、
    T1>Ms (4)
    T2≧Mf (6)
    請求項10から請求項14に記載の積層造形物の製造方法。
  17. 下記式(7)および(6)の関係をさらに満たす、
    T1≦Ms (7)
    T2≧Mf (6)
    請求項10から請求項14に記載の積層造形物の製造方法。
  18. 下記式(7)および(5)の関係をさらに満たす、
    T1≦Ms (7)
    T2<Mf (5)
    請求項10から請求項14に記載の積層造形物の製造方法。
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