JP6294561B2 - 多置換ピリジン化合物、調製方法、用途、および医薬組成物 - Google Patents

多置換ピリジン化合物、調製方法、用途、および医薬組成物 Download PDF

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Description

本発明は薬剤化学分野に属し、特に多置換ピリジン化合物、それらの調製方法、用途および医薬組成物に関する。
ライフサイエンス分野では抗腫瘍剤の研究開発はきわめて困難だがやりがいがありかつ重要である。最近では分子生物学が急速に発展し、がんの発生、成長、メカニズムの理解が深まったことにより、悪性腫瘍細胞における信号伝達、細胞周期変調、アポトーシス誘導、血管新生、細胞と細胞外基質の間の相互作用といった様々な基本的作用が徐々に解明されている。したがって、高効率、低毒性で、特定の標的に選択的に作用する高特異性を有する新規の抗がん剤を探索する薬学的研究開発は重要な分野の一つである。その結果、新しい抗腫瘍剤である分子標的薬の分野が切り開かれている。
分子標的薬とは、細胞のがん化に関連する受容体や伝達において鍵となる酵素に対して、がんの成長を分子レベルで阻害する薬の種類をいう。それらはがん細胞中の特徴的な分子を標的にし、抗がんの役割を果たすことによって、毒性や正常細胞への副作用を低減する。
正の調節因子と負の調節因子の間のバランスが、腫瘍血管新生を制御する。腫瘍血管新生は腫瘍の成長と転移を促進する。このことにより、血管新生阻害物質の開発は腫瘍の研究の注目の場となっている。VEGFRは重要なチロシンキナーゼの一種とされている。多くの研究が、VEGFRの信号伝達経路における機能障害が腫瘍の発生、成長および転移で重要な役割を果たしていることを示している。VEGFRは主としてVEGFR21(Flt21)、VEGFR22(KDR/Flt21)およびVEGFR23(Flt24)を含んでおり、チロシンキナーゼ受容体に属している。VEGFは内皮細胞の二つの膜貫通受容体に結合することにより生物学的機能を発揮している。
細胞分化における信号伝達因子は多くのタンパク質キナーゼ群を含んでいる。細胞の信号伝達において、タンパク質チロシンキナーゼは、リン酸残基をATPから多くの重要なタンパク質のチロシン残基へと移動させる触媒作用を有し、タンパク質をリン酸化し、それが変換バイパスを活性化して細胞の成長、増殖および分化に影響を与えるので、非常に重要である。多くの腫瘍細胞中で、チロシンキナーゼの活性は異常に高くなる。50%を超えるがん遺伝子とその生成物はタンパク質チロシンキナーゼ活性を有しており、それらの異常な発現により腫瘍が発生する。さらに、この酵素の異常な発現は腫瘍の転移、腫瘍血管新生および化学療法への腫瘍の抵抗力とも関係している。異常な信号伝達を阻止、または修正できる選択的タンパク質キナーゼ阻害剤の研究は医薬品の開発の有望な方向であると考えられている。現在、タンパク質キナーゼの異なるATP結合部位に対する、チロシンキナーゼ阻害剤等の、いくつかのタンパク質キナーゼ阻害剤と低分子治療薬が発見されており、臨床研究段階に入っている。
バイエル薬品(Bayer Pharmaceuticals)で開発されたソラフェニブ(商品名:Nexavar)は進行腎臓がんの治療の第一選択薬として、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration (FDA))によって2005年12月に承認された多標的薬であり、世界中の臨床の場で標的治療に承認された最初の第一選択薬である。中国特許出願文献CN1341098Aはソラフェニブの化学構造を開示しており、ソラフェニブの化学構造は次の通りである:
Figure 0006294561
本発明の前に、本発明者はまた別の中国特許を出願しており、特許出願文献CN102532113A(出願番号:201110435847.9)では次の構造式の化合物を開示している:
Figure 0006294561
既存の抗腫瘍剤はヒトや他の哺乳動物の腫瘍を治療する必要性に合致してはおらず、臨床中の市販の抗腫瘍剤の治療効果は、まだ目標とする水準には達していないので、さらに効果的な抗腫瘍剤への要求がまだ存在する。
既存技術における前述の問題を解決するために、本発明では多置換ピリジン化合物、およびそれらの調製方法、用途および医薬組成物を提供する。
特に、
第1の態様では、本発明は式Iの多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩を提供する:
Figure 0006294561
式中:
X1は式aの置換または非置換の5員ヘテロ芳香族環から選ばれ;
Figure 0006294561
R4、R5およびR6は炭素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群からそれぞれ独立に選ばれ、R8、R9、およびR10は水素、ハロゲン、C1-C4アルキルおよびC1-C4アルコキシルからなる群からそれぞれ独立に選ばれ;
X2はFとHからなる群から選ばれ;
X3はハロゲン、-CN、C1-C4アルキル、ハロゲン化C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシル、ハロゲン化C1-C4アルコキシルおよび-NR11R12からなる群から選ばれ、ここで前記R11およびR12はハロゲンおよびC1-C4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選ばれる。
好ましくは、R4、R5およびR6炭素原子および窒素原子からなる群からそれぞれ独立に選ばれる。
好ましくは、R4、R5およびR6は同時に炭素原子ではない。
好ましくは、R4、R5およびR6は同時に窒素原子ではない。
好ましくは、R8、R9およびR10は水素およびメチルからなる群からそれぞれ独立に選ばれる。
好ましくは、X1
Figure 0006294561
である。
好ましくは、X3はF、Cl、Br、-CF3、-CN、C1-C2アルキル、C1-C2アルコキシルおよび-NR11R12、からなる群から選ばれ、ここで前記R11およびR12は水素、C1-C2アルキルからなる群からそれぞれ独立に選ばれる。
好ましくは、X3はF、Clおよび-CNからなる群から選ばれる。
好ましくは、式Iの多置換ピリジン化合物は以下の化合物からなる群から選ばれる:
Figure 0006294561
Figure 0006294561
さらに好ましくは、式1の多置換ピリジン化合物は次の化合物からなる群から選ばれる:
Figure 0006294561
好ましくは、式Iの多置換ピリジン化合物の薬学的に許容される塩は塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、1-ナフタレンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フェニル酢酸塩およびマンデル酸塩からなる群から選ばれる。
本発明はさらに本発明による前記多置換ピリジン化合物を調製する方法に関する。この方法は、
1)次の反応式に示すように、塩基としてカリウムtert-ブトキシドの存在下で式Bの化合物を式Cの化合物と反応させ、式Dの化合物を得ること:
Figure 0006294561
(反応式中R13はF、Cl、BrまたはIである)、
2)次の反応式に示すように、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムまたはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)=ジクロリドの存在下で式Dの化合物を式Eの化合物と反応させ、式Fの化合物を得ること:
Figure 0006294561
および
3)次の反応式に示すように、式Fの化合物と式Gの化合物を反応させて式Iの多置換ピリジン化合物を得ることを含む。
Figure 0006294561
好ましくは、前記式Bの化合物は次の方法で調製される。この方法は、式Aの化合物をハロゲン化して式Bの化合物を得ること:
Figure 0006294561
(反応式中R13はF、Cl、BrまたはIである)を含む。
好ましくは、X3がNH2のとき、前記調製方法は、
1)次の反応式に示すように、触媒としてカリウムtert-ブトキシドの存在下で式Hの化合物と式Cの化合物とを反応させ、式Wの化合物を得ること:
Figure 0006294561
(反応式中R13はF、Cl、BrまたはIである)、
2)次の反応式に示すように、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムまたはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)=ジクロリドの存在下で式Wの化合物を式Eの化合物と反応させ、式Jの化合物を得ること:
Figure 0006294561
3)式Jの化合物を触媒としてパラジウム−炭素の存在下で水素化して式Kの化合物を得ること:
Figure 0006294561
および
4)次の反応式に示すように、式Kの化合物を式Gの化合物と反応させて、式Lの化合物を得ること:
Figure 0006294561
を含む。
本発明において、LDAはリチウムジイソプロピルアミドを表し;THFはテトラヒドロフランを表し;-78degは-78℃を表し;DMSOはジメチルスルホキシドを表し;rtは室温を表し;DCMはジクロロメタンを表し;conc.は“濃縮された”を表し;TEAはトリエチルアミンを表す。
本発明はまた、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR-2 = vascular endothelial growth factor receptor-2)、血管内皮増殖因子受容体3(VEGFR-3 = vascular endothelial growth factor receptor-3)、ヒトC-Rafがん原遺伝子セリン/トレオニンタンパク質キナーゼ(CRAF)、血小板由来成長因子受容体β(PDGFR-β = platelet-derived growth factor receptor β)、ヒトセリン/トレオニンタンパク質キナーゼ(BRAF)、BRAF V600E、KITおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ3(FLT-3キナーゼ)に関係した疾病の治療および/または予防のための薬剤の調製における本発明による前記多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩の使用に関する。
本発明の態様では、前記VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した疾病は腫瘍またはがんを含む。
好ましくは、前記腫瘍またはがんは、黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、または中皮腫である。
本発明はまた、VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した疾病の治療または予防の方法を提供する。この方法は、本発明による前記多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩の治療上または予防上有効な量を必要に応じて対象に投与することを含む。
本発明の一態様では、前記VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した疾病は腫瘍またはがんを含む。
好ましくは、前記腫瘍またはがんは黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、または中皮腫である。
本発明はまた、VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した疾病の治療または予防に用いられる本発明による前記多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩に関する。
本発明の一態様では、前記VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した疾病は腫瘍またはがんを含む。
好ましくは、前記腫瘍またはがんは黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、または中皮腫である。
本発明はまた、細胞中のVEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼの活性を阻害する方法を提供する。この方法は、本発明による前記多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩を有効量、前記細胞に投与することを含む。
好ましくは、前記方法はインビトロで実施される。
好ましくは、前記方法はインビボで実施される。
好ましくは、前記細胞は腫瘍細胞またはがん細胞等の、細胞系、または対象からの細胞である。
好ましくは、前記腫瘍またはがんは、黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、およびは中皮腫からなる群から選択される。
本発明はまた、試薬の調製における本発明による前記多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩の使用に関する。前記試薬は細胞中のVEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼの活性を阻害するのに用いられる。
好ましくは、前記試薬はインビトロ法で用いられる。
好ましくは、前記試薬はインビボ法で用いられる。
好ましくは、前記細胞は、腫瘍細胞またはがん細胞等の、細胞系、または対象からの細胞である。
好ましくは、前記腫瘍またはがんは、黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、および中皮腫からなる群から選択される。
本発明はまた、細胞中のVEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼの活性の阻害に用いられる本発明による前記多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩に関する。
好ましくは、インビトロ法で用いられる。
好ましくは、インビボ法で用いられる。
好ましくは、前記細胞は、腫瘍細胞またはがん細胞等の、細胞系、または対象からの細胞である。
好ましくは、前記腫瘍またはがんは、黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、および中皮腫からなる群から選択される。
本発明はまた、細胞中のVEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼの活性の阻害のためのキットを提供する。このキットは、本発明による前記多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩、および任意に指示書を含む。
本発明の一態様では、前記VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した疾病は腫瘍またはがんを含む。
好ましくは、前記腫瘍またはがんは、黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、または中皮腫である。
本発明はまた、本発明による前記多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩と、医薬的に許容される(担体または賦形剤等の)アジュバントを含む医薬組成物を提供する。
好ましくは、前記医薬組成物は注射、経口投与、皮膚浸透薬または座薬である。
好ましくは、前記医薬組成物は、VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係する疾病の治療および/または予防に用いられる。
本発明において、前記C1-C4アルキルはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびtert-ブチルからなる群から選択される。
本発明において、前記C1-C4アルコキシはC1-C4アルキル-O-を意味し、C1-C4アルキルは上に定義されたとおりである。
本発明において、前記ハロゲンはF、Cl、Br、およびIから選択される。
本発明において、前記C1-C2アルキルはメチルまたはエチルを意味する。
本発明において、前記C1-C2アルコキシはメトキシまたはエトキシを意味する。
ここで用いられる化合物の名前がその化学式と一致していなくても、化学式は有効であり、当業者は常識と組み合わせて実用的な条件によってそれを決定できる。
本発明の化合物の中には、水または種々の有機溶媒で結晶化または再結晶化でき、この場合種々の溶媒和物を形成するものもある。本発明は、水和物を含む化学量的溶媒和物を含み、また、減圧下での昇華によって調製されたときに形成される異なる量の水を含んだ化合物を含む。
本発明によれば、式Iの化合物は医薬目的に用いられるので、その化合物は、当然のことだが、最も好ましくは純粋な形、例えば、少なくとも純度60%、さらに適切には純度75%、さらに好ましくは純度85%、もっとも好ましくは少なくとも純度98%(「%」は重量%を示す)である。純粋でない生成物は、医薬組成物で用いられるさらに純度の高い形を調製するのに用いることができる。純粋でない生成物は、少なくとも1%、さらに適切には5%、さらに好ましくは10%の式Iの化合物または医薬的に許容されるその誘導体を含有する。
本発明はさらに、少なくとも1種の式Iの化合物と、少なくとも1種の医薬的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物に関する。式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩は、単独で、または、医薬的に許容される担体または賦形剤とともに医薬組成物の形で用いることもできる。当該化合物が医薬組成物の形で用いられる場合、適切な投与形態または投薬形態は、有効量の本発明による式Iの化合物、または医薬的に許容されるその塩またはその溶媒和物と、1種類以上の医薬的に許容される担体または賦形剤とから調製される。その工程は混合、造粒、圧縮、適切な方法による成分の溶解を含む。
本発明による医薬組成物は、次のいずれかの方法によって投与することができる:経口投与、スプレー吸入、直腸投与、鼻腔内投与、膣内投与、局所投与、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、胸骨下または頭蓋内注射または投入等の非経口投与、または外植体供給源による投与、これらの中で、経口投与、筋肉注射、腹腔内投与、または静脈投与が好ましい。
本発明の医薬組成物に含まれる医薬的に許容される担体は、イオン交換体、酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清タンパク質等の血清タンパク質;リン酸塩等の緩衝物質、グリセロール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸混合物の部分グリセリド、水、塩、硫酸プロタミン等の電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸エステル、蜜蝋、ラノセリン(商品名:Lanocerin)および類似物、を含むがこれに限定されない。医薬組成物中、担体は1重量%から98重量%、一般には、約80重量%の量で含まれる。利便性を考えて、局部麻酔薬、防腐剤、緩衝液などを直接担体に溶解してもよい。
経口錠剤およびカプセル等の経口製剤は賦形剤、例えば、シロップ剤、アラビアゴム、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン等のバインダ;乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはアミノ酢酸等の充填剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ等の潤滑剤;かたくり粉等の崩壊剤;またはラウリル硫酸ナトリウム等の許容される潤滑増強剤を含んでもよい。錠剤は薬剤学でよく知られた方法で被覆されてもよい。
経口液剤では、本発明の医薬組成物は水またはオイルの懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ剤またはエリキシル剤の中に、または用いる前に水または適切な媒体で補う乾燥製品の中に調製されてもよい。液剤は従来型の添加剤、例えば、ソルビトール、メチルセルロース、ブドウ糖シロップ、ゲル、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、または水素化食用脂等の懸濁化剤;レシチン、ソルビタンモノオレイン酸ソルビタンまたはアラビアゴム等の乳化剤;または、アーモンドオイル、グリセロール等の油脂、エチレングリコールまたはエタノール等の非水性の坦体(食用油を含んでもよい);パラヒドロキシ安息香酸メチルまたはパラヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸等の防腐剤を含んでもよい。必要ならば、香料や着色剤を加えてもよい。座薬はカカオバターまたは他のグリセリド等の従来型の座薬基剤を含んでもよい。非経口投与では、液状投薬形態は一般に、化合物と少なくとも1種類の殺菌された、または無菌の担体から作られる。担体は最適には水である。選択された担体と薬剤の濃度により、化合物は担体に溶解するか、懸濁液の中に調製する。注射に用いられる溶液を調製する際は、化合物をまず水に溶解し、ろ過と殺菌の後、密閉ビンまたはアンプルに詰める。皮膚に局所的に投与するときは、本発明による化合物は適宜、軟膏、ローションまたはクリームの形状で調製される。ここで、活性成分は1種以上の担体に懸濁または溶解する。軟膏の調製に用いられる担体は、鉱油、流動パラフィン、アルボレン(商品名:Albolene)、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス、および水を含むが、これらに限定されない。ローションまたはクリームで用いられる担体は、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、Tween 60、ヘキサデシルエステルワックス、ヘキサデカン芳香族アルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水を含むが、これらに限定されない。投与の経路によるが、組成物は活性成分を0.1重量%、さらに適切には10〜60重量%含んでもよい。しかしながら、組成物が1投薬単位の形態の時はそれぞれの投薬単位は、好ましくは50〜500mgの活性成分を含む。投与の経路および投与の頻度に基づいて、成人に対して適切な治療投与量は、例えば、1日あたり1500mgなど、1日あたり100〜3000mgとする。
式Iの化合物の最適な投与量および間隔は、治療する哺乳動物の種だけでなく、疾病や障害の重症度、当該化合物の性能、投与形態、投与経路および投与の部位等の条件によることは当然理解される。最適な投与量は医師により決定される。
本発明による多置換ピリジン化合物は、従来技術に対して次のような優位性と好ましい効果を有する:
この発明は新しい部類の多置換ピリジン化合物を始めて提供する。従来技術の化合物(ソラフェニブ、または、CN1341098AまたはCN102532113Aに開示された化合物等)と比較して、本発明による式Iの多置換ピリジン化合物はよりよい抗腫瘍効果を有し、細胞中および細胞表面で同時に、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR-2 = vascular endothelial growth factor receptor-2)、血管内皮増殖因子受容体3(VEGFR-3 = vascular endothelial growth factor receptor-3)、CRAF、血小板由来成長因子受容体β(PDGFR-β = platelet-derived growth factor receptor β)、BRAF、V600E BRAF、KITおよびFLT-3キナーゼを含む種々のキナーゼを阻害できる。特に、本発明によるいくつかの好ましい化合物は二重の抗腫瘍効果を有する。一つはVEGFRおよびPDGFRを阻害して腫瘍の血管新生を遮断し、それによって、腫瘍細胞の成長を阻害する;もう一つは、RAF/MEK/ERK信号伝達経路を阻害して腫瘍の成長を阻害し、その結果、さらに有効な抗腫瘍効果となる。
さらに、本発明による化合物は明らかに優れた抗腫瘍効果を有するだけでなく、明らかに優れた薬物動態学的な性質を有し、インビボでの血液濃度等のデータで市販薬のソラフェニブより明らかに優れており、経口および静脈投与に非常に適している。
さらに有効な抗腫瘍剤を得るために、本発明者らは、数多くのスクリーニングテストを実施した。例えば、本発明者らは式IIのピリジン環の置換基X3、X4およびX5を薬物動態学実験によってスクリーニングした。
Figure 0006294561
本発明者らは、薬物動態学実験によって、驚いたことに、ピリジン環のX4およびX5の両方が水素で、かつX3が置換基で置換されていると、該化合物分子の立体配置における電子雲効果と電荷により、薬理作用団2-(1-メチル-4-ピラゾリル)基または2-(メチルカルバモイル)基とピリジン環の窒素原子の相互作用が強められ、結果として該化合物分子と受容体の結合力がより高くなることを見出した。さらに本発明者らはまた、数多くの実験を通じて、驚いたことに、ピリジン環のX3が水素のときは、X3の位置は化合物が容易に代謝される部位であること;式IのX3が置換基によって置換されているときは、置換基がこの部位を遮り、それによって該化合物の代謝安定性が向上し、インビボでの該化合物の高い血中濃度を確かなものとし、そのことが本発明による化合物の有効性をさらに高めていることを見出した。これらの発見に基づいて、本発明者らは、さらなる本発明の技術的解決策に到達した。本発明による化合物は、明らかに優れた抗腫瘍効果を有しており、かつ、市販薬ソラフェニブだけでなく、中国特許出願文献文献CN1341098、CN201110435847.9に開示された化合物よりも明らかに勝っている。
本発明者らはさらに、薬物動態学実験によりX3が電子吸引性基のとき、本発明による化合物はよりよい治療効果を有することを見出した。好ましくは、電子吸引性基はF、Clまたはシアノ基である。
本発明の技術的解決策と、本発明者らが以前に出願した特許出願CN201110435847.9の技術的解決策の明らかな違いは、本発明による化合物はピリジン環の3位(すなわち、本発明の式IのX3)が置換されているが、CN201110435847.9に開示された化合物のピリジン環の3、5および6位(すなわちこの明細書中の式IIのX3、X4およびX5)は置換されていないことである。
また、市販の抗腫瘍剤ソラフェニブはピリジン環の3、5および6位(すなわち本発明による式IIのX3、X4、X5)は置換されていない。従って本発明による化合物はまた、化合物ソラフェニブとは構造的に異なる。
本発明者らは、薬物動態学的な比較実験により、本発明による化合物はCN1341098、CN201110435847.9に開示された化合物、それらはピリジン環の3、5および6位(すなわち本発明の明細書の式IIのX3、X4、およびX5)よりも明らかによい抗腫瘍効果を有していることを見出した。さらに本発明による化合物は市販の抗腫瘍剤ソラフェニブよりも優れている。このことは、市販の抗腫瘍剤ソラフェニブに比べ、本発明による化合物は複合的にキナーゼを阻害することができる、より有効な抗腫瘍化合物であることを示している。
本発明による化合物は明らかに優れた抗腫瘍効果を有するだけでなく、明らかに優れた薬物動態学的な性質を有し、インビボでの血液濃度等のデータで市販薬のソラフェニブより明らかに優れており、経口および静脈投与に非常に適している。
図1はキナーゼVEGFR2における実施例1、実施例2、比較例3、比較例4、比較例5の化合物、およびソラフェニブ遊離塩基の最大半量阻害濃度を示す。
図中の化合物と例の対応する関係は次の通りである:
Figure 0006294561
本発明について述べるが、以下の実施態様および図の参照によって制限されるものではない。本発明の基本的な考えに基づいて当業者は様々な変更または改良を行うことができる。これらの変更または改良は本発明の基本的な考えから逸脱しない限り、本発明の範囲に入る。
以下の例では、別途特記した場合を除き、すべての試薬は市販品であり、例えばJ&K SCIENTIFIC Co. Ltd. Alfa、Aesar (Tianjin) Chemical Co. Ltd.、またはBeijing Ouhe Technology Co. Ltd.から入手できる。
以下の例では、収率の計算式は:
収率=生成物の重量×原料物質のモル質量/(原料物質の重量×生成物のモル質量)。
実施例1
FD-2013015:
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3−フルオロ-2-(1-メチル-4-ピラゾリル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2-クロロ-3-フルオロ-4-クロロピリジンの合成
Figure 0006294561
窒素ガス雰囲気中、-30℃で、n-ブチルリチウム(2.4Mヘキサン溶液13.13mL、31.5mmol)をジイソプロピルアミン(3.18g、31.5mmol)の無水テトラヒドロフラン(30mL)溶液に滴下し、反応混合物を得た。反応混合物を-30℃で30分間撹拌し、次に、-78℃に冷却した。2-クロロ-3-フルオロピリジン(3.95g、30mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液を滴下し、次に反応混合物を-78℃で60分間撹拌した。ヘキサクロロエタン(7.10g、30mmol)の無水テトラヒドロフラン(50mL)溶液を滴下し、次に反応混合物を-78℃で60分間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(50mL)で反応停止し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を食塩水(100mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100:1)で精製し、黄色固体生成物(3.60g、収率:72%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): 8.14 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 5.1 Hz, 1H)
MS (ESI+): m/z 166.2 [M+H]+
ステップ2:2-クロロ-3-フルオロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(24.8g、227mmol)の無水ジメチルスルホキシド(210mL)溶液に窒素ガスを10分間吹き込み、次にカリウムtert-ブトキシド(26.80g、238.8mmol)を加えて、反応混合物を得た。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に2-クロロ-3-フルオロ-4-クロロピリジン(37.68g、227mmol)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次に水(1000mL)で希釈し、酢酸エチル(500mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を食塩水(500mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=5:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(15.0g、収率:28%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 5.22 (br s, 2H), 6.62 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.75 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 8.05 (d, J = 5.7 Hz, 1H)
MS (ESI+): m/z 239.1 [M+H]+
ステップ3:4-(3-フルオロ-2-(1-メチル-4-ピラゾリル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
2-クロロ-3-フルオロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(7.2g、30.2mmol)、1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(6.3g、30.2mmol)、炭酸カリウム(12.5g、90.6mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.74g、1.5mmol)の混合物のテトラヒドロフラン(THF、180mL)と水(30mL)溶液にアルゴンガスを5分間吹き込み、次にアルゴンガス雰囲気中で85℃で24時間撹拌し、反応混合物を得た。水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:2、v/v))で精製し、淡黄色固体生成物(5.4g、収率:60%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.93 (s, 3H), 5.18 (br s, 2H), 6.54 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.98 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.29 (d, J = 2.1 Hz, 1H)
MS (ESI+): m/z 285.1 [M+H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)-ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(3-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(1.71g、6.0mmol)と4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(1.6g、7.2mmol)のジクロロメタン(30mL)混合溶液を室温で12時間撹拌し、次にろ過し、白色固形物を集め、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(2.35g、収率:75%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.93 (s, 3H), 6.66 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.59-7.63 (m, 2H), 7.98 (s,1H), 8.10(d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.20(d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.30 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.98 (s, 1H), 9.18 (s, 1H)
MS (ESI+): m/z 505.8 [M+H]+
ステップ5:p-トルエンスルホン酸1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素(1.518g、3mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(0.684g、3.6mmol)の混合物の無水エタノール(20mL)溶液を還流加熱し、固形物が完全に溶解するまで無水エタノールをさらに加えた。得られた透明溶液をろ過し、ろ液を一晩放置し、次に、吸引ろ過して、得られた白色固形物を集め、乾燥し白色固形生成物(1.328g、収率:65%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.32 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.39 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.28 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.72 - 7.56 (m, 4H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.13 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 6.77 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.29 (s, 3H).
実施例2
FD-2013018:
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3−クロロ-2-(1-メチルピラゾ-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2,3-ジクロロ-4-ヨードピリジンの合成
Figure 0006294561
アルゴンガス雰囲気中、-78℃で、n-ブチルリチウム(2.4Mヘキサン溶液、59.12mL、141.9mmol)を2,3-ジクロロピリジン(20g、135.1mmol)の無水テトラヒドロフラン(350mL)溶液に滴下し、反応混合物を得、反応混合物を-78℃で90分間撹拌した。ヨウ素(41g、161.5mmol)の無水テトラヒドロフラン(100mL)溶液を滴下し、反応混合物を-78℃で60分間撹拌した。次に、温度を室温まであげた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)で反応停止し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を食塩水(200mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=100:1)で精製し、固体生成物(31.5g、収率:85.1%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 8.08 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.65 (d, J = 5.4 Hz, 1H)
MS (ESI+): m/z 273.9 [M+H]+
ステップ2:2,3-ジクロロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(13.85g、127.0mmol)の無水ジメチルスルホキシド(120mL)溶液に窒素ガスを10分間吹き込み、カリウムtert-ブトキシド(13.60g、121.2mmol )を加えて、反応混合物を得た。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に2,3-ジクロロ-4-ヨードクロロピリジン(31.5g、115.4mmol)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次に、水(500mL)で希釈し、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を食塩水(300mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(27.5g、収率:93.7%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 5.24(br s, 2H), 6.64 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.67 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.39 (d, J = 5.6 Hz, 1H)
MS (ESI+): m/z 255.0 [M+H]+
ステップ3:4-(3-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
2,3-ジクロロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(9.1g、35.7mmol)、1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(7.42g、35.7mmol)、炭酸カリウム(14.76g、106.9mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2g、1.72mmol)の混合物のテトラヒドロフラン(THF、210mL)と水(35mL)溶液にアルゴンガスを5分間吹き込み、次にアルゴンガス雰囲気中、85℃で24時間撹拌し、反応混合物を得た。水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:2、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(4.85g、収率:45.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.93 (s, 3H), 5.19 (br s, 2H), 6.46 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.11 (s, 1H), 8.27 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.48 (s, 1H)
MS (ESI+): m/z 301.0 [M+H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(3-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(4.85g、16.1mmol)と4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(4.28g、19.3mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を室温で12時間撹拌し、ろ過し、得られた白色固形物を集め、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(7.2g、収率:85.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.94 (s, 3H), 6.56 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.61-7.68 (m, 2H), 8.12(s, 1H), 8.13(s, 1H), 8.32(d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.51(s, 1H), 9.01 (s, 1H), 9.21 (s, 1H)
MS (ESI+): m/z 522.1 [M+H]+
ステップ5:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素p-トルエンスルホン酸塩の合成:
Figure 0006294561
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素(1.570g、3mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(0.684g、3.6mmol)の混合物の無水エタノール(20mL)溶液を還流加熱し、固形物が完全に溶解するまで無水エタノールをさらに加えた。得られた透明溶液をろ過し、ろ液を一晩放置し、次に吸引ろ過して、得られた白色固形物を集め、乾燥し白色固形生成物(1.428g、収率:69%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.33 (s, 1H), 9.14 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.42 - 8.32 (dd, J = 6.0, 2.4 Hz, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.13 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.71 - 7.58 (m, 4H), 7.50 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.7 Hz, 3H), 7.13 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.71 - 6.60 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.29 (s, 3H).
実施例3
FD-2013024:
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3−クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)-2-フルオロフェニル)尿素
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2,3-ジクロロ-4-(4-アミノ-3-フルオロフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
4-アミノ-3-フルオロフェノール(1.69g、13.28mmol)の無水ジメチルスルホキシド(15mL)溶液に窒素ガスを10分間吹き込み、次に2,3-ジクロロ-4-ヨードピリジン(3.31g、12.13mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に2,3-ジクロロ-4-ヨードピリジン(31.5g、115.4mmol)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を食塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(1.0g、収率:30%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.17 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.16-7.00 (m, 1H), 6.92-6.78 (m, 2H), 6.75 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.26 (br s, 2H)
MS (ESI+): m/z 272.9 [M+H]+
ステップ2:4-(3-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)-2-フルオロアニリンの合成:
Figure 0006294561
2,3-ジクロロ-4-(4-アミノ-3-フルオロフェノキシ)ピリジン(0.40g、1.47mmol)、1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(0.35g、1.68mmol)、炭酸カリウム(0.7g、5.07mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.10g、0.086mmol)の混合物のテトラヒドロフラン(THF、5mL)と水(1mL)溶液にアルゴンガスを5分間吹き込み、アルゴンガス雰囲気中、85℃で24時間撹拌し、反応混合物を得た。水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:2、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(0.23g、収率:49%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.48 (s, 1H), 8.29 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 11.9, 2.3 Hz, 1H), 6.90-6.75 (m, 2H), 6.53 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H), 3.93 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 319.0 [M+H]+
ステップ3:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)-2-フルオロフェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(3-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)-2-フルオロアニリン(0.23g、0.72mmol)と4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(0.16g、0.72mmol )のジクロロメタン(5mL)溶液を室温で12時間撹拌し、ろ過し、得られた白色固形物を集め、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(0.30g、収率:77%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.52 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.36 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 8.26-8.05 (m, 3H), 7.64 (s, 2H), 7.36 (dd, J = 11.5, 2.6 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 540.0 [M+H]+
実施例4
FD-2013025:
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-シアノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2-クロロ-4-ヨードニコチノニトリルの合成
Figure 0006294561
アルゴンガス雰囲気中、-30℃で、n-ブチルリチウム(2.4Mヘキサン溶液、3.0mL、7.2mmol)をジイソプロピルアミン(0.728g、7.2mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液に滴下して反応混合物を得た。反応混合物を-30℃で30分間撹拌し、次に、-78℃まで冷却した。2-クロロニコチノニトリル(1.0g、7.2mmol) の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下し60分間撹拌した。ヨウ素(1.8g、7.2mmol)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下し、反応混合物を-78℃で30分間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(50mL)で反応停止し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を食塩水(100mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=80:1)で精製し、黄色固体生成物(0.357g、収率:19%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.32 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 5.2 Hz, 1H)
MS (ESI+): m/z 264.9 [M+H]+
ステップ2:2-クロロ-3-シアノ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(164mg、1.48mmol)の無水ジメチルスルホキシド(3mL)溶液に窒素ガスを10分間吹き込み、次にカリウムtert-ブトキシド(166mg、1.48mmol)を加えて、反応混合物を得た。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2-クロロ-4-ヨードニコチノニトリル(355mg、1.34mmol)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次に、水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(30mL×2)で洗浄し、食塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(210mg、収率:61%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.42 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.76 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 5.29 (s, 2H)
MS (ESI+): m/z 246.0 [M+H]+
ステップ3:4-(3-シアノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
2-クロロ-3-シアノ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(200mg、0.816mmol)、1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(187mg、0.878mmol)、炭酸カリウム(338mg、2.45mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(95mg、0.0816mmol)をテトラヒドロフラン(THF、6mL)と水(1mL)に溶解したものにアルゴンガスを5分間吹き込み、アルゴンガス雰囲気中、85℃で24時間撹拌し、反応混合物を得た。水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(20mL×2)で洗浄し、飽和食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:2、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(95mg、収率:40%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.52 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 6.95 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.65 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.51 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.25 (s, 2H), 3.96 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 292.1 [M+H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-シアノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(3-シアノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(90mg、0.31mmol)と4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(68.5mg、0.31mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を室温で12時間撹拌し、次にろ過し、得られた白色固形物を集め、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(54mg、収率:34%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.23 (s, 1H), 9.05 (s, 1H), 8.56 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.12 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.67-7.59 (m, 4H), 7.28 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.58 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 512.9 [M+H]+
実施例5
FD-2013027:
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メチル-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2-クロロ-4-フルオロ-3-メチルピリジンの合成:
Figure 0006294561
窒素ガス雰囲気中、-30℃で、n-ブチルリチウム(2.4Mヘキサン溶液4.37mL、10.49mmol)をジイソプロピルアミン(1.06g、11mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液に滴下し、反応混合物を得た。反応混合物を-30℃で30分間撹拌し、次に、-78℃に冷却した。2-クロロ-4-フルオロピリジン(1.31g、10mmol)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下し、反応混合物を-78℃で60分間撹拌した。ヨードメタン(1.48g、10.5mmol)の無水テトラヒドロフラン(5mL)溶液を滴下し、反応混合物を-78℃で30分間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(5mL)で反応停止し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を飽和食塩水(30mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100:1、v/v)で精製し、黄色固体生成物(0.63g、収率:43%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.31 (dd, J = 8.0, 5.8 Hz, 1H), 7.38 (dd, J = 8.7, 5.6 Hz, 1H), 2.27 (d, J = 1.8 Hz, 3H)
MS (ESI+): m/z 146.0 [M+H]+
ステップ2:2-クロロ-3-メチル-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(0.21g、1.91mmol)の無水ジメチルスルホキシド(3mL)溶液に窒素ガスを10分間吹き込み、次にカリウムtert-ブトキシド(0.22g、1.96mmol)を加えて、反応混合物を得た。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2-クロロ-4-フルオロ-3-メチルピリジン(269mg、1.85mmol)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(20mL×2)で洗浄し、食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=5:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(0.38g、収率:88%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.04 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.89-6.78 (m, 2H), 6.69-6.57 (m, 2H), 6.51 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 2.31 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 235.0 [M+H]+
ステップ3:4-(3-メチル-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
2-クロロ-3-メチル-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(380mg、1.62mmol)、1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(337mg、1.62mmol)、炭酸カリウム(400mg、2.89mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(90mg、0.08mmol)の混合物のテトラヒドロフラン(THF、6mL)と水(1mL)溶液にアルゴンガスを5分間吹き込み、次にアルゴンガス雰囲気中で85℃で24時間撹拌し、反応混合物を得た。水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(20mL×2)で洗浄し、飽和食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:2、v/v))で精製し、淡黄色固体生成物(170mg、収率:37.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.18 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 6.82 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.35 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.91 (s, 3H), 2.39 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 281.1 [M+H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メチル-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(3-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(165mg、0.58mmol)と4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(155mg、0.7mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液を室温で12時間撹拌し、次にろ過し、次に得られた白色固形物を集め、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(145mg、収率:49%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.18 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.24 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.12 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.69-7.58 (m, 2H), 7.55 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.47 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 2.40 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 501.9 [M+H]+
実施例6
FD-2013031:
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-アミノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2-クロロ-3-ニトロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(1.09g、10mmol)の無水ジメチルスルホキシド(10mL)溶液に窒素ガスを10分間吹き込み、次にカリウムtert-ブトキシド(1.12g、10mmol)を加えて、反応混合物を得た。反応混合物を室温で15分間撹拌し、2,4-ジクロロ-3-ニトロピリジン(1.93g、10mmol)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次に、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(50mL×2)で洗浄し、食塩水(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=3:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(408mg、収率:15%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.40 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.28 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.30 (br s, 2H)
MS (ESI+): m/z 266.0 [M + H]+
ステップ2:4-(3-ニトロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
2-クロロ-3-ニトロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(1.25mg、1.51mmol)、1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(377mg、1.81mmol)、炭酸カリウム(12.4g、9.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(174mg、1.151mmol)の混合物のテトラヒドロフラン(THF、18mL)と水(3mL)溶液にアルゴンガスを5分間吹き込み、アルゴンガス雰囲気中、85℃で一晩撹拌し、反応混合物を得た。水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(30mL×2)で洗浄し、飽和食塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:3、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(450mg、収率:96%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.49 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.69-7.46 (m, 11H), 6.91 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.68 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.26 (br s, 2H), 3.91 (s, 3H)
MS (ESI+) m/z 312.0 [M + H]+
ステップ3:4-(3-アミノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
4-(3-ニトロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(200mg、0.64mmol)とパラジウム−炭素(20mg)の無水メタノール(15mL)溶液を室温で、4atmの水素ガス雰囲気中、4時間撹拌した。パラジウム−炭素をセライトでろ過し、次に濾液を濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:4)で精製し、生成物(75mg、収率:41%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.20 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.73 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.62 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.29 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.08 (br s, 2H), 4.72 (s, 2H), 3.90 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 282.1 [M + H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-アミノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(3-アミノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(70mg、0.249mmol)と4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(55mg、0.249mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液を室温で3時間撹拌し、次にろ過し、得られた白色固形物を集め、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(79mg、収率:63%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.17 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.78 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 2.6 Hz, 2H), 7.67-7.59 (m, 2H), 7.10 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.42 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.82 (br s, 2H), 3.91 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 502.9 [M+H]+
実施例7
FD-2013033:
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メチルアミノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2-クロロ-4-ヨード-3-(メチルアミノ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
封管中で、2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードピリジン(12g、46.6mmol)のアミノエタンエタノール(25%、v/v、30mL)の溶液を65℃で8時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=30:1)で精製し、黄色油状物(5.5g、収率:44%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.77 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.75 (br, s, 1H), 2.91 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 268.9 [M+H]+
ステップ2:2-クロロ-3-メチルアミノ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(0.16g、1.46mmol)の無水ジメチルスルホキシド(3mL)溶液に窒素ガスを10分間吹き込み、次にカリウムtert-ブトキシド(0.16g、1.46mmol)を加えて、反応混合物を得た。反応混合物を室温で30分間撹拌し、2-クロロ-4-ヨード-3-(メチルアミノ)ピリジン(170mg、0.63mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に、80℃で5時間攪拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(20mL×2)で洗浄し、食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=5:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(96mg、収率:61%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.57 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.66-6.56 (m, 2H), 6.48 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 5.08 (s, 2H), 4.94 (q, J = 5.4 Hz, 1H), 2.97 (d, J = 5.4 Hz, 3H)
MS (ESI+): m/z 250.0 [M+H]+
ステップ3:4-(3-メチルアミノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
2-クロロ-3-メチルアミノ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(270mg、1.08mmol)、1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(225mg、1.08mmol)、炭酸カリウム(447mg、3.24mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(76mg、0.108mmol)の混合物のジメチルホルムアミド(DMF、6mL)と水(1mL)溶液にアルゴンガスを5分間吹き込み、次にアルゴンガス雰囲気中、85℃で24時間撹拌し、反応混合物を得た。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(30mL×2)で洗浄し、飽和食塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:3、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(180mg、収率:56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.19 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.91 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.62 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.35 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 5.14 (s, 1H), 3.90 (s,3H), 2.66 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 296.1 [M+H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メチルアミノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(3-メチルアミノ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(170mg、0.576mmol)と4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(127.6mg、0.576mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液を室温で12時間撹拌し、次にろ過し、得られた白色固形物を集め、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(67mg、収率:22.5%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.16 (s, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.95 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 7.94 (s, 1H), 7.66-7.60 (m, 2H), 7.53 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.47 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.40 (br s, 1H), 3.91 (s, 3H), 2.69 (d, J = 4.8 Hz, 3H)
MS (ESI+): m/z 517.1[M+H]+
実施例8
FD-2013037:
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メトキシ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2-クロロ-3-メトキシ-4-ヨードピリジンの合成:
Figure 0006294561
2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードピリジン(1.05g、4.08mmol)とナトリウムメトキシド(0.22g、4.08mmol)のメタノール(10mL)溶液を45℃で2時間撹拌し、反応混合物を得た。反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(50mL×2)で洗浄し、食塩水(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=100:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(0.58g、収率:53%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.92 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 269.8 [M + H]+
ステップ2:2-クロロ-3-メトキシ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
封管中で、4-アミノフェノール(0.172g、1.58mmol)、2-クロロ-3-メトキシ-4-ヨードピリジン(425mg、1.58mmol)とカリウムtert-ブトキシド(0.177g、1.58mmol)の無水ジメチルスルホキシド(5mL)溶液を155℃で2.5時間撹拌して、反応混合物を得た。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(30mL×2)で洗浄し、食塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(210mg、収率:53%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.95 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 6.91- 6.86 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.62 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 5.16 (s, 2H), 3.90 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 251.0 [M + H]+
ステップ3:4-(3-メトキシ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
2-クロロ-3-メトキシ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(130mg、0.52mmol)、1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(120mg、0.58mmol)、炭酸カリウム(215mg、1.56mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(90mg、0.127mmol)の混合物のジメチルホルムアミド(DMF、6mL)と水(1mL)溶液にアルゴンガスを5分間吹き込み、アルゴンガス雰囲気中、100℃で5時間撹拌し、反応混合物を得た。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせた。合わせた有機相を水(30mL×2)で洗浄し、飽和食塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:3、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(40mg、収率:26%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (s, 1H), 8.07 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 6.87 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.62 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.41 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 5.12 (s, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.89 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 297.1 [M + H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メトキシ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(3-メトキシ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(40mg、0.135mmol)と4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(30mg、0.135mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を室温で12時間撹拌し、次にろ過し、次に得られた白色固形物を集め、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(50mg、収率:71%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.18 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.17-8.08 (m, 2H), 8.02 (s, 1H), 7.69-7.59 (m, 2H), 7.55 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.55 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.89 (s, 3H)
MS (ESI+): m/z 517.9 [M + H]+
比較例1
比較化合物:特許出願文献WO0042012A1に開示された方法で調製されたソラフェニブ遊離塩基。
比較例2
化合物No. FD-1210005
CN201110435847.9に開示された実施例1の化合物
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2-クロロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(4.35g、39.8mmol)の40mL無水ジメチルスルホキシド溶液に窒素ガスを10分間吹き込み、次にカリウムtert-ブトキシド(4.7g、41.8mmol)を加え、室温で30分撹拌し、次に次に2-クロロ-4-フルオロピリジン(5g、38.0mmol)を加えて反応混合物を得た。反応混合物をゆっくりと80℃まで加熱し、この温度で2時間反応させ、TLCで反応の終了を確認したら、室温まで冷却し、次に水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。酢酸エチル相を合わせ、水(100mL×2)で洗浄し、食塩水(100mL)で再度洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(7.26g、収率:86.8%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 4.07 (br s, 2H), 6.72 (d, J = 8.7 Hz, 2H),6.75-6.77 (m, 2H), 6.88 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.19 (d, J = 5.4 Hz, 1H). MS (ESI+) : 221.1 [M+H]+
ステップ2:4-(2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
窒素ガスの保護下で、2-クロロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(5.7g、25.9mmol)と1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(6.47g、31.1mmol)をテトラヒドロフラン(THF、70mL)に溶解し、撹拌しながら、炭酸カリウム(10.7g、77.5mmol)と水(17.1mL)を加え、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.5g、1.29mmol)を暗所で加え、70℃で24時間、撹拌し、室温まで冷却し、濃縮し、次に水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。酢酸エチル相を合わせ、水(50mL×2)で洗浄し、食塩水(50mL)で再度洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:2、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(5.85g、収率:85%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 3.84 (br s, 2H), 3.92 (s, 3H), 6.60 (dd, J = 2.4, 5.7 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.86 (s, 2H,), 8.34 (d, J = 5.7 Hz, 1H). MS (ESI+) : 267.1 [M+H]+
ステップ3:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(6.7g、25.1mmol)を酢酸エチル(80mL)に溶解し、窒素ガスの保護下で、3-トリフルオロメチル-4-クロロフェニル=イソシアナート(5.6g、25.1mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。多量の固形物が沈殿した。反応混合物を溶媒の体積が40mLになるまで濃縮し、吸引ろ過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(7.5g、収率:60.9%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.88 (s, 3H), 6.63 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.57-7.69 (m, 4H), 7.96 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.37 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 8.93 (s, 1H), 9.17 (s, 1H). MS (ESI+) : 488.1 [M+H]+
比較例3
化合物No. FD-2013016。
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(2-(1-メチルピラゾル-4-イル)-5-フルオロピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素;
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2-クロロ-4-ヨード-5-フルオロピリジンの合成
Figure 0006294561
100mLの三口フラスコに、2-クロロ-5-フルオロピリジン(2.65g、20.1mmol)を無水テトラヒドロフラン(30mL)で溶解し、窒素ガスの保護下で、-78℃で30分間撹拌した。tert-ブチルリチウム(1.3M)のn-ペンタン(16.27mL、21.1mmol)溶液をゆっくりと滴下し、添加後、その温度で90分間反応を行った。次にヨウ素(6.13g、24.2mmol)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液をゆっくりと滴下した。添加後、温度をゆっくりと室温まで上げ、飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)を加え、次に水(50mL)を加え、次に相分離させ、水相を50mL、40mL、200mLの酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、その有機相を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(50mL×2)で洗浄し、食塩水(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=100:1、v/v)で精製し、黄色固体生成物(2g、収率:39%)を得た。
MS (ESI+) : 257.9 [M+H]+
ステップ2:2-クロロ-5-フルオロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(0.55g、5mmol)を無水ジメチルスルホキシド(15mL)に溶解し、窒素ガスで10分間パージし、次にカリウムtert-ブトキシド(0.58g、5.2mmol)を加え、室温で30分撹拌し、次に2-クロロ-4-ヨード-5-フルオロピリジン(1.3g、5mmol)を加え、室温で5時間反応させた。TLCで反応の終了を確認したら、酢酸エチル(50mL)を加え、十分に撹拌し、次に水(100mL)を加え、次に相分離させ、水相を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。酢酸エチル相を合わせ、水(50mL×2)で洗浄し、食塩水(50mL×2)で再度洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(0.2g、収率:16.8%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 5.24 (br s, 2H), 6.64 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.65 (s, 1H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.44 (d, J = 3.0 Hz, 1H). MS (ESI+) : 239.1 [M+H]+
ステップ3:4-(5-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
窒素ガスの保護下で、2-クロロ-5-フルオロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(200mg、0.84mmol)と1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(175mg、0.84mmol)をテトラヒドロフラン(THF、5mL)に溶解し、炭酸カリウム(347mg、2.51mmol)と水(0.84mL)を加え、酸素を除去し、アルゴンガスの保護下で、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(48mg、0.04mmol)を暗所で加え、85℃で24時間撹拌し、次に、TLCで反応の終了を確認したら、室温まで冷却した。次に水と酢酸エチル(それぞれ20mL)を加え、次に相分離させ、水相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。酢酸エチル相を合わせ、食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(50mg、収率:21%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.82 (s, 3H), 5.16 (br s, 2H), 6.63 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.76 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.46 (d, J = 3.0 Hz, 1H). MS (ESI+) : 285.0 [M+H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(5-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(5-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(50mg、0.176mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、窒素ガスの保護下で、4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(46mg、0.208mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。沈殿した多量の固形物を吸引ろ過し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(61mg、収率:68.6%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 3.83 (s, 3H), 7.11 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.60-7.67 (m, 2H), 7.83(s, 1H), 8.11(d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.16(s, 1H), 8.52(d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.95 (s, 1H), 9.17 (s, 1H). MS (ESI+) : 506.1 [M+H]+
ステップ5:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(5-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素p-トルエンスルホン酸塩の合成:
Figure 0006294561
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(5-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素(55mg、0.109mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(25mg、0.131mmol)を無水エタノール(2mL)に加えた。得られた混合物を還流加熱し、無水エタノールを固形物が完全に溶解するまで加えた。得られた溶液ろ過し、ろ液を一晩放置し、次にろ液を吸引ろ過し、得られた白色固形物を集め、乾燥して白色固体生成物(42mg、収率:57%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 9.28 (s, 1H), 9.08 (s, 1H), 8.64 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.12 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.74 - 7.55 (m, 4H), 7.50 (dd, J = 5.3, 2.8 Hz, 2H), 7.26 - 7.07 (m, 5H), 3.84 (s, 3H), 2.29 (s, 1H).
比較例4
化合物No. FD-2013019.
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(2-(1-メチルピラゾル-4-イル)-5-クロロピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素;
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2,5-ジクロロ-4-ヨードピリジンの合成
Figure 0006294561
100mLの三口フラスコ中で、2,5-ジクロロピリジン(3.0g、20.3mmol)を無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、窒素ガスの保護下で、-78℃で撹拌した。30分後、2.4Mのn-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(8.9mL、21.3mmol)をゆっくりと滴下した。添加後、その温度で90分間反応を行った。次にヨウ素(6.13g、24.2mmol)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液をゆっくりと反応系に滴下し、次に温度をゆっくりと室温まで上げた。飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)を加え、さらに水(50mL)を加え、次に相分離させ、水相を50mL、40mL、200mLの酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、その有機相を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(50mL×2)と、食塩水(50mL×2)で別々に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して、黄色固体の粗生成物(4g、収率:72%)を得た。粗生成物は生成せずに直接次のステップで用いた。
MS (ESI+) : 273.9 [M+H]+
ステップ2:2,5-ジクロロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成:
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(1.59g、14.6mmol)を無水ジメチルスルホキシド(30mL)に溶解し、窒素ガスで10分間パージし、カリウムtert-ブトキシド(1.68g、15mmol)を加え、次に室温で30分撹拌し、2,5-ジクロロ-4-ヨードピリジン(4g、14.6mmol)を加え、室温で5時間反応させた。TLCで反応の終了を確認したら、酢酸エチル(80mL)を加え、十分に撹拌し、次に水(100mL)を加えた。相分離させた後、水相を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。酢酸エチル相を合わせ、水(150mL×2)で洗浄し、食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(0.34g、収率:9.1%)を得た。
MS (ESI+) : 255.0 [M+H]+
ステップ3:4-(5-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
窒素ガスの保護下で、2,5-ジクロロ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(340mg、1.33mmol)と1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(278mg、1.33mmol)をテトラヒドロフラン(THF、8mL)に溶解し、炭酸カリウム(548mg、3.97mmol)と水(1.33mL)を加え、次に触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(76mg、0.06mmol)を暗所で加え、85℃で24時間撹拌した。TLCで反応の終了を確認したら、次に室温まで冷却し、次に水と酢酸エチル(それぞれ20mL)を加えた。相分離させた後、水相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。酢酸エチル相を合わせ、食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(75mg、収率:19%)を得た。
MS (ESI+) : 301.0 [M+H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(5-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(5-フルオロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(75mg、0.25mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、窒素ガスの保護下で、4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(67mg、0.3mmol)を加え、次に室温で12時間撹拌した。沈殿した多量の固形物を吸引ろ過し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(78mg、収率:59.7%)を得た。
1H NMR (300 MHz、 DMSO-d6): δ 3.82 (s、 3H)、 6.98 (s、 1H)、 7.18 (d、 J = 9.0 Hz、 2H)、 7.59 (d、 J = 9.0 Hz、 2H)、 7.63-7.66 (m、 2H)、 7.82(s、 1H)、 8.12(d、 J = 2.1 Hz、 1H)、 8.22(s、 1H)、 8.59(s、 1H)、 9.05 (s、 1H)、 9.25 (s、 1H). MS (ESI+) : 522.1 [M+H]+
ステップ5:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(5-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素p-トルエンスルホン酸塩の合成:
Figure 0006294561
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(5-クロロ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素(70mg、0.134mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(31mg、0.161mmol)を無水エタノール(2mL)に加えた。得られた混合物を還流加熱し、無水エタノールを固形物が完全に溶解するまでさらに加えた。得られた透明溶液をろ過し、ろ液を一晩放置し、次に吸引ろ過し、得られた白色固形物を集め、乾燥して白色固体生成物(57mg、収率:61%)を得た。
1H NMR (300 MHz、 DMSO) δ 9.25 (s、 1H)、 9.05 (s、 1H)、 8.59 (s、 1H)、 8.22 (s、 1H)、 8.12 (d、 J = 2.2 Hz、 1H)、 7.87 (s、 1H)、 7.72 - 7.54 (m、 4H)、 7.48 (d、 J = 8.0 Hz、 2H)、 7.18 (d、 J = 9.0 Hz、 2H)、 7.11 (d、 J = 7.9 Hz、 2H)、 6.98 (s、 1H)、 3.82 (s、 3H)、 2.29 (s、 3H).
比較例5
化合物No. FD-2013017
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(2-(1-メチルピラゾル-4-イル)-6-メトキシピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素
Figure 0006294561
調製方法:
ステップ1:2,6-ジクロロ-4-(4-アミノフェニル)ピリジン
Figure 0006294561
4-アミノフェノール(2.39g、21.9mmol)を無水ジメチルスルホキシド(30mL)に溶解し、窒素ガスで10分間パージし、カリウムtert-ブトキシド(2.45g、21.9mmol)を加え、次に室温で30分撹拌し、2,4,6-トリクロロピリジン(4g、21.9mmol)を加え、45℃で5時間反応させた。TLCで反応の終了を確認したら、酢酸エチル(80mL)を加え、十分に撹拌し、次に水(100mL)を加え、相分離させた。水相を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。酢酸エチル相を合わせ、水(150mL×2)で洗浄し、食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、淡黄色固体の粗生成物(5.1g、収率:91%)を得た。粗生成物は生成せずに直接次のステップで用いた。
MS (ESI+) : 255.0 [M+H]+
ステップ2:2-クロロ-6-メトキシ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジンの合成
Figure 0006294561
2,6-ジクロロ-4-(4-アミノフェニル)ピリジン(7.2g、28.2mmol)を無水メタノール50mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(1.52g、28.2mmol)を加え、24時間還流し、次に減圧下で蒸発乾固した。次に、水(100mL)を加えた。得られた溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=8:1)で精製し、黄色固体生成物(0.88g、収率:12%)を得た。
MS (ESI+) : 251.0 [M+H]+
ステップ 3:4-(6-メトキシ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリンの合成:
Figure 0006294561
窒素ガスの保護下で、2-クロロ-6-メトキシ-4-(4-アミノフェノキシ)ピリジン(440mg、1.76mmol)と1-メチルピラゾル-4-イルボロン酸ピナコールエステル(368mg、1.76mmol)をテトラヒドロフラン(THF、8mL)に溶解し、炭酸カリウム(726mg、5.25mmol)と水(1.76mL)を加え、次に触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(100mg、0.08mmol)を暗所で加え、85℃で24時間撹拌し、TLCで反応の終了を確認したら、次に室温まで冷却した。次に酢酸エチルと水(それぞれ20mL)を加え、相分離させた。水相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、酢酸エチル相を合わせ、食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=4:1、v/v)で精製し、淡黄色固体生成物(400mg、収率:77%)を得た。
MS (ESI+) : 297.2 [M+H]+
ステップ4:1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(6-メトキシ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)フェニル)尿素の合成:
Figure 0006294561
4-(6-メトキシ-2-(1-メチルピラゾル-4-イル)ピリジン-4-イル-オキシ)アニリン(400mg、1.35mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、窒素ガスの保護下で、4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニル=イソシアナート(300mg、1.35mmol)を加え、室温で12時間撹拌し、沈殿した多量の固形物を吸引ろ過し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥して白色固体生成物(300mg、収率:43%)を得た。
1H NMR (300 MHz、 DMSO-d6): δ 3.84 (s、 3H)、 3.85 (s、 3H)、 6.25(d、 J = 2.4 Hz、 1H)、 7.00-7.03(m、 1H)、 7.12 (d、 J = 8.4 Hz、 2H)、 7.51 (d、 J = 8.4 Hz、 2H)、 7.60-7.68 (m、 2H)、 7.86(s、 1H)、 8.07(s、 1H)、 8.13(d、 J = 2.4 Hz、 1H)、 8.94 (s、 1H)、 9.23 (s、 1H). MS (ESI+) : 518.1 [M+H]+
実験例1:化合物のVEGFR2キナーゼの阻害活性の測定
1.材料および装置
EnVision2104多重標識マイクロプレート検出器(パーキンエルマー:PerkinElmer);
OptiPlate-384 White Opaque 384-ウエルマイクロウエルプレート(Cat.6007290、PerkinElmer);
HTRF(登録商標)KinEASETM-TKキット(Cat.:62TKOPEC、Cisbio);
VEGFR2 (Cat:k2643、Sigma);
5×キナーゼ緩衝液(Cat:PV3189、Invitrogen);
ATP 10mM(Cat.PV3227、Invitrogen);
DTT 1M(Cat.D5545、Sigma);
MgCl2 1M(Cat.M8266、Sigma);
MnCl2 1M(Cat.244589、Sigma);
試験化合物:実施例で調製された化合物
対照化合物:比較例で調製された化合物
2.実験手順
2.1 VEGFR2キナーゼ試薬の調製
Figure 0006294561
1×キナーゼ緩衝液:1mLの1×キナーゼ緩衝液は、200μLの5×キナーゼ緩衝液(Invitrogen)、5μLの1M MgCl2、1μLの1M DTT、1μLの1M MnCl2、と793μLのddH2Oを含む;
5×TK基質-ビオチンおよびATP作動液:TK基質-ビオチンとATPの濃度は表1を参照。TK基質-ビオチンとATPは1×キナーゼ緩衝液で反応濃度の5倍に希釈した;
5×キナーゼ作動液:VEGFR2キナーゼの濃度は表1を参照。5×キナーゼ作動液は1×キナーゼ緩衝液を用いて調製した;
4×Sa-XL665作動液:反応中のSa-XL665(Cisbio)の濃度は表1を参照。4×Sa-XL665作動液はアッセイ緩衝液(Cisbio)を用いて調製した;
4×TK Ab-クリプタート作動液:TK Ab-クリプタート(Cisbio)をアッセイ緩衝液(Cisbio)で100倍に希釈して作動液とした;
2.2 実験手順
HTRF KinEASE TKキットの実験手順
上に述べた方法ですべての試薬を調製した後、酵素を除く試薬を室温で平衡状態にし、その後、試料を添加した。
TK基質-ビオチン、ATP、VEGFR2キナーゼと一定濃度の化合物を1×キナーゼ緩衝液中、室温で20分間反応させた。試験化合物の濃度は0から100μMとし、2.5%DMSOを共溶媒として用いた。すべての反応ウエルに5μlの4×Sa-XL665作動液と5μlの4×TK Ab-クリプタート作動液を加えた。室温で1時間反応させた後、蛍光信号(320nmで励起し、665nm、615nmで発光)をENVISION検出器(Perkinelmer)により検出した。最大活性ウエルとバックグラウンド信号のウエルに基づいて、それぞれのウエルの阻害率を計算し、複数のウエルの平均値を用いた。それぞれの試験化合物の最大半量阻害濃度(IC50)は専門ソフトウエアGraphpad PRISM 5.0を用いて曲線回帰をおこなった。
試料添加の流れ図は次の通りである:
Figure 0006294561
2.3 データ解析
発光比(ER)=665nm発光信号/615nm発光信号
阻害率=(ER陽性−ER試料)/(ER陽性−ER陰性)×100%
3.実験結果
HTRF KinEASE TKキットを用いてキナーゼVEGFR2に対する化合物のIC50値を決定した。化合物の最終濃度は100μMから始め、4倍の勾配希釈を行って、10種類の濃度を作製した。それぞれの濃度に対して、複数のウエルを用いた。DMSOの最終濃度は反応系中で1%に制御した。実験結果を表2と図1に示した。
表2 本発明による化合物のVEGFR2キナーゼの阻害活性に対するIC50の測定
Figure 0006294561
Figure 0006294561
Figure 0006294561
4.実験の結論:
本発明による化合物はすべて1000より小さいIC50を有していた。このことは、本発明による化合物が、キナーゼVEGFR2に対して非常に優れた阻害活性を有しており、抗腫瘍剤としての研究に値することを示している。
市場において非常に優れた抗腫瘍剤であるソラフェニブと比較して本発明による好ましい化合物は、キナーゼVEGFR2に対する阻害活性という点では、市販の医薬ソラフェニブ(比較化合物1)より2〜3倍高く、中国特許出願CN201110435847.9に開示された化合物(比較化合物2)よりも優れていた。本発明の実施例1で調製された化合物のIC50値は、ソラフェニブ(遊離塩基)および比較化合物2のIC50値のそれぞれ、0.32倍および0.15倍、すなわち、その阻害活性は、ソラフェニブおよび比較化合物2の阻害活性のそれぞれ3.13倍および6.6倍であった。実施例2で調製された化合物のIC50値は、ソラフェニブ(遊離塩基)および比較化合物2のIC50値のそれぞれ、0.62倍および0.34倍、すなわち、その阻害活性は、ソラフェニブおよび比較化合物2の阻害活性のそれぞれ1.61倍および3.4倍であった。実施例4で調製された化合物のIC50値は、ソラフェニブ(遊離塩基)および比較化合物2の値のそれぞれ、0.75倍および0.36倍、すなわち、その阻害活性は、ソラフェニブおよび比較化合物2の阻害活性のそれぞれ1.3倍、2.7倍であった。実施例3で調製された化合物のIC50値は、ソラフェニブ(遊離塩基)のIC50値の2.5倍、すなわち、その阻害活性は、ソラフェニブの阻害活性の1.5倍であり、比較化合物2のIC50値と同等、すなわちその阻害活性は同等であった。
したがって、上記実験結果から、本発明による化合物はVEGFR2キナーゼに対して非常に優れた阻害活性を有していることが分かる。
本発明の式II中の3つの置換基X3、X4、およびX5を比較すると、本発明による化合物は比較例3、4、および5より明らかに優れている。
実験例2:本発明による化合物の腫瘍細胞のインビトロでの抗増殖のIC50測定
1.材料および方法
細胞株:
MDA-MB-231ヒト乳がん細胞株(中国科学院上海細胞生物研究所(Shanghai Institute of Cell Biology、Chinese Academy of Sciences)から購入);
A498 ヒト腎臓がん細胞株(中国科学院上海細胞生物研究所から購入);
HCT116 ヒト大腸がん細胞株(中国科学院上海細胞生物研究所から購入);
786-O ヒト腎明細胞がん細胞株(中国科学院上海細胞生物研究所から購入);
MiaPaCa-2 ヒト膵臓がん細胞株(アメリカ培養細胞系保存機関(American ATCC)から購入);
SK-OV-3ヒト卵巣がん細胞株 (中国科学院上海細胞生物研究所から購入);
HepG2 ヒト肝臓がん細胞株(中国科学院上海細胞生物研究所から購入);
NCI-H460 ヒト大細胞肺がん細胞株(中国科学院上海細胞生物研究所から購入);
HL-60 ヒト急性骨髄性白血病細胞株(中国科学院上海細胞生物研究所から購入);
試薬および消耗品:
細胞計数キット8(Cat# CK04-13、 Dojindo);
96ウエルプレート(Cat# 3599、 Corning Costar);
ウシ胎児血清(Cat#10099-141、 GIBCO);
培地(Invitrogen) 表3;
デスクトップ酵素免疫測定(ELISA)装置 Spectra Max M5マイクロプレートリーダー(Molecular Devices);
試験化合物:実施例で調製された化合物
対照化合物:比較例で調製された化合物
2.実験ステップ
2.1 試薬の調製
Figure 0006294561
化合物の調製:化合物はDMSOで最終濃度10mMに希釈した。
2.2 細胞培養
a)対数増殖期の細胞を集め、数を数え、完全培地に再懸濁した。
b)細胞の濃度を適切な濃度に調整し、96ウエルプレートに1ウエル当たり100μlの細胞懸濁液の細胞を植え付けた。
c)細胞を培養器中37℃、100%相対湿度、5%CO2で24時間培養した。
2.3 IC50アッセイ
a)対数増殖期の細胞を集め、数を数え、完全培地に再懸濁した。細胞の濃度を(細胞密度の最適化実験の結果に基づいて決定した)適切な濃度に調整し、96ウエルプレートに1ウエル当たり100μlの細胞懸濁液の細胞を植え付けた。細胞を培養器中37℃、100 %相対湿度、5%CO2で24時間培養した。
b)試験化合物を培地で500μMに希釈し、次に、勾配希釈を8回行った。細胞を25μl/wellで加えた。4倍希釈して、化合物の最終濃度を、10種類の濃度を含む100μMから0μMの範囲とした。
c)細胞を培養器中37℃、100%相対湿度、5%CO2で72時間培養した。
d)培地を取り出して廃棄し、10%CCK-8を含む完全培地を加え、次に培養器中37℃で2から4時間培養した。
e)ゆるやかに振とうしたあと、SpectraMax M5マイクロプレートリーダーを用いて波長450nmで吸光度を測定し、培養阻害率を計算するため、波長650nmでの吸光度を参照として用いた。
2.4 データ解析
医薬の腫瘍細胞増殖阻害率は次の式を用いて計算した:
腫瘍細胞増殖阻害率(%)=[(Ac-As)/(Ac-Ab)]×100%.
A: サンプルの吸光度(細胞+CCK-8+試験化合物化合物);
Ac: 陰性参照の吸光度(細胞+CCK-8+DMSO);
Ab: 陽性参照の吸光度(培地+CCK-8+DMSO);
IC50曲線を、専門ソフトウエアGraphPad Prism 5.0用いて曲線回帰を行い、IC50値を計算した。
3.実験結果
この実験で、本発明による化合物の腫瘍細胞株のインビトロでの抗増殖性のIC50値を決定した。化合物の最終濃度は、4倍希釈で10種類の濃度を含む、100μMから0μMの範囲とした。実験結果を表4に示した。
Figure 0006294561
4.実験の結論:
インビトロでの腫瘍細胞の抗増殖性についての実験で、本発明による化合物は0から20の間の50%阻害濃度IC50を有し、このことは、本発明による化合物が、非常に優れたインビトロでの腫瘍細胞の阻害活性を有しており、優れた抗腫瘍剤としての研究に値することを示している。
市場において非常に優れた抗腫瘍剤であるソラフェニブと比較して、本発明による化合物は、SK-OV-3、HCT-116、786-O、およびMDA-MB-231等の異なる腫瘍細胞系の最大半量阻害濃度(IC50)という点では、市販の医薬ソラフェニブよりも優れていた。(例えば、MDA-MB-231細胞系において、実施例1で調製された化合物のIC50 はソラフェニブのIC50の0.28倍であり、実施例2で調製された化合物のIC50はソラフェニブのIC50の0.30倍であった);A498、MiaPaCa-2、HepG2、NCI-H460、およびHL-60等の腫瘍細胞系の最大半量阻害濃度(IC50)は市販の医薬ソラフェニブのIC50と同等であった。
本実験は、本発明による化合物が腫瘍細胞に対する優れた抗増殖活性を有していることを証明している。
実験例3:本発明による化合物のマウスでの薬物動態学研究
1.材料および方法
1.1 試験化合物化合物
実施例で調製された化合物、本発明中の比較例
1.2 実験動物
CD-1マウス、メス、体重28から35g。
1.3 投与方法
投与方法:静脈注射(IV);経口(PO)。
絶食条件:水は自由アクセス、絶食なし。
2.実験方法
2.1 投与および試料の採取
2.1.1 投与
投与の前にマウスの体重を測り、体重に応じて投与体積を計算した(IV群:4mL/kg;PO群:10mL/kg)。
投与方法および1回分の投与量:静脈注射(IV)群:1mg/kg;経口(PO)群:5mg/kg。
試料:血漿。
動物の群分け:3マウス/群、それぞれの試験化合物に対して1つのIV群と1つのPO群。
2.1.2 試料の採取
投与の後、IV群のマウスの眼のふちから、あらかじめ決められた時点(5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間)に、30μLの全血を採取し、PO群のマウスの眼のふちから、あらかじめ決められた時点(15分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間)に、30μLの全血を採取した。全血を遠心分離し(6,000rpm、5分)、血漿を得た。すべての血漿試料は、後の分析のために、-80°の冷蔵庫中で保管した。
2.2 定量分析方法
LC/MS/MSの条件は次の通り:
イオン化方式:ESI、正イオン;
検出方式:MRM;
定量イオン FD2012015:506.12/270.20;内部標準(テルフフェナジン): 472.40/436.40;
試料の処理:50ngテルフェナジンアセトニトリル溶液を用いてタンパク質を沈殿させた;
試料:CD-1マウス血漿(EDTAで凝固抑制);
試料体積:20 μL;
クロマトグラフィー用カラム:ACE C4カラム(50mm*2.1mm、5ミクロン)
移動相:勾配溶出、移動相Aは水(0.1%ギ酸を含む)であり、移動相Bはアセトニトリル(0.1%ギ酸を含む);
流速(mL/分):0.9;
カラム温度(℃):室温;
注入量(μL):5;
時間(分):2.0
3.データ処理
薬物動態学パラメータは非コンパートメントモデルにより推定した(WinNonlin softwareにより計算):
IVパラメータ:t1/2(時間);C0(ng/mL);AUClast(時間*ng/mL);AUCInf(時間*ng/mL);AUC Extr(%);Vz(L/kg);Vss(L/kg);CL(mL/分/kg);MRT(時間)
PO parameter:t1/2(時間);tmax (時間);Cmax(ng/mL);AUClast(時間*ng/mL);AUCInf(時間*ng/mL);AUC Extr(%);MRT(時間);AUC/D(時間*mg/mL);F(%)
4.実験結果:
Figure 0006294561
5.実験の結論:
実施例1および2の化合物は、市場において非常に優れた抗腫瘍剤であるソラフェニブと比較して、代謝安定性、ピーク濃度、濃度‐時間曲線から下の部分の面積および経口利用効率等のデータという点では、明らかに優れており、したがって、臨床応用において有望であった。式IのX3位に置換基を導入すると(比較化合物2、3、4では3位は水素である)置換基が代謝されやすい部位を遮り、それによって該化合物の代謝安定性が向上し、インビボでの該化合物の高い血中濃度を確かなものとし、そのことが本発明による化合物の有効性をさらに高めていることを示している。
実験例4
1.細胞培養
786-O細胞を、不活性化した10%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを、2mMのグルタミンとともに含むRPMI-1640培地で、培養器中37℃、5%CO2で培養した。細胞培養において、初期の濃度は5×105細胞/mlであり、細胞が細胞密度100%に達する3から4日ごとに、細胞を別のビンに分けた。対数増殖期の腫瘍細胞をインビボでの腫瘍植菌に用いた。
2.植菌および腫瘍細胞の群分け
メスのSCID-Beige ヌードマウス(SPF級)の胸部右側面の皮下に、PBS中に8×106細胞/0.1mlで再懸濁した786-O腫瘍細胞を接種した。無菌状態で腫瘍の体積が800mm3に成長したら、無菌状態で腫瘍を剥離した。十分に成長した腫瘍組織を2×2×2mm3の腫瘍塊に裁断し、その後、動物に皮下接種するのに用いた。腫瘍の体積が100mm3に成長したら、マウスを群当たり8マウスで、全部で5群に分け、投与した。
3.腫瘍と実験指標の測定
腫瘍の体積はノギスを用いて週に2回測定した。腫瘍の長径と短径を測定した。体積は次の式で計算した:体積=0.5×長径×短径2。最終測定の後、動物を死なせ、腫瘍を剥離し、重さを測定した。それぞれの群の腫瘍の重さに基づき、腫瘍成長阻害率(TGI)を計算した。腫瘍成長阻害率(TGI)=(1-T/C)×100%、ここでTは医薬投与群の平均腫瘍重量を表し、Cは陰性対象群の平均腫瘍重量を表す。データは、TGI≧60%で、かつ統計解析でp<0.05の時、有意とした。
Figure 0006294561
実験例5
1.細胞培養
HCT116細胞を、不活性化した10%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを、2mMのグルタミンとともに含むMcCoy's 5a培地で、培養器中37℃、5%CO2で培養した。細胞培養において、初期の濃度は5×105細胞/mlであり、細胞が細胞密度100%に達する3から4日ごとに、細胞を別のビンに分けた。対数増殖期の腫瘍細胞をインビボでの腫瘍植菌に用いた。
2.植菌および腫瘍細胞の群分け
Balb/cヌードマウスの胸部右側面の皮下に、PBS中に1.0×107細胞/0.1mlで再懸濁したHCT116腫瘍細胞を接種した。腫瘍の体積が800 mm3に成長したら、動物を死なせ、無菌状態で腫瘍を剥離した。十分に成長した腫瘍組織を2×2×2mm3の腫瘍塊に裁断し、その後、動物の胸部右側面の皮下に接種するのに用いた。60マウスに接種した。腫瘍の体積が110mm3に成長したら、マウスを群当たり8マウスで、全部で5群に分け、投与した。
3.腫瘍と実験指標の測定
腫瘍の体積はノギスを用いて週に2回測定した。腫瘍の長径と短径を測定した。体積は次の式で計算した:体積=0.5×長径×短径2。最終測定の後、動物を死なせ、腫瘍を剥離し、重さを測定した。腫瘍の重さに基づき、腫瘍成長阻害率(TGI)を計算した。腫瘍成長阻害率(TGI)=(1-T/C)×100%、ここでTは試験化合物群の平均腫瘍重量を表し、Cは溶媒対照群の平均腫瘍重量を表す。アッセイが終了したら、実験動物を安楽死させた。
Figure 0006294561
比較実験例1:
Sunitinib、特許WO0160814 A1に開示された方法で調製
動物モデル調製:
十分に成長した786-O固体腫瘍を、無菌状態で、約1mm3の平均体積の塊に裁断し、ヌードマウスの右前肢の腋窩に套管針で皮下接種した。腫瘍の成長状態を、腫瘍が250から550mm3の体積に成長するまで定期的に観察した。
群分けおよび投与:
大きすぎるまたは小さすぎる体積で異形の腫瘍のある動物を除いた。良好な状態にある体積250~550mm3の腫瘍に罹患したマウスを選び、全部で48匹のマウスを6群に分けた。そのうちの1つを溶媒対照群、3つを陽性対照群、2つを試験試料群とした。陽性対照群と試験試料群には、胃内に1日1回投与した;溶媒対照群にはポリオキシエチレンひまし油エステルの12.5%エタノール溶液および12.5%水溶液を1日1回投与した;胃内投与の量は10mL/kgとした。
投与期間中、腫瘍の直径を毎週2回測定し、腫瘍体積を計算し、動物の体重を記録した。動物の状態を投与の際に観察し、異常な状態を記録した。
動物の取り扱い:
動物をCO2で死なせ、腫瘍を剥離し、重さを量り、写真を撮影した。動物を肉眼で解剖し、組織が正常か否かを目で観察した。
観察指標:
腫瘍重量阻害率(IR)=(WC-WT)/WC
ここで、WCとWTは、それぞれ、溶媒対処群の平均腫瘍重量と医薬を投与された群の平均腫瘍重量を表す。
BW0は群分けしたとき(すなわちd0)の時に量った動物の体重を表し、BWtはそれぞれの時点に量った動物の体重を表す。体重減少率が負の値の時は、体重が増加したことを意味する。
統計方法:
実験データはMicrosoft Office Excel 2003ソフトウエアを用いて計算し、関連統計処理した。特に定めのない限り、データは平均±標準誤差(Mean ± S.E)として表し、二つの群間の比較にはt-検定を用いた。
Figure 0006294561
比較実験2
動物モデル調製:
無菌条件下で、対数増殖期にある十分に成長したヒトHCT-116細胞懸濁液をヌードマウスの右前肢の腋窩に注射で皮下に接種した。腫瘍の成長状態を、腫瘍が100から300mm3の体積に成長するまで定期的に観察した。
群分けおよび投与
体積100~300mm3の腫瘍に罹患した48匹のマウスを選び、6群に分けた。そのうちの1つを溶媒対照群、3つを陽性対照群、2つを試験試料群とした。陽性対照群と試験試料群には、胃内に1日1回投与した;溶媒対照群にはポリオキシエチレンひまし油エステルの12.5%エタノール溶液および12.5%水溶液を1日1回投与した;胃内投与の量は10mL/kgとした。
投与期間中、腫瘍の直径を毎週2回測定し、腫瘍体積を計算し、動物の体重を記録した。動物の状態を投与の際に観察し、異常な状態を記録した。
動物の取り扱い:
動物をCO2で死なせ、腫瘍を剥離し、重さを量り、写真を撮影した。写真撮影後、それぞれの腫瘍塊を2つの部分に切断し、一つは4%パラホルムアルデヒドに保存し、他方を冷凍管に入れ、液体窒素で冷凍した。動物を肉眼で解剖し、組織が正常か否かを目で観察した。
観察指標:
腫瘍重量阻害率(IR)=(WC-WT)/WC
ここで、WCとWTは、それぞれ、溶媒対照群の平均腫瘍重量および医薬を投与された群の平均腫瘍重量を表す。
統計方法:
実験データはMicrosoft Office Excel 2003ソフトウエアを用いて計算し、関連統計処理した。特に定めのない限り、データは平均±標準誤差(Mean ± S.E)として表し、二つの群間の比較にはt-検定を用いた。
Figure 0006294561
インビボでの抗腫瘍実験の結果は以下のことを示している。実施例2で調製した化合物(FD-2013018)の腫瘍阻害効果は、786-OおよびHCT116の異種移植腫瘍に罹患したマウスに10mg/kgの投与量で、それぞれ82%および84.1%に達し、投与量40mg/kgでは腫瘍阻害効果は92%に達した;これに対して比較化合物2(FD-2010005)の腫瘍阻害効果は、786-OおよびHCT116の異種移植腫瘍に罹患したマウスに20mg/kgの投与量で、それぞれ80%および67%に達し、投与量60mg/kgでも腫瘍阻害効果はそれぞれわずか80%および71%に達したのみであった。該データは実施例2で調製した化合物(FD-2013018)は比較化合物2(FD-1210005)より、インビボでの抗腫瘍活性という点で優れており、低投与量で有効であり、より強い抗腫瘍活性を有していることを示している。
要約すると、本発明による化合物はインビボでもインビトロでも非常に強い抗腫瘍活性を有しており、特に優れた薬物動態学的特性を有している。ソラフェニブおよび比較例2の化合物と比較して、本発明による化合物は、インビボでもインビトロでも、より強い抗腫瘍活性を有しており、より優れた薬物動態学的特性を有している。
本発明の態様を詳細に述べてきたが、当業者は、本発明が開示している教示に基づいてこれらの詳細は修正または置換することができ、これらの修正または変更はすべて本発明の保護範囲に入ることになる。本発明の範囲は、請求項とそれらのすべての等価物によって定義される。

Claims (14)

  1. 式Iの多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩:
    Figure 0006294561
    (式中:
    X 1
    Figure 0006294561
    であり;
    X 2はFとHからなる群から選ばれ;
    X3F、Cl、及び−CNからなる群からばれる)。
  2. 式Iの多置換ピリジン化合物が以下の化合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩:
    Figure 0006294561
  3. 式Iの多置換ピリジン化合物の薬学的に許容される塩が塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、1-ナフタレンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フェニル酢酸塩およびマンデル酸塩からなる群から選ばれる、請求項1又は2に記載の多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または薬学的に許容される塩、及び医薬的に許容されるアジュバントを含む医薬組成物。
  5. VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した疾病の治療および/または予防のための請求項4に記載の医薬組成物。
  6. VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した前記疾病が腫瘍またはがんを含む、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記腫瘍またはがんが、黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、または中皮腫を含む、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した疾病の治療および/または予防のための医薬の調製における請求項1からのいずれか1項に記載の多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩の使用
  9. VEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼに関係した前記疾病が腫瘍またはがんを含む、請求項に記載の使用。
  10. 前記腫瘍またはがんが、黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、または中皮腫を含む、請求項に記載の使用
  11. 請求項1からのいずれか1項に記載の多置換ピリジン化合物、またはそれらの水和物、溶媒和物または医薬的に許容される塩の有効量を、細胞に投与することを含む、前記細胞中のVEGFR-2、VEGFR-3、CRAF、PDGFR-β、BRAF、V600E BRAF、KITおよび/またはFLT-3キナーゼの活性を阻害する方法であって、当該方法がインビトロで行われる、前記方法
  12. 細胞が胞系、または対象からの細胞である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記細胞が、腫瘍細胞又はがん細胞である、請求項12に記載の方法。
  14. 腫瘍またはがんが、黒色腫、肝臓がん、腎臓がん、急性白血病、慢性白血病、非小細胞肺がん、前立腺がん、甲状腺がん、皮膚がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、骨髄異形成症候群、食道がん、及び中皮腫からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
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