JP6294119B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子を含む発光装置に関するものである。
近年、発光素子を有する発光装置の開発が進められている。当該発光装置は、消費電力または製品寿命に関して注目されている。なお、発光装置として、発光素子から発せられる光を枠体で反射して波長変換シートで特定の波長帯の光に変換して、外部に取り出すものがある(下記特許文献1参照)。発光装置の開発において、発光素子の発する光を如何に効率よく、波長変換シートで変換して外部に取り出すかが、研究されている。
特開2006−210627号公報
ところで、波長変換シートを枠体に固定するには、発光素子を封止する封止樹脂とは別に、接着剤を用いて固定する方法が考えられるが、封止樹脂と接着剤を塗布する工程が必要となり、製造工程が煩雑となる。また、波長変換シートを枠体に固定するのに、発光素子を被覆する封止樹脂を用いて固定する方法が考えられているが、貼り合わせるさいに波長変換シートと封止樹脂との間に空気が溜まりやすい。空気が波長変換シートと封止樹脂との間に存在すると、発光素子の発する熱によって、空気が熱膨張を起こして、波長変換シートが封止樹脂から剥離する虞がある。
本発明は、波長変換シートが封止樹脂から剥離するのを抑制し、破壊されにくい発光装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る発光装置は、基板と、前記基板上に設けられた発光素子と、前記基板上に設けられた、上部に内部から外部にわたって形成された切欠き部を有し、前記発光素子を取り囲む枠体と、前記枠体内に充填された封止部材と、前記枠体上に設けられた、下面が前記封止部材と密着するとともに、上面が前記枠体の上面よりも上方に位置する波長変換シートとを備え、前記封止部材は、前記切欠き部の高さ位置以上にまで設けら
れており、平面視して、前記枠体の外形は矩形状であって、前記波長変換シートの外形は円形状であることを特徴とする。
本発明によれば、波長変換シートが封止樹脂から剥離するのを抑制し、破壊されにくい発光装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る発光装置の概観を示す断面斜視図である。 本発明の一実施形態に係る発光装置の平面図である。 本発明の一実施形態に係る発光装置の平面図であって、波長変換シートおよび封止樹脂を取り除いた状態を示している。 図3のX−Xに沿った発光装置の断面図である。 図3のY−Yに沿った発光装置の断面図である。 本発明の一変形例に係る発光装置の断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る発光装置の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されないものである。
<発光装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る発光装置の概観斜視図であって、その一部を断面視している。図2は、図1に示す発光装置の平面図である。図3は、発光装置の平面図であって、波長変換シートおよび封止樹脂を取り除いた状態を示している。図4は、図3のX−Xに沿った発光装置の断面図である。図5は、図3のY−Yに沿った発光装置の断面図である。図6は、図4に相当する発光装置の一変形例の断面図である。
本発明の一実施形態に係る発光装置1は、基板2と、基板2上に設けられた発光素子3と、基板2上に設けられた、上部に内部から外部にわたって形成された切欠き部Cを有し、発光素子3を取り囲む枠体4と、枠体4内に充填された封止部材5と、枠体4上に設けられた、下面が封止部材5と密着するとともに、上面が枠体4の上面よりも上方に位置する波長変換シート6とを備えている。また、発光装置1は、封止部材5が、切欠き部Cの高さ位置以上にまで設けられている。なお、発光素子3は、例えば、発光ダイオードであって、半導体を用いたpn接合中の電子と正孔が再結合することによって、外部に向かって光を放出する。
基板2は、絶縁性の基板であって、例えば、アルミナまたはムライト等のセラミック材料、あるいはガラスセラミック材料等からなる。または、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料から成る。また、基板2は、基板2の熱膨張を調整することが可能な金属酸化物微粒子を分散させた高分子樹脂を用いることができる。
基板2は、基板2の内外を電気的に導通する配線導体が形成されている。配線導体は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガンまたは銅等の導電材料からなる。基板2がセラミック材料から成る場合は、例えば、タングステン等の粉末に有機溶剤を添加して得た金属ペーストを、基板2となるセラミックグリーンシートに所定パターンで印刷し、複数のセラミックグリーンシートを積層して、焼成することにより得られる。なお、配線導体の表面には、酸化防止のために、例えば、ニッケルまたは金等の鍍金層が形成されている。また、基板2の上面には、基板2上方に効率良く光を反射させるために、配線導体および鍍金層と間を空けて、例えば、アルミニウム、銀、金、銅またはプラチナ等の金属反射層を形成する。
発光素子3は、基板2上に実装される。発光素子3は、基板2上に形成される配線導体の表面に被着する鍍金層上に、例えば、ろう材または半田を介して電気的に接続される。発光素子3は、透光性基体と、透光性基体上に形成される光半導体層とを有している。透光性基体は、有機金属気相成長法または分子線エピタキシャル成長法等の化学気相成長法を用いて、光半導体層を成長させることが可能なものであればよい。透光性基体に用いられる材料としては、例えば、サファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、シリコンカーバイド、シリコンまたは二ホウ化ジルコニウム等を用いることができる。なお、透光性基体の厚みは、例えば50μm以上1000μm以下である。
光半導体層は、透光性基体上に形成される第1半導体層と、第1半導体層上に形成される発光層と、発光層上に形成される第2半導体層とから構成されている。第1半導体層、発光層および第2半導体層は、例えば、III族窒化物半導体、ガリウム燐またはガリウム
ヒ素等のIII−V族半導体、あるいは、窒化ガリウム、窒化アルミニウムまたは窒化イン
ジウム等のIII族窒化物半導体などを用いることができる。なお、第1半導体層の厚みは
、例えば1μm以上5μm以下であって、発光層の厚みは、例えば25nm以上150nm以下であって、第2半導体層の厚みは、例えば50nm以上600nm以下である。また、このように構成された発光素子3は、例えば370nm以上420nm以下の波長範囲の励起光を発することができる。
枠体4は、セラミック材料から成り、基板2上面に積層されて、例えば樹脂等を介して接続されている。枠体4は、基板2上の発光素子3を取り囲むように設けられている。なお、平面視して、枠体4の内壁面の形状を円形とすると、発光素子3が発光する光を反射面にて全方向に反射させることができる。
また、枠体4は、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化イットリウム等のセラミック材料からなる。枠体4は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合は、まず、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウム等の原料粉末に有機バインダー、可塑剤または溶剤等を添加混合して泥漿状と成す。そして、泥漿状となったセラミック材料を所定形状に成型して、焼成することで作製することができる。なお、枠体4は、基板2にろう材や半田、樹脂接着材等の接合材を介して接続される。
また、枠体4は、基板2上に発光素子3を取り囲むように設けられている。枠体4は、取り囲まれる内側の空間が下部よりも上部が大きく、内面が傾斜している。また、枠体4の外縁は平面視して矩形状に形成されている。また、枠体4で囲まれる領域は平面視して円形状に形成されている。なお、枠体4は、平面視して一辺の長さが、3mm以上10mm以下に設定されている。枠体4の上下方向の長さは、1.5mm以上7mm以下に設定されている。なお、枠体4の熱膨張率は、例えば、3×10−6/K以上28×10−6/K以下に設定されている。
枠体4は、上部に内部から外部にわたって形成された切欠き部Cを有している。切欠き部Cは、封止部材5の一部を逃がすためのものである。また、切欠き部Cは、枠体4の切欠き部Cが設けられた箇所の高さ位置以上にまで、枠体4内に封止部材5を充填して、封止部材5上に波長変換シート6を載せたときに、波長変換シート6と封止部材5の間の空気を切欠き部Cから逃がすことができる。さらに、封止部材5は、切欠き部Cの底面に沿って外側の方向に広がり、切欠き部Cに接着されることにより、波長変換シート6が枠体4に固定される。これにより、封止部材5は、波長変換シート6から生じる熱を枠体4に放熱させることができ、さらには大気中に放散させることができる。その結果、本発明の発光装置1は、波長変換シート6が高温になることにより、波長変換シート6から放射される光の波長が変動することを抑制することができる。
枠体4の上面は、図2に示すように、切欠き部Cを除いて、矩形状であって中央が円形状に取り除かれた形状である。枠体4の上面は、平面視して、外縁から中心部分に向かってもっとも短くなる箇所が4か所ある。最短となる4か所は、四辺のそれぞれの中心部分となる。そして、切欠き部Cは、その4か所のうち、対向する二辺にのみ存在する。つまり、切欠き部Cが設けられた辺に対して、少なくとも対向する辺に切欠き部Cが設けられる。また、切欠き部Cが設けられた辺に対して、隣接する両辺の一方のみに切欠き部Cが存在することはない。即ち、切欠き部Cは、上記の対向する二辺、または、枠体4を平面視して、外縁から中心部分に向かってもっとも短くなる箇所の4か所に設けられる。これにより、本発明の発光装置1は、波長変換シートの中央部を中心とし、枠体4の外縁から中心部分に向かってもっとも短くなる箇所に設けられた切欠き部Cを介して封止部材5の一部および封止部材5と波長変換シートとの間に介在する空気を、枠体4の内側から外側に均等に排出しやくすできる。その結果、本発明の発光装置1は、封止部材5と波長変換シート6との間に偏って残留した空気や封止部材5によって生じる波長変換シート6の傾
きや、空気が熱膨張することによって波長変換シート6が封止部材5から剥がれることを抑制することができる。さらに、発光装置1を作動させる際に生じる、枠体4と波長変換シート6との間の熱応力が分散され難くなる、枠体4の外縁から中心部分に向かってもっとも短くなる箇所に切欠き部Cが設けられることにより、枠体4と波長変換シート6との間に生じる熱応力が減少し、波長変換シート6が枠体4から剥がれることを抑制することができる。
切欠き部Cは、平面視して外縁から中心部分にかけて、長さが1mm以上4mm以下に設定されている。また、切欠き部Cは、平面視して切欠き部Cが設けられた辺に沿って、長さが0.5mm以上5mm以下に設定されている。また、切欠き部Cは、上下方向の長さが、0.5mm以上5mm以下に設定されている。
また、切欠き部Cは、図4に示すように、枠体4の外周面に枠体4の上面から下面にかけて連続するように設けられてもよい。これにより、封止部材5は、枠体4の外周面に設けられた切欠き部Cの側面に接着される。その結果、封止部材5は、端部に波長変換シート6からの光が直接照射されることがないことから、波長変換シート6から放射される光によって封止部材5の接着性や浸透性が劣化することを抑制することができる。なお、枠体4の外周面に形成される切欠き部Cは、枠体4の上面に形成された切欠き部Cの底面より下側で、枠体4の下面より上側までを切り欠くように形成されてもよい。その結果、発光素子3から生じた熱は、基板2および枠体4を介して切欠き部Cに接着された封止部材5に伝わり難くなる。よって、上記のパッケージは、発光素子3から生じる熱によって封止部材5の接着性や浸透性が劣化することを抑制することができる。
枠体4の内周面の上部には、段差が設けられている。枠体4の段差上に波長変換シート6の下面の縁部分を載置する。段差上には、封止部材5の一部が被着している。波長変換シート6は、段差上に引っかかるように設けることで、封止部材5中に波長変換シート6が落ち込むのを抑制することができるとともに、段差部を位置合わせ手段として利用することにより、波長変換シート6を枠体4の所望の箇所に設置することができる。
枠体4で囲まれる内側の空間に、光透過性の封止部材5が充填されている。封止部材5は、発光素子3を封止するとともに、発光素子3から発せられる光が透過する機能を備えている。封止部材5は、枠体4で囲まれる内側の空間内に充填されている。封止部材5は、枠体4の内方に発光素子3を収容した状態で、切欠き部Cの高さ位置よりも高い位置まで充填され、一部が切欠き部Cから外に流れでようとする。そして、その状態で熱硬化されている。なお、封止部材5は、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂等の透光性の絶縁樹脂が用いられる。なお、封止部材5の熱膨張率は、例えば、0.4×10−5/K以上2.2×10−5/K以下に設定されている。封止部材5の屈折率は、例えば1.4以上1.6以下に設定されている。
波長変換シート6は、枠体4で囲まれた内側の空間の上部に、封止部材5の上面に密着して設けられている。波長変換シート6は、枠体4内に収まるように形成されている。波長変換シート6は、発光素子3の発する光の波長を変換する機能を有している。波長変換シート6は、発光素子3から発せられる光が内部に入射して、内部に含有される蛍光体7が励起されて、光を発するものである。また、波長変換シート6は、上面が枠体4の上面より上側に位置するように枠体4で囲まれた内側の空間の上部に設けられてもよい。その結果、封止部材5を介して波長変換シート6を枠体4の内側に接着する際に、波長変換シート6を上面から下側方向に押さえながら封止部材5に密着させることができる。よって、枠体4の内側の余剰な封止部材5や、封止部材5と波長変換シート6との間に残留した空気は、切欠き部Cを介して枠体4の外側に排出されやすくなる。
波長変換シート6は、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂等の透光性の絶縁樹脂、透光性のガラスからなり、その絶縁樹脂、ガラス中に、例えば430nm以上490nm以下の蛍光を発する青色蛍光体、例えば500nm以上560nm以下の蛍光を発する緑色蛍光体、例えば540nm以上600nm以下の蛍光を発する黄色蛍光体、例えば590nm以上700nm以下の蛍光を発する赤色蛍光体が含有されている。波長変換シート6として透光性ガラスが用いられる場合には、発光装置1の気密性を向上させることができる。
また、蛍光体7は、波長変換シート6中に均一に分散するようにしている。なお、波長変換シート6の熱伝導率は、例えば0.1W/(m・K)以上0.8W/(m・K)以下に設定されている。波長変換シート6の熱膨張率は、例えば0.4×10−5/K以上2.2×10−5/K以下に設定されている。波長変換シート6の屈折率は、例えば、1.3以上1.6以下に設定されている。例えば、波長変換シート6の材料の組成比を調整することで、波長変換シート6の屈折率を調整することができる。
波長変換シート6は、円形状に形成されている。波長変換シート6は、例えば蛍光体を含有するシリコーン樹脂からなる場合は、例えば粘度が高い硬化前の液状シリコーン樹脂を例えばポッティング法を用いて、平板上に液状シリコーン樹脂を垂らし、液状シリコーン樹脂を熱等によって硬化させることで形成することができる。また、波長変換シート6の全体の厚みは、例えば、0.3mm以上3mm以下に設定されており、且つ厚みが一定に設定されている。ここで、厚みが一定とは、厚みの誤差が0.5μm以下のものを含む。波長変換シート6の厚みを一定にすることにより、波長変換シート6内で励起される光の量を一様になるように調整することができ、波長変換シート6における輝度ムラを抑制することができる。
また、封止部材5内には蛍光体7を含有させないことにより、発光素子3から最も近い場所に存在する封止部材5内では波長変換することがない。また、発光素子3を直接被覆する封止部材5内に蛍光体7を含有させた場合は、発光素子3のすぐそばで光が波長変換されてしまい、波長変換された光が発光素子3で吸収されたり、発光素子3からの光が周囲に近接して配置された複数の蛍光体7で反射され、発光素子3の周囲で閉じ込められるとともに発光素子3で吸収されたり、発光素子3から波長変換部材に入射される光の量が減少するという点で不具合が発生する虞がある。そこで、封止部材5内に蛍光体7を含有させず、波長変換シート6内に蛍光体7を含有させることで、発光素子3の周囲で波長変換された光が発光素子3で吸収されることが抑制されるとともに、発光素子3から波長変換シート6に入射される光が増加し、発光装置1の光出力が向上する。
本発明の一実施形態に係る発光装置1によれば、枠体4の切欠き部Cの高さ位置以上に封止部材5が充填して設けられ、当該封止部材5上に波長変換シート6が密着して設けられることで、封止部材5と波長変換シート6との間に空隙を無くすことができる。封止部材5と波長変換シート6との間に空隙を無くすことで、その結果、波長変換シート6と封止部材5との間に空気が溜まらず、発光素子3の発する熱によって、空気が熱膨張を起こして、波長変換シート6が封止部材5から剥離する虞がなくなる。そして、波長変換シート6が封止部材5から剥離するのを抑制し、破壊されにくい発光装置1を提供することができる。
また、発光装置1は、波長変換シート6と枠体4の熱膨張率の違いにより、発光素子の発する熱によって波長変換シート6と枠体4との間に熱応力が発生する。そこで、枠体4に切欠き部Cを設けることで、波長変換シート6から枠体4の上部の縁に加わる応力を一部逃がすことができ、波長変換シート6と枠体4との間の熱応力を緩和することができ、波長変換シート6が枠体4から剥離するのを抑制し、破壊されにくい発光装置1を提供す
ることができる。
また、発光装置1は、切欠き部Cの表面には、封止部材5の一部が被着している。枠体4の内側に切欠き部Cから溢れる程度にまで封止部材5を充填しておき、波長変換シート6を載置することで、封止部材5と波長変換シート6の間の空気が封止部材5とともに切欠き部Cから外部に出される。その際に、封止部材5の一部も切欠き部Cから外に出ようとするため、切欠き部Cの表面には封止部材5の一部が被着する。そして、封止部材5の一部が切欠き部Cにも被着することで、上記のように封止部材5を介して波長変換シート6から生じる熱を枠体4に放熱させることができるとともに、封止部材5を介して大気中に放散させることができるという作用効果を奏する。
また、発光装置1は、平面視して、枠体4の外形は矩形状であって、波長変換シート6の外形は円形状であることで、発光装置を作動させる際に枠体4と波長変換シート6との間で生じる熱応力を、平面視して切欠き部Cが設けられない枠体4の角部に分散せることができるという作用効果を奏する。
また、発光装置1は、波長変換シート6の下面の全面に封止部材5が被着していることで、封止部材5に対して、波長変換シート6の下面の縁部分から剥がれようとするのを抑制することができる。波長変換シート6によって、封止部材5内に水分等が浸入して、発光素子3が腐食したりするのを抑制することができ、封止性に優れた発光装置1を提供することができる。
なお、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、本発明の変形例について説明する。なお、本発明の一変形例に係る発光装置のうち、本実施形態に係る発光装置と同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。図6は、一変形例に係る発光装置1の断面図であって、枠体4の切欠き部Cに、上に開口した凹部Pが設けられている。
発光装置1は、枠体4の切欠き部Cに、上に開口した凹部Pが設けられていてもよい。凹部Pが設けられていることで、封止部材5が切欠き部Cを通って外部に向かって流れ出ようとするのを、凹部P内に溜まることで、外部に流出するのを抑制することができる。封止部材5は、枠体4内に、外部に流出しない程度に充填させる設定となるが、封止部材5の量が少ないと、不良品の原因となるため、封止部材5の量を枠体4内に充填される量よりも少し多めに設定しておくことができる。封止部材5の量を少し多めに設定しておいても、凹部Pに封止部材5を流出しようとした分を溜めることができ、封止部材5が外部に流出することがなく、外観不良等の外部に封止部材5が漏れ出たことによる不良を防止することができる。
また、基板2と枠体4は、一体の焼結体であっても良い。基板2および枠体4をセラミック材料から構成することで、基板2および枠体4に相当するセラミックグリーンシートを準備して、それらを積層した積層体を一体焼成することで焼結体を作製することができる。基板2および枠体4をセラミックスの一体焼成法で作製することができ、焼成体においては基板2と枠体4が剥離する虞がなく、発光装置の長期信頼性を向上させることができる。
<発光装置の製造方法>
ここで、図1に示す発光装置1の製造方法を説明する。まず、基板2を準備する。基板2が、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウム等の原料粉末に、有機バインダー、可塑剤または溶剤等を添加混合して混合物を得る。そして、混合物から複数のグリーンシートを
作製する。
また、タングステンまたはモリブデン等の高融点金属粉末を準備し、この粉末に有機バインダー、可塑剤または溶剤等を添加混合して金属ペーストを得る。そして、基板2となるセラミックグリーンシートに配線導体となるメタライズパターンおよび必要に応じて枠体4を接合するためのメタライズパターンをそれぞれ所定パターンで印刷し、複数のセラミックグリーンシートを積層した状態で焼成することで、基板2を準備することができる。
枠体4を準備する。枠体4は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化イットリウム等のセラミック材料を準備する。そして、枠体4の型枠内に、原料粉末に有機バインダー、可塑剤または溶剤等が添加混合された混合物を充填して乾燥させた後に、焼成することで枠体4を準備することができる。この枠体4にも、基板2を接合する面に必要に応じてメタライズパターンを形成しておく。
次に、基板2の上面であって枠体4で囲まれる内側の空間に発光素子3を実装する。そして、枠体4を基板2上であって発光素子3を取り囲むように設ける。枠体4は、基板2に対してシリコーン樹脂等の樹脂から成る接着材を介して接続することができる。さらに、枠体4で囲まれる内側の空間に封止部材5となる未硬化のシリコーン樹脂を、例えばポッティング法を用いて発光素子3を被覆するように充填する。そして、未硬化のシリコーン樹脂を硬化させずに、波長変換シート6を未硬化の封止部材5上に載置する。その次に、封止部材5を熱硬化させることで、波長変換シート6を封止部材5上に設けることができる。このようにして、発光装置1を製造することができる。波長変換シート6は、封止部材5の硬化時に併せて波長変換シート6を固定することができ、封止部材5硬化後に、別途波長変換シート6をシリコーン樹脂等の樹脂から成る接着材によって接着固定する方法よりも製造工程を単純化することができ、生産効率を向上させることができる。
1 発光装置
2 基板
3 発光素子
4 枠体
5 封止部材
6 波長変換シート
7 蛍光体
C 切欠き部
P 凹部

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた発光素子と、
    前記基板上に設けられた、上部に内部から外部にわたって形成された切欠き部を有し、前記発光素子を取り囲む枠体と、
    前記枠体内に充填された封止部材と、
    前記枠体上に設けられた、下面が前記封止部材と密着するとともに、上面が前記枠体の上面よりも上方に位置する波長変換シートとを備え、
    前記封止部材は、前記切欠き部の高さ位置以上にまで設けられており、
    平面視して、前記枠体の外形は矩形状であって、前記波長変換シートの外形は円形状であることを特徴とする発光装置。
  2. 請求項1に記載の発光装置であって、
    前記切欠き部の表面には、前記封止部材の一部が被着していることを特徴とする発光装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の発光装置であって、
    前記波長変換シートの下面の全面に前記封止部材が被着していることを特徴とする発光装置。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の発光装置であって、
    前記切欠き部には、上に開口した凹部が設けられていることを特徴とする発光装置。
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