JP6293697B2 - 機器診断装置及び機器診断方法 - Google Patents

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Description

この発明は、鉄道車両等の一定の路線を走行する車両の機器状態を診断する装置及び方法に関する。
鉄道車両の機器診断装置として、鉄道車両機器の状態データを地上装置で蓄積し、蓄積された過去の状態データを活用して機器の異常を検出するものが広く知られている。
例えば特許文献1では、移動体に搭載する状態監視装置により機器の状態データを収集し、収集した状態データを地上装置に蓄積し、故障発生時に地上装置側で移動体から送信された故障情報と過去の故障情報との対比により異常診断を行い、異常診断結果と診断結果の信頼度を移動体に送信する装置が開示されている。
また、特許文献2では、鉄道車両により収集された状態データを小区間ごとに格納及び管理し、当該小区間ごとの複数の車両についての状態データを用いて車両の状態を集計及び分析することで、路線上の多数の地点に固定センサを設定することなく、固定センサを設置して網羅的に車両の状態を観測した場合と同様の効果を得ることを図った装置が提案されている。
特開2011−201336号公報 特開2009−78764号公報
機器の劣化診断を行うためには、機器の状態データを数年単位という長期間に亘り蓄積する必要があるため、状態データの蓄積量が膨大になるという問題点がある。
実際、特許文献1の装置では、地上装置で蓄積するデータを故障発生時の故障の種類及び状態データに限定しているところ、正常時の状態データも蓄積するならば膨大な蓄積容量が必要となる。
特許文献2の装置では、小区間に対して複数存在する車両動態値を集約することにより、蓄積量を削減する効果がある。しかし、サンプリング周期が短い鉄道車両機器の状態データを蓄積する場合には、車両動態値を集約するとデータの正確性を失う恐れがある。とはいえ、サンプリング周期が短い機器の状態データを常時蓄積すると、地上装置側のデータベースの蓄積量が膨大になってしまう。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたもので、車両の機器状態を診断するにあたり機器の状態データを効率よく蓄積することを目的とする。
本発明の第1の機器診断装置は、一定の路線に沿って移動する移動体に搭載された内部装置と、移動体外の外部装置とを備え、内部装置は、移動体の移動中に、移動体に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測する計測部を備え、外部装置は、機器ごとに、路線上の特定の地点を観測地点として設定する観測地点設定部と、計測地点の位置情報に紐付けられた計測部の計測結果と第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積する状態データ蓄積部と、状態データ蓄積部が蓄積した第2状態データを基に機器の劣化診断を行う劣化診断部と、を備え、観測地点設定部は、機器の負荷状態又は故障発生頻度の、移動体の路線上の位置による変化を示す機器特性情報に基づき観測地点を設定する
また、本発明の第2の機器診断装置は、一定の路線に沿って移動する移動体に搭載された内部装置と、移動体外に設けられた外部装置と、路線上の地点で移動体に負荷を加える負荷装置と、を備え、内部装置は、移動体の移動中に、移動体に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測する計測部を備え、外部装置は、機器毎に路線上の特定の地点を観測地点として設定する観測地点設定部と、計測地点の位置情報に紐付けられた計測部の計測結果である第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積する状態データ蓄積部と、状態データ蓄積部が蓄積した第2状態データを基に機器の劣化診断を行う劣化診断部と、を備え、観測地点設定部は、機器特性情報に基づく設定に優先して、負荷装置から負荷が加えられた地点を観測地点として設定する。
また、本発明の第3の機器診断装置は、一定の路線に沿って移動する移動体に搭載された内部装置と、移動体外に設けられた外部装置とを備え、内部装置は、移動体の移動中に、移動体に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測する計測部を備え、外部装置は、機器毎に路線上の特定の地点を観測地点として設定する観測地点設定部と、計測地点の位置情報に紐付けられた計測部の計測結果である第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積する状態データ蓄積部と、状態データ蓄積部が蓄積した第2状態データを基に機器の劣化診断を行う劣化診断部と、路線上の地点における気温、湿度、降水量および風速のうち少なくとも1つを含む地上情報を取得する地上情報取得部と、を備え、観測地点設定部は、地上情報に基づき観測地点の設定数を変更する。
本発明の機器診断方法は、移動体に搭載された内部装置と、移動体外に設けられた外部装置とを用いた機器診断方法であって、移動体の一定の路線に沿った移動中に、内部装置が備える計測部により、移動体に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測し、機器の負荷状態又は故障発生頻度の、移動体の路線上の位置による変化を示す機器特性情報に基づき、路線上の特定の地点を観測地点として設定し、外部装置が備える状態データ蓄積部により、計測地点の位置情報に紐付けて記憶された計測の結果を示す第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積し、外部装置が備える劣化診断部により、第2状態データを基に機器の劣化診断を行う。
本発明の第1の機器診断装置では、観測地点設定部が機器ごとに路線上の特定の地点を観測地点として設定し、第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを状態データ蓄積部で蓄積し、劣化診断部が第2状態データを基に機器の劣化診断を行う。観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データが蓄積されることにより、蓄積量が削減される。また、観測地点は、機器の負荷状態又は故障発生頻度の、移動体の路線上の位置による変化を示す機器特性情報に基づき機器ごとに設定されるので、機器の診断に必要なデータが第2状態データとなり、診断精度の低下が避けられる。すなわち、状態データ蓄積部には機器の状態データを効率よく蓄積される。
本発明の第2の機器診断装置において、観測地点設定部は、機器特性情報に基づく設定に優先して、負荷装置から負荷が加えられた地点を観測地点として設定する。従って、負荷が加わる特殊な状況の下での状態データを効率よく収集することができ、劣化診断精度が向上する。
本発明の第3の機器診断装置において、観測地点設定部は、地上情報に基づき観測地点の設定数を変更する。従って、地上情報によって機器の状態データの取得数に軽重をつけることが出来るので、例えば気温が高いときには空調機器の観測地点数を増やすことにより、高精度に劣化診断を行うことが出来る。
本発明の機器診断方法では、内部装置が備える計測部により、機器の負荷状態又は故障発生頻度の、移動体の路線上の位置による変化を示す機器特性情報に基づき、路線上の特定の地点を観測地点として設定し、外部装置が備える状態データ蓄積部により、第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積し、外部装置が備える劣化診断部により、第2状態データを基に機器の劣化診断を行う。観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データが蓄積されることにより、蓄積量が削減される。また、観測地点は機器の負荷状態又は故障発生頻度の、移動体の路線上の位置による変化を示す機器特性情報に基づき、設定されるので、機器の診断に必要なデータが第2状態データとなり、診断精度の低下が避けられる。すなわち、機器の状態データを効率よく蓄積することができる。
実施の形態1における鉄道メンテナンス装置の構成図である。 実施の形態1における観測地点算出部の観測地点算出処理を示すフローチャートである。 観測地点データベースのデータ構造を示す図である。 実施の形態1における劣化診断データベースのデータ構造を示す図である。 実施の形態2における鉄道メンテナンス装置の構成図である。 実施の形態2における観測地点データベース作成装置の構成図である。 実施の形態3における鉄道メンテナンス装置の構成図である。 実施の形態4における鉄道メンテナンス装置の構成図である。 実施の形態4における劣化診断データベースのデータ構造を示す図である。 実施の形態5における鉄道メンテナンス装置の構成図である。 実施の形態5における劣化診断データベースのデータ構造を示す図である。 実施の形態5における観測地点データベース作成装置の構成図である。 実施の形態5における観測地点算出部の観測地点算出処理を示すフローチャートである。 実施の形態6における鉄道メンテナンス装置の構成図である。 実施の形態6における観測地点算出部による観測地点算出処理を示すフローチャートである。
<A.実施の形態1>
<A−1.構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る機器診断装置である、鉄道メンテナンス装置100の構成図である。図1において鉄道メンテナンス装置100は、列車に搭載される車上装置101と、地上装置111とを備えて構成される。
車上装置101は、計測装置102、状態監視装置103、状態データ記憶部104、モニタ105及び通信装置106を備える。計測装置102は、車上装置101が搭載された列車に備わる各種機器の状態を計測する。計測装置102が計測した機器の状態は、状態データとして状態監視装置103に送られる。状態監視装置103は、計測装置102から状態データを収集し、当該状態データを状態データ記憶部104に格納すると共に、通信装置106に送る。モニタ105は、例えばタッチパネルであり、状態データ記憶部104で記憶した状態データを車両の運転士に表示すると共に、運転士からの入力を受け付ける。通信装置106は、状態監視装置103と接続され、地上装置111に状態データを送信する。
本明細書では、列車に備わる機器のメンテナンスを行う鉄道メンテナンス装置を例に機器診断装置を説明する。しかし、本発明の機器診断装置は、バス、路面電車及びモノレール等、所定の路線を走行する列車以外の移動体に搭載された機器のメンテナンスにも適用可能である。以下、本明細書において、車上装置101が搭載される列車を単に「列車」と呼び、当該列車に備わる診断対象の機器を単に「機器」と呼び、機器の状態データを単に「状態データ」と呼ぶ。
地上装置111は、例えば列車を運行する鉄道会社の管理センターに配置され、各路線を走行する列車に搭載された車上装置101から状態データを収集し、管理する。地上装置111は、通信装置112、状態データ一時保存部113、機器特性データベース114、観測地点設定ファイル115、観測地点算出部116、観測地点データベース117、データベース格納部118、劣化診断データベース119、モニタ120及び劣化診断部121を備える。通信装置112は、車上装置101から状態データを受信する。通信装置112が受信した状態データは、状態データ一時保存部113に一時的に格納される。機器特性データベース114には、機器の地点ごとの特性を示す特性データが格納されている。観測地点設定ファイル115には、観測地点の設定条件が機器毎に記載されている。観測地点算出部116は、機器特性データベース114の特性データ及び観測地点設定ファイルを基に、状態データを蓄積すべき地点を観測地点として算出し、観測地点に関するデータ(観測地点データ)を観測地点データベースに記憶する。データベース格納部118は、状態データ一時保存部113に格納された状態データ(第1状態データ)のうち、観測地点に対応する状態データ(第2状態データ)のみを劣化診断データベース119に蓄積する。劣化診断部121は、劣化診断データベース119に蓄積された状態データを基に機器の劣化診断を行い、診断結果をモニタ120に表示する。
図1を用いて、鉄道メンテナンス装置100による劣化診断処理と、当該劣化診断処理におけるデータの流れを説明する。計測装置102は、列車に搭載された機器が備えるセンサの状態を状態データとして取得する装置である。機器の一例は、ブレーキ又は空調装置であり、状態データの一例は、ブレーキシリンダの圧力データ又は列車の車内温度のデータである。計測装置102は、列車内のネットワークを介して、周期的に(例えば100msecの周期で)状態データを状態監視装置103に送信する。
状態監視装置103は、計測装置102から送られた状態データをモニタ105に表示する。状態データ記憶部104は、状態監視装置103が収集した状態データに位置情報を含めて記憶する。すなわち、ここでの位置情報は、例えば路線における特定位置(例えば始発駅)からの距離で示される。あるいは、衛星測位システムにより取得した座標値を位置情報に用いてもよい。
状態データ記憶部104が記憶する状態データは、データフロー108を介して地上装置111に送付される。ここでデータフロー108は、通信装置106及び通信装置112の間で定期的に状態データを移動するフローである。通信装置106及び通信装置112が大容量通信可能な無線装置であれば、リアルタイムに状態データを地上装置111に送付してもよい。また、データフロー108は、通信装置106,112を用いずに、記憶媒体を介して保守員が点検時にデータを移動することにより実現してもよい。また、通信装置106,112を近距離無線または有線ネットワークにより構成し、列車が車庫に入庫したタイミングで車庫に配置された地上装置111にデータを移動することにより実現してもよい。
状態データ一時保存部113は、データフロー108を介して車上装置101から受信した状態データ(第1状態データ)を一時的に格納する。データベース格納部118により劣化診断データベース119に状態データの一部(第2状態データ)が格納されると、状態データ一時保存部113に保存した状態データ(第1状態データ)は不要となるため、圧縮して外部の記憶媒体に保管するか破棄する等の処理が行われる。
機器特性データベース114は、機器の負荷状態又は故障発生頻度などの機器特性の、車両の路線上の位置による変化を示す機器特性情報を保存したデータベースである。負荷状態は、線路のカーブ等の情報や、粉塵、海の近傍の塩害の多い場所等の地域特性等から判断する。また、過去の状態データを基に機器の温度が高い地域等を負荷が大きい位置として追加してもよい。
鉄道では、毎日同一の線路上を多数の車両が走行するため、車両間で機器毎に負荷のかかる位置が類似することが多い。ブレーキを例にすると、カーブの手前でブレーキをかけるため、コーナーのきつい地点の手前ではブレーキシリンダの圧力が大きくなるという特性がある。この場合、機器特性データベース114には、ブレーキシリンダの圧力の平均値を位置情報に紐付けて格納しておく。空調装置を例にすると、特定の駅間において乗車人数が多く、それによってエアコンの負荷が高くなるという特性がある。この場合、機器特性データベース114には、乗車率の平均値を位置情報に紐付けて格納しておく。また、過去の位置情報に基づいた機器ごとの故障発生頻度を機器特性データベース114に格納しておいてもよい。このように、機器特性データベース114は、位置情報と機器特性との関係を示したデータベースである。
観測地点設定ファイル115には、観測地点の設定条件が機器毎に記載される。観測地点の設定条件は、観測地点数及び観測地点間最小距離間隔である。観測地点間最小距離間隔を定めることにより、観測地点が特定の位置に集中することが避けられる。
観測地点算出部116は、機器特性データベース114と観測地点設定ファイル115を参照し、これらに基づき観測地点を算出し、算出した観測地点の情報を観測地点データベース117に格納する。
<A−2.動作>
図2は、観測地点算出部116による観測地点算出処理を示すフローチャートである。以下、図2に沿って観測地点算出処理を説明する。
まず、観測地点設定ファイル115を読み込む(ステップS201)。そして、メンテナンス対象の機器を一つ選択し、選択した機器の観測地点設定条件、すなわち観測地点数N及び観測地点間最小距離間隔d0を観測地点設定ファイルから読み込む(ステップS202)。
次に、初期化処理として観測地点の設定数iを0とする(ステップS203)。そして、機器特性データベース114を参照し、観測地点として未だ設定していない地点の中から、機器特性が最大となる地点を観測地点として取得する(ステップS204)。例えば、負荷状態が最大となる観測地点若しくは故障発生頻度が最大となる観測地点を取得する。
その後、ステップS204で求めた観測地点と他の観測地点、すなわち観測地点データベース117に位置情報を格納済みの観測地点との距離間隔の最小値dを算出する(ステップS205)。ここで、観測地点データベース117に位置情報を格納済みの観測地点が無ければ、d=∞である。そして、最小値dと観測地点間最小距離間隔d0とを比較し、d≧d0であればステップS207に移行し、d<d0であればステップS204に戻る。
ステップS207では、ステップS204で取得した観測地点の位置情報を観測地点データベース117に格納する。その後、観測地点の設定数iを1増加させ(ステップS208)、観測地点の設定数iと観測地点設定ファイル115から読み込んだ観測地点数Nとを比較する(ステップS209)。i<NであればステップS204に戻り、i≧Nであれば処理を終了する。
こうして、観測地点データベース117には観測地点間最小距離間隔d0を満たすN個の観測地点が格納される。
図3は、観測地点データベース117のデータ構造を示している。観測地点データベース117では、機器ごとに観測地点の位置情報を含む観測地点データを管理している。観測地点データは、機器名、観測地点数N、観測地点1〜Nの位置情報、1つの観測地点で記録するデータの種類の数M、及びデータ名称1〜Mを含む。図3の例では、全ての観測地点で同一のデータを記録するものとする。
データベース格納部118は、状態データ一時保存部113が保存する状態データ(第1状態データ)のうち、観測地点データベース117に格納された機器ごとの観測地点に関する状態データ(第2状態データ)を抜き出し、劣化診断データベース119に格納する。ここで、観測地点に関する状態データは、まずは観測地点と一致する位置の状態データであるが、その他、観測地点と一致する位置を起点とした前後の一定サンプリング周期の状態データを含んでも良い。観測地点の前後の地点の状態データを観測地点の状態データと併せて劣化診断データベース119に格納することにより、特にブレーキ等、サンプリング周期が短い制御系の機器に対して精度の高い診断を行うことが可能となる。すなわち、データベース格納部118は、第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報を有する第2状態データを抽出する。
図4は、劣化診断データベース119のデータ構造を示している。劣化診断データベース119は、劣化分析データ1191と個別状態データ1192とを備えて構成される。劣化分析データ1191は、機器と位置情報が同一である状態データを管理するためのデータであり、個別状態データ402へのポインタを格納している。個別状態データ1192は、データの作成元を区別するための状態データヘッダ、状態データ記憶日時、状態データ群から構成される。状態データヘッダは、データ作成元の列車及び機器を識別するための識別子を持つ。これらの識別子をキーとすることで、特定の列車の機器の状態データのみを抽出することが可能である。状態データ群は、データの記録日時、データ名称、値により構成され、複数の状態データが格納される。
劣化診断部121は、劣化診断データベース119を参照し、公知の統計的手法により劣化診断を行う。その劣化診断結果は、モニタ120に表示される。例えば、列車の機器Aの状態データを新規に取得した場合は、同じ位置情報を持つ過去の同一種類の機器の状態データと比較することで、劣化の有無を診断することが可能である。また、複数の列車の同一機器間で同じ位置情報を持つ状態データを比較することで、列車間の差異を抽出し、劣化の有無を診断することも可能である。
<A−3.効果>
実施の形態1に係る鉄道メンテナンス装置100(機器診断装置)は、一定の路線に沿って移動する車両(移動体)に搭載された車上装置101(内部装置)と、移動体外に設けられた地上装置111(外部装置)とを備え、車上装置101は、車両の移動中に、車両に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測する計測装置102(計測部)を備え、地上装置111は、機器ごとに路線上の特定の地点を観測地点として設定する観測地点算出部116(観測地点設定部)と、計測地点の位置情報に紐付けられた計測装置102の計測結果である第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積する劣化診断データベース119(状態データ蓄積部)と、劣化診断データベース119が蓄積した第2状態データを基に機器の劣化診断を行う劣化診断部121と、を備える。観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データが蓄積されることにより、蓄積量が削減される。また、観測地点は機器ごとに設定されるので、機器の診断に必要なデータが第2状態データとなり、診断精度の低下が避けられる。すなわち、状態データ蓄積部には機器の状態データを効率よく蓄積される。
また、観測地点算出部116(観測地点設定部)は、機器の負荷状態又は故障発生頻度の、車両(移動体)の路線上の位置による変化を示す機器特性データベース114(機器特性情報)に基づき観測地点を設定するので、機器の診断に必要なデータが第2状態データとなり、診断精度の低下が避けられる。すなわち、状態データ蓄積部には機器の状態データを効率よく蓄積される。
また、鉄道メンテナンス装置100(機器診断装置)によれば、地上装置111(外部装置)は、第1状態データから第2状態データを抽出するデータベース格納部118(状態データ抽出部)を備え、劣化診断データベース119(状態データ蓄積部)は、データベース格納部118が抽出した第2状態データを蓄積する。このように、地上装置側で第1状態データから第2状態データを抽出するため、車上装置101(内部装置)側は第1状態データをそのまま地上装置111に送信すればよく、構成を簡略化できる。
実施の形態1に係る機器診断方法では、車両(移動体)の一定の路線に沿った移動中に、車両に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測し、機器ごとに、路線上の特定の地点を観測地点として設定し、計測地点の位置情報に紐付けて記憶された計測の結果を示す第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積し、第2状態データを基に機器の劣化診断を行う。観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データが蓄積されることにより、蓄積量が削減される。また、観測地点は機器特性情報に基づき設定されるので、機器の診断に必要なデータが第2状態データとなり、診断精度の低下が避けられる。すなわち、機器の状態データを効率よく蓄積することができる。
<B.実施の形態2>
実施の形態2では、観測地点データベース117を作成するための構成を地上装置111と別の構成とする。
<B−1.構成>
図5は、本発明の実施の形態2に係る機器診断装置である、鉄道メンテナンス装置200の構成図である。鉄道メンテナンス装置200は、車上装置101、地上装置211及び観測地点データベース作成装置221を備える。車上装置101は実施の形態1と同様である。
地上装置211は、通信装置112、状態データ一時保存部113、観測地点データベース117B、データベース格納部118、劣化診断データベース119、モニタ120及び劣化診断部121を備える。観測地点データベース117Bは、後述する観測地点データベース作成装置221の観測地点データベース217Aと同期する。通信装置112、状態データ一時保存部113、データベース格納部118、劣化診断データベース119、モニタ120及び劣化診断部121は実施の形態1と同様である。
図6は、観測地点データベース作成装置221の構成図である。観測地点データベース作成装置221は、機器特性データベース214、観測地点設定ファイル215、観測地点算出部216及び観測地点データベース217Aを備えている。機器特性データベース214、観測地点設定ファイル215、観測地点算出部216及び観測地点データベース217Aの構成及び動作は、実施の形態1の地上装置111における機器特性データベース114、観測地点設定ファイル115、観測地点算出部116及び観測地点データベース117と同様である。
<B−2.効果>
実施の形態2に係る鉄道メンテナンス装置200(機器診断装置)は、一定の路線に沿って移動する車両(移動体)に搭載された車上装置101(内部装置)と、車両外に設けられた外部装置としての観測地点データベース作成装置221及び地上装置221とを備え、車上装置101は、車両の移動中に、車両に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測する計測装置102(計測部)を備え、地上装置は、機器ごとに路線上の特定の地点を観測地点として設定する観測地点算出部216(観測地点設定部)と、計測地点の位置情報に紐付けられた計測装置102の計測結果である第1状態データのうち、観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積する劣化診断データベース119(状態データ蓄積部)と、劣化診断データベース119が蓄積した第2状態データを基に機器の劣化診断を行う劣化診断部121と、を備える。観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データが蓄積されることにより、蓄積量が削減される。また、観測地点は機器ごとに設定されるので、機器の診断に必要なデータが第2状態データとなり、診断精度の低下が避けられる。すなわち、状態データ蓄積部には機器の状態データを効率よく蓄積される。
<C.実施の形態3>
実施の形態3では、車上装置側で状態データの絞り込みを行う。
<C−1.構成>
図7は、本発明の実施の形態3に係る機器診断装置である、鉄道メンテナンス装置300の構成を示している。鉄道メンテナンス装置300は、車上装置301、地上装置311及び観測地点データベース作成装置221を備える。観測地点データベース作成装置221の構成は実施の形態2と同様である。
車上装置301は、実施の形態1の車上装置101の構成に加えて、観測地点指定部302及び観測地点データベース317Bを備える。観測地点指定部302は、観測地点データベース作成装置221の観測地点データベース217Aに同期する。
地上装置311は、通信装置112、データベース格納部318、劣化診断データベース119、モニタ120及び劣化診断部121を備える。通信装置112、劣化診断データベース119、モニタ120及び劣化診断部121は実施の形態2と同様である。
実施の形態2では、地上装置211においてデータベース格納部118が状態データを劣化診断データベース119に格納する際に、観測地点データベース117Bを参照して状態データの絞り込みを行っていた。これに対して本実施の形態では、車上装置301において状態監視装置103が状態データ記憶部104に状態データを格納する際に、同様の絞り込みを行う。以下に詳細を説明する。
<C−2.動作>
車上装置301の動作を説明する。観測地点指定部302は、観測地点データベース317Bを参照し、機器ごとの観測地点及び観測地点で記録するデータ名称を状態監視装置103に通知する。観測地点は車両の走行中に変化しないので、本処理は、状態監視装置103の初期化時に一度だけ実施すればよい。状態監視装置103は、計測装置102から送られた状態データのうち、観測地点指定部302により指定された機器ごとの観測地点に関する状態データを抜き出し、位置情報を付加して状態データ記憶部104に格納する。
状態データを地上装置311に送信するデータフロー108は、実施の形態1と同じである。
次に、地上装置311の動作を説明する。データベース格納部318は、通信装置112から受信した状態データを劣化診断データベース119に格納する。その他の装置の役割は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
<C−3.変形例>
観測地点データベース317Bは、観測地点データベース作成装置221で作成された観測地点データベース117Aに同期しており、機器毎の観測地点の位置情報が格納されている。検修員がモニタ105を介して機器ごとの観測地点を指定し、観測地点データベース317Bを更新できるようにしても良い。
また、観測地点の位置情報は、データベースの他、プログラムまたは設定ファイルとして車上装置301上に保存されていても良い。
<C−4.効果>
実施の形態3に係る鉄道メンテナンス装置300(機器診断装置)において、車上装置301(内部装置)は、第1状態データから第2状態データを抽出する状態監視装置103(状態データ抽出部)を備え、劣化診断データベース119(状態データ蓄積部)は、状態監視装置103が抽出した第2状態データを蓄積する。このように、車上装置301側で第2状態データを抽出することで、車上装置301から地上装置311(外部装置)への通信量を削減できる。そのため、車上装置301及び地上装置311の間の通信速度が高速でなくても、車上装置301から地上装置311へ第2状態データを送信し、地上装置311で第2状態データに基づき機器の劣化診断を行うことができる。
<D.実施の形態4>
本実施の形態では、機器の劣化に関連する地上情報を状態データに紐付けて蓄積し、劣化診断に用いる。
<D−1.構成>
図8は、本発明の実施の形態4に係る機器診断装置である、鉄道メンテナンス装置400の構成を示している。鉄道メンテナンス装置400は、車上装置101、地上装置411及び観測地点データベース作成装置221を備えている。
地上装置411は、実施の形態2の地上装置211の構成に加えて、地上情報取得部412及び地上情報データベース413を備え、データベース格納部118及び劣化診断データベース119に代えてデータベース格納部418及び劣化診断データベース419を備えている。鉄道メンテナンス装置400の他の構成については、実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
地上情報取得部412は、気温、湿度、降水量又は風速の情報等、機器の劣化に関連する地上情報を取得し、当該地上情報を地上情報データベース413に格納する。地上情報取得部412は、例えばインターネット等を介して、線路上の各地点から最も距離の近い地上の定点観測データから各地点の地上情報を取得する。例えば、線路上の地点Aから最も距離の近い地上の定点観測データから取得した地上情報を、地点Aの地上情報とする。なお、線路付近に温度、湿度等の計測装置を持ち、独自のデータベースを自身で保持している場合は、当該データベースを参照して地上情報を取得してもよい。
データベース格納部418は、状態データ一時保存部113が保存する状態データのうち、観測地点データベース117Bに格納された機器ごとの観測地点に関する状態データを抜き出す。さらに、観測地点データベース117Bで指定された機器ごとの観測地点の地上情報を地上情報データベース413から取得し、状態データ一時保存部113から抜き出した状態データに地上情報を付加して、劣化診断データベース419に格納する。
図9は、実施の形態4における劣化診断データベース419の構造を示している。劣化診断データベース419は、劣化分析データ4191と個別状態データ1192とを備えている。個別状態データ1192は実施の形態2と同様である。
劣化分析データ4191は、実施の形態2の劣化診断データベース119における劣化分析データ1191に加えて地上情報4192を含んでいる。
劣化診断データベース419は地上情報4192を含んでいるので、劣化診断部121は、地上情報4192が同一又は類似の状態データのみを比較対象として絞り込むことにより、高精度に劣化診断を行うことができる。例えば、空調機器の劣化診断を行う場合には、過去の空調機器の状態データの中から、位置情報が同一かつ地上情報(気温又は湿度)が類似するものを絞り込んで比較対象とすることにより、類似する空調負荷の下での状態データを比較することができるため、高精度に劣化診断を行える。
<D−2.効果>
実施の形態4に係る鉄道メンテナンス装置400(機器診断装置)において、地上装置411(外部装置)は、路線上の地点における気温、湿度、降水量、風速の少なくとも1つを含む地上情報を取得する地上情報取得部412を備え、劣化診断データベース419(状態データ蓄積部)は、第2状態データに、その観測地点に対応する地点の地上情報を紐付けて蓄積する。従って、地上情報が同一又は類似の状態データ同士を比較することにより、劣化診断精度を高めることができる。
<E.実施の形態5>
本実施の形態では、通常運転時の状態データだけでなく、負荷試験時の状態データをも用いて機器の劣化診断を行う。
<E−1.構成>
図10は、本発明の実施の形態5に係る機器診断装置である、鉄道メンテナンス装置500の構成図である。鉄道メンテナンス装置500は、車上装置101、地上装置511、観測地点データベース作成装置521及び負荷装置501を備える。すなわち、鉄道メンテナンス装置500は、実施の形態2に係る鉄道メンテナンス装置200の構成を変形して負荷装置501を加えたものである。
地上装置511は、劣化診断データベース119に代えて劣化診断データベース519を備える点以外は、実施の形態2の地上装置211と同様である。
負荷装置501は、線路上のある観測地点に設けられ、ノイズ等の負荷を列車に加える。
これにより、車上装置101の計測装置102は負荷が加えられた状態での、機器の状態データを収集する。このように負荷試験を行うことで不具合を起こす状況が限定された機器の状態データを収集することが可能となる。
図11は、実施の形態5における劣化診断データベース519のデータ構造を示している。劣化診断データベース519は、劣化分析データ5191と個別状態データ1192とを備えている。個別状態データ1192は実施の形態2と同様である。
劣化分析データ5191は、実施の形態2の劣化診断データベース119における劣化分析データ1191に加えて負荷情報5192を含んでいる。負荷情報5192には、負荷試験の種類(ノイズ等)と負荷の強度が格納される。
図12は、観測地点データベース作成装置521の構成図である。観測地点データベース作成装置521は、実施の形態2の観測地点データベース作成装置221の構成に、負荷情報データベース522を追加したものである。負荷情報データベース522には、負荷装置501の位置情報及び負荷情報等が格納されている。負荷情報は、負荷の種類や強さ等の情報である。
<E−2.動作>
図13は、観測地点データベース作成装置521の観測地点算出部216による観測地点算出処理を示すフローチャートである。ステップS1301〜S1303は、実施の形態1で説明したステップS201〜S203と同様である。ステップS1303の後、負荷情報データベース522を読み込む(ステップS1304)。負荷情報データベース522に未取得の負荷装置501の位置情報があれば(ステップS1305:YES)、当該負荷装置501の位置を観測地点とし、その位置情報を負荷情報と併せて観測地点データベースに格納する(ステップS1309)。負荷情報データベース522に未取得の負荷装置501の位置情報がなければ(ステップS1305:NO)、ステップS1306に移行する。
ステップS1306以降では、実施の形態1と同様に、機器特性データベース214及び観測地点設定ファイル215から観測地点を取得し、観測地点データベースに格納する(ステップS1309)。その詳細は、実施の形態1のステップS204〜S209で既に説明しているので、ここでの説明は省略する。
すなわち、観測地点算出部1203は、負荷装置501の位置を優先的に観測地点として取得し、その後、機器特性が最大となる観測地点を取得する。
このように、実施の形態5の鉄道メンテナンス装置500では、列車に負荷をかけた位置の状態データを収集して劣化診断に用いることで、列車に負荷をかけた際の機器の劣化診断を高精度に行うことができる。
<E−3.変形例>
なお、負荷装置501は、車上の計測装置102に搭載してもよい。また、走行制御等安全性に関わる機器については、通常運転時ではなく、回送走行時に安全に支障のない量の負荷をかける等の方法で状態データを収集することが可能である。
図10において、観測地点データベース作成装置521は、地上装置211とは別装置として示したが、地上装置211の構成であっても良い。
また、鉄道メンテナンス装置500は、実施の形態2に係る鉄道メンテナンス装置200の構成を変形して負荷装置501を加えたものとして説明したが、実施の形態1,3,4に係る鉄道メンテナンス装置100,300,400の構成を変形して負荷装置501を加えることも可能である。
<E−4.効果>
実施の形態5に係る鉄道メンテナンス装置500(機器診断装置)は、路線上の地点で車両(移動体)に負荷を加える負荷装置501をさらに備え、観測地点設定部は、機器特性に基づく設定に優先して、負荷装置から負荷が加えられた地点を観測地点として設定する。従って、負荷が加わる特殊な状況の下での状態データを効率よく収集することができ、劣化診断精度が向上する。
<F.実施の形態6>
本実施の形態では、劣化に影響を及ぼす地上情報を考慮し、地上情報が境界値を超えた時に観測地点の設定条件を動的に変更する。
<F−1.構成>
図14は、実施の形態6に係る鉄道メンテナンス装置600の構成図である。鉄道メンテナンス装置600は、車上装置101、地上装置211及び観測地点データベース作成装置621を備える。車上装置101及び地上装置211は実施の形態2に係る鉄道メンテナンス装置200と同様であるため、説明を省略する。
観測地点データベース作成装置621は、実施の形態2の観測地点データベース作成装置221の構成に加えて地上情報データベース613を備えている。
地上情報データベース613は、特定の観測地点の範囲における地上情報(気温、湿度、降水量、風速等)の代表値を格納している。
観測地点設定ファイル215には、観測地点設定条件及びその変更情報が機器毎に記載されている。観測地点設定条件は、観測地点数及び観測地点間最小距離間隔を含み、その変更情報は、地上情報の種類、地上情報の境界値GT、地上情報が境界値を超えた時の観測地点数、及び地上情報が境界値を超えた時の観測地点間最小距離間隔を含む。例えば、空調機器の場合、観測地点設定条件として観測地点数を「5」、観測地点間最小距離間隔を「100m」、その変更情報として、地上情報の種類を「気温」、地上情報の境界値を「30度」、地上情報が境界値を超えた時の観測地点数を「10」、地上情報が境界値を超えた時の観測地点間最小距離間隔を「50m」とする。
観測地点算出部616は、機器特性データベース214を参照し、機器特性が大きい地点を観測地点として抽出する。観測地点の抽出にあたっては、観測地点設定ファイル215に記載された抽出条件に従う。さらに、地上情報が境界値を超えた場合には、観測地点設定ファイル215に記載された抽出条件を変更し、変更後の抽出条件に従って観測地点を抽出する。
<F−2.動作>
図15は、観測地点算出部616による観測地点算出処理を示すフローチャートである。以下、図15に沿って観測地点算出部616による観測地点算出処理を説明する。最初のステップS1501は、図2のステップS201と同様である。ステップS1501の後、観測地点設定ファイルから観測地点の設定条件と、当該設定条件の変更情報を読み込む(ステップS1502)。
次に、地上情報データベースを読み込んで、地上情報の代表値Grを取得する(ステップS1503)。ここで取得する地上情報は、状態データを取得する特定の区間における代表値である。例えば、駅Aと駅Bの間でN個の観測地点を設定する処理を行う場合は、駅Aと駅Bの間の地上情報の代表値を取得する。
その後、ステップS1503で取得した地上情報の代表値GrをステップS1502で取得した境界値Gtと比較し、Gr>Gtであれば(ステップS1504:YES)、観測地点設定条件を変更する(ステップS1505)。具体的には、ステップS1502で取得した観測地点設定条件の変更情報に従い、観測地点数及び観測地点間最小間隔を変更する。Gr≦Gtであれば(ステップS1504:YES)、観測地点設定条件を変更せずステップS1506に移行する。
ステップS1506〜S1512の処理は、図2のステップS203〜S209と同様であるため、説明を省略する。
以上の処理により、観測地点算出部616は、地上情報に応じて観測地点の設定条件を変更し、観測地点を設定する。従って、例えば温度による負荷の受けやすい空調機器に対しては、地上情報データベースから取得した気温が30度を超えた場合に、観測地点数を2倍、観測地点間最小距離間隔を1/2にすることにより、重点的に空調機器の状態を観測することが出来る。従って、高精度に劣化診断を行うことが出来る。
<F−3.効果>
実施の形態5に係る鉄道メンテナンス装置500(機器診断装置)において、外部装置である観測地点データベース作成装置621は、路線上の地点における気温、湿度、降水量、風速の少なくとも1つを含む地上情報を取得する地上情報データベース613(地上情報取得部)を備え、観測地点算出部616(観測地点設定部)は、地上情報に基づき観測地点の設定数を変更する。従って、地上情報によって機器の状態データの取得数に軽重をつけることが出来るので、例えば気温が高いときには空調機器の観測地点数を増やすことにより、高精度に劣化診断を行うことが出来る。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
100,200,300,400,500,600 鉄道メンテナンス装置、101,301 車上装置、102 計測装置、103 状態監視装置、104 状態データ記憶部、105,120 モニタ、106,112 通信装置、107 状態データ、108 データフロー、111,211,311,411,511 地上装置、114,214 機器特性データベース、115,215 観測地点設定ファイル、116,216,616,1203 観測地点算出部、117,117A,117B,217A,317B 観測地点データベース、118,318,418 データベース格納部、119,419,519 劣化診断データベース、121 劣化診断部、221,521,621 観測地点データベース作成装置、302 観測地点指定部、401,1191,4191,5191 劣化分析データ、402,1192 個別状態データ、412 地上情報取得部、413,613 地上情報データベース、501 負荷装置、522 負荷情報データベース、4192 地上情報、5192 負荷情報。

Claims (9)

  1. 一定の路線に沿って移動する移動体に搭載された内部装置と、前記移動体外に設けられた外部装置とを備え、
    前記内部装置は、前記移動体の移動中に、前記移動体に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測する計測部を備え、
    前記外部装置は、
    前記機器毎に前記路線上の特定の地点を観測地点として設定する観測地点設定部と、
    前記計測地点の位置情報に紐付けられた前記計測部の計測結果である第1状態データのうち、前記観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積する状態データ蓄積部と、
    前記状態データ蓄積部が蓄積した前記第2状態データを基に前記機器の劣化診断を行う劣化診断部と、を備え、
    前記観測地点設定部は、前記機器の負荷状態又は故障発生頻度の、前記移動体の前記路線上の位置による変化を示す機器特性情報に基づき前記観測地点を設定する、
    機器診断装置。
  2. 前記外部装置は、前記第1状態データから前記第2状態データを抽出する状態データ抽出部をさらに備え、
    前記状態データ蓄積部は、前記状態データ抽出部が抽出した前記第2状態データを蓄積する、
    請求項1に記載の機器診断装置。
  3. 前記内部装置は、前記第1状態データから前記第2状態データを抽出する状態データ抽出部をさらに備え、
    前記状態データ蓄積部は、前記状態データ抽出部が抽出した前記第2状態データを蓄積する、
    請求項1に記載の機器診断装置。
  4. 前記外部装置は、前記路線上の地点における気温、湿度、降水量および風速のうち少なくとも1つを含む地上情報を取得する地上情報取得部を備え、
    前記状態データ蓄積部は、前記第2状態データに、前記観測地点に対応する地点の前記地上情報を紐付けて蓄積する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の機器診断装置。
  5. 前記路線上の地点で前記移動体に負荷を加える負荷装置をさらに備え、
    前記観測地点設定部は、前記機器特性情報に基づく設定に優先して、前記負荷装置から負荷が加えられた地点を前記観測地点として設定する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の機器診断装置。
  6. 前記外部装置は、前記路線上の地点における気温、湿度、降水量および風速のうち少なくとも1つを含む地上情報を取得する地上情報取得部を備え、
    前記観測地点設定部は、前記地上情報に基づき前記観測地点の設定数を変更する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の機器診断装置。
  7. 一定の路線に沿って移動する移動体に搭載された内部装置と、前記移動体外に設けられた外部装置と、前記路線上の地点で前記移動体に負荷を加える負荷装置と、を備え、
    前記内部装置は、前記移動体の移動中に、前記移動体に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測する計測部を備え、
    前記外部装置は、
    前記機器毎に前記路線上の特定の地点を観測地点として設定する観測地点設定部と、
    前記計測地点の位置情報に紐付けられた前記計測部の計測結果である第1状態データのうち、前記観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積する状態データ蓄積部と、
    前記状態データ蓄積部が蓄積した前記第2状態データを基に前記機器の劣化診断を行う劣化診断部と、を備え、
    前記観測地点設定部は、前記機器の負荷状態又は故障発生頻度の、前記移動体の前記路線上の位置による変化を示す機器特性情報に基づく設定に優先して、前記負荷装置から負荷が加えられた地点を前記観測地点として設定する、
    機器診断装置。
  8. 一定の路線に沿って移動する移動体に搭載された内部装置と、前記移動体外に設けられた外部装置とを備え、
    前記内部装置は、前記移動体の移動中に、前記移動体に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測する計測部を備え、
    前記外部装置は、
    前記機器毎に前記路線上の特定の地点を観測地点として設定する観測地点設定部と、
    前記計測地点の位置情報に紐付けられた前記計測部の計測結果である第1状態データのうち、前記観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積する状態データ蓄積部と、
    前記状態データ蓄積部が蓄積した前記第2状態データを基に前記機器の劣化診断を行う劣化診断部と、
    前記路線上の地点における気温、湿度、降水量および風速のうち少なくとも1つを含む地上情報を取得する地上情報取得部と、を備え、
    前記観測地点設定部は、前記地上情報に基づき前記観測地点の設定数を変更する、
    機器診断装置。
  9. 移動体に搭載された内部装置と、前記移動体外に設けられた外部装置とを用いた機器診断方法において、
    前記移動体の一定の路線に沿った移動中に、前記内部装置が備える計測部により、前記移動体に搭載された機器の状態を複数の計測地点で計測し、
    前記外部装置が備える観測地点設定部により、前記機器の負荷状態又は故障発生頻度の、前記移動体の路線上の位置による変化を示す機器特性情報に基づき、前記路線上の特定の地点を観測地点として設定し、
    前記外部装置が備える状態データ蓄積部により、前記計測地点の位置情報に紐付けて記憶された前記計測の結果を示す第1状態データのうち、前記観測地点の位置情報に対応する位置情報に紐付けられた第2状態データを蓄積し、
    前記外部装置が備える劣化診断部により、前記第2状態データを基に前記機器の劣化診断を行うことを特徴とする、
    機器診断方法。
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