以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aの概略構成を示す図である。状態監視車上装置1Aにかかる列車10は、車上装置100を備える。車上装置100は、機器11と、計測装置12と、機器情報取得装置13と、モニタ装置14と、車上中央装置15と、機器情報管理装置200と、機器情報記憶装置16と、車上通信装置20と、アンテナ17と、を備える。
計測装置12は、列車10に搭載された機器11(例えば、ブレーキ、空調装置など)の状態や機器11が備えるセンサなどの状態を取得する装置である。以下、列車10の搭載された機器11の状態や機器11が備えるセンサなどの状態のことを「機器状態」、機器状態を表すデータのことを「機器情報」という。図1では、機器11および計測装置12は1つしか図示されていないが、複数備えていてもよい。
機器情報取得装置13は、計測装置12と接続されており、計測装置12から機器情報が入力される。図1では、機器情報取得装置13は1つしか図示されていないが、複数備えていてもよい。
モニタ装置14は、例えばタッチパネルであり、機器情報を車両の運転士に表示するとともに、運転士からの入力を受け付ける。
車上中央装置15は、モニタ装置14と接続されており、機器情報をモニタ装置14に出力することが可能となっている。車上中央装置15は、列車10の運行管理に必要な情報が入力される。以下、列車10の運行管理に必要な情報のことを「列車制御情報」という。列車制御情報としては、列車位置情報や列車速度情報などが例示できる。列車位置情報には、キロ程情報、在線情報および在線エリア情報などが例示できる。また、列車位置情報は、GPSによる位置情報でもよい。列車制御情報を算出するために必要な情報は、速度発電機(図示しない)や速度センサ(図示しない)などから入力される。
機器情報管理装置200は、車上中央装置15、機器情報取得装置13および車上通信装置20と接続されている。車上中央装置15から列車制御情報を受け取ることが可能となっている。列車位置情報については、車上中央装置15以外の装置から受け取ってもよい。また、機器情報取得装置13から機器情報が入力される。機器情報取得装置13が複数ある場合は、複数の機器情報取得装置13から機器情報が入力される。
機器情報管理装置200は、出力に関する予め決められた条件に基づき、機器情報の出力先を特定し、車上通信装置20に出力する。予め決められた条件の詳細は後述する。機器情報管理装置200は、機器情報記憶装置16と接続されており、機器情報を機器情報記憶装置16に出力することができる。
機器情報管理装置200は、機器情報に追加情報を付加することができる。追加情報の具体例としては、機器情報が得られた時間に関する情報、機器情報が得られた場所に関する情報などがある。追加情報により、機器情報が得られた時間や場所が認識可能となる。 機器情報管理装置200は、場所に関する情報を車上中央装置15から列車位置情報などで受信する。
機器情報管理装置200は、時間に関する情報を車上中央装置15から受信、あるいは
自身で時計を備えている場合は、その時間を機器情報に付加することができる。また、複数の機器情報取得装置13から機器情報が入力される場合は、各機器情報取得装置13からの機器情報について、同期を取ることができる。基準となる時間情報、例えば機器情報管理装置200自身が備えている時計の情報を用いることで、同期を取ることができる。
機器情報記憶装置16は、機器情報管理装置200から出力された機器情報が入力され、機器情報を記憶し、蓄積することができる。
車上通信装置20は、アンテナ17を介して、列車10の外部に設置される後述する地上通信装置400と通信が可能となっている。車上通信装置20は、車上中央装置15から出力された列車制御情報および機器情報管理装置200から出力された機器情報が入力され、アンテナ17を介して地上通信装置400に列車制御情報および機器情報を送信する。また、地上通信装置400から列車10に送信された情報を、アンテナ17を介して受信する。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる列車状態監視システム1Cの状態監視地上システム1Bの概略構成を示す図である。軌道50を走行する列車10は、車上装置100を備えている。状態監視地上システム1Bは、地上通信装置400を備える。
地上通信装置400は、列車10の運行を管理する運行管理装置600と地上ネットワーク500を介して接続されている。地上通信装置400は、地上通信アンテナ401を介して列車10に備える車上通信装置20と通信が可能となっている。地上通信装置400は、車上通信装置20から出力された列車制御情報および機器情報が地上通信アンテナ401を介して入力される。列車制御情報は地上ネットワーク500を介して、運行管理装置600に送られる。また、地上通信装置400は、機器情報を蓄積する地上サーバー40と地上ネットワーク500を介して接続されている。地上通信装置400に入力された機器情報は、地上ネットワーク500を介して、地上サーバー40に送られる。図2では、運行管理装置600および地上サーバー40は別の装置として記載しているが、共通の装置であってもよい。
地上サーバー40は、列車から出力された機器情報を記憶し、蓄積することが可能となっている。蓄積した機器情報と公知の統計的手法により、機器11の状態分析を行い、機器11の劣化診断を行うことができる。つまり、機器情報は劣化診断に必要な情報とも換言できる。
次に、実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aの動作を説明する。図3は、実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aの機器情報管理装置200の動作を示すフローチャートである。
機器情報管理装置200は、機器情報取得装置13から機器情報が入力される(S101)。入力された機器情報を予め決められた条件に基づき、地上に送信するかを判断する(S102)。判断方法の詳細は、後述する。地上に送信する場合(S102:Yes)は、機器情報を記憶に関する予め決められた条件に基づき、列車内で記憶するかを判断する(S103)。判断方法の詳細は、後述する。列車内で記憶しない場合(S103:No)は、機器情報を車上通信装置20に出力する(S104)。列車内で記憶する場合(S103:Yes)は、機器情報を車上通信装置20および機器情報記憶装置16に出力する(S105)。
S102において、地上に送信しない場合(S102:No)は、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S106)。列車内で記憶する場合(S106:Yes)は、機器情報を機器情報記憶装置16に出力する(S107)。列車内で記憶しない場合(S106:No)は、機器情報を破棄する(S108)。
図3に示すように、機器情報管理装置200は、機器情報を車上通信装置20に出力するか、機器情報記憶装置16に出力するか、破棄するか、を判断する。つまり、機器情報管理装置200は、機器情報の出力先を車上通信装置20、機器情報記憶装置16および破棄(消去)のいずれにするかの特定を行う。
機器情報管理装置200は、出力に関する予め決められた条件に基づき、地上に送信するか否かの判断を行う。予め決められた条件の第1の具体例としては、車上中央装置15からの指令に基づいて判断する。地上への送信指令を車上中央装置15から受け取った場合に、地上に送信すると判断してもよい。この場合において、車上中央装置15は機器情報管理装置200に対して、定期的に地上への送信指令を送る。機器情報管理装置200は、車上中央装置15から定期的に送られてきた地上への送信指令がストップした場合に、地上に送信しないと判断してもよい。また、車上中央装置15から機器情報管理装置200に対して、地上への送信停止指令が送られてくるまでは地上に送信すると判断してもよい。
また、予め決められた条件の第2の具体例としては、機器情報管理装置200は、列車位置情報および地上への送信要否を関連付けた図示しないデータベースを備えていて、車上中央装置15から列車位置情報を受け取った際、データベースを参照し、地上への送信要否を判断してもよい。データベースは機器情報管理装置200以外の装置に備えていてもよい。
予め決められた条件の第3の具体例としては、列車10の運転状態がある。例えば、惰行運転を行う場合など、機器11にかかる負荷が小さいと考えられるので、機器11の劣化は進行しにくい。この場合、劣化診断に必要な情報である機器情報の地上への送信不要と判断してもよい。
予め決められた条件の第4の具体例としては、機器11に劣化の兆候がない場合、または劣化の兆候が疑われない場合に、機器情報管理装置200は、劣化診断に必要な情報である機器情報の地上への送信不要と判断してもよい。劣化の兆候の有無の判断方法の具体例としては、機器情報が予め決められた閾値を超えたか否かで判断する。
また、他の条件で地上に送信するか否かの判断を行ってもよい。
機器情報管理装置200は、記憶に関する予め決められた条件に基づき、機器情報記憶装置16に記憶するか否かの判断を行う。予め決められた条件の第1の具体例としては、車上中央装置15からの指令に基づいて判断する。機器情報記憶装置16への記憶指令を車上中央装置15から受け取った場合に、機器情報記憶装置16に記憶すると判断してもよい。この場合において、車上中央装置15は機器情報管理装置200に対して、定期的に機器情報記憶装置16への記憶指令を送る。機器情報管理装置200は、車上中央装置15から定期的に送られてきた機器情報記憶装置16への記憶指令がストップした場合に、機器情報記憶装置16に記憶しないと判断してもよい。また、車上中央装置15から機器情報管理装置200に対して、機器情報記憶装置16への記憶停止指令が送られてくるまでは機器情報記憶装置16へ記憶すると判断してもよい。
また、予め決められた条件の第2の具体例としては、機器情報管理装置200は、列車位置情報および機器情報記憶装置16への記憶要否を関連付けた図示しないデータベースを備えていて、車上中央装置15から列車位置情報を受け取った際、データベースを参照し、機器情報記憶装置16への記憶要否を判断してもよい。また、他の方法で機器情報記憶装置16へ記憶するか否かの判断を行ってもよい。また、データベースは機器情報管理装置200以外の装置に備えていてもよい。
予め決められた条件の第3の具体例としては、列車10の運転状態がある。例えば、惰行運転を行う場合など、機器11にかかる負荷が小さいと考えられるので、機器11の劣化は進行しにくい。この場合、劣化診断に必要な情報である機器情報の機器情報記憶装置16への記憶は不要と判断してもよい。
予め決められた条件の第4の具体例としては、機器11に劣化の兆候がない場合、または劣化の兆候が疑われない場合に、機器情報管理装置200は、劣化診断に必要な情報である機器情報の機器情報記憶装置16への記憶は不要と判断してもよい。劣化の兆候の有無の判断方法の具体例としては、機器情報が予め決められた閾値を超えたか否かで判断する。
予め決められた条件の第5の具体例としては、機器情報が地上へ送信されたか否かで判断されてもよい。機器情報が地上へ送信された場合は、機器情報が地上サーバー40で蓄積されるため記憶は不要、機器情報が地上へ送信されていない場合は、機器情報が地上サーバー40で蓄積されないため記憶は必要と判断してもよい。つまり、機器情報記憶装置16へ記憶するか否かは、機器情報が車上通信装置20へ出力されたか否かに基づいて判断してもよい。
また、他の条件で機器情報記憶装置16に記憶するか否かの判断を行ってもよい。
機器情報管理装置200に入力される機器情報は、特定されていることが好ましい。例えば、機器情報取得装置13において、計測装置12から入力された機器情報を特定させる。各機器11、各計測装置12は固有IDを有しており、機器情報に機器11の固有IDまたは計測装置12の固有IDを付加することで、または、機器11および計測装置12の固有IDを付加することで、どの機器11、計測装置12に対する機器情報かわかるように特定させる。同一機器から複数の異なる機器情報が入力される場合も各機器情報を特定させる。同一機器の複数の異なる機器情報を識別する情報を付加することもできる。
機器情報管理装置200は、機器情報取得装置13から入力される機器情報がどの機器11、計測装置12に対する機器情報か特定されているため、各機器情報に対して、地上への送信および記憶装置への記憶要否を判断することができる。
地上への送信および機器情報記憶装置16への記憶要否の判断を行う際、予め定められた所定の条件に基づいて送信方法、記憶方法を決定してもよい。予め定められた所定の条件とは、列車10の運転状態および特定の機器情報などがあげられる。例えば、惰行運転を行う場合など、列車10に備えられている電動機にかかる負荷は小さいと考えられるので、電動機に関する機器情報を地上へ送信しないと判断してもよい。地上へ送信する周期を少なくしてもよい。例えば、機器情報が、1秒間に5回、機器情報管理装置200に入力され、上記の判断を行うとした場合に、1回は地上へ送信すると判断し、残りの4回は地上へ送信しないと判断してもよい。地上へ送信する回数を減らすことで、車上通信装置20の負荷を減らすことができるため、効率的なデータ伝送を行うことができる。
また、機器11に劣化の兆候がない場合、または劣化の兆候が疑われない場合に、機器情報管理装置200は、地上へ送信する回数を減らしてもよい。機器11に劣化の兆候がない場合、または劣化の兆候が疑われない場合に機器情報を間引きして地上へ送信することで、車上通信装置20の負荷を減らすことができるため、効率的なデータ伝送を行うことができる。
<変形例1>
図4は、本発明の実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aの変形例の概略構成を示す図である。状態監視車上装置1Aの変形例1にかかる列車10は、車上装置110を備える。機器情報管理装置210が車上通信装置20と接続されていないところが特徴である。
図5は、変形例1の機器情報管理装置210の動作を示すフローチャートである。
図5に示す機器情報管理装置210は、機器情報取得装置13から機器情報が入力される(S111)。入力された機器情報を地上に送信するかを判断する(S112)。地上に送信する場合(S112:Yes)は、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S113)。列車内で記憶しない場合(S113:No)は、機器情報を車上中央装置15に出力する(S114)。列車内で記憶する場合(S113:Yes)は、機器情報を車上中央装置15および機器情報記憶装置16に出力する(S115)。
S112において、地上に送信しない場合(S112:No)は、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S116)。列車内で記憶する場合(S116:Yes)は、機器情報を機器情報記憶装置16に出力する(S117)。列車内で記憶しない場合(S116:No)は、機器情報を破棄する(S118)。
変形例1では、機器情報管理装置210が、地上へ送信すると判断した場合に、車上中央装置15へ送信することが特徴である。車上中央装置15において、車上通信装置20に出力する列車制御情報および機器情報をまとめることができるため、伝送が簡略化し、車上通信装置20の負荷を低減できる。
<変形例2>
図6は、本発明の実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aの変形例の概略構成を示す図である。状態監視車上装置1Aの変形例2にかかる列車10は、車上装置120を備える。情報管理装置320が車上中央装置15および車上通信装置20との間に配置されているところが特徴である。情報管理装置320は、機器情報管理装置220を備えている。図6では、機器情報管理装置220を図示しているが、機器情報管理装置は備えていなくてもよい。情報管理装置320に機器情報管理装置の機能を備えていればよい。情報管理装置320は、列車制御情報は車上中央装置15から入力され、機器情報は機器情報取得装置13から入力される。機器情報管理装置220の動作は、上述した機器情報管理装置200の動作と同様である。つまり、変形例2では、情報管理装置320において、予め決められた条件に基づいて、機器情報を地上に送信するか否か、機器情報記憶装置16に記憶するか否かの判断を行う。
変形例2では、情報管理装置320において、車上通信装置20に出力する列車制御情報および機器情報をまとめることができるため、伝送が簡略化し、車上通信装置20の負荷を低減できる。
<変形例3>
図7は、本発明の実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aの変形例の概略構成を示す図である。状態監視車上装置1Aの変形例3にかかる列車10は、車上装置130を備える。情報管理装置330が、車上中央装置15および機器情報管理装置230を備えていることが特徴である。図7では、機器情報管理装置230を図示しているが、機器情報管理装置は備えていなくてもよい。情報管理装置330に機器情報管理装置の機能を備えていればよい。機器情報管理装置230の動作は、上述した機器情報管理装置200の動作と同様である。つまり、変形例3では、情報管理装置330において、予め決められた条件に基づいて、機器情報を地上に送信するか否か、機器情報記憶装置16に記憶するか否かの判断を行う。
変形例3では、情報管理装置330において、車上通信装置20に出力する列車制御情報および機器情報をまとめることができるため、伝送が簡略化し、車上通信装置20の負荷を低減できる。
図8は、実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aの車上通信装置20の概略構成例を示す図である。図8(a)の車上通信装置20は、通信部21を有する。通信部21に列車制御情報および機器情報が入力され、列車制御情報および機器情報をまとめて、アンテナ17に出力することができる。図8(b)の車上通信装置20は、列車制御情報通信部22および機器情報通信部23を有する。列車制御情報通信部22には列車制御情報が入力される。また、機器情報通信部23には機器情報が入力される。列車制御情報通信部22および機器情報通信部23を有するため、列車制御情報および機器情報を分離して出力することも可能である。例えば、列車制御情報および機器情報を出力するタイミングをずらすことで、分離して出力することも可能である。図8(c)の車上通信装置20は、列車制御情報通信部22および機器情報通信部23を有する。また、アンテナ17を複数有する。列車制御情報通信部22および機器情報通信部23を有するため、列車制御情報および機器情報を分離して出力することも可能である。また、アンテナを複数有するため、列車制御情報および機器情報の出力タイミングを合わせることが可能である。図8に示す構成は一例であり、他の構成であってもよい。
実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aは、列車制御情報と機器情報とを車上において別の経路で伝送する。具体的には、機器情報は、列車制御情報の経路とは別の経路で、機器情報管理装置200に入力される。機器情報が、列車制御情報の経路とは別の経路で、機器情報管理装置200に入力されることにより、列車制御情報については、従来と変わらない伝送が可能であり、列車10の走行へ影響を与えない。また、機器情報については、地上へ送信するか否かを判断する。地上へ送信しない場合は、車上通信装置20に伝送する必要がないため、車上通信装置20の負荷が低減でき、効率的な伝送が可能となる。
また、列車制御情報と機器情報とは、別に伝送することにより、機器情報のデータ量が増えた場合でも、列車制御情報は安定して伝送できる。
実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aは、一定の路線を走行する列車10に搭載された機器11の状態を計測する計測装置12と、列車10の外部装置と通信する車上通信装置20と、出力に関する予め決められた条件に基づき、計測装置12が計測した機器11の状態を示す機器情報を車上通信装置20へ出力するか否か判断する機器情報管理装置200と、を備えることにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aは、機器情報を記憶する機器情報記憶装置16と、を備え、機器情報管理装置200は、記憶に関する予め決められた条件に基づき、機器情報を機器情報記憶装置16へ記憶するか否かを判断することにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aは、列車10の運行管理に必要な列車制御情報を管理する車上中央装置15と、を備え、出力に関する予め決められた条件は、車上中央装置15からの地上送信指令に基づいて判断することにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aは、出力に関する予め決められた条件は、列車10の位置情報に基づいて判断することにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aは、出力に関する予め決められた条件は、列車10の運転状態に基づいて判断することにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aは、出力に関する予め決められた条件は、機器11の劣化の兆候の有無に基づいて判断することにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態1にかかる状態監視車上装置1Aは、記憶に関する予め決められた条件は、機器情報が車上通信装置20へ出力されたか否かに基づいて判断することにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態2
図9は、本発明の実施の形態2にかかる状態監視車上装置2Aの概略構成を示す図である。状態監視車上装置2Aにかかる列車10は、車上装置140を備える。車上装置140は、機器11と、計測装置12と、機器情報取得装置13と、モニタ装置14と、車上中央装置15と、機器情報管理装置240と、機器情報記憶装置16と、機器情報通信装置30と、制御情報通信装置31と、アンテナ18と、アンテナ19と、を備える。機器情報管理装置240、機器情報通信装置30、制御情報通信装置31、アンテナ18およびアンテナ19を備えるところが特徴である。以下、構成や機能について、実施の形態1と同様のところは、説明を省略する。
機器情報管理装置240は、車上中央装置15、機器情報取得装置13および機器情報通信装置30と接続されている。機器情報管理装置240は、機器情報の出力先を特定し、機器情報通信装置30に出力する。詳細は後述する。
制御情報通信装置31は、アンテナ18を介して、列車10の外部に設置される地上通信装置400と通信が可能となっている。制御情報通信装置31は、車上中央装置15から出力された列車制御情報が入力され、アンテナ18を介して地上通信装置400に列車制御情報を送信する。また、地上通信装置400から列車10に送信された情報を、アンテナ18を介して受信する。
機器情報通信装置30は、アンテナ19を介して、列車10の外部に設置される地上通信装置400と通信が可能となっている。機器情報通信装置30は、機器情報管理装置240から出力された機器情報が入力され、アンテナ19を介して地上通信装置400に機器情報を送信する。
図10は、本発明の実施の形態2にかかる列車状態監視システム2Cの状態監視地上システム2Bの概略構成を示す図である。軌道50を走行する列車は、車上装置140を備える。状態監視地上システム2Bは、地上通信装置400を備える。
地上通信装置400は、列車10の運行を管理する運行管理装置600と地上ネットワーク500を介して接続されている。地上通信装置400は、地上通信アンテナ401を介して列車10に備える制御情報通信装置31および機器情報通信装置30との通信が可能となっている。地上通信装置400は、制御情報通信装置31から出力された列車制御情報および機器情報通信装置30から出力された機器情報が地上通信アンテナ401を介して入力される。図10では、地上通信アンテナ401が、列車制御情報および機器情報を受信する構成を示しているが、列車制御情報および機器情報を別のアンテナで受信してもよい。
次に、実施の形態2にかかる状態監視車上装置2Aの動作を説明する。図11は、実施の形態2にかかる状態監視車上装置2Aの機器情報管理装置240の動作を示すフローチャートである。
機器情報管理装置240は、機器情報取得装置13から機器情報が入力される(S201)。入力された機器情報を地上に送信するかを判断する(S202)。地上に送信する場合(S202:Yes)は、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S203)。列車内で記憶しない場合(S203:No)は、機器情報を機器情報通信装置30に出力する(S204)。列車内で記憶する場合(S203:Yes)は、機器情報を機器情報通信装置30および機器情報記憶装置16に出力する(S205)。
S202において、地上に送信しない場合(S202:No)は、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S206)。列車内で記憶する場合(S206:Yes)は、機器情報を機器情報記憶装置16に出力する(S207)。列車内で記憶しない場合(S206:No)は、機器情報を破棄する(S208)。機器情報管理装置240が、行う判断については、実施の形態1と同様である。
<変形例1>
図12は、本発明の実施の形態2にかかる状態監視車上装置2Aの変形例の概略構成を示す図である。状態監視車上装置2Aの変形例1にかかる列車10は、車上装置150を備える。情報管理装置350が車上中央装置15および制御情報通信装置31の間に配置されているところが特徴である。情報管理装置350は、機器情報管理装置250を備えている。
情報管理装置350は、列車制御情報は車上中央装置15から入力され、機器情報は機器情報取得装置13から入力される。また、列車制御情報は制御情報通信装置31に出力し、機器情報は機器情報通信装置30に出力する。機器情報管理装置250の動作は、図11に示した動作と同様である。
変形例1では、列車制御情報および機器情報が分離して情報管理装置350に入力され、情報管理装置350が、列車制御情報および機器情報を分離して出力する。具体的には、情報管理装置350が、列車制御情報については制御情報通信装置31に出力し、機器情報については機器情報通信装置30に出力するよう、出力先を特定する。情報管理装置350により、列車制御情報および機器情報が分離して伝送されることにより、列車の通信装置の負荷を低減できる。
<変形例2>
図13は、本発明の実施の形態2にかかる状態監視車上装置2Aの変形例の概略構成を示す図である。状態監視車上装置2Aの変形例2にかかる列車10は、車上装置160を備える。情報管理装置360が、車上中央装置15および機器情報管理装置260を備えていることが特徴である。機器情報管理装置260の動作は、機器情報管理装置240の動作と同様である。
変形例2では、列車制御情報および機器情報が分離して情報管理装置360に入力され、情報管理装置360が、列車制御情報および機器情報を分離して出力する。具体的には、情報管理装置360が、列車制御情報については制御情報通信装置31に出力し、機器情報については機器情報通信装置30に出力するよう、出力先を特定する。情報管理装置360により、列車制御情報および機器情報が分離して伝送されることにより、列車の通信装置の負荷を低減できる。
<変形例3>
図14は、本発明の実施の形態2にかかる列車状態監視システム2Cの状態監視地上システム2Bの変形例の概略構成を示す図である。地上機器情報通信装置700および地上機器情報通信アンテナ701を備えるところが特徴である。
列車から出力された列車制御情報は地上通信装置400で受信し、列車から出力された機器情報は地上機器情報通信装置700で受信する。
地上通信装置400は、列車10の運行を管理する運行管理装置600と地上ネットワーク500を介して接続されている。地上通信装置400は、地上通信アンテナ401を介して列車10に備える制御情報通信装置31と通信が可能となっている。地上通信装置400は、制御情報通信装置31から出力された列車制御情報が地上通信アンテナ401を介して入力される。
地上機器情報通信装置700は、地上機器情報通信アンテナ701を介して列車10に備える機器情報通信装置30と通信が可能となっている。地上機器情報通信装置700は、機器情報通信装置30から出力された機器情報が地上機器情報通信アンテナ701を介して入力される。機器情報は、機器情報ネットワーク702を介して、地上サーバー40に送られる。
変形例3では、地上通信装置400および地上機器情報通信装置700を備えることで、列車制御情報および機器情報を分離して通信することが可能となる。
実施の形態2にかかる状態監視車上装置2Aは、列車制御情報および機器情報を分離して出力することにより、列車制御情報および機器情報の通信装置を独立して備えることができる。また、制御情報通信装置31および機器情報通信装置30を備えることにより、列車制御情報および機器情報の通信方式を変えることができる。具体的には、制御情報通信装置31は、列車10の運行管理に必要な情報の通信を行うため、誤り訂正を重視した通信方式で通信することが可能となる。機器情報通信装置30は、膨大な量のデータを通信するため、大容量通信を重視した通信方式で通信することが可能となる。
実施の形態2にかかる状態監視車上装置2Aは、車上通信装置は、列車制御情報を外部装置へ送信する制御情報通信装置31と、機器情報を外部装置へ送信する機器情報通信装置30と、を備えることにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態3
図15は、本発明の実施の形態3にかかる状態監視車上装置3Aの概略構成を示す図である。状態監視車上装置3Aにかかる列車10は、車上装置170を備える。車上装置170の基本構成は実施の形態1の車上装置100と同様である。車上装置170は、機器情報管理装置270を備える点で車上装置100と異なる。図15で示した構成は一例であり、実施の形態1および2で説明したその他の状態監視車上装置の構成であってもよい。以下、構成や機能について、実施の形態1および2と同様のところは、説明を省略する。
図16は、本発明の実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cの状態監視地上システム3Bの概略構成を示す図である。軌道50を走行する列車は、車上装置170を備えている。状態監視地上システム3Bは、地上通信装置410および地上通信装置420を備える。
図16において、状態監視地上システム3Bは、列車10の走行する区域が区域Aおよび区域Bに分けられている。区域Aおよび区域Bは隣接した区域である。図16では、一点鎖線で区切られた区域をそれぞれ区域Aおよび区域Bとして図示している。軌道50は区域Aおよび区域Bに跨って敷設されている。鉄道事業者の管理する領域が広い場合など、領域を複数の区域に分ける場合がある。複数の区域に運行管理装置を配置して、区域ごとに運行管理を行う場合がある。図16は、その一例を示した図である。図16では、駅60が区域Aおよび区域Bの境界に配置されているが、駅60は配置されていなくてもよい。以下、構成や機能について、実施の形態1および2と同様のところは、説明を省略する。
地上通信装置410は、区域Aに在線している列車10の運行を管理する運行管理装置610と地上ネットワーク510を介して接続されている。地上通信装置410は、地上通信アンテナ411を介して、区域Aに在線している列車10に備える車上通信装置20と通信が可能となっている。地上通信装置410は、車上通信装置20から出力された列車制御情報および機器情報が地上通信アンテナ411を介して入力される。列車制御情報は地上ネットワーク510を介して、運行管理装置610に送られる。また、地上通信装置410は、機器情報を蓄積する地上サーバー40と地上ネットワーク510を介して接続されている。地上通信装置410に入力された機器情報は、地上ネットワーク510を介して、地上サーバー40に送られる。図16では、運行管理装置610および地上サーバー40は別の装置として記載しているが、共通の装置であってもよい。
地上通信装置420は、区域Bに在線している列車10の運行を管理する運行管理装置620と地上ネットワーク520を介して接続されている。地上通信装置420は、地上通信アンテナ421を介して、区域Bに在線している列車10に備える車上通信装置20と通信が可能となっている。地上通信装置420は、車上通信装置20から出力された列車制御情報が地上通信アンテナ421を介して入力される。列車制御情報は地上ネットワーク520を介して、運行管理装置620に送られる。
区域Aおよび区域Bは、それぞれに運行管理装置が設置されている。また、機器情報を蓄積する地上サーバー40が、区域Aの地上ネットワーク510には接続されているが、区域Bの地上ネットワーク520には接続されていない。つまり、区域Bにおいては、地上側に機器情報を収集するための装置が備えられていない。
図16に示すように、区域によって運行管理装置が変わる場合は、運行管理の接続先を変える必要がある。例えば、区域Aに列車10が在線している場合は、区域Aの運行を管理している運行管理装置610にネットワークを介して接続されている地上通信装置410と接続を確立する。また、区域Bに列車10が在線している場合は、区域Bの運行を管理している運行管理装置620にネットワークを介して接続されている地上通信装置420と接続を確立する。
実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cについて、図16、図17および図18を用いて説明する。図16において、列車は、区域Aに在線しており、矢印70の方向(区域AからBに向かう方向)に進行している。この場合において、列車10に備える車上通信装置20は、地上通信装置410と通信を行う。
図17において、列車は、区域AおよびBに在線しており、矢印70の方向(区域Aから離れる方向)に進行している。この場合において、列車10に備える車上通信装置20は、地上通信装置420と通信を行う。つまり、車上通信装置20は、接続する地上通信装置を変更する。
図18において、列車は、区域Bに在線しており、矢印70の方向(区域Aから離れる方向)に進行している。この場合において、列車10に備える車上通信装置20は、地上通信装置420と通信を行う。
次に、実施の形態3にかかる状態監視車上装置3Aの動作を説明する。図19は、実施の形態3にかかる状態監視車上装置3Aの機器情報管理装置270の動作を示すフローチャートである。図19に示す動作のフローチャートは、実施の形態1の図3で示したフローチャートと同様であり、ステップ符号のみ変更している。
機器情報管理装置270は、機器情報取得装置13から機器情報が入力される(S301)。入力された機器情報を地上に送信するかを判断する(S302)。地上に送信する場合(S302:Yes)は、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S303)。列車内で記憶しない場合(S303:No)は、機器情報を車上通信装置20に出力する(S304)。列車内で記憶する場合(S303:Yes)は、機器情報を車上通信装置20および機器情報記憶装置16に出力する(S305)。
S302において、地上に送信しない場合(S302:No)は、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S306)。列車内で記憶する場合(S306:Yes)は、機器情報を機器情報記憶装置16に出力する(S307)。列車内で記憶しない場合(S306:No)は、機器情報を破棄する(S308)。機器情報管理装置270が行う判断については、実施の形態1と同様である。
図16、図17および図18の場合における機器情報管理装置270の動作を説明する。機器情報管理装置270は、機器情報の収集を行わない区域Bにおいて、機器情報を地上に送信せず、機器情報記憶装置16に記憶する。
図16の場合において、具体的には、列車10が区域Aに在線している場合において説明する。区域Aにおいては、機器情報を地上へ送信するので、機器情報管理装置270は、地上へ送信すると判断する(S302:Yes)。次に、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S303)。列車内で記憶しない場合(S303:No)は、機器情報を車上通信装置20に出力する(S304)。列車内で記憶する場合(S303:Yes)は、機器情報を車上通信装置20および機器情報記憶装置16に出力する(S305)。
図17の場合において、具体的には、列車10が区域Aから区域Bに進入する場合において説明する。図17の場合において、列車は、接続する地上通信装置を地上通信装置410から地上通信装置420に変更する。区域Bにおいては、機器情報を地上へ送信しないので、機器情報管理装置270は、地上へ送信しないと判断する(S302:No)。次に、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S306)。列車内で記憶する場合(S306:Yes)は、機器情報を機器情報記憶装置16に出力する(S307)。列車内で記憶しない場合(S306:No)は、機器情報を破棄する(S308)。
図17の場合において、機器情報は上記のように地上には送信しないが、列車制御情報については、従来どおり地上に送信される。具体的には、列車は、接続する地上通信装置を地上通信装置410から地上通信装置420に変更することで、列車制御情報の出力先を地上通信装置410から地上通信装置420に変更する。
図18の場合において、具体的には、列車10が区域Bに在線している場合において説明する。区域Bにおいては、機器情報を地上へ送信しないので、機器情報管理装置270は、地上へ送信しないと判断する(S302:No)。次に、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S306)。列車内で記憶する場合(S306:Yes)は、機器情報を機器情報記憶装置16に出力する(S307)。列車内で記憶しない場合(S306:No)は、機器情報を破棄する(S308)。
実施の形態3にかかる状態監視車上装置3Aの機器情報管理装置270は、実施の形態1と同様に、実施の形態1で説明した予め決められた条件に基づき、地上へ送信するか、機器情報記憶装置16へ記憶するかの判断を行う。例えば、予め決められた条件は、列車位置情報に基づいて行うことが好ましい。機器情報管理装置270は、列車位置情報および地上への送信要否を関連付けた図示しないデータベースを備えていて、車上中央装置15から列車位置情報を受け取った際、データベースを参照し、地上への送信要否を判断してもよい。また、列車制御情報を送信する地上通信装置の識別情報により、機器情報の地上への送信要否を判断してもよい。例えば、列車制御情報の出力先が地上通信装置410であれば、機器情報について地上に送信する、また、列車制御情報の出力先が地上通信装置420であれば、機器情報については地上に送信しない、など列車制御情報を送信する地上通信装置によって、機器情報の地上への送信要否を判断してもよい。また、他の方法で地上に送信するか否かの判断を行ってもよい。
機器情報管理装置270は、列車位置情報および機器情報記憶装置16への記憶要否を関連付けた図示しないデータベースを備えていて、車上中央装置15から列車位置情報を受け取った際、データベースを参照し、機器情報記憶装置16への記憶要否を判断してもよい。また、列車制御情報を送信する地上通信装置の識別情報により、機器情報の機器情報記憶装置16への記憶要否を判断してもよい。また、機器情報が地上へ送信されたか否かで判断されてもよい。機器情報が地上へ送信された場合は、機器情報が地上サーバーで蓄積されるため記憶は不要、機器情報が地上へ送信されていない場合は、機器情報が地上サーバーで蓄積されないため記憶は必要と判断してもよい。また、他の方法で地上への送信および機器情報記憶装置16への記憶要否の判断を行ってもよい。また、データベースは機器情報管理装置270以外の装置に備えていてもよい。
図16、図17および図18では、列車10が区域Aから区域Bに進入する場合について説明した。次に、図20、図21および図22を参照して、列車10が区域Bから区域Aに進入する場合について説明する。
図20において、列車は、区域Bに在線しており、矢印71の方向(区域Aに近づく方向)に進行している。この場合において、列車10に備える車上通信装置20は、地上通信装置420と通信を行い、地上通信装置420に列車制御情報を出力する。また、機器情報管理装置270は列車位置情報から機器情報を地上へ送信しないと判断し、機器情報は地上通信装置420には出力されない。
図21において、列車は、区域AおよびBに在線しており、矢印71の方向(区域Bから離れる方向)に進行している。この場合において、列車10に備える車上通信装置20は、地上通信装置410と通信を行う。つまり、車上通信装置20は、接続する地上通信装置を地上通信装置420から地上通信装置410へ変更する。図21の場合において、機器情報管理装置270は列車位置情報から機器情報を地上へ送信すると判断し、機器情報は地上通信装置410に出力される。また、接続する地上通信装置を地上通信装置420から地上通信装置410に変更することで、列車制御情報の出力先を地上通信装置420から地上通信装置410に変更する。
また、図21の場合において、列車10が、区域Bに在線しているときに、機器情報記憶装置16に記憶した地上に送信していない機器情報を、地上通信装置410に出力してもよい。
図22において、列車は、区域Aに在線しており、矢印71の方向(区域Bから離れる方向)に進行している。この場合において、列車10に備える車上通信装置20は、地上通信装置410と通信を行い、地上通信装置410に列車制御情報を出力する。また、機器情報管理装置270は列車位置情報から機器情報を地上へ送信すると判断し、機器情報についても地上通信装置410に出力される。つまり、車上通信装置20は、地上通信装置410に列車制御情報および機器情報を出力する。また、図22の場合において、列車10が、区域Bに在線しているときに、機器情報記憶装置16に記憶した地上に送信していない機器情報を、地上通信装置410に出力してもよい。
上記説明したように、実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cは、機器情報の収集を行わない区域において、機器情報を地上に送信せず、機器情報記憶装置16に記憶することで、列車10の通信装置の負荷を低減できる。
<変形例1>
図23は、実施の形態3にかかる状態監視地上システム3Bの変形例1の概略構成を示す図である。変形例1では、地上機器情報通信装置710および地上機器情報通信アンテナ711を備えるところが特徴である。
地上機器情報通信装置710は、地上ネットワーク510に接続されている。地上機器情報通信装置710は、列車から出力された機器情報を受け取る。具体的には、列車から出力されて機器情報が、地上機器情報通信アンテナ711を介して、入力される。また、地上機器情報通信装置710は、列車10が、区域Aおよび区域Bに在線している場合に通信可能である。つまり、地上機器情報通信装置710の通信可能エリア713は、区域Aおよび区域Bをカバーしている。
変形例1では、列車から出力された列車制御情報は、地上通信装置410および地上通信装置420が受け取り、列車から出力された機器情報は、地上機器情報通信装置710が受け取るところが特徴である。つまり、地上側において、列車制御情報および機器情報を分離して受け取ることが可能である。
変形例1の状態監視車上装置は、実施の形態1で示した図6および図7の状態監視車上装置1Aが好適である。以下、図6の状態監視車上装置1Aを例に説明する。変形例1では、情報管理装置320が列車制御情報の出力先を特定する。
変形例1の情報管理装置320が有する機器情報管理装置270(220)の動作は、図19で示した動作と同様である。変形例1の情報管理装置320の動作を図26に示す。図26は、情報管理装置320の動作を示すフローチャートである。
まず、情報管理装置320に列車制御情報が入力される(S311)。次に、情報管理装置320は、列車位置情報および地上通信装置を関連付けた図示しないデータベースを備えており、データベースを参照して(S312)、列車制御情報に含まれる列車位置情報に対応する地上通信装置を特定し、列車制御情報の出力先を特定する(S313)。次に、列車制御情報を車上通信装置20に出力する(S314)。
変形例1について、図23、図24および図25の場合における情報管理装置320の動作を説明する。ここでは、機器情報の機器情報記憶装置16への記憶要否の判断は省略する。図23の場合において、具体的には、列車10が区域Aに在線している場合において説明する。区域Aにおいては、情報管理装置320は、列車制御情報の出力先を地上通信装置410、機器情報の出力先を地上機器情報通信装置710と特定し、車上通信装置20に伝送される。車上通信装置20は、列車制御情報を地上通信装置410に出力し、機器情報を地上機器情報通信装置710に出力する。
図24の場合において、具体的には、列車10が区域Aおよび区域Bに在線している場合において説明する。情報管理装置320は、列車制御情報について、列車位置情報とデータベースに基づいて、地上通信装置410から地上通信装置420に出力先を変更する。具体的には、列車制御情報の出力先を地上通信装置420であると特定する。また、機器情報の出力先は、地上機器情報通信装置710であると特定する。車上通信装置20は、列車制御情報を地上通信装置420に出力し、機器情報を地上機器情報通信装置710に出力する。
図25の場合において、具体的には、列車10が区域Bに在線している場合において説明する。区域Bにおいては、情報管理装置320は、列車制御情報の出力先を地上通信装置420、機器情報の出力先を地上機器情報通信装置710と特定し、車上通信装置20に伝送される。車上通信装置20は、列車制御情報を地上通信装置420に出力し、機器情報を地上機器情報通信装置710に出力する。
変形例1では、列車制御情報および機器情報の出力先を特定する。情報管理装置320が、列車制御情報および機器情報の出力先を特定することにより、列車10が走行する区域が変わった場合であっても、列車制御情報および機器情報を地上へ出力することができる。また、情報管理装置320が、列車制御情報および機器情報の出力先を特定することにより、列車10の通信装置の負担が低減される。
<変形例2>
図27は、実施の形態3にかかる状態監視地上システム3Bの変形例2の概略構成を示す図である。変形例2は、変形例1と地上機器情報通信装置710の通信可能エリア713が異なるところが特徴である。地上機器情報通信装置710は、区域Aおよび区域Bの一部に在線している列車10と通信可能となっている。つまり、地上機器情報通信装置710の通信エリア713は、区域Aおよび区域Bの一部をカバーしている。
図27の場合において、変形例1と同様に、情報管理装置320が、列車制御情報および機器情報の出力先を特定する。図27は、地上機器情報通信装置710の通信エリア713から外れる場合を示した図である。この場合における情報管理装置320の動作を説明する。
変形例2では、情報管理装置320が行う列車制御情報の出力先特定については、変形例1と同様である。一方、機器情報については、地上機器情報通信装置710の通信エリア713から外れるため、地上へは通信しない、と判断する。具体的には、図19の動作フローに従って、地上へは送信しないと判断し、機器情報の出力先を特定する。機器情報記憶装置16への記憶要否の説明は省略する。
変形例2において、列車10の進行方向が変わり、地上機器情報通信装置710の通信可能エリア713外から通信可能エリア713内に移るときは、機器情報の出力先を地上機器情報通信装置710と特定する。また、地上機器情報通信装置710の通信可能エリア713外に在線しているときに、機器情報記憶装置16に記憶した地上に送信していない機器情報を、地上機器情報通信装置710に出力してもよい。
<変形例3>
図28は、実施の形態3にかかる状態監視地上システム3Bの変形例3の概略構成を示す図である。変形例3では、運行管理装置630および運行管理装置640を備え、運行管理装置630および運行管理装置640は異なる鉄道事業者が管理する装置であることが特徴である。近年、鉄道事業者の所有する車両が異なる鉄道事業者に乗りいれる直通運転が行われている。図28は、直通運転の一例を示す図である。
図28において、状態監視地上システム3Bは、列車10の走行する区域が区域Aおよび区域Bに分けられている。区域Aおよび区域Bは隣接した区域である。図28では、一点鎖線で区切られた区域をそれぞれ区域Aおよび区域Bとして図示している。軌道50は区域Aおよび区域Bに跨って敷設されている。
図28において、区域Aは、鉄道事業者Aが運行管理を行う区域である。鉄道事業者Aは、区域Aに在線する列車10の運行管理を行う。区域Aに在線する列車から列車制御情報を受け取り、列車10の在線位置などを把握し、運行管理を行っている。区域Aに在線する列車から列車制御情報を受け取るために、区域Aに在線する列車10と通信を行うことができる。その際に、地上通信装置430を介して、区域Aに在線する列車10と通信を行うことで、列車10から列車制御情報を受け取ることができる。
鉄道事業者Aは、鉄道事業者Aが所有する列車10について、機器情報の収集を行っている。そのため、列車10から機器情報を受け取るために、区域Aに在線する列車10と通信を行うことができる。その際に、地上通信装置430を介して、区域Aに在線する列車10と通信を行うことで、列車10から機器情報を受け取ることができる。
図28において、区域Bは、鉄道事業者Bが運行管理を行う区域である。鉄道事業者Bは、区域Bに在線する列車10の運行管理を行う。区域Bに在線する列車から列車制御情報を受け取り、列車10の在線位置などを把握し、運行管理を行っている。区域Bに在線する列車から列車制御情報を受け取るために、区域Bに在線する列車10と通信を行うことができる。その際に、地上通信装置440を介して、区域Bに在線する列車10と通信を行うことで、列車から列車制御情報を受け取ることができる。
鉄道事業者Bは、鉄道事業者Bが所有する列車10について、機器情報の収集を行っていない。そのため、区域Bにおいては、地上側に列車から機器情報を受け取るための装置を備えていない。
変形例3において、上述した実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cが適用できる。機器情報の収集を行わない鉄道事業者Bの区域において、機器情報を地上への送信を行わないことで、列車10の通信装置の負荷を低減できる。また、機器情報の収集を行わない鉄道事業者Bの区域において、機器情報記憶装置16へ記憶を行うことができる。また、機器情報の収集を行わない鉄道事業者Bの区域から、機器情報の収集を行う鉄道事業者Aの区域に進入したときに、機器情報記憶装置16へ記憶した機器情報を地上へ送信することができる。機器情報の収集を行わない鉄道事業者Bの区域から、機器情報の収集を行う鉄道事業者Aの区域に進入したときに、機器情報記憶装置16へ記憶した機器情報を地上へ送信することで、地上サーバー40において、多くの機器情報を蓄積することができる。その結果、劣化診断の精度を向上させることができる。
<変形例4>
変形例3と同様に、区域Aおよび区域Bは、運行を管理する鉄道事業者が異なる。機器情報管理装置270は、区域Aおよび区域Bが、異なる鉄道事業者が運行管理する区域であることを識別する鉄道事業者の識別情報によって、機器情報の出力先を特定してもよい。鉄道事業者の識別情報は、区域変更を示す入力部への入力情報、区域に対応した鍵情報などである。
区域変更を示す入力部への入力情報としては、運転台に設置された区域を示すスイッチまたはモニタ装置14に表示される区域を示すタッチパネルが例示できる。運転台に、区域Aおよび区域Bのスイッチが備えられており、スイッチを押下することで、列車は、鉄道事業者が管理する区域が変更されることを認識できる。モニタ装置14に表示される区域を示すタッチパネルも同様である。モニタ装置14に区域Aおよび区域Bを示す表示がされ、その表示を押下することで、列車は、鉄道事業者が管理する区域が変更されることを認識できる。
区域に対応した鍵情報としては、運転台に挿入する鍵またはICカードなどが例示できる。異なる鉄道事業者が運行を管理する場合、区域Aおよび区域Bにおいて、列車10の運転士を変更する場合がある。列車10の運転士を変更する場合、区域Aおよび区域Bの境界に設置された駅60などに列車10を停止させた後、運転士の交代を行う。運転士は、自身が運転する区域に対応した鍵情報を持っている。運転士交代後、その鍵情報を列車10に認識させることで、運転が可能となる。列車は、鍵情報により鉄道事業者が管理する区域が変更されることを認識することができる。つまり、鍵情報により鉄道事業者を識別することができる。
図29は、鍵情報により鉄道事業者を識別する場合の機器情報管理装置270の動作を説明する図である。図16および図17の場合を例に説明する。図17においては、列車は区域Aおよび区域Bの境界に設置されている駅60に停車し、運転士の交代が行われる場合を例に説明する。
図16の場合において、機器情報管理装置270は、機器情報取得装置13から機器情報が入力される(S321)。次に、列車10の鍵情報は区域Aに対応した鍵情報かを判断する(S322)。区域Aに在線しているとき、列車は、区域Aに対応した鍵情報を認識しているので、区域Aに対応した鍵情報であると判断する(S322:Yes)。次に、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S323)。列車内で記憶しない場合(S323:No)は、機器情報を車上通信装置20に出力する(S324)。列車内で記憶する場合(S323:Yes)は、機器情報を車上通信装置20および機器情報記憶装置16に出力する(S325)。
図17の場合において、具体的には、列車10が区域Aおよび区域Bに在線しており、区域Bを運転するための鍵情報を認識している場合において、説明する。S322において、列車は、区域Bに対応した鍵情報を認識しているので、区域Aに対応した鍵情報ではないと判断する(S322:No)。次に、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S326)。列車内で記憶する場合(S326:Yes)は、機器情報を機器情報記憶装置16に出力する(S327)。列車内で記憶しない場合(S326:No)は、機器情報を破棄する(S328)。
変形例4において、機器情報管理装置270は、機器情報の出力先を特定するために、区域に対応した列車10の鍵情報に基づいて特定を行う。つまり、列車10が認識している鍵情報に基づいて出力先を特定する。列車10が認識している鍵情報に基づいて出力先を特定することで、より確実に機器情報の出力先を特定することが可能となる。列車10が認識している鍵情報により出力先を特定することで、地上側に機器情報を収集する装置を備えていない区域に在線しているときに、機器情報を地上側に送信しないため、車上通信装置20の負荷を軽減できる。
また、変形例4において、列車制御情報の出力先についても、区域に対応した列車10の鍵情報に基づいて、出力先が特定されてもよい。例えば、列車状態監視システム3Cの状態監視車上装置3Aが、図6または図7の構成である場合に、情報管理装置320において列車制御情報の出力先の特定も可能である。
実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cにおいて、列車10が、地上側に機器情報を収集するための装置が備えられていない区域Bに在線するときに、機器情報管理装置270は、機器情報を地上へ送信しないと判断し、機器情報については列車10の車上通信装置20に伝送されない。つまり、機器情報管理装置270が機器情報の出力先を特定することにより、列車10の車上通信装置20の負荷を低減できる。
実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cにおいて、列車10が、区域Bに在線しているときに機器情報記憶装置16に記憶した地上に送信していない機器情報を、車上通信装置20に出力し、さらに地上通信装置410に出力する。つまり、これまで列車の外部装置に出力できなかった機器情報を地上通信装置410に出力することで、地上サーバー40において、多くの機器情報を蓄積することができる。その結果、劣化診断の精度を向上させることができる。
実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cは、一定の路線を走行する列車10の列車状態監視システムにおいて、列車10に搭載された機器11の状態を示す機器情報を出力し、列車10の運行管理に必要な列車制御情報を出力する車上装置170と、第1の区域に在線している列車10と列車制御情報を通信する第1の地上通信装置410と、第1の区域と隣接した第2の区域に在線している列車10と列車制御情報を通信する第2の地上通信装置420と、第1の区域に在線している列車10および第2の区域に在線している列車10と機器情報を通信する地上機器情報通信装置710と、を備えることにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cは、一定の路線を走行する列車10の列車状態監視システムにおいて、出力に関する予め決められた条件に基づき列車10に搭載された機器11の状態を示す機器情報を出力し、列車10の運行管理に必要な列車制御情報を出力する車上装置170と、第1の区域に在線している列車10と列車制御情報を通信する第1の地上通信装置410と、第1の区域と隣接した第2の区域に在線している列車10と列車制御情報を通信する第2の地上通信装置420と、を備えることにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cは、出力に関する予め決められた条件は、列車10の位置情報に基づいて判断することにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cは、出力に関する予め決められた条件は、列車10が認識している鍵情報に基づいて判断することにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cは、第1の区域は、第1の鉄道事業者が管理する区域であり、第2の区域は、第2の鉄道事業者が管理する区域であることにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態3にかかる列車状態監視システム3Cは、出力に関する予め決められた条件は、第1の区域および第2の区域を管理する鉄道事業者の識別情報に基づいて判断することにより、列車10の通信装置の負荷を低減させることができる。
実施の形態4
図30は、本発明の実施の形態4にかかる状態監視車上装置4Aの概略構成を示す図である。状態監視車上装置4Aにかかる列車10は、車上装置180を備える。車上装置180の基本構成は実施の形態2の車上装置140と同様である。車上装置180は、機器情報管理装置280を備える点で車上装置140と異なる。図30で示した構成は一例であり、実施の形態2で説明したその他の状態監視車上装置の構成であってもよい。以下、構成や機能について、実施の形態1〜3と同様のところは、説明を省略する。
図31は、本発明の実施の形態4にかかる列車状態監視システム4Cの状態監視地上システム4Bの概略構成を示す図である。軌道50を走行する列車は、車上装置180を備えている。状態監視地上システム4Bは、地上通信装置450、地上通信装置460および地上機器情報通信装置720を備える。
図31において、状態監視地上システム4Bは、列車10の走行する区域が区域Aおよび区域Bに分けられている。区域Aおよび区域Bについては、実施の形態3と同様であるため、説明は省略する。
地上通信装置450は、区域Aに在線している列車10の運行管理を行う運行管理装置650と地上ネットワーク550を介して接続されている。地上通信装置450は、地上通信アンテナ451を介して列車10に備える車上通信装置20と通信が可能となっている。地上通信装置450は、制御情報通信装置31から出力された列車制御情報が地上通信アンテナ451を介して入力される。
地上通信装置460は、区域Bに在線している列車10の運行管理を行う運行管理装置660と地上ネットワーク560を介して接続されている。地上通信装置460は、地上通信アンテナ461を介して列車10に備える制御情報通信装置31と通信が可能となっている。地上通信装置460は、制御情報通信装置31から出力された列車制御情報が地上通信アンテナ461を介して入力される。
地上機器情報通信装置720は、地上機器情報通信アンテナ721を介して列車10に備える機器情報通信装置30と通信が可能となっている。地上機器情報通信装置720は、機器情報通信装置30から出力された機器情報が地上機器情報通信アンテナ721を介して入力される。機器情報は、機器情報ネットワーク722を介して、地上サーバー40に送られる。また、地上機器情報通信装置720は、列車10が、区域Aおよび区域Bに在線している場合に通信可能である。つまり、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア723は、区域Aおよび区域Bをカバーしている。地上機器情報通信装置720および地上サーバー40は、区域Aまたは区域Bのいずれかに配置されていればよい。図31では、地上機器情報通信装置720および地上サーバー40が区域Aに配置された例を示している。
図31に示すように、区域によって運行管理装置が変わる場合は、接続先を変える必要がある。例えば、区域Aに列車10が在線している場合は、区域Aの運行を管理している運行管理装置650にネットワークを介して接続されている地上通信装置450と接続を確立する。また、区域Bに列車10が在線している場合は、区域Bの運行を管理している運行管理装置660にネットワークを介して接続されている地上通信装置460と接続を確立する。
実施の形態4にかかる列車状態監視システム4Cについて、図31、図32および図33を参照して説明する。図31において、列車は、区域Aに在線しており、矢印70の方向(区域AからBに向かう方向)に進行している。この場合において、列車10に備える制御情報通信装置31は、地上通信装置450と通信を行う。また、列車10に備える機器情報通信装置30は、地上機器情報通信装置720と通信を行う。
図32において、列車は、区域AおよびBに在線しており、矢印70の方向(区域Aから離れる方向)に進行している。この場合において、列車10に備える制御情報通信装置31は、地上通信装置460と通信を行う。つまり、制御情報通信装置31は、接続する地上通信装置を地上通信装置450から地上通信装置460へ変更する。また、列車10に備える機器情報通信装置30は、地上機器情報通信装置720と通信を行う。
図33において、列車は、区域Bに在線しており、矢印70の方向(区域Aから離れる方向)に進行している。この場合において、列車10に備える制御情報通信装置31は、地上通信装置460と通信を行う。また、列車10に備える機器情報通信装置30は、地上機器情報通信装置720と通信を行う。
次に、実施の形態4にかかる状態監視車上装置4Aの動作を説明する。図34は、実施の形態4にかかる状態監視車上装置4Aの機器情報管理装置280の動作を示すフローチャートである。図34に示す動作のフローチャートは、実施の形態2の図11で示したフローチャートと同様であり、ステップ符号のみ変更している。
機器情報管理装置280は、機器情報取得装置13から機器情報が入力される(S401)。入力された機器情報を地上に送信するかを判断する(S402)。地上に送信する場合(S402:Yes)は、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S403)。列車内で記憶しない場合(S403:No)は、機器情報を機器情報通信装置30に出力する(S404)。列車内で記憶する場合(S403:Yes)は、機器情報を機器情報通信装置30および機器情報記憶装置16に出力する(S405)。
S402において、地上に送信しない場合(S402:No)は、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S406)。列車内で記憶する場合(S406:Yes)は、機器情報を機器情報記憶装置16に出力する(S407)。列車内で記憶しない場合(S406:No)は、機器情報を破棄する(S408)。機器情報管理装置280が、行う判断については、実施の形態1と同様である。
図31、図32および図33の場合における機器情報管理装置280の動作を説明する。図31の場合において、具体的には、列車10が区域Aに在線している場合において説明する。区域Aにおいて、機器情報を地上へ送信するので、機器情報管理装置280は、地上へ送信すると判断する(S402:Yes)。次に、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S403)。列車内で記憶しない場合(S403:No)は、機器情報を機器情報通信装置30に出力する(S404)。列車内で記憶する場合(S403:Yes)は、機器情報を機器情報通信装置30および機器情報記憶装置16に出力する(S405)。
図32の場合において、具体的には、列車10が区域Aから区域Bに進入する場合において説明する。図32の場合において、列車は、接続する地上通信装置を地上通信装置450から地上通信装置460に変更する。区域Bにおいて、機器情報を地上へ送信するので、機器情報管理装置280は、地上へ送信すると判断する(S402:Yes)。次に、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S403)。列車内で記憶しない場合(S403:No)は、機器情報を機器情報通信装置30に出力する(S404)。列車内で記憶する場合(S403:Yes)は、機器情報を機器情報通信装置30および機器情報記憶装置16に出力する(S405)。
図32の場合において、列車は、制御情報通信装置31が接続する地上通信装置を地上通信装置450から地上通信装置460に変更することで、列車制御情報の出力先を地上通信装置450から地上通信装置460に変更する。一方、機器情報通信装置30が接続する地上機器情報通信装置720は変更しないため、機器情報については、出力先を変更しない。具体的には、機器情報管理装置280は、列車制御情報の出力先が変更された場合であっても、機器情報の出力先は、地上機器情報通信装置720に特定することができる。
図33の場合において、具体的には、列車10が区域Bに在線している場合において説明する。区域Bにおいて、機器情報を地上へ送信するので、機器情報管理装置280は、地上へ送信すると判断する(S402:Yes)。次に、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S403)。列車内で記憶しない場合(S403:No)は、機器情報を機器情報通信装置30に出力する(S404)。列車内で記憶する場合(S403:Yes)は、機器情報を機器情報通信装置30および機器情報記憶装置16に出力する(S405)。
<変形例1>
図35は、本発明の実施の形態4にかかる列車状態監視システム4Cの状態監視地上システム4Bの変形例1の概略構成を示す図である。地上機器情報通信装置720は、地上機器情報通信アンテナ721を介して列車10に備える機器情報通信装置30と通信が可能となっている。地上機器情報通信装置720は、機器情報通信装置30から出力された機器情報が地上機器情報通信アンテナ721を介して入力される。機器情報は、機器情報ネットワーク722を介して、地上サーバー40に送られる。また、地上機器情報通信装置720は、列車10が、区域Aおよび区域Bの一部に在線している場合に通信可能である。つまり、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア723は、区域Aはカバーしているが、区域Bは一部のみカバーしている。
図35の場合において、列車は、区域Bに在線しており、矢印70の方向(区域Aから離れる方向)に進行している。さらに、地上機器情報通信装置720が通信できるエリアから外れる。この場合において、列車10に備える制御情報通信装置31は、地上通信装置460と通信を行う。また、列車10に備える機器情報通信装置30は、地上機器情報通信装置720と通信できるエリアから外れるため、地上機器情報通信装置720と通信を行わない。
次に、図35の場合における機器情報管理装置280の動作を説明する。機器情報管理装置280は、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア723を外れる場合に、機器情報を地上へ送信しないと判断する(S402:No)。次に、機器情報を、列車内で記憶するかを判断する(S406)。列車内で記憶する場合(S406:Yes)は、機器情報を機器情報記憶装置16に出力する(S407)。列車内で記憶しない場合(S406:No)は、機器情報を破棄する(S408)。
実施の形態4にかかる状態監視車上装置4Aの機器情報管理装置280は、地上へ送信するか、機器情報記憶装置16へ記憶するかの判断を、列車位置情報に基づいて行うことが好ましい。機器情報管理装置280は、列車位置情報および地上への送信要否を関連付けた図示しないデータベースを備えていて、車上中央装置15から列車位置情報を受け取った際、データベースを参照し、地上への送信要否を判断してもよい。また、データベースは機器情報管理装置280以外の装置に備えていてもよい。
上記変形例1の場合において、機器情報管理装置280は、地上機器情報通信装置720の通信エリア723に対する列車位置情報および地上への送信要否を関連づけたデータベースを参照し、列車10が地上機器情報通信装置720の通信エリア723外になるときに、機器情報の出力先を機器情報通信装置30から機器情報記憶装置16へ変更することが可能である。また、他の方法で地上に送信するか否かの判断を行ってもよい。
また、機器情報管理装置280は、列車位置情報および機器情報記憶装置16への記憶要否を関連付けた図示しないデータベースを備えていて、車上中央装置15から列車位置情報を受け取った際、データベースを参照し、機器情報記憶装置16への記憶要否を判断してもよい。また、他の方法で地上への送信および機器情報記憶装置16への記憶要否の判断を行ってもよい。また、データベースは機器情報管理装置280以外の装置に備えていてもよい。
図35の場合において、列車10が、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア723から外れる場合を説明した。次に、図36を参照して、列車10が、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア723外から通信可能エリア723に進入する場合を説明する。
図36の場合において、列車10は、区域Bに在線しており、矢印71の方向(区域Aに近づく方向)に進行している。さらに、列車10が、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア外から通信可能エリア内に進入する。この場合において、列車10に備える制御情報通信装置31は、地上通信装置460と通信を行っている。また、列車10に備える機器情報通信装置30は、地上機器情報通信装置720の通信エリア外では、地上機器情報通信装置720と通信を行わない。列車10が、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア内に入ると、機器情報通信装置30は、地上機器情報通信装置720と通信を行うことが可能となる。機器情報管理装置280は、機器情報取得装置13から出力された機器情報を地上へ送信すると判断した場合に、機器情報を機器情報通信装置30へ出力する。
また、図36の場合において、列車10が、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア内に入ると、機器情報管理装置280は、列車10が、地上機器情報通信装置720が通信可能エリア外に在線しているときに機器情報記憶装置16に記憶した機器情報を、機器情報通信装置30に出力してもよい。
<変形例2>
図37は、実施の形態4にかかる状態監視地上システム4Bの変形例2の概略構成を示す図である。変形例2では、運行管理装置670および運行管理装置680を備え、運行管理装置670および運行管理装置680は異なる鉄道事業者が管理する装置であることが特徴である。近年、鉄道事業者の所有する車両が異なる鉄道事業者に乗りいれる直通運転が行われている。図37は、直通運転の一例を示す図である。
図37において、区域Aは、鉄道事業者Aが運行管理を行う区域である。鉄道事業者Aは、区域Aに在線する列車10の運行管理を行う。区域Aに在線する列車10から列車制御情報を受け取り、列車10の在線位置などを把握し、運行管理を行っている。区域Aに在線する列車10から列車制御情報を受け取るために、区域Aに在線する列車10と通信を行うことができる。その際に、地上通信装置470を介して、区域Aに在線する列車10と通信を行うことで、列車10から列車制御情報を受け取ることができる。
鉄道事業者Aは、鉄道事業者Aが所有する列車10について、機器情報の収集を行っている。そのため、列車10から機器情報を受け取るために、区域Aに在線する列車10と通信を行うことができる。その際に、地上機器情報通信装置730を介して、区域Aに在線する列車10と通信を行うことで、列車10から機器情報を受け取ることができる。地上機器情報通信装置730は、区域Aおよび区域Bに在線している列車10と通信可能である。つまり、地上機器情報通信装置730の通信可能エリア733は、区域Aおよび区域Bをカバーしている。図31の場合と同様である。
図37において、区域Bは、鉄道事業者Bが運行管理を行う区域である。鉄道事業者Bは、区域Bに在線する列車10の運行管理を行う。区域Bに在線する列車10から列車制御情報を受け取り、列車10の在線位置などを把握し、運行管理を行っている。区域Bに在線する列車10から列車制御情報を受け取るために、区域Bに在線する列車10と通信を行うことができる。その際に、地上通信装置480を介して、区域Bに在線する列車10と通信を行うことで、列車10から列車制御情報を受け取ることができる。
変形例2において、上述した実施の形態4にかかる列車状態監視システム4Cが適用できる。鉄道事業者Aが所有する列車10は、列車制御情報および機器情報を分離して出力することで、異なる鉄道事業者が運行を管理する区域に在線している場合であっても、地上機器情報通信装置730と通信を行うことによって、機器情報を地上側へ送信することができる。
<変形例3>
図38および図39は、実施の形態4にかかる状態監視地上システム4Bの変形例3の概略構成を示す図である。変形例3は、変形例2と同様に、区域Aおよび区域Bは、運行を管理する鉄道事業者が異なる。
鉄道事業者Aは、鉄道事業者Aが所有する列車10について、機器情報の収集を行っている。そのため、列車10から機器情報を受け取るために、区域Aに在線する列車10と通信を行うことができる。その際に、地上機器情報通信装置730を介して、区域Aに在線する列車10と通信を行うことで、列車から機器情報を受け取ることができる。地上機器情報通信装置730は、区域Aおよび区域Bに在線している列車10と通信可能である。つまり、地上機器情報通信装置730は、列車10が、区域Aおよび区域Bの一部に在線している場合に通信可能である。つまり、地上機器情報通信装置730の通信可能エリア733は、区域Aはカバーしているが、区域Bは一部のみカバーしている。図35および図36の場合と同様である。
区域Bは、鉄道事業者Bが運行管理を行う区域である。鉄道事業者Bは、区域Bに在線する列車10の運行管理を行う。区域Bに在線する列車から列車制御情報を受け取り、列車10の在線位置などを把握し、運行管理を行っている。区域Bに在線する列車から列車制御情報を受け取るために、区域Bに在線する列車10と通信を行うことができる。その際に、地上通信装置480を介して、区域Bに在線する列車10と通信を行うことで、列車から列車制御情報を受け取ることができる。
鉄道事業者Bは、鉄道事業者Bが所有する列車について、機器情報の収集を行っていない。そのため、区域Bにおいては、地上側に列車から機器情報を受け取るための装置を備えていない。
変形例3において、上述した実施の形態4にかかる列車状態監視システム4Cが適用できる。鉄道事業者Aが所有する列車10は、列車制御情報および機器情報を分離して出力することで、機器情報の収集を行っていない鉄道事業者Bが運行を管理する区域に在線している場合であっても、地上機器情報通信装置730と通信可能なエリア内に在線している場合、地上機器情報通信装置730と通信を行うことによって、機器情報を地上側へ送信することができる。
<変形例4>
変形例2および3と同様に、区域Aおよび区域Bは、運行を管理する鉄道事業者が異なる。 変形例3と同様に、区域Aおよび区域Bは、運行を管理する鉄道事業者が異なる。機器情報管理装置280は、区域Aおよび区域Bが、異なる鉄道事業者が運行管理する区域であることを識別する鉄道事業者の識別情報によって、機器情報の出力先を特定してもよい。鉄道事業者の識別情報については、実施の形態3と同様であるため、省略する。
変形例4において、機器情報管理装置280は、機器情報の出力先を特定するために、区域に対応した列車10の鍵情報に基づいて特定を行うことができる。つまり、列車10が認識している鍵情報に基づいて出力先の特定を行うことができる。区域Bにおいて、機器情報を地上側へ送信しないと判断する場合に、列車10が認識している鍵情報に基づいて出力先を特定することで、より確実に機器情報の出力先を特定することが可能となる。列車10が認識している鍵情報により出力先を特定することで、地上側に機器情報を収集する装置を備えていない区域に在線している場合に、機器情報を地上側に送信しないため、列車の通信装置の負荷を軽減できる。
また、変形例4において、列車制御情報の出力先についても、区域に対応した列車10の鍵情報に基づいて、出力先が特定されてもよい。例えば、列車状態監視システム4Cの状態監視車上装置4Aが、図12または図13の構成である場合に、情報管理装置350(360)において列車制御情報の出力先の特定も可能である。
実施の形態4にかかる列車状態監視システム4Cにおいて、列車10が、地上側に機器情報を収集するための装置が備えられていない区域Bを走行するときに、機器情報管理装置280は、機器情報を地上へ送信しないと判断し、機器情報については列車10の機器情報通信装置30に伝送されない。つまり、機器情報管理装置280が機器情報の出力先を特定することにより、列車10の通信装置の負荷を低減できる。
実施の形態4にかかる列車状態監視システム4Cでは、列車10が区域Aから区域Bに移動する場合において、制御情報通信装置31は接続先を変更するが、機器情報通信装置30は、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア内であれば、接続先を変更しない。つまり、列車制御情報については、運行管理装置660に接続されている地上通信装置460に送信するように接続先を変更するが、機器情報については、接続先を変更せずに、地上サーバー40に接続されている地上機器情報通信装置720に送信する。
また、列車制御情報および機器情報の通信装置を独立して備えることができることにより、列車制御情報および機器情報の地上への送信先を独立して設定できる。そのため、運行管理装置の管理区域が変わり、制御情報通信装置31の接続先が変更された場合であっても、機器情報通信装置30の接続先を変更する必要はないため、列車10の通信装置の負荷を低減することができる。
実施の形態4にかかる列車状態監視システム4Cでは、列車10が地上機器情報通信装置720の通信可能エリア外から通信可能エリア内に入った場合に、列車10が、地上機器情報通信装置720の通信可能エリア外に在線しているときに機器情報記憶装置16に記憶した機器情報を、機器情報通信装置30に出力し、さらに地上機器情報通信装置720に出力する。つまり、これまで列車の外部装置に出力できなかった機器情報を地上機器情報通信装置720に出力することで、地上サーバー40において、多くの機器情報を蓄積することができる。その結果、劣化診断の精度を向上させることができる。
なお、上記説明した実施の形態1〜4において、機器情報管理装置200(210、220、230、240、250、260、270、280)は、少なくともプロセッサ1003と、メモリ1002と、受信器1004と、送信器1001とを備え、各装置の動作はソフトウェアにより実現することができる。図40は、実施の形態1〜4にかかる状態監視車上装置の機器情報管理装置200(210、220、230、240、250、260、270、280)を実現するハードウェアの一般的な構成例を示す図である。図40に示す装置は、プロセッサ1003、メモリ1002、受信器1004および送信器1001を備え、プロセッサ1003は受信したデータを用いてソフトウェアによる演算および制御を行う。メモリ1002は受信したデータ、またはプロセッサ1003が演算および制御を行うに際して必要なデータを記憶し、ソフトウェアの記憶も行う。受信器1004は、機器情報管理装置200(210、220、230、240、250、260、270、280)に入力される信号または情報を受信するインターフェースである。送信器1001は、機器情報管理装置200(210、220、230、240、250、260、270、280)から出力される信号または情報を送信するインターフェースである。なお、プロセッサ1003、メモリ1002、受信器1004および送信器1001は、各々複数設けられていてもよい。
上記説明した実施の形態1から4において、機器情報管理装置が機器情報に時間、場所に関する情報を付加しているが、付加する装置は情報管理装置であってもよい。また、他の装置であってもよい。
上記説明した実施の形態3および4において、列車制御情報の接続先を変更する場合において、区域Aおよび区域Bの境界で行っているが、境界には限定されない。区域Aの地上通信装置および区域Bの地上通信装置の通信可能エリアが重複し、ハンドオーバー可能な位置で接続先を変更してもよい。
また、各実施の形態を適宜組合せることも可能である。なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲において、各実施の形態を適宜変更、省略したりすることが可能である。