A.実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の実施例である駐車場利用支援システムのハードウェア構成を示す図である。実施例の駐車場利用支援システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、駐車場サーバ180と、携帯電話200と、を含む。
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す位置情報を生成することができる。また、GPSユニット201は、衛星からの電波に基づいて、現在時刻を表す時刻情報を生成することができる。
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。表示パネル202は、表示している画像に応じてパネルの一部に接触されることによりユーザからの指示を受けとることができるタッチパネル206aを備えている。具体的には、表示パネル202は、液晶ディスプレイの上に透明のタッチパネル206aが重ねられて構成される。ユーザは、たとえば、表示パネル202の表面を指で押したり、表示パネル202の表面に接触した状態で指を動かすことにより、画像の表示を制御するための操作を行うことができる。なお、本明細書において、「画像」とは、狭義の画像のほか、文字、記号等を含む概念である。
音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。
コマンド入力部206は、上記タッチパネル206aと、ハードウェアとしてのカーソルキー206bを含む。ユーザは、タッチパネル206aだけでなく、カーソルキー206bの周辺部を押してカーソルを移動させ、カーソルキー206bの中央部を押してONの操作を行うことによっても、携帯電話200に情報を入力することができる。
通信部205は、通信ネットワークとしてのインターネットINTを介して、経路探索サーバ100、地図サーバ150、および駐車場サーバ180と通信を行い、情報を送受信することができる。なお、通信ネットワークとしては、インターネットのほかにLANやWAN、公衆回線等がある。
時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェアを実行することによって携帯電話200の表示パネル202、音声出力部203、振動機構204などの各部を制御する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201が生成した位置情報を含む所定の形式のデータを、通信部205を介して経路探索サーバ100に送信することができる。そして、主制御部210は、通信部205を介して経路探索サーバ100から受け取った経路データに基づいて、その経路を表示パネル202に表示することができる。
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。通信部102は、インターネットINTを介して地図サーバ150、駐車場サーバ180および携帯電話200と通信を行うことができる。
記憶部106は、経路探索のための経路ネットワークデータを格納している。記憶部106は、さらに、地図サーバ150、駐車場サーバ180、および携帯電話200から受け取ったデータ、およびそれらに基づいて生成されたデータを格納する。
経路ネットワークデータは、ノード情報と、交差点および駅の属性情報と、アーク情報とを含む。ノード情報は、交差点や、道路上で車線数が変わる地点、有料道路への進入路が分岐している場所、カーブの開始点および終了点、路線の駅などの地点を表すデータである。経路ネットワークデータは、各鉄道などの交通機関の路線のダイヤの情報も保持している。なお、経路ネットワークデータは、自動車用の経路ネットワークデータと、歩行者用の経路ネットワークデータと、公共交通機関を利用するための経路ネットワークデータと、を含むことができる。
アーク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるアークに関する情報である。各アークには固有のIDが割り当てられている。各アーク情報は、それぞれのアークに含まれる多数の地点の緯度および経度のデータを含んでいる。すなわち、ルートを設定することができる道路や路線区間は、それらの地点の点列として表すことができる。各アーク情報は、それらのIDおよび点列の情報に加えて、さらに、それぞれのアークが有料道路であるか否かに関する情報や、車線数の情報を含んでいる。
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106に格納されている経路ネットワークデータを参照し、出発地および目的地、ならびに経由地その他の探索条件の情報に基づいて、ルートを探索する。そして、制御部104は、出発地から目的地に至る経路を表す経路データを生成し、携帯電話200に送信する。経路データは、ノード情報、アーク情報、交差点や駅の属性情報などを含む。
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。通信部152は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100や携帯電話200と通信を行うことができる。
地図データベース156は、携帯電話200に送信するための画像データとしての地図画像データを格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて携帯電話200が要求する一部の領域の地図を表す地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
駐車場サーバ180は、通信部182と、制御部184と、駐車場データベース186とを有している。通信部182は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100や携帯電話200と通信を行うことができる。
駐車場データベース186は、駐車場情報のデータを有している。駐車場情報は、(i)地理上の駐車場の場所を表す情報と、(ii)その駐車場の料金を表す情報と、を含む。駐車場の料金を表す情報は、曜日や時間帯に応じて定められた各駐車場の料金とすることができる。また、駐車場の料金を表す情報は、駐車場の料金を計算する際の単位時間も、駐車場ごと、ならびに曜日や時間帯ごとに記憶することができる。
図2は、ユーザが利用すべき駐車場を決定する際に、本実施形態の駐車場利用支援システムによって実行される処理を示すフローチャートである。図2の処理は、ユーザが車両で目的地に出かけるのに先立って利用すべき駐車場を決定する際に、ユーザによる携帯電話200への指示の入力によって開始される。
ステップS10において、携帯電話200のコマンド入力部206は、ユーザから目的地と滞在時間の情報を受け取る。コマンド入力部206は、目的地の情報の入力として、たとえば、施設の名称や住所の入力を受け取ることができる。また、コマンド入力部206は、目的地の情報の入力として、表示パネル202に表示された地図上の一点の指定を、タッチパネル206aを介して受け取ることができる。コマンド入力部206は、滞在時間の情報の入力として、目的地における滞在を開始する時刻と、目的地に滞在する時間の長さと、の情報を受け取ることができる。ユーザからコマンド入力部206を介して「入力情報の確定」の指示を受け取ると、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を制御して、それら入力された情報を、経路探索サーバ100に送信する。
ステップS20において、携帯電話200のコマンド入力部206は、ユーザから、受け入れ可能な合計時間と、受け入れ可能な合計費用とを受け取る。「受け入れ可能な合計時間」とは、駐車場を出発して、目的地に滞在し、駐車場に戻るまでの合計時間として、ユーザが受け入れることができる時間である。「受け入れ可能な合計費用」とは、駐車場を出発して、目的地に滞在し、駐車場に戻るまでの駐車場代および利用する交通機関の費用の合計費用として、ユーザが受け入れることができる費用である。ユーザからコマンド入力部206を介して「入力情報の確定」の指示を受け取ると、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を制御して、それら入力された情報を、経路探索サーバ100に送信する。なお、受け入れ可能な合計時間と、受け入れ可能な合計費用とのいずれか一方の入力は、省略することができる。
なお、ステップS10の処理と、ステップS20の処理は、順番を入れ替えて行われてもよいし、並行して行われてもよい。ステップS10,S20の処理を実現する主制御部210の機能部を、「入力部231」として図1に示す。
図2のステップS30では、経路探索サーバ100の制御部104は、ステップS10,S20で携帯電話200から受け取った情報に基づいて、駐車場の第1の候補を決定する。より具体的には、まず、目的地の情報に基づいて、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照して、目的地の地点を特定する。そして、目的地を含む所定の範囲内(たとえば、目的地を中心とする半径700mの円内)にある駐車場を、第1の候補として決定する。ステップS30の処理を実現する制御部104の機能部を、「第1の候補決定部111」として図1に示す。
ステップS40では、経路探索サーバ100の制御部104は、経路ネットワークデータ、特に、歩行者用経路ネットワークデータと、公共交通機関を利用するための経路ネットワークデータを参照して、第1の候補の各駐車場から出発して、滞在を開始する時刻に目的地に至るのに要する時間を計算する。また、経路探索サーバ100の制御部104は、経路ネットワークデータを参照して、滞在を開始する時刻から目的地に滞在する時間が経過した後、目的地を出発して第1の候補の各駐車場に至るのに要する時間を、計算する。ステップS40のこれらの処理を実現する制御部104の機能部を、「移動時間決定部112」として図1に示す。
図3は、目的地D1と第1の候補の駐車場P1〜P5の関係を示す図である。駐車場P1は、目的地D1まで徒歩5分で移動できる位置にある。駐車場P2は、目的地D1まで徒歩10分で移動できる位置にある。駐車場P3は、目的地D1まで徒歩15分で移動できる位置にある。駐車場P4は、目的地D1まで徒歩20分で移動できる位置にある。駐車場P5は、目的地D1まで徒歩30分で移動できる位置にある。
図2のステップS40では、さらに、経路探索サーバ100の制御部104は、第1の候補の各駐車場から目的地に至り、入力された滞在開始時刻から滞在時間だけ目的地に滞在し、再び各駐車場に戻るまでの各地点(各駐車場と目的地)における時刻を、第1の候補の各駐車場について、計算する。そして、それらの時刻に基づいて、第1の候補の各駐車場から目的地に至り、再び各駐車場に戻るまでの合計時間を計算する。ステップS40のこの処理を実現する制御部104の機能部を、「合計時間決定部113」として図1に示す。また、経路探索サーバ100の制御部104は、各駐車場と目的地の間の移動に有料の交通手段を使用する場合には、経路ネットワークデータ、特に、公共交通機関を利用するための経路ネットワークデータを参照して、その料金も計算する。
ステップS50では、経路探索サーバ100の制御部104は、通信部102を介して、駐車場サーバ180に、ステップS40で得た情報を、第1の候補の各駐車場を特定することができる情報と関連づけて、送信する。第1の候補の各駐車場を特定することができる情報は、たとえば、各駐車場の位置情報や、名称の情報とすることができる。そして、経路探索サーバ100の制御部104は、駐車場サーバ180に、第1の候補の各駐車場についての駐車料金を要求する。駐車場サーバ180の制御部184は、経路探索サーバ100から受け取った情報(特に、駐車場を出て目的地に向かう時刻と駐車場に帰着する時刻)に基づいて、第1の候補の各駐車場について、駐車料金を計算する。そして、駐車場サーバ180は、通信部182を介して、経路探索サーバ100に、第1の候補の各駐車場についての駐車料金を送信する。
なお、図3に示すように、駐車場P1の料金は、30分につき1500円である。駐車場P2の料金は、30分につき1100円である。駐車場P3の料金は、30分につき1000円である。駐車場P4の料金は、30分につき700円である。駐車場P5の料金は、30分につき500円である。
図2のステップS50における経路探索サーバ100の制御部104の処理を実現する機能部を、「料金決定部114」として図1に示す。ステップS50における駐車場サーバ180の制御部184の処理を実現する機能部を、「料金決定部187」として図1に示す。
図2のステップS60では、経路探索サーバ100の制御部104は、駐車場サーバ180から受け取った第1の候補の各駐車場についての駐車料金と、ステップS40で計算した情報と、に基づいて、第1の候補の各駐車場を利用して目的地に滞在した場合の合計費用を計算する。ステップS60の処理を実現する制御部104の機能部を、「合計費用決定部115」として図1に示す。
ステップS70では、経路探索サーバ100の制御部104は、(i)ステップS20で、受け入れ可能な合計時間と、受け入れ可能な合計費用と、の入力を受け取っている場合には、第1の候補のうち、合計時間が受け入れ可能な合計時間以下であり、かつ、合計費用が受け入れ可能な合計費用以下である、1以上の駐車場を第2の候補として決定する。(ii)ステップS20で、受け入れ可能な合計時間の入力を受け取っており、受け入れ可能な合計費用の入力を受け取っていない場合には、経路探索サーバ100の制御部104は、第1の候補のうち、合計時間が受け入れ可能な合計時間以下である、1以上の駐車場を第2の候補として決定する。(iii)ステップS20で、受け入れ可能な合計時間の入力を受け取っておらず、受け入れ可能な合計費用の入力を受け取っている場合には、経路探索サーバ100の制御部104は、第1の候補のうち、合計費用が受け入れ可能な合計費用以下である、1以上の駐車場を第2の候補として決定する。
ステップS75では、経路探索サーバ100の制御部104は、第2の候補があるかどうかを判定する。第2の候補がある場合は、処理はステップS80に進む。第2の候補がない場合は、処理はステップS110に進む。なお、第2の候補がない場合には、以下の二つの場合が含まれる。第1の場合は、受け入れ可能な合計時間をステップS20で受け取った場合であって、第1の候補のうち、合計時間が受け入れ可能な合計時間より短い駐車場が存在しない場合である。第2の場合は、受け入れ可能な合計費用をステップS20で受け取った場合であって、第1の候補のうち、合計費用が受け入れ可能な合計費用より短い駐車場が存在しない場合である。
ステップS80では、経路探索サーバ100の制御部104は、第2の候補の各駐車場の名称および地点の情報と、合計時間の情報と、合計費用の情報とを、通信部102を介して、携帯電話200に送信する。携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受信した情報に基づいて、第2の候補の各駐車場の名称、合計時間、合計費用をリストの形式で表示パネル202に表示する。その際、携帯電話200の主制御部210は、滞在時間を合計時間で割った値も表示する。第2の候補のそれらの情報の表示は、合計時間の少ない順に、表示される。その後、図2の処理は終了する。
図4は、ステップS80における表示パネル202の表示の例を示す図である。ここでは、ステップS10において入力された滞在時間は3時間であり、ステップS20において入力された受け入れ可能な合計時間は3時間30分であり、ステップS20において、受け入れ可能な合計費用は入力されなかったものとする。その場合、駐車場P1の合計時間は3時間10分であり、合計費用は10500円である。駐車場P2の合計時間は3時間20分であり、合計費用は7700円である。駐車場P3の合計時間は3時間30分であり、合計費用は7000円である。駐車場P4の合計時間は3時間40分であり、合計費用は5600円である。駐車場P5の合計時間は4時間であり、合計費用は4000円である。
駐車場P4,P5は、合計時間が「受け入れ可能な合計時間」3時間30分を超えているため、ステップS80において出力されない(図4参照)。なお、図4においては、各駐車場について、滞在時間を合計時間で割った値も、「滞在時間%」の欄に表示されている。なお、画面上の駐車場の名称(図4の「P1」、「P2」等の表示)がタップされた場合には、携帯電話200の主制御部210は、地図サーバ150から取得した地図画像データ上に、タップされた駐車場の位置を示す表示を重ねた画像を、表示パネル202に表示する。
このような合計時間順の表示とすることで、ユーザは、合計時間が小さい駐車場を優先的に選択しやすくなる。そして、ユーザは、合計時間および合計費用の表示に基づいて、それらの値を勘案して、合計時間が最小ではない駐車場も選択しうる。また、ユーザは、滞在時間を合計時間で割った値を考慮して、駐車場も選択しうる。たとえば、目的地における滞在時間が長い(たとえば6時間)場合には、滞在時間が短い(たとえば30分)場合に比べて、移動時間が少々(たとえば5分)長くなっても、ユーザは合計費用の安い駐車場を選択する場合がある。本実施例によれば、そのような嗜好を反映してユーザが駐車場を選択することを支援しうる。
なお、図4における「名称」の欄の表示が、「課題を解決するための手段」における「駐車場」の出力に相当する。「滞在時間%」の欄の表示が、「各駐車場についての合計時間に対する滞在時間の比」の出力に相当する。
図2のステップS70〜S80における経路探索サーバ100の制御部104の処理を実現する機能部を、「出力部116」として図1に示す。ステップS70〜S80における携帯電話200の主制御部210の処理を実現する機能部を、「出力部232」として図1に示す。
一方、図2のステップS110では、経路探索サーバ100の制御部104は、代替候補を決定する。経路探索サーバ100の制御部104は、(i)ステップS20で、受け入れ可能な合計時間の入力を受け取っている場合には、第1の候補のうち、合計時間が最も少ない1以上の駐車場を代替候補として決定する。(ii)ステップS20で、受け入れ可能な合計時間の入力を受け取っておらず、受け入れ可能な合計費用の入力を受け取っている場合には、経路探索サーバ100の制御部104は、第1の候補のうち、合計費用が最も少ない1以上の駐車場を代替候補として決定する。
ステップS120では、経路探索サーバ100の制御部104は、代替候補の駐車場の名称および地点の情報と、合計時間の情報と、合計費用の情報とを、通信部102を介して、携帯電話200に送信する。携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受信した情報に基づいて、条件を満たす駐車場が見つからなかった旨の表示とともに、代替候補の駐車場の名称、合計時間、合計費用をリストの形式で表示パネル202に表示する。その際の表示項目は、ステップS80と同じである。
ただし、携帯電話200の主制御部210は、ステップS120では、ステップS80の表示に加えて、「滞在時間」の欄に、目的地に滞在可能な時間を表示する。目的地に滞在可能な時間は、ステップS10において入力された滞在時間よりも短いものとなる。具体的には、携帯電話200の主制御部210は、各駐車場の合計時間と、ステップS20で受け取った受け入れ可能な合計時間との差、すなわち受け入れ可能な合計時間からの超過時間を、計算する。そして、ステップS10で受け取った滞在時間から、この超過時間を引いて得られる時間を、目的地に滞在可能な時間として、「滞在時間」の欄に表示する。なお、代替候補が複数ある場合には、代替候補のそれらの情報の表示は、合計時間の少ない順に、表示される。その後、図2の処理は終了する。
ステップS110,S120の処理を行うことにより、指定された条件を満たす駐車場が存在しない場合に、指定された条件を満たす駐車場が存在しない旨の告知ができるだけでなく、受け入れ可能な合計時間や合計費用の条件を満たさないが、次善の選択となり得る駐車場を、ユーザが選択することを支援することができる。また、ユーザは、そのような場合に、目的地に滞在できる時間を考慮して、代替候補の駐車場を採用するか否かを決定することができる。
ステップS110〜S120における経路探索サーバ100の制御部104の処理を実現するのは、「出力部116」である。ステップS110〜S120における携帯電話200の主制御部210の処理を実現するのは、「出力部232」である。
このような態様によれば、ユーザが受け入れ可能な合計時間や合計費用の範囲内で、駐車場をユーザに提示することができる(図2のステップS70,S80参照)。このため、ユーザが実際に目的地に滞在する際の駐車場を決定する際に、効果的にその決定を支援することができる。
図5は、ユーザが目的地に滞在している間に駐車場利用支援システムによって実行される処理を示すフローチャートである。図5の処理は、図2の処理で利用すべき駐車場が決定された後に実行される。図5の処理は、たとえば、ユーザが目的地に向かう際に、ユーザによる携帯電話200への指示の入力によって開始される。なお、ユーザによる指示は、車両による移動中に行われてもよいし、駐車場に車両を駐車し、ユーザが車両を出る際に行われてもよい。
ステップS200において、携帯電話200の主制御部210は、GPSユニット201から現在位置を取得し、時計部209から現在時刻を取得する。携帯電話200の主制御部210は、現在位置が、図2の処理で決定した駐車場である場合に、実際に利用した駐車場の位置として、現在位置をRAM212に記憶する。また、携帯電話200の主制御部210は、基準時刻として、現在時刻をRAM212に記憶する。また、携帯電話200の主制御部210は、駐車場の位置と基準時刻の情報を、通信部205を介して経路探索サーバ100に送信する。経路探索サーバ100の制御部104は、携帯電話200から受け取ったそれらの情報を、記憶部106に記憶する。
ステップS200の処理を実現する制御部104の機能部を、「記憶部117」として図1に示す。ステップS200の処理を実現する主制御部210の機能部を、「記憶部233」として図1に示す。
ステップS210において、携帯電話200の主制御部210は、図2のステップS40で得られたその駐車場の合計時間と、図5のステップS200で記憶した基準時刻とから、駐車場帰着時刻tcを計算する。ここでは、駐車場帰着時刻tcは、基準時刻から、駐車場決定の際に計算された合計時間が経過した時刻とする。なお、その駐車場の合計時間は、図2のステップS40において経路探索サーバ100の記憶部106に記憶され、図5のステップS210において、携帯電話200によって経路探索サーバ100から取得されることができる。携帯電話200の主制御部210は、駐車場帰着時刻tcを経路探索サーバ100に送信し、経路探索サーバ100は、駐車場帰着時刻tcを記憶部106に記憶する。
ステップS220では、携帯電話200の主制御部210は、GPSユニット201から現在位置を取得し、時計部209から現在時刻を取得する。なお、ステップS220以下の処理は、所定の時間が経過するたびに繰り返される。
ステップS230では、携帯電話200の主制御部210は、現在位置と現在時刻の情報を、通信部205を介して経路探索サーバ100に送信し、現在位置から利用した駐車場までの経路の情報、およびその経路を移動するのに要する時間の情報を要求する。経路探索サーバ100の制御部104は、携帯電話200から受け取った現在位置と現在時刻の情報と、記憶部106内に記憶されている駐車場の位置の情報と、に基づいて、経路ネットワークデータを参照して、現在位置から出発して利用した駐車場に至るのに要する経路および所要時間を計算する。ステップS230における経路探索サーバ100の制御部104の処理を実現する機能部を、「所要時間決定部118」として図1に示す。
ステップS235では、経路探索サーバ100の制御部104は、ステップS220で携帯電話200から受け取った「現在時刻」と、ステップS230で得た所要時間とから、「現在時刻」から「所要時間+余裕時間tm」が経過した時刻である「見積もり時刻te」を計算する。見積もり時刻teは、現在位置から駐車場に向かった場合の予想到着時刻である。余裕時間tmは、たとえば、所要時間の1割の時間とすることができる。
そして、経路探索サーバ100の制御部104は、ステップS210で携帯電話200から受け取った駐車場帰着時刻tcと、見積もり時刻teとを比較する。見積もり時刻teが駐車場帰着時刻tcよりも前である場合には、処理は、ステップS220に戻る。見積もり時刻teが駐車場帰着時刻tcよりも後である場合には、処理は、ステップS240に進む。見積もり時刻teが駐車場帰着時刻tcよりも後であるということは、現在位置から駐車場に向かった場合の予想到着時刻teが、図2のステップS10で入力された滞在時間に基づいて計算された駐車場帰着時刻tcより遅れる可能性があることを意味する。
ステップS240では、経路探索サーバ100の制御部104は、通信部102を介して、見積もり時刻teと、駐車場帰着時刻tcと、現在位置から駐車場までの経路を示す経路データと、を携帯電話200に送信する。携帯電話200の主制御部210は、駐車場に向かうべき旨の警告を、表示パネル202と音声出力部203と振動機構204と、を介して、ユーザに出力する。その際、見積もり時刻teと、駐車場帰着時刻tcが、表示パネル202に表示される。その後、タッチパネル206aがタップされた場合には、携帯電話200の主制御部210は、警告の出力を終了し、地図サーバ150から取得した地図画像データ上に、現在位置から駐車場までの経路を示す表示を重ねた画像を、表示パネル202に表示する。そして、携帯電話200の主制御部210は、経路案内を行う。
ステップS235〜S240における経路探索サーバ100の制御部104の処理を実現する機能部を、「警告部119」として図1に示す。ステップS235〜S240における携帯電話200の主制御部210の処理を実現する機能部を、「警告部234」として図1に示す。
ステップS245では、携帯電話200の主制御部210は、現在位置を取得して、現在位置がRAM212に記憶されている駐車場の位置であるか否かを判定する。現在位置がRAM212に記憶されている駐車場の位置である場合には、図2の処理は終了する。
現在位置がRAM212に記憶されている駐車場の位置でない場合には、処理はステップS255に進む。
ステップS255では、携帯電話200の主制御部210は、所定時間が経過するまで処理を停止する。その後、処理はステップS220に戻る。ステップS255を経てステップS240の処理が行われる場合には、携帯電話200の主制御部210は、駐車場への移動のペースを速めるべき旨の警告を、表示パネル202と音声出力部203と振動機構204と、を介して、ユーザに出力する。他の処理は、すでに説明した内容と同じである。
このような態様とすることにより、ユーザは、駐車場を決定した際に想定した予定に沿って、行動することができる。このため、受け入れ可能な時間を超えて目的地における滞在および駐車場への移動に時間を要してしまう可能性が低い。
なお、本実施例におけるGPSユニット201が、「課題を解決するための手段」における「現在位置取得部」に相当する。時計部209が、「現在時刻取得部」に相当する。
B.変形例:
B1.上記実施例においては、ステップS10において、目的地における滞在の開始時刻を受け取る。しかし、滞在の開始時刻の入力は省略することもできる。そのような態様においては、たとえば、昼の12時など、所定の時刻を滞在の開始時刻として、上記各処理を行うことができる。また、滞在の開始時刻に代えて、滞在の終了時刻や、駐車場への帰着時刻の入力を受けて、それらの時刻に基づいて上記各処理を行うこともできる。
上記実施例においては、図2の処理は、ユーザが車両で目的地に出かけるのに先立って利用すべき駐車場を決定する際に、ユーザによる携帯電話200への指示の入力によって開始されるものとして説明した。しかし、図2の処理は、ユーザが車両で目的地に向かっている際に、ユーザによる携帯電話200への指示の入力によって開始されてもよい。
たとえば、図2の処理において、以下のような処理が行われる態様とすることができる。すなわち、ステップS10において、携帯電話200のコマンド入力部206は、滞在時間の情報の入力として、目的地における滞在を開始する時刻の情報は受け取らず、目的地に滞在する時間の長さの情報を受け取る。
ステップS40において、合計時間を計算する際に、経路探索サーバ100の制御部104は、経路ネットワークデータ(特に、自動車用経路ネットワークデータ)を参照して、現在位置から第1の候補の各駐車場までの経路、および第1の候補の各駐車場への到着時刻を計算する。そして、経路探索サーバ100の制御部104は、経路ネットワークデータ(特に、歩行者用経路ネットワークデータと、公共交通機関を利用するための経路ネットワークデータ)を参照して、第1の候補の各駐車場への到着時刻から所定時間後(たとえば、5分後)に第1の候補の各駐車場を出発して目的地に至るための経路、および目的地への到着時刻を計算する。
また、経路探索サーバ100の制御部104は、経路ネットワークデータ(特に、歩行者用経路ネットワークデータと、公共交通機関を利用するための経路ネットワークデータ)を参照して、目的地への到着後、目的地に滞在する時間(ステップS10参照)が経過した後、目的地を出発して第1の候補の各駐車場に到着するための経路、および到着時刻を、計算する。ステップS40のこれらの処理を実現するのは、制御部104の機能部としての「移動時間決定部112」である。
そして、経路探索サーバ100の制御部104は、上記の処理で得られた各時刻に基づいて、現在位置から第1の候補の各駐車場を経て目的地に至り、再び各駐車場に戻るまでの時間を「合計時間」として計算する。ステップS40のこの処理を実現するのは、制御部104の機能部としての「合計時間決定部113」である。
ステップS50では、経路探索サーバ100の制御部104は、駐車場サーバ180に、ステップS40で得た情報を、第1の候補の各駐車場を特定することができる情報と関連づけて、送信し、第1の候補の各駐車場についての駐車料金を要求する。駐車場サーバ180の制御部184は、経路探索サーバ100から受け取った情報(たとえば、駐車場に到着する時刻と、目的地から駐車場に帰着する時刻)に基づいて、第1の候補の各駐車場について、駐車料金を計算する。そして、駐車場サーバ180は、通信部182を介して、経路探索サーバ100に、第1の候補の各駐車場についての駐車料金を送信する。
ステップS80において、経路探索サーバ100の制御部104は、第2の候補の各駐車場について、上記実施例で説明した各情報に加え、第2の候補の各駐車場までの経路、到着時刻、第2の候補の各駐車場を利用した場合の目的地へ到着時刻、目的地に滞在時間だけ滞在した後の駐車場への到着時刻、および合計時間を、携帯電話200に送信する。
携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受信した情報に基づいて、第2の候補の各駐車場について、上記実施例で説明した各情報に加え、現在位置から第2の候補の各駐車場までの経路、到着時刻、ならびに、第2の候補の各駐車場を利用した場合の目的地へ到着時刻、目的地に滞在時間だけ滞在した後の駐車場への到着時刻を、表示パネル202に表示する。なお、経路の情報は、地図上に表示されることが好ましい。
なお、この態様においては、ステップS10において、滞在時間の入力に代えて、滞在の終了時刻や、駐車場への帰着時刻の入力を受けて、それらの時刻に基づいて上記各処理を行うこともできる。
また、上記実施例の図2の処理においては、ステップS10において、一つの目的地が入力される。しかし、駐車場利用支援システムにおいては、複数の目的地が入力される態様とすることもできる。そのような態様においては、たとえば、図2の処理が繰り返し実行されることで、それぞれの目的地に対して利用すべき駐車場を一つづつ決定するユーザの意思決定を、支援する態様とすることができる。
また、複数の目的地が入力された後、駐車場利用支援システムが、所定距離の範囲内または所定時間内で移動できる範囲内にある2以上の目的地について、一つのグループとし、その1グループについて駐車場の候補を提示する態様とすることができる。そのような態様によって、複数の目的地に対して一つの駐車場を決定することをユーザに提案する態様とすることもできる。そのような態様において、第1のグループを決定する際には、たとえば、複数の目的地の地図上の位置の重心を、仮想的な目的地として、第1の候補を決定することができる。
B2.上記実施例においては、第1の候補は、目的地を中心とする半径700mの円内にある駐車場である。しかし、第1の候補は、他の方法で選択することもできる。たとえば、第1の候補は、経路ネットワークデータの地理上の区分であり、目的地を含む1以上の区分内にある駐車場とすることができる。また、利用できない時間帯を有する駐車場については、たとえば、経路探索サーバ100の制御部104が、基準時刻に基づいて、利用可能か否かを判断し、利用可能な場合に第1の候補に含めることが好ましい。なお、第1の候補は、目的地の位置を基準に定められることが好ましい。
B3.上記実施例においては、第1の候補の各駐車場から目的地までは、いずれも徒歩で移動すべきものである(図3参照)。しかし、第1の候補には、目的地まで公共交通機関やタクシーなどの他の交通機関を利用して移動すべき駐車場を含むことができる。そのような場合には、図2のステップS60の処理において合計費用を決定する際には、交通機関の利用料を含めて計算することが好ましい。
B4.上記実施形態においては、第1の候補の各駐車場の利用料金は、曜日、時間帯によらず一定であり、いずれも30分単位で課金される(図3参照)。しかし、第1の候補の各駐車場の利用料金は、異なる時間単位で課金される態様とすることもできる。また、第1の候補の各駐車場は、単位時間当たりの料金や、課金のための単位時間の長さが、曜日、時間帯によって変更される駐車場であってもよい。そのような場合には、各駐車場の曜日、時間帯ごとの単位時間、単位時間当たりの利用料金、それらが変更される時刻をまたぐ際の料金計算の方法などを、あらかじめ駐車場データベース186に格納しておき、ステップS50において、料金を決定する際に、それらの情報に基づいて利用料金を計算することが好ましい。その際、ステップS10において、目的地における滞在時間の開始時刻など、処理の基準となる時刻を駐車場利用支援システムに入力することが好ましい。そのような態様とすれば、実際にユーザが各駐車場を利用することとなる時間帯に基づいて、正確な利用料金を計算できる。
B5.上記実施例においては、ユーザが入力した制約条件を満たす第2の候補が存在しない場合には(図2のS75:No)、受け入れ可能な合計時間の入力を受け取っておらず、受け入れ可能な合計費用の入力を受け取っている場合に、合計費用が最も少ない1以上の駐車場を代替候補として決定する。そして、受け入れ可能な合計時間の入力を受け取っている場合には、受け入れ可能な合計費用の入力の有無によらず、合計時間が最も少ない1以上の駐車場を代替候補として決定する。しかし、代替候補は、他の方法で決定することもできる。
たとえば、受け入れ可能な合計時間の入力を受け取っており、受け入れ可能な合計費用の入力を受け取っていない場合に、合計時間が最も少ない1以上の駐車場を代替候補として決定する態様とすることもできる。そして、受け入れ可能な合計時間の入力と、受け入れ可能な合計費用の入力を受け取っている場合には、合計時間が最も少ない1以上の駐車場と、合計費用が最も少ない1以上の駐車場と、の両方を代替候補として決定する態様とすることもできる。
また、上記各条件下における処理において、合計時間や合計費用が最も少ない駐車場だけではなく、合計時間や合計費用が2番目に少ない駐車場や3番目に少ない駐車場など、複数の代替候補を選定する態様とすることもできる。
B6.上記実施例では、駐車場の出力としての表示は、合計時間が小さい順に並べて行われる(図4参照)。しかし、駐車場の出力としての表示は、合計費用が小さい順に並べて行ってもよい。また、「各駐車場についての合計時間に対する滞在時間の比」が大きい順に行ってもよい。
また、上記実施例では、駐車場の出力としての表示は、一定の順(すなわち、合計時間が小さい順)に並べて行われる(図4参照)。しかし、駐車場の出力としての表示の順番を、ユーザが切り換えられる態様とすることができる。たとえば、表示の切り替えを指示するための入力手段として、図4に示す表示パネル202の表示の下段に「料金優先」、「時間優先」、「おすすめ」という表示がそれぞれなされた3個のボタンを表示する。
そして、「料金優先」ボタンがタップされて、「料金優先」の指示が入力された場合には、携帯電話200の主制御部210は、合計費用が小さい順に並べて、駐車場の出力としての表示を行う。「時間優先」ボタンがタップされて、「時間優先」の指示が入力された場合には、携帯電話200の主制御部210は、合計時間が小さい順に並べて、駐車場の出力としての表示を行う。「おすすめ」ボタンがタップされて、駐車場利用支援システムにおすすめの駐車場を提案させる旨の指示が入力された場合には、携帯電話200の主制御部210は、予め定められた方法で各駐車場の優先度を決定して、その優先度に従った順に並べて、駐車場の出力としての表示を行う。
優先度は、たとえば、合計費用と合計時間に基づいて、決定することができる。さらに、駐車場から目的地までの距離や、駐車場と目的地の高低差などの情報に基づいて、優先度を決定することもできる。優先度は、たとえば、上記各パラメータの重みづけ和とすることができる。
B7.上記実施例においては、駐車場の表示は、「合計時間」、「合計費用」、「滞在時間」、「各駐車場についての合計時間に対する滞在時間の比」の出力と共に行われる(図4参照)。しかし、「合計時間」、「合計費用」、「滞在時間」、「各駐車場についての合計時間に対する滞在時間の比」のうちの1以上の出力は省略されることができる。
また、上記実施例の図2のステップS120の処理では、代替候補を出力する際に、「滞在時間」の欄に、目的地に滞在可能な時間を表示する。しかし、滞在可能な時間の計算および表示も、省略することができる。
また、駐車場サーバ180は、各駐車場に設けられた端末から、ネットワークを介して、満車(駐車スペースなし)または空車(駐車スペースあり)の情報を取得する態様とすることができる。そのような態様においては、さらに、以下の処理を行うことが好ましい。すなわち、図2のステップS50において、駐車場サーバ180は、経路探索サーバ100に、第1の候補の各駐車場について、駐車料金とともに、満車か否かを表す情報を送信する。
図2のステップS80では、経路探索サーバ100の制御部104は、第2の候補の各駐車場について、その名称および地点の情報と、合計時間の情報と、合計費用の情報とともに、満車か否かを表す情報を、携帯電話200に送信する。携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受信した情報に基づいて、第2の候補の各駐車場について、実施例で表示する各情報とともに、満車か否かを表示パネル202に表示する。
図2のステップS120においても、同様に、経路探索サーバ100の制御部104は、代替候補の駐車場について、その名称および地点の情報と、合計時間の情報と、合計費用の情報と、満車か否かの情報を、携帯電話200に送信する。携帯電話200の主制御部210は、経路探索サーバ100から受信した情報に基づいて、条件を満たす駐車場が見つからなかった旨の表示とともに、代替候補の駐車場の名称、合計時間、合計費用、満車か否かをリストの形式で表示パネル202に表示する。
なお、図2のステップS70において、経路探索サーバ100の制御部104は、第2の候補を決定する際に、第1の候補のうち満車の駐車場を除いて第2の候補を決定してもよい。
B8.上記実施例においては、ユーザが入力した制約条件を満たす第2の候補が存在しない場合には(図2のS75:No)、代替候補を出力する(図2のS110,S120参照)。しかし、第2の候補が存在しない場合には、ユーザが入力した制約条件を満たす駐車場は存在しない旨の出力を行い、代替候補を出力しない態様とすることもできる。
B9.上記実施例においては、同一の駐車場利用支援システムが、図2の処理と、図5の処理を実現可能である。しかし、駐車場利用支援システムは、図2の処理のみを実現可能な駐車場決定支援システムまたは駐車場決定支援装置として構築することができる。また、駐車場利用支援システムは、図5の処理のみを実現可能な注意喚起システムまたは注意喚起装置として構築することができる。
B10.上記実施例においては、時計部209から現在時刻を取得する。しかし、現在時刻は、外部から取得することもできる。現在時刻は、たとえば、GPSユニット201を介してGPS衛星から受信することもできる。
B11.上記実施例においては、図5のステップS235の処理において、余裕時間tmは、所要時間の1割に設定される。しかし、余裕時間tmは、他の態様で設定されることもできる。たとえば、余裕時間tmは、駐車場までの経路や、駐車場までの経路を移動する時刻に応じて設定することもできる。また、余裕時間を0とすることもできる。ただし、少なくとも、基準時刻から受け入れ可能な合計時間が経過した時刻(駐車場帰着時刻tc)が、現在時刻から所要時間が経過した時刻よりも早い時刻である場合に、ユーザに警告を発することが好ましい。
また、上記実施例においては、図5のステップS235において、見積もり時刻teが駐車場帰着時刻tcよりも後である場合に、駐車場に向かうよう、ユーザに警告する(ステップS240)。しかし、見積もり時刻teが駐車場帰着時刻tcよりも後である場合に加えて、さらに、一定の条件を満たす場合に、駐車場に向かうよう、ユーザに警告する態様とすることもできる。一定の条件は、たとえば、ユーザが利用した駐車場において、次に課金が加算される時刻を見積もり時刻teが超えること、とすることができる。
見積もり時刻teが駐車場帰着時刻tcよりも後である場合、すなわち、所要時間が受け入れ可能な合計時間を超える場合であっても、合計費用が増えない場合には、ユーザは、到着時刻が遅れることを問題としない場合がある。上記のような態様とすれば、そのようなユーザのニーズを反映することができる。なお、たとえば、ステップS20で、受け入れ可能な合計時間の入力を受け取っておらず、受け入れ可能な合計費用の入力を受け取っている場合に、「次に課金が加算される時刻を見積もり時刻teが超えること」を、ステップS240の警告のための加重条件とすることができる。
さらに、一定の条件は、たとえば、駐車場の課金が増え合計費用が受け入れ可能な合計費用を超えることとなる時刻を、見積もり時刻teが超えること、とすることもできる。
上記の態様と同様に、ステップS20で、受け入れ可能な合計時間の入力を受け取っておらず、受け入れ可能な合計費用の入力を受け取っている場合に、この条件を、ステップS240の警告のための加重条件とすることができる。
B12.サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
B13.上記実施例では、GPSを利用する態様について説明したが、現在位置の情報の生成は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galile oなどのGPS以外の他の衛星測位システム(Satellite Navigation System)、言い換えれば、世界的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation System)によってもよい。また、たとえば、移動端末における位置情報の生成は、携帯電話の基地局のみに基づいて、行ってもよい。そのような態様においては、移動端末は、世界的航法衛星システムの受信装置を備えない態様とすることができる。さらに、移動端末において位置情報を生成する構成要素は、複数の方式、たとえば、衛星測位システムを利用した方式と、携帯電話の基地局を利用する方式を併用する態様とすることもできる。
すなわち、移動端末において位置情報を生成する構成要素は、現在位置の情報を特定できるものであれば、どのような原理に基づくもの、どのような機関が運営するシステムを利用するものであってもよい。
B14.上記実施例においては、駐車場利用支援システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、駐車場サーバ180と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットを備える携帯端末に、経路探索サーバ100や駐車場サーバ180など、他の構成要素の機能を備える態様とすることもできる。また、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。そして、駐車場サーバ180が、経路探索サーバ100と同じサーバであってもよい。なお、携帯端末は、いわゆるフィーチャーフォンやスマートフォンであってもよく、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)や、他のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、現在位置を特定することができる装置であればよい。
すなわち、案内装置としての駐車場利用支援システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、駐車場利用支援システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
B15.上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア212(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、磁気ディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。