JP6293275B2 - 運動検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気を利用して物体の回転運動または周回運動を検出する運動検出装置に関する。
図13は、従来の回転検出装置の一例として、下記の特許文献1の図1に記載された回転検出装置と同様の構成を有する回転検出装置を示している。
(従来の回転検出装置)
図13において、回転検出装置300は、例えば、産業用ロボットの可動部分に設けられたサーボモータの回転軸301の回転方向および回転量を検出することができる装置である。回転検出装置300は、回転軸301に固定され、回転軸301の回転に応じて回転する可動部302を備えている。可動部302の回転方向および回転量は、回転軸301の回転方向および回転量と一致する。
可動部302には、4個の磁石311、312、313および314が設けられている。磁石311、312、313および314は、可動部302の周方向において左方向に90度の間隔をもってこの順序で配置されている。また、磁石311および313は表側がN極となるように配置され、磁石312および314は表側がS極となるように配置されている。これにより、可動部302の外周側には90度ごとに方向が変化する磁界が形成されている。
また、可動部302の近傍には、3個の磁気センサ321、322および323が設けられている。各磁気センサ321、322、323は、大バルウハウゼン効果を生じる磁性素子である複合磁気ワイヤにコイルを巻回することにより形成されている。磁気センサ321、322および323は、可動部302の円形の外形に沿うように右方向にこの順序で配置され、互いに隣り合う磁気センサの間隔は30度である。
磁石311、312、313および314は可動部302に固定されており、可動部302の回転に伴って位置を変えるのに対し、磁気センサ321、322および323は図示しない支持部等に固定さており、不動である。
可動部302の回転により、磁石311が磁気センサ321に接近し、磁石311により形成される磁界により磁気センサ321の磁化方向が反転すると、このときに生じる起電力により磁気センサ321から正方向に立ち上がる検出パルス(以下、これを「正方向の検出パルス」という。)が出力される。磁石313が磁気センサ321に接近したときも同様である。また、磁気センサ322および323についても同様である。
一方、可動部302の回転により、磁石312が磁気センサ321に接近し、磁石312により形成される磁界により磁気センサ321の磁化方向が反転すると、このときに生じる起電力により磁気センサ321から負方向に立ち上がる検出パルス(以下、これを「負方向の検出パルス」という。)が出力される。磁石314が磁気センサ321に接近したときも同様である。また、磁気センサ322および323についても同様である。
もっとも、磁石311、312、313または314が磁気センサ321に接近しても、磁気センサ321の磁化方向が反転しなかった場合には、磁気センサ321から正方向の検出パルスも負方向の検出パルスも出力されない。例えば、可動部302が右方向に回転し、磁石311が磁気センサ321に接近し、磁気センサ321の磁化方向が反転し、磁気センサ321から正方向の検出パルスが出力され、その後に、可動部302が回転方向を右方向から左方向に変え、磁石311が磁気センサ321に再び接近したとする。この場合、磁石311の2回目の接近時には、磁気センサ321において磁化方向の反転が起こらないので、磁気センサ321からは正方向の検出パルスも負方向の検出パルスも出力されない。磁気センサ322および323についても同様である。以下、同じ方向の磁界を形成する磁石が複数回連続して磁気センサに接近した場合に、2回目またはそれ以後の接近時に当該磁気センサの磁化方向が反転しない現象を、「同方向磁界付与により磁化方向が反転しない」などと表現する。
また、回転検出装置300は、各磁気センサ321、322、323から出力される検出パルスに基づいて可動部302の回転方向および回転量を検出する回転検出回路330を備えている。回転検出回路330は、磁気センサ321、322および323からそれぞれ出力される正方向の検出パルスおよび負方向の検出パルスを受け取る。また、回転検出回路330は、磁気センサ321、322および323からそれぞれ出力される正方向の検出パルスおよび負方向の検出パルスにそれぞれ番号を割り当てる。具体的には、磁気センサ321から出力される正方向の検出パルスには「1」を割り当て、磁気センサ322から出力される正方向の検出パルスには「2」を割り当て、磁気センサ323から出力される正方向の検出パルスには「3」を割り当てる。また、磁気センサ321から出力される負方向の検出パルスには「4」を割り当て、磁気センサ322から出力される負方向の検出パルスには「5」を割り当て、磁気センサ323から出力される負方向の検出パルスには「6」を割り当てる。そして、回転検出回路330は、各検出パルスに割り当てられた番号を用いて演算処理を行い、可動部302の回転方向および回転量を判断する。
(4通りの通常処理)
以下、可動部302の回転方向および回転量を判断するために回転検出回路330が行う通常処理を4通り説明する。
まず、第1の通常処理は、可動部302が右方向に回転した場合に、可動部302の回転量を判断する処理である。第1の通常処理は次の通りである。例えば、可動部302が右方向に約180度回転し、この間、磁石311が磁気センサ321、322および323に順次接近して磁気センサ321、322および323の磁化方向が順次反転し、続いて磁石312が磁気センサ321、322および323に順次接近して磁気センサ321、322および323の磁化方向が順次反転した場合には、磁気センサ321、322および323から出力される検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」となる。このように、可動部302が右方向に回転する場合、出力される検出パルスの番号は「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の繰り返しとなる。このような規則性に基づき、回転検出回路330は、第1の通常処理として、磁気センサ321、322および323のいずれかから前回出力された検出パルスの番号と、磁気センサ321、322および323のいずれかから今回出力された検出パルスの番号との差が1であり、検出パルスが前回出力された時点における回転方向が右方向である場合には、回転量を1増加させる。なお、上記規則性に基づき、回転検出回路330は、前回出力された検出パルスの番号が「6」であり、今回出力された検出パルスの番号が「1」である場合、両番号の差を1と算定する。なお、第1の通常処理については、特許文献1の段落0127から段落0141、図7、および図8上段に、より詳しく説明されている。
次に、第2の通常処理は、可動部302が左方向に回転した場合に、可動部302の回転量を判断する処理である。第2の通常処理は次の通りである。例えば、可動部302が左方向に約180度回転し、この間、磁石314が磁気センサ323、322および321に順次接近して磁気センサ323、322および321の磁化方向が順次反転し、続いて磁石313が磁気センサ323、322および321に順次接近して磁気センサ323、322および321の磁化方向が順次反転した場合には、磁気センサ321、322および323から出力される検出パルスの番号の順序は「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」となる。このように、可動部302が左方向に回転する場合、出力される検出パルスの番号は「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の繰り返しとなる。このような規則性に基づき、回転検出回路330は、第2の通常処理として、磁気センサ321、322および323のいずれかから前回出力された検出パルスの番号と、磁気センサ321、322および323のいずれかから今回出力された検出パルスの番号との差が1であり、検出パルスが前回出力された時点における回転方向が左方向である場合には、回転量を1減少させる。なお、上記規則性に基づき、回転検出回路330は、前回出力された検出パルスの番号が「1」であり、今回出力された検出パルスの番号が「6」である場合、両番号の差を1と算定する。
次に、第3の通常処理は、可動部302が回転方向を右方向から左方向に変えた場合に、可動部302の回転方向および回転量を判断する処理である。第3の通常処理は次の通りである。例えば、可動部302が右方向に約90度回転し、この間、磁石311が磁気センサ321、322および323に順次接近して磁気センサ321、322および323の磁化方向が順次反転したとする。その後、可動部302が回転方向を左方向に変え、左方向に約180度回転し、この間、磁石311が磁気センサ323、322および321に順次接近したものの、いずれの磁気センサ321、322および323においても同方向磁界付与により磁化方向が反転せず、続いて、磁石314が磁気センサ323、322および321に順次接近し、磁気センサ323、322および321の磁化方向が順次反転したとする。この場合、磁気センサ321、322および323から出力される検出パルスの番号の順序は、「1」、「2」、「3」、「6」、「5」、「4」となる。ここで着目すべき点は、可動部302の回転方向が変わる前に最後に出力された検出パルスの番号が「3」であり、可動部302の回転方向が変わった後に最初に出力された検出パルスの番号が「6」であり、これらの番号の差が3であることである。このように、可動部302が回転方向を変えたときには、回転方向が変わる前後の検出パルスの番号の差が3となる。このような規則性に基づき、回転検出回路330は、第3の通常処理として、磁気センサ321、322および323のいずれかから前回出力された検出パルスの番号と、磁気センサ321、322および323のいずれかから今回出力された検出パルスの番号との差が3であり、検出パルスが前回出力された時点における回転方向が右方向である場合には、可動部302の回転方向が右方向から左方向に変化したと判断し、回転量を3減少させる。なお、第3の通常処理については、特許文献1の段落0157から段落0168、図7、および図9上段に、より詳しく説明されている。
最後に、第4の通常処理は、可動部302が回転方向を左方向から右方向に変えた場合に、可動部302の回転方向および回転量を判断する処理である。第4の通常処理は、例えば、可動部302が左方向に約90度回転した後、回転方向を右方向に変え、右方向に約180度回転した場合などに行われる処理である。すなわち、上記第3の通常処理は、可動部302が回転方向を右方向から左方向に変えたときに行われる処理であるが、第4の通常処理は、可動部302が回転方向を左方向から右方向に変えたときに行われる処理である。第4の通常処理として、回転検出回路330は、磁気センサ321、322および323のいずれかから前回出力された検出パルスの番号と、磁気センサ321、322および323のいずれかから今回出力された検出パルスの番号との差が3であり、検出パルスが前回出力された時点における回転方向が左方向である場合には、可動部302の回転方向が左方向から右方向に変化したと判断し、回転量を3増加させる。
なお、可動部302の回転方向は、回転検出装置300が稼働を開始してから初めて可動部302が回転したときに、例えば磁気センサ322から出力される検出パルスの番号から磁気センサ321から出力される検出パルスの番号を引くことにより得られた値の正負に基づいて判断され、その結果が回転検出回路330に設けられた記憶素子に回転方向情報として記憶される。それ以後、上述した処理によって可動部302の回転方向の変化が認識される度に、記憶素子に記憶された回転方向情報が更新される。回転検出回路330は回転方向情報を記憶素子から読み出すことにより、検出パルスが前回出力された時点における回転方向を知ることができる。
(検出パルスの欠落)
以上の回転検出回路330における4通りの通常処理は、各磁気センサ321、322、323の磁化方向が反転したときに、磁化方向が反転した磁気センサから検出パルスが必ず出力されることを前提とした処理である。ところが、各磁気センサ321、322、323において、磁化方向が反転したにもかかわらず、検出パルスが出力されないといった事態、すなわち検出パルスの欠落が起こることがある。検出パルスの欠落が起こった場合、上述した通常処理では、可動部302の回転方向または回転量を正しく判断することができなくなる。
以下、検出パルスの欠落が起こった場合に、上述した通常処理により可動部302の回転方向または回転量を正しく判断することができなくなることを、回転検出装置300の2通りの動作例をあげて説明する。
まず、第1の動作例は次の通りである。例えば、可動部302が右方向に約150度回転し、この間、磁石311が磁気センサ321、322および323に順次接近して磁気センサ321、322および323の磁化方向が順次反転し、続いて磁石312が磁気センサ321および322に順次接近して磁気センサ321および322の磁化方向が順次反転したとする。この場合には、磁気センサ321、322および323から出力される検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「4」、「5」となる。この動作において、磁気センサ321から出力されるはずの負方向の検出パルス(番号「4」)が欠落したとする。この場合、検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「5」となる。
次に、第2の動作例は次の通りである。例えば、可動部302が右方向に約90度回転し、この間、磁石311が磁気センサ321、322および323に順次接近して磁気センサ321、322および323の磁化方向が順次反転したとする。続いて、可動部302が回転方向を左方向に変え、左方向に約150度回転し、この間、磁石311が磁気センサ323、322および321に順次接近するも、同方向磁界付与により磁気センサ321、322および323の磁化方向は反転せず、さらに磁石314が磁気センサ323および322に順次接近して磁気センサ323および322の磁化方向が順次反転したとする。この場合、磁気センサ321、322および323から出力される検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「6」、「5」となる。この動作において、磁気センサ323から出力されるはずの負方向の検出パルス(番号「6」)が欠落したとする。この場合、検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「5」となる。
動作例1において磁気センサ321の負方向の検出パルスが欠落した場合と、動作例2において磁気センサ323の負方向の検出パルスが欠落した場合とを比較すると、検出パルスの番号の順序が同じであることがわかる。この場合、先に述べた通常処理ではこれら2つの動作を識別することができず、その結果、可動部302の回転方向および回転量を正しく判断することができない。
(欠落補完処理)
回転検出回路330は、このような検出パルスの欠落を補完し、可動部302の回転方向および回転量を正しく判断する処理(以下、これを「欠落補完処理」という。)を行う機能を備えている。以下、欠落補完処理につき、3通りの例をあげて説明する。
まず、欠落補完処理の第1の例は、可動部302が回転方向を変えなかった場合における欠落補完処理の例である。欠落補完処理の第1の例は次の通りである。例えば、可動部302が右方向に約180度回転し、この間、磁石311が磁気センサ321、322および323に順次接近して磁気センサ321、322および323の磁化方向が順次反転し、続いて磁石312が磁気センサ321、322および323に順次接近して磁気センサ321、322および323の磁化方向が順次反転したとする。この場合には、磁気センサ321、322および323から出力される検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」となる。この動作において、磁気センサ321から出力されるはずの負方向の検出パルス(番号「4」)が欠落したとすると、検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「5」、「6」となる。
この場合、回転検出回路330は、番号「1」の検出パルスが出力された時点から番号「3」の検出パルスが出力された時点までは、上述した第1の通常処理を行い、検出パルスが出力されるごとに可動部302の回転量を1増加させる。続いて、回転検出回路330は、番号「5」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「5」と、当該検出パルスの直前に出力された検出パルスの番号「3」との差が2であり、当該差が1でも3でもないことから、番号「3」の検出パルスが出力されてから番号「5」の検出パルスが出力されるまでの間に検出パルスの欠落が起こったことを認識する。また、番号「5」の検出パルスが出力された時点では、回転検出回路330は可動部302の回転量を変化させない。次に、回転検出回路330は、番号「6」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「6」から、当該検出パルスの直前に出力された検出パルスの番号「5」を引き、これにより得られた値が1であることから、番号「6」の検出パルスが出力された時点における可動部302の回転方向が右方向であると判断する。次に、回転検出回路330は、番号「6」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「6」から、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルス(前々回の検出パルス)の番号「3」を引き、これにより得られた値と、番号「6」の検出パルスが出力された時点における可動部302の回転方向とに基づいて可動部302の回転量を変化させる。
すなわち、回転方向および回転量の判断を実行する時点(この例では番号「6」の検出パルスが出力された時点)において可動部302の回転方向が右方向である場合であって、回転方向および回転量の判断を実行する時点において出力された検出パルスから、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号を引くことにより得られた値がg(正の値)である場合には、可動部302の回転量をg増加させる。また、回転方向および回転量の判断を実行する時点において可動部302の回転方向が右方向である場合であって、回転方向および回転量の判断を実行する時点において出力された検出パルスから、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号を引くことにより得られた値がーh(負の値)である場合には、可動部302の回転量を(6−h)増加させる(ここで用いる6は検出パルスの種類の個数である)。この例においては、回転方向および回転量の判断を実行する時点、すなわち、番号「6」の検出パルスが出力された時点において可動部302の回転方向が右方向であり、番号「6」の検出パルスが出力された時点において出力された検出パルスから、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号を引くことにより得られた値が3であるので、回転検出回路330は可動部302の回転量を3増加させる。先に述べた通り、磁気センサ321における負方向の検出パルスの欠落がなければ、検出パルスの順番が、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」となり、番号「3」の検出パルスが出力された時点から番号「6」の検出パルスが出力された時点までの間において右方向に回転した可動部302の回転量が3増加することから、欠落補完処理により得られた、可動部302の回転量を3増加させるという判断は正しいことがわかる。なお、欠落補完処理の第1の例は、特許文献1の段落0142から段落0156、図7、および図8下段に、より詳しく説明されている。
次に、欠落補完処理の第2の例は、可動部302が回転方向を1回変えた場合における欠落補完処理の例である。欠落補完処理の第2の例は次の通りである。例えば、可動部302が右方向に約90度回転し、この間、磁石311が磁気センサ321、322および323に順次接近して磁気センサ321、322および323の磁化方向が順次反転したとする。続いて、可動部302が回転方向を左方向に変え、左方向に約180度回転し、この間、磁石311が磁気センサ323、322および321に順次接近するも、同方向磁界付与により磁気センサ321、322および323の磁化方向は反転せず、さらに磁石314が磁気センサ323、322および321に順次接近して磁気センサ323、322および321の磁化方向が順次反転したとする。この場合、磁気センサ321、322および323から出力される検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「6」、「5」、「4」となる。この動作において、磁気センサ323から出力されるはずの負方向の検出パルス(番号「6」)が欠落したとすると、検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「5」、「4」となる。
この場合、回転検出回路330は、番号「1」の検出パルスが出力された時点から番号「3」の検出パルスが出力された時点までは、上述した第1の通常処理を行い、検出パルスが出力されるごとに可動部302の回転量を1増加させる。続いて、回転検出回路330は、番号「5」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「5」と、当該検出パルスの直前に出力された検出パルスの番号「3」との差が2であり、当該差が1でも3でもないことから、番号「3」の検出パルスが出力されてから番号「5」の検出パルスが出力されるまでの間に検出パルスの欠落が起こったことを認識する。また、番号「5」の検出パルスが出力された時点では、回転検出回路330は可動部302の回転量を変化させない。次に、回転検出回路330は、番号「4」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「4」から、当該検出パルスの直前に出力された検出パルスの番号「5」を引き、これにより得られた値が−1であることから、番号「4」の検出パルスが出力された時点における可動部302の回転方向が左方向であると判断する。次に、回転検出回路330は、番号「4」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「4」から、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号「3」を引き、これにより得られた値と、番号「4」の検出パルスが出力された時点における可動部302の回転方向とに基づいて可動部302の回転量を変化させる。
すなわち、回転方向および回転量の判断を実行する時点(この例においては番号「4」の検出パルスが出力された時点)において可動部302の回転方向が左方向である場合であって、回転方向および回転量の判断を実行する時点において出力された検出パルスから、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号を引くことにより得られた値が−i(負の値)である場合には、可動部302の回転量をi減少させる。また、回転方向および回転量の判断を実行する時点において可動部302の回転方向が左方向である場合であって、回転方向および回転量の判断を実行する時点において出力された検出パルスから、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号を引くことにより得られた値がj(正の値)である場合には、可動部302の回転量を(6−j)減少させる(ここで用いる6は検出パルスの種類の個数である)。この例においては、回転方向および回転量の判断を実行する時点、すなわち、番号「4」の検出パルスが出力された時点において可動部302の回転方向が左方向であり、番号「4」の検出パルスが出力された時点において出力された検出パルスから、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号を引くことにより得られた値が1であるので、回転検出回路330は可動部302の回転量を5減少させる。先に述べた通り、磁気センサ323における負方向の検出パルスの欠落がなければ、検出パルスの順番が、「1」、「2」、「3」、「6」、「5」、「4」となり、番号「3」の検出パルスが出力された時点から番号「4」の検出パルスが出力された時点までの間において左方向に回転した可動部302の回転量が5減少することから、欠落補完処理により得られた、可動部302の回転量を5減少させるという判断は正しいことがわかる。なお、欠落補完処理の第2の例は、特許文献1の段落0169から段落0184、図7、および図9下段に、より詳しく説明されている。
最後に、欠落補完処理の第3の例は、可動部302が回転方向を2回変えた場合における欠落補完処理の例である。欠落補完処理の第3の例は次の通りである。例えば、可動部302が右方向に約90度回転し、この間、磁石311が磁気センサ321、322および323に順次接近して磁気センサ321、322および323の磁化方向が順次反転したとする。続いて、可動部302が回転方向を左方向に変え、左方向に約120度回転し、この間、磁石311が磁気センサ323、322および321に順次接近するも、同方向磁界付与により磁気センサ321、322および323の磁化方向は反転せず、さらに磁石314が磁気センサ323に接近して磁気センサ323の磁化方向が反転したとする。続いて、可動部302が回転方向を右方向に変え、右方向に約150度回転し、この間、磁石314が磁気センサ323に接近するも、同方向磁界付与により磁気センサ323の磁化方向は反転せず、さらに、磁石311が磁気センサ321および322に順次接近するも、同方向磁界付与により磁気センサ321および322の磁化方向は反転せず、さらに、磁石311が磁気センサ323に接近して磁気センサ323の磁化方向が反転し、さらに、磁石312が磁気センサ321に接近して磁気センサ321の磁化方向が反転したとする。この場合、磁気センサ321、322および323から出力される検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「3」、「6」、「3」、「4」となる。この動作において、磁気センサ323から1回目に出力されるはずの正方向の検出パルス(番号「3」)が欠落したとすると、検出パルスの番号の順序は「1」、「2」、「6」、「3」、「4」となる。
この場合、回転検出回路330は、番号「1」の検出パルスが出力された時点から番号「2」の検出パルスが出力された時点までは、上述した第1の通常処理を行い、検出パルスが出力されるごとに可動部302の回転量を1増加させる。続いて、回転検出回路330は、番号「6」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「6」と、当該検出パルスの直前に出力された検出パルスの番号「2」との差が4であり、当該差が1でも3でもないことから、番号「2」の検出パルスが出力されてから番号「6」の検出パルスが出力されるまでの間に検出パルスの欠落が起こったことを認識する。また、番号「6」の検出パルスが出力された時点では、回転検出回路330は可動部302の回転量を変化させない。次に、回転検出回路330は、番号「3」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「3」から、当該検出パルスの直前に出力された検出パルスの番号「6」を引き、これにより得られた値が1でも−1でもないことから、続いて、回転検出回路330は、番号「3」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「3」から、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号「2」を引き、これにより得られた値が1であることから、番号「3」の検出パルスが出力された時点における可動部302の回転方向が右方向であると判断する(この判断工程については、特許文献1の図7中のステップS7およびS9を参照)。次に、回転検出回路330は、番号「3」の検出パルスが出力された時点で、当該検出パルスの番号「3」から、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号「2」を引き、これにより得られた値と、番号「3」の検出パルスが出力された時点における可動部302の回転方向とに基づいて可動部302の回転量を変化させる。すなわち、番号「3」の検出パルスが出力された時点において可動部302の回転方向が右方向であり、番号「3」の検出パルスが出力された時点において出力された検出パルスから、当該検出パルスよりも2回前に出力された検出パルスの番号を引くことにより得られた値が1であるので、回転検出回路330は可動部302の回転量を1増加させる。先に述べた通り、磁気センサ323における正方向の検出パルスの欠落がなければ、検出パルスの順番が、「1」、「2」、「3」、「6」、「3」、「4」となり、番号「2」の検出パルスが出力された時点から2回目の番号「3」の検出パルスが出力された時点までの間において左方向に回転してから右方向に回転した可動部302の回転量が1増加することから、欠落補完処理により得られた、可動部302の回転量を1増加させるという判断は正しいことがわかる。なお、欠落補完処理の第3の例は、特許文献1の段落0197から段落0212、図7、および図10下段に、より詳しく説明されている。
このような欠落補完処理により、回転軸301(可動部302)の回転方向および回転量の検出精度を高めることができる。従来技術による回転検出装置300のより詳細な内容は、特許文献1に記載されている。
特開2013−44606号公報
ところで、上述した回転検出装置300(特許文献1に記載された回転検出装置)の回転検出回路330には記憶素子が設けられており、当該記憶素子の記憶領域の一部が、可動部302の回転方向および回転量を判断する処理を行うのに必要な情報を記憶するために用いられている。
この記憶素子において他の処理に利用することができる記憶領域を拡張すべき要請がある。この要請に応じるためには、可動部302の回転方向および回転量を判断する処理を行うのに必要な情報を減らし、当該処理に利用する記憶素子の記憶領域を縮小することが望まれる。
上述した第1ないし第4の通常処理および欠落補完処理は、いずれも可動部302の回転方向および回転量を判断する処理である。第1ないし第4の通常処理では、前回出力された検出パルスの番号と、検出パルスが前回出力された時点における可動部302の回転方向と、検出パルスが前回出力された時点における可動部302の回転量の3つの情報を用いて処理を行うため、回転検出回路330はこれら3つの情報を記憶素子に記憶している。また、欠落補完処理では、第1ないし第4の通常処理で用いられる3つ情報に加え、前々回出力された検出パルスの番号と、検出パルスの欠落の有無の情報を用いて処理を行うため、回転検出回路330はこれら2つの情報を記憶素子にさらに記憶している。
可動部302の回転方向および回転量を判断する処理に利用する記憶素子の記憶領域を縮小するために、上述した合計5つの情報のうち、除外することができる情報があるか否かを検討したところ、第1ないし第4の通常処理に用いられる上記3つの情報は、可動部302の回転検出を行うための基本的な情報であるため、除外することは困難である。したがって、除外の候補となる情報は、欠落補完処理だけに用いられる残りの2つの情報、すなわち、前々回出力された検出パルスの番号と、検出パルスの欠落の有無の情報である。しかしながら、上述した欠落補完処理の方法を変更しない限り、これら2つの情報を除外することはできず、また、別の欠落補完処理の方法を考え出すことは容易でない。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、磁界検出部の検出パルスの欠落を補完する処理に用いる情報を減らすことができる運動検出装置を提供することにある。
本発明の第2の課題は、前々回出力された検出パルスを用いずに、磁界検出部の検出パルスの欠落を補完することができる運動検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の運動検出装置は、被検出体の回転運動または周回運動を検出する運動検出装置であって、被検出体の回転運動または周回運動に応じて回転運動または周回運動する可動部と、前記可動部および前記可動部近傍のうちの一方に配置され、方向が互いに異なる磁界をそれぞれ発生させる少なくとも一対の磁界発生部と、前記可動部および前記可動部近傍のうちの他方に配置され、前記一対の磁界発生部のうちの一方の磁界発生部が接近したときに磁化方向が変化し、当該変化に応じて正方向の検出パルスを出力し、前記一対の磁界発生部のうちの他方の磁界発生部が接近したときに磁化方向が変化し、当該変化に応じて負方向の検出パルスを出力するn(nは3以上の整数)個の磁界検出部と、記憶部、演算処理部および更新処理部を有し、前記各磁界検出部から出力される検出パルスを受け取り、当該受け取った検出パルスに基づいて前記被検出体の回転運動または周回運動の状態を検出する運動検出回路とを備え、前記少なくとも一対の磁石および前記n個の磁界検出部は、前記可動部が一方向に回転する間に、前記n個の磁界検出部のそれぞれから正方向および負方向のうちの一方の方向の1つの検出パルスがそれぞれ異なるタイミングで連続して出力され(この間に出力されるn個の検出パルスの正負の方向はそれぞれ同一であるとは限らない)、続いてさらに前記可動部が一方向に回転する間に、前記n個の磁界検出部のそれぞれから正方向および負方向のうちの他方の1つの検出パルスがそれぞれ異なるタイミングで連続して出力され(この間に出力されたn個の検出パルスの正負の方向はそれぞれ同一であるとは限らない)、これにより出力元と正負の方向との組合せが異なる合計2n個の検出パルスからなる一定の出力パターンが形成されるように配置され、前記演算処理部は、前記出力パターンを形成する2n個の検出パルスに1、2、…、n、n+1、n+2、…、2nの番号をそれぞれ順次割り当て、前記記憶部には、前記n個の磁界検出部のうちのいずれかの磁界検出部から前回出力された検出パルスの番号と、当該前回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向か、他方向か、不明か、または不明状態で反転した(以下、これを「不明反転」という。)かを示す運動方向情報と、当該前回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量を示す運動量検出値とが記憶され、前記演算処理部は、前記n個の磁界検出部のうちのいずれかの磁界検出部から今回出力された検出パルスの番号と前記記憶部に記憶された前回の検出パルスの番号との差と、前記記憶部に記憶された運動方向情報および運動量検出値とに基づいて、当該今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向か、他方向か、不明か、または不明反転かを判断すると共に、当該今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量を判断または設定し、前記更新処理部は、今回の検出パルスの番号に基づき前記記憶部に記憶された前回の検出パルスの番号を更新し、前記演算処理部により行われた、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向の判断に基づき前記記憶部に記憶された前記運動方向情報を更新し、前記演算処理部により行われた、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の判断または設定に基づき前記記憶部に記憶された前記運動量検出値を更新することを特徴とする。
また、本発明の第2の運動検出装置は、上述した本発明の第1の運動検出装置において、前記演算処理部は、今回の検出パルスの番号から前回の検出パルスの番号を引くことにより得られた値(当該値が負である場合には当該値に2nを加えた値)をパルス比較値として算出し、前記パルス比較値が1であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が+1であると判断し、前記パルス比較値が2n−1であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が−1であると判断し、前記パルス比較値がnであり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が−nであると判断し、前記パルス比較値がnであり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が+nであると判断し、前記パルス比較値が2であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1)/2に設定し、前記パルス比較値がn−1であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1)/2に設定し、前記パルス比較値が2n−2であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を(n−1)/2に設定し、前記パルス比較値がn+1であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を(n−1)/2に設定し、前記パルス比較値が1であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を(n+5)/2に設定し、前記パルス比較値が2n−1であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n+5)/2に設定することを特徴とする。
また、本発明の第3の運動検出装置は、上述した本発明の第2の運動検出装置において、前記演算処理部は、前記パルス比較値がnであり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明反転であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を0に設定し、前記パルス比較値が1であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を(n−1)/2に設定し、前記パルス比較値が2n−1であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1)/2に設定し、前記パルス比較値がnであり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を0に設定することを特徴とする。
また、本発明の第4の運動検出装置は、上述した本発明の第3の運動検出装置において、前記演算処理部は、前記パルス比較値が2であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−1に設定し、前記パルス比較値がn−1であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−1に設定し、前記パルス比較値が2n−2であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を1に設定し、前記パルス比較値がn+1であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を1に設定することを特徴とする。
また、本発明の第5の運動検出装置は、上述した本発明の第4の運動検出装置において、前記演算処理部は、前記パルス比較値がn−1であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量がn−1であると判断し、前記パルス比較値がn+1であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1)であると判断し、前記パルス比較値がn−1であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1−(n−1)/2)に設定し、前記パルス比較値がn+1であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量をn−1−(n−1)/2に設定することを特徴とする。
また、本発明の第6の運動検出装置は、上述した本発明の第5の運動検出装置において、前記演算処理部は、前記パルス比較値が0であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が0であると判断し、前記パルス比較値が0であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が0であると判断し、前記パルス比較値が0であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を0に設定し、前記パルス比較値が0であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明反転であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を0に設定することを特徴とする。
また、本発明の第7の運動検出装置は、上述した本発明の第1ないし第6の運動検出装置において、前記各磁界検出部は、大バルクハウゼン効果を生じる磁性素子と、前記磁性素子に巻回されたコイルとを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、前々回出力された検出パルスを用いずに、磁界検出部の検出パルスの欠落を補完することができ、磁界検出部の検出パルスの欠落を補完する処理に用いる情報を減らすことができる。
本発明の実施形態による回転検出装置を示す説明図である。 図1中の矢示II−II方向から見た回転検出装置を示す断面図である。 本発明の実施形態による回転検出装置が有する回転検出回路を示す回路図である。 本発明の実施形態による回転検出装置における回転検出処理を示すフローチャートである。 図4に続くフローチャートである。 図4に続くフローチャートである。 本発明の実施形態による回転検出装置において、可動部の動作と回転検出処理で用いられる情報との対応関係を示す説明図である。 本発明の実施形態による回転検出装置において、可動部の動作と回転検出処理で用いられる情報との対応関係を示す説明図である。 本発明の実施形態による回転検出装置において、可動部の動作と回転検出処理で用いられる情報との対応関係を示す説明図である。 本発明の他の実施形態による回転検出装置を示す説明図である。 本発明のさらなる他の実施形態による回転検出装置を示す説明図である。 本発明の実施形態による周回運動検出装置を示す説明図である。 他の回転検出装置を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照しながら説明する。
(回転検出装置の構成)
図1は、本発明の実施形態による回転検出装置を示し、図2は図1中の矢示II−II方向から見た回転検出装置の断面を示している。
図1において、本発明の運動検出装置の実施形態である回転検出装置31は、被検出体の回転運動、具体的には、回転方向および回転量を検出する装置である。回転検出装置31は、様々な被検出体の回転運動を検出することができる。本実施形態では、産業用ロボットの可動部分に設けられたサーボモータの回転軸32を被検出体の一例としてあげる。
回転検出装置31は、例えば樹脂等により有蓋円筒状に形成されたケーシング41を備えている。ケーシング41には、回転軸32を回転可能に挿通させる挿通孔42が形成されている。ケーシング41は、例えば、図示しない取付部材を介して産業用ロボットに取り付けられ、固定されている。
ケーシング41内には可動部43が設けられている。可動部43は例えば円柱状に形成され、その中心と回転軸32の軸心とが一致するように回転軸32に固定されている。可動部43は回転軸32と共に回転するので、可動部43の回転方向および回転量は、回転軸32の回転方向および回転量と一致する。
可動部43の外周部には4個(二対)の磁石51、52、53および54が設けられている。磁石51、52、53および54は、可動部43の周方向において左方向にこの順序で配置され、また、回転軸32を中心にして90度の間隔をもって配置されている。各磁石51、53は、図1において表側がN極となり、裏側がS極となるように可動部43の内部に固定されている。また、各磁石52、54は、図1において表側がS極となり、裏側がN極となるように可動部43の内部に固定されている。これにより、可動部43の外周側には、90度ごとに方向が変化する磁界が形成される。なお、磁石51、52、53および54は磁界発生部の具体例である。
また、ケーシング41内において可動部43の周囲であって、可動部43の外周部近傍の領域には、3個の磁気センサ61、62および63が設けられている。各磁気センサ61、62、63は、大バルクハウゼン効果を生じる磁性素子である複合磁気ワイヤ64と、複合磁気ワイヤ64に巻回されたコイル65とを備えている。磁気センサ61、62および63はそれぞれ磁界検出部の具体例である。
複合磁気ワイヤ64は細いワイヤ状の強磁性体であり、一軸異方性を有する。すなわち、複合磁気ワイヤ64は、軸心部の保磁力が外周部の保磁力よりも大きく、これにより、軸心部は比較的大きな外部磁界を付与しなければ磁化方向が変化しないのに対し、外周部は比較的小さな外部磁界の付与によって磁化方向が変化する。そして、複合磁気ワイヤ64に、比較的小さな外部磁化を付与することにより、外周部の磁化方向だけを変化させることができ、かつ、その磁化状態を保持させることができる。また、複合磁気ワイヤ64は、外周部の磁化方向が軸心部の磁化方向と揃うように変化するとき、大バルクハウゼン効果により磁化方向が急激に反転する。また、複合磁気ワイヤ64は、外周部の磁化方向が軸心部の磁化方向と逆方向となるように変化するときも、磁化方向が急激に反転する。また、外周部の磁化方向が急激に反転したときに生じる起電力により、反転した磁化方向に応じて正の方向または負の方向に立ち上がるパルス信号がコイル65から出力される。
各磁気センサ61、62、63は、図2に示すように、複合磁気ワイヤ64の一端部が基板66に支持され、他端部がケーシング41の壁部に支持されることによりケーシング41内に固定されている。また、各磁気センサ61、62、63は、複合磁気ワイヤ64の長手方向が、各磁石51、52、53、54から発せられる磁界の方向に対して平行となるように設けられている。また、磁気センサ61、62および63は、図1に示すように、可動部43の円形の外形に沿うように左方向にこの順序で配置され、また、回転軸32を中心として120度の間隔をもって配置されている。
回転軸32の回転に伴って可動部43が回転すると、磁石51、52、53および54が磁気センサ61、62および63にそれぞれ異なるタイミングで接近し、これにより、磁気センサ61、62および63のそれぞれから、異なるタイミングで正方向または負方向の検出パルスが出力される。すなわち、表側がN極である磁石51が磁気センサ61に接近し、磁石51により形成される磁界により磁気センサ61の磁化方向が反転すると、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力される。磁石53が磁気センサ61に接近したときも同様である。また、表側がS極である磁石52が磁気センサ61に接近し、磁石51により形成される磁界により磁気センサ61の磁化方向が反転すると、磁気センサ61から負方向の検出パルスが出力される。磁石54が磁気センサ61に接近したときも同様である。ところが、同じ極の磁石が2回以上連続して磁気センサ61に接近した場合には、2回目またはそれ以後の接近時には磁気センサ61の磁化方向が反転しない。このように、同方向磁界付与により磁気センサ61の磁化方向が反転しない場合には、磁気センサ61から正方向の検出パルスも負方向の検出パルスも出力されない。磁気センサ52および53についても同様である。なお、同方向磁界付与により磁気センサの磁化方向が反転しない場合については、本明細書の背景技術の欄に詳しい説明がある。
また、ケーシング41内には、基板66が設けられている。基板66は例えばケーシング41の壁部に固定されている。また、基板66は図1に示すように円板状に形成され、その中心部には図2に示すように回転軸32を回転可能に貫通させる孔部67が形成されている。基板66上には、回転検出回路68およびコネクタ69が設けられている。また、各磁気センサ61、62、63のコイル65は、基板66上の回転検出回路68に電気的に接続されている。また、コネクタ69にケーブル70を接続することにより、回転検出回路68中の記憶部82に記憶された回転量検出値を外部に出力することができる。
(回路検出回路)
図3は回転検出回路68の内部構造を示している。回転検出回路68は、可動部43の回転方向および回転量を検出する回路である。回転検出回路68は、判断部81、記憶部82、および電源電圧生成回路83を備えている。なお、回転検出回路68は運動検出回路の具体例である。
判断部81は、後述する前回パルス番号、回転方向情報、および回転量検出値に基づいて可動部43の回転方向および回転量を判断すると共に、これらの判断結果に基づいて記憶部82に記憶された前回パルス番号、回転方向情報、および回転量検出値を更新する。なお、判断部81は演算処理部および更新処理部の具体例である。
記憶部82は、不揮発性を有する記憶素子により形成され、判断部81の判断処理に必要な情報である、前回パルス番号、回転方向情報、および回転量検出値を記憶する。
電源電圧生成回路83は、整流回路および定電圧回路等を備え、磁気センサ61、62、63から出力される検出パルスから直流の電源電圧を生成し、この電源電圧を判断部81および記憶部82に供給する。判断部81および記憶部82は電源電圧生成回路83から供給される電源電圧で動作する。これにより、無電源の回転検出装置31を実現することができる。
(回転検出処理の基本的な流れ)
図4ないし図6は回路検出回路68による回転検出処理を示している。図7ないし図9は、可動部43の動作と回転検出処理で用いられる情報との対応関係を示している。
回転検出処理を行うに当たり、判断部81は、3個の磁気センサ61、62および63から出力される正方向の検出パルスおよび負方向の検出パルスにそれぞれ番号を割り当てる。すなわち、上述したように、磁石51、52、53および54は表側の極性がN極、S極、N極、S極となるように左方向に90度間隔をもってこの順序で配置されており、磁気センサ61、62および63は右方向に120度間隔をもってこの順序で配置されている。磁石51、52、53および54並びに磁気センサ61、62および63のこのような配置において、可動部43が右方向に回転したとすると、その間に、3個の磁気センサ61、62、63のそれぞれから正方向および負方向のうちの一方の方向の1つの検出パルスがそれぞれ異なるタイミングで連続して出力される(この間に出力される3個の検出パルスの正負の方向はそれぞれ同一であるとは限らない)。続いてさらに可動部43が右方向に回転したとすると、その間に、3個の磁気センサ61、62および63のそれぞれから正方向および負方向のうちの他方の1つの検出パルスがそれぞれ異なるタイミングで連続して出力される(この間に出力される3個の検出パルスの正負の方向はそれぞれ同一であるとは限らない)。この結果、出力元と正負の方向との組合せが異なる合計6個の検出パルスからなる一定の出力パターンが形成される。判断部81は、この出力パターンを形成する6個の検出パルスに「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の番号をそれぞれ順次割り当てる。
具体的には、可動部43が右方向に回転すると、磁石51が磁気センサ61に接近して磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力され、続いて、磁石54が磁気センサ62に接近して磁気センサ62の磁化方向が反転し、磁気センサ62から負方向の検出パルスが出力され、続いて、磁石53が磁気センサ63に接近して磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から正方向の検出パルスが出力される。続いてさらに可動部43が右方向に回転すると、磁石52が磁気センサ61に接近して磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から負方向の検出パルスが出力され、続いて、磁石51が磁気センサ62に接近して磁気センサ62の磁化方向が反転し、磁気センサ62から正方向の検出パルスが出力され、続いて、磁石54が磁気センサ63に接近して磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から負方向の検出パルスが出力される。この結果、出力元が磁気センサ61である正方向の検出パルス、出力元が磁気センサ62である負方向の検出パルス、出力元が磁気センサ63である正方向の検出パルス、出力元が磁気センサ61である負方向の検出パルス、出力元が磁気センサ62である正方向の検出パルス、および出力元が磁気センサ63である負方向の検出パルスからなる出力パターンが形成される。そして、判断部81は、出力元が磁気センサ61である正方向の検出パルスには「1」を割り当て、出力元が磁気センサ62である負方向の検出パルスには「2」を割り当て、出力元が磁気センサ63である正方向の検出パルスには「3」を割り当て、出力元が磁気センサ61である負方向の検出パルスには「4」を割り当て、出力元が磁気センサ62である正方向の検出パルスには「5」を割り当て、出力元が磁気センサ63である負方向の検出パルスには「6」を割り当てる。
判断部81は、磁気センサ61、62および63がそれぞれ接続された回転検出回路68の入力端子を識別すると共に、磁気センサ61、62および63からそれぞれ出力された検出パルスのレベルを検出することにより、出力元と正負の方向との組合せが異なる6個の検出パルスをそれぞれ判別し、これら検出パルスに上述したように番号を割り当てる。
なお、本実施形態は本発明を3個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合を例にあげて説明しているが、本発明はn個(nは3以上の整数)の磁気センサを有する回転検出装置にも適用することができる。本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、検出パルスの出力パターンにおいて、出力元と正負の方向との組合せが異なる検出パルスの個数は2n個となるので、これらの検出パルスに、1、2、3、…、n、n+1、n+2、n+3、…、2nといった番号をそれぞれ割り当てる。
続いて、判断部81は、回転検出装置31の始動時に、回転検出の初期設定処理を行う。初期設定処理において、判断部81は、まず、後述する回転量検出値の初期値(例えば0、または回転検出装置31の始動直前の回転軸32の回転量を示す外部からの入力値等)を記憶部82に記憶する。続いて、判断部81は、可動部43が回転を開始したことにより、磁気センサ61、62および63のうちのいずれかから1回目に出力された検出パルスの番号を、後述する前回パルス番号として記憶部82に記憶する。続いて、判断部81は、磁気センサ61、62および63のうちのいずれかから2回目に出力された検出パルスの番号から、記憶部82に記憶された前回パルス番号(1回目に出力された検出パルスの番号)を引き、これにより得られた値の正負を判断する。そして、判断部81は、当該得られた値が正である場合には、可動部43が右方向に回転したと判断し、「右方向」を、後述する回転方向情報として記憶部82に記憶し、上記得られた値が負である場合には、可動部43が左方向に回転したと判断し、「左方向」を回転方向情報として記憶部82に記憶する。続いて、判断部81は、上記2番目に出力された検出パルスの番号を、前回パルス番号として記憶部82に記憶することにより、前回パルス番号を更新する。さらに、判断部81は、可動部43が右方向に回転した場合には回転量検出値を1増加させ、可動部43が左方向に回転した場合には回転量検出値を1減少させることで、回転量検出値を更新する。
続いて、判断部81は、図4ないし図6に示す回転検出処理の実行を開始する。回転検出処理の基本的な流れは次の通りである。回転検出処理は、上述した初期設定が完了した後、磁気センサ61、62および63のいずれかから検出パルスが出力されたときに実行される。以下、磁気センサ61、62および63のいずれかから今回出力された最新の検出パルスを「今回の検出パルス」といい、今回の検出パルスに割り当てられた番号を「今回パルス番号」という。また、今回の検出パルスが出力された時点を基準にして、磁気センサ61、62および63のいずれかから前回出力された検出パルスを「前回の検出パルス」といい、前回の検出パルスに割り当てられた番号を「前回パルス番号」という。今回の検出パルスが出力された時点で、記憶部82には、前回パルス番号、前回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向を示す回転方向情報、および前回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転量を示す回転量検出値が記憶されている。
ここで、前回パルス番号は、出力元と正負の方向との組合せが異なる6個の検出パルスにそれぞれ割り当てられた番号である。それゆえ、記憶部82において、前回パルス番号を記憶するのに必要なデータのサイズは3ビットである。
また、回転方向情報には、「右方向」、「左方向」、「不明」、および「不明反転」の4種類の値がある。「右方向」は可動部43が右方向に回転したことを示し、「左方向」は可動部43が左方向に回転したことを示す。また、「不明」は、可動部43が右方向および左方向のうちのいずれに回転したかを認識することができない状態(以下、これを「不明状態」という。)を示す。また、「不明反転」は、可動部43が不明状態であるときに、可動部43が回転方向を変えた(反転させた)状態(以下、これを「不明反転状態」という。)を示す。回転方向情報はこのように4種類の値があるので、記憶部82において、回転方向情報を記憶するのに必要なデータのサイズは2ビットである。
また、回転量検出値は、可動部43の回転量を示す値であるが、本実施形態による回転検出装置31では、可動部43の回転量の変化を基本的に30度単位で検出することができ、また、回転検出処理では、可動部43が右方向に30度回転したときに回転量を1増加させ、可動部43が左方向に30度回転したときに回転量を1減少させる。回転検出装置31は可動部43が1回転を越えて回転した場合、つまり可動部43の多回転を検出することができる。記憶部82において、回転量検出値を記憶するのに必要なデータサイズは、回転検出装置31において検出可能な可動部43の回転量の上限をどの程度に設定するかにより定まる。
回転検出処理において、判断部81は、磁気センサ61、62および63のいずれかから検出パルスが出力されたとき、検出パルスの出力元およびパルスの方向の正負を検出し、今回パルス番号を判断する。
続いて、判断部81は、当該今回パルス番号から、記憶部82に記憶された前回パルス番号を引くことにより、パルス比較値を算出する。「パルス比較値」とは、今回パルス番号から前回パルス番号を引いた値を意味する。なお、今回パルス番号から前回パルス番号を引いた値が負になった場合には、当該値に6(2n)を加算した値をパルス比較値とする。
続いて、判断部81は、パルス比較値と、記憶部82に記憶された回転方向情報に基づいて、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向を判断し、それが「右方向」、「左方向」、「不明」および「不明反転」のいずれに相当するのかを判断する。
続いて、判断部81は、パルス比較値と、記憶部82に記憶された回転方向情報に基づいて、前回の検出パルスが出力された時点から今回の検出パルスが出力された時点までの間の可動部43の回転量の変化量を判断または設定する。以下、前回の検出パルスが出力された時点から今回の検出パルスが出力された時点までの間の可動部43の回転量の変化量を「回転変化量」という。
ここで、パルス比較値、前回の回転方向情報、今回の回転方向情報、および今回の回転変化量の対応関係を定めた判断基準情報が記憶部82に予め記憶されており、判断部81はこの判断基準情報を用いて、パルス比較値および記憶部82に記憶された回転方向情報から、今回の検出パルスが出力された時点における回転方向情報および回転変化量を判断する。判断基準情報は、例えば図7ないし図9に示す、センサ3個の場合のパルス比較値、前回の回転方向情報、今回の回転方向情報、およびセンサ3個の場合の回転変化量情報を含んでいる。通常、判断基準情報は、回転検出処理を実行するためのコンピュータプログラムの一部である。例えば、判断基準情報中の各値は当該コンピュータプログラムにおいて定数として定義されている。
続いて、判断部81は、記憶部82に記憶された前回パルス番号を今回パルス番号に書き換えることにより、記憶部82に記憶された前回パルス番号を更新する。また、判断部81は、記憶部82に記憶された回転量検出値に回転変化量を加算することにより、記憶部82に記憶された回転量検出値を更新する。さらに、判断部81は、記憶部82に記憶された回転方向情報を、今回の検出パルスが出力された時点における回転方向の判断結果を示す情報に書き換えることにより、記憶部82に記憶された回転方向情報を更新する。
回転検出処理の基本的な流れは以上の通りである。次に、回転検出処理のより詳細な流れを、図4ないし図9を参照しながら、具体例をあげつつ説明する。
まず、4通りの通常処理AないしDを説明する。通常処理とは、検出パルスの欠落が起こっていない場合において、可動部43の回転方向および回転量を判断する処理である。
(通常処理A)
例えば、前回、可動部43が右方向に回転し、磁石52が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から負方向の検出パルスが出力された。また、この時点に至るまでのしばらくの間、検出パルスの欠落は発生していなかった。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「6」に更新され、回転方向情報が「右方向」に更新された。この状態から、可動部43が右方向に約30度回転し、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ61であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「1」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「1」であり、前回パルス番号が「6」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が1であると判断する(「1」から「6」を引くと−5となるが、引き算の結果が負の値の場合には、当該値に6を加えた値をパルス比較値とする)。続いて、パルス比較値が1であり、回転方向情報が「右方向」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:YES、ステップS4:YES、ステップS5:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「右方向」であり、回転変化量が1であると判断する(図4中のステップS6、図7中の処理番号P1)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「1」に更新し、回転量検出値を1増加させ、回転方向情報を「右方向」のまま維持する。
(通常処理B)
例えば、前回、可動部43が左方向に回転し、磁石54が磁気センサ62に接近し、磁気センサ62の磁化方向が反転し、磁気センサ62から負方向の検出パルスが出力された。また、この時点に至るまでのしばらくの間、検出パルスの欠落は発生していなかった。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「2」に更新され、回転方向情報が「左方向」に更新された。この状態から、可動部43が左方向に約30度回転し、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ61であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「1」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「1」であり、前回パルス番号が「2」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が5であると判断する(「1」から「2」を引くと−1となるが、引き算の結果が負の値の場合には、当該値に6を加えた値をパルス比較値とする)。続いて、パルス比較値が5であり、回転方向情報が「左方向」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:YES、ステップS4:YES、ステップS5:NO、ステップS7:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「左方向」であり、回転変化量が−1であると判断する(図4中のステップS6、図7中の処理番号P2)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「5」に更新し、回転量検出値を1減少させ、回転方向情報を「左方向」のまま維持する。
(通常処理C)
例えば、前回、可動部43が右方向に回転し、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。また、この時点に至るまでのしばらくの間、検出パルスの欠落は発生していなかった。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「1」に更新され、回転方向情報が「右方向」に更新された。この状態から、可動部43が回転方向を右方向から左方向に変え、左方向に約120度回転した。可動部43が左方向に約120度回転した間、まず、磁石51、52、53が磁気センサ61、63,62にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ61、63、62の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石54が磁気センサ61に接近したとき、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から負方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ61であり、パルスの方向が負であるので、判断部81は、今回パルス番号が「4」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「4」であり、前回パルス番号が「1」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が3であると判断する。続いて、パルス比較値が3であり、回転方向情報が「右方向」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:NO、ステップS12:YES、図5中のステップS13:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「左方向」であり、回転変化量が−3であると判断する(図5中のステップS14、図7中の処理番号P3)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「4」に更新し、回転量検出値を3減少させ、回転方向情報を「左方向」に更新する。
なお、本実施形態は本発明を3個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合を例にあげて説明しているが、本発明はn個(nは3以上の整数)の磁気センサを有する回転検出装置にも適用することができる。本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、可動部が回転方向を右方向から左方向に変え、左方向に回転を続けると、同方向磁界付与により磁化方向が反転しない磁気センサの個数がn個になり、その結果、パルス比較値がnになり、回転変化量が−nになる。
(通常処理D)
例えば、前回、可動部43が左方向に回転し、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。また、この時点に至るまでのしばらくの間、検出パルスの欠落は発生していなかった。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「1」に更新され、回転方向情報が「左方向」に更新された。この状態から、可動部43が回転方向を左方向から右方向に変え、右方向に約120度回転した。可動部43が右方向に約120度回転した間、まず、磁石51、54、53が磁気センサ61、62、63にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ61、62、63の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石52が磁気センサ61に接近したとき、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から負方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ61であり、パルスの方向が負であるので、判断部81は、今回パルス番号が「4」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「4」であり、前回パルス番号が「1」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が3であると判断する。続いて、パルス比較値が3であり、回転方向情報が「左方向」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:NO、ステップS12:YES、図5中のステップS13:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「右方向」であり、回転変化量が3であると判断する(図5中のステップS14、図7中の処理番号P4)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「4」に更新し、回転量検出値を3増加させ、回転方向情報を「右方向」に更新する。
なお、本発明をn個(nは3以上の整数)の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、可動部が回転方向を左方向から右方向に変え、右方向に回転を続けると、同方向磁界付与により磁化方向が反転しない磁気センサの個数がn個になり、その結果、パルス比較値がnになり、回転変化量がnになる。
次に、12通りの欠落補完処理AないしLを説明する。欠落補完処理とは、検出パルスの欠落が起こった場合に可動部43の回転方向および回転量を判断する処理である。
(欠落補完処理A)
例えば、前回、可動部43が右方向に回転し、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。また、この時点に至るまでのしばらくの間、検出パルスの欠落は発生していなかった。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「1」に更新され、回転方向情報が「右方向」に更新された。この状態から、可動部43が右方向に約60度回転した。可動部43が右方向に約60度回転した間、まず、磁石54が磁気センサ62に接近し、磁気センサ62の磁化方向が反転したが、磁気センサ62から出力されるはずの検出パルスが欠落した。続いて、磁石53が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ63であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「3」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「3」であり、前回パルス番号が「1」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が2であると判断する。続いて、パルス比較値が2であり、回転方向情報が「右方向」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:NO、ステップS12:NO、図6中のステップS18:YES、ステップS19:NO、ステップS21:NO)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「不明」であると判断すると共に、回転変化量に第1の調整値として−1を設定する(図6中のステップS22、図8中の処理番号P5)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「3」に更新し、回転量検出値を1減少させ、回転方向情報を「不明」に更新する。
なお、この処理において、回転変化量に設定する−1は、本実施形態による回転検出処理を効率的にかつ適正に行うための第1の調整値である。本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、第1の調整値は、−(n−1)/2である。
(欠落補完処理B)
例えば、前回、可動部43が左方向に回転し、磁石53が磁気センサ62に接近し、磁気センサ62の磁化方向が反転し、磁気センサ62から正方向の検出パルスが出力された。また、この時点において、しばらくの間、検出パルスの欠落は発生していなかった。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「5」に更新され、回転方向情報が「左方向」に更新された。この状態から、可動部43が回転方向を左方向から右方向に変え、右方向に約150度回転した。可動部43が右方向に約150度回転した間、まず、磁石53、52、51が磁気センサ62、63、61にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ62、63、61の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石54が磁気センサ62に接近したとき、磁気センサ62の磁化方向が反転したが、磁気センサ62から出力されるはずの検出パルスが欠落した。続いて、磁石53が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ63であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「3」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「3」であり、前回パルス番号が「5」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が4であると判断する(「3」から「5」を引くと−2であるが、引き算の結果が負の値の場合には、当該値に6を加えた値をパルス比較値とする)。続いて、パルス比較値が4であり、回転方向情報が「左方向」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:NO、ステップS12:NO、図6中のステップS18:YES、ステップS19:NO、ステップS21:NO)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「不明」であると判断すると共に、回転変化量に第1の調整値として1を設定する(図6中のステップS22、図8中の処理番号P8)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「3」に更新し、回転量検出値を1増加させ、回転方向情報を「不明」に更新する。
なお、この処理において、回転変化量に設定する1は、本実施形態による回転検出処理を効率的にかつ適正に行うための第1の調整値である。本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、第1の調整値は、(n−1)/2である。
(欠落補完処理C)
例えば、前回、可動部43が右方向に約60度回転し、この間、まず、磁石54が磁気センサ62に接近し、磁気センサ62の磁化方向が反転したが、磁気センサ62から出力されるはずの検出パルスが欠落した。続いて、磁石53が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から正方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「3」に更新され、回転方向情報が「不明」に更新された。この状態から、可動部43が右方向に約30度回転し、磁石52が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から負方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ61であり、パルスの方向が負であるので、判断部81は、今回パルス番号が「4」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「4」であり、前回パルス番号が「3」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が1であると判断する。続いて、パルス比較値が1であり、回転方向情報が「不明」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:YES、ステップS4:NO、ステップS9:NO)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「右方向」であると判断すると共に、回転変化量に第2の調整値として4を設定する(図4中のステップS11、図8中の処理番号P9)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「4」に更新し、回転量検出値を4増加させ、回転方向情報を「右方向」に更新する。
なお、この処理において、回転変化量に設定する4は、本実施形態による回転検出処理を効率的にかつ適正に行うための第2の調整値である。本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、第2の調整値は、(n+5)/2である。
(欠落補完処理D)
例えば、前回、可動部43が左方向に約60度回転し、この間、まず、磁石54が磁気センサ62に接近し、磁気センサ62の磁化方向が反転したが、磁気センサ62から出力されるはずの検出パルスが欠落した。続いて、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「1」に更新され、回転方向情報が「不明」に更新された。この状態から、可動部43が左方向に約30度回転し、磁石52が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から負方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ63であり、パルスの方向が負であるので、判断部81は、今回パルス番号が「6」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「6」であり、前回パルス番号が「1」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が5であると判断する。続いて、パルス比較値が5であり、回転方向情報が「不明」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:YES、ステップS4:NO、ステップS9:NO)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「左方向」であると判断すると共に、回転変化量に第2の調整値として−4を設定する(図4中のステップS11、図8中の処理番号P10)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「6」に更新し、回転量検出値を4減少させ、回転方向情報を「左方向」に更新する。
なお、この処理において、回転変化量に設定する−4は、本実施形態による回転検出処理を効率的にかつ適正に行うための第2の調整値である。本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、第2の調整値は、−(n+5)/2である。
ここで、上記第1の調整値および第2の調整値を用いた可動部43の回転量検出値の調整について説明する。すなわち、検出パルスの欠落が起こった後に磁気センサ61、62および63のいずれかから検出パルスが出力された時点において、可動部43の回転方向が「不明」と判断されると共に、その時点において記憶部82に記憶されている回転方向情報が「右方向」か「左方向」かに応じ、回転変化量に第1の調整値(−1または1)が設定される。続いて、この第1の調整値が設定された回転変化量が回転量検出値に加算されることにより、回転量検出値が調整される。上述した欠落補完処理AまたはBがこの調整の例である。その後、磁気センサ61、62および63のいずれかから検出パルスが出力された時点において、可動部43の回転方向が「右方向」または「左方向」であると判断されたとき、この「右方向」か「左方向」かの判断に応じ、回転変化量に第2の調整値(4または−4)が設定される。続いて、この第2の調整値が設定された回転変化量が回転量検出値に加算されることにより、回転量検出値が調整される。上述した欠落補完処理CまたはDがこの調整の例である。これら2回の調整が行われた後の回転量検出値は、可動部43の正しい回転量を示す値となり、検出パルスの欠落の影響が取り除かれたものとなる。
(欠落補完処理E)
例えば、前回、可動部43が左方向に約60度回転し、この間、まず、磁石54が磁気センサ62に接近し、磁気センサ62の磁化方向が反転したが、磁気センサ62から出力されるはずの検出パルスが欠落した。続いて、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「1」に更新され、回転方向情報が「不明」に更新された。この状態から、可動部43が回転方向を左方向から右方向に変え、右方向に約120度回転した。可動部43が右方向に約120度回転した間、まず、磁石51、54、53が磁気センサ61、62、63にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ61、62、63の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石52が磁気センサ61に接近したとき、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から負方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ61であり、パルスの方向が負であるので、判断部81は、今回パルス番号が「4」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「4」であり、前回パルス番号が「1」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が3であると判断する。続いて、パルス比較値が3であり、回転方向情報が「不明」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:NO、ステップS12:YES、図5中のステップS13:NO、ステップS15:NO)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「不明反転」であると判断し、回転変化量に0を設定する(図5中のステップS17、図8中の処理番号P12)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「4」に更新し、回転量検出値を変化させず、回転方向情報を「不明反転」に更新する。
なお、この処理において、回転変化量に0を設定しているが、本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合も、回転変化量に0を設定する。
(欠落補完処理F)
例えば、前回、検出パルスの欠落により回転方向が不明状態となった後、可動部43が回転方向を左方向から右方向に変え、右方向に約120度回転した。可動部43が右方向に約120度回転した間、まず、磁石51、54、53が磁気センサ61、62,63にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ61、62、63の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石52が磁気センサ61に接近したとき、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から負方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「4」に更新され、回転方向情報が「不明反転」に更新された。この状態から、可動部43が右方向に約30度回転し、磁石51が磁気センサ62に接近し、磁気センサ62の磁化方向が反転し、磁気センサ62から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ62であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「5」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「5」であり、前回パルス番号が「4」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が1であると判断する。続いて、パルス比較値が1であり、回転方向情報が「不明反転」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:YES、ステップS4:NO、ステップS9:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「右方向」であると判断し、回転変化量に第3の調整値として1を設定する(図4中のステップS10、図8中の処理番号P13)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「5」に更新し、回転量検出値を1増加させ、回転方向情報を「右方向」に更新する。
なお、この処理において、回転変化量に設定する1は、本実施形態による回転検出処理を効率的にかつ適正に行うための第3の調整値である。本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、第3の調整値は、(n−1)/2である。
(欠落補完処理G)
例えば、前回、検出パルスの欠落により回転方向が不明状態となった後、可動部43が回転方向を右方向から左方向に変え、左方向に約120度回転した。可動部43が左方向に約120度回転した間、まず、磁石51、52、53が磁気センサ62、61、63にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ62、61、63の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石54が磁気センサ62に接近したとき、磁気センサ62の磁化方向が反転し、磁気センサ62から負方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「2」に更新され、回転方向情報が「不明反転」に更新された。この状態から、可動部43が左方向に約30度回転した。磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ61であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「1」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「1」であり、前回パルス番号が「2」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が5であると判断する(「1」から「2」を引くと−1となるが、引き算の結果が負の値の場合には、当該値に6を加えた値をパルス比較値とする)。続いて、パルス比較値が5であり、回転方向情報が「不明反転」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:YES、ステップS4:NO、ステップS9:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「左方向」であると判断し、回転変化量に第3の調整値として−1を設定する(図4中のステップS10、図8中の処理番号P14)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「1」に更新し、回転量検出値を1減少させ、回転方向情報を「左方向」に更新する。
なお、この処理において、回転変化量に設定する1は、本実施形態による回転検出処理を効率的にかつ適正に行うための第3の調整値である。本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、第3の調整値は、−(n−1)/2である。
ここで、上記第3の調整値を用いた可動部43の回転量検出値の調整について説明する。すなわち、検出パルスの欠落が起こった後に磁気センサ61、62および63のいずれかから検出パルスが出力された時点において、可動部43の回転方向が「不明」と判断されると共に、その時点において記憶部82に記憶されている回転方向情報が「右方向」か「左方向」かに応じ、回転変化量に第1の調整値(−1または1)が設定される。続いて、この第1の調整値が設定された回転変化量が回転量検出値に加算されることにより、回転量検出値が調整される。上述した欠落補完処理AまたはBがこの調整の例である。その後、磁気センサ61、62および63のいずれかから検出パルスが出力された時点において、可動部43が不明反転状態となったことが判断されたときには、回転変化量に0が設定され、この結果、回転量検出値は変化しない。その後、磁気センサ61、62および63のいずれかから検出パルスが出力された時点において、可動部43の回転方向が「右方向」または「左方向」であると判断されたとき、この「右方向」か「左方向」かの判断に応じ、回転変化量に第3の調整値(1または−1)が設定される。続いて、この第3の調整値が設定された回転変化量が回転量検出値に加算されることにより、回転量検出値が調整される。上述した欠落補完処理FまたはGがこの調整の例である。これらの2回の調整が行われた後、回転量検出値は、可動部43の正しい回転量を示す値となり、検出パルスの欠落の影響が取り除かれたものとなる。
(欠落補完処理H)
例えば、前回、検出パルスの欠落により回転方向が不明状態となった後、可動部43が回転方向を左方向から右方向に変え、右方向に約120度回転した。可動部43が右方向に約120度回転した間、まず、磁石51、54、53が磁気センサ61、62、63にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ61、62、63の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石52が磁気センサ61に接近したとき、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から負方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「4」に更新され、回転方向情報が「不明反転」に更新された。この状態から、可動部43が回転方向を右方向から左方向に変え、左方向に約120度回転した。可動部43が左方向に約120度回転した間、まず、磁石52、53、54が磁気センサ61、63、62にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ61、63、62の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石51が磁気センサ61に接近したとき、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ61であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「1」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「1」であり、前回パルス番号が「4」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が3であると判断する(「1」から「4」を引くと−3となるが、引き算の結果が負の値の場合には、当該値に6を加えた値をパルス比較値とする)。続いて、パルス比較値が3であり、回転方向情報が「不明反転」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:NO、ステップS12:YES、図5中のステップS13:NO、ステップS15:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「不明」であると判断すると共に、回転変化量に0を設定する(図5中のステップS16、図8中の処理番号P15)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「1」に更新し、回転量検出値を変化させず、回転方向情報を「不明」に更新する。
なお、この処理において、回転変化量に0を設定しているが、本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合も、回転変化量に0を設定する。
(欠落補完処理I)
例えば、前回、可動部43が右方向に約60度回転し、この間、まず、磁石53が磁気センサ62に接近し、磁気センサ62の磁化方向が反転し、磁気センサ62から正方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「5」に更新され、回転方向情報が「右方向」に更新された。続いて、磁石52が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転したが、磁気センサ63から出力されるはずの検出パルスが欠落した。その後、可動部43が回転方向を右方向から左方向に変え、左方向に約120度回転した。可動部43が左方向に約120度回転した間、まず、磁石52、53、54が磁気センサ63、62、61にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により、磁気センサ63、62、61の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石51が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ63であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「3」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「3」であり、前回パルス番号が「5」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が4であると判断する(「3」から「5」を引くと、−2となるが、引き算の結果が負の値の場合には、当該値に6を加えた値をパルス比較値とする)。続いて、パルス比較値が4であり、回転方向情報が「右方向」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:NO、ステップS12:NO、図6中のステップS18:YES、ステップS19:NO、ステップS21:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「左方向」であり、回転変化量が−2であると判断する(図6中のステップS20、図8中の処理番号P18)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「3」に更新し、回転量検出値を2減少させ、回転方向情報を「左方向」に更新する。
なお、本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合には、この処理において、回転変化量が−(n−1)であると判断する。
(欠落補完処理J)
例えば、前回、可動部43が右方向に約60度回転し、この間、まず、磁石52が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転したが、磁気センサ63から出力されるはずの検出パルスが欠落した。続いて、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「1」に更新され、回転方向情報が「不明」に更新された。この状態から、可動部43が回転方向を右方向から左方向に変え、左方向に約150度回転した。可動部43が左方向に約150度回転した間、まず、磁石51、52、53が磁気センサ61、63、62にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ61、63、62の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石54が磁気センサ61に接近したとき、磁気センサ61の磁化方向が反転したが、磁気センサ61から出力されるはずの検出パルスが欠落した。続いて、磁石51が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ63であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「3」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「3」であり、前回パルス番号が「1」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が2であると判断する。続いて、パルス比較値が2であり、回転方向情報が「不明」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:NO、ステップS12:NO、図6中のステップS18:NO、ステップS23:NO)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「左方向」であり、回転変化量が−1であると判断する(図6中のステップS25、図9中の処理番号P19)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「3」に更新し、回転量検出値を1減少させ、回転方向情報を「左方向」に更新する。
なお、本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合には、この処理において、回転変化量が−(n−1−(n−1)/2)であると判断する。
(欠落補完処理K)
例えば、前回、検出パルスの欠落により回転方向が不明状態となった直後、可動部43が回転方向を左方向から右方向に変え、右方向に約120度回転した。可動部43が右方向に約120度回転した間、まず、磁石54、53、52が磁気センサ61、62、63にそれぞれ順次接近したが、同方向磁界付与により磁気センサ61、62、63の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石51が磁気センサ61に接近したとき、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「1」に更新され、回転方向情報が「不明反転」に更新された。その後、可動部43が右方向に約60度回転し、この間、まず、磁石54が磁気センサ62に接近したとき、磁気センサ62の磁化方向が反転したが、磁気センサ62から出力されるはずの検出パルスが欠落した。続いて、磁石53が磁気センサ63に接近し、磁気センサ63の磁化方向が反転し、磁気センサ63から正方向の検出パルスが出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ63であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「3」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「3」であり、前回パルス番号が「1」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が2であると判断する。続いて、パルス比較値が2であり、回転方向情報が「不明反転」である場合(図4中のステップS1:NO、ステップS3:NO、ステップS12:NO、図6中のステップS18:NO、ステップS23:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「不明」であると判断し、回転変化量に第4の調整値として−1を設定する(図6中のステップS24、図8中の処理番号P21)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「3」に更新し、回転量検出値を1減少させ、回転方向情報を「不明」に更新する。
なお、本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合には、この処理において、回転変化量に第4の調整値として−1を設定する。
(欠落補完処理L)
例えば、前回、可動部43が右方向に約30度回転し、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向の検出パルスが出力された。その結果、記憶部82において、前回パルス番号が「1」に更新され、回転方向情報が「右方向」に更新された。その後、可動部43が回転方向を右方向から左方向へ変え、左方方向に約120度回転した。この間、まず、磁石51、52、53が磁気センサ61、63、62にそれぞれ順次接近するが、同方向磁界付与により磁気センサ61、63、62の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石54が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転したが、磁気センサ61から出力されるはずの検出パルスが欠落した。その後、可動部43が回転方向を左方向から右方向へ変え、右方向に約120度回転した。この間、磁石54、53、52が磁気センサ61、62、63にそれぞれ順次接近するが、同方向磁界付与により、磁気センサ61、62、63の磁化方向は反転しなかった。続いて、磁石51が磁気センサ61に接近し、磁気センサ61の磁化方向が反転し、磁気センサ61から正方向のパルス信号が出力された。
この場合の回転検出処理は次の通りである。すなわち、今回の検出パルスの出力元が磁気センサ61であり、パルスの方向が正であるので、判断部81は、今回パルス番号が「1」であると判断する。続いて、今回パルス番号が「1」であり、前回パルス番号が「1」であるので、判断部81は、今回パルス番号から前回パルス番号を引き、パルス比較値が0であると判断する。続いて、パルス比較値が0であり、回転方向情報が「右方向」である場合(図4中のステップS1:YES)、判断部81は、今回の検出パルスが出力された時点における可動部43の回転方向が「右方向」であり、回転変化量が0であると判断する(図4中のステップS2、図8中の処理番号P25)。続いて、判断部81は、前回パルス番号を「1」に更新し、回転量検出値を変化させず、回転方向情報の「右方向」を維持する。
なお、本発明をn個の磁気センサを有する回転検出装置に適用した場合、この処理における回転量検出値は0であると判断される。
以上、12通りの欠落補完処理を説明したが、図8または図9には、説明をしていない欠落補完処理がいくつか示されている。しかし、これら説明していない欠落補完処理は、上記12通りの欠落補完処理の説明を理解した上で図8または図9を見ることで、十分に理解することができる。
(エラー処理)
パルス比較値が1であり、回転方向情報が「左方向」である場合、またはパルス比較値が5であり、回転方向情報が「右方向」である場合、判断部81はエラーと判断し、例えば、回転検出処理を中止し、他の修正手段により、可動部43の回転方向および回転量の修正を行う。エラーが起こった際の修正手段については説明を省略する。
以上説明した通り、本発明の実施形態による回転検出装置31によれば、欠落補完処理において、前々回の検出パルスを用いずに、可動部43の回転方向および回転量を判断することができる。したがって、可動部43の回転方向および回転量を判断する処理を行うのに必要な情報を減らすことができ、当該処理に利用する記憶素子の記憶領域を縮小することができる。
本発明の実施形態による回転検出装置31が奏する作用効果につき、従来技術と比較しながら具体的に説明する。すなわち、従来技術による回転検出装置300(特許文献1に記載の回転検出装置)における上記欠落補完処理の第1の例と、本発明の実施形態による回転検出装置31における上記欠落補完処理AおよびCとは、可動部の動作の態様が共通している。また、従来技術による回転検出装置300における上記欠落補完処理の第2の例と、本発明の実施形態による回転検出装置31における上記欠落補完処理BおよびCとは、回転方向が逆であるが、可動部の動作の態様が共通している。また、従来技術による回転検出装置300における上記欠落補完処理の第3の例と、本発明の実施形態による回転検出装置31における上記欠落補完処理Fとは、可動部の動作の態様が共通している。
これら従来技術による欠落補完処理と本発明の実施形態による欠落補完処理との比較において、従来技術による欠落補完処理では、検出パルスの欠落の有無を示す情報を記憶し、この情報に基づき、検出パルスの欠落が起こったことを認識した場合には、今回の検出パルスの番号から前々回の検出パルスの番号を引き、これにより得られた値を用いて可動部の正しい回転変化量を算出する。このため、従来技術による回転検出装置300では、前々回の検出パルスを常に保持する必要があり、新たな検出パルスが出力される度に、前回の検出パルスを用いて前々回の検出パルスを更新する必要がある。それゆえ、前々回の検出パルスを保持・更新するために、外部から入力された変数を記憶するための記憶領域を記憶素子中に確保しなければならない。
一方、本発明の実施形態による欠落補完処理では、回転方向情報として「右方向」、「左方向」、「不明」および「不明反転」を記憶し、検出パルスの欠落が起こったことを認識したときには、回転方向情報を「不明」とし、続いて、回転方向情報が「不明」であるときには、第1の調整値を用いて可動部43の回転変化量を調整し、続いて、回転方向情報が「不明」から「右方向」または「左方向」に更新されたときには、第2の調整値を用いて可動部43の回転変化量を調整し、これにより、可動部43の正しい回転変化量を算出する。また、本発明の実施形態による欠落補完処理では、検出パルスの欠落が起こって不明状態となった可動部43が回転方向を変えたときには、回転方向情報を「不明」から「不明反転」に更新し、続いて、回転方向情報が「不明反転」であるときには、可動部43の回転変化量を0に設定し、続いて、回転方向情報が「不明反転」から「右方向」または「左方向」に更新されたときには、第3の調整値を用いて可動部43の回転変化量を調整し、これにより可動部43の正しい回転変化量を算出する。また、可動部43が不明反転状態で右方向または左方向へ回転中に検出パルスの欠落が起こったとき、あるいは、可動部43が不明反転状態で回転方向を右方向または左方向へ変えた直後に検出パルスの欠落が起こったときには、第4の調整値を用いて可動部43の回転変化量を調整し、可動部43の正しい回転変化量を算出する。
ここで、本発明の実施形態において、第1の調整値は1または−1であり、第2の調整値は4または−4であり、第3の調整値は1または−1であり、第1の調整値も第2の調整値も第3の調整値も、磁気センサの個数に応じて定まる一定の値である。また、第4の調整値は1または−1であり、これも一定の値である。したがって、これらの調整値は、欠落補完処理を実行するためのコンピュータプログラムの中で定数として定義することができる。すなわち、本発明の実施形態による回転検出装置31では、第1の調整値、第2の調整値、第3の調整値および第4の調整値を記憶するために、外部から入力された変数を記憶するための記憶領域を記憶素子中に確保する必要はない。したがって、本発明の実施形態による回転検出装置31によれば、従来技術と比較し、記憶素子において、外部から入力された変数を記憶するための記憶領域を、前々回の検出パルスが有するデータサイズ(例えば3ビット)分減らすことができる。
なお、上述した実施形態では、3個の磁気センサ61、62および63を設ける場合を例にあげたが、上記実施形態の説明の中で何度か触れた通り、磁気センサの個数は4個以上でもよい。また、上述した実施形態では、4個(二対)の磁石51、52、53および54を設ける場合を例にあげたが、磁石の個数は2個(一対)でもよいし、6個(三対)以上でもよい。
また、上述した実施形態では、4個の磁石51、52、53および54を90度間隔に配置し、3個の磁気センサ61、62および63を120度間隔に配置する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。例えば、図13に示すように、4個の磁石を90度間隔に配置し、3個の磁気センサを可動部の周囲の一部に30度間隔に配置してもよい。すなわち、図13に示す回転検出装置300において、従来技術による欠落補完処理に代え、本発明の欠落補完処理を採用することで、回転検出装置300が有する磁石および磁気センサの配置に関する構成において、前々回の検出パルスの番号を用いない欠落補完処理を実現することができ、欠落補正処理で利用する記憶素子の記憶領域を減らすことができる。
また、上述した実施形態では、磁石51、52、53および54を可動部43に設け、磁気センサ61、62および63を可動部43の周囲に設ける場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。例えば、図10に示す回転検出装置100のように、磁気センサ61、62および63を可動部43に設け、磁石51、52、53および54を可動部43の周囲に設けてもよい。この場合、可動部43と共に位置を変えるのは磁気センサ61、62および63であり、磁石51、52、53および54は位置を変えない。
また、上述した実施形態では、可動部43の回転により、磁石51、52、53および54のうちののいずれかと、磁気センサ61、62および63のうちのいずれかとが可動部43の径方向において互いに向き合うように、磁石51、52、53および54並びに磁気センサ61、62および63の配置を設定した場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。例えば、図11に示す回転検出装置110に示すように、可動部111の回転により、4つの磁石112(図11において2個のみ図示)のうちのいずれかと3つの磁気センサ113(図11において2個のみ図示)のうちのいずれかとが可動部111の回転軸線と平行な方向において互いに向き合うように、磁石112および磁気センサ113の配置を設定してもよい。
また、上述した実施形態では、被検出体の回転方向および回転量を検出する回転検出装置を例にあげたが、本発明はこれに限らない。例えば、図12に示す周回運動検出装置120のように、被検出体と共に周回運動する可動部121に複数対の磁石122が設けられ、可動部121の周囲に3個以上の磁気センサ123が設けられた運動検出装置にも本発明を適用することができる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う運動検出装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
31、100、110、300 回転検出装置(運動検出装置)
32、301 回転軸(被検出体)
43、111、121、312 可動部
51、52、53、54、112、122 磁石(磁界発生部)
61、62、63、113、123 磁気センサ(磁界検出部)
64、複合磁気ワイヤ
65 コイル
66 基板
68 回転検出回路(運動検出回路)
81 判断部(演算処理部、更新処理部)
82 記憶部
83 電源電圧生成回路
120 周回運動検出装置(運動検出装置)

Claims (7)

  1. 被検出体の回転運動または周回運動を検出する運動検出装置であって、
    被検出体の回転運動または周回運動に応じて回転運動または周回運動する可動部と、
    前記可動部および前記可動部近傍のうちの一方に配置され、方向が互いに異なる磁界をそれぞれ発生させる少なくとも一対の磁界発生部と、
    前記可動部および前記可動部近傍のうちの他方に配置され、前記一対の磁界発生部のうちの一方の磁界発生部が接近したときに磁化方向が変化し、当該変化に応じて正方向の検出パルスを出力し、前記一対の磁界発生部のうちの他方の磁界発生部が接近したときに磁化方向が変化し、当該変化に応じて負方向の検出パルスを出力するn(nは3以上の整数)個の磁界検出部と、
    記憶部、演算処理部および更新処理部を有し、前記各磁界検出部から出力される検出パルスを受け取り、当該受け取った検出パルスに基づいて前記被検出体の回転運動または周回運動の状態を検出する運動検出回路とを備え、
    前記少なくとも一対の磁界発生部および前記n個の磁界検出部は、前記可動部が一方向に回転する間に、前記n個の磁界検出部のそれぞれから正方向および負方向のうちの一方の方向の1つの検出パルスがそれぞれ異なるタイミングで連続して出力され(この間に出力されるn個の検出パルスの正負の方向はそれぞれ同一であるとは限らない)、続いてさらに前記可動部が一方向に回転する間に、前記n個の磁界検出部のそれぞれから正方向および負方向のうちの他方の1つの検出パルスがそれぞれ異なるタイミングで連続して出力され(この間に出力されたn個の検出パルスの正負の方向はそれぞれ同一であるとは限らない)、これにより出力元と正負の方向との組合せが異なる合計2n個の検出パルスからなる一定の出力パターンが形成されるように配置され、
    前記演算処理部は、前記出力パターンを形成する2n個の検出パルスに1、2、…、n、n+1、n+2、…、2nの番号をそれぞれ順次割り当て、
    前記記憶部には、前記n個の磁界検出部のうちのいずれかの磁界検出部から前回出力された検出パルスの番号と、当該前回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向か、他方向か、不明か、または不明状態で反転した(以下、これを「不明反転」という。)かを示す運動方向情報と、当該前回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量を示す運動量検出値とが記憶され、
    前記演算処理部は、前記n個の磁界検出部のうちのいずれかの磁界検出部から今回出力された検出パルスの番号と前記記憶部に記憶された前回の検出パルスの番号との差と、前記記憶部に記憶された運動方向情報および運動量検出値とに基づいて、当該今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向か、他方向か、不明か、または不明反転かを判断すると共に、当該今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量を判断または設定し、
    前記更新処理部は、今回の検出パルスの番号に基づき前記記憶部に記憶された前回の検出パルスの番号を更新し、前記演算処理部により行われた、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向の判断に基づき前記記憶部に記憶された前記運動方向情報を更新し、前記演算処理部により行われた、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の判断または設定に基づき前記記憶部に記憶された前記運動量検出値を更新することを特徴とする運動検出装置。
  2. 前記演算処理部は、
    今回の検出パルスの番号から前回の検出パルスの番号を引くことにより得られた値(当該値が負である場合には当該値に2nを加えた値)をパルス比較値として算出し、
    前記パルス比較値が1であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が+1であると判断し、
    前記パルス比較値が2n−1であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が−1であると判断し、
    前記パルス比較値がnであり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が−nであると判断し、
    前記パルス比較値がnであり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が+nであると判断し、
    前記パルス比較値が2であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1)/2に設定し、
    前記パルス比較値がn−1であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1)/2に設定し、
    前記パルス比較値が2n−2であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を(n−1)/2に設定し、
    前記パルス比較値がn+1であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を(n−1)/2に設定し、
    前記パルス比較値が1であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を(n+5)/2に設定し、
    前記パルス比較値が2n−1であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n+5)/2に設定することを特徴とする請求項1に記載の運動検出装置。
  3. 前記演算処理部は、
    前記パルス比較値がnであり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明反転であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を0に設定し、
    前記パルス比較値が1であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を(n−1)/2に設定し、
    前記パルス比較値が2n−1であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1)/2に設定し、
    前記パルス比較値がnであり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を0に設定することを特徴とする請求項2に記載の運動検出装置。
  4. 前記演算処理部は、
    前記パルス比較値が2であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−1に設定し、
    前記パルス比較値がn−1であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−1に設定し、
    前記パルス比較値が2n−2であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を1に設定し、
    前記パルス比較値がn+1であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を1に設定することを特徴とする請求項3に記載の運動検出装置。
  5. 前記演算処理部は、
    前記パルス比較値がn−1であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量がn−1であると判断し、
    前記パルス比較値がn+1であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1)であると判断し、
    前記パルス比較値がn−1であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を−(n−1−(n−1)/2)に設定し、
    前記パルス比較値がn+1であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量をn−1−(n−1)/2に設定することを特徴とする請求項4に記載の運動検出装置。
  6. 前記演算処理部は、
    前記パルス比較値が0であり、かつ前記運動方向情報が一方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が一方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が0であると判断し、
    前記パルス比較値が0であり、かつ前記運動方向情報が他方向を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が他方向であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量が0であると判断し、
    前記パルス比較値が0であり、かつ前記運動方向情報が不明を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を0に設定し、
    前記パルス比較値が0であり、かつ前記運動方向情報が不明反転を示している場合には、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動方向が不明反転であると判断し、今回の検出パルスが出力された時点における前記可動部の運動量の変化量を0に設定することを特徴とする請求項5に記載の運動検出装置。
  7. 前記各磁界検出部は、大バルクハウゼン効果を生じる磁性素子と、前記磁性素子に巻回されたコイルとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の運動検出装置。
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