JP6292798B2 - 負極合材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、負極合材の製造方法に関する。
近年の移動通信、情報電子機器の発達に伴い、高容量かつ軽量なリチウム二次電池の需要が増加する傾向にある。室温で高いリチウムイオン伝導性を示す電解質のほとんどが液体であり、市販されているリチウムイオン二次電池の多くが有機系電解液を用いている。この有機系電解液を用いたリチウム二次電池では、漏洩、発火・爆発の危険性があり、より安全性の高い電池が望まれている。
固体電解質を用いた全固体電池では、電解質の漏洩や発火が起こりにくいという特徴を有するが、実用化が難しいのが現状である。例えば全固体リチウム電池の負極の材料として、特許文献1は、活物質及び固体電解質を含む極材スラリーの製造方法を開示する。特許文献1で用いられている負極活物質であるシリコンは高容量であるが、より高いサイクル性能が望まれていた。
特開2010−040190号公報
本発明の目的は、充放電サイクル特性を向上できる負極合材の製造方法を提供することである。
本発明の一形態によれば、以下の負極合材の製造方法が提供される。
1.負極活物質、
リチウム原子、リン原子及び硫黄原子を含む固体電解質、及び
溶媒をボールミルを用いて混合する工程を含む負極合材の製造方法であって、
前記固体電解質が、下記(1)又は(2)を満たす負極合材の製造方法。
(1)固体電解質中の元素をLiS及びPに換算したときにLiS及びPの組成比が、LiS:P=72:28〜78:22(モル比)を満たす
(2)固体電解質中の元素をLiS、P及びLiX(Xはハロゲン原子)に換算したときにLiS及びPの組成比が、LiS:P=72:28〜78:22(モル比)を満たす
2.負極活物質、
リチウム原子、リン原子及び硫黄原子を含む固体電解質、及び
溶媒をボールミルを用いて混合する工程を含む負極合材の製造方法であって、
前記固体電解質が固体31PNMRスペクトルにおいて、86.1±0.6ppm及び83.0±1.0ppmの少なくとも一方にピークを有し、前記ピークに含まれるリン原子の割合が、全てのピークに含まれるリン原子に対して62mol%以上である負極合材の製造方法。
3.固体31PNMRスペクトルにおいて、前記固体電解質が91.0±0.6ppm及び90.5±0.6ppmの少なくとも一方にピークを有し、前記ピークに含まれるリン原子の割合が、全てのピークに含まれるリン原子に対して15mol%未満である2に記載の負極合材の製造方法。
4.前記負極活物質がシリコン金属粉末である1〜3のいずれかに記載の負極合材の製造方法。
5.前記負極活物質の平均粒径が0.01μm以上200μm以下である1〜4のいずれかに記載の負極合材の製造方法。
6.前記溶媒が炭化水素系溶媒又は極性非プロトン性溶媒である1〜5のいずれかに記載の負極合材の製造方法。
7.前記溶媒が、下記式(2)又は(3)で表わされる溶媒である1〜6のいずれかに記載の負極合材の製造方法。
Ph−(R)n (2)
(式中、Phは、芳香族炭化水素基であり、Rは、それぞれ独立にアルキル基である。
nは1〜5から選択される整数である)
N≡C−R’ (3)
(式中、R’は、置換又は無置換の、炭素数1〜13の炭化水素である主鎖及び炭素数1〜13の炭化水素である側鎖を有する基、又は炭素数3〜7の環状構造を有する基である。)
8.前記溶媒が、前記式(3)表わされる溶媒であり、
前記式(3)のR’が、置換又は無置換の、炭素数1〜13の炭化水素である主鎖及び炭素数1〜13の炭化水素である側鎖を有する基である7に記載の負極合材の製造方法。
9.前記式(3)のR’が、無置換の、炭素数1〜13の炭化水素である主鎖及び炭素数1〜13の炭化水素である側鎖を有する基である7又は8に記載の負極合材の製造方法。
10.前記式(3)のR’が、無置換の分岐構造を有する炭素数3及び4の炭化水素基である7〜9のいずれかに記載の負極合材の製造方法。
11.前記式(3)で表わされる溶媒が、イソブチロニトリルである7〜10のいずれかに記載の負極合材の製造方法。
12.前記負極活物質と前記固体電解質の配合比が、10重量%:90重量%〜70重量%:30重量%である、1〜11のいずれかに記載の負極合材。
13.1〜12のいずれかに記載の負極合材の製造方法から得られる負極合材を含む電極。
14.13に記載の電極を含むリチウムイオン電池。
本発明によれば、充放電サイクル特性を向上できる負極合材の製造方法が提供できる。
実施例で使用した一軸圧縮装置の概略断面図である。 実施例における、一軸圧縮装置による弾性回復を伴う空間率εrの測定手順を示す図である。
本発明の一形態に係る第1の負極合材の製造方法は、負極活物質;リチウム原子、リン原子及び硫黄原子を含む固体電解質;及び溶媒をボールミルを用いて混合する工程を含み、混合する固体電解質が、下記(1)又は(2)を満たす:
(1)固体電解質中の元素をLiS及びPに換算したときにLiS及びPの組成比が、LiS:P=72:28〜78:22(モル比)を満たす
(2)固体電解質中の元素をLiS、P及びLiX(Xはハロゲン原子)に換算したときにLiS及びPの組成比が、LiS:P=72:28〜78:22(モル比)を満たす
上記ハロゲン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選択される1以上である。
ここで「換算」とは、固体電解質に含まれるリチウム原子が全てLiSであり、固体電解質に含まれるリン原子の全てがPであると仮定することを意味する。ただし、原料の硫化リチウム中の不純物にリチウムが含まれる場合等、固体電解質に余剰のリチウムが含まれることもあるが、これは上記の換算に含めないものとして除外する。
また、固体電解質にハロゲン原子が含まれる場合、当該ハロゲン原子が全てLiXで表わされる化合物であると仮定し、固体電解質中のLi含有量からLiXのLi含有量を減じたLi含有量の全てがLiSであると仮定する。
固体電解質の元素組成の分析は、ICP発光分析により行うことができる。ICP分析は試料を水に溶解し、定容した後、リチウム、リン、及び、必要に応じてハロゲンの元素量をICP分析装置により測定して行う。
本発明の一形態に係る第2の負極合材の製造方法は、負極活物質;リチウム原子、リン原子及び硫黄原子を含む固体電解質;及び溶媒をボールミルを用いて混合する工程を含み、混合する固体電解質が固体31PNMRスペクトルにおいて、86.1±0.6ppm及び83.0±1.0ppmの少なくとも一方にピークを有し、前記ピークに含まれるリン原子の割合が、全てのピークに含まれるリン原子に対して62mol%以上である。
第1の負極合材の製造方法及び第2の負極合材の製造方法はいずれも、特定の固体電解質を負極活物質及び溶媒と一緒に湿式粉砕混合することで、負極活物質もメディアとなって固体電解質を粉砕することができ、固体電解質をより微細化することができる。これにより負極合材の圧密性(負極合材内粒子同士の付着性)が向上すると同時に、湿式混合によって負極活物質及び固体電解質の双方の粒子を高分散化することができる。
得られる負極合材は、良好なリチウムイオン伝導パス及び電子伝導パスを形成することができる。そのため、充放電サイクル特性を向上させることが出来る。加えて放電時のハイレート特性を向上させることも出来る。
以下、本発明の一形態に係る第1及び第2の負極合材の製造方法で使用する材料、実施手段及び条件等について説明する。
[固体電解質]
(1)第1の固体電解質
本発明の一形態に係る第1の負極合材の製造方法に使用する固体電解質(第1の固体電解質という場合がある)は、リチウム原子、リン原子及び硫黄原子を含む固体電解質であって、当該固体電解質が、下記(1)又は(2)を満たす。
(1)固体電解質中の元素をLiS及びPに換算したときにLiS及びPの組成比が、LiS:P=72:28〜78:22(モル比)を満たす
(2)固体電解質中の元素をLiS、P及びLiX(Xはハロゲン原子)に換算したときにLiS及びPの組成比が、LiS:P=72:28〜78:22(モル比)を満たす。
上記(1)及び(2)のLiS及びPに換算したときの組成比は、いずれも好ましくはLiS:P=74:26〜76:24である。
上記第1の固体電解質は、高いイオン伝導度を示すことができ、加水分解もし難くなるうえ、粉砕し易い固体電解質である。従って、負極活物質もメディアとなって固体電解質を粉砕することができ、固体電解質をより微細化することができる。
(2)第2の固体電解質
本発明の一形態に係る第2の負極合材の製造方法に使用する固体電解質(第2の固体電解質という場合がある)は、固体31PNMRスペクトルにおいて、86.1±0.6ppm及び83.0±1.0ppmの少なくとも一方にピークを有し、当該ピークに含まれるリン原子の割合が、全てのピークに含まれるリン原子に対して62mol%以上である。
尚、86.1±0.6ppm及び83.0±1.0ppmのピークを生じるリン原子の比率とは、固体31PNMRスペクトルにより測定されるリン原子の全量に対して、特定のピークに含まれるリン原子の比率を意味する。また、上記において、「全てのピーク」とは、例えばピークの最大強度に対して、3%以上の強度があるピーク強度を有する全てのピークを意味する。
第2の固体電解質が、固体31PNMRスペクトルにおいて、86.1±0.6ppm及び83.0±1.0ppmの少なくとも一方にピークを有することは、PS 3−構造体を有していることを示す。
また、86.1±0.6ppm及び83.0±1.0ppmのピークに含まれるリン原子の割合が、全てのピークに含まれるリン原子に対して62mol%以上であることは、上記PS 3−構造体が全体の構造体の62mol%以上であると推測される。86.1±0.6ppm及び83.0±1.0ppmのピークに含まれるリン原子の割合は、好ましくは65mol%以上であり、より好ましくは70mol%以上である。
尚、上限は特に規定しないが、通常、99mol%以下となる。
第2の固体電解質がPS 3−構造体を有し、且つ当該PS 3−構造体が全構造体の62mol%以上であることにより、高いイオン伝導度を示すことができ、加水分解もし難くなるうえ、粉砕し易い固体電解質である。従って、負極活物質もメディアとなって固体電解質を粉砕することができ、固体電解質をより微細化することができる。
また、上記固体電解質を本発明の一形態に係る負極合材の製造方法に用いても構造体の変化が少ない。
第2の固体電解質は、好ましくは固体31PNMRスペクトルにおいて、さらに91.0±0.6ppm及び90.5±0.6ppmの少なくとも一方にピークを有し、当該ピークに含まれるリン原子の割合が、全てのピークに含まれるリン原子に対して20mol%未満である。91.0±0.6ppm及び90.5±0.6ppmの少なくとも一方にピークを有することは、P 4−構造体を有していることを示す。
上記91.0±0.6ppm及び90.5±0.6ppmに含まれるリン原子の割合は、より好ましくは18mol%未満であり、さらに好ましくは15mol%未満である。
尚、下限は特に規定しないが、通常、1mol%以上となる。
(3)固体電解質の調製方法
第1の固体電解質及び第2の固体電解質(以下、単に「固体電解質」という場合がある)は、いずれもリチウム原子、リン原子及び硫黄原子を含む硫化物系固体電解質であり、当該硫化物系固体電解質は、例えば硫化リチウム及び五硫化二リン、又は硫化リチウム、単体リン及び単体硫黄から製造できるほか、硫化リチウム、五硫化二リン、単体リン及び/又は単体の硫黄等の原料からも製造できる。
硫化物系固体電解質はさらに難燃処理を施した硫化物系固体電解質でもよい。
固体電解質は、例えばガラス、ガラスセラミックス、又はガラスとガラスセラミックスの混合物のいずれでもよい。ガラスとガラスセラミックスの混合物は、1つの粒子中にガラスとガラスセラミックスが混合していることを意味する。使用する固体電解質中に上記複数種の固体電解質が存在していてもよく、1種類の固体電解質であってもよい。
また、固体電解質の形状は特に限定されず、粒子状体でも、板状体でも、棒状体であってもよい。
各元素の組成比は、固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
第1の固体電解質は、硫化リチウム、五硫化二リン、単体リン及び/又は単体硫黄等の原料から製造することができる。また、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等から選択されるLiX(Xはハロゲン原子)で表わされる原料をさらに用いることもできる。
第1の固体電解質は、好ましくは硫化リチウム及び五硫化二リンから得られる固体電解質、又は硫化リチウム、五硫化二リン及びLiXで表わされる化合物から得られる固体電解質である。
第1の固体電解質は、例えば原料が硫化リチウム及び五硫化二リンである場合、LiS:P=72:28〜78:22となるように原料の配合量を調整することで製造できる。
また、原料が硫化リチウム、五硫化二リン及びLiXで表わされる化合物である場合、硫化リチウム及び五硫化二リンの組成比がLiS:P=72:28〜78:22となるように原料の配合量を調整するとよい。
LiXで表わされる化合物の使用量は、硫化リチウム及び五硫化二リンの合計物資量に対して、例えば40モル%以下5モル%以上、30モル%以下10モル%以上である。
第2の固体電解質も、例えば原料が硫化リチウム及び五硫化二リンである場合、LiS:P=72:28〜78:22となるように原料の配合量を調整することで製造できる。
第2の固体電解質は、好ましくは硫化リチウム及び五硫化二リンから得られる固体電解質である。
硫化リチウムは、特に制限なく工業的に入手可能なものが使用できるが、高純度の硫化リチウムが好ましい。
高純度硫化リチウムは、好ましくは硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下である硫化リチウムであり、より好ましくは硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.1質量%以下の硫化リチウムである。また、高純度硫化リチウムは、好ましくはN−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下である硫化リチウムであり、より好ましくはN−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.1質量%以下の硫化リチウムである。
硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であると、溶融急冷法やメカニカルミリング法で得られる固体電解質は、ガラス状電解質(完全非晶質)となる。一方、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%を越えると、得られる電解質は、最初から結晶化物となるおそれがあり、この結晶化物のイオン伝導度は低い。さらに、この結晶化物について熱処理を施しても結晶化物には変化がなく、高イオン伝導度の硫化物系固体電解質を得ることができないおそれがある。
また、N−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であると、N−メチルアミノ酪酸リチウムの劣化物がリチウムイオン電池のサイクル性能を低下させることがない。このように不純物が低減された硫化リチウムを用いると、高イオン伝導性電解質が得られる。
硫化リチウムの製造方法としては、少なくとも上記不純物を低減できる方法であれば特に制限はない。例えば、以下の方法a〜cで製造された硫化リチウムを精製することにより得ることができる。以下の製造法の中では、特にa又はbの方法が好ましい。
a.非プロトン性有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを0〜150℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を150〜200℃で脱硫化水素化する方法(特開平7−330312号公報参照)。
b.非プロトン性有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを150〜200℃で反応させ、直接硫化リチウムを生成する方法(特開平7−330312号公報参照)。
c.水酸化リチウムとガス状硫黄源を130〜445℃の温度で反応させる方法(特開平9−283156号公報参照)。
上記のようにして得られた硫化リチウムの精製方法としては、特に制限はない。好ましい精製法としては、例えば、国際公開WO2005/40039号に記載された精製法等が挙げられる。具体的には、上記のようにして得られた硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄する。
洗浄に用いる有機溶媒は、非プロトン性極性溶媒であることが好ましく、さらに、硫化リチウム製造に使用する非プロトン性有機溶媒と洗浄に用いる非プロトン性極性有機溶媒とが同一であることがより好ましい。
洗浄に好ましく用いられる非プロトン性極性有機溶媒としては、例えば、アミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、有機硫黄化合物、環式有機リン化合物等の非プロトン性の極性有機化合物が挙げられ、単独溶媒、又は混合溶媒として好適に使用することができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)は、良好な溶媒に選択される。
洗浄に使用する有機溶媒の量は特に限定されず、また、洗浄の回数も特に限定されないが、2回以上であることが好ましい。洗浄は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。
洗浄された硫化リチウムを、洗浄に使用した有機溶媒の沸点以上の温度で、窒素等の不活性ガス気流下、常圧又は減圧下で、5分以上、好ましくは約2〜3時間以上乾燥することにより、本発明で用いられる硫化リチウムを得ることができる。
五硫化二リン(P)は、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。また、Pに代えて、相当するモル比の単体リン(P)及び単体硫黄(S)を用いることもできる。単体リン(P)及び単体硫黄(S)は、工業的に生産され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
硫化リチウムと、五硫化二リン又は単体リン及び単体硫黄の混合モル比は、好ましくはLiS:P=72:28〜78:22であり、特に好ましくはLiS:P=74:26〜76:24(モル比)である。硫化リチウム、単体リン及び単体硫黄が原料である場合は、前述のLiS及びPのモル比は、換算したものである。
LiS:P=72:28〜78:22(モル比)で得られる硫化物系固体電解質は粉砕し易く、ボールミルを用いた混合の際に固体電解質が微細化され、負極合材内の負極活物質粒子及び固体電解質粒子等の粒子同士の付着性を向上させることができる他、溶媒及びボールミルを用いた湿式混合により負極活物質粒子及び固体電解質粒子を高分散化させることができる。負極活物質粒子及び固体電解質粒子を高分散化している負極合材は、良好なリチウムイオン伝導パス及び電子伝導パスを形成することができる。
硫化物系ガラス固体電解質の製造方法としては、溶融急冷法やメカニカルミリング法(MM法)がある。
溶融急冷法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合しペレット状にしたものを、カーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。所定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
この際の反応温度は、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは、800℃〜900℃である。また、反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは、1〜12時間である。
上記反応物の急冷温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下であり、その冷却速度は、通常1〜10000K/sec程度、好ましくは10〜10000K/secである。
MM法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、例えば、各種ボールミル等を使用して所定時間反応させることにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
上記原料を用いたMM法は、室温で反応を行うことができる。MM法によれば、室温でガラス固体電解質を製造できるため、原料の熱分解が起らず、仕込み組成のガラス固体電解質を得ることができるという利点がある。また、MM法では、ガラス固体電解質の製造と同時に、ガラス固体電解質を微粉末化できるという利点もある。
MM法は回転ボールミル、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル等種々の形式を用いることができる。
MM法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
以上、溶融急冷法及びMM法による硫化物系ガラス固体電解質の具体例を説明したが、温度条件や処理時間等の製造条件は、使用設備等に合わせて適宜調整することができる。
その後、得られた硫化物系ガラス固体電解質を、必要に応じて所定の温度で熱処理することで、硫化物系結晶化ガラス(ガラスセラミックス)固体電解質を生成させることができる。
硫化物系結晶化ガラス固体電解質を生成させる熱処理温度は、好ましくは180℃〜330℃、より好ましくは、200℃〜320℃、特に好ましくは、210℃〜310℃である。
熱処理時間は、180℃以上210℃以下の温度の場合は、3〜240時間が好ましく、特に4〜230時間が好ましい。また、210℃より高く330℃以下の温度の場合は、0.1〜240時間が好ましく、特に0.2〜235時間が好ましく、さらに、0.3〜230時間が好ましい。
[負極活物質]
負極活物質としては、炭素(カーボン)を含む材料、Al(アルミニウム)金属を含む材料,Sn(スズ)金属を含む材料、Si(シリコン)金属を含む材料等が挙げられ、好ましくはSi金属を含む材料である。
炭素材料としては、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素等、及びこれらの混合物が挙げられる。
炭素材料、例えば鱗片状の天然黒鉛粒子は、表面処理により球状化することもできる。
炭素材料の粒径は、D50の平均粒径は0.1μm以上80μm以下が好ましく、1μm以上80μm以下がより好ましく、3μm以上60μm以下がさらに好ましい。
炭素材料は、通常、異なる粒径の炭素材料の混合物である。炭素材料の混合物において、粒径3μm以下の炭素材料は9体積%以下であり、8.7体積%以下であると好ましく、1体積%以下であるとより好ましい。
粒径3μm以下の炭素材料が9体積%以下であることにより、不可逆容量を低減することができ、サイクル性能の向上に寄与する。
D50や粒径3μm以下の炭素材料の粒子割合(体積%)は、LASER回析法によりMALVERN社Mastersizer2000を用いて測定し、体積基準平均粒径から算出する。当該測定は、スラリー状態で測定する。
また、炭素材料のBET比表面積は、0.1m/g以上500m/g以下がより好ましく、さらに好ましくは0.1m/g以上50m/g以下であり、さらに好ましくは1m/g以上20m/g以下である。
シリコン金属材料としては、シリコン金属単体、又はシリコンを含む合金が使用でき、好ましくはシリコン単体である。シリコン金属材料は、例えば理論容量が800mAh/g以上であり、負極活物質として使用することで、エネルギー密度が大きな負極合材を得ることができる。
シリコン金属材料は、好ましくシリコン金属粉末として使用され、その平均粒径は好ましくは0.01μm以上200μm以下であり、より好ましくは0.05μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは0.1μm以上70μm以下である。
シリコン金属粒子の平均粒径が0.01μm以上であれば、負極活物質の製造が容易になり、シリコン金属粒子の平均粒径が200μm以下であれば、十分にサイクル特性が高い負極合材を製造することが可能になる。
シリコン粒子の平均粒径は、例えば粉砕、分級、篩分けによって調整でき、レーザー回折式粒度分布測定法により確認できる。
[溶媒]
湿式粉砕混合時の溶媒としては、例えば炭化水素系溶媒及び極性非プロトン性溶媒から選択される1以上の溶媒が使用できる。
炭化水素系溶媒は、炭素原子と水素原子からなる溶媒であり、当該炭化水素系溶媒として、例えば飽和炭化水素、不飽和炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。
飽和炭化水素溶媒としては、ヘキサン、ペンタン、2−エチルヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、IPソルベント1016((株)出光興産製)、IPソルベント1620(出光興産製)等が挙げられる。飽和炭化水素溶媒は、上述の溶媒からなる群から選択される1以上を使用できる。
不飽和炭化水素しては、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、デカリン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、また、イプゾール100((株)出光興産製)、イプゾール150((株)出光興産製)等が挙げられる。
炭化水素系溶媒は、1種単独でも、2種以上を使用してもよい。
炭化水素系溶媒中の水分量は、原料及び得られる固体電解質との反応を考慮して、50ppm(重量)以下であることが好ましい。水分は反応により硫化物系固体電解質の変性を引き起こし、固体電解質の性能を悪化させる。そのため、水分量は低いほど好ましく、炭化水素系溶媒中の水分量は、より好ましくは30ppm以下であり、さらに好ましくは20ppm以下である。
極性非プロトン性溶媒とは、極性基を少なくとも1つ有するプロトン供与性を持たない溶媒である。
極性非プロトン性溶媒としては、アニソール、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、フマロニトリル、トリメチルシリルシアニド、N−メチルピロリドン、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ニトロメタン、二硫化炭素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、フェニルメチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、シクロへキシルメチルジメトキシシラン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトアルデヒド、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、メチレンクロライド、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、ヘキサフロオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン等が挙げられる。極性非プロトン性溶媒は、上述の溶媒からなる群から選択される1以上を使用できる。
極性非プロトン性溶媒としては、例えばエーテル系溶媒が挙げられる。エーテル系溶媒は、エーテル結合を少なくとも1つ有する溶媒である。エーテル系溶媒には、環状エーテル系溶媒が含まれる。
上記エーテル系溶媒としては、アニソール、ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、これらのうち環状エーテルは、テトラヒドロフランである。
また、極性非プロトン性溶媒としては、例えばニトリル系溶媒が挙げられる。ニトリル系溶媒は、ニトリル基を少なくとも1つ有する溶媒である。ニトリル系溶媒としては、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、フマロニトリルが挙げられる。
溶媒は、好ましくは下記式(2)で表わされる芳香族炭化水素系溶媒、又は下記式(3)で表わされるニトリル溶媒である。
Ph−(R) (2)
(式中、Phは、芳香族炭化水素基であり、Rは、それぞれ独立にアルキル基である。
nは1〜5から選択される整数である(好ましくは1又は2の整数))
N≡C−R’ (3)
(式中、R’は、置換又は無置換の、炭素数1〜13の炭化水素である主鎖及び炭素数1〜13の炭化水素である側鎖を有する基、又は炭素数3〜7の環状構造を有する基である。)
式(2)において、Phの芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフタセニル基が挙げられる。炭素数6以上24以下の芳香族炭化水素基が好ましく、6以上12以下の芳香族炭化水素基がより好ましい。
式(2)において、Rはアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、1以上24以下が好ましく、1以上12以下がより好ましい。
式(2)で表わされる芳香族炭化水素系溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼンが挙げられる。
式(3)中、R’は、置換又は無置換の、炭素数1〜13の炭化水素からなる主鎖及び炭素数1〜13の炭化水素からなる側鎖を有する基、又は炭素数3〜7の環状構造を有する基であり、これらは飽和でも不飽和であってもよい。
上記炭素数3〜7の環状構造を有する基の環状構造は、好ましくは芳香環構造であり、環状構造の炭素数は好ましくは5又は6である。炭素数3〜7の環状構造を有する基は、より好ましくはフェニル基である。
式(3)において、R’が置換基を有する場合の当該置換基は、アルキル、エーテル、カルボニル、チオ、チオキシ、ニトリル、ニトロ、アミド、アミノ、又はハロゲンであり、好ましくは、アルキル、チオ、ニトリルである。
式(3)で表わされるニトリル溶媒は、好ましくは、R’が無置換の炭素数1〜13の炭化水素からなる主鎖及び炭素数1〜13の炭化水素からなる側鎖を有する基、又は無置換の炭素数3〜7の環状構造を有する基であり、
さらに好ましくはR’が無置換の分岐構造を有する炭素数3及び4の炭化水素基、又は無置換の六員環構造を含む基であり、具体的には、イソブチロニトリル、イソバレロニトリル及びベンゾニトリル等が挙げられる。最も好ましくは、イソブチロニトリルである。
上記ニトリル溶媒は上記固体電解質を劣化させず、また、上記バインダーの溶解性や固体物分散性が良好である。
使用する溶媒が炭化水素系溶媒及び極性非プロトン性溶媒の混合溶媒である場合において、炭化水素系溶媒及び極性非プロトン性溶媒の混合比は、好ましくは95:5〜5:95(体積比)である。
尚、必要に応じて他の溶媒を添加してもよい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エタノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類等、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
[その他の材料]
本発明の一形態に係る負極合材の製造方法では、負極活物質、固体電解質及び溶媒の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば以下に示すその他の成分を使用してもよい。
[バインダー]
その他の成分としては、バインダーが挙げられ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。
また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。
[導電性微粒子]
その他の成分として導電性微粒子が使用できる
導電性微粒子は、電子伝導度が1.0×10S/m以上であり、好ましくは1.0×10S/m以上であり、より好ましくは1.0×10S/m以上である。
導電性物質の導電性が高いほど、本発明の負極合材を用いて製造した電池の出力密度を向上させることができるとともに、エネルギー密度も高めることが可能である。
上記電子伝導度を満たす導電性物質としては、例えば、カーボン、金属粉末、金属化合物等が挙げられ、好ましくはカーボンである。カーボンは、電気伝導性が高く、比重が小さいために、質量当りの出力密度が高くエネルギー密度も高い電池を得ることができる。
導電性物質であるカーボンは、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン、アモルファス炭素、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等を含み、これらのうち、グラファイトは、電気伝導性が高く、かつグラファイト自体も負極活物質として機能することから出力密度とエネルギー密度の両方が高い電池を製造することが可能であるため、より好ましい。
尚、導電性物質は粒状であれば粒径等は特に限定されないが、好ましくはレーザー回折式粒度分布測定法における粒径が0.001μm以上100μm以下であり、より好ましくは0.01μm以上3μm以下である。0.001μm未満であると、一次粒子の凝集等が起こり、取扱が容易でなくなるおそれがある。一方、100μmより大きいと、本発明の二次電池用電極材料を用いて製造した電極が厚くなるおそれがある。
[混合工程]
本発明の一形態に係る負極合材の製造方法では、負極活物質、固体電解質及び溶媒をボールミルを用いて混合する。
負極活物質と固体電解質の配合割合は、負極活物質:固体電解質=95重量%:5重量%〜5重量%:95重量%が好ましく、90重量%:10重量%〜10重量%:90重量%がより好ましく、85重量%:15重量%〜15重量%:85重量%がさらに好ましい。
本発明の一形態に係る負極合材の製造方法では、負極活物質、固体電解質及び溶媒を、ボールミルを用いて混合する湿式メカニカルミリング処理をすることで、処理時の増粒効果を抑制し、合成反応を効率的に促進できる。これにより、均一性に優れ、未反応原料の含有率が低いガラス状の固体電解質を得ることができる。また、原料や反応物の器壁等への固着を防止することができ、製品の歩留を向上できる。
溶媒の量は、原料が、溶媒の添加により溶液又はスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、溶媒1リットルに対する原料(合計量)の添加量は0.01Kg以上1Kg以下となる。好ましくは0.1Kg以上1Kg以下、特に好ましくは0.2Kg以上0.8Kg以下である。
湿式メカニカルミリング処理には、種々の形式の粉砕法を用いることができる。特に、遊星型ボールミルを使用するのが好ましい。
遊星型ボールミルは、ポットが自転回転しながら、台盤が公転回転し、非常に高い衝撃エネルギーを効率良く発生させることができる。
湿式メカニカルミリング処理の回転速度及び回転時間は特に限定されないが、回転速度が速いほど、ガラス状の固体電解質の生成速度は速くなり、回転時間が長いほどガラス状の固体電解質ヘの原料の転化率は高くなる。但し、メカニカルミリング処理の回転速度が速くすると粉砕機にかかる負担が大きくなるおそれがあり、回転時間を長くするとガラス状の電解質の製造に時間がかかる。
また、ボールミルのボールは異なる径のボールを混合して使用してもよい。
上記の他、MM処理の際のミル内の温度を調整してもよい。MM法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
溶媒の存在下でメカニカルミリング処理するため、処理時間を短縮できる。室温から200℃まで必要に応じて加熱してもよい。
メカニカルミリング処理後の結果物を乾燥し、溶媒を除去することにより、負極合材が得られる。
製造例1
[固体電解質の製造]
(1)硫化リチウムの製造
硫化リチウムの製造及び精製は、国際公開公報WO2005/040039A1の実施例と同様に行った。具体的には、下記の通りである。
撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
(2)硫化リチウムの精製
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
尚、亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)並びにチオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物、及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。その結果、硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。
(3)固体電解質の製造
(2)で作製した平均粒径30μm程度のLiSを3.90gと平均粒径50μm程度のP(アルドリッチ社製)6.10gを、直径10mmアルミナボール600gが入った500mlアルミナ製容器に入れ密閉した。尚、これらの計量及び密閉作業は全てグローブボックス内で実施し、使用する器具類は全て乾燥機で事前に水分除去したものを用いた。
この密閉したアルミナ容器を、遊星ボールミル(伊藤製作所製LP−4)にて室温下、20時間メカニカルミリング処理することで白黄色の固体電解質ガラス粒子を得た。このときの回収率は65%であった。
得られた固体電解質ガラスセラミック粒子の伝導度は、0.2×10−3S/cmであった。
製造例2
[シリコン粉末の調製]
平均粒径5μmのシリコン(Si)粉末(純度99.9%,高純度化学研究所製)と、溶媒として窒素をバブリングすることにより脱気したトルエン(和光純薬製)を用い、ビーズミル(LMZ015 アシザワファインテック製)で湿式粉砕した。粉砕後のスラリーを150℃で3時間真空乾燥することで、溶媒を除去し、シリコン粉末を得た。粉砕後のシリコン粉末の平均粒径は0.7μmであった。
実施例1
[負極合材の調製]
負極活物質として製造例2で調製したシリコン粉末を8.40g、製造例1で調製した固体電解質粉末を3.60g、及び溶媒としてイソブチロニトリル(キシダ化学製)12.0g、径10mmのジルコニアボールを20個をアルミナ製のミルポット(内容積45mL)に投入した。回転数370rpmで30分間湿式粉砕混合(P−7,フリッチュ製)を行った。混合後のスラリーを3時間150℃で真空乾燥することで、溶媒を除去した。溶媒除去後の生成物を乳鉢で10分間混合し、シリコン負極合材を得た。
得られた負極合材について、弾性回復を伴う空間率εr及びリチウムイオン脱離容量をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
[負極合材の弾性回復を伴う空間率の評価]
尚、上記空間率εrは、図1に示す一軸圧縮装置を用いて評価した。図1は、一軸圧縮装置の概略断面図であり、一軸圧縮装置1は、耐加圧性の円筒形容器10と、この円筒形容器10の内部空間に投入された負極合材を加圧して負極合材の密度を真密度まで高める加圧ロッド20と、負極合材の高さを測定する測定手段(マイクロメータ)30及びその固定具40を備える装置である。
円筒形容器10は、外径43mm、内径13mmで高さ40mmであり、側面の厚さが15mmであり、底面が外径13mmで厚さ10mmであり、SKD11製の円筒形の容器を使用した。SKD11はダイス鋼(大同特殊鋼社製)である。
加圧ロッド20は、円筒形容器10の内部に滑らかに挿入するものであり、外径13mmで長さ50mmであり、SKD11製である。加圧ロッド20の上部には、加圧するための押圧手段(図示なし)がある。また、加圧ロッド20の変位をマイクロメーター30に伝達する伝達部が設けられている。
続いて、一軸圧縮装置による弾性回復を伴う空間率εrの測定について図2を用いて説明する。
はじめに、負極合材を挿入しない状態でのマイクロメーターの値(l)を確認する(図2(1))。
次に、円筒形容器10の内部に負極合材50を0.3g投入し、負極合材を均した状態にする。尚、評価対象の嵩密度が大きい場合、投入量は0.1g又は0.05gでもよい。
容器10の内部に加圧ロッド20を挿入し、負極合材50の見掛け密度が、負極合材の真密度と同じになるまで加圧し圧縮する(図2(2))。尚、ここで「負極合材50の見掛け密度と真密度とが同じ」とは、負極合材50の密度を真密度と仮定したときの容器10内の負極合材の高さと同一になるまで加圧ロッド20で負極合材を圧縮した場合を意味する。尚、実質的に同一になるのではなく、加圧ロッド20による加圧によって容器10の側面がわずかに外側に膨らむ場合もあるが、測定における誤差とみなす。
次に、加圧ロッド20による加圧をやめ、加圧ロッド20で複合体5を押す力を0にする(図2(3))。負極合材50の圧縮後に圧力を0にした状態でのマイクロメーターの値をlとする。
弾性回復を伴う空間率εrは、下記式(A)から算出され、上記の手順で得られる及びl−lは、式(A)のLに対応する。
ε=1−{m/(ρSL)} (A)
(式中、mは、円筒形容器内に挿入する複合体の重量である。
ρpは、複合体の真密度である。
Sは、加圧ロッドの面積である。
Lは、円筒形容器内に挿入した複合体の見かけ密度が真密度と同じになるまで加圧ロッドにより加圧し、その後、前記加圧を解除した際の複合体の高さである
円筒形容器:外径43mm、内径13mm、高さ40mmであり、側面の厚さが15mmであり、底面が外径13mmで厚さ10mmであり、SKD11製の円筒形の容器。
加圧ロッド:外径13mm、長さ50mm、SKD11製の棒状体。)
式(A)の負極合材の真密度ρは、下記式(B)又は(C)により求めることができる。
ρp={(負極合材の固体電解質の真密度)×(負極合材中の固体電解質の重量%)+(負極合材のシリコン粉末の真密度)×(負極合材中のシリコン粉末の重量%)}÷100 (B)
ρp={(負極合材を製造する際に用いた固体電解質の真密度)×(負極合材を製造する際に用いた固体電解質の重量)+(負極合材を製造する際に用いたシリコン粉末の真密度)×(負極合材を製造する際に用いたシリコン粉末の重量)}÷(負極合材を製造する際に用いた固体電解質の重量+負極合材を製造する際に用いたシリコン粉末の重量) (C)
尚、実施例1では、負極合材の重量mは0.3g、真密度ρは、2.2033g/cm、加圧ロッドによる加圧を解除した後の負極合材の高さLは、1.18mmであった。
[負極合材のイオン脱離容量の評価]
(1)ハーフセルの作製
製造例1で調製した固体電解質ガラスである固体電解質粉末60mgを直径10mmのセラミック製の円筒に投入し、加圧成型して電解質層(電解質シート、無機固体電解質粉末目付け量:76.4mg/cm)とした。
次に調製した負極合材4.7mg(負極合材目付け量:6.0mg/cm)を電解質層と接触するように加圧成型することで、作用極とした。作用極の反対側から、参照極且つ対極として、LiIn合金箔を貼付し加圧成型した。最後にセルの周囲を90度おきに4か所ネジ締めを行うことで、積層方向に加圧した。このようにして、3層構造の2極式ハーフセルを作製した。
尚、LiIn合金は原子数比Li/Inが0.8以下であれば、Li脱挿入の反応電位が一定(0.62Vvs.Li/Li)に保たれるため、参照極として使用することが可能となる。
(2)負極合材を用いたハーフセルの評価
作製したハーフセルを、0.5mA/cmで、電位が0.01Vvs.Li/Liになるまで、その後0.01Vvs.Li/Liで、0.127mA/cmになるまでLiイオンを挿入し、0.5mA/cmで電位1.52Vvs.Li/LiまでLiイオンを脱離させた。続いて、0.5mA/cmで、電位が0.01Vvs.Li/Liになるまで、続いて0.01Vvs.Li/Liで、0.127mA/cmになるまでLiイオンを挿入し、10mA/cmで電位1.52Vvs.Li/LiまでLiイオンを脱離させた。この10mA/cmでLiイオンを脱離させたときの、作用極に含まれるSi重量あたりの容量を表1に示す。
次に、1.0mA/cmで、電位が0.01Vvs.Li/Liになるまで、その後0.01Vvs.Li/Liで、0.127mA/cmになるまでLiイオンを挿入し、1.0mA/cmで電位1.52Vvs.Li/LiまでLiイオンを脱離させた。この条件で充放電サイクルを繰返し、80サイクル後のLiイオン脱離容量維持率[%](80 サイクル目のLiイオン脱離容量/1サイクル目のLiイオン脱離容量×100)を算出した。得られた結果を表1に示す。
比較例1
[負極合材の調製及び評価]
負極活物質として製造例2で調製したシリコン粉末0.070g、及び製造例1で調製した固体電解質粉末0.030gを瑪瑙乳鉢で10分間混合することで、シリコン負極合材を得た。
得られた負極合材の弾性回復を伴う空間率εrを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。尚、負極合材の重量mは0.3g、真密度ρは、2.2033g/cm、加圧ロッドによる加圧を解除した後の複合体の高さLは、1.55mmであった。
また、得られた負極合材のイオン脱離容量も実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006292798
表1の通り、溶媒中で湿式粉砕混合を行うことで負極合材を作製した実施例1では、乳鉢混合で負極合材を作製した比較例1と比べて、εrが小さくなっていることが分かる。また、実施例1の負極合材は、ハイレート(10mA/cm)でLiイオンを脱離させたときの容量が増大し、Liイオン脱挿入サイクルを重ねたときの容量維持率が高くなっていることが分かる。
負極合材のεrが小さいほど、合材内のSi粒子及び固体電解質粒子間の接触点数が多くなる。つまり、εrが小さいほど良好なLiイオン伝導パス(固体電解質粒子−固体電解質粒子間)、電子伝導パス(Si粒子−Si粒子間)が形成され、加えて電気化学反応面積(固体電解質−Si粒子間)が増大する。従って、εrが小さいほど、良好なハイレート特性、サイクル特性を有すようになると推定される。
1 一軸圧縮装置
10 円筒形容器
20 加圧ロッド
30 マイクロメータ
40 固定具
50 負極合材

Claims (11)

  1. 負極活物質、
    リチウム原子、リン原子及び硫黄原子を含む固体電解質、及び
    極性非プロトン性溶媒を、ボールミルを用いて混合する工程を含む負極合材粉末の製造方法であって、
    前記固体電解質が、下記(1)又は(2)を満たす負極合材粉末の製造方法。
    (1)固体電解質中の元素をLiS及びPに換算したときにLiS及びPの組成比が、LiS:P=72:28〜78:22(モル比)を満たす
    (2)固体電解質中の元素をLiS、P及びLiX(Xはハロゲン原子)に換算したときにLiS及びPの組成比が、LiS:P=72:28〜78:22(モル比)を満たす
  2. 前記負極活物質がシリコン金属粉末である請求項1に記載の負極合材粉末の製造方法。
  3. 前記負極活物質の平均粒径が0.01μm以上200μm以下である請求項1又は2に記載の負極合材粉末の製造方法。
  4. 前記極性非プロトン性溶媒が、下記(3)で表わされる溶媒である請求項1〜のいずれかに記載の負極合材粉末の製造方法。
    N≡C−R’ (3)
    (式中、R’は、置換又は無置換の、炭素数1〜13の炭化水素である主鎖及び炭素数1〜13の炭化水素である側鎖を有する基、又は炭素数3〜7の環状構造を有する基である。)
  5. 前記式(3)のR’が、置換又は無置換の、炭素数1〜13の炭化水素である主鎖及び炭素数1〜13の炭化水素である側鎖を有する基である、請求項に記載の負極合材粉末の製造方法。
  6. 前記式(3)のR’が、無置換の、炭素数1〜13の炭化水素である主鎖及び炭素数1〜13の炭化水素である側鎖を有する基である、請求項4又は5に記載の負極合材粉末の製造方法。
  7. 前記式(3)のR’が、無置換の分岐構造を有する炭素数3又は4の炭化水素基である請求項4〜6のいずれかに記載の負極合材粉末の製造方法。
  8. 前記式(3)で表わされる溶媒が、イソブチロニトリルである請求項4〜7のいずれかに記載の負極合材粉末の製造方法。
  9. 前記負極活物質と前記固体電解質の配合比が、10重量%:90重量%〜70重量%:30重量%である、請求項1〜のいずれかに記載の負極合材粉末の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の負極合材粉末の製造方法から得られる負極合材粉末を含む電極。
  11. 請求項10に記載の電極を含むリチウムイオン電池。
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