JP7107880B2 - 負極合材層 - Google Patents

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Description

本開示は、負極合材層に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。
全固体電池の中でも全固体リチウムイオン電池は、リチウムイオンの移動を伴う電池反応を利用するためエネルギー密度が高いという点、また、正極と負極の間に介在する電解質として、有機溶媒を含む電解液に替えて固体電解質を用いるという点で注目されている。
特許文献1には、高容量と良好なサイクル特性を実現するリチウムイオン電池用の負極材料として、シリコン微粒子が接合してなり、連続した空隙を有する三次元網目構造を有し、平均空隙率が15~93%である多孔質シリコン粒子が開示されている。
特許文献2には、高いセル体積エネルギー密度と優れた容量維持率とを両立する全固体電池を得ることを目的として、硫化物固体電解質と負極活物質とを有する全固体電池用の負極であって、前記負極活物質はSi又はSnを含有する炭素材料を有する複合粒子であり、前記Si又はSnの粒子径が94nm以下、且つ、前記負極活物質の粒子径が15μm以下であり、前記負極の空隙率が5%~30%である全固体電池用負極が開示されている。
特許文献3には、負極合材内の空隙率Vが43%以上54%以下であることを特徴とする、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法が開示されている。
特開2013-203626号公報 特開2017-054720号公報 特開2018-181702号公報
従来の全固体リチウムイオン二次電池は、充電時の電池の拘束圧が高く、電池の抵抗が高いという問題がある。
本開示は、上記実情に鑑み、充電時の電池の拘束圧の増加を抑制し、電池の抵抗が低い全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材層を提供することを目的とする。
本開示は、負極活物質として多孔質シリコン粒子と、硫化物系固体電解質と、を含む全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材層であって、
前記多孔質シリコン粒子は、複数のシリコン微粒子の接合体であり、連続した空隙を有する三次元網目構造を有し、
前記多孔質シリコン粒子の空隙率が12%~51%であり、
前記多孔質シリコン粒子と前記硫化物系固体電解質の接触率が20%~44%であることを特徴とする負極合材層を提供する。
本開示は、充電時の電池の拘束圧の増加を抑制し、電池の抵抗が低い全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材層を提供することができる。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池の一例を示す断面模式図である。 実施例1の多孔質シリコン粒子の断面のSEM画像である。
本開示は、負極活物質として多孔質シリコン粒子と、硫化物系固体電解質と、を含む全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材層であって、
前記多孔質シリコン粒子は、複数のシリコン微粒子の接合体であり、連続した空隙を有する三次元網目構造を有し、
前記多孔質シリコン粒子の空隙率が12%~51%であり、
前記多孔質シリコン粒子と前記硫化物系固体電解質の接触率が20%~44%であることを特徴とする負極合材層を提供する。
全固体リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度を実現するためには高容量なSi材料を負極活物質として用いる必要がある。
負極活物質として、通常のダイヤモンド構造のSi材料を用いた場合、全固体リチウムイオン二次電池の充放電を繰り返すと電極内部にクラックが発生し電池の寿命が著しく低下すること、及び、全固体リチウムイオン二次電池の充電状態では拘束部品に極めて大きな応力がかかるため剛性の高い拘束構造が必要となること等の問題が発生する。
例えば、充電反応として、ダイヤモンド構造のSi粒子にLiイオンが挿入されると、Si粒子の結晶構造内にLiイオンが取り込まれる。このときSiの結晶格子が大きくなり、Si粒子が膨張する。
本研究者らは、内部に空隙を有する多孔質シリコン粒子を負極活物質として用いることにより、シリコン微粒子が多孔質シリコン粒子内で膨張し、負極の膨張を抑制することができることを見出した。
また、本研究者らは、多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質との接触率を高くすることにより、負極の膨張をより抑制し、全固体リチウムイオン二次電池の抵抗をより低減することができることを見出した。
負極の膨張をより抑制することができるのは、多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質との接触率を高くすることにより、負極内の多孔質シリコン粒子に均一にLiが挿入されるためと推定される。
また、全固体リチウムイオン二次電池の抵抗をより低減することができるのは、多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質との接触率を高くすることにより、イオン伝導経路が多くなり、Liイオンの多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質の間の移動が阻害されにくいためと推定される。
[負極合材層]
負極合材層は、負極合材からなり、負極合材は、負極活物質として多孔質シリコン粒子と、硫化物系固体電解質と、を含み、必要に応じ、さらに、導電材、及びバインダー等を含む。
多孔質シリコン粒子は、複数のシリコン微粒子の接合体であり、連続した空隙を有する三次元網目構造を有する。
多孔質シリコン粒子の作製方法は、例えば、以下の方法が挙げられる。
[1-1]
まず、所定量のシリコン微粒子と金属LiをAr雰囲気下にて混合してLiSi前駆体を得る。
[1-2]
LiSi前駆体をAr雰囲気下のガラス反応器内にて所定の温度のエタノールと120分反応させた後、吸引濾過にて液体1と固体反応物1を分離する。
[1-3]
得られた固体反応物1を大気雰囲気下のガラス反応器内にて酢酸と60分反応させた後、吸引濾過にて液体2と固体反応物2を分離する。
[1-4]
固体反応物2を100℃で2時間真空乾燥して多孔質シリコン粒子を得る。
多孔質シリコン粒子は空隙率が12%~51%である。
多孔質シリコン粒子中の空隙率の算出方法は、特に限定されないが、例えば、多孔質シリコン粒子の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を観測して算出してもよい。
多孔質シリコン粒子の空隙率は、例えば、上記手順[1-2]において、エタノールの温度を0℃~25℃の範囲で変動させることにより制御することができる。
多孔質シリコン粒子の平均粒径(D50)は、例えば50nm以上100μm以下であってもよく、100nm以上30μm以下であってもよい。
シリコン微粒子の平均粒径(D50)は、例えば2nm~10μmであってもよく、5nm~5μmであってもよい。
硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS-P、LiS-SiS、LiX-LiS-SiS、LiX-LiS-P、LiX-LiO-LiS-P、LiX-LiS-P、LiX-LiPO-P、及びLiPS等が挙げられる。なお、上記「LiS-P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる材料を意味し、他の記載についても同様である。また、上記LiXの「X」は、ハロゲン元素を示す。上記LiXを含む原料組成物中にLiXは1種又は2種以上含まれていてもよい。LiXが2種以上含まれる場合、2種以上の混合比率は特に限定されるものではない。
負極合材層における硫化物系固体電解質の含有量は、負極合材層の負極活物質、硫化物系固体電解質、導電材、及びバインダーの総質量を100質量%としたとき、1~80質量%であってもよい。
硫化物系固体電解質の形状は、取扱い性が良いという観点から粒子状であることが好ましい。
負極合材層に含まれる導電材は、例えば、炭素材料、金属粒子が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)等の粒子状炭素材料、炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。CNT及びCNFは、気相法炭素繊維(VGCF)であってもよい。金属粒子としては、Ni、Cu、Fe、SUSなどが挙げられる。
負極合材層の負極活物質、硫化物系固体電解質、導電材、及びバインダーの総質量を100質量%としたとき、当該負極合材層中に含まれる導電材の含有割合は、0.1質量%~10質量%であってもよい。
負極合材層中の多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質の接触率は20%~44%である。
多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質の接触率は負極合材層の断面のSEM画像を観測して、下記式(1)に従って算出してもよい。なお、下記式(1)において接触面積の単位はいずれも[μm]である。
式(1)
多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質の接触率[%]=[多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質との接触面積÷(多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質との接触面積+多孔質シリコン粒子と導電材との接触面積+多孔質シリコン粒子と多孔質シリコン粒子との接触面積)]×100
多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質の接触率は、例えば、負極合材層中の導電材の量を変動させることにより制御することができる。
負極合材層に含まれるバインダーは、例えばブタジエンゴム、水素化ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素化スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等のゴム系バインダー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン-ポリヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF-HFP)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等のフッ化物系バインダー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどポリオレフィン系の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのイミド系樹脂、ポリアミドなどのアミド系樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリラートなどのメタクリル系樹脂が挙げられる。
負極合材層の負極活物質、硫化物系固体電解質、導電材、及びバインダーの総質量を100質量%としたとき、当該負極合材層中に含まれるバインダーの含有割合は、0.1質量%~10質量%であってもよい。
[全固体リチウムイオン二次電池]
本開示の負極合材層は、全固体リチウムイオン二次電池の負極に用いられる。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、当該正極及び当該負極の間に配置される固体電解質層と、を有することを特徴とする。
図1は、本開示の全固体リチウムイオン二次電池の一例を示す断面模式図である。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1に示すように、全固体リチウムイオン二次電池100は、正極合材層12及び正極集電体14を含む正極16と、負極合材層13及び負極集電体15を含む負極17と、正極16と負極17の間に配置される固体電解質層11を備える。
[正極]
正極は、少なくとも正極合材層を含み、必要に応じて正極集電体を含む。
正極合材層は、正極合材からなり、正極合材は、正極活物質を含み、任意成分として、固体電解質、導電材、及び、バインダー等が含まれていてもよい。
正極活物質の種類については特に制限はなく、例えば、一般式Li(Mは遷移金属元素であり、x=0.02~2.2、y=1~2、z=1.4~4)で表される正極活物質を挙げることができる。上記一般式において、Mは、Co、Mn、Ni、V、FeおよびSiからなる群から選択される少なくとも一種が挙げられ、Co、NiおよびMnからなる群から選択される少なくとも一種であってよい。このような正極活物質としては、具体的には、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O、LiFeSiO、LiMnSiO等を挙げることができる。
また、上記一般式Li以外の正極活物質としては、チタン酸リチウム(例えばLiTi12)、リン酸金属リチウム(LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPO)、遷移金属酸化物(V、MoO)、TiS、LiCoN、Si、SiO、LiSiO、LiSiO、及びリチウム貯蔵性金属間化合物(例えばMgSn、MgGe、MgSb、CuSb)等を挙げることができる。
正極活物質の形状は特に限定されるものではないが、粒子状であってもよい。
正極活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有するコート層が形成されていても良い。正極活物質と、固体電解質との反応を抑制できるからである。
Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbO、LiTi12、及びLiPO等が挙げられる。
正極合材層における正極活物質の含有量は、特に限定されないが、例えば10質量%~100質量%の範囲内であってもよい。
正極合材層に用いられる固体電解質は、後述する固体電解質層に用いられる固体電解質と同様のものが挙げられる。正極合材層中の固体電解質の含有割合は特に限定されるものではない。
導電材としては、上述した負極合材に用いられる導電材と同様のものが挙げられる。正極合材層における導電材の含有量は特に限定されるものではない。
バインダーとしては、上述した負極合材に用いられるバインダーと同様のものが挙げられる。正極合材層におけるバインダーの含有量は特に限定されるものではない。
正極合材層の厚みについては特に限定されるものではない。
正極合材層は、従来公知の方法で形成することができる。
例えば、正極活物質、及びバインダーを溶媒中に投入し、これらを撹拌することにより、正極合材層用スラリーを作製し、当該スラリーを正極集電体等の支持体の一面上に塗布して乾燥させることにより、正極合材層が得られる。
溶媒は、例えば酢酸ブチル、酪酸ブチル、ヘプタン、及びN-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。
正極集電体等の支持体の一面上に正極合材層用スラリーを塗布する方法は、特に限定されず、ドクターブレード法、メタルマスク印刷法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、及びスクリーン印刷法等が挙げられる。
また、正極合材層の形成方法の別の方法として、正極活物質及び必要に応じ他の成分を含む正極合材の粉末を加圧成形することにより正極合材層を形成してもよい。
正極集電体は、全固体リチウムイオン二次電池の集電体として使用可能な公知の金属を用いることができる。そのような金属としては、Cu、Ni、Al、V、Au、Pt、Mg、Fe、Ti、Co、Cr、Zn、Ge、及びInからなる群から選択される一又は二以上の元素を含む金属材料を例示することができる。
正極集電体の形態は特に限定されるものではなく、箔状、メッシュ状等、種々の形態とすることができる。
正極の全体としての形状は特に限定されるものではないが、シート状であってもよい。この場合、正極の全体としての厚みは特に限定されるものではなく、目的とする性能に応じて、適宜決定すればよい。
[固体電解質層]
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含む。
固体電解質は、硫化物系固体電解質、及び酸化物系固体電解質等が挙げられる。
硫化物系固体電解質としては、上述した負極合材に用いられる硫化物系固体電解質と同様のものが挙げられる。
酸化物系固体電解質としては、例えばLi6.25LaZrAl0.2512、LiPO、及びLi3+xPO4-x(LiPON)等が挙げられる。
固体電解質の形状は、取扱い性が良いという観点から粒子状であることが好ましい。
また、固体電解質の粒子の平均粒径(D50)は、特に限定されないが、下限が0.5μm以上であることが好ましく、上限が2μm以下であることが好ましい。
固体電解質は、1種単独で、又は2種以上のものを用いることができる。また、2種以上の固体電解質を用いる場合、2種以上の固体電解質を混合してもよい。
本開示において、粒子の平均粒径は、特記しない限り、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定により測定される体積基準のメディアン径(D50)の値である。また、本開示においてメディアン径(D50)とは、粒子の粒径を小さい順に並べた場合に、粒子の累積体積が全体の体積の半分(50%)となる径(体積平均径)である。
固体電解質層中の固体電解質の含有割合は、特に限定されるものではない。
固体電解質層には、可塑性を発現させる等の観点から、固体電解質同士を結着させるバインダーを含有させることもできる。そのようなバインダーとしては、上述した正極に含有させることが可能なバインダー等を例示することができる。ただし、電池の高出力化を図り易くするために、固体電解質の過度の凝集を防止し且つ均一に分散された固体電解質を有する固体電解質層を形成可能にする等の観点から、固体電解質層に含有させるバインダーは5.0質量%以下とすることが好ましい。
固体電解質層の厚みは、電池の構成によって適宜調整され、特に限定されるものではなく、通常0.1μm以上1mm以下である。
固体電解質層の形成方法は、例えば、固体電解質、及び必要に応じ他の成分を含む固体電解質層の材料の粉末を加圧成形することにより固体電解質層を形成してもよい。
[負極]
負極は、少なくとも負極合材層を含み、必要に応じて負極集電体を含む。
負極合材層は、上述した負極合材からなる。
負極合材層を形成する方法としては、特に限定されないが、負極活物質、硫化物系固体電解質、及び必要に応じ導電材、バインダー等の他の成分を含む負極合材の粉末を加圧成形する方法等が挙げられる。
負極集電体としては、上記正極集電体として用いられる金属と同様の金属を用いることができる。
負極集電体の形態は特に限定されるものではなく、箔状、メッシュ状等、種々の形態とすることができる。
負極の全体としての形状は特に限定されるものではないが、シート状であってもよい。この場合、負極の全体としての厚みは特に限定されるものではなく、目的とする性能に応じて、適宜決定すればよい。
全固体リチウムイオン二次電池は、必要に応じ、正極、負極、及び、固体電解質層を収容する外装体を備える。
外装体の形状としては、特に限定されないが、ラミネート型等を挙げることができる。
外装体の材質は、電解質に安定なものであれば特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び、アクリル樹脂等の樹脂等が挙げられる。
全固体リチウムイオン二次電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、及び角型等を挙げることができる。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、例えば、まず、固体電解質材料の粉末を加圧成形することにより固体電解質層を形成する。そして、固体電解質層の一面上で正極合材の粉末を加圧成形することにより正極合材層を得る。その後、固体電解質層の正極合材層を形成した面とは反対側の面上で負極合材の粉末を加圧成形することにより負極合材層を得る。そして、得られた正極合材層-固体電解質層-負極合材層接合体に必要に応じて集電体を取り付けることにより全固体リチウムイオン二次電池としてもよい。
この場合、固体電解質材料の粉末、正極合材の粉末、及び負極合材の粉末を加圧成形する際のプレス圧は、通常1MPa以上600MPa以下程度である。
加圧方法としては、特に制限されないが、例えば、平板プレス、又はロールプレス等を用いて圧力を付加するプレス法等が挙げられる。
全固体リチウムイオン二次電池の製造は、系内の水分をできるだけ除去した状態で行うとよい。例えば、各製造工程において、系内を減圧すること、系内を不活性ガス等の水分を実質的に含まないガスで置換すること等が有効と考えられる。
(実施例1)
[1]多孔質シリコン粒子の作製
[1-1]
シリコン微粒子(高純度化学、粒径5μm)0.65gと金属Li(本城金属)0.60gをAr雰囲気下にてメノウ乳鉢で混合してLiSi前駆体を得た。
[1-2]
LiSi前駆体1.0gをAr雰囲気下のガラス反応器内にて0℃のエタノール250ml(ナカライテスク)と120分反応させた後、吸引濾過にて液体1と固体反応物1を分離した。
[1-3]
得られた0.5gの固体反応物1を大気雰囲気下のガラス反応器内にて酢酸50ml(ナカライテスク)と60分反応させた後、吸引濾過にて液体2と固体反応物2を分離した。
[1-4]
固体反応物2を100℃で2時間真空乾燥して多孔質シリコン粒子のナノシートを得た。
[多孔質シリコン粒子の断面観察(空隙率)
多孔質シリコン粒子に対してイオンミリングによる断面加工を施して、多孔質シリコン粒子の断面を二次電子顕微鏡で観察した。
図2は、実施例1の多孔質シリコン粒子の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
得られた観察像から、多孔質シリコン粒子中のシリコン(Si)と空隙とを白部と灰部で2値化した上で、多孔質シリコン粒子中の空隙率を算出した。結果を表1に示す。
[2]硫化物系固体電解質の合成
LiS(フルウチ化学)0.550gとP(アルドリッチ)0.887gとLiI(日宝化学)0.285gとLiBr(高純度化学)0.277gを秤量し、メノウ乳鉢で5分混合し、その後n-ヘプタン(脱水グレード、関東化学)を4g入れ、遊星型ボールミルを用い40時間メカニカルミリングすることで硫化物系固体電解質を得た。
[3]全固体リチウムイオン二次電池の作製
[3-1]正極合材
正極活物質にLiNi1/3Co1/3Mn1/3(日亜化学工業)を使用した。
正極活物質にはLiNbOの表面処理を施した。この正極活物質を1.5g、導電材としてVGCF(昭和電工)を0.023g、上記硫化物系固体電解質を0.239g、バインダーとしてPVdF(クレハ)を0.011g、溶媒として酪酸ブチル(キシダ化学)を0.8g秤量し、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH-50)を用いて混合したものを正極合材とした。
[3-2]負極合材
負極活物質に[1]で合成した多孔質シリコン粒子のナノシート1.0g、導電材としてVGCF(昭和電工)を0.04g、上記硫化物系固体電解質0.776g、バインダーとしてPVdF(クレハ)0.02g、溶媒として酪酸ブチル(キシダ化学)1.7gを秤量し、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH-50)を用いて混合したものを負極合材とした。
[3-3]固体電解質層
1cmのセラミックス製の型に硫化物系固体電解質を0.065g秤量し、1ton/cmでプレスし固体電解質層を作製した。
[3-4]
固体電解質層の片側に正極合材0.018gを配置し、1ton/cmでプレスして正極合材層を作製した。その逆側に負極合材0.0054gを配置し、4ton/cmでプレスすることで負極合材層を作製し、正極集電体にアルミ箔を、負極集電体に銅箔を用いて、全固体リチウムイオン二次電池を得た。
[負極合材層の断面観察(多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質との接触率)
負極合材層に対してイオンミリングによる断面加工を施して、負極合材層の断面を二次電子顕微鏡で観察した。
得られた観察像から、負極合材層中の多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質と導電材を3値化した上で、多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質との接触率を上述した式(1)を用いて算出した。結果を表1に示す。
[拘束圧]
初回充電として、全固体リチウムイオン二次電池を0.245mAで4.35VまでCC-CV充電した。
初回充電において、全固体リチウムイオン二次電池の拘束圧をモニタリングし、後述する比較例1の全固体リチウムイオン二次電池の拘束圧を基準として、比較例1の全固体リチウムイオン二次電池の拘束圧に対する実施例1の全固体リチウムイオン二次電池の初回充電時の拘束圧の比を算出した。後述する実施例2~3及び比較例2~3の全固体リチウムイオン二次電池の初回充電時の拘束圧についても後述する比較例1の全固体リチウムイオン二次電池の拘束圧に対する比を算出した。結果を表1に示す。
[全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗]
初回充電後、全固体リチウムイオン二次電池を0.245mAで3.0VまでCC-CV放電を行った。
その後、全固体リチウムイオン二次電池を3.7Vの電圧まで0.245mAにて充電を行った後、7.35mAを5秒間流し、電圧の変化から全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗を測定した。
後述する比較例1の全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗を基準として、比較例1の全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗に対する実施例1の全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗の比を算出した。後述する実施例2~3及び比較例2~3の全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗についても後述する比較例1の全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗に対する比を算出した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1の手順[1-2]においてエタノールの温度を15℃とした以外は、実施例1と同様の手順にて全固体リチウムイオン二次電池を作製し、全固体リチウムイオン二次電池の評価を行った。
(実施例3)
実施例1の手順[1-2]においてエタノールの温度を25℃とした以外は、実施例1と同様の手順にて全固体リチウムイオン二次電池を作製し、全固体リチウムイオン二次電池の評価を行った。
(比較例1)
実施例1の手順[3-2]においてVGCFを0.12gとした以外は、実施例1と同様の手順にて全固体リチウムイオン二次電池を作製し、全固体リチウムイオン二次電池の評価を行った。
(比較例2)
実施例1の手順[3-2]においてVGCFを0.12gとし、それ以外は実施例2と同様の手順にて全固体リチウムイオン二次電池を作製し、全固体リチウムイオン二次電池の評価を行った。
(比較例3)
実施例1の手順[3-2]においてVGCFを0.12gとし、それ以外は実施例3と同様の手順にて全固体リチウムイオン二次電池を作製し、全固体リチウムイオン二次電池の評価を行った。
Figure 0007107880000001
表1に示すように、多孔質シリコン粒子の空隙率が12%~51%であり、多孔質シリコン粒子と硫化物系固体電解質の接触率が20%~44%である負極合材層を用いた全固体リチウムイオン二次電池であれば、拘束圧と内部抵抗を低減することができることが実証された。
11 固体電解質層
12 正極合材層
13 負極合材層
14 正極集電体
15 負極集電体
16 正極
17 負極
100 全固体リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 負極活物質として多孔質シリコン粒子と、硫化物系固体電解質と、を含む全固体リチウムイオン二次電池用の負極合材層であって、
    前記多孔質シリコン粒子は、複数のシリコン微粒子の接合体であり、連続した空隙を有する三次元網目構造を有し、
    前記多孔質シリコン粒子の空隙率が12%~51%であり、
    前記多孔質シリコン粒子と前記硫化物系固体電解質の接触率が20%~44%であることを特徴とする負極合材層。
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