JP6292734B2 - 電力変換回路の冷却装置 - Google Patents
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Description
電力変換回路を冷却する冷却装置としては、例えば、特許文献1に示されたものがある。特許文献1の冷却装置は、駆動用モータのトルクを検出する負荷検出手段と、冷却水を循環する冷却水循環路と、冷却水循環路に冷却水を供給する冷却ポンプとを備えている。特許文献1の冷却装置は、負荷検出手段によって検出されたトルクに応じて、冷却ポンプから冷却水循環路へ供給される冷却水の量を変更するよう構成されている。
特許文献1の冷却装置においては、高トルクを検出した後、冷却ポンプを駆動させ冷却水を供給している。しかし、高トルクが検出された際には、既に半導体素子が発熱しているため、電力変換回路の温度上昇に対して、冷却水の供給が遅延してしまう。そのため、冷却装置における冷却性能が不足する。
また、冷却水の供給量を増大させることにより、半導体モジュールの大型化を抑制することができるが、冷却ポンプを駆動させることで電力の消費が増大し、車両における燃費が悪化する。
上記電力変換回路と熱交換を行う熱交換部と、
該熱交換部の内部に形成された冷媒流路に冷媒を供給する冷却ポンプと、
上記交流回転電機の回転数を検出する回転数検出手段と、
上記冷却ポンプの運転を制御する制御回路とを備えており、
該制御回路は、上記交流回転電機のトルクを制御に用いず、該トルクと上記回転数とのうち該回転数のみを用いて、上記冷却ポンプの運転を制御し、上記冷媒流路への上記冷媒の供給量を変化させ、
上記制御回路は、上記回転数が相対的に高い高回転域よりも、上記回転数が低い低回転域の方が、上記冷媒の供給量が多くなるように、上記冷却ポンプの制御を行うよう構成されており、
上記制御回路は、上記低回転域のうち、上記回転数が予め定められた第1閾値よりも低い第1低回転域では、上記冷媒の供給量を一定値である第1供給量にし、上記回転数が上記第1閾値よりも高く、かつ予め定められた第2閾値よりも低い第2低回転域では、上記冷媒の供給量を、上記第1供給量よりも少ない一定値である第2供給量にし、上記回転数が上記第2閾値よりも高くなるに従って、上記冷媒の供給量を、上記第2供給量よりも次第に少なくするよう構成されていることを特徴とする電力変換回路の冷却装置にある。
つまり、上記電力変換回路においては、上記交流回転電機の回転数が低速であると発熱量が増大し、上記交流回転電機の回転数が高速になるにつれて発熱量が減少する。このように、上記交流回転電機の回転数の変化が、上記電力変換回路の発熱状態に影響することを考慮し、該電力変換回路を冷却するために必要な冷媒の供給量を判断することができる。そして、制御回路によって、上記冷却ポンプの運転を制御し上記冷媒流路へ適正な量の冷媒を供給することができる。これにより、上記冷却装置によって、上記電力変換回路を効果的に冷却することができ、半導体モジュールの小型化及びコスト低減が可能となる。また、上記冷媒流路に必要以上の冷媒を供給する必要がなくなるため、上記冷却ポンプの駆動による電力消費量を低減し、車両における燃費を向上することができる。
上記電力変換回路の冷却装置にかかる実施例について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すごとく、冷却装置1は、車両における直流電源6から供給される直流電力を、交流回転電機3を駆動させるための交流電力に変換する電力変換回路2を冷却するものである。冷却装置1は、電力変換回路2と熱交換を行う熱交換部11と、熱交換部11の内部に形成された冷媒流路に冷媒を供給する冷却ポンプ12と、交流回転電機3の回転数を検出する回転数検出手段15と、冷却ポンプ12の運転を制御する制御回路13とを備えている。制御回路13は、回転数検出手段15によって検出された回転数に応じて、冷却ポンプ12の運転を制御し冷媒流路への冷媒の供給量を変化させる。
本例に示す電力変換回路2は、図1に示すごとく、ハイブリッド自動車に用いられるものである。
ハイブリッド自動車は、動力分割機構4を介して連結された交流回転電機3及び内燃機関5と、直流電源6としてのバッテリーと、直流電力を交流電力に変換する電力変換回路2と、電力変換回路2を冷却する冷却装置1とを備えている。
交流回転電機3のU相に接続されたスイッチング素子211、212、V相に接続されたスイッチング素子213、214、及びW相に接続されたスイッチング素子215、216のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにダイオード221〜226がそれぞれ接続されている。
冷媒循環路17は、その内部に冷媒を流通可能に構成されており、ラジエータ18、熱交換部11及び冷却ポンプ12を繋ぐように接続されている。尚、本例の冷却装置1は、交流回転電機3の冷却を兼ねるものであり、冷媒循環路17は、交流回転電機3にも接続されている。
熱交換部11は、その内部に冷媒を流通する冷媒流路を備えており、冷媒と半導体モジュール21との間において熱交換を行うことで、半導体モジュール21を冷却することができる。
電力変換回路2の冷却装置1は、交流回転電機3の回転数を検出する回転数検出手段15を備えており、回転数検出手段15によって検出された回転数に応じて、冷媒流路への冷媒の供給量を変化させることができる。つまり、電力変換回路2においては、交流回転電機3の回転数が低速であると発熱量が増大し、交流回転電機3の回転数が高速になるにつれて発熱量が減少する。このように、交流回転電機3の回転数の変化により、電力変換回路2の発熱状態に影響することを考慮し、電力変換回路2を冷却するために必要な冷媒の供給量を判断することができる。そして、制御回路13によって、冷却ポンプ12の運転を制御し冷媒流路へ適正な量の冷媒を供給することができる。これにより、冷却装置1によって、電力変換回路2を効果的に冷却することができ、半導体モジュール21の小型化及びコスト低減が可能となる。また、冷媒流路に必要以上の冷媒を供給する必要がなくなるため、冷却ポンプ12の駆動による電力消費量を低減し、車両における燃費を向上することができる。
本例は、実施例1における冷却装置1の構成を一部変更した例である。
図4に示すごとく、本例の冷却装置1は、冷媒の温度を検出する温度検出手段16を備えている。温度検出手段16は、熱交換部11の冷媒流路内に配置された温度センサーからなる。温度検出手段16によって検出された冷媒の温度情報は、制御回路13へと送信される。
尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
また、本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例は、実施例1における冷却装置1の構成を一部変更した例である。
図6は、横軸を交流回転電機3の回転数とし、縦軸を冷媒の必要供給量としたグラフであり、実線L4は、本例の関係データを示すものである。実線L4に示す関係データは、回転数Ns以下の回転数域を極低回転域141としてある。また、この極低回転域141における必要供給量は、実線L1(図3)における冷媒の必要供給量S1に対して、cだけ増大したS4としている。
尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
また、本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
11 熱交換部
12 冷却ポンプ
13 制御回路
15 回転数検出手段
2 電力変換回路
3 交流回転電機
6 直流電源
Claims (3)
- 車両における直流電源(6)から供給される直流電力を、交流回転電機(3)を駆動させるための交流電力に変換する電力変換回路(2)の冷却装置(1)であって、
上記電力変換回路(2)と熱交換を行う熱交換部(11)と、
該熱交換部(11)の内部に形成された冷媒流路に冷媒を供給する冷却ポンプ(12)と、
上記交流回転電機(3)の回転数を検出する回転数検出手段(15)と、
上記冷却ポンプ(12)の運転を制御する制御回路(13)とを備えており、
該制御回路(13)は、上記交流回転電機(3)のトルクを制御に用いず、該トルクと上記回転数とのうち該回転数のみを用いて、上記冷却ポンプ(12)の運転を制御し、上記冷媒流路への上記冷媒の供給量を変化させ、
上記制御回路(13)は、上記回転数が相対的に高い高回転域よりも、上記回転数が低い低回転域の方が、上記冷媒の供給量が多くなるように、上記冷却ポンプ(12)の制御を行うよう構成されており、
上記制御回路(13)は、上記低回転域のうち、上記回転数が予め定められた第1閾値(Ns)よりも低い第1低回転域(141)では、上記冷媒の供給量を一定値である第1供給量(S4)にし、上記回転数が上記第1閾値(Ns)よりも高く、かつ予め定められた第2閾値(N1)よりも低い第2低回転域では、上記冷媒の供給量を、上記第1供給量(S4)よりも少ない一定値である第2供給量(S1)にし、上記回転数が上記第2閾値(N1)よりも高くなるに従って、上記冷媒の供給量を、上記第2供給量(S1)よりも次第に少なくするよう構成されていることを特徴とする電力変換回路(2)の冷却装置(1)。 - 上記制御回路(13)は、上記交流回転電機(3)の上記回転数と、該回転数に応じた上記冷媒の必要供給量との関係を予め定めた関係データを有しており、該関係データを用いて、上記回転数検出手段(15)によって検出された上記回転数から上記冷媒の必要供給量を導き、該必要供給量に応じて上記冷却ポンプ(12)の運転を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力変換回路(2)の冷却装置(1)。
- 上記制御回路(13)は、上記冷媒の温度を検出する温度検出手段(16)を備えており、該温度検出手段(16)によって検出された上記冷媒の温度に応じて上記冷却ポンプ(12)の運転を制御し上記冷媒流路への上記冷媒の供給量を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換回路(2)の冷却装置(1)。
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