JP6292385B2 - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の側面衝突時、加わる衝撃からシートに着座した乗員を保護する車両の乗員保護装置に関する。
自動車(車両)においては、近時、シートに着座した乗員を側面衝突時(以下、側突時)の衝撃から保護する乗員保護装置が数多く提案されている。
こうした乗員保護装置には、シートを、シートに着座した乗員の背が衝突方向へ向くよう、車室内の内側へ移動させる装置がある。多くは、特許文献1に開示されているようにシートをスライド可能にフロアに支持する一対のスライドレールの複数の固定箇所の取付強度を変える構造を採用して、側突時、シートの向きを、シートに着座した乗員の背が衝突方向へ向く方向に変えたり、特許文献2に開示されているようにシートを支持する一対のスライドレールを、モータなどの駆動源で互い違いとなる方向(一方は前方、他方は後方という具合)へ駆動する構造を採用して、側突時、シートフレームを変形させ、乗員の背を衝突方向へ向かせる構造が提案されている。
特開2001−341567号公報 特開2011− 98726号公報
乗員の背は、人体特性上、乗員の横などと比べて、荷重耐性が比較的に高いため、このように側突時、乗員の背を衝突方向へ向けることは、乗員保護の一助となりうる。
ところが、特許文献1、2のようにスライドレールの挙動に頼る構造では、側突の状況によっては、意図したシートの変位は確保できない可能性がある。
例えば特許文献1は、スライドレールの複数の固定箇所の一部だけに衝突荷重が加わるような側突の場合、意図したシートの変位は得られない。特許文献2は、スライドレールの動きを損なうような衝突荷重が加わるような側突の場合、同様に意図したシートの変位は得られない。特に、木や電柱など柱形部材が車体側部と衝突するような局所的な側突の場合、車体側部の一部にだけ衝突荷重が集中して作用するため、スライドレールの取付部へ意図しない荷重が加わったり(前者)、スライドレールが変形しやすく(後者)、乗員の背が衝突方向へ向くようシートを変位させる挙動を得ることは難しい。
そこで、本発明の目的は、柱形部材が車体側部と衝突するような局所的な側面衝突でも、シートの回動変位を可能とした車両の乗員保護装置を提供する。
本発明の態様は、車両のフロアに、フロアとの据付け方向に予め設定された回動軸線を中心に水平方向に回動可能に配置されたシートと、シートを前記フロアに固定及び解除可能な固定具と、車両の側部に設けられ、当該車両の側面衝突時の衝突荷重が入力可能な荷重入力部と、荷重入力部からの衝突荷重を固定具へ伝え、当該固定具を固定解除する固定解除機構部と、荷重入力部からの衝突荷重を固定が解除された状態のシートへ伝え、当該シートを回動軸線を中心に回動させる回動誘発部とを具備し、シートは、シートクッションの下部の四隅にフロアに向けて延びる脚部を有し、脚部のうちの車両前後方向後側で、車幅方向内側に配置された一本の脚部が回動軸線となるべくフロアに回動可能に支持される回動可能脚部として構成され、固定具は、回動可能脚部以外の脚部をフロアに解除可能に固定するものであるものとした(請求項1)。
好ましくは、回動誘発部は、シートに設けられ、当該シート後部が車両側部へ向く方向の回動を誘発可能とした誘発部と、荷重入力部からの衝突荷重を誘発部へ伝え、固定が解除されたシートを、回動軸線を中心に回動させる駆動部材とを有して構成されるものとした(請求項2)。
好ましくは、シートは、フロアに沿って車体前後方向に延びるように設置された一対のシートレールを有し、脚部は、一対のシートレールの前後に配置されるものとした(請求項3)。
好ましくは、回動可能脚部は、当該回動可能脚部と隣合う車両前後方向後側で、車幅方向外側に配置された脚部に対し、車両後方側に配置されるものとした(請求項4)。
好ましくは、荷重入力部は、車両のサイドシルに設けられるものとした(請求項5)。
本発明によれば、側面衝突時、車両側部の荷重入力部から入力される衝突荷重を用いて、シートの固定が解除された状態にしてから、シートを、車両前後方向後側で車幅方向内側に配置された一本の脚部を回動可能脚部として水平方向に回動させる構造により、シートには、侵入してくる車両側部から遠ざかりながら車体側部へ背側が向けるよう回動する挙動が得られる。これにより、柱形部材が車体側部と衝突するような局所的な側面衝突でも、乗員が保護されるようシートを回動変位させることができる。しかも、モータなどの駆動源を用いず、側突の衝突荷重だけで、シートを回動変位させる機構なので、簡単な構造ですむうえ、側突に対する応答性は高い。
本発明の第1の実施形態に係る態様となる乗員保護装置を示す斜視図。 同装置の主要部分をなすシート脚をフロアに固定する構造を示す分解斜視図。 同じくシート脚を回動可能にする構造を示す分解斜視図。 側突の衝突荷重でシートが衝突方向へ回動変位するときの挙動を順に示す正面図。 同じく平面図。 本発明の第2の実施形態に係る態様の要部を説明する平面図。
以下、本発明を図1から図5に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は、本発明を適用した自動車など車両の乗員保護装置1の全体を示し、図2および図3は同乗員保護装置1の各部をそれぞれ示している。
図1に示す車両において、3は内部に車室内3aを有する車体、5は同車体3の車幅方向側部に設けたフロント側の乗降口、7は同乗降口5と隣接してリヤ側に設けたリヤ側の乗降口を示す。9は乗降口5を開閉するフロントドア(リヤドアは図示せず)、11は乗降口5,7間に配置されたセンタピラー、13は乗降口5,7の下部を形成するサイドサイドシルを示し、これら各部分を含め車体3の側部(車幅方向)を構成している。ちなみに、15は車室内3aのフロアを示している。
車室内3aのフロア15には、フロントドア9と隣接して、フロントシート17(本願のシートに相当)が据付けられる(図1中に二点鎖線で図示)。リヤドアと隣接した位置には、リヤシート(図示しない)が据え付けられる。フロントシート17およびリヤシートは、いずれも乗員が着座するシートクッション19と乗員の背を支えるシートバック21とを有して構成される。
乗員保護装置1には、図1に示されるようにフロントシート17として、予め設定された回動軸線を中心に水平方向に回動可能とした回動式シートを用い、側面衝突時(以下、側突時という)の衝突荷重で、回動式シートの固定を解除した状態にしてから、水平方向に回動変位させる構造が採用されている。
回動式シートを説明すると、例えばシートクッション19は、下部車幅方向両側に車体前後方向にシートをスライド可能にする一対のシートレール23を有し、同シートレール23の各前後に、四本の脚部25a〜25dを有している。ちなみに脚部25a〜25dは、例えばシートレール23から下方へ突き出る帯形の部材で形成される。
フロントシート17は、このシートクッション19の一部に回動軸線を設定することによって、当該回動軸線を中心に、着座した乗員Xの背及びシートバック21(シート後部)が、衝突方向であるフロントドア9(車両の側部)へ向くよう回動可能に据付けられている。
具体的にはフロントシート17は、シートクッション19の四隅側に対応する箇所にそれぞれ配置された脚部、例えば四本の脚部25a〜25dのうち、車両前後方向後側で、車室内3aの内側(車幅方向内側)に配置された一本の脚部25bの下端部を、例えば図3にも示されるようにスラストベアリング27を介して、フロア15上に固定された台座29に回動自在に組み付けられている。つまり、脚部25bは、シートクッション19を回動可能とするための回動軸線αとして用いられる。この脚部25bにて、フロントシート17を回動可能とする回動可能脚部を構成している。
他の脚部(回動可能脚部以外の脚部)、例えば三本の脚部25a,25c,25dは、それぞれ固定具31により、フロア15上に固定されている。これら固定具31は、いずれも常態時は固定、外部からの入力により当該固定の解除が可能な構造が用いられている。例えば固定具31は、いずれも図2に示されるようにフロア15上、脚部25a,25c,25dの下端部と隣接したフロントドア9側の地点にそれぞれ台座35を固定し、当該各台座35に内部に凹側構造、例えばテーパ形の嵌挿孔37を形成し、台座35と隣合う脚部25a,25c,25dの下端部側面に凸側構造、例えば嵌挿孔37と組み合うテーパ形の嵌挿部39を突設した構造が用いられる。ちなみに台座35の嵌挿孔37は、大径側が脚部側に臨み、小径側が反対となるフロントドア9側に臨む。
嵌挿部39は、嵌挿孔37内に挿脱可能に嵌挿される。特に嵌挿部39は、嵌挿孔37内に強く嵌っていて、常態時は嵌挿孔37による拘束により、脚部25a,25c,25dが固定される。そして、小径端から嵌挿部39が強く押されると、嵌挿孔37から嵌挿部39が抜け出て、脚部25a,25c,25dの固定が解除される構造となっている。同構造により、フロントシート17は、脚部25bで設定される回動軸線αを中心に時計回りに水平方向へ回動可能に据付けられ、着座した乗員Xの背及びシートバック21(シート後部)の衝突方向(フロントドア9側へ向く方向)への回動変位を可能としている。ちなみに、台座29には、固定の解除されたフロントシート17が、乗員の背が向く方向とは反対の方向(反時計回り)へ回動することがないよう、図1および図3に示されるように脚部25bの向きを規制するためのストッパー部材41が設けられている。
また同フロントシート17を固定の解除された状態にしてから回動させる構造には、車両側部に設けた、側突時の衝突荷重が入力可能な荷重入力部材43と、当該荷重入力部材43に入力される衝突荷重にて各固定具31の固定を解除する解除機構部45(本願の固定解除機構部に相当)と、更に荷重入力部材43に入力される衝突荷重にてフロントシート17を回動させる回動誘発部47とを用いた構造が用いられる。
具体的には、図1に示されるように荷重入力部材43は、車両前後方向に延びる細長部材で形成される。この荷重入力部材43は、フロントシート17近くに配置される車両の側部分、例えば乗降口5の下縁部を構成するサイドシル13、ここではサイドシル13の車室内3a側の側面に設けられている。このサイドシル13に沿って設けた荷重入力部材43は、例えばサイドシル13よりも剛性が高い部材で形成される。この部材の剛性を活用して、側突の衝突荷重がサイドシル13を通じて入力可能な荷重入力部を形成している。ちなみに、サイドシル13自身を荷重入力部とする一体構造でも構わない。
解除機構部45は、例えば図1、図4および図5にも示されるような杆式構造が用いられる。例えば同構造は、荷重入力部材43の側面に、各台座35の小径側の開口端(嵌挿孔37の小径側)へ向かう複数の荷重伝達杆51,53を突設した構造で構成される。ちなみに荷重伝達杆51は、車両前側に配置した台座35の嵌挿孔37の中心を延長したときの荷重入力部材43の側面部分から突き出て、荷重伝達杆53は、車両後側に配置した台座35の嵌挿孔37の中心を延長したときの荷重入力部材43の側面部分から突き出ている。
このうち荷重伝達杆51は、例えば車両前側の車幅方向外側に配置された台座35の小径側の開口端に臨む地点まで直線状に延びる伝達杆片51aと、同伝達杆片51aの途中から分れて車幅方向内側の台座35の小径側の開口端に臨む地点まで延びるクランク形の伝達杆片51bとを有して構成される。荷重伝達杆53は、例えば車両後側の台座35の小径側の開口端に臨むまで直線状に延びる伝達杆片53aを有して構成される。
伝達杆片51a,51b,53aの各部は、図1に示されるようにフロア15の各部に設置した支持部55によって車幅方向にスライド可能に支持され、側突により、サイドシル13やフロントドア9やフロア15などが変形して、荷重入力部材43が車室内3a内へ侵入すると、伝達杆片51a,51b,53aが側方(車幅方向)へ向かうようにしている。各伝達杆片51a,51b,53aの先端側は、各台座35の小径側の開口端から嵌挿孔37内へ進入可能な外形に形成されていて、側突が起きると、各嵌挿孔37内の嵌挿部39が、各嵌挿孔37内へ進入する伝達杆片51a,51b,53aにて、台座35の外部へ強制的に押し出される構造にしている。つまり、側突に伴う各伝達杆片51a,51b,53aの変位を利用して、各固定具31の固定解除操作が行われ、フロントシート17を固定の解除された状態にする。
回動誘発部47には、例えば図1および図5(a)に示されるようなシートクッション19の下方に配置したカム式の誘発部57と、荷重入力部材43からの衝突荷重を誘発部57へ伝える駆動部材59とを組み合わせた構造が用いられている。誘発部57は、例えば一対のスライドレール23間から吊り下げた板カム部61と、同板カム61と組み合う板形の接触子部63とが用いられる。
板カム部61は、スライドレール23間に設けた支持部材64にて、水平状態に固定されている。この板カム部61の車室内3aのフロントドア9側に臨む外周面には、円弧形のカム面61aが形成されている。同カム面61aは、車室内3a外側から接触子部63が当接すると、板カム部61に、シートバック21がフロントドア9側へ向かう方向(脚部25bを支点とした時計回り)への回動を生じさせる円弧形のカム面で形成される。接触子部63の外周面には、同板カム部61の回動変位を誘発させる円弧面63aが形成されている。
駆動部材59は、例えば荷重入力部材43の側面から板カム部61側へ向かって直線状に延びる板部材で構成される。この駆動部材59の先端部に、上記接触子部63が一体に設けられ、側突が生じると、接触子部63の円弧面63aが板カム部61のカム面61aと当接して、衝突荷重を板カム部61へ伝え、フロントシート17を時計回り、すなわち着座した乗員の背、シートバック21がフロントドア9へ向く方向に強制的に回動させる構造としている。駆動部材59の各部は、伝達杆片51a,51b,53aにて各固定具31の固定が解除されたと同時(あるいは解除された直後)に、接触子部63と板カム部61とが当接するように設定され、固定の解除された状態となったフロントシート17を、衝突荷重で、直接、脚部25bを回動中心に、シート後部が衝突方向へ向くように回動させるようにしている。
このように構成された乗員保護装置1の側突時の挙動が、図4(a)〜(c)および図5(a)〜(c)に示されている。同図を参照して、乗員保護装置1の作用を、車両に対して側突が生じた場合を想定しながら説明する。なお、図4(a)〜(c)および図5(a)〜(c)は、乗員保護装置1の各部を概略的に示している。
例えば図4(a)および図5(a)に示される車両のフロントドア9に衝突物体、例えば木や電柱など柱形部材Pが側突する事態(局所的な側突)になったとする。すると、加わる衝撃でフロントドア9およびサイドシル13は、潰れ変形を起こし、そしてフロア15も変形を起こす。図4(b)および図5(b)に示されるように荷重入力部材43は、サイドシル13を通じて入力される衝突荷重により、サイドシル13およびフロントドア9と共に車室内3aへ侵入する。
この挙動に伴い、伝達杆片51a,51b,53aおよび駆動部材59は、車室内3aへ向かう。
このとき、各台座35と伝達杆片51a,51b,53aの先端部との距離よりも、板カム部61を接触子部63の距離のほうが離れている。
このため、始め、伝達杆片51a,51b,53aの先端部が、各台座35に収まっている嵌挿部39の小径側の端面と突き当たり、嵌挿部39を台座35から押し出す。つまり、荷重入力部材43から入力される衝突荷重により、固定具31は解除操作される。これにより、各脚部25a,25c,25dは、固定具31から解放され、フロントシート17は、回動変位が自在、つまり固定の解除された状態となる。
その後、固定の解除された状態になると同時に、図4(b),(c)および図5(b),(c)に示されるように駆動部材59の先端部に有る接触子部63の円弧面63aが、板カム部61のカム面61aと突き当たる。これにより、板カム部61は、接触子部63により押圧され、フロントシート17を回動する。すなわちフロントシート17は、車両後方で車室内3aの内側に配置された脚部25bを中心に回動、ここでは時計回りに回動変位される。
すると、フロントシート17に着座した乗員Xは、侵入してくるフロントドア9から遠ざかりながら、荷重耐性の比較的に高い背をフロントドア9側へ向けるよう回動変位され、側突に対処する。これにより、側突の衝撃から乗員Xをより適切に保護する乗員保護性能が発揮される。
こうしたフロントシート17の挙動は、衝突物体が柱形部材Pでなく、例えば図5(b)中の二点鎖線で示される壁部や他車両の前部などフロンドドア9の全体に衝突する衝突物体Qでも、荷重入力部材43に衝突荷重が加わることで同様に行われる。
それ故、荷重入力部材43に入力される衝突荷重を用いて、フロントシート17を、固定の解除された状態にしてから回動させる構造により、局所的に衝突荷重が加わる側面衝突でも、フロントシート17を回動させることができる。しかも、シート後部、すなわち乗員Xの背が衝突方向へ向くように回動変位させたことにより、様々な体格の乗員Xに対してもより適切な乗員保護性能を発揮させることができる。そのうえ、モータなどの駆動源を用いず、衝突荷重の伝達のみで、フロントシート17を直接、回動変位させる構造なので、側突に対する応答性は高い。
特に荷重入力部材43は、乗降口5を形成するサイドシル13に設けたので、車両側部の広範囲な領域での衝突に対応できる。
またフロントシート17の回動の誘発は、フロントシート17に、シート後部が車両側部へ向く方向の回動を誘発する誘発部57、衝突荷重を誘発部57へ伝える駆動部材59を設けるだけの構造ですむので、構成が簡単である。
しかも、フロントシート17は、脚部25a〜25dのうち、車両前後方向後側、車幅方向内側に配置される脚部25bを回動可能脚部として回動可能にしたことで、側突時、フロントシート17には、侵入してくる車体側部から遠ざかりながら、荷重耐性の比較的に高い背を当該車体側部(衝突方向)へ向けるという挙動が得られるため、乗員Xを側突の衝突荷重からより効果的に保護できる。
図6は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、駆動部材59によって、フロントシート17が一層、回動しやすくなるよう、フロントシート17の回動軸線αをなす脚部25bの位置をオフセットさせたものである。
すなわち、脚部25bは、当該脚部25bと車幅方向で隣合う、車両前後方向後側で、車幅方向外側に配置される脚部25cに対し、車両後方側に配置される構造とした。本実施形態では、脚部25cを脚部25bよりも車両前方側へオフセットさせて、当該位置関係を達成している。つまり、脚部25bを脚部25cよりもオフセット距離δ後方に設けるということでもある。
このように回動支点となる脚部25bの取付け位置を、隣り合う脚部25cに対しオフセットさせると、図6(b)に示されるように脚部25cへ伝わる衝突荷重も、オフセット距離δの存在によって、フロントシート17を回動させる時計方向の回転モーメントMとして利用できるので、脚部25a,25dに伝わる衝突荷重で生じる回転モーメントMとの相乗から、高い応答性が得られる。
但し、図6において、第1の実施形態と同じ部分には、同一符号を付してその説明を省略した。
なお、上述した各実施形態における各構成およびそれの組合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であることはいうまでもない。また本発明は、実施形態によって限定されることはなく、「特許請求の範囲」によってのみ限定されることはいうまでもない。例えば上述の実施形態では、テーパ構造の固定具、細長の荷重入力部材を用いた荷重入力部、杆式の固定解除機構部、カム構造を用いた回動誘発部などを用いたが、これに限らず。他の構造及び手段を用いても構わない。むろん、シートもフロントシートでなく、リヤシートでもよく、シートの回動軸線も、別途、支点軸部材を設ける構造でも構わない。
1 乗員保護装置
9 フロントドア(車両の側部)
15 フロア
17 フロントシート(シート)
31 固定具
43 荷重入力部材(荷重入力部)
45 解除機構部(固定解除機構部)
47 回動誘発部
α 回動軸線

Claims (5)

  1. 車両のフロアに、前記フロアとの据付け方向に予め設定された回動軸線を中心に水平方向に回動可能に配置されたシートと、
    前記シートを前記フロアに固定及び解除可能な固定具と、
    前記車両の側部に設けられ、当該車両の側面衝突時の衝突荷重が入力可能な荷重入力部と、
    前記荷重入力部からの衝突荷重を前記固定具へ伝え、当該固定具を固定解除する固定解除機構部と、
    前記荷重入力部からの衝突荷重を固定が解除された状態の前記シートへ伝え、当該シートを前記回動軸線を中心に回動させる回動誘発部と
    を具備し
    前記シートは、シートクッションの下部の四隅に前記フロアに向けて延びる脚部を有し、
    前記脚部のうちの車両前後方向後側で、車幅方向内側に配置された一本の脚部が回動軸線となるべく前記フロアに回動可能に支持される回動可能脚部として構成され、
    前記固定具は、前記回動可能脚部以外の脚部を前記フロアに解除可能に固定するものである
    ことを特徴とする車両の乗員保護装置。
  2. 前記回動誘発部は、
    前記シートに設けられ、当該シート後部が車両側部へ向く方向の回動を誘発可能とした誘発部と、
    前記荷重入力部からの衝突荷重を前記誘発部へ伝え、固定が解除された前記シートを、前記回動軸線を中心に回動させる駆動部材と
    を有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の車両の乗員保護装置。
  3. 前記シートは、前記フロアに沿って車体前後方向に延びるように設置された一対のシートレールを有し、
    前記脚部は、前記一対のシートレールの前後に配置されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の乗員保護装置。
  4. 前記回動可能脚部は、当該回動可能脚部と隣合う車両前後方向後側で、車幅方向外側に配置された脚部に対し、車両後方側に配置される
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両の乗員保護装置。
  5. 前記荷重入力部は、前記車両のサイドシルに設けられる
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の車両の乗員保護装置。
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