JP6291874B2 - 生体情報測定装置及び生体情報測定方法 - Google Patents

生体情報測定装置及び生体情報測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、血管又は血液に係る生体情報を測定する生体情報測定装置等に関する。
光を用いて非侵襲で血管又は血液に係る生体情報を測定する測定装置として、血液中のグルコース濃度すなわち血糖値を測定する血糖値測定装置が知られている。血糖値は、食事や運動等によって一日のうちでも大きく変動するため、こまめに測定する必要がある。そこで、糖尿病患者等が自分で血糖値を測定・管理するため、継続的な使用を前提とした携帯型の血糖値測定装置が望まれている。但し、携帯型であるが故に、バッテリー動作が前提となる。使用可能時間や、充電や電池交換の頻度などの観点からは大容量のバッテリーが望ましいが、携帯性の観点からは小型・軽量である小容量のバッテリーが望ましい。何れの観点においても、重要な技術が、消費電力の低減である。
消費電力の低減を図る技術として、例えば、血液成分を測定する装置において、測定を間欠的に行う技術が特許文献1に開示されている。
特開平10−314150号公報
ところで、継続的な血糖値の測定は、血糖値が低い低血糖状態の速やかな検出を目的としてなされる。低血糖状態は、命に関わる危険な状態であるため、速やかな検出が要求される。特許文献1のような測定を間欠的に行う技術を採用する場合、設定する測定間隔が長すぎると、低血糖状態の検出が遅れる危険性(リスク)がある。低血糖状態の速やかな検出のためには測定間隔が短いほうが良く、その場合には消費電力の低減効果はあまり望めない。また、測定対象として血糖値を一例に挙げて説明したが、血管又は血液に係る生体情報の測定であれば、同様の問題が生じ得る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、血管又は血液に係る生体情報を測定する生体情報測定装置において、消費電力の低減を図ることである。
上記課題を解決するための第1の形態は、複数の発光素子が平面状に配置された発光部と、前記発光部の発光が生体内で反射或いは透過した光を受光するための受光部とを有する光学センサー部と、血管位置を検出するための前記発光部の発光範囲を設定する発光範囲設定部と、前記発光範囲の前記発光素子を発光させ、前記受光部で受光された画像に基づいて、血管位置を検出する血管位置検出部と、前記検出された血管位置に基づいて選択した前記発光素子の発光と、前記受光部での受光とを制御して、前記血管又は血液に係る生体情報を測定する測定部と、を備え、前記発光範囲設定部は、前記測定部による過去の測定情報に基づいて前記発光範囲を設定する、生体情報測定装置である。
また、他の形態として、複数の発光素子が平面状に配置された発光部と、前記発光部の発光が生体内で反射或いは透過した光を受光するための受光部とを有する光学センサー部の前記発光部の発光範囲を設定することと、前記発光範囲の前記発光素子を発光させ、前記受光部で受光された画像に基づいて、血管位置を検出することと、前記検出された血管位置に基づいて選択した前記発光素子の発光と、前記受光部での受光とを制御して、前記血管又は血液に係る生体情報を測定することと、を含み、前記発光範囲の設定は、前記生体情報を測定した過去の測定情報に基づいて前記発光範囲を設定することを含む、生体情報測定方法を構成しても良い。
この第1の形態等によれば、血管位置を取得するための発光部の発光範囲が、過去の測定情報に基づいて設定される。血管又は血液に係る生体情報の測定のために先ずは血管位置を検出する必要がある。本形態によれば、過去の測定情報に基づくことで、高確度に血管位置を検出可能としつつ、発光範囲を小さく設定することで発光させる発光素子の数を減らし、消費電力の低減を図ることが可能となる。
また、第2の形態として、第1の形態の生体情報測定装置であって、前記発光範囲設定部は、前記測定部が過去の測定において選択した発光素子の位置に基づいて、前記発光範囲を設定する、生体情報測定装置を構成しても良い。
この第2の形態によれば、発光範囲は、過去の測定において生体情報の測定のために発光させた発光素子の位置に基づいて設定される。これにより、高確度に血管位置を検出できる発光範囲の設定が可能となる。
また、第3の形態として、第1又は第2の形態の生態情報測定装置であって、前記発光範囲設定部は、前記測定部による過去の測定が無い場合には、過去の測定がある場合に比べて広い範囲を前記発光範囲として設定する、生体情報測定装置を構成しても良い。
この第3の形態によれば、発光範囲は、過去の測定が無い場合には、過去の測定が有る場合に比べて広い範囲として設定される。言い換えれば、過去の測定が有る場合には、過去の測定が無い場合に比べて狭い発光範囲が設定される。これにより、継続的に測定を行う場合、2回目以降の測定においては発光させる発光素子の数が少なくなり、消費電力を低減することができる。
また、第4の形態として、第1〜第3の何れかの形態の生体情報測定装置であって、前記血管位置検出部によって血管位置が検出されない場合に、前記発光範囲設定部による異なる範囲となるような前記発光範囲の再設定と、前記血管位置検出部による血管位置の再検出とを行わせる再実行制御部、を更に備えた生体情報測定装置を構成しても良い。
この第4の形態によれば、血管位置が検出されない場合には、設定した範囲とは異なる範囲となるような発光範囲が再設定され、再設定した発光範囲内の発光素子を発光させて血管位置が再検出される。
また、第5の形態として、第4の形態の生体情報測定装置であって、前記再実行制御部は、前回設定した発光範囲よりも広い範囲を前記発光範囲とさせるように前記発光範囲設定部に前記発光範囲を再設定させる、生体情報測定装置を構成しても良い。
この第5の形態によれば、発光範囲の再設定は、設定した発光範囲よりも広い範囲とされる。これにより、血管位置が検出される可能性が高まるように発光範囲が再設定される。
血糖値測定装置の外観例。 センサーモジュールの構成図。 生体画像の取得の説明図。 生体画像の一例。 血管パターンの取得の説明図。 測定対象の血管部位の選択の説明図。 照射位置及び受光位置の選択の説明図。 照射位置及び受光位置の最適距離の説明図。 発光範囲の説明図。 発光範囲に基づく撮影範囲の説明図。 血糖値測定装置の機能構成図。 血管部位データのデータ構成例。 血糖値測定処理のフローチャート。
[全体構成]
図1は、本実施形態の血糖値測定装置10の構成例である、この血糖値測定装置10は、光を用いて使用者2の生体情報を非侵襲に測定する生体情報測定装置であり、生体情報として、使用者2の血液中のグルコース濃度である血糖値を測定する。図1に示すように、血糖値測定装置10は、腕時計型を成し、本体ケース12と、本体ケース12を使用者2の手首や腕等の測定部位に装着固定するための例えばマジックテープ(登録商標)等の固定バンド14とを備えて構成されるウェアラブル装置(ウェアラブル機器)である。
本体ケース12の表面(使用者2に装着したときに外向きになる面)には、タッチパネル16や操作スイッチ18が設けられている。このタッチパネル16や操作スイッチ18を用いて、使用者2が測定開始指示の入力を行ったり、測定結果がタッチパネル16に表示されたりする。
また、本体ケース12の側面には、外部装置と通信するための通信装置20と、メモリーカード22のリーダーライター24とが設けられている。通信装置20は、有線ケーブルを着脱するためのジャックや、或いは、無線通信を行うための無線通信モジュール及びアンテナにより実現される。メモリーカード22は、フラッシュメモリーや強誘電体メモリー(FeRAM:Ferroelectric Random Access Memory)、磁気抵抗メモリー(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)等のデータ書き換えが可能な不揮発性メモリーである。
また、本体ケース12の裏面には、センサーモジュール50が使用者2の皮膚面に接触可能に設けられている。センサーモジュール50は、使用者2の皮膚面に測定光を照射し、その反射透過光を受光する測定用のデバイスであり、光源内蔵の薄型イメージセンサーとなっている。
更に、本体ケース12には、充電式のバッテリー26と、制御基板30と、が内蔵されている。バッテリー26への充電方式としては、本体ケース12の背面側に電気接点を設け、家庭用電源に接続されたクレードルにセットし、電気接点を介してクレードル経由で充電される構成でも良いし、無線式充電でも良い。
制御基板30には、CPU(Central Processing Unit)と、メインメモリーと、測定データ用メモリーと、タッチパネルコントローラーと、センサーモジュールコントローラーとが搭載されている。メインメモリーは、プログラムや初期設定データを格納したり、CPUの演算値を格納することができる記憶媒体であり、RAMやROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー等で実現される。なお、プログラムや初期設定データは、メモリーカード22に記憶されている構成でも良い。測定データ用メモリーは、測定データを記憶するための記憶媒体であり、フラッシュメモリーや強誘電体メモリー(FeRAM)、磁気抵抗メモリー(MRAM)等のデータ書き換え可能な不揮発性メモリーによって実現される。なお、測定データをメモリーカード22に記憶する構成でも良い。
図2は、センサーモジュール50の構成図である。図2(1)は平面図を示し、図2(2)は断面図を示している。センサーモジュール50は、多数の発光素子53を平面状に二次元配列した発光層52と、受光層58へ向かう光以外を選択的に遮断する遮光層54と、近赤外線を選択的に透過させる分光層56と、多数の受光素子59を平面状に二次元配列した受光層58とを積層して構成された光学センサーである。そして、このセンサーモジュール50は、正面側(発光層52の側の面)が使用者2の皮膚面に向くように、本体ケース12の裏面側に設けられている。
発光素子53は、測定光を照射する照射部であり、例えばLED(Light Emitting Diode)やOLED(Organic light-emitting diode)等により実現される。本実施形態では、血糖値(血液中のグルコース濃度)を測定するため、発光素子53は、皮下透過性を有する近赤外線を含む光を発光可能な素子とする。
受光素子59は、測定光の透過光や反射光を受光し、受光量に応じた電気信号を出力する受光部であり、例えばCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等の撮像素子で実現される。また、1つの受光素子59は、検量に必要な各波長成分を受光する複数の素子を含む。
発光層52における発光素子53、及び、受光層58における受光素子59は、共通のXs−Ys直交座標系で定義されるマトリクス状に配置されている。そして、発光層52の発光素子53と受光層58の受光素子59とは、それぞれにおけるXs,Ys軸方向それぞれの配置間隔が同一であるが、Xs−Ys平面において互い違いとなるように配置される。すなわち、発光素子53と受光素子59とのXs,Ys軸方向の位置が、互いに所定長だけずれるように積層されて構成されている。これにより、使用者2の生体組織を透過した光や生体組織内で反射した光(以下、適宜「反射透過光」という)が受光素子59に到達可能なように構成されている。
なお、発光層52における発光素子53、及び、受光層58における受光素子59それぞれの配置間隔は、適宜設定可能である。例えば、配置間隔は、1〜500[μm]とすると好適であり、製造コストと測定精度との兼ね合いから、例えば50〜200[μm]程度とすることもできる。また、発光素子53と受光素子59とが積層された構成に限らず、発光素子53と受光素子59とが並置されていてもよい。
[原理]
(A)血糖値の測定
本実施形態における血糖値の測定原理について説明する。測定にあたり、血糖値測定装置10は、センサーモジュール50が使用者2の皮膚面に密着するようにして固定バンド14で固定される。センサーモジュール50を皮膚面に密着させることで、測定光の皮膚面での反射や皮膚面付近での散乱といった測定精度を下げる要因を抑制することができる。そして、センサーモジュール50の直下の生体組織内における血管を測定対象として設定し、測定光がこの血管を透過した透過光を含む光を受光して吸光スペクトルを求め、血糖値を推定演算する。
(A−1)血管パターンの取得
具体的には、先ず、皮膚面から見た血管パターン(血管位置)を取得する。血管パターンの取得は、公知の静脈認証技術における静脈パターン検出と同様に実現することができる。すなわち、模式的に示した図3に示すように、センサーモジュール50の発光素子53を一斉発光させ、使用者2の皮膚面に測定光を照射する。そして、全ての受光素子59を用いて、測定光が生体組織を透過した光(透過光)や、生体組織で反射した光(反射光)を受光すなわち撮影して、生体画像を取得する。
図4は、生体画像P2の一例を示す図である。生体画像P2は、センサーモジュール50における受光素子59の配列に等しいピクセル数の二次元画像として得られる。
血管は非血管部よりも近赤外線を吸収し易いため、生体画像P2において、血管の部分は非血管の部分よりも輝度が低く暗くなる。このため、生体画像P2において輝度が低くなっている部分を抽出することで、血管パターンを抽出することができる。すなわち、生体画像P2を構成するピクセル毎に、その輝度が所定の閾値以下であるか否かによって、該当する受光素子59の直下に血管が存在するか否か、すなわち血管の位置を取得することができる。
図5は、図4の生体画像P2に基づいて得られる血管パターンP4の例を示す図である。血管パターンP4は、生体画像を構成するピクセル毎、すなわち受光素子59の位置毎に、血管であるか非血管領域であるかを示した情報である。図5では、網掛けした帯状の部分が血管4であり、それ以外の白抜きされた部分が非血管領域8として抽出されている。
(A−2)測定対象の血管部位の選択
血管パターンを取得したならば、続いて、測定対象とする血管(より具体的には血管部位)を選択する。測定対象とする血管部位6を、次の選択条件を満たすように選択する。選択条件とは、「血管の分岐部分や合流部分、画像の端部以外の部位であり、且つ、血管長手方向において所定の長さ及び所定の幅を有する」ことである。
血管の分岐・合流部分5a(図5参照)では、受光光に、測定対象以外の血管を通過した光が混合する可能性がある。測定対象の血管部位6以外の血管の透過光は、測定対象の血管部位6の吸光スペクトルに影響を及ぼし、測定精度が低下する可能性がある。このため、血管の分岐・合流部分5aを除いた血管部分から測定対象の血管部位6を選択することとする。
また、生体画像の端部5b(図5参照)では、画像の外側近傍の血管の分岐や合流といった構造が不明であるため、上述と同様の理由による測定精度の低下の可能性がある。これを避けるために、画像端部5bを除いた血管部分から測定対象の血管部位6を選択することとする。
また、発光素子53からの照射光は、生体組織内を拡散反射し、その一部が受光素子59にて受光される。つまり、受光素子59にて受光される光の一部が対象血管の透過光となるが、この透過光の割合が高いほど、対象血管の血中成分の特徴をより顕著に表した吸光スペクトルとなり得る。すなわち、測定精度が高くなる。
また、比較的細く写っている血管(幅方向の長さが短い血管)は、本来的に細い血管であるか、比較的深い位置にある血管である。こういった血管では透過光の光量が少なくなり、測定精度の低下が生じ得る。このため、細く写った血管を除いた血管部分(すなわち、所定の幅を有する血管部位)から、測定対象の血管部位6を選択することとする。
そして、図6は、図5の血管パターンP4に基づいて得られる測定対象の血管部位6の一例である。図6において、血管4のうち、斜線でハッチングされた部分が、測定対象として選択された血管部位6である。
(A−3)照射位置及び受光位置の選択
続いて、選択した測定対象の血管部位6に対して、測定光の照射位置(測定用発光素子)と、測定対象の血管部位6の透過光を受光するのに適当な受光位置(測定用受光素子)と、リファレンス用の透過光を得るのに適当な受光位置(リファレンス用受光素子)とを選択する。リファレンス用の透過光は、測定対象の血管部位6を透過せず、当該血管部位6の近傍の非血管領域8のみを透過した光のことである。
図7は、照射位置、測定用受光位置、及び、リファレンス用受光位置の選択を説明する図である。先ず、照射位置(測定用発光素子)と、測定用受光位置(測定用受光素子)とについて、次の第1の相対位置条件を満たすように選択する。第1の相対位置条件は、血管パターンにおいて「照射位置と測定用受光位置との間の中央部に測定対象の血管部位6が位置し、且つ、照射位置と測定用受光位置との間の距離が所定の最適距離Wに等しい」ことである。そして、第1の相対位置条件を満たす照射位置の発光素子53を測定用発光素子53aとし、測定用受光位置の受光素子59を測定用受光素子59aとする。
また、照射位置(測定用発光素子)とリファレンス用受光位置(リファレンス用受光獅子)とについて、次の第2の相対位置条件を満たすように選択する。第2の相対位置条件は、血管パターンにおいて「照射位置とリファレンス用受光位置との間に血管が存在せず、且つ、照射位置とリファレンス用受光位置との間の距離が所定の最適距離Wに等しい」ことである。そして、第2の相対位置条件を満たすリファレンス用受光位置の受光素子59をリファレンス用受光素子59bとする。
なお、本実施形態では、リファレンス用受光位置を、上述の第1の相対位置条件を満たす測定用照射位置及び測定用受光位置を結ぶ延長線上であって、測定用照射位置から見て測定用受光位置とは反対の位置とするが、これに限らない。また、測定用照射位置(測定用発光素子53a)、測定用受光位置(測定用受光素子59a)、及び、リファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子)は、何れも血管4の上に位置しない(非血管領域8に位置する)こととする。
また、最適距離Wは、次のように定められる。図8は、生体組織内での光の伝播を説明する図であり、深さ方向に沿った断面図を示している。ある発光素子53から照射された光は、生体組織内を拡散反射し、照射された光の一部がある受光素子59に到達する。その光の伝播経路は、いわゆるバナナ形状(2つの弧で挟まれた領域)を成し、略中央付近で深さ方向の幅が最も広くなるとともに、発光素子53と受光素子59との間隔に応じて全体の深さ(到達可能な深さ)が深くなる。
測定精度を高めるには、血管4を透過したより多くの透過光が受光素子59で受光されることが望ましい。このことから、発光素子53と受光素子59との間のほぼ中央に対象血管4が位置し、対象血管4の想定する深さDに応じた最適距離Wが定められる。最適距離W、すなわち発光素子53と受光素子59との間の最適な間隔Wは、血管4の皮膚面からの深さDの約2倍の距離とする。例えば、深さDを3mm程度とすると、最適距離Wは5〜6mm程度となる。
(A−4)測定
測定対象の血管部位6に対する照射位置及び受光位置を決定すると、血糖値の測定を行う。すなわち、測定対象の血管部位6に設定した測定用照射位置(測定用発光素子53a)から測定光を照射させ、測定用受光位置(測定用受光素子59a)、及び、リファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子59b)それぞれの受光結果に基づいて、吸光スペクトルを生成する。
このとき、例えば発光素子53による発光光の波長を変化させることで皮膚面への照射光の波長λを近赤外領域内で変化させて、波長λ毎の血管部位6の透過率を求める。透過率T(λ)は、測定用受光素子59aによって得られた光強度Os(λ)と、リファレンス用受光素子59bによって得られた光強度Or(λ)とから、T(λ)=Os(λ)/Or(λ)、として得られる。そして、この透過率から吸光率を求めて吸光スペクトルを生成する。
ここで、透過率Rの算出原理について簡単に説明する。一般的に、発光素子53による照射光の強度をP(λ)、照射光が透過した物体部分の透過率をT(λ)、受光素子59に定められている感度をS(λ)とすると、受光素子59で得られる光強度O(λ)は、O(λ)=P(λ)・T(λ)・S(λ)、で与えられる。
この関係式より、血管4の透過光を含まないリファレンス用受光素子59bで得られる光強度Or(λ)は、非血管領域部分の透過率T(λ)を「1」と仮定すると、Or(λ)=P(λ)・T(λ)・S(λ)、となる。
また、血管4の透過光を含む測定用受光素子59aで得られる光強度Os(λ)は、Os(λ)=P(λ)・T(λ)・S(λ)、となる。この2つの式から、透過率T(λ)が求められる。また、この透過率T(λ)は、非血管領域8の透過率に対する相対的な値となる。
(A−5)血糖値の算出
続いて、吸光スペクトルに基づき、予め定められた血糖値(血液中のグルコース濃度)と吸光度との関係を示す検量線を用いて、血糖値の推定算出を行う。なお、この吸光スペクトルから所定成分(本実施形態ではグルコース)の濃度を算出する技術自体は公知であり、本実施形態ではその公知技術を適用可能である。
(B)部分発光
また、本実施形態では、血糖値の測定における生体画像の取得の際に、センサーモジュール50の全ての発光素子53を発光させるのではなく、一部の発光素子53のみを発光させることで、省電力を実現している。生体画像の取得の際に発光させる発光素子53は、前回の測定における照射位置(測定用発光素子53a)に基づいて定められる。
図9は、生体画像の取得の際に発光させる発光素子53の選択を説明する図であり、センサーモジュール50の平面図を示している。図9に示すように、前回の測定における測定用発光素子53aを中心とし、所定の半径Rの円範囲である発光範囲60を定め、この発光範囲60内の発光素子53のみを発光させる。
半径Rは、例えば、測定用受光位置及びリファレンス用受光位置の設定の際に用いた最適距離Wより長く定めると良い。本実施形態の血糖値測定装置10は、使用者2の手首等に装着して使用されるため、センサーモジュール50と使用者2の皮膚面との相対位置関係は、前回の測定から殆ど変わらない可能性が高い。このため、上述のように発光範囲60を定めた場合、取得される生体画像の範囲(撮影範囲)62は、図10に示すように、前回の測定における測定対象の血管部位6が含まれる可能性が高い。
そして、半径Rを最適距離Wより長く定めることで、撮影範囲62には、前回の測定における測定対象の血管部位6(詳細には、照射位置(測定用発光素子53a)と測定用受光位置(測定用受光素子59a)とに挟まれる血管部位6の部分)が含まれることになる。
なお、再装着等によって血糖値測定装置10の装着位置がずれた場合には、取得した生体画像に血管4が含まれない、すなわち血管パターンが取得できない事態が生じ得る。このような場合には、半径Rを長くして発光範囲60を広げるように再設定し、再度、生体画像を取得するようにすれば良い。
[機能構成]
図11は、本実施形態における血糖値測定装置10の機能構成図である。血糖値測定装置10は、機能的には、操作入力部110と、表示部120と、音出力部130と、通信部140と、発光部210と、受光部220と、処理部300と、記憶部400とを備えて構成される。
操作入力部110は、ボタンスイッチやタッチパネル、各種センサー等の入力装置であり、なされた操作に応じた操作信号を処理部300に出力する。この操作入力部110によって、血糖値の測定開始指示等の各種指示入力が行われる。図1では、操作スイッチ18やタッチパネル16がこれに該当する。
表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置であり、処理部300からの表示信号に基づく各種表示を行う。この表示部120に、測定結果等が表示される。図1では、タッチパネル16がこれに該当する。
音出力部130は、スピーカー等の音出力装置であり、処理部300からの音信号に基づく各種音出力を行う。この音出力部130によって、血糖値の測定開始や測定終了、低血糖値発生等の報知音が出力される。
通信部140は、無線通信機やモデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等の通信装置であり、通信回線と接続して外部との通信を実現する。図1では、通信装置20がこれに該当する。
発光部210は、平面状に二次元配列された多数の発光素子53を有する。図2に示すセンサーモジュール50の発光層52がこれに該当する。この発光部210の配置位置(具体的には、Xs−Ys直交座標系における各発光素子53の位置座標)については、発光素子リスト406として記憶されている。
受光部220は、平面状に二次元配列された多数の受光素子59を有する。図2に示すセンサーモジュール50の受光層58がこれに該当する。この受光部220の配置位置(具体的には、Xs−Yx直交座標系における各受光素子59の位置座標)については、受光素子リスト408として記憶されている。
処理部300は、例えばCPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のマイクロプロセッサーや、ASIC(特定用途向け集積回路:Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリー等の電子部品によって実現され、所定のプログラムやデータ、操作入力部110からの操作信号に基づいて各種の演算処理を実行して、血糖値測定装置10の動作を制御する。図1では、制御基板30がこれに該当する。また、処理部300は、血糖値測定部310と、発光制御部342と、受光制御部344とを有する。
血糖値測定部310は、発光範囲設定部312と、生体画像取得部314と、血管パターン取得部316と、血管部位選択部318と、照射受光位置選択部320と、リファレンス位置選択部322と、吸光スペクトル算出部324と、成分値算出部326とを有し、使用者2の血液中のグルコース濃度すなわち血糖値の測定を行う。
発光範囲設定部312は、過去の測定における測定情報を基に、生体画像を取得する際の発光部210における発光素子53の発光範囲60を設定する。すなわち、発光部210の発光面において、前回の測定における照射位置(測定用発光素子53a)を中心とする所定の半径Rの円範囲を、発光範囲60として設定する。前回の測定における照射位置(測定用発光素子53a)は、血管部位データ418に含まれている。そして、発光範囲設定部312によって設定された発光範囲60は、発光範囲データ412として記憶される。
ここで、前回の測定における照射位置(測定用発光素子53a)が複数有る場合には、これら複数の照射位置それぞれに対応する複数の発光範囲60を設定することとしても良いし、或いは、複数の照射位置のうちから選択した1又は複数の照射位置それぞれに対応する発光範囲60を設定することとしても良い。また、初回の測定の場合には、前回の測定における照射位置が存在しないため、全ての発光素子53を含む範囲(すなわち、発光部210の発光面全体)を発光範囲60として設定する。
生体画像取得部314は、使用者2の生体画像の取得を行う。生体画像の取得は、公知の静脈認証技術等における生体画像の撮影技術を適宜利用することで実現する。すなわち、発光部210の発光素子53のうち、発光範囲設定部312によって設定された発光範囲60内の発光素子53を一斉発光させ、全ての受光素子59による測光(撮影)を行う。そして、測光結果による輝度画像、すなわち生体画像を生成する。生体画像取得部314によって取得された生体画像は、生体画像データ414として記憶される。
血管パターン取得部316は、生体画像取得部314によって取得された生体画像に対する所定の画像処理を行って、血管パターンを取得する。具体的には、公知の静脈認証技術における生体画像から静脈パターンを識別する技術を適宜利用することで実現する。例えば、生体画像のピクセル毎に、基準輝度と比較して2値化やフィルター処理を施す。基準輝度未満のピクセルが血管、基準輝度以上のピクセルが非血管領域を示すことになる。血管パターン取得部316によって取得された血管パターンは、血管パターンデータ416として記憶される。
血管部位選択部318は、血管パターン取得部316によって取得された血管パターンに基づいて、所定の選択条件を示す血管部位6を測定対象として選択する。ここで、測定対象とする血管部位6は、1つであっても良いし複数としても良い。測定対象として選択された血管部位6それぞれについては、血管部位データ418として記憶される。
図12は、血管部位データ418のデータ構成の一例を示す図である。血管部位データ418は、当該血管部位の識別情報である血管部位ID418aと、部位ピクセルリスト418bと、中心線位置情報418cと、血管長手方向の長さである部位長418dと、測定用発光素子データ418eと、測定用受光素子データ418fと、リファレンス用受光素子データ418gとを格納している。部位ピクセルリスト418bは、当該血管部位に対応するピクセル(すなわち、受光素子59)の一覧である。中心線位置情報418cは、Xs−Ys直交座標系における当該血管部位の中心線(血管幅方向の中心であり血管長さ方向に沿った線)の位置座標の情報である。
照射受光位置選択部320は、測定対象の血管部位6それぞれについて、第1の相対位置条件を満たすように、照射位置(測定用発光素子53a)、及び、測定用受光位置(測定用受光素子59a)を選択する。具体的には、Xs−Ys直交座標系において(すなわち、皮膚面において)、血管部位6の中心線上の一の位置から、中心線と直交する二方向へ互いの間隔が最適距離Wとなる2つの位置に、当該血管部位6を挟むように照射位置、及び、測定用受光位置を設定する。そして、この照射位置の発光素子53を測定用発光素子53aとし、測定用受光位置の受光素子59を測定用受光素子59aとする。最適距離Wは、最適距離データ410として記憶されている。中心線上の一の位置の選択方法は、例えば、血管部位6の長手方向の略中心位置として定められる。
なお、選択した一の位置にて第1の相対位置条件を満たす位置(すなわち、照射位置及び測定用受光位置となり得る位置)が存在しない場合には、当該一の位置から中心線に沿って所定の単位距離離れた位置について、同様に第1の相対位置条件を満たす位置(すなわち、照射位置及び測定用受光位置となり得る位置)が有るかを判断する。それでも第1の相対位置条件を満たす位置が見つからない場合には、同様にこれを繰り返すことで、測定用照射位置及び測定用受光位置を検索・設定する。
リファレンス位置選択部322は、照射受光位置選択部320によって設定された照射位置、及び、測定用受光位置を基準として、第2の相対位置条件を満たすようにリファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子59b)を選択する。なお、第2の相対位置条件を満たす位置が存在しない場合には、再度、照射受光位置選択部320による照射位置及び測定用受光位置の検索・設定を行う。
吸光スペクトル算出部324は、測定対象の血管部位6それぞれについて、吸光スペクトルを生成する。具体的には、血管部位6に設定された、測定用受光素子59a、及び、リファレンス用受光素子59bによる受光結果(光強度)をもとに、波長λ毎の透過率Tを算出することで、吸光スペクトルを生成する。更に、測定対象の血管部位6が複数有る場合は、これら複数の測定対象の血管部位6それぞれの吸光スペクトルを平均して平均吸光スペクトルを算出する。吸光スペクトル算出部324によって算出された吸光スペクトルは、吸光スペクトルデータ420として記憶される。
成分値算出部326は、吸光スペクトル算出部324によって算出された吸光スペクトルに基づいて、目的とする血液成分の血中濃度であるグルコース濃度(すなわち、血糖値)を算出する。本実施形態では、吸光スペクトルを、重回帰分析法、主成分回帰分析法、PLS回帰分析法、独立成分分析法等の分析法を用いる。なお、測定対象の血管部位6が複数有る場合には、各血管部位6に係る吸光スペクトルを平均した平均吸光スペクトルから血糖値を算出する。成分値算出部326によって算出された血糖値は、測定時刻と対応付けて、測定血糖値データ422として蓄積記憶される。
発光制御部342は、発光部210が有する複数の発光素子53それぞれを選択的に発光制御する。受光制御部344は、受光部220が有する複数の受光素子59それぞれから受光した光量を取得する。
記憶部400は、ROMやRAM、ハードディスク等の記憶装置であり、処理部300が血糖値測定装置10を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部300の作業領域として用いられ、処理部300が実行した演算結果や、操作入力部110からの操作データ等が一時的に格納される。図1では、制御基板30に搭載されるメインメモリーや測定データ用メモリーがこれに該当する。また、記憶部400には、システムプログラム402と、血糖値測定プログラム404と、発光素子リスト406と、受光素子リスト408と、最適距離データ410と、発光範囲データ412と、生体画像データ414と、血管パターンデータ416と、血管部位データ418と、吸光スペクトルデータ420と、測定血糖値データ422とが記憶される。
[処理の流れ]
図13は、血糖値測定処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、処理部300が、血糖値測定プログラム404に従った処理を実行することで実現される。
図13によれば、先ず、血糖値測定部310が、使用者の血糖値を測定する測定処理を行う。すなわち、発光範囲設定部312が、センサーモジュール50の発光範囲60を設定する(ステップA1)。つまり、初回の測定ならば、センサーモジュール50の発光面の全面(すなわち、全ての発光素子53を含む範囲)を発光範囲60とし、2回目以降の測定ならば、前回の測定における照射位置(測定用発光素子53a)を中心とする範囲を発光範囲60とする。
次いで、生体画像取得部314が、センサーモジュール50の発光素子53のうち、設定された発光範囲60内の発光素子53のみを発光させて、使用者の生体画像を取得する(ステップA3)。続いて、血管パターン取得部316が、得られた生体画像に基づいて、皮膚面から見た血管パターンを取得する(ステップA5)。その結果、血管パターンが得られないならば(ステップA7:NO)、ステップA1に戻り、発光範囲60を再設定する(ステップA1)。このとき、例えば半径Rを所定長ΔRだけ増加させて発光範囲60を広げるように再設定する。そして、再設定した発光範囲60内の発光素子53を発光させて生体画像を再取得し(ステップA3)、再取得した生体画像に基づく血管パターンの再取得を行う(ステップA5)
血管パターンが得られたならば(ステップA7:YES)、血管部位選択部318が、得られた血管パターンに基づいて、所定の選択条件を満たす測定対象の血管部位6を選択する(ステップA9)。そして、照射受光位置選択部320が、測定対象の血管部位6毎に、第1の相対位置条件を満たす照射位置(測定用発光素子53a)、及び、測定用受光位置(測定用受光素子59a)を選択する(ステップA11)。次いで、リファレンス位置選択部322が、測定対象の血管部位6毎に、第2の相対位置条件を満たすリファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子59b)を選択する(ステップA13)。
続いて、測定対象の血管部位6それぞれについて設定された測定用発光素子53aを一斉発光させ(ステップA15)、全ての受光素子59による受光(撮像)を行う(ステップA17)。次いで、吸光スペクトル算出部324が、測定対処の血管部位6それぞれについて、設定された測定用受光素子59a、及び、リファレンス用受光素子59bそれぞれによる受光結果(光強度)に基づいて、当該血管部位6についての吸光スペクトルを生成する。更に、測定対象の血管部位6が複数有る場合には、血管部位6毎の吸光スペクトルを平均した吸光スペクトルを算出する(ステップA19)。その後、成分値算出部326が、吸光スペクトルに基づいて、血液中のグルコース濃度すなわち血糖値を算出する(ステップA21)。そして、算出した血糖値を表示部120に表示させるとともに、測定時刻と対応付けて蓄積記憶する(ステップA23)。
そして、所定の待機時間の経過を待機した後(ステップA25)、ステップA1に戻り、同様に次回の血糖値の測定を行う。
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、血管パターンを取得するための生体画像を撮影する際に、全ての発光素子53を発光(全面発光)させるのではなく、発光範囲60内の一部の発光素子53を発光させることで、測定に係る消費電力を低減することができる。発光範囲60は、前回の測定における照射位置(測定用発光素子53a)を中心とする範囲として設定される。血糖値測定装置10は使用者2の手首等に装着して使用され、センサーモジュール50と使用者2の皮膚面との相対位置関係は前回の測定から殆ど変わらない可能性が高いため、取得される生体画像の範囲には、血管(前回の測定における測定対象の血管部位6)が含まれる可能性が高い。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)発光範囲60の形状
上述の実施形態では、発光範囲を円形状としたが、これに限らず矩形形状など、他の形状としても良い。
(B)発光範囲60の再設定
また、上述の実施形態では、生体画像から血管パターンが取得できない場合には、発光範囲60を広げるように再設定することとしたが、異なる位置に発光範囲60を設定することとしても良い。具体的には、例えば、既に設定した発光範囲60と重複しないように、新たな発光範囲60を再設定する。このような場合は、再装着等によって血糖値測定装置10の装着位置がずれた可能性が高いからである。
(C)初回測定時の発光範囲60
また、上述の実施形態では、初回の測定時には、全ての発光素子53を含む範囲(すなわち、発光部210の発光面全体)を発光範囲60として設定することとしたが、2回目以降の発光範囲60(半径Rの円範囲)よりも広ければ良く、例えば、発光面全体の八割程度の範囲としても良い。
(D)生体情報
また、上述の実施形態は、血管又は血液に係る生体情報として、血液中の成分であるグルコース濃度(すなわち血糖値)を測定することとしたが、他の種類の血液成分を測定する場合や、血液成分ではなく、血管そのもの(例えば、血管径)を検出する場合にも同様に適用可能である。
10 血糖値測定装置、12 本体ケース、14 固定バンド、50 センサーモジュール、52 発光層、53 発光素子、54 遮光層、56 分光層、58 受光層、59 受光素子、110 操作入力部、120 表示部、130 音出力部、140 通信部、150 電源部、210 発光部、220 受光部、300 処理部、310 血糖値測定部、312 発光範囲設定部、314 生体画像取得部、316 血管パターン取得部、318 血管部位取得部、320 照射受光位置選択部、322 リファレンス位置選択部、324 受光スペクトル算出部、326 成分値算出部、342 発光制御部、344 受光制御部、400 記憶部、402 システムプログラム、404 血糖値測定プログラム、406 発光素子リスト、408 受光素子リスト、410 最適距離データ、412 発光範囲データ、414 生体画像データ、416 血管パターンデータ、418 血管部位データ、420 吸光スペクトルデータ、422 測定血糖値データ、2 使用者

Claims (5)

  1. 複数の発光素子が平面状に配置された発光部と、前記発光部の発光が生体内で反射或いは透過した光を受光するための受光部とを有する光学センサー部と、
    血管位置を検出するための前記発光部の発光範囲を設定する発光範囲設定部と、
    前記発光範囲の前記発光素子を発光させ、前記受光部で受光された画像に基づいて、血管位置を検出する血管位置検出部と、
    前記検出された血管位置に基づいて選択した前記発光素子の発光と、前記受光部での受光とを制御して、前記血管又は血液に係る生体情報を測定する測定部と、
    を備え、
    前記発光範囲設定部による設定と前記血管位置検出部による検出と前記測定部による測定とを一連の処理として繰り返すことで前記生体情報を繰り返し測定し、
    前記発光範囲設定部は、過去の前記一連の処理において前記測定部が選択した発光素子の位置に基づいて、新たな前記一連の処理における前記発光範囲を設定する、
    生体情報測定装置。
  2. 前記発光範囲設定部は、過去の前記一連の処理において前記測定部選択した発光素子の位置を含む所定範囲を前記発光範囲として設定する、
    請求項1に記載の生体情報測定装置。
  3. 前記一連の処理において、前記血管位置検出部によって血管位置が検出されない場合に、前記発光範囲設定部による異なる範囲となるような前記発光範囲の再設定と、前記血管位置検出部による血管位置の再検出とを行わせる再実行制御部、
    を更に備えた請求項1又は2に記載の生体情報測定装置。
  4. 前記再実行制御部は、前回設定した発光範囲よりも広い範囲を前記発光範囲とさせるように前記発光範囲設定部に前記発光範囲を再設定させる、
    請求項に記載の生体情報測定装置。
  5. 複数の発光素子が平面状に配置された発光部と、前記発光部の発光が生体内で反射或いは透過した光を受光するための受光部とを有する光学センサー部の前記発光部の発光範囲を設定することと、
    前記発光範囲の前記発光素子を発光させ、前記受光部で受光された画像に基づいて、血管位置を検出することと、
    前記検出された血管位置に基づいて選択した前記発光素子の発光と、前記受光部での受光とを制御して、前記血管又は血液に係る生体情報を測定することと、
    を含み、
    前記発光範囲の設定と前記血管位置の検出と前記生体情報の測定とを一連の処理として繰り返すことで前記生体情報を繰り返し測定し、
    前記発光範囲の設定は、過去の前記一連の処理において前記生体情報の測定の際に選択した発光素子の位置に基づいて、新たな前記一連の処理における前記発光範囲を設定することを含む、
    生体情報測定方法。
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