JP6290857B2 - 相乗的なシリカスケール制御 - Google Patents

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Description

本発明は、中性のpHを有する水性系における非結晶質のシリカスケールの堆積を制御するための方法に関する。本方法は、有効量の少なくとも1種のカルボン酸ポリマーおよび少なくとも1種のキレート剤の相乗的な組み合わせを加えるステップを含む。
水性系を含む、煮沸、冷却および浄化システムなどの水処理装置の内表面上のシリカスケールの堆積および蓄積は、熱伝導およびこうした装置を通る流体流を減少するので問題である。したがって、シリカスケールの形成および堆積の防止、ならびにこうしたスケールが堆積および蓄積した場合の除去は、水処理に関わる産業にとって大きな関心事である。
水性系中のシリカスケールの形成は、例えばpH、温度、金属イオンの濃度などの水性系の各種特性により影響を受ける。これらの特性は、それら自体が特定の動作環境(例えば冷却塔、煮沸器、逆浸透、地熱など)に従ってシステムにより大きく異なり得る。こうした特性、特にpHおよび温度は、シリカスケールの2つの主な形態(コロイド状/非結晶質またはケイ酸塩)のどちらが生成および堆積するかも決定する。シリカスケールの全てのタイプは、溶液中のコロイド状シリカ粒子の形成で始まり、次いで重合してコロイド状または非結晶質のシリカスケールとして堆積するか、あるいは存在する何らかの金属イオンと結合し(例えばマグネシウムまたはカルシウム)、ケイ酸塩スケールの堆積を形成し得る。
より具体的には、シリカスケールの重合速度は、一般にはpH依存性で最大速度は約8.0から8.5である。第II族金属、特にカルシウム、マグネシウムおよび鉄は、ほとんどの場合シリカと共に存在し、これらの金属イオンもシリカスケール成長の速度に影響を及ぼす。さらには、約9.5より高いpHである水性系において、ケイ酸塩タイプのスケール、例えば高度に不溶性のケイ酸マグネシウムは、ごく少量の非結晶質のシリカスケールSiOと共に形成される主たるタイプのシリカスケールである。したがって、ケイ酸塩スケールは、より高い温度およびアルカリ性のpHで形成する傾向がある。約7.5のpHでは、非結晶質のシリカスケールであるSiOが主たるタイプのシリカスケールであり、pHを7.0未満に下げた時に形成されるごく少量のケイ酸塩スケールと共に形成され堆積する。したがって、カルシウム、マグネシウムおよび鉄などの金属の存在下でケイ酸塩スケールは形成しそうにないより低い温度およびpHであっても、非結晶質のシリカスケールは重要な問題として残る。どちらの場合にも、一旦形成したシリカスケールの除去は、難しくコストが掛かる。
シリカスケールの形成および堆積を抑制することは、一般にはシリカスケールの形成および堆積を減少または防止する抑制、分散、可溶化および粒径縮小を含めた1つまたは複数の技術により達成される。中性または弱アルカリ性のpH状態で発生しがちな非結晶質のシリカスケールの制御は、ケイ酸塩スケール抑制および除去ほど研究されていない。
いくつかのポリアクリル酸塩化合物は、各種のスケールの形成および堆積を抑制するために水性系において抑制剤として首尾よく機能することが知られている。ポリアクリル酸塩は、1種または複数のアクリル酸塩モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルおよびそれらの誘導体の重合から導かれるポリマーの1つの部類である。それぞれのアクリルモノマーは、高度に反応性であるビニル基(−C=C−)を含有する。ビニル基の炭素二重結合のこの高反応性に起因して、アクリル酸塩モノマーは、容易に重合し、中でも特に各種のプラスチック、粘着剤および化学結合剤用途において有用な多くの種類のポリアクリル酸塩ポリマーを生成する。
例えば、米国特許第4,536,292号は、水性系における多様な種類のスケールを抑制するために適した分散剤であるとして、不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸および不飽和第4級アンモニア化合物から調製されるアクリル酸塩ポリマーの部類を記述している。米国特許第4,510,059号は、有効量の両性高分子電解質、すなわち、少なくとも1種のカルボキシル基を持つモノマーおよび少なくとも1種のカチオンを含有するモノマーから導かれる重合単位を含有するポリマーを加えることにより、水性系におけるシリカの堆積の形成を減少するための方法を開示している。米国特許第5,658,465号は、N,N−二置換アミド官能基を有するポリマーを加えることにより水系におけるシリカおよびケイ酸塩スケールを抑制するための方法を記述している。
加えて、国際特許出願公開第2010/005889号は、水性系におけるシリカおよびケイ酸塩スケールの抑制のために効果があるとして、アルコキシル化アミンまたはポリ(アルコキシル酸)アミン(poly(alkoxylate)amine)を記述している。これらのポリ(アルコキシル酸)アミン抑制剤は、酸化プロピレン(PO)、酸化エチレン(EO)またはそれらの混合物のいずれかを基本とする骨格を有し、例えばアクリル酸またはマレイン酸から導かれるペンダントカルボン酸基をさらに含み得る。
国際特許出願公開第2011/028662号も、水性系にアルコキシル化ビニルエーテルおよびカルボニル基、スルホン酸基またはリン酸基を有する少なくとも1種のモノマーから導かれる単位を含むポリマーを追加することによりシリカおよびケイ酸塩スケールの堆積を抑制するための方法を提供している。スルホン基(−SOOH)を含有する、カルボキシル基を持つマルチポリマー、例えば米国ミシガン州ミッドランドのThe Dow Chemical CompanyからACUMER 5000の商品名で市販されている物は、良く知られているケイ酸マグネシウムの抑制剤ならびに水性系におけるコロイド状シリカおよびケイ酸マグネシウムスケールの分散剤である。スルホン基(−SOOH)を持たないカルボン酸ホモ−およびコ−ポリマー、例えばやはりThe Dow Chemical CompanyからACUMER 1000およびACUMER 4300の商品名で市販されている物は、典型的にシリカスケール堆積を回避することにおいて効果が弱いことも業界において知られている。
分散剤に加え、他の化合物を水性系に加えて金属カチオンと結合し錯体を形成させることによりスケールの蓄積を制御することも知られている。こうした結合および錯体形成は、一般には封鎖としてもよいが、通常は「キレート」とも呼ばれる。こうした金属イオンとの封鎖相互作用の能力がある化合物は、「キレート剤」として知られ、金属カチオンをスケールの形成および堆積ができないようにさせる。
キレート化合物は良く知られており、これに限らないが、アミノ酸およびそれらの誘導体、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびポリアミンのアルキロール置換基のポリ酸を含めた他のポリアルキレンポリアミンポリ酢酸が含まれる。他のキレート化合物は、カルボニル基、スルホン酸基、アミン基およびホスホン酸基などからなる活性基を有する。
ポリマー分散剤およびキレート剤のブレンドまたは混合物は、水性系におけるマグネシウム系のスケールの形成および堆積を効果的に抑制することが分かっている。例えば、日本国特許特開2007−63687号公報は、抑制するためにポリマーおよびキレート剤を含み、ポリマー:キレート剤の比が95:5から60:40であるリンを含まない抑制剤のブレンドを記述している。日本国特許特開2007−63687号公報は、有効量の90から500百万分率で、ポリマーおよびキレート剤を別々に水性系に加えてもよく互いに無関係であるか、または水性系への追加に先立って互いに混合してもよいことを述べている。日本国特許特開2007−63687号公報において、適したポリマーはポリアクリル酸ホモポリマーまたはアクリル酸(AA)/2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)コポリマーとして定義され、一方キレート剤はアミンエチレンジアミン四酢酸(EDTA)および類似の錯体ポリ酢酸含有アミンと特定されている。この技術は、具体的には湯沸かし器システムにおけるマグネシウムスケールの形成および堆積の問題を首尾よく扱うことに注目して示されている。
キレート官能性を有するアクリルポリマーは、様々な用途において金属イオンを結合するために有用であることも認められている。例えば、洗濯用および自動食器洗い用洗剤に置き換わるリン酸塩を含まない混和剤に関する調査において、アミノカルボン酸塩化合物はこうした水性系のために効果的なキレート剤であることが分かっている。米国特許第3,331,773号は、水溶性のキレートモノマーを脂肪族ポリマー骨格を有する水溶性のポリマー上にグラフトすることによるキレート官能性を有する水溶性のポリマーの調製を教示している。ジエチレントリアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)および他のポリアルキレンポリアミンポリ酢酸は、米国特許第3,331,773号において、水溶性のポリマー上へのグラフトに適したキレートモノマーの例として特定されている。得られるキレート官能性を有するアクリルポリマーは、水性系においてアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウムおよびカルシウムベースの物の沈殿を抑制するために有用である。
本発明は、水性系においてコロイド状または非結晶質タイプのシリカスケール堆積を制御するための方法を提供する。
本発明は、水性系においてコロイド状/非結晶質のシリカスケール堆積を制御するための方法を提供する。水性系は、7.0から9.0のpHを有し得る。方法は、A)1種または複数のカルボン酸モノマーから導かれる単位を含む10重量%から90重量%の少なくとも1種のカルボン酸ポリマー;およびB)90重量%から10重量%の少なくとも1種のキレート剤を含む、有効量の相乗的な組み合わせを水性系に加えるステップを含む。重量パーセントは前記相乗的な組み合わせの総重量に基づき、かつ成分A)およびB)の重量パーセントの和は100%に等しい。
カルボン酸ポリマーが導かれるカルボン酸モノマーは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、およびそれらの塩からなる群から選択してよい。さらには、カルボン酸ポリマーは、50重量%から99重量%のカルボン酸モノマーおよびスルホン基を含まないエチレン性不飽和モノマーならびにそれらの誘導体からなる群から選択される、1重量%から50重量%の少なくとも1種の別のモノマーを含んでいてもよい。
キレート剤は、メチルアミン、エタノールアミン(2−アミノエタノール)、ジメチルアミン(DMA)、メチルエタノールアミン(MEA)、トリメチルアミン(TEA)、エチレンアミン、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)、エチレンジアミン三酢酸(ED3A)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、イミノジア酢酸(iminodiaacetic acid)(IDA)、イミノ二コハク酸(IDS)、ニトリロ三酢酸(NTA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウムおよびそれらの誘導体ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
一部の実施形態において、ポリマー(1種または複数)および1種のキレート剤(1種または複数)は、共に物理的にブレンドされる。他の実施形態において、カルボン酸ポリマー(1種または複数)は、少なくとも1種のキレート剤から導かれる重合単位を既に含んでいてもよい。
水性系に加えられる有効量の相乗的な組み合わせは、0.1から400ppmである。
下文に述べられる実施形態から、ならびに付随する実施例に記載されている対照および比較例1の実験時に実証された経時的な流動比の統計データを示すグラフを提供する図1を参照して、本発明のより完全な理解が得られるであろう。
本明細書に述べる実験時に実証された経時的な流動比の典型的なグラフである。
本明細書に述べられる全ての割合は、特に明記しない限り重量パーセント(wt%)である。
特別の定めのない限り、温度は摂氏温度(℃)であり、「周囲温度」は20℃から25℃を意味する。
本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリル酸」と言う語は、アクリル酸およびメタクリル酸を含む。
「エチレン性不飽和モノマー」は、それらを重合可能にする1つまたは複数の二重の炭素−炭素結合を有する分子を意味する。モノエチレン性不飽和モノマーは、1つの炭素−炭素二重結合を有し、一方マルチ−エチレン性不飽和モノマーは、2つ以上の炭素−炭素二重結合を有する。本明細書で使用する場合、エチレン性不飽和モノマーには、これに限らないが、カルボン酸、カルボン酸のエステル、マレイン酸、スチレン酸およびスルホン酸が含まれる。カルボン酸モノマーには、例えば、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの混合物が含まれる。マレインモノマーには、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸およびそれらの置換された異形が含まれる。スルホン酸モノマーには、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリル酸、2−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸および4−スルホブチル(メタ)アクリル酸が含まれる。さらなるエチレン性不飽和モノマーの例には、これに限らないが、イタコン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、アクリロキシプロピオン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルおよびメタクリル酸イソブチル;アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、例えばアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸ヒドロキシプロピル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−第3級ブチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル(methacryionitrile)、アリルアルコール、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ホスホエチル、メタクリル酸ホスホノエチル(PEM)およびメタクリル酸スルホノエチル(SEM)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、ジアクリル酸エチレングリコール、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、フタル酸ジアリル、酢酸ビニル、スチレン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)およびその塩またはそれらの組み合わせが含まれる。
「ポリマー」は、同一または異なる種類のモノマーを重合することにより調製されるポリマー化合物または「樹脂」を意味する。本明細書で使用する場合、一般名称「ポリマー」には、1種または複数の種類のモノマーから作られるポリマー化合物が含まれる。「ホモポリマー」は、本明細書で使用する場合、単一種類のモノマーから調製されているポリマー化合物を意味する。同様に、「コポリマー」は、2つ以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマー化合物である。例えば、アクリル酸モノマーのみから導かれる重合単位を含むポリマーはホモポリマーであり、一方でメタクリル酸とアクリル酸ブチルとから導かれる重合単位を含むポリマーはコポリマーである。
本明細書で使用する場合、「から得られる重合単位」と言う語は、生成物ポリマーが、重合反応のための出発原料である構成成分のモノマー「から得られる重合単位」を含む、重合技術に従って合成されるポリマー分子を言う。重合反応のための出発原料として用いられる全ての構成物質モノマーの合計に基づいた構成物質モノマーの割合は、それらそれぞれの構成物質モノマーから導かれる同割合の単位を有するポリマー生成物を生じると推定される。例えば、80重量%のアクリル酸モノマーおよび20重量%のメタクリル酸モノマーが重合反応に提供される場合、得られるポリマー生成物は、80重量%のアクリル酸から導かれる単位および20重量%のメタクリル酸から導かれる単位を含むであろう。これはしばしば短縮形で80%AA/20%MAAとして書かれる。同様に、例えば特定のポリマーが、50重量%のアクリル酸、40重量%のメタクリル酸および10重量%のイタコン酸(すなわち、50%AA/40%MAA/10%IA)から導かれる単位を含むと考えられている場合は、重合反応に提供される構成物質モノマーの割合は、3種全ての構成物質モノマーの総重量に基づいてアクリル酸50重量%、メタクリル酸40重量%およびイタコン酸10重量%であると推定され得る。
「カルボン酸モノマー」と言う語は、下文に用いられ、−COOHまたは−CO 基を含有する重合可能なモノマーを意味する。例えば、これに限らないが、カルボン酸モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸およびそれらの塩が含まれる。
本明細書で使用する場合、「カルボン酸ポリマー」と言う語は、少なくとも1種のカルボン酸モノマーから導かれる単位を含むポリマーを意味する。
本明細書で使用する場合、カルボン酸モノマーおよびコポリマーを記述する「スルホン基を含まない」と言う語は、カルボン酸モノマーまたはコポリマーが本質的にいかなるスルホン基(−SOOHまたは−SO)も含まないことを意味する。より詳細には、ポリマーの総重量に基づいて5重量%未満のスルホン基を有するカルボン酸モノマーまたはコポリマーは、本発明の方法における使用に適した「スルホン基を含まない」カルボン酸モノマーまたはコポリマーである。
本明細書で使用する場合、「水性系」という語句は、これに限らないが、冷却水、ボイラー水、脱塩、ガス洗浄器、溶鉱炉、下水汚泥熱処理装置、ろ過、逆浸透、糖蒸発器(sugar evaporators)、紙加工、採鉱回路(mining circuits)などを含めた水を含有する任意の系を意味する。
「シリカスケール」と言う語は、水処理装置の内表面上に堆積および蓄積した、シリカを含有する固形物を意味する。「シリカスケール」には、一般にはコロイド状または非結晶質のシリカ(SiO)およびケイ酸塩(例えばケイ酸マグネシウム)などの複数種類のシリカスケールが含まれる。蓄積したシリカスケールは、しばしば1種のまたは他のタイプのスケールを主とするシリカおよびケイ酸塩タイプのスケールの組み合わせであり得、および時々そうである。「コロイド状/非結晶質のシリカスケール」は、大部分がコロイド状/非結晶質のケイ酸塩タイプであるシリカスケール堆積を記述するために下文に用いられる語である。水性系中に存在する金属および他のイオンの種類によって、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ホスホン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、砂鉱床、金属酸化物および金属水酸化物などの、シリカタイプ以外の他の種類のスケールも存在し得る。
コロイド状/非結晶質のシリカスケールの形成の化学反応機構は、水酸化物イオンの触媒作用によりケイ酸をポリケイ酸にする縮重合を含む。この反応機構は、一般には以下のように進行する:
Si(OH)+OH−>(OH)SiO+H
Si(OH) +Si(OH)+OH−>(OH)Si−O−Si(OH)(二量体)+OH
(OH)Si−O−Si(OH)(二量体)−>環状−>コロイド状−>非結晶質のシリカ(スケール)
反応機構は水酸化物イオンの触媒作用によるため低pHではゆっくり進行するが、pHが約7より上では著しく増加する。したがって、「中性の」pH、例えば7.0から8.5を有する水性系におけるシリカスケール形成の防止は、特に懸念される。
シリカスケールを制御するための前述の機構の妨害は、抑制、分散、可溶化および粒径縮小を含めた1種または複数の化学作用により達成され得る。シリカスケールの形成および堆積を抑制することは、一般には、溶液中にシリカ化合物が形成される時点であるが沈殿または堆積前の時点における上述のシリカスケール形成機構の妨害を意味する。1種または複数のシリカ化合物が溶液から凝集および沈殿する時点における、それによりシリカスケールの堆積を防止する上述の形成機構の妨害は、分散と呼ばれる。
金属イオン封鎖は、他の化合物または分子ともはや反応できないように、イオン、原子または分子とのキレートあるいは他の安定な化合物を形成する作用である。分散は、そうしないと凝集、沈殿またはその両方をするであろう化合物が、沈殿しないようにまたは互いに自由に相互作用するように溶液中に分散した状態に保たれる場合に発生する。
本発明の方法は、中性のpHを有する水性系におけるコロイド状/非結晶質のシリカスケールの堆積を制御するために適する。方法は、(A)少なくとも1種のスルホン基を含まない(sulfonatee−free)カルボン酸ポリマー、および(B)少なくとも1種のキレート剤を含む、有効量の相乗的な組み合わせを水性系に加えるステップを含む。相乗的な組み合わせの成分A)およびB)の重量パーセントの和は、100%に等しい。
一部の実施形態において、水性系は、7.0から9.5、例えば7.0から9.0、または7.0から8.0、またはさらには7.0から8.5などのpHを有していてよい。
他の実施形態において、水性系は、7.5から9.0、または8.0から9.0、またはさらには7.5から8.5のpHを有していてよい。
一般には、カルボン酸ポリマーは、少なくとも1種のカルボン酸モノマーあるいはそれらの塩または他の誘導体から導かれる重合単位を有するポリマー化合物である。いくつかのカルボン酸ポリマーは、マグネシウムおよびカルシウムをベースとするスケールを含めた様々な種類のスケールの形成および堆積を抑制するための分散剤として、よく機能することが知られている。しかし、スルホン基の官能性を含まないカルボン酸ホモポリマー、例えばポリアクリル酸、およびカルボン酸コポリマー、例えばアクリル酸/マレイン酸ポリマーは、シリカスケールのための抑制剤の効果が弱いことも知られている。本発明の方法において使用するために適したカルボン酸モノマーは、スルホン基が無いものであり、下文にさらに詳細に述べられる。
本発明の方法に従って用いられる相乗的な組み合わせに含めるために適したキレート剤には、非環式アミン、アクリル酸イミン、およびアクリル酸アミド、それらの第1級、第2級および第3級の形態、ならびにそれらの誘導体が含まれる。適したアミンには、例えば、これに限らないが、メチルアミン、エタノールアミン(2−アミノエタノール)、ジメチルアミン(DMA)、メチルエタノールアミン(MEA)、トリメチルアミン(TEA)、エチレンアミン、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)、エチレンジアミン三酢酸(ED3A)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)が含まれる。適したイミンには、例えば、これに限らないが、イミノジア酢酸(IDA)およびイミノ二コハク酸(IDS)が含まれる。他の適したキレート剤には、これに限らないが、中でも特にニトリロ三酢酸(NTA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDA)、およびジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウムが含まれる。
一部の実施形態において、本発明の方法において用いられる相乗的な組み合わせは、相乗的な組み合わせの総重量に基づいて90重量%から10重量%の少なくとも1種のカルボン酸ポリマーおよび10重量%から90重量%の少なくとも1種のキレート剤を含む。相乗的な組み合わせが2種以上のカルボン酸ポリマーを含む場合、存在する前記ポリマーの総量は、相乗的な組み合わせの総重量に基づいて90重量%から10重量%である。同様に、相乗的な組み合わせが2種以上のキレート剤を含む場合、存在する前記キレート剤の総量は、相乗的な組み合わせの総重量に基づいて10重量%から90重量%である。
例えば、相乗的な組み合わせは、全体で少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも60重量%、またはさらには少なくとも75重量%の少なくとも1種のカルボン酸ポリマーを含んでいてもよい。さらには、相乗的な組み合わせは、全体で80重量%まで、または60重量%まで、または40重量%まで、または30重量%まで、またはさらには20重量%までの少なくとも1種のカルボン酸ポリマーを含んでいてもよい。
相乗的な組み合わせは、例えば、全体で少なくとも20重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも60重量%、またはさらには少なくとも80重量%の少なくとも1種のキレート剤を含んでいてもよい。同様に、少なくとも1種のキレート剤は、相乗的な組み合わせの総重量に基づいて全体で80重量%まで、または60重量%まで、または40重量%まで、またはさらには20重量%までの量で相乗的な組み合わせ中に存在していてよい。
本明細書で使用する場合、「有効量」と言う語は、処理される水性系におけるコロイド状/非結晶質のシリカスケールの堆積の制御に必要な相乗的な組み合わせの量を意味する。一部の実施形態において、有効量の相乗的な組み合わせは、処理される水性系の総重量に基づいて0.1から400百万分率(ppm)であってよい。他の実施形態において、これに限らないが、例えば有効量の相乗的な組み合わせは少なくとも0.5ppm、または少なくとも1.0ppm、または少なくとも5.0ppm、または少なくとも10ppm、または少なくとも20ppm、または少なくとも50ppm、またはさらには少なくとも100ppmであってよい。一部の実施形態において、例えば、これに限らないが、有効量の相乗的な組み合わせは、300ppm以下、または200以下、またはさらには150ppm以下であってよい。
相乗的な組み合わせの成分(A)少なくとも1種のカルボン酸ポリマーおよび(B)少なくとも1種のキレート剤の追加の方法は、特に限定されない。例えば、カルボン酸ポリマーおよびキレート剤は、上述の割合で、処理される水性系に別個にかつ互いに独立に加えてもよい。本発明の方法の他の実施形態において、相乗的な組み合わせの成分(A)カルボン酸ポリマーおよび(B)キレート剤は、処理される水性系への追加の前に上述の割合で、単一の組み合わせへ物理的に一緒にブレンドされる。さらには、一部の実施形態において、キレート剤は、前記相乗的な組み合わせのカルボン酸ポリマーが1種または複数のカルボン酸モノマーだけでなく前記キレート剤から導かれる重合単位も含むように、カルボン酸ポリマーのモノマー成分の重合時にカルボン酸ポリマーに組み込まれる。
上文に既に言及したように、本発明による方法における使用に適したカルボン酸ポリマーは、カルボン酸塩のホモポリマーまたは少なくとも1種のカルボン酸モノマーならびに場合によってはスルホン基を含まないエチレン性不飽和モノマー、それらの塩およびそれらの誘導体からなる群から選択される別のモノマーのコポリマーのいずれかである。もっと正確に言えば驚くべきことにカルボン酸ポリマーを伴うキレート剤の含有は、スルホン基の官能性を首尾よく置き換え、得られる組み合わせは相乗的に作用し水性系におけるコロイド状/非結晶質のシリカスケールを制御することが分かっている。上文に述べたように、カルボン酸ポリマーはシリカスケール堆積を防止することにおいて不十分であることが知られているので、少なくとも1種のカルボン酸ポリマーおよび少なくとも1種のキレート剤を組み合わせることで中性のpHを有する水性系におけるコロイド状/非結晶質のシリカスケール堆積を首尾よく制御する相乗的な組み合わせを生成するという発見は、驚きであり、予想されていなかった。
当業者に理解されるように、カルボン酸モノマーは、カルボキシル基(−COOH)を含有する化合物の幅広い部類である。アクリル酸塩モノマーは、カルボキシル基、−COOHも有するが、容易に重合可能であるビニル基(−C=C−)も含有する。(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体の形態のカルボキシル基に結合している水素の除去は、「カルボン酸塩」、すなわち、式RCO (式中、Rは有機基である)のアニオンを形成する。カルボン酸アニオンは、今度は対応するカルボン酸塩またはカルボン酸エステルを形成する。カルボン酸塩は、金属の価数に応じて、Mは金属およびnは1,2,3...である一般式M(RCOO)nを有する。一方カルボン酸エステルは、RおよびR’は有機基かつR’は水素ではない一般式RCOOR’を有する。
具体的には、本発明の方法における使用に適したカルボン酸ポリマーは、スルホン基を含まずかつ以下のカルボン酸モノマー:(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸および塩の少なくとも1種から導かれる単位を含む。
さらには、一部の実施形態において、カルボン酸ポリマーは、50重量%から99重量%のカルボン酸モノマー、およびスルホン基を含まないエチレン性不飽和モノマーあるいはそれらの塩またはそれらの誘導体を含む1重量%から50重量%の少なくとも1種の他のモノマーを含んでいてもよい。適した他のモノマーの誘導体には、これに限らないが、アミド、イミド、アルコキシレート、第4級アンモニウム、ピロリドン、オキサゾリン、ホルムアミド、アセトアミド、アミン、リン系の基が含まれる。
堆積を制御するための本発明の方法において有用なカルボン酸ポリマーを調製するために用いられる重合の方法は、特に限定されず、現在または将来において当業者に知られた任意の方法であってよく、これに限らないが、乳化、溶液、付加およびフリーラジカル重合技術が含まれる。これは、少なくとも1種のモノマー構成物質およびキレート剤が全て重合反応によって本発明の方法において用いられる相乗的な組み合わせを含むカルボキシル基を持つポリマーに組み込まれるか、または少なくとも1種のカルボキシル基を持つモノマーおよび場合によっては少なくとも1種の他のモノマーが互いに重合して次にキレート剤と物理的に混合されて相乗的な組み合わせを形成するかにかかわらず当てはまる。キレート剤は最初にカルボン酸モノマーまたは別のモノマーと反応し、続いてモノマーが互いに重合してカルボン酸ポリマーを生成し得ることがさらに予期される。
例えば一部の実施形態において、カルボン酸ポリマーは、フリーラジカル重合反応を行うことにより調製してもよい。こうした実施形態の中で、一部は1種または複数の開始剤の使用を含む。開始剤は、ある条件下で、フリーラジカル重合反応を開始する能力がある少なくとも1種の遊離基を生成する分子または分子の混合物である。光開始剤、熱開始剤および「レドックス」開始剤は、中でも特に本発明に関連した使用に適する。特定の開始剤の選択は、互いに重合される特定のモノマーに依存することとなり、当業者には可能である。適した開始剤の別のカテゴリーは、例えば過硫酸ナトリウムを含めた過硫酸塩の群である。一部の実施形態において1種または複数の過硫酸塩は、例えば金属イオン(例えば第1鉄イオンなど)、硫黄含有イオン(例えばS(=)、HSO(−)、SO(=)、S(=)およびそれらの混合物など)およびそれらの混合物を含めた1種または複数の還元剤の存在下で用いられる。
本発明の方法において有用なカルボン酸ポリマーの生成は、鎖調節剤(chain regulator)の使用も含み得る。鎖調節剤は、ポリマー鎖の成長の長さを制限する働きをする化合物である。いくつかの適した鎖調節剤は、例えばメルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸およびドデシルメルカプタンなどの硫黄化合物である。一部の実施形態において、鎖調節剤には、メタ重亜硫酸ナトリウムが含まれる。他の適した鎖調節剤には、これに限らないが、例えば水との混合物中で使用し溶媒を形成するのに適したOH含有化合物(例えばイソプロパノールおよびプロピレングリコール)が含まれる。
さらに、一部の実施形態において、カルボン酸ポリマーは水性乳化重合技術により生成してもよい。一般には水性乳化重合は、水の存在下で、モノマー、開始剤および界面活性剤に作用する。乳化重合は、場合によっては他の原料と共に、水を含む容器に、1種または複数の(水なし、溶液中、水性乳剤中またはそれらの組み合わせであってよい)モノマーを追加するステップを含む方法により実行され得る。
乳化重合プロセスにおける使用に適した開始剤には、例えば水溶性の過酸化物、例えば過硫酸ナトリウムまたは過硫酸アンモニウム;亜硫酸水素ナトリウムまたはイソアスコルビン酸および/または多価金属イオンなどの還元剤の存在下で、多様な温度のいずれかで遊離基を発生する酸化/還元対を形成する酸化体、例えば過硫酸塩または過酸化水素;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二塩酸塩などのカチオン性アゾ開始剤を含めた水溶性のアゾ開始剤が含まれる。さらには、乳化重合プロセスは、油溶性アゾ開始剤などを含めた1種または複数の油溶性開始剤を用いてもよい。
1種または複数の界面活性剤も、乳化重合時に用いてもよい。例えば、界面活性剤の少なくとも1種は、硫酸アルキル、硫酸アルキルアリール、アルキルまたはアリールポリオキシエチレン非イオン性界面活性剤、およびそれらの混合物から選択してもよい。
本発明の使用法、適用および利益は、以下の本発明の例示的な実施形態の考察および記述によって明らかとなろう。
アニオン性、カチオン性および非イオン性基を有する、既存の商用ベンチマーク、他のコポリマーおよびターポリマーを含めた各種のシリカスケール抑制剤を試験した。さらにホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーを含有する各種のブレンドを試験した(それらの詳細は下記に示す)。
本発明の焦点であるブレンドは、少なくとも1種のカルボキシル基を持つホモポリマーまたはスルホン基を含まないコポリマーと少なくとも1種のキレート剤とを一緒にした組み合わせである。その詳細は以下の通りである。
実施例1
組み合わせ1は、重量平均分子量が4500g/molのホスフィノカルボン酸ポリマーとエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムとの50:50の組み合わせであった。
実施例2
組み合わせ2は、ホスホノ末端基で終端された重量平均分子量が2000g/molであるアクリル酸およびマレイン酸の重合生成物とエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムとの50:50の組み合わせであった。
以下のような、相乗的な性能を示さない2つの他の比較用ブレンドを試験した。
比較例1
ブレンド1は、アクリル酸、t−ブチルアクリルアミドおよび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸で構成されている重量平均分子量が4500g/molのターポリマーとエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムとの50:50の組み合わせであった。
比較例2
下記のデータに記載されているブレンド2は、アクリル酸、t−ブチルアクリルアミドおよび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸で構成されている重量平均分子量が4500g/molのターポリマーとジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムとの50:50の組み合わせであった。
さらには、業界により奨励され、優れたシリカスケール抑制を提供することが当業者に知られている既存の商用ポリマー性能(下記に示す通り)を、本発明に比較ベンチマークを提供するために試験した。
比較例3
ベンチマーク1は、重量平均分子量が5000g/molの、アクリル酸、t−ブチルアクリルアミドおよび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の重合生成物である。
比較例4
ベンチマーク2は、重量平均分子量が35000g/molの、アクリル酸、アクリル酸エチルおよび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の重合生成物である。
比較例5
ベンチマーク3は、重量平均分子量が15000g/molの、マレイン酸およびジイソブチレンの重合生成物である。
相乗的なブレンドに伴う性能について試験した他のコ−およびター−ポリマーは、アニオン性、カチオン性および非イオンの基の組み合わせである。その詳細は以下の通りである。
比較例6
ポリマー1は、重量平均分子量が11000g/molの、アクリル酸および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の重合生成物であった。
比較例7
ポリマー2は、重量平均分子量が4500g/molの、アクリル酸、t−ブチルアクリルアミドおよび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の重合生成物であった。
比較例8
ポリマー3は、重量平均分子量が15000g/molの、アクリル酸、塩化ジメチルジアリルアンモニウムおよび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の重合生成物であった。
比較例9
ポリマー4は、重量平均分子量が13400g/molの、アクリル酸および塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合生成物であった。
比較例10
ポリマー5は、重量平均分子量が10800g/molの、アクリル酸およびジメチルアミノプロピルメタクリルアミドの重合生成物であった。
比較例11
ポリマー6は、重量平均分子量が20900g/molの、アクリル酸、アクリル酸メチルポリエチレングリコールおよび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の重合生成物であった。
比較例11
ポリマー7は、重量平均分子量が5200g/molの、アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびビニル基を含有するキレート部分のエチレンジアミン三酢酸から合成されるポリマーであった。
組み合わせ1および2、ブレンド1〜2、ベンチマーク1〜3ならびにポリマー1〜7を、pH8および温度20℃における水、溶解したシリカの原料源(例えばケイ酸ナトリウム)、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)および重炭酸イオン(HCO )を含む水性成分からのシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の抑制および/または分散を含めた性能特性を決定するために評価した。薄膜試験によって水性成分からのシリカ/ケイ酸塩化合物の沈殿を抑制/分散する試薬の能力を測定し、初期の流動の関数として薄膜を流れる流動の量を決定する。試験を行うために、200mg/LのSiO、CaCOとして300mg/LのCa、CaCOとして250mg/LのMgおよびCaCOとして150mg/LのHCO を含有する水性原液(塩水)を調製する。塩水は、任意選択で抑制剤試薬を活性試薬量の濃度50mg/L(すなわち、有効量50ppm)で加える。
50ppmの試薬溶液を含有する10Lの試験水性成分を上述の条件のように調製する。試験水溶液は、試験の初めから終わりまでpH8.0を維持するよう調整される。試験水性成分を薄膜試験装置の貯水器内に置く。貯水器は、モーターによって動作する撹拌機、pH計、温度プローブならびに給水出口および再利用水入口を含む。水溶液は、20℃およびpH8に維持し、状態の均一性を確保するために連続的に撹拌する。
水は、水出口からピストンポンプによって0.7MPaの圧力下で貯水器から外へ供給される。この供給の流速は、流量計で測定される5L/分に維持する。水は、SS316で作られ平板逆浸透薄膜を含む平薄膜小室に供給する。薄膜は、本質的にアニオン性、カチオン性または非イオン性あるいはそれらの組み合わせのいずれかであってよい。小室は、上述した給水がそこから注入される1つの注入口を有し、かつ1つが薄膜のどちらかの側にある2つの出口を有する。(薄膜区画に関して)注入口と同じ側にある出口を濃縮液出口と呼び、注入口と反対側にある出口を透過出口と呼ぶ。透過出口側から収集した水は貯水器へ再循環し、濃縮液出口側から出た水は次の平薄膜小室へ供給する。後続の平薄膜小室は、上述した第1の物と同様の設備を有する。3つの平薄膜小室を次々に順番に接続し、第3かつ最終配置の濃縮液側出口は貯水器へ再循環する。これらの小室からの透過側から収集した水流(流動)を、それらを秤量することにより測定する。任意の特定の時間におけるこの流動を、同じ透過側から収集した時間ゼロにおける水流で割り、比は流動t=t/流動t=0によって表される。この量は、抑制剤/分散剤試薬の性能の比較のための測定基準として用いられる。この比が大きいほど、シリカ/ケイ酸塩スケールを抑制/分散する抑制剤/分散剤の性能は優れている。
流動比は、試験開始の2時間後、4時間後、8時間後、24時間後、48時間後、72時間後および90時間後に測定する。実験開始時の流動比は1である。実験が進行するにつれ、抑制剤/分散剤がどの程度よく機能するかによって、流動比は1にとどまるかまたは下がり始めるかのいずれかであろう。値が1にとどまる場合は、試薬がシリカ/ケイ酸塩沈殿防止のために良く機能していることを意味する。試薬が機能していない場合は、流動比値の減少によって示されるであろう。一旦流動比が下がり始めると、性質により下がり続け再び上昇はしないであろう。さらには、これらの実験条件下で試薬の性能を確認するには90時間は一般に十分長い時間であると考えられる。したがって、各種試薬の比較のために90時間における流動比値を基準点として用いる。本明細書に述べる実験時に実証された経時的な流動比の典型的なグラフを図1に提供する。図1は、本発明(すなわち、ブレンド1、比較例1)による相乗的な組み合わせで処理した系におけるずっと少ない低下と比較した、ポリマーまたはキレート剤が何も加えられていない水性系(すなわち「対照」)の経時的な流動比の急速な低下を示す。全ての試薬の濃度は一定の値に維持されるので、流動比における変化の比較は、抑制/分散のための試薬の有効性の測定基準として有効に用いられ得る。
表1で表される実験において用いられる薄膜の化学分析は、Hitachi 3400計器上のThermo Noran NSSを用いて、エネルギー分散X線分光法(EDS)によって加速電圧15keV、ゼロ開口および5000〜7000カウント毎秒の下で行い、スケールの化学組成物を決定した。試料は25wt%のシリカを含有したがマグネシウムはごく少量(0.5wt%)であったため、薄膜およびその上のシリカスケール堆積のこの分析は、薄膜上に掲載されるスケールの主たる種類がケイ酸塩種よりもむしろコロイド状/非結晶質のシリカスケールであったことを示した。
Figure 0006290857
前述の条件下で流動比を用いて測定されるような上記の組み合わせ、ベンチマークおよびポリマーの比較性能は、下表2のデータによって示される。
Figure 0006290857
表2から分かるように、組み合わせ1、2および3(実施例1、2および3)全てが、市販のベンチマークポリマー(すなわち、比較例3、4および5)と同様のレベルの優秀なコロイド状/非結晶質のシリカスケール制御を実証する。比較例1において、ブレンド1はポリマーとキレート剤との間の不適合性の問題を示し、試験することができなかった。比較例2のブレンド2は、市販のベンチマーク(すなわち、比較例3、4および5)と比較して劣る性能を示した。キレート剤またはポリマー上のキレート官能性の存在無しで、試験した他のポリマー試薬は、一般には市販のベンチマークと比較して劣る性能を示すかまたは同じ性能を果たすにすぎなかった。
本開示は以下も包含する。
[1]
水性系においてコロイド状/非結晶質のシリカスケール堆積を制御するための方法であって、前記方法は、
A)1種または複数のカルボン酸モノマーから導かれる単位を含む10重量%から90重量%の少なくとも1種のカルボン酸ポリマー;および
B)90重量%から10重量%の少なくとも1種のキレート剤
を含む有効量の相乗的な組み合わせを水性系に加えるステップを含み、
重量パーセントは前記相乗的な組み合わせの総重量に基づき、成分A)およびB)の重量パーセントの和は100%に等しい、前記方法。
[2]
前記相乗的な組み合わせの前記少なくとも1種のポリマーおよび前記少なくとも1種のキレート剤は、物理的に一緒にブレンドされる、上記態様1に記載の方法。
[3]
前記相乗的な組み合わせの前記少なくとも1種のカルボン酸ポリマーは、前記少なくとも1種のキレート剤から導かれる重合単位を含む、上記態様1に記載の方法。
[4]
前記1種または複数のカルボン酸モノマーは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸およびそれらの塩からなる群から選択される、上記態様1に記載の方法。
[5]
前記少なくとも1種のカルボン酸ポリマーは、50重量%から99重量%のカルボン酸モノマーならびにスルホン基を含まないエチレン性不飽和モノマーおよびそれらの誘導体からなる群から選択される1重量%から50重量%の少なくとも1種の別のモノマーを含む、上記態様1に記載の方法。
[6]
前記少なくとも1種のキレート剤は、メチルアミン、エタノールアミン(2−アミノエタノール)、ジメチルアミン(DMA)、メチルエタノールアミン(MEA)、トリメチルアミン(TEA)、エチレンアミン、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)、エチレンジアミン三酢酸(ED3A)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、イミノ二酢酸(IDA)、イミノ二コハク酸(IDS)、ニトリロ三酢酸(NTA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウムおよびそれらの誘導体ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記態様1に記載の方法。
[7]
前記有効量は、前記相乗的な組み合わせの0.1から100ppmである、上記態様1に記載の方法。
[8]
前記有効量は、前記相乗的な組み合わせの1から50ppmである、上記態様1に記載の方法。
[9]
前記水性系は、pHが7.0から9.0である、上記態様1に記載の方法。
[10]
前記カルボン酸ポリマーは、前記ポリマーの総重量に基づいて5重量%未満のスルホン基を含む、上記態様1に記載の方法。

Claims (7)

  1. 水性系においてコロイド状/非結晶質のシリカスケール堆積を制御するための方法であって、前記方法は、
    )ホスホノ末端基で終端化された、アクリル酸およびマレイン酸のコポリマーから選択される10重量%から90重量%の少なくとも1種のカルボン酸ポリマー;ならびに
    B)90重量%から10重量%の少なくとも1種のキレート剤
    を含む有効量の相乗的な組み合わせを水性系に加えるステップを含み、
    重量パーセントは前記相乗的な組み合わせの総重量に基づき、成分A)およびB)の重量パーセントの和は100%に等しい、前記方法。
  2. 前記相乗的な組み合わせの前記少なくとも1種のポリマーおよび前記少なくとも1種のキレート剤は、物理的に一緒にブレンドされる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記相乗的な組み合わせの前記少なくとも1種のカルボン酸ポリマーは、前記少なくとも1種のキレート剤から導かれる重合単位を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1種のキレート剤は、メチルアミン、エタノールアミン(2−アミノエタノール)、ジメチルアミン(DMA)、メチルエタノールアミン(MEA)、トリメチルアミン(TEA)、エチレンアミン、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)、エチレンジアミン三酢酸(ED3A)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、イミノ二酢酸(IDA)、イミノ二コハク酸(IDS)、ニトリロ三酢酸(NTA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウムおよびそれらの誘導体ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記有効量は、前記相乗的な組み合わせの0.1から100ppmである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記有効量は、前記相乗的な組み合わせの1から50ppmである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記水性系は、pHが7.0から9.0である、請求項1に記載の方法。
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