JP6289866B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明の実施の形態は、洗濯機に関する。
一般に、洗濯機等の家電製品は、各種設定を行うための操作パネルを備えている。この操作パネルには、タクトスイッチ等の機械式スイッチを用いることが多い。しかし、機械式スイッチを用いた場合に、操作パネルの表面には、機械式スイッチによる複数の凹凸部分が生じることから、使用者に対して煩雑な印象を与えてしまうという事情があった。
そのため、近年、このような操作パネルについては、機械式スイッチに換えて使用者の手指によるタッチ操作を検出することができるタッチ操作部を用いることが提案されている。洗濯機の操作パネルとして、タッチ操作部を用いたものが、特許文献1に提案されている。このように洗濯機の操作パネルとして、タッチ操作部を用いると、操作パネルの平面化ができて外観的にもすっきりして煩雑さがなくなり、しかも防水対策を容易に行える。
特開2011−240110号
ところで、特許文献1に記載のタッチ操作部は、中央のスタートキーと、その周囲に環状電極を有しているが、それぞれの電極の配線は記載されておらず、中央のスタートキーからどのように引き出すのか具体化されていない。そこで、単純に中央のスタートキーからの引回し電極部を、環状電極と同一平面で環状の外側に引き出そうとした場合に環状電極が引き出し部で不連続になるため、使用者が手指で触れて環状電極をスライド操作しようとする際に、引回し電極部が手指の動きを誤検知して、洗濯機を不用意にスタート動作させたり、誤った設定をするおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、誤検知を発生しにくいタッチ操作部を備える洗濯機を提供することにある。
本発明の実施の形態の洗濯機は、洗濯機本体に設けられて各種の設定を行う操作パネルと、前記操作パネルを制御する制御部を備えた洗濯機であって、前記操作パネルは、手指が触れることで前記設定の内容の操作をするスライドタッチ操作部を有し、前記スライドタッチ操作部は、環状に連続的に配置されている静電容量式の複数の検知電極であって、前記手指が触れたことを検知して前記検知したことを前記制御部に通知する第一検知電極と、前記第一検知電極の内側に隣接して配置されて手指が触れたことを検知して前記検知したことを前記制御部に通知する静電容量式の第二検知電極を有し、前記第二検知電極を前記第一検知電極の内側から外側に横切るように引き出す引回し電極部であって、その内の一部で前記第一検知電極と横切る方向で重なる部分に前記手指が触れた時に、必ず前記第一検知電極にも触れる位置に各前記第一検知電極が配置されていることを要旨とする。
本発明の実施形態に係わる洗濯機の全体を示す斜視図である。 図1に示す洗濯機の制御部を含む電気接続例を示す図である。 操作パネルのスライドタッチ操作部、操作キーや表示装置を明示するために、全点灯した状態を示す図である。 洗濯機の電源投入前の操作パネルの非点灯状態を示す図である。 洗濯機の電源投入直後の操作パネルの初期点灯状態を示す図である。 スライドタッチ操作部を回転方向にスライド操作(ダイアル操作)した場合の動作例を示す図である。 図3と図5に示すスライドタッチ操作部の構造例を、詳しく示す図である。 図6に示すスライドタッチ操作部を用いて行うキー操作を、具体的に行った時の表示仕様の例を示す図である。 図6に示すスライドタッチ操作部を用いて行うキー操作を、具体的に行った時の表示仕様の例を示す図である。 図6に示すスライドタッチ操作部を用いて行うキー操作を、具体的に行った時の表示仕様の例を示す図である。 本発明の別の実施形態のスライドタッチ操作部を示す図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わる洗濯機の全体を示す斜視図である。図2は、図1に示す洗濯機の制御部を含む電気接続例を示す図である。
図1に示す洗濯機1は、例えば乾燥機能を備えたドラム式洗濯乾燥機であって、洗濯機本体2と、扉3と、図2に示す制御部20と、静電タッチ型の操作パネル10を備えている。この洗濯機1では、扉3側を洗濯機本体2の前側とし、扉3と反対側を洗濯機本体2の後側とする。
図1に示す洗濯機本体2は、洗濯機1の外殻を構成するもので、前面が滑らかに傾斜した矩形の箱状に形成されている。洗濯機本体2は、例えば白色を基調として構成されている。洗濯機本体2の前面中央部分には、円形の開口4が設けられている。開口4は、洗濯機本体2の内部に設けられた回転槽につながっており、洗濯物はこの開口4を通じて回転槽内に出し入れできる。図1に示す扉3は、開口4を開閉可能に洗濯機本体2の前面中央部分に設けられている。扉3は、扉ボタン5を操作することにより、開くことができる。
洗濯機本体2の上面には、給水口6が設けられている。この給水口6は、図示しない給水ホースによって水源となる水道の蛇口に接続される。水道の蛇口からの水は、給水ホースと給水口6を通って、洗濯機本体2内に設けられた図示しない水槽内へ供給される。
図2に示す制御部20は、モータ21、排水弁22、給水弁23、圧縮機24、および送風機25などに接続されている。これらの要素についての詳細な説明は省略するが、モータ21は、洗濯機本体2内に設けた図示しない回転槽を回転させるためのものである。排水弁22は、図示しない水槽内の水を洗濯機1の機外へ排水するためのものである。給水弁23は、給水口6と図示しない水槽内との連通を開閉し、水槽内へ給水を行うためのものである。圧縮機24は、乾燥機能用のヒートポンプユニットを構成している。送風機25は、ヒートポンプユニットにより生成された温風を回転槽内へ供給を行う。
図2に示すように、制御部20は、温度センサ26、水位センサ27、回転センサ28、扉スイッチ29、操作パネル10に接続されている。これらの要素についての詳細な説明は省略するが、温度センサ26は、図示しない水槽内の温度を検出する。水位センサ27は、水槽内の水位を検出する。回転センサ28は、回転槽の回転位置および回転速度を検出する。扉スイッチ29は、図1の扉3の開閉を検出する。
図1と図2に示す操作パネル10は、洗濯機1の運転に関する各種設定を行うものである。操作パネル10の構成例は、図3に示している。
図3に示す操作パネル10は、スライドタッチ操作部40、各種の操作用のキーや、時刻表示部60を明示するために、全点灯した状態である。
図3に示すように、操作パネル10は、電源の「入」ボタン31、電源の「切」ボタン32、スライドタッチ操作部(例えばいわゆるジョグダイアル)40、第1表示領域部49と、第2表示領域部50と、時刻表示部60と、第3表示領域部61を有している。
第1表示領域部49は、「フィルターお掃除」表示部33A、「チャイルドロック」表示部33B、「ドアロック」表示部33C、「衣類片寄り」表示部33D、「槽クリーン」表示部33E、「槽内水あり」表示部33F、「Ag抗菌水」表示部33G、「容量オーバー」表示部33H、「ecoモード」表示部33Jを有している。
この「チャイルドロック」とは、任意では扉3をロック解除できない状態を作り出す機能で、子供が誤って扉3をロック解除して洗濯槽内に入るのを防止する機能である。チャイルドロック設定時は、通常の操作や運転が可能である。ただし、「チャイルドロック」状態では、運転開始前、一時停止時、運転終了した時等の「ドアロックが開錠される状態」になっても、ロック状態が維持されてドア開操作をしても扉3は開かない。チャイルドロックは、運転開示時、運転中、運転終了後のいずれのタイミングでも設定できる。また、「ドアロック」とは、運転する時に自動的に扉3をロックする機能である。
さらに、図3に示すように、操作パネル10は、操作キーとして消臭抗菌キー41、洗濯キー42、洗乾キー43、乾燥キー44を有している。操作パネル10には、これらの操作キーの左側に、第2表示領域部50が設けられている。操作パネル10には、第2表示領域部50の左側に、操作キーとしての「洗い」キー51、「すすぎ」キー52、「脱水」キー53、「乾燥」キー54と、デジタル表示型の時刻表示部60が配置されている。
この時刻表示部60は、電源入りした直後に点灯して現在時刻を表示し、運転する前の設定中(洗い時間や使用者がカスタムする時)は、洗い時間、すすぎ時間、脱水時間等を表示する。また、時刻表示部60は、運転中では、運転終了までの残りの時間を表示する。さらに、操作パネル10は、時刻表示部60の左側に、第3表示領域部61を有している。
ところで、図3に示す電源の「入」ボタン31と電源の「切」ボタン32は、操作パネル10の右下の位置に印刷により形成されている。すなわち、電源の「入」ボタン31と電源の「切」ボタン32は、使用者が電源の「入」ボタン31と電源の「切」ボタン32の存在とその位置を目視で確認することができる。なお、電源の「入」ボタン31のみを印刷として、電源の「切」ボタン32は、電源の「入」ボタン31が押されたときに点灯して、その存在と位置を目視で確認できるようにしても良い。
図3に示す操作パネル10の内側には、複数個の発光素子、例えばLED(発光ダイオード)、EL(エレクトロルミネッセンス)あるいはバックライト付きの液晶表示装置が配置され、表面はこれらの発光素子の光を透過する半透光性の白色シートで覆われている。これらの発光素子の発光強度は、図2に示す制御部20の指令により2段階あり、「明るく点灯する」モードと「暗めに点灯する」モードがある。
図3に戻ると、スライドタッチ操作部40は、発光素子により円環状(リング状)に点灯表示させることができる。同様にして、電源の「入」ボタン31と電源の「切」ボタン32、第1表示領域部49、第2表示領域部50、第3表示領域部61、消臭抗菌キー41、洗濯キー42、洗乾キー43、乾燥キー44、「洗い」キー51、「すすぎ」キー52、「脱水」キー53、「乾燥」キー54も、発光素子により点灯表示することができる。デジタル表示型の時刻表示部60は、発光素子により点灯表示することができる。
図3に示すスライドタッチ操作部40は、電源の「入」ボタン31と電源の「切」ボタン32の直ぐ左側に配置されており、操作パネル10では点灯して気づくほどの極僅かな凹みが、好ましくは円環状に形成されて構成されている。そのため、スライドタッチ操作部40の非点灯時には、操作パネル10の表面にスライドタッチ操作部40の存在がほとんど意識されない。また、スライドタッチ操作部40の中央には、「スタート・一時停止」表示部68が配置され、スライドタッチ操作部40の付近には、「コース・時間設定」表示部69が配置されている。「スタート・一時停止」表示部68は、単にスタートキー68ともいう。
図3に示すスライドタッチ操作部40は、好ましくは円環状に発光させるために、図示しない、例えば4個〜10個、ここでは6個の発光素子を有しており、これらの発光素子を発光させることで、スライドタッチ操作部40は、リング状の点灯部分67を形成することができる。これらの発光素子は、スライドタッチ操作部40のダイアル部分を点灯表示しているが、運転前も運転中も常に点灯している。これにより、電源の「入」ボタン31を押して電源投入すると、スライドタッチ操作部40は、点灯表示できるので、スライドタッチ操作部40の位置と形状を、使用者に明確に表示できる。
図4は、洗濯機の電源投入前の操作パネル10の非点灯状態を示し、図5は、洗濯機の電源投入直後の操作パネル10の初期点灯状態を示している。
図4に示すように、使用者が、洗濯機の電源投入をする前の操作パネル10の非点灯状態では、印刷された電源の「入」ボタン31と電源の「切」ボタン32だけが、表示されているので、使用者は、電源の「入」ボタン31と電源の「切」ボタン32の存在と位置を目視で確認できる。
そして、図5に示すように、使用者が、図4に示す電源の「入」ボタン31を押して、電源投入した直後の操作パネル10の初期の点灯表示をすると、スライドタッチ操作部40と、「Ag抗菌水」表示部33Gと、「ecoモード」表示部33Jと、消臭抗菌キー41、洗濯キー42、洗乾キー43、乾燥キー44と、「標準」表示部50Aと、時刻表示部60の現在時刻が点灯表示される。また、「スタート・一時停止」表示部68及び「コース・時間設定」表示部69が点灯し、使用者は、それぞれ「スタート・一時停止」キー、「コース・時間設定」のスライドタッチ操作部40として機能することが容易に認識できる。
図6は、スライドタッチ操作部40を回転方向にスライド操作(ダイアル操作)した場合の動作例を示している。この回転方向とは、時計方向CWあるいは反時計方向CCWである。
図6に示すように、使用者が例えば洗乾ボタン43を押すと、第2表示領域部50の領域50A内の各項目が点灯される。そして、使用者が指でスライドタッチ操作部40に触れて回転方向にスライド操作すると、領域50A内の各項目の「明」状態が各項目に順次シフトしていき、「明」状態ではない各項目は「暗」状態になる。同様にして、使用者が例えば乾燥機キー54を押すと、第2表示領域部50の別の領域50B内の各項目が点灯される。使用者が指でスライドタッチ操作部40に触れて回転方向にスライド操作すると、領域50B内の各項目の「明」状態が各項目に順次シフトしていき、「明」状態ではない各項目は「暗」状態になる。
図7は、図3と図5に示すスライドタッチ操作部40の構造例を、詳しく示している。
図7に示すように、スライドタッチ操作部40のセンサーシート66には、例えば10個の検知電極SP1〜SP10(第一検知電極)が、互いに所定の隙間をもって離した状態で連続的に、好ましくはリング状(円環状)に配置されている。検知電極SP1〜SP10は、光透過性の高い導電性ポリマーにて構成されており、外縁部99のみが光透過性の低い導電ラインとして銀カーボンペーストにて構成されている。
この円環状に配置された検知電極SP1〜SP10の一方側、具体的には円環状の内側には、好ましくは検知電極SP1〜SP10と同心で円形の「スタート・一時停止」表示部68が配置されている。この「スタート・一時停止」表示部68に対応し、光透過性の高い導電性ポリマーにて構成された静電容量式の内側検知電極100(第二検知電極)が配置されている。
検知電極SP1〜SP10の内の検知電極SP1、SP2、SP3、SP6、SP7、SP8、SP9、SP10は、それぞれ凹凸状の一端部71と凸凹状の他端部72を有している。各検知電極SP1、SP2、SP3、SP6、SP7、SP8、SP9、SP10の一端部71は、2つの凸状である山部分71Aと、その間の1つの凹状である谷部分71Bを有している。また、各検知電極SP1、SP2、SP3、SP6、SP7、SP8、SP9、SP10の他端部72は、1つの凸状である山部分72Aとその左右の2つの凹状である谷部分72Bを有している。各山部分と各谷部分は、例えば三角形状に形成されている。検知電極SP1、SP2、SP3、SP6、SP7、SP8、SP9、SP10の対向する一端部71と他端部72は、わずかな間隔をおいて接触しないように、しかも互いに入り込むように接近して配置されていて検知電極SP1〜SP10を横切る方向に互いに重複する形状を構成している。
また、図7に示すように、検知電極SP1〜SP10の内の1つの検知電極SP4は、直線状に形成された一端部81と、凹凸状に形成された他端部72を有している。また、検知電極SP1〜SP10の内の別の検知電極SP5は、凹凸状に形成された一端部71と、直線状に形成された他端部82を有している。
検知電極SP4の直線状の一端部81と、検知電極SP5の直線状の他端部82は、予め定めた間隔RTをおいて対向して配置されている。検知電極SP4の直線状の一端部81と、検知電極SP5の直線状の他端部82は、スライドタッチ操作部40の半径方向に沿ってほぼ平行に形成されている。
また、検知電極SP4の凸凹状の他端部72と検知電極SP3の凹凸状の一端部71は、わずかな間隔(例えば1mm)をおいて接触しないように、しかも互いに入り込むように接近して配置されている。検知電極SP5の凸凹状の一端部71と検知電極SP6の凸凹状の他端部72は、わずかな間隔(例えば約1mm)をおいて接触しないように、しかも互いに入り込むように接近して配置されている。
図7に示すように、「スタート・一時停止」表示部68に対応して、円環状に連続的に配置された検知電極SP1からSP10の内側に配置されている内側検知電極100が設けられている。この内側検知電極100は、引回し電極部80を有しており、この引回し電極部80は、検知電極SP1〜SP10から見て一方側である円環状の内側に配置された内側検知電極100の他方側である円環状の外側に向けて延びている。すなわち、この引回し電極部80は、内側検知電極100から、検知電極SP4の直線状の一端部81と検知電極SP5の直線状の他端部82の間隔RTを横切るように通過して、検知電極SP4と検知電極SP5の外側へ導出されている。
引回し電極部80は帯状の部材であり、その幅QTは検知電極SP4の直線状の一端部81と検知電極SP5の直線状の他端部82の間隔RTよりも小さく、例えばRTを3.5mmとするとQTは1.5mmに設定されている。この間隔RTは、引回し電極部80を検知電極SP4、SP5に接触しないように外側に導出するのに、最小の寸法に設定されている。
手指がスライドタッチ操作部40に触れる際に、指が触れる幅は、例えば8mmから20mm程度である。指が触れる幅寸法を考慮して、間隔RTは、例えば8mm未満であることが望ましい。
これにより、図7において、使用者が、手指を、例えば検知電極SP4の一端部81から検知電極SP5の他端部82に向けて触れながら時計方向CWに沿ってスライド操作して引回し電極部80を通過しようとする際に、手指は検知電極SP4の一端部81と検知電極SP5の他端部82の少なくとも一方に必ず触れており、両方とも触れることができない状態を回避することができる。すなわち、使用者が、手指を、例えば検知電極SP4の一端部81から検知電極SP5の他端部82に向けて触れながら時計方向CWに沿ってスライドする際に、手指が検知電極SP4の一端部81と検知電極SP5の他端部82の両方共に触れることができない不感帯領域ができないようになっている。
逆に、図7において、使用者が、手指を、例えば検知電極SP5の他端部82から検知電極SP4の一端部81に向けて触れながら反時計方向CCWに沿ってスライドする際にも、手指は検知電極SP5の他端部82と検知電極SP4の一端部81の少なくとも一方に必ず触れており、両方とも触れることができない状態を回避することができる。すなわち、使用者が、手指を、例えば検知電極SP5の他端部82から検知電極SP4の一端部81に向けて触れながら反時計方向CCWに沿ってスライドする際に、手指が検知電極SP5の他端部82と検知電極SP4の一端部81の両方共に触れることができない不感帯領域ができないようになっている。
このように、使用者が、手指で検知電極SP1からSP10の任意の検知電極に沿って、時計方向CWあるいは反時計方向CCWに沿ってスライドしながら触れる際に、各検知電極SP1からSP10の一端部と他端部の間のいずれにも触れないような不感帯領域(不連続部分)が生じない構成とした。このため、使用者が、例えばサイズの小さい手指あるいは手指の先端部で触れたとしても、手指がどの検知電極にも触れることができない状態となることにより生じる誤検知や検出ミス、つまり信号が不連続となり欠落を発生させるおそれが無くなるとともに、後述するように検知電極SP1からSP10のスライド操作中に誤って内側検知電極100からの引回し電極部80を検出してしまうといった検出ミスをも防止することが可能となる。
また、図7に示すように、検知電極SP1〜SP10と、内側検知電極100は、光透過性を有している。また、引回し電極部80は、検知電極SP4の直線状の一端部81と検知電極SP5の直線状の他端部82の間隔RTを通っている部分も含めて、光透過性の高い導電性ポリマーにて構成されている。したがって、静電容量式の内側検知電極100も含めた検知電極SP1〜SP10の外縁部99の内側は、すべて光透過性の高い導電性ポリマーにて構成される。一方、検知電極SP1〜SP10の外縁部99の外側は、回路基板に対し各検知電極を接続するための図示しないコネクタまで、銀カーボンペーストによって導電ラインが引き回されている。
これにより、スライドタッチ操作部10の複数の発光素子が点灯表示された時に、検知電極SP1〜SP10や内側検知電極100が光を遮って操作パネル10上に影を落とすことのないようにし、もって操作パネル10の外観上の見栄えを良くすることができる。また、引回し電極部80においても同様に影が発生しないようにすれば、操作パネル10の外観上の見栄えを一層良好にすることができる。
図7に示す「スタート・一時停止」表示部68に対応する内側検知電極100は、洗濯機1の動作スタートを指示するボタンであるが、手指でこの円形の「スタート・一時停止」表示部68を押すようにタッチした時だけ、内側検知電極100が検知され、洗濯機1の動作スタートの指示信号が、図2の制御部20に送られる。しかし、使用者が、手指を、検知電極SP4の一端部81と検知電極SP5の他端部82に触れながら時計方向CWあるいは反時計方向CCWに沿ってスライド操作する際には、使用者の手指が引回し電極部80に検知されても、指示信号は制御部20に送られない。つまり、引回し電極部80は前記したように必要最小限に細く形成されていることから、手指がタッチしても静電容量の変化が閾値を超える値とならないために手指を検知しても指示信号は発生しないように制御されている。これにより、使用者が手指で「スタート・一時停止」表示部68そのものをタッチしない限り、不用意にスタートあるいは一時停止の信号が送られることが無く、もって誤操作を防止できる。
各検知電極SP1〜SP10は、使用者が手指でタッチした個々の検知電極を区別して位置情報として検知し、図2に示す制御部20に検知信号であるその位置情報を送ることができる。これにより、制御部20は、使用者が手指でどの検知電極SP1〜SP10に触れたかを判断できるようになっている。
ただし、使用者がいずれかの検知電極、例えばスライドタッチ操作部40の検知電極SP3だけに触れ他の検知電極には触れないような静止状態でタッチするケースでは、スライドタッチ操作部40に対しては回転方向にスライド操作の指示を与えてはいないので、制御部20は何の反応もせずにスライドタッチ操作部40におけるキー操作は無効とすることができる。その後、使用者が先に触れた検知電極SP3とは異なる例えば検知電極SP2に触れると、図2の制御部20は、触れた検知電極の位置が反時計方向CCWに変化、すなわちスライドしたと判断して、初めてスライドタッチ操作部40におけるキー操作を有効とみなす。これにより、スライドタッチ操作部40を用いてキー操作が行えるので、操作性の向上と誤検知を防止している。
図8から図10は、図7に示すスライドタッチ操作部40を用いて行うキー操作を、具体的に行った時の表示仕様の例を示している。
図8(A)に示す電源入時にデフォルトにてハイライト表示される「標準コース」に対し、例えば図7に示す検知電極SP2に触れ、次いで隣の検知電極SP3に触れたことが検知されるように、スライドタッチ操作部40を矢印R1方向(時計方向)に「+1」だけスライド操作すると、コース表示は図8(B)に示す「節約コース」のハイライト表示に移り、さらにスライドタッチ操作部40を矢印R1方向(時計方向)に「+1」だけスライド操作すると、図9(C)に示す「メモリーコース」のハイライト表示に移る。
さらに、図9(C)に示す「メモリーコース」から、スライドタッチ操作部40を矢印R1方向(時計方向)に「+1」だけスライド操作すると、図9(D)に示す「ザブザブコース」に移る。そしてこの状態から前の選択コースに戻したい場合には、図9(D)に示す「ザブザブコース」から、スライドタッチ操作部40を矢印R2方向(反時計方向)に「−1」だけスライド操作すると、図10(E)に示す「メモリーコース」に戻る。そして図10(E)に示す「メモリーコース」から、スライドタッチ操作部40を矢印R2方向(反時計方向)に「−1」だけスライド操作すると、図10(F)に示す「節約コース」に戻すことができる。
図11は、本発明の別の実施形態のスライドタッチ操作部10の例を示している。
図11に示すスライドタッチ操作部10の構造は、図7に示すスライドタッチ操作部10の構造例と基本的には同じであるので、同一の部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図11に示すスライドタッチ操作部10の構造において相違する点は、次の通りである。内側検知電極100から延びている引回し電極部80は、検知電極S4と検知電極SP5との間LHにおいて、表示部68寄りの引回し電極部80の幅より、幅の狭い幅狭部80aを有している。これにより、検知電極SP4と検知電極SP5との間の距離RTをより狭めることが可能となり、幅狭部80aに手指が触れた時に、必ず複数の検知電極SP4と検知電極SP5にも手指が触れることになる。
すなわち、内側検知電極100の引回し電極部80を通すための隣接する複数の検知電極SP4、SP5と、引回し電極部80の幅狭部80a間の距離は、他の複数の検知電極SP1からSP4、SP5からSP10間の距離以下である。このため、サイズの小さい指や指の先端部でスライドタッチ操作部40に触れても、誤検知を発生させるおそれをより一層確実に無くすことができる。しかも引回し電極部80の幅狭部80aでは手指のタッチに伴う静電容量の変化が一層小さくなるため、タッチを判断する閾値の設定範囲が広くなり自由度が増すとともに、確実に誤検知を防止することができるようになる。
内側検知電極100の幅狭部80aを含む引回し電極部80は、光透過性の高い導電性ポリマーにて構成されている。これにより、スライドタッチ操作部10の複数の発光素子が点灯された時に、引回し電極部80において余分な影が発生しないようにして、操作パネル10の外観上の見栄えを良くすることができるとともに、細い分だけ一層目立たなくすることができる。
また、複数の検知電極SP1からSP4、SP5からSP10の対向する端部71,72は、間隔をおいて互いに入り込む凹凸形状(半径方向に重複する形状の一例)に形成されている。しかし、内側検知電極100の引回し電極部80を複数の検知電極SP1からSP10の外側に導出するための位置にある複数の検知電極SP4、SP5の対向する端部81,82は、互いに入り込む凹凸形状(半径方向に重複する形状の一例)にはなっておらず、例えば直線状になっている。そして、複数の検知電極SP4、SP5の対向する端部の間隔RTは、内側検知電極100の引回し電極部80を導出可能である値になっている。
このように、内側検知電極100の引回し電極部80を複数の検知電極の外側に導出する位置にある、例えば複数の検知電極SP4、SP5の対向する端部81,82は半径方向に重複する形状にはなっておらずに平行な直線状に形成されており、複数の検知電極SP4、SP5の対向する端部81,82の間隔RTは、内側検知電極の引回し電極部80を導出することができる範囲で極力小さな値に設定されている。このため、使用者が、指を、例えば検知電極SP4、SP5の間で時計方向CWや反時計方向CCWに沿って、触れながらスライドする場合に、指が検知電極SP4、SP5の両方共に検知することができない非検知領域がよりできにくくなっている。このため、使用者が、サイズの小さい指や指の先端部でスライドタッチ操作部に触れても、誤検知や検出ミス、つまり信号が不連続となり欠落を発生させるおそれが無い。
すなわち、内側検知電極100が対応する「スタート・一時停止」表示部68は、洗濯機1の動作スタートを指示するためのボタンである。洗濯機1の動作スタートの指示信号は、「スタート・一時停止」表示部68に手指がタッチした時に制御部20に送られるが、手指が前記引回し電極部80の幅狭部80aに触れた場合には、手指がタッチしても静電容量の変化が閾値を超える値とならないため前記制御部20はタッチと認識せず、前記洗濯機1の運転をスタートしない構成となっている。
これにより、使用者が手指で検知電極SP4、SP5を時計方向CWあるいは反時計方向CCWに沿ってタッチした際に、引回し電極部80(の幅狭部80a)に使用者の手指がタッチしても、指示信号が制御部20に送られず、制御部20には、不用意にスタートあるいは一時停止の信号が送られることが無いため洗濯機1の誤操作を防止できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な態様で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図1に示す洗濯機1の構造は、一例であり、任意の構造を採用することができる。図1に示す洗濯機1の構造は、一例であり、任意の構造を採用することができる。例えば図3に示すように、スライドタッチ操作部40は、好ましくは円環状に形成されているが、これに限らず例えば楕円形状、長円形状、方形状に形成されていても良く、さらには直線状、平行線状、半円状に湾曲した形状であっても良い。
スライドタッチ操作部40は、図7に示すように例えば10個の検知電極SP1からSP10により構成されているが、これに限らず例えば2個以上で9個以下、あるいは11個以上の検知電極を有するようにしても良い。
たとえば、使用者が、手指を、検知電極SP4の一端部81と検知電極SP5の他端部82に触れながら時計方向CWあるいは反時計方向CCWに沿ってスライド操作する際には、使用者の手指が引回し電極部80に検知されても、検知電極SP4の一端部81と検知電極SP5の他端部82に触れているときは、不用意にスタートあるいは一時停止の信号を制御部20に送らない制御とすることで、洗濯機1の誤操作を防止する構成としても良い。
1 洗濯機
2 洗濯機本体
3 扉
4 開口
5 扉ボタン
10 操作パネル
20 制御部
40 スライドタッチ操作部
68 「スタート・一時停止」表示部
80 引回し電極部
SP1〜SP10 検知電極

Claims (7)

  1. 洗濯機本体に設けられて各種の設定を行う操作パネルと、前記操作パネルを制御する制御部を備えた洗濯機であって、
    前記操作パネルは、手指が触れることで前記設定の内容の操作をするスライドタッチ操作部を有し、
    前記スライドタッチ操作部は、
    円環状に連続的に配置されている静電容量式の複数の検知電極であって、前記手指が触れたことを検知して前記検知したことを前記制御部に通知する第一検知電極と、
    前記第一検知電極の側に隣接して配置されて手指が触れたことを検知して前記検知したことを前記制御部に通知する静電容量式の第二検知電極を有し、
    前記第二検知電極を前記第一検知電極の側から側に横切るように引き出す引回し電極部であって、その内の一部で前記第一検知電極と横切る方向で重なる部分に前記手指が触れた時に、必ず前記第一検知電極にも触れる位置に各前記第一検知電極が配置されていることを特徴とする洗濯機。
  2. 前記第二検知電極の前記引回し電極部を通すための隣接する前記複数の第一検知電極と前記引回し電極部との間の距離は、他の前記複数の第一検知電極間の距離以下であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記引回し電極部の幅は、他の前記複数の第一検知電極間の距離の2倍以下としたことを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
  4. 前記複数の第一検知電極の対向する端部は、間隔をおいて横切る方向に重複する形状に形成され、前記第二検知電極の引回し電極部が横切る位置にある前記複数の第一検知電極の対向する端部は、前記横切る方向に重複する形状にはなっていないことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯機。
  5. 前記第二検知電極の前記引回し電極部は、光透過性を有していることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
  6. 前記第二検知電極は、光透過性を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯機。
  7. 前記第二検知電極は、これによって手指が触れたことを検知した信号が前記制御部に送られ、前記洗濯機の動作スタートを指示するための電極であり、前記引回し電極部に同時に触れた場合には、前記制御部は、前記洗濯機の動作をスタートしない構成であることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載の洗濯機。
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