JP6289387B2 - 伝票箱を備えた台車の駐車システム - Google Patents
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Description
このロボット処理システムでは、製造工場において容器を移送するコンベアの終端とケースを運ぶ台車の駐車スポットとの間にロボットを配置し、ロボットにより駐車スポットに位置させた台車上のケースをピックアップし、コンベアからの容器をケースに箱詰めして、再びこのケースを駐車スポットの台車に載せるようにしている。
このため、台車をカバーするとともに駐車スポットとその外部とに移動可能な覆い部材を駐車スポットの搬出入口に設けて、台車を搬入する場合には、覆い部材を駐車スポット内に位置させてその覆い部材内に台車を搬入し、その後に覆い部材を外部に引き戻す構造が提案されている。
そして、作業中のロボットが覆い部材内に進入すると、ロボットの作動が緊急停止するように設定することにより安全の確保が期待される。
そこで、近時は台車の搬出入口の左右の一方から当該搬出入口を横切る赤外線等を出射する発光器と搬出入口の左右の他方で出射光を受光する受光器とからなるエリアセンサを設置して、エリアセンサによって作業者等が侵入したことを検知した場合にロボットの作動を停止させる方式が見られ、覆い部材が不要のため自動搬送車により台車を搬送する場合にも人手で覆い部材を受け入れ部内へ移動させる必要がない点で本方式が普及しつつある。
図1は実施の形態における工場の台車駐車スポットの配置例を示す上面図である。
加工ライン1の端部近傍に物品を運搬する台車20(20a、20b)の駐車スポット5(個別駐車スポット5a、個別駐車スポット5b)が設けられ、ロボット2により、駐車スポット5に駐車している台車20aから物品をピッキングし、加工ライン1に投入する作業が行われる。すなわち、駐車スポット5はロボット2と所定の位置関係で設定され、ロボット2の作業エリアとなっており、駐車スポット5(個別駐車スポット5a、個別駐車スポット5b)には、加工ライン1に投入される物品を搬入する台車20(20a、20b)がそれぞれ駐車する。
搬出入口7にはエリアセンサ10を設けてある。
エリアセンサ10は2つの個別駐車スポット5a、5bをカバーする検知領域を有して、いずれかの個別駐車スポットへの作業者や異物の侵入があるとその侵入を検知する。
すなわち、エリアセンサ10は、搬出入口7を画する左右の囲い壁6aの端縁にコラム11、12を設置し、一方のコラム11に発光器13を取り付け、他方のコラム12に受光器16を取り付けて構成され、発光器13から受光器16へ向かう出射光(破線)が遮断されることにより、搬出入口7を越えて作業者や異物が駐車スポット5内に侵入したことが検知される。
なお、個別駐車スポット5a、5b間を区切る隔壁6bは出射光の経路を横切らないように所定量だけ奥側に退避させてある。
以下では、個別駐車スポット5a、5bに関しては共通のため、とくに明記を要しない限り単に駐車スポット5として説明する。
駐車スポット5は通路3と連なる同一面上に設定されている。
台車20は、物品を収容積載する上端開口の貨物箱を台車本体21とし、前後各2輪の車輪(前車輪24a、後車輪24b)を備えて移動可能で、図示しない自動搬送車により牽引あるいは推進されてきて搬出入口7から駐車スポット5内へ搬入される。ここでは、進行方向駐車スポット5に向かう側を前方、反対側を後方とする。
なお、ロッド30は棒材のほか長尺の板材でもよく、その形状は問わない。そしてスライダ31もロッド30の先端から一体成型することもでき、スライダ31はロッド30の前端を形成する。
とくに図3に示すように、ロッド30のスライダ31は好ましくは一体成型の耳部32を台車20の幅方向外方に延ばし、前端を所定面積の平坦面としている。一体成型でない場合は、少なくとも耳部32は磁性体の金属製とする。
図2、図3に示すように、レール25の前端にはストッパ26があり、ロッド30のスライダ31がストッパ26に当接して前方端にあるとき、伝票箱34は後壁23の至近距離に位置する。この状態をロッド30および伝票箱34の格納位置とする。
台車20が駐車スポット5外の通路3上などにあるとき、ロッド30および伝票箱34はこの格納位置にある。
エリアセンサ10における一方のコラム11に取り付けられた発光器13は、発光素子列14a、14bからなり、他方のコラム12に取り付けられた受光器16は発光器13の各発光素子15に対応させて受光素子18を並べた受光素子列17a、17bからなっている。
エリアセンサ10は発光素子列14a、14bと受光素子列17a、17bの間に形成されて搬出入口7と重なる平面を検知領域としている。発光素子15から対応する受光素子18への破線で示す出射光が遮断されることにより、前述のように、搬出入口7を越えて作業者や異物が駐車スポット5内に侵入したことが検知される。
コラム11の発光器13は発光素子15からコラム12の受光器16の受光素子18への出射光が台車20のロッド30を横切らないように、余裕をみて伝票箱34の高さ方向幅を避けて上下に2分した発光素子列14a、14bで構成してあり、これに対応して受光器16も上下に2分した受光素子列17a、17bで構成してある。
駐車スポット5にはさらに、柱部材41にマグネット42を備えたプッシャ40が設置されている。プッシャ40は各個別駐車スポット5a、5bごとに設けられる。
マグネット42は台車20のスライダ31の耳部32に当接する高さ位置に、耳部32に対向して柱部材41に取り付けてある。なお、柱部材41は駐車スポット5への台車20の進入の障害とならないように、台車20の耳部32以外とは干渉しないように配置してある。
これにより、台車20がさらに前進するにしたがって、スライダ31はプッシャ40に止められて相対的に台車側壁22のレール25に沿って後方へスライドし、ロッド30に取り付けられた伝票箱34は搬出入口7より外側所定距離に止まることになる。
伝票箱34の位置は、当該伝票箱34から伝票を取り出す際に作業者の腕などがエリアセンサ10に捕捉されなければよいので、搬出入口7からの所定距離を最小限に設定でき、従来の覆い部材に比して通路を狭めることはない。
なお、台車20のレール25は前車輪24aが車輪止め8に当接した位置においても、図示のようにスライダ31を保持する長さに設定されている。
また、台車20を駐車スポット5に対して搬出入する際には、例えば不図示の自動搬送車からの信号等によりエリアセンサ10が動作を中止し、ロボット2は作動停止される。
一方、駐車スポット5内の台車20に付された伝票が必要になった場合は、伝票は搬出入口7の外側に位置する伝票箱34から取り出せばよいので、エリアセンサ10に検知されることがなく、ロボット2の作動停止を招くことがない。
またエリアセンサ10は、図3に示したように、上下に2分された発光素子列14a、14b(および受光素子列17a、17b)でロッド30を避けているので、伝票箱34を支持するロッド30が搬出入口7を前後に横切っていてもこれによりロボット2を停止させることはない。
前車輪24aが車輪止め8に当接している位置から台車20が後進を開始しても、当初はスライダ31(耳部32)がマグネット42に吸引されてプッシャ40と連結状態となっているため、図6に示すように、ロッド30および伝票箱34もその位置が保持される。その結果、ロッド30および伝票箱34は、台車本体21に対して前方へ相対的に移動する。
プッシャ40との連結状態から離脱後の台車20は、図7に示すように、ロッド30および伝票箱34が格納位置に戻っている。
また、ストッパ26に当接しマグネット42に当接するスライダ31はロッドの前端に含まれる。
そして、台車20がその進行方向に沿って台車本体21に対し移動可能なロッド30を備えて、ロッド30の駐車スポット5内への進行方向後端に伝票箱34を有し、ロッド30の移動範囲のうち伝票箱34が前方端にある位置をロッドの格納位置とし、駐車スポット5には台車本体21が規定位置に達する前に格納位置にあるロッド前端(スライダ31)と当接するプッシャ40が設置されて、台車本体21が駐車スポット5の規定位置に停止した状態で、ロッド30がエリアセンサ10の検知領域外を通って横切ると共に、伝票箱34が駐車スポット5外側に止まるものとしたので、伝票を伝票箱34から取り出すに際してはエリアセンサ10に検知されず、したがって伝票取り出しの都度ロボット2の作動停止を招いて作業性を低下させることがない。(請求項1および請求項5に対応する効果)
レール25が台車本体21の側壁22に設けてあるので、ロッド30も側壁22に沿って配置され、レール25、ロッド30およびそのスライダ31等のメインテナンスが容易である。(請求項9に対応する効果)
しかし、実施の形態のように磁力のよる連結状態で格納位置へ戻すのが駐車スポットに停止している台車の姿勢に与える影響が少なく、ロボットのピッキング等の失敗を招くおそれがない点で最も好ましい。
駐車スポット5から台車20を搬出する際には、後進にしたがって伝票箱34(およびロッド30)が格納位置まで戻ったとき、伝票箱34の台車本体21に対する相対移動が台車本体21の後端部所定部位に阻止されることにより、それ位後ロッド30が台車本体21と一体に移動してマグネット42による連結が解除される。
ストッパ26の廃止によりコストダウンとなる。(請求項11に対応する効果)
また、駐車スポット5が2つの個別駐車スポット5a、5bからなり2台の台車が駐車可能なものとしたが、本発明はこれに限定されず、1台だけが駐車可能な駐車スポットや3台以上が駐車可能な駐車スポットに関しても適用される。
2 ロボット
3 通路
5 駐車スポット
5a、5b 個別駐車スポット
6a 囲い壁
6b 隔壁
7 搬出入口
8 車輪止め
10 エリアセンサ
11、12 コラム
13 発光器
14a、14b 発光素子列
15 発光素子
16 受光器
17a、17b 受光素子列
18 受光素子
20、20a、20b 台車
21 台車本体
22 側壁
23 後壁
24a 前車輪
24b 後車輪
25 レール
26 ストッパ
27 ガイド
30 ロッド
31 スライダ
32 耳部
34 伝票箱
40 プッシャ
41 柱部材
42 マグネット
Claims (11)
- エリアセンサが設けられた駐車スポットに対して物品を運搬するとともに伝票を収容する伝票箱を備えた台車の駐車システムであって、
前記台車がその進行方向に沿って台車本体に対し移動可能なロッドを備えて、該ロッドの前記駐車スポット内への進行方向後端に前記伝票箱を有し、
前記ロッドの移動範囲のうち前記伝票箱が前方端にある位置を当該ロッドの格納位置とし、
前記駐車スポットには、前記台車本体が規定位置に達する前に格納位置にある前記ロッドの前端と当接するプッシャが設置されて、
前記台車本体が前記駐車スポットの規定位置に停止した状態で、前記ロッドが前記エリアセンサを前記エリアセンサの検知領域外にて横切ると共に、前記伝票箱が前記駐車スポット外側に止まることを特徴とする伝票箱を備えた台車の駐車システム。 - さらに前記台車本体の前記駐車スポットの規定位置からの後進時に、前記台車本体に対して前記ロッドを格納位置へ付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1に記載の伝票箱を備えた台車の駐車システム。
- 前記付勢手段が、前記ロッドの前端または前記プッシャの前記ロッドの前端との当接部位にマグネットを設けて、前記ロッドと前記プッシャが互の当接後に磁力による連結状態となって、前記台車本体の後進時に前記ロッドを格納位置方向へ相対移動させるものであることを特徴とする請求項2に記載の伝票箱を備えた台車の駐車システム。
- 前記駐車スポットがロボットの作業エリアに設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の伝票箱を備えた台車の駐車システム。
- 物品を運搬するとともに伝票を収容する伝票箱を備えてエリアセンサが設けられた駐車スポットに搬出入される台車であって、
前記駐車スポット内への進行方向に沿って台車本体に対し移動可能で、前記駐車スポット内への進行方向後端に前記伝票箱を有するロッドを備え、
前記ロッドの移動範囲のうち前記伝票箱が前方端にある位置をロッドの格納位置とし、
前記台車本体が前記駐車スポットの規定位置に達する前に格納位置にある前記ロッドの前端が前記駐車スポットに設置されたプッシャと当接するように設定されて、
前記台車本体が前記規定位置に停止した状態で、前記ロッドが前記エリアセンサを前記エリアセンサの検知領域外にて横切ると共に、前記伝票箱が前記駐車スポット外側に止まることを特徴とする伝票箱を備えた台車。 - 前記ロッドの前端が、前記プッシャと磁力により連結する部材を有し、
前記ロッドが前記プッシャと当接後に該プッシャと連結状態となって、前記台車本体の後進時に前記ロッドが格納位置方向へ相対移動することを特徴とする請求項5に記載の伝票箱を備えた台車。 - 前記台車本体にレールが設けられ、
前記ロッドの前端が前記レールに沿ってスライドするスライダを有し、該スライダが前記プッシャと当接するものであることを特徴とする請求項5または6に記載の伝票箱を備えた台車。 - 前記レールは前記台車本体の前方寄りに配置され、前記台車本体の後方寄りに前記ロッドを支持するガイドが配置されていることを特徴とする請求項7に記載の伝票箱を備えた台車。
- 前記レールが前記台車本体の側壁に設けてあることを特徴とする請求項7または8に記載の伝票箱を備えた台車。
- 前記ロッドの格納位置は、前記レールの前端に設置したストッパに前記ロッドの前端が当接することにより規定されることを特徴とする請求項7から9のいずれか1に記載の伝票箱を備えた台車。
- 前記ロッドの格納位置は、前記伝票箱が前記台車本体の後端部所定部位に当接することにより規定されることを特徴とする請求項5から9のいずれか1に記載の伝票箱を備えた台車。
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