以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の硬化型インク用バインダーは、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を含有する。なお、本明細書中において「(メタ)アクリル」とは「メタクリル」と「アクリル」との総称を意味し、後述する「(メタ)アクリロイル」は「メタクリロイル」と「アクリロイル」との総称を意味し、後述する「(メタ)アクリレート」は「メタクリレート」と「アクリレート」との総称を意味する。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は、硬化性官能基(1)を有する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を有する。硬化性官能基(1)は下記一般式(1)で示される。
(式中、R
1は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R
2およびR
3は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、XはO、SまたはN(R
6)(R
6は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す)を表し、nは2〜20の整数を表す)
上記一般式(1)中、R1が表す炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、n−デシル等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基が挙げられる。中でも硬化速度の観点から、メチル基およびエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
上記一般式(1)中、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、後述するジ(メタ)アクリレート(2)を含有する単量体を用いて、容易に直接導入できる観点から、炭素数1〜6の炭化水素基であるのが好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基が挙げられる。中でも、硬化性能の観点から、メチル基およびエチル基が好ましい。
上記一般式(1)中、また、XはO、SまたはN(R6)(R6は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す)を表し、重合制御のしやすさからOが好ましい。XがN(R6)である場合、R6が表す炭素数1〜6の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基などが挙げられる。
上記一般式(1)中、nが表す2〜20の整数は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の硬化前の顔料との親和性、および硬化後の柔軟性の観点から、2〜10であることが好ましく、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の原料となる単量体の入手性の観点から、2〜5であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する全単量体単位に対する硬化性官能基(1)の含有量は0.2〜100mol%の範囲が好ましく、10〜90mol%の範囲がより好ましく、25〜80mol%の範囲がさらに好ましい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)は(メタ)アクリル酸エステルを含有する単量体を重合することにより形成される単量体単位を含む。かかる(メタ)アクリル酸エステルとしては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステルおよび2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルを使用することができる。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばメタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−(トリメチルシリルオキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、γ−((メタ)アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどが挙げられる。中でも、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等の炭素数5以下のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルが最も好ましい。
また、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる多官能(メタ)アクリル酸エステルとして、下記一般式(2)で示される2官能(メタ)アクリル酸エステル(以下、「ジ(メタ)アクリレート(2)」と称する)を用いると、後述する条件下でリビングアニオン重合することで、一方の(メタ)アクリロイルオキシ基(下記一般式(2)中「CH2=C(R5)C(O)O」で示される(メタ)アクリロイルオキシ基)が選択的に重合して、R1がR4であり、R2がR2'であり、R3がR3'であり、XがOである硬化性官能基(1)を有するメタクリル系重合体ブロック(a)が得られることから好ましい。
(式中、R
2'およびR
3'はそれぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基を表し、R
4およびR
5はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、nは1〜20の整数を表す)
一般式(2)中、R
2'およびR
3'が表す炭素数1〜6の炭化水素基の例としては上記一般式(1)のR
2およびR
3と同様の炭化水素基が挙げられる。
重合の選択性を高める観点から、R4はメチル基であることが好ましい。また、ジ(メタ)アクリレート(2)の生産性の観点から、R4およびR5は同じであることが好ましい。以上の観点から、R4およびR5は共にメチル基であることが最も好ましい。ジ(メタ)アクリレート(2)の具体例としては、1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルブタン−1,4−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルペンタン−1,5−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチルヘキサン−1,6−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルプロパン−1,3−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルブタン−1,4−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルペンタン−1,5−ジオールジ(メタ)アクリレート、1,1−ジエチルヘキサン−1,6−ジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルブタン−1,4−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルペンタン−1,5−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルヘキサン−1,6−ジオールジメタクリレート、1,1−ジエチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート、1,1−ジエチルブタン−1,4−ジオールジメタクリレート、1,1−ジエチルペンタン−1,5−ジオールジメタクリレート、および1,1−ジエチルヘキサン−1,6−ジオールジメタクリレートが好ましく、1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルブタン−1,4−ジオールジメタクリレート、1,1−ジメチルペンタン−1,5−ジオールジメタクリレート、および1,1−ジメチルヘキサン−1,6−ジオールジメタクリレートがより好ましい。
これら(メタ)アクリル酸エステルは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)中の(メタ)アクリル酸エステルから形成される単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する全単量体単位に対して90〜100モル%の範囲が好ましく、95〜100モル%の範囲がより好ましく、100モル%であってもよい。また、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)にジ(メタ)アクリレート(2)から形成される単量体単位が含まれる場合には、ジ(メタ)アクリレート(2)から形成される単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する全単量体単位に対して0.2〜100モル%の範囲が好ましく、10〜90モル%の範囲がより好ましく、25〜80モル%の範囲がさらに好ましい。さらに、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)に、ジ(メタ)アクリレート(2)から形成される単量体単位とジ(メタ)アクリレート(2)から形成される単量体単位が含まれる場合には、メタクリル酸メチルから形成される単量体単位の含有量とジ(メタ)アクリレート(2)から形成される単量体単位の含有量の合計は、(メタ)アクリル酸エステルから形成される全単量体単位に対して80〜100モル%の範囲が好ましく、90〜100モル%の範囲がより好ましく、95〜100モル%の範囲がさらに好ましく、100モル%であってもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)は、(メタ)アクリル酸エステル以外の他の単量体から形成される単量体単位を有していてもよい。該他の単量体としては、例えばα−メトキシアクリル酸メチル、α−エトキシアクリル酸メチルなどのα−アルコキシアクリル酸エステル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチルなどのクロトン酸エステル;3−メトキシアクリル酸エステルなどの3−アルコキシアクリル酸エステル;N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド;2−フェニルアクリル酸メチル、2−フェニルアクリル酸エチル、2−ブロモアクリル酸n−ブチル、2−ブロモメチルアクリル酸メチル、2−ブロモメチルアクリル酸エチル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、エチルイソプロペニルケトンなどが挙げられる。これら他の単量体は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)中の上記他の単量体から形成される単量体単位の含有量は、メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する全単量体単位に対して10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)1個あたりの数平均分子量(Mn)に特に制限はないが、得られる(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の取り扱い性、流動性、力学特性等の点から、500〜1,000,000の範囲内であることが好ましく、1,000〜300,000の範囲内であることがより好ましい。なお、本明細書においてMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定された標準ポリスチレン換算の数平均分子量を意味する。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)を有する。(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)は、(メタ)アクリル酸エステルを含有する単量体を重合することにより形成される単量体単位からなり、かつ上述した硬化性官能基を有さない重合体ブロックである。
なお本明細書において、硬化性官能基とは、重合性を示す官能基を意味する。硬化性官能基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、ビニルオキシ基、1,3−ジエニル基、スチリル基等のエチレン性二重結合(特に一般式CH2=CR−(式中、Rはアルキル基または水素原子)で示されるエチレン性二重結合)を有する官能基;エポキシ基、オキセタニル基、チオール基、マレイミド基等が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)を形成できる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−(トリメチルシリルオキシ)プロピルなどのモノ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。中でも、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル等の炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシルなどの炭素数6以上のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。なお、これら(メタ)アクリル酸エステルは1種のみを用いても、2種以上を用いてもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)中の(メタ)アクリル酸エステルにより形成される単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)を形成する全単量体単位に対して90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましく、100モル%であってもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)は、(メタ)アクリル酸エステル以外の他の単量体により形成される単量体単位を有していてもよい。該他の単量体としては、例えばα−メトキシアクリル酸メチル、α−エトキシアクリル酸メチル等のα−アルコキシアクリル酸エステル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸エステル;3−メトキシアクリル酸エステル等の3−アルコキシアクリル酸エステル;N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、エチルイソプロペニルケトンなどが挙げられる。これら該他の単量体は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)中の上記他の単量体により形成される単量体単位の含有量は、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。
(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)1個あたりのMnに特に制限はないが、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の取り扱い性、流動性、力学特性等の点から、3,000〜2,000,000の範囲内であることが好ましく、5,000〜1,000,000の範囲内であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は、少なくとも1個の(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)と少なくとも1個の(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)が互いに結合したブロック共重合体であり、各重合体ブロックの数および結合順序に特に制限はないが、硬化性の観点から(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)が(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の少なくとも1つの末端を形成することが好ましく、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の製造容易性の観点から、直鎖状の重合体であることがより好ましく、1個の(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)と1個の(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)が結合したジブロック共重合体および1個の(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)の両端に(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)各1個がそれぞれ結合したトリブロック共重合体が好ましく、本発明の硬化型インクの硬化後の柔軟性の観点から、1個の(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)の両端に(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)各1個がそれぞれ結合したトリブロック共重合体がさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を構成する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)の質量と(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)の質量との比率[(メタ)アクリル系重合体ブロック(a):(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)]に特に制限はないが、85:15〜5:95であることが好ましく、80:20〜7:93であることがより好ましく、75:25〜10:90であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)と(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)との合計質量に対する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)の質量割合が5%以上であると、硬化速度が速くなり、85%以下であると硬化後の柔軟性が高くなるので好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)において、メタクリル酸エステルから形成される単量体単位の含有量は、5〜85質量%であることが好ましく、7〜80質量%であることがより好ましく、10〜75質量%であることがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)において、アクリル酸エステルから形成される単量体単位の含有量は、15〜95質量%であることが好ましく、20〜93質量%であることがより好ましく、25〜90質量%であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)のMnに特に制限はないが、取り扱い性、流動性、力学特性等の観点から、4,000〜3,000,000であることが好ましく、7,000〜2,000,000であることがより好ましく、10,000〜1,000,000であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以下が好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)における硬化性官能基(1)の含有量は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を形成する全単量体単位に対して0.1〜20モル%の範囲であることが好ましく、2〜15モル%の範囲であることがより好ましく、3〜10モル%の範囲がさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)1分子あたりに含まれる硬化性官能基(1)の数は、硬化速度の観点から、3個以上であることが好ましく、4個以上であることがより好ましく、8個以上であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステルを主体とする単量体を重合して、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)および(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)を所望の順序で形成することで得られる。本発明におけるブロック共重合体の製造方法は特に限定されないが、アニオン重合法またはラジカル重合法が好ましく、重合制御の観点からリビングアニオン重合法またはリビングラジカル重合法がより好ましく、リビングアニオン重合法がさらに好ましい。
リビングラジカル重合法としては、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いる重合法、コバルトポルフィリン錯体を用いる重合法、ニトロキシドを用いる重合法(国際公開第2004/014926号参照)、有機テルル化合物などの高周期ヘテロ元素化合物を用いる重合法(特許第3839829号公報参照)、可逆的付加脱離連鎖移動重合法(RAFT)(特許第3639859号公報参照)、原子移動ラジカル重合法(ATRP)(特許第3040172号公報、国際公開第2004/013192号参照)などが挙げられる。これらリビングラジカル重合法の中でも、原子移動ラジカル重合法が好ましく、有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、Fe、Ru、Ni、Cuから選ばれる少なくとも1種類を中心金属とする金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法がより好ましい。
リビングアニオン重合法としては、有機希土類金属錯体を重合開始剤としてリビング重合する方法(特開平06−93060号公報参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などの鉱酸塩の存在下でリビングアニオン重合する方法(特表平05−507737号公報参照)、有機アルミニウム化合物の存在下で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法(特開平11−335432号公報、国際公開2013/141105号参照)などが挙げられる。これらリビングアニオン重合法の中でも、硬化性官能基(1)を有する(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を直接、効率よく形成できる点からは、有機アルミニウム化合物の存在下で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法が好ましく、有機アルミニウム化合物およびルイス塩基の存在下で、有機リチウム化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法がより好ましい。
上記有機リチウム化合物としては、例えばt−ブチルリチウム、1,1−ジメチルプロピルリチウム、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、エチルα−リチオイソブチレート、ブチルα−リチオイソブチレート、メチルα−リチオイソブチレート、イソプロピルリチウム、sec−ブチルリチウム、1−メチルブチルリチウム、2−エチルプロピルリチウム、1−メチルペンチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、α−メチルベンジルリチウム、メチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム等が挙げられる。中でも、入手容易性およびアニオン重合開始能の観点から、イソプロピルリチウム、sec−ブチルリチウム、1−メチルブチルリチウム、1−メチルペンチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、α−メチルベンジルリチウム等の、二級炭素原子を陰イオン中心とする化学構造を有する炭素数3〜40の有機リチウム化合物が好ましく、sec−ブチルリチウムが特に好ましい。これら有機リチウム化合物は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
有機リチウム化合物の使用量は、目的とする(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)のMnに応じて、用いる単量体の使用量との比率によって決定できる。
上記有機アルミニウム化合物としては、下記一般式(A−1)または(A−2)で示される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
AlR7(R8)(R9) (A−1)
(式中、R7は一価の飽和炭化水素基、一価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表し、R8およびR9はそれぞれ独立してアリールオキシ基を表すか、あるいはR8およびR9は互いに結合してアリーレンジオキシ基を形成している)
AlR10(R11)(R12) (A−2)
(式中、R10はアリールオキシ基を表し、R11およびR12はそれぞれ独立して一価の飽和炭化水素基、一価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基またはN,N−二置換アミノ基を表す)
上記一般式(A−1)および(A−2)中、R7、R8、R9およびR10がそれぞれ独立して表すアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノキシ基、2,6−ジフェニルフェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、7−メトキシ−2−ナフトキシ基等が挙げられる。
上記一般式(A−1)中、R8とR9が互いに結合して形成されるアリーレンジオキシ基としては、例えば2,2’−ビフェノール、2,2’−メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフトール、(S)−(−)−1,1’−ビ−2−ナフトール等の2個のフェノール性水酸基を有する化合物中の該2個のフェノール性水酸基の水素原子を除いた官能基が挙げられる。
なお、上記のアリールオキシ基およびアリーレンジオキシ基において含まれる1個以上の水素原子が、置換基により置換されていてもよく、該置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
上記一般式(A−1)および(A−2)中、R7、R11およびR12がそれぞれ独立して表す一価の飽和炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられ、一価の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられ、N,N−二置換アミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ビス(トリメチルシリル)アミノ基等が挙げられる。上述した一価の飽和炭化水素基、一価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基およびN,N−二置換アミノ基において含まれる1個以上の水素原子が、置換基により置換されていてもよく、該置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
上記有機アルミニウム化合物(A−1)としては、例えばエチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、n−オクチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、n−オクチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、n−オクチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、メトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、t−ブトキシビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、t−ブトキシビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、t−ブトキシ[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、トリス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等が挙げられる。中でも、重合開始効率、重合末端アニオンのリビング性、入手および取り扱いの容易さ等の観点から、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム等が好ましい。
上記有機アルミニウム化合物(A−2)としては、例えばジエチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジn−オクチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジn−オクチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム等が挙げられる。これら有機アルミニウム化合物は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
有機アルミニウム化合物の使用量は、溶媒の種類、その他種々の重合条件等に応じて適宜好適な量を選択できるが、重合速度の観点から有機リチウム化合物1モルに対して通常、1.0〜10.0モルの範囲で用いることが好ましく、1.1〜5.0モルの範囲で用いることがより好ましく、1.2〜4.0モルの範囲で用いることがさらに好ましい。有機アルミニウム化合物の使用量が有機リチウム化合物1モルに対して10.0モルを超えると、経済性において不利となる傾向となり、1.0モルを下回ると、重合開始効率が低下する傾向となる。
上記ルイス塩基としては、分子内にエーテル結合および/または三級アミン構造を有する化合物が挙げられる。
上記ルイス塩基として用いられる分子内にエーテル結合を有する化合物としてはエーテルが挙げられる。上記エーテルとしては、重合開始効率の高さ、重合末端アニオンのリビング性の観点から、2個以上のエーテル結合を分子内に有する環状エーテルまたは1個以上のエーテル結合を分子内に有する非環状エーテルが好ましい。2個以上のエーテル結合を分子内に有する環状エーテルとしては、例えば12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6等のクラウンエーテルが挙げられる。1個以上のエーテル結合を分子中に有する非環状エーテルとしては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール等の非環状モノエーテル;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジイソプロポキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジメトキシプロパン、1,2−ジエトキシプロパン、1,2−ジイソプロポキシプロパン、1,2−ジブトキシプロパン、1,2−ジフェノキシプロパン、1,3−ジメトキシプロパン、1,3−ジエトキシプロパン、1,3−ジイソプロポキシプロパン、1,3−ジブトキシプロパン、1,3−ジフェノキシプロパン、1,4−ジメトキシブタン、1,4−ジエトキシブタン、1,4−ジイソプロポキシブタン、1,4−ジブトキシブタン、1,4−ジフェノキシブタン等の非環状ジエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジブチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリブチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリブチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラブチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラブチレングリコールジエチルエーテル等の非環状ポリエーテルが挙げられる。中でも、副反応の抑制、入手容易性等の観点から、1〜2個のエーテル結合を分子内に有する非環状エーテルが好ましく、ジエチルエーテルまたは1,2−ジメトキシエタンがより好ましい。
上記ルイス塩基として用いられる分子内に三級アミン構造を有する化合物としては、三級ポリアミンが挙げられる。三級ポリアミンとは、三級アミン構造を分子中に2個以上有する化合物を意味する。該三級ポリアミンとしては、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン等の鎖状ポリアミン;1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,4,7,10,13,16−ヘキサメチル−1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン等の非芳香族性複素環式化合物;2,2’−ビピリジル、2,2’:6’,2”−ターピリジン等の芳香族性複素環式化合物等が挙げられる。
また、分子内に1個以上のエーテル結合と1個以上の三級アミン構造を有する化合物をルイス塩基として使用してもよい。このような化合物としては、例えばトリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン等が挙げられる。
これらルイス塩基は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ルイス塩基の使用量は、重合開始効率、重合末端アニオンの安定性等の観点から、有機リチウム化合物1モルに対して0.3〜5.0モルの範囲であることが好ましく、0.5〜3.0モルの範囲であることがより好ましく、1.0〜2.0モルの範囲であることがさらに好ましい。ルイス塩基の使用量が有機リチウム化合物1モルに対して、5.0モルを超えると経済性において不利となる傾向となり、0.3モルを下回ると重合開始効率が低下する傾向となる。
また、ルイス塩基の使用量は、有機アルミニウム化合物1モルに対して、0.2〜1.2モルの範囲であることが好ましく、0.3〜1.0モルの範囲であることがより好ましい。
上記リビングアニオン重合は、温度制御および系内を均一化して重合を円滑に進行させる観点から、有機溶媒の存在下に行うことが好ましい。有機溶媒としては、安全性、重合後の反応液の水洗における水との分離性、回収・再使用の容易性等の観点から、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;フタル酸ジメチル等のエステル等が好ましい。これら有機溶媒は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。なお、有機溶媒は、重合を円滑に進行させる観点から、乾燥処理を施すとともに、不活性ガス存在下であらかじめ脱気しておくことが好ましい。
また、上記リビングアニオン重合では、必要に応じ、重合の反応系に他の添加剤を存在させてもよい。該他の添加剤としては、例えば塩化リチウム等の無機塩類;リチウムメトキシエトキシエトキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド;テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルホスホニウムブロミド等が挙げられる。
上記リビングアニオン重合は−30〜25℃で行うのが好ましい。−30℃よりも低いと重合速度が低下し、生産性が低下する傾向がある。一方、25℃より高いと、重合をリビング性よく行うことが困難となる傾向となる。
上記リビングアニオン重合は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。また、反応系が均一になるように十分な攪拌条件下にて行うことが好ましい。また、使用する単量体は、リビングアニオン重合を円滑に進行させる観点から、不活性ガス雰囲気下であらかじめ乾燥処理しておくことが好ましい。乾燥処理にあたっては、水素化カルシウム、モレキュラーシーブス、活性アルミナ等の脱水剤または乾燥剤が好ましく用いられる。
上記リビングアニオン重合において、有機リチウム化合物、有機アルミニウム化合物、ルイス塩基および単量体をアニオン重合の反応系に添加する方法としては、ルイス塩基が、有機リチウム化合物との接触前に有機アルミニウム化合物と接触するように添加することが好ましい。また、有機アルミニウム化合物は、単量体より先にアニオン重合の反応系に添加しても、同時に添加してもよい。有機アルミニウム化合物を単量体と同時にアニオン重合の反応系に添加する場合、有機アルミニウム化合物を単量体と別途混合したのちに添加してもよい。
上記リビングアニオン重合は、メタノール;酢酸または塩酸のメタノール溶液;酢酸、塩酸の水溶液等のプロトン性化合物などの重合停止剤を反応液に添加することにより停止できる。重合停止剤の使用量は、通常、用いる有機リチウム化合物1モルに対して1〜100モルの範囲が好ましい。
アニオン重合停止後の反応液から(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を分離取得する方法としては、公知の方法を採用できる。例えば、反応液を(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の貧溶媒に注いで(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を沈殿させる方法、反応液から有機溶媒を留去して(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を取得する方法等が挙げられる。
なお、分離取得した(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)中に有機リチウム化合物および有機アルミニウム化合物に由来する金属成分が残存していると、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の物性の低下等を生じる場合がある。よって、有機リチウム化合物および有機アルミニウム化合物に由来する金属成分をアニオン重合停止後に除去することが好ましい。該金属成分の除去方法としては、酸性水溶液を用いた洗浄処理、イオン交換樹脂、セライト、活性炭等の吸着剤を用いた吸着処理等に付することが有効である。ここで、酸性水溶液としては、例えば、塩酸、硫酸水溶液、硝酸水溶液、酢酸水溶液、プロピオン酸水溶液、クエン酸水溶液等を使用することができる。
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の製造において硬化性官能基(1)を導入する方法としては、上記したジ(メタ)アクリレート(2)を含有する単量体を重合して(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する方法の他に、硬化性官能基(1)の前駆体となる部分構造(以下、「前駆体構造」と称する)を含む重合体ブロックを形成した後に、該前駆体構造を硬化性官能基(1)に変換する方法も挙げられる。前駆体構造を含む重合体ブロックは重合性官能基と前駆体構造を含む化合物を含有する単量体を重合することで得られる。該重合性官能基としては、スチリル基、1,3−ジエニル基、ビニルオキシ基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。前駆体構造としては、水酸基および保護基(シリルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ基など)によって保護された水酸基、アミノ基および保護基(カルバメート基、アミド基など)によって保護されたアミノ基、チオール基および保護基(チオエーテル基、チオエステル基など)によって保護されたチオール基、ならびにイソシアネート基などが挙げられる。
前駆体構造として水酸基を含む重合体ブロックは、硬化性官能基(1)および水酸基と反応しうる部分構造(カルボキシル基、エステル、カルボニルハライドなど)を有する化合物と反応させることで(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。また、前駆体構造として保護基によって保護された水酸基を含む重合体ブロックは、該保護基を外して水酸基とした後で同様に(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。
前駆体構造としてアミノ基を含む重合体ブロックは、硬化性官能基(1)および水酸基と反応しうる部分構造(カルボキシル基、カルボン酸無水物、エステル、カルボニルハライド、アルデヒド基、イソシアネート基など)を有する化合物と反応させることで(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。また、前駆体構造として保護基によって保護されたアミノ基を含む重合体ブロックは、該保護基を外してアミノ基とした後で同様に(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。
前駆体構造としてチオール基を含む重合体ブロックは、硬化性官能基(1)およびチオール基と反応しうる部分構造(カルボキシル基、カルボン酸無水物、エステル、カルボニルハライド、イソシアネート基、炭素−炭素二重結合など)を有する化合物と反応させることで(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。また、前駆体構造として保護基によって保護されたチオール基を含む重合体ブロックは、該保護基を外してチオール基とした後で同様に(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。
前駆体構造としてイソシアネート基を含む重合体ブロックは、硬化性官能基(1)およびイソシアネート基と反応しうる部分構造(水酸基、アミノ基など)を有する化合物と反応させることで(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成できる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の製造において、(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)を形成する方法としては、硬化性官能基(1)を容易に直接導入できる観点から、また後述する水酸基価が0mgKOH/gの(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を容易に製造できることから、ジ(メタ)アクリレート(2)を含有する単量体を重合する方法、典型的にはリビングアニオン重合する方法が好ましい。
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の水酸基価は、250×10-2mgKOH/g未満であることが好ましく、112×10-2mgKOH/g未満であることがより好ましく、56×10-3mgKOH/g未満であることがさらに好ましく、0mgKOH/gであることが最も好ましい。このような水酸基価の低い(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)を用いることで、本発明の硬化型インクは吸湿性が低くなり、例えば主剤としてカチオン重合性化合物を含有する場合、硬化性能の低下が起こりにくい。ここで水酸基価とは、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)1g中の水酸基を無水酢酸でアセチル化したとき、副生する酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数である。
本発明の硬化型インク用バインダーは、重合開始剤を含有してもよい。重合開始剤としては、UVや電子線などの活性エネルギー線の照射によって主剤((メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)および任意成分である後述する反応性希釈剤)の重合を開始する光重合開始剤、熱により主剤の重合を開始する熱重合開始剤が挙げられる。
本発明の硬化型インク用バインダーが含有できる光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、例えばアセトフェノン類(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン等)、ベンゾフェノン類(例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン等)、ミヒラーケトン類(例えば、ミヒラーケトン等)およびベンゾイン類(例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等)等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、チオキサンソン類(例えば、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン等)等の硫黄化合物;アシルフォスフィンオキサイド類(例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等)等のリン化合物;チタノセン類(例えばビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等)等のチタン化合物;およびアゾ化合物(例えば、アゾビスイソブチルニトリル等)等が挙げられる。中でも、アセトフェノン類もしくはベンゾフェノン類であることが好ましい。
本発明の硬化型インク用バインダーが後述する反応性希釈剤として、カチオン重合性化合物を含有する場合、光重合開始剤として、上記したラジカル重合開始剤に加えて、カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。かかるカチオン重合開始剤としては、例えばジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらは工業的に製造され、市販されている商品を用いることができ、例えばサイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6950(以上、米国ユニオンカーバイド社製)、イルガキュア261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、SP−150、SP−170(以上、旭電化工業株式会社製)、CG−24−61(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、DAICATII(ダイセル化学工業社製)、UVAC1591(ダイセル・ユーシービー(株)社製)、CI−2734、CI−2855、CI−2823、CI−2758(以上、日本曹達社製品)、PI−2074(ローヌプーラン社製)、FFC509(3M社製)、BBI−102、BBI−101(ミドリ化学社製)、CD−1012(Sartomer社製)、CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K、CPI−210S(以上、サンアプロ株式会社製)などが挙げられる。
これら光重合開始剤は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化型インク用バインダーが光重合開始剤を含有する場合、その含有量は、本発明の硬化型インク用バインダー100質量部中に、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜8質量部がより好ましい。0.01質量部以上であると得られる硬化型インクの硬化性が良好となり、また10質量部以下であると硬化後の耐熱性が良好となる傾向にある。
また、本発明の硬化型インク用バインダーには、上記光重合開始剤に加えて、増感剤が含まれていてもよい。増感剤としては、例えばn−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、アリルチオ尿酸、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。中でも、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチルアミンが好ましい。光重合開始剤と増感剤とを混合して使用する場合には、重合開始剤と増感剤の質量比率は、10:90〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜80:20の範囲がより好ましい。
本発明の硬化型インク用バインダーが含有できる熱重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、例えばアゾ開始剤[例えば2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)等]、過酸化物[過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ジクミル等]、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等)、ピナコール(テトラフェニル1,1,2,2−エタンジオール等)等が挙げられ、アゾ開始剤、過酸化物、および過硫酸塩が好ましい。
本発明の硬化型インク用バインダーが、後述する反応性希釈剤としてカチオン重合性化合物を含有する場合、熱重合開始剤として、上記したラジカル重合開始剤に加えて、カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。かかるカチオン重合開始剤としては、トリフェニルスルホニウム塩、ジフェニルフェナシルスルホニウム塩、ジメチルフェナシルスルホニウム塩、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム塩、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム塩、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム塩、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム塩、4−チオフェニルトリフェニルスルホニウム塩などのスルホニウム塩;ジフェニルヨードニウム塩、ジトリルヨードニウム塩、フェニル(p―アニシル)ヨードニウム塩、ビス(p―tert―ブチルフェニル)ヨードニウム塩、ビス(p―クロロフェニル)ヨードニウム塩などのヨードニウム塩;などのヨードニウム塩、ベンゼンジアゾニウム塩などのジアゾニウム塩;などが挙げられる。これらスルホニウム塩、ヨードニウム塩、またはジアゾニウム塩の好適な形態は、例えばクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレートなどであることができる。これらは工業的に製造され、市販されている商品を用いることができ、例えば、サンエイドSI−L85、サンエイドSI−L110、サンエイドSI−L145、サンエイドSI−L160、サンエイドSI−H15、サンエイドSI−H20、サンエイドSI−H25、サンエイドSI−H40、サンエイドSI−H50、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−80、サンエイドSI−100(以上、いずれも三新化学工業(株)製)などが挙げられる。
これら熱重合開始剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化型インク用バインダーが熱重合開始剤を含有する場合、その含有量は、本発明の硬化型インク用バインダーに含まれる主剤((メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)および任意成分である後述する反応性希釈剤)の合計量を100質量部とした場合に約0.01〜5質量部の範囲が好ましく、0.025〜2質量部の範囲がより好ましい。なお、2種以上の熱重合開始剤を併用する場合は、その含有量は合計量を意味する。
また、本発明の硬化型インク用バインダーは、上記熱重合開始剤に加えて、さらに還元剤を含有してもよい。還元剤を含有することで、熱重合開始剤の使用量を削減できるので好ましい。好ましい熱重合開始剤と還元剤の組み合わせとしては、上記過硫酸塩開始剤とメタ亜硫酸水素ナトリウムおよび亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組み合わせ;上記過酸化物開始剤(過酸化ベンゾイル等)と第3級アミン(ジメチルアニリン等)との組み合わせ、有機ヒドロパーオキシド(過酸化ジクミル等)と有機金属化合物(コバルトナフテート等)との組み合わせ等が挙げられる。
本発明の硬化型インク用バインダーには、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)以外の、反応性希釈剤が含まれていてもよい。反応性希釈剤としては、重合が可能であれば特に制限はなく、例えばスチレン、インデン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t− ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエステル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル、4−(メタ)アクリロイルモルホリン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加体、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,4,6−トリオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリスエタノールトリ(メタ)アクリレート、N,N’−ビス[2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]−N’’−(2−ヒドロキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、およびシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体;ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂、フェノールノボラック型エポキシアクリレート樹脂、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂等のエポキシアクリレート系樹脂;COOH基変性エポキシアクリレート系樹脂;ポリオール(ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコールとアジピン酸のポリエステルジオール、ε−カプロラクトン変性ポリエステルジオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端水添ポリイソプレン、水酸基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリイソブチレン等)と有機イソシアネート(トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等)から得られたウレタン樹脂を水酸基含有(メタ)アクリレート{ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等}を反応させて得られたウレタンアクリレート系樹脂;上記ポリオールにエステル結合を介して(メタ)アクリル基を導入した樹脂;ポリエステルアクリレート系樹脂;トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキセンモノエポキシド、ノルボルネンモノエポキシド、リモネンモノエポキシド、3,4−エポキシ−1−シクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチル、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル〕ヘキサフルオロプロパン、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールモノグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ化合物;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、ポリエーテル変性アルコキシシランなどのアルコキシシラン;オキセタン類(例えば、オキセタン、s−トリオキサン、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−エトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ブトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヘキシルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2′−ヒドロキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2′−ヒドロキシ−3′−フェノキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2′−ヒドロキシ−3′−ブトキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−〔2′−(2′′−エトキシエチル)オキシメチル〕オキセタン、3−エチル−3−(2′−ブトキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ベンジルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(p−t−ブチルベンジルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキサタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、キシリレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、カーボネートビスオキセタン、フタレートビスオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとヘキサンジオールとのエーテル化ビスオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとネオペンチルグリコールとのエーテル化ビスオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシオキセタンとプロピレングリコールとのエーテル化ビスオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとトリメチロールプロパンとのエーテル化トリスオキセタン、ペンタエリスリトールと3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとのエーテル化物のテトラキスオキセタンなど)、テトラヒドロフラン類(例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなど)、テトラヒドロピラン類(例えば、テトラヒドロピラン、3−プロピルテトラヒドロピランなど)などの環状エーテル等が挙げられる。中でも、酸素による硬化阻害を低減する観点から、スチレン誘導体、脂肪酸ビニルエステル、エポキシ化合物、環状エーテル、アルコキシシラン等のカチオン重合性化合物が好ましい。これら反応性希釈剤は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化型インク用バインダー中における(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)と反応性希釈剤との質量比は、得られる硬化型インクの粘度、および硬化後の柔軟性の観点から、5:95〜95:5の範囲にあることが好ましく、10:90〜90:10の範囲にあることがより好ましい。
本発明の硬化型インク用バインダーには、その性能を著しく阻害しない範囲内で、可塑剤、溶剤、粘着付与剤、軟化剤、充填剤、安定剤、染料、レベリング剤、帯電防止剤、界面活性剤、消泡剤などの硬化性官能基を有さない各種添加剤が含まれていてもよく、これらは有機化合物でも無機化合物でもよい。なお、これら各種添加剤は、所望の目的(例えば、耐摩擦向上、ブロッキング防止、スベリ防止、擦り傷防止、暗反応防止)のために硬化型インク用バインダーに添加される。
上記可塑剤を本発明の硬化型インク用バインダーに含有させる目的は、硬化型インクの粘度の調整、該硬化型インクを硬化した後の柔軟性の調整が挙げられる。上記可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン等のジエン系(共)重合体;;ポリブテン;ポリイソブチレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基等に変換した誘導体等のポリエーテル類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル;等が挙げられる。これら可塑剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化型インク用バインダーにおいて可塑剤を含有させる場合、その含有量は、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)100質量部に対して、5〜150質量部が好ましく、10〜120質量部がより好ましく、20〜100質量部がさらに好ましい。かかる含有量を5質量部以上とすることで物性の調整、性状の調節等の効果が顕著となり、150質量部以下とすることで硬化型インクの硬化後の柔軟性が向上する傾向がある。
これら可塑剤の分子量またはMn(数平均分子量)としては、Mn400〜15,000であることが好ましく、800〜10,000であることがより好ましく、1,000〜8,000であることがより好ましい。なお、かかる可塑剤は、硬化性官能基以外の官能基(水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基など)を有しても、有していなくてもよい。可塑剤の分子量が400以上であることで、硬化型インクを硬化させた後の溶出が抑制される。また、可塑剤の分子量が15,000以下であることで、硬化型インクの取り扱い性がよくなる傾向がある。
本発明の硬化型インクは、硬化型インク用バインダーおよび顔料を含有する。かかる顔料は、無機顔料であっても有機顔料であってもよい。
無機顔料としては、例えば黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラなどが挙げられる。
有機顔料としては、例えばβ−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系などの溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系などの多環式顔料および複素環式顔料などが挙げられる。
これら顔料は、硬化型インク用バインダー100質量部に対して通常、好ましくは5〜55質量部の範囲で用いられる。
本発明の硬化型インクは、活性エネルギー線の照射や、熱によって硬化できる。
活性エネルギー線を照射することによって硬化する場合、かかる活性エネルギー線としては、光線、電磁波、粒子線およびこれらの組み合わせを利用できるが、硬化速度、照射装置の入手性、価格等の観点から紫外線または電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
活性エネルギー線は、公知の装置を用いて照射することができる。電子線(EB)の場合の加速電圧としては0.1〜10MeV、照射線量としては1〜500kGyの範囲が適当である。
本発明の硬化型インクを紫外線の照射によって硬化する場合、硬化型インクは上記した光重合開始剤を含有することが好ましい。紫外線照射には、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、LED等を用いることができる。活性エネルギー線の積算光量は、通常10〜10000mJ/cm2の範囲であり、100〜5000mJ/cm2の範囲が好ましい。10mJ/cm2より少ないと硬化型インクの硬化性が不十分となり、10000mJ/cm2より多いと硬化型インクが劣化するおそれがある。
硬化型インクに対して活性エネルギー線を照射する場合の相対湿度は、硬化型インクの分解を抑制する観点から、30%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
硬化型インクに対して活性エネルギー線照射中または照射後に、さらに必要に応じて加熱を行って硬化を促進させることもできる。かかる加熱温度は40〜130℃の範囲が好ましく、50〜100℃の範囲がより好ましい。
本発明の硬化型インク用バインダーが熱重合開始剤を含有する場合、本発明の硬化型インクは熱によって硬化できる。加熱温度は50〜250℃の範囲内が好ましく、70〜200℃の範囲内がより好ましい。加熱時間は、使用する熱重合開始剤、反応性希釈剤、反応温度等により異なるが、通常1分〜10時間の範囲内である。
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されない。
以下の実施例および比較例において、原料は常法により乾燥精製し、窒素にて脱気したものを使用し、移送および供給は窒素雰囲気下にて行った。
[単量体消費率]
重合後の各単量体の消費率は、反応液0.5mlを採取してメタノール0.5ml中に入れて混合後、該混合液から0.1mlを採取して、重クロロホルム0.5mlに溶解させて1H−NMR測定を行い、単量体として用いた(メタ)アクリル酸エステルの炭素−炭素二重結合に直結するプロトンに由来するピーク(化学シフト値6.08〜6.10)および溶媒として用いたトルエンの芳香環に直結するプロトンに由来するピーク(化学シフト値7.00〜7.38ppm)の積分値の比率の変化から算出した。
1H−NMR測定条件
装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置 「JNM−ECX400」
溶媒:重水素化クロロホルム
温度:25℃
[数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)]
得られた重合体のGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)測定を行い、標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)の値を求めた。
装置:東ソー株式会社製 GPC装置「HLC−8220GPC」
分離カラム:東ソー株式会社製 「TSKgel SuperMultiporeHZ−M(カラム径=4.6mm、カラム長=15cm)」(2本を直列に繋いで使用)
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液流量:0.35ml/分
カラム温度:40℃
検出方法:示差屈折率(RI)
[重合開始効率]
実際に工程(1)で得られた重合体のMnをMn(R1)とし、開始剤効率が100%である場合の工程(1)で得られる重合体のMn(計算値)をMn(I1)とすると、工程(1)における開始剤効率(F1)は以下の式から算出される。
F1(%)=100×Mn(R1)/Mn(I1)
[ブロック効率]
実際に工程(2)で得られたブロック共重合体のMnをMn(R2)とし、ブロック効率が100%である場合に工程(2)で得られるブロック共重合体のMn(計算値)をMn(I2)とすると、工程(1)から工程(2)にかけてのブロック効率(F2)は以下の式から算出される。
F2(%)=10000・{Mn(I2)−Mn(I1)}/[F1・{Mn(R2)−Mn(R1)}]
[硬化性評価]
実施例および比較例で得られた硬化型インクを離型PETフィルム(東洋紡製、K1504)上に厚さ150μmで塗工し、さらにこの上に離型PETフィルム(東洋紡製、K1504)を載せた後、片面UV照射装置(HI−TECH製HTE−3000B INTEGRATOR−914M)を用いて350nmのUV(照射強度は約10mW/cm2)を600mJ/cm2照射して硬化型インクを硬化させた後、両面の離型PETフィルムを剥離してフィルム状の硬化物を得た。得られた硬化物の質量(浸漬前の質量)を秤量した。
実施例1、2、および比較例1で得られた硬化型インクから得られた硬化物については、室温でトルエン中に24時間浸漬した後、取り出した硬化物の表面をさらにトルエンで洗浄した後、室温にて0.2Paで12時間乾燥し、浸漬後の質量を秤量した。
一方、実施例3および比較例2で得られた硬化型インクから得られた硬化物については、室温にて大気中で1日放置した後、室温でトルエン中に24時間浸漬した。取り出した硬化物の表面をさらにトルエンで洗浄した後、室温にて0.2Paで12時間乾燥し、浸漬後の質量を秤量した。
このようにして秤量した硬化物の浸漬前後の質量から、下記の式を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(浸漬後の質量/浸漬前の質量)×100
[硬化物の柔軟性評価]
実施例および比較例で得られた硬化型インクを、四辺に厚さ1mmのスペーサーを設けた離型PETフィルム(東洋紡製、K1504)の表面に流し込み、該硬化型インクからなる厚さ1mmの層を形成し、さらにその上に離型PETフィルム(東洋紡製、K1504)を気泡が入らないように載せた後、紫外線照射装置HTE−3000B INTEGRATOR814M(HI−TECH社製)を用いて、離型PETフィルム上に紫外線を5000mJ/cm2照射することで硬化型インクを硬化させた後、両面の離型PETフィルムを剥離してフィルム状の硬化物を得た。得られた硬化物を用いて動的粘弾性測定装置(株式会社ユービーエム製「Rheogel E−4000」)を用いて、温度依存性(引っ張り)モード(周波数:11Hz)で、昇温速度を3℃/分、−100℃から180℃まで昇温して貯蔵弾性率を測定し、25℃における貯蔵弾性率E’(Pa)を柔軟性の指標とした。
[合成例1]
(工程1:(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)の形成)
内部を乾燥し、窒素置換した300mlのフラスコに、トルエン150mlを添加したのち、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、ルイス塩基として1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.74ml(2.73mmol)、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液6.36ml(2.86mmol)を順次添加したのち、−20℃に冷却した。これに有機リチウム化合物としてsec−ブチルリチウムの1.30mol/Lシクロヘキサン溶液2.00ml(2.6mmol)を加え、単量体として1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート1.87ml(7.80mmol)およびメタクリル酸メチル1.66ml(15.6mmol)の混合物3.53mlを一括で添加し、アニオン重合を開始した。上記混合物の添加終了から80分後に反応液は当初の黄色から無色に変わった。さらに20分撹拌後に反応液をサンプリングした。
工程1における1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレートおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られた重合体のMn(Mn(R1))は1,340、Mw/Mnは1.16であった。さらに、工程1における重合開始効率(F1)は99%であった。
(工程2:(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)の形成)
引き続き上記反応液を−20℃で撹拌しつつ、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液を3.18ml(1.43mmol)加え、その1分後に単量体としてアクリル酸n−ブチル50.4ml(350mmol)を1ml/分の速度で添加した。アクリル酸n−ブチルの添加終了直後に反応液をサンプリングした。
工程2におけるアクリル酸n−ブチルの消費率は100%であった。また、得られたジブロック共重合体のMn(Mn(R2))は21,300、Mw/Mnは1.18であった。さらに、工程1から工程2にかけてのブロック効率(F2)は88%であった。
(工程3:(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)の形成)
引き続き上記反応液を−20℃で攪拌しつつ、単量体として1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレート1.63ml(6.78mmol)およびメタクリル酸メチル1.44ml(13.6mmol)の混合物3.07mlを一括で添加した後、2℃/分の速度で20℃に昇温した。上記混合物の添加終了から60分後に反応液をサンプリングした。
工程3における1,1−ジメチルプロパン−1,3−ジオールジメタクリレートおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。
(工程4:アニオン重合の停止と(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)の単離)
引き続き上記反応液を20℃で撹拌しつつ、メタノールを10.0ml添加することにより、アニオン重合を停止させた。得られた溶液を1リットルのメタノール中に注ぎ、生成した重合体を沈殿させ、濾過によって回収し、100℃、30Paで乾燥し、45.2gの(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)(以下、「(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)」と称する)を得た。
得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)のMnは22,600、Mw/Mnは1.19であった。
[合成例2]
(工程1:(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)前駆体の形成)
内部を乾燥し、窒素置換した300mlのフラスコに、トルエン150mlを添加したのち、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、ルイス塩基として1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.74ml(2.73mmol)、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液6.36ml(2.86mmol)を順次添加したのち、−20℃に冷却した。これに有機リチウム化合物としてsec−ブチルリチウムの1.30mol/Lシクロヘキサン溶液2.00ml(2.6mmol)を加え、単量体としてメタクリル酸4−(トリメチルシリルオキシ)ブチル1.70ml(7.80mmol)およびメタクリル酸メチル1.66ml(15.6mmol)の混合物3.36mlを一括で添加し、アニオン重合を開始した。上記混合物の添加終了から80分後に反応液は当初の黄色から無色に変わった。さらに20分撹拌後に反応液をサンプリングした。
工程1におけるメタクリル酸4−(トリメチルシリルオキシ)ブチルおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られた重合体のMn(Mn(R1))は1,400、Mw/Mnは1.16であった。さらに、工程1における重合開始効率(F1)は97%であった。
(工程2:(メタ)アクリル系重合体ブロック(b)の形成)
引き続き上記反応液を−20℃で撹拌しつつ、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液を3.18ml(1.43mmol)加え、その1分後に単量体としてアクリル酸n−ブチル50.4ml(350mmol)を1ml/分の速度で添加した。アクリル酸n−ブチルの添加終了直後に反応液をサンプリングした。
工程2におけるアクリル酸n−ブチルの消費率は100%であった。また、得られたジブロック共重合体のMnは21,600、Mw/Mnは1.20であった。さらに、工程1から工程2にかけてのブロック効率(F2)は100%であった。
(工程3:(メタ)アクリル系重合体ブロック(a)前駆体の形成)
引き続き上記反応液を−20℃で攪拌しつつ、単量体としてメタクリル酸4−(トリメチルシリルオキシ)ブチル1.48ml(6.78mmol)およびメタクリル酸メチル1.44ml(13.6mmol)の混合物2.92mlを一括で添加した後、2℃/分の速度で20℃に昇温した。上記混合物の添加から60分後に反応液をサンプリングした。
工程3におけるメタクリル酸4−(トリメチルシリルオキシ)ブチルおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られたトリブロック共重合体のMnは23,200、Mw/Mnは1.20であった。
(工程4:アニオン重合の停止)
引き続き上記反応液を20℃で撹拌しつつ、メタノールを10.0ml添加することにより、アニオン重合を停止させた。
(工程5:硬化性官能基(1)の導入)
引き続き上記反応液を20℃で撹拌しつつ、ジクロロ酢酸2.2ml(26.7mmol)を添加し、30分攪拌した。次いで反応液を1リットルのメタノール中に注ぎ、重合体を沈殿させ、濾過によって回収し、100℃、30Paで乾燥し、46.9gの重合体を得た。
さらに、300mlフラスコに、得られた重合体とトルエン150mlを加えて溶解させ、トリエチルアミン9.7ml(69.6mmol)を加え、氷浴で冷却した。ここに塩化メタクリロイル6.7ml(69.2mmol)を滴下し、2時間攪拌した後、反応液をサンプリングした。1H−NMR測定を行うと、工程5の反応率は85%であった。その後メタノール5mlを加えて反応を停止した。反応液から析出したアミン塩を除去するため吸引ろ過し、次いでろ液からトルエンを留去し、クロロホルム150mlを添加した後炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を行い、クロロホルム層を吸引ろ過した。次いで、クロロホルム層を飽和食塩水で3回洗浄し、クロロホルム層に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し、70℃で濃縮することで41.5gの(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A)(以下、「(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A2)」と称する)を得た。
得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A2)のMnは23,700、Mw/Mnは1.21であった。
[合成例3]
(工程1)
内部を乾燥し、窒素置換した300mlのフラスコに、トルエン150mlを添加したのち、フラスコ内の溶液を攪拌しながら、ルイス塩基として1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン0.74ml(2.73mmol)、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液6.36ml(2.86mmol)を順次添加したのち、−20℃に冷却した。これに有機リチウム化合物としてsec−ブチルリチウムの1.30mol/Lシクロヘキサン溶液2.00ml(2.6mmol)を加え、単量体としてメタクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチル1.68ml(7.80mmol)およびメタクリル酸メチル1.66ml(15.6mmol)の混合物3.34mlを一括で添加し、アニオン重合を開始した。上記混合物の添加終了から80分後に反応液は当初の黄色から無色に変わった。さらに20分撹拌後に反応液をサンプリングした。
工程1におけるメタクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチルおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られた重合体のMn(Mn(R1))は1,300、Mw/Mnは1.15であった。さらに、重合開始効率(F1)は98%であった。
(工程2)
引き続き上記反応液を−20℃で撹拌しつつ、有機アルミニウム化合物としてイソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムの0.450mol/Lトルエン溶液を3.18ml(1.43mmol)加え、その1分後に単量体としてアクリル酸n−ブチル50.4ml(350mmol)を1ml/分の速度で添加した。アクリル酸n−ブチルの添加終了直後に反応液をサンプリングした。
工程2におけるアクリル酸n−ブチルの消費率は100%であった。また、得られたジブロック共重合体のMn(Mn(R2))は21,300、Mw/Mnは1.18であった。さらに、工程1から工程2にかけてのブロック効率(F2)は100%であった。
(工程3)
引き続き上記反応液を−20℃で攪拌しつつ、単量体としてメタクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチル1.46ml(6.78mmol)およびメタクリル酸メチル1.44ml(13.6mmol)の混合物2.90mlを一括で添加した後、2℃/分の速度で20℃に昇温した。上記混合物の添加から60分後に反応液をサンプリングした。
工程3におけるメタクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチルおよびメタクリル酸メチルの消費率は100%であった。また、得られたトリブロック共重合体のMnは22,800、Mw/Mnは1.17であった。
(工程4)
引き続き、得られた反応液を撹拌しつつ、20℃でメタノールを10.0ml添加することにより、アニオン重合を停止させた。
(工程5)
引き続き上記反応液を20℃で撹拌しつつ、ジクロロ酢酸2.2ml(26.7mmol)を添加し、30分攪拌した。次いで反応液を1リットルのメタノール中に注ぎ、重合体を沈殿させ、濾過によって回収し、100℃、30Paで乾燥し、46.0gの重合体を得た。
さらに、300mlフラスコに、得られた重合体とトルエン150mlを加えて溶解させ、トリエチルアミン9.7ml(69.6mmol)を加え、氷浴で冷却した。ここに塩化メタクリロイル6.7ml(69.2mmol)を滴下し、2時間攪拌した後、反応液をサンプリングした。1H−NMR測定を行うと、工程5の反応率は90%であった。その後メタノール5mlを加えて反応を停止した。
反応液から析出したアミン塩を除去するため吸引ろ過し、次いでろ液からトルエンを留去し、クロロホルム150mlを添加した後炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を行い、クロロホルム層を吸引ろ過した。次いで、クロロホルム層を飽和食塩水で3回洗浄し、クロロホルム層に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し、70℃で濃縮することで40.2gの(メタ)アクリル系ブロック共重合体(以下、「(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A’)」と称する)を得た。
得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A’)のMnは23,100、Mw/Mnは1.19であった。
以下表1に、合成例1〜3で得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体に含まれる硬化性官能基についてまとめた。
[実施例1]
合成例1で得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)を17質量部、反応性希釈剤としてテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、ビスコート#150)を31質量部、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート(共栄社化学株式会社製、M−600A)を16質量部、2,4,6−トリオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリスエタノールトリ(メタ)アクリレート(東亜合成株式会社製、M−315)を16質量部、ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF製、Irgacure 184)を5質量部、攪拌混合し、硬化型インク用バインダーを得た。次いで、かかる硬化型インク用バインダー85質量部、および顔料(C.I.Pigment BLUE15:3)15質量部を攪拌混合し、硬化型インクを得た。得られた硬化型インクの硬化性能評価および柔軟性能評価を上述の評価方法にしたがって行った。結果を表2に示す。
[実施例2]
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)に代えて、合成例2で得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A2)を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化型インクを得、評価した。結果を表2に示す。
[実施例3]
合成例1で得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)を16質量部、反応性希釈剤としてテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、ビスコート#150)を16質量部、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート(共栄社化学株式会社製、M−600A)を8質量部、2,4,6−トリオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリスエタノールトリ(メタ)アクリレート(東亜合成製、M−315)を5質量部、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成株式会社製、OXT−101)を28質量部、3,4−エポキシ−1−シクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチル(株式会社ダイセル製、セロキサイド2021P)を7質量部、ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF製、イルガキュア184)を3質量部、カチオン重合開始剤としてサンアプロ株式会社製CPI−100Pを2質量部攪拌混合し、硬化型インク用バインダーを得た。次いで、かかる硬化型インク用バインダー85質量部、および顔料(C.I.Pigment BLUE15:3)15質量部を撹拌混合し、硬化型インクを得た。得られた硬化型インクの硬化性能評価および柔軟性能評価の結果を表2に示す。
[比較例1]
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)に代えて、合成例3で得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A’)を用いる以外は、実施例1と同様にして硬化型インクを得、評価した。結果を表2に示す。
[比較例2]
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A1)に代えて、合成例3で得られた(メタ)アクリル系ブロック共重合体(A’)を用いる以外は、実施例3と同様にして硬化型インクを得、評価した。結果を表2に示す。
反応性希釈剤(B1):テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、ビスコート#150)
反応性希釈剤(B2):2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート(共栄社化学株式会社製、M−600A)
反応性希釈剤(B3):2,4,6−トリオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリスエタノールトリ(メタ)アクリレート(東亜合成株式会社製、M−315)
反応性希釈剤(B4):3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成株式会社製、OXT−101)
反応性希釈剤(B5):3,4−エポキシ−1−シクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチル(株式会社ダイセル製、セロキサイド2021P)
ラジカル重合開始剤(C1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF製、イルガキュア184)
カチオン重合開始剤(C2):CPI−100P(サンアプロ株式会社製)
顔料(D1):C.I.Pigment BLUE15:3
表1に示したように本発明の硬化型インクは硬化性能に優れ、かつ硬化後の柔軟性に優れる。