JP6289052B2 - あと施工アンカーの施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、あと施工アンカーの施工方法に関し、特にアンカー部材を接着剤(カプセル方式又は注入方式)の化学反応により固着する接着系(ケミカル)アンカーを施工する施工方法に関する。
建築や土木におけるあと施工アンカー工法においては、コンクリート構造物に形成した穿孔に接着剤(注入方式又は樹脂カプセル方式)の化学反応によりアンカー部材を固着させた接着系アンカーが従来から広く用いられている。接着系アンカーは、まず、コンクリート構造物に穿孔し、この穿孔に接着剤を充填(又は樹脂カプセルを挿入)する。そして、この穿孔に全ねじボルト等のアンカーボルトや、異形棒鋼等のアンカー筋であるアンカー部材を打ち込んで、接着剤を硬化養生させて、アンカー部材をコンクリート構造物に固着させている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−9239号公報
しかしながら、従来技術では、接着剤の経時劣化や、施工不良によって十分な引抜耐力が確保できなくなってしまうことがある。このようなあと施工アンカーは、使用を中止せざるを得ないが、無理に引き抜くとコンクリート構造物を破壊する虞があるため、そのまま放置されるのが一般的である。従って、新たな箇所にあと施工アンカーを施工した後、固定されていた設備を移動させるという大掛かりな工事が必要になっていた。
本発明の目的は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンクリート構造物を破壊することなくあと施工アンカーを引き抜くことができる、既存の穿孔を用いて新たなあと施工アンカーを施工することができるあと施工アンカーの施工方法を提供することにある。
本発明のあと施工アンカーの施工方法は、コンクリート構造物の穿孔に接着剤により固着されたアンカー部材に対して熱と力との両方、又はいずれか一方を加えながら引張荷重を加えて前記アンカー部材を引き抜く引き抜き工程と、前記アンカー部材を引き抜いた前記穿孔に残存する前記接着剤を除去する接着剤除去工程と、該接着剤除去工程によって前記接着剤を除去した前記穿孔に新たな接着剤を充填する接着剤充填工程と、該接着剤充填工程によって前記新たな接着剤を充填した前記穿孔に新たなアンカー部材を打ち込むアンカー部材打込工程とを有し、前記引き抜き工程は、前記接着剤による引張耐力を低下させる耐力低下装置と、前記アンカー部材に引張荷重を加える引張装置とを具備するあと施工アンカー引き抜き装置を用いて行うことを特徴とする。
さらに本発明のあと施工アンカーの施工方法において、前記接着剤除去工程は、前記アンカー部材を引き抜いた前記穿孔の径を拡げる穿孔拡径工程であっても良い。
さらに本発明のあと施工アンカーの施工方法において、前記穿孔拡径工程では、前記穿孔の奥部をアンダーカット型の拡張穴に形成し、前記アンカー部材打込工程では、前記新たなアンカー部材としてアンダーカットアンカーを打ち込んでも良い
らに本発明のあと施工アンカーの施工方法において、前記引張装置には、前記アンカー部材に加える引張荷重を測定する荷重計が設けられており、前記あと施工アンカー引き抜き装置は、前記荷重計によって測定された引張荷重値が設定された上限引張荷重値を超えると上限荷重超過通知を報知する引張制御装置を備えていても良い。
また、本発明のあと施工アンカーの施工方法は、前記引張装置には、前記アンカー部材に加える引張荷重を測定する荷重計が設けられており、前記あと施工アンカー引き抜き装置は、前記アンカー部材の軸方向の変位量を測定する変位計と、前記荷重計によって測定された引張荷重値が設定された荷重設定値を超えることなく、前記変位計によって測定された変位量が設定された変位設定値を超えると、前記耐力低下装置をオンさせる引張制御装置とを備えていても良い。
また、本発明のあと施工アンカーの施工方法は、コンクリート構造物の穿孔に接着剤により固着されたアンカー部材に対して、前記コンクリート構造物から突出している突出端から挿入孔を形成する挿入孔形成工程と、前記挿入孔に棒状の加熱手段を挿入して前記アンカー部材を加熱する加熱工程と、加熱後の前記アンカー部材を引き抜く引き抜き工程と、前記アンカー部材を引き抜いた前記穿孔に残存する前記接着剤を除去する接着剤除去工程と、該接着剤除去工程によって前記接着剤を除去した前記穿孔に新たな接着剤を充填する接着剤充填工程と、該接着剤充填工程によって前記新たな接着剤を充填した前記穿孔に新たなアンカー部材を打ち込むアンカー部材打込工程とを有することを特徴とする。
さらに本発明のあと施工アンカーの施工方法において、前記挿入孔形成工程では、前記コンクリート構造物に埋設されている埋設端の近傍まで到達する前記挿入孔、もしくは前記埋設端を突き抜ける前記挿入孔を形成するようにしても良い。
また、本発明のあと施工アンカーの施工方法は、アンカー部材が穿孔に接着剤により固着されているコンクリート構造物に対して、前記アンカー部材の前記コンクリート構造物に埋設されている埋設端近傍に到達する削孔を生成する挿入孔形成工程と、前記削孔を介して前記アンカー部材を通電加熱する加熱工程と、前記アンカー部材を引き抜く引き抜き工程と、前記アンカー部材を引き抜いた前記穿孔に残存する前記接着剤を除去する接着剤除去工程と、該接着剤除去工程によって前記接着剤を除去した前記穿孔に新たな接着剤を充填する接着剤充填工程と、該接着剤充填工程によって前記新たな接着剤を充填した前記穿孔に新たなアンカー部材を打ち込むアンカー部材打込工程と、前記削孔を埋め戻す埋め戻し工程とを有することを特徴とする。
さらに本発明のあと施工アンカーの施工方法において、前記引き抜き工程では、前記アンカー部材に回転を与えながら引き抜くようにしても良い。
また、本発明のあと施工アンカー引き抜き装置は、コンクリート構造物の穿孔に接着剤により固着されたアンカー部材を引き抜くあと施工アンカー引き抜き装置であって、前記接着剤による引張耐力を低下させる耐力低下装置と、前記アンカー部材に引張荷重を加える引張装置とを具備することを特徴とする。
さらに本発明のあと施工アンカー引き抜き装置において、前記耐力低下装置は、前記アンカー部材を加熱する加熱装置であっても良い。
さらに本発明のあと施工アンカー引き抜き装置において、前記耐力低下装置は、前記アンカー部材に対して回転、振動もしくは打撃力を加える加力装置であっても良い。
さらに本発明のあと施工アンカー引き抜き装置において、前記引張装置には、前記アンカー部材に加える引張荷重を測定する荷重計が設けられており、前記荷重計によって測定された引張荷重値が設定された上限引張荷重値を超えると上限荷重超過通知を報知する引張制御装置を備えていても良い。
さらに本発明のあと施工アンカー引き抜き装置において、前記引張装置には、前記アンカー部材に加える引張荷重を測定する荷重計が設けられており、前記アンカー部材の軸方向の変位量を測定する変位計と、前記荷重計によって測定された引張荷重値が設定された荷重設定値を超えることなく、前記変位計によって測定された変位量が設定された変位設定値を超えると、前記耐力低下装置をオンさせる引張制御装置とを備えていても良い。
本発明によれば、接着系アンカーの付着力により決まる引張耐力を低下させることができるため、コンクリート構造物を破壊することなくアンカー部材を引き抜くことができ、既存の穿孔を用いて新たなあと施工アンカーを施工することができる。これにより、設備の移設という大掛かりな工事を行わなくて良いという効果を奏する。
本発明に係るあと施工アンカーの施工方法の第1実施形態の各作業手順を示す断面図である。 図1(b)に示すアンカー部材の引き抜き作業に用いられるあと施工アンカー引き抜き装置の構成を示すブロック図である。 図2に示す引張装置、変位計及び加熱装置の側面図である。 図2に示す引張装置及び加熱装置の縦断面図である。 図2に示す引張操作装置及び引張制御装置の構成を示す平面図及び側面図である。 図2に示すあと施工アンカー引き抜き装置に加力装置を装着した状態を示す縦断面図である。 本発明に係るあと施工アンカーの施工方法の第2実施形態の各作業手順を示す断面図である。 本発明に係るあと施工アンカーの施工方法の第3実施形態の各作業手順を示す断面図である。
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態のあと施工アンカーの施工方法では、まず、既設の接着系アンカーに対し、図1(a)に示すように、全ねじボルト等のアンカーボルトや、異形棒鋼等のアンカー筋であるアンカー部材2に熱や、回転、振動、打撃力等の力を加えながら、引張荷重を加えてアンカー部材2を引き抜く(引き抜き工程)。既設の接着系アンカーは、コンクリート構造物3に形成された穿孔4に、アンカー部材2が接着剤5によって固着されている。従って、アンカー部材2に熱や、回転、振動、打撃力等の力を加えることで、アンカー部材2を固着している接着剤5の引張耐力を低下させることができる。これにより、接着剤5の引張耐力を、コンクリート構造物3のコーン状破壊により決まる引張耐力よりも小さくすることができるため、図1(b)に示すように、コンクリート構造物3を破壊することなくアンカー部材2を引き抜くことができる。
次に、拡径用のコアドリル等を用いて、図1(c)に矢印で示すように、コンクリート構造物3に既設されている穿孔4の径を拡げる(穿孔拡径工程)。穿孔拡張工程は、残存する接着剤5を確実に除去する接着剤除去工程として機能し、アンカー部材2を引き抜いた後に、穿孔4に残存する接着剤5を確実に除去することができる。
次に、ブラシやブロアを用いて、穿孔4内の切粉を除去し(切粉除去工程)、穿孔4に接着剤5を充填(又は樹脂カプセルを挿入)する(接着剤充填工程)。そして、図1(d)に示すように、アンカー部材2を打ち込んで、接着剤5を硬化養生させて、アンカー部材2をコンクリート構造物3に固着させる(アンカー部材打込工程)。
なお、穿孔拡張工程において、アンダーカットドリルを用いて、穿孔4の奥部をアンダーカット型の拡張穴に形成し、アンカー部材打込工程において、アンダーカットアンカーを打ち込むようにしても良い。
アンカー部材2に熱や、回転、振動、打撃力等の力を加えながら、引張荷重を加えてアンカー部材2を引き抜く引き抜き工程には、図2乃至図5に示すあと施工アンカー引き抜き装置1を用いることができる。
あと施工アンカー引き抜き装置1は、コンクリート構造物に形成された穿孔4に接着剤5で固着されたアンカー部材を引き抜く装置であり、図2に示すように、アンカーボルト等のアンカー部材に引張荷重を加える引張装置10と、引張装置10を操作する引張操作装置30と、アンカー部材の軸方向の変位量を測定する変位計40と、アンカー部材を加熱する加熱装置50と、引張制御装置60とを備えている。
引張装置10は、図3及び図4に示すように、複数の脚部11を備えた反力台12と、反力台12と、アンカー部材2に引張荷重を加えるセンターホール型の油圧シリンダー13と、反力台12と油圧シリンダー13との間に配置され、アンカー部材2への引張荷重値を測定する荷重計14とを備えている。荷重計14には、センターホール型のロードセルが用いられている。また、反力台12には、センターホールが形成されており、反力台12のセンターホールと、油圧シリンダー13及び荷重計14のセンターホールとは、反力台12に対して垂直な貫通孔15を形成している。
図3及び図4を参照すると、コンクリート構造物3に形成された穿孔4に接着剤5で固着されたアンカー部材2には、カップリング16を介してセンターシャフト17が接続され、カップリング16及びセンターシャフト17が反力台12側から引張装置10の貫通孔15に挿入され、反力台12の複数の脚部11がコンクリート構造物3に接触している。センターシャフト17は、油圧シリンダー13側から突出しており、突出しているセンターシャフト17には、センターシャフト17に適応、すなわちセンターシャフト17の外径よりも若干大きい開口が形成されたワッシャープレート18が取り付けられ、さらに、センターシャフト17のねじ径に対応する調整ナット19がワッシャープレート18に接触するまでねじ込まれている。これにより、コンクリート構造物3の表面とワッシャープレート18との間に、反力台12と、荷重計14と、油圧シリンダー13とが介装された状態となる。
なお、カップリング16は、アンカー部材2とセンターシャフト17とを締結するための締結部材であり、アンカー部材2のねじ径に対応する複数種類が用意されている。また、アンカー部材2が、油圧シリンダー13側から突出する長さである場合には、カップリング16を介してセンターシャフト17を接続することなく、アンカー部材2に適応、すなわちアンカー部材2の外径よりも若干大きい開口が形成されたワッシャープレート18を取り付け、さらに、アンカー部材2のねじ径に対応する調整ナット19をワッシャープレート18に接触するまでねじ込むようにしても良い。
油圧シリンダー13には、引張操作装置30が接続されている。引張操作装置30は、図5に示すように、油圧ポンプ31を備えており、油圧ホース32を介して油圧シリンダー13に接続される。図5において、(a)は引張操作装置30及び引張制御装置60の平面図であり、(b)は引張操作装置30及び引張制御装置60の側面図である。引張操作装置30のレバー33を操作することで油圧ポンプ31から油圧シリンダー13に作動油が供給される。作動油が供給されると、油圧シリンダー13のピストンロッド13aが伸長され、ワッシャープレート18に対して反力台12(コンクリート構造物3の表面)から離れる引張方向に力が作用する。これにより、ワッシャープレート18、調整ナット19、センターシャフト17及びカップリング16は、引張方向においてアンカー部材2と一体であるため、アンカー部材2に引張荷重が加えられる。なお、図3及び図4に示すように油圧シリンダー13として単動型を用いたが、複動型の油圧シリンダーを採用するようにしても良い。
荷重計14には、メインコネクタ20と変位計コネクタ21とが設けられている。変位計40は、取り付けステイ41を介してアンカー部材2に取り付けられ、アンカー部材2の軸方向の変位量を測定する。変位計40によって測定された変位量は、変位計コネクタ21に入力され、荷重計14によって測定された引張荷重値と共に、メインコネクタ20から引張制御装置60に入力される。
加熱装置50は、カップリング16におけるアンカー部材2の接続側に設けられている。加熱装置50としては、例えば、高周波加熱装置を用いることができ、加熱コイル51がアンカー部材2に巻回されている。加熱装置50のオン/オフは、引張制御装置60によって制御される。加熱装置50がオン、すなわち加熱コイル51に高周波電流(交流)が流れると、アンカー部材2自体が発熱し、急速高温加熱が可能になる。なお、図3及び図4では、加熱コイル51に高周波電流を供給する電源装置及び電源ケーブルや引張制御装置60との間に接続された制御ケーブルは省略されている。また、アンカー部材2の発熱がセンターシャフト17を介して油圧シリンダー13に伝達されないように、カップリング16やセンターシャフト17をセラミック等の断熱材で構成すると好適である。さらに、カップリング16を用いない場合には、加熱装置50単体をアンカー部材2に取り付けるようにしても良い。
引張制御装置60は、図5に示すように、液晶ディスプレイ等の表示部61と、各種設定キーを備えた設定操作部62と、ブザー等の報知部63と、制御部64とを備えている。制御部64は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピューター等の情報処理部である。ROMには制御プログラムが記憶されている。制御部64は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、各種動作を実行する。
次に、あと施工アンカー引き抜き装置1を用いた引き抜き工程について詳細に説明する。
あと施工アンカー引き抜き装置1は、非破壊引張確認試験を行ってアンカー部材2の引張耐力を確認し、アンカー部材2の引き抜きを継続するか否かを判断した上で、アンカー部材2を引き抜くことができる。
作業者は、まず、引張装置10、変位計40及び加熱装置50を図3及び図4に示すようにセッティングすると共に、設定操作部62によって「荷重設定値」と「変位設定値」と「上限荷重設定値」を設定する。なお、この初期状態では、加熱装置50はオフになっている。また、「荷重設定値」及び「変位設定値」は、非破壊引張確認試験のための入力であり、「荷重設定値」は、例えば、アンカー部材2の引張耐力Taの40%に設定される。なお、接着系アンカーであるアンカー部材2の引張耐力Taは、アンカー部材2の降伏により決まる引張耐力Ta1(以下、アンカー引張耐力Ta1と称す)と、定着したコンクリート構造物3のコーン状破壊により決まる引張耐力Ta2(以下、コンクリート引張耐力Ta2と称す)と、接着剤5(接着系アンカー)の付着力により決まる引張耐力Ta3(以下、接着剤引張耐力Ta3と称す)との内の最小値となる。さらに、「上限荷重設定値」は、コンクリート構造物3(形成された穿孔4)やアンカー部材2を破損させる虞のある引張荷重値であり、「荷重設定値」よりも高く且つアンカー引張耐力Ta1及びコンクリート引張耐力Ta2よりも低い値に設定される。
作業者は、引張操作装置30のレバー33を操作することで、アンカー部材2に加える引張荷重を増加させていく。引張制御装置60の制御部64は、荷重計14によって測定された引張荷重値と「荷重設定値」とを比較していると共に、変位計40によって測定された変位量とを「変位設定値」とを比較している。そして、制御部64は、荷重計14によって測定された引張荷重値が「荷重設定値」を超えると、「荷重設定到達通知」を表示部61や報知部63を用いて作業者に報知すると共に、変位計40によって測定された変位量が「変位設定値」を超えると、「変位量超過通知」を表示部61や報知部63を用いて作業者に報知する。これにより、「変位量超過通知」が報知されることなく、「荷重設定到達通知」が報知された場合には、作業者は、アンカー部材2の引張耐力が十分に備わっていると判断することができ、アンカー部材2の引き抜きを中止することができる。
また、制御部64は、荷重計14によって測定された引張荷重値が「荷重設定値」を超えることなく、変位計40によって測定された変位量が「変位設定値」を超えると、加熱装置50をオンさせる。これにより、加熱コイル51に高周波電流(交流)が流れ、アンカー部材2自体が発熱し、アンカー部材2を固着している接着剤5に熱が伝達されることになる。なお、制御部64は、荷重計14によって測定された引張荷重値が「荷重設定値」を超えることなく、変位計40によって測定された変位量が「変位設定値」を超えたことを表示部61や報知部63を用いて作業者に報知し、作業者が加熱装置50をオンするようにしても良い。
接着剤引張耐力Ta3は、Ta3=τa・π・da・leで算出することができる。ここで、τaは、接着系アンカーの付着強度であり、daは、アンカー部材2の径であり、leは、アンカー部材2の埋込み長さである。従って、アンカー部材2を固着している接着剤5に熱が伝達され、接着系アンカーの付着強度τaが低下すると、接着剤引張耐力Ta3を低下させることができる。アンカー部材2を固着している接着剤5がエポキシ樹脂等の有機系である場合には、特に有効であり、接着剤引張耐力Ta3を大きく低下させることができる。
そして、接着剤引張耐力Ta3がアンカー引張耐力Ta1及びコンクリート引張耐力Ta2を下回った状態で、引張操作装置30のレバー33を操作してアンカー部材2に接着剤引張耐力Ta3を超える引張荷重を加えると、アンカー部材2やコンクリート構造物3(形成された穿孔4)を破損させることなくアンカー部材2を引き抜くことができる。
また、制御部64は、加熱装置50をオンさせた後、荷重計14によって測定された引張荷重値と「上限荷重設定値」とを比較している。そして、制御部64は、荷重計14によって測定された引張荷重値が「上限荷重設定値」を超えると、「上限荷重超過通知」を表示部61や報知部63を用いて作業者に報知する。「上限荷重超過通知」により、作業者は、コンクリート構造物3(形成された穿孔4)やアンカー部材2を破損させる虞を認識して引張操作装置30のレバー33の操作を中断することが可能になる。これにより、アンカー部材2を固着している接着剤5に十分や熱が伝達されず、接着剤引張耐力Ta3がアンカー引張耐力Ta1及びコンクリート引張耐力Ta2を上回った状態で、過大な引張荷重、すなわちアンカー引張耐力Ta1及びコンクリート引張耐力Ta2を超える引張荷重をアンカー部材2に加えてしまうことを防止することができる。
なお、加熱装置50によってアンカー部材2を加熱することで、接着剤引張耐力Ta3を低下させるように構成した。すなわち、接着剤引張耐力Ta3を低下させる耐力低下装置として加熱装置50を採用したが、接着剤引張耐力Ta3を低下させる耐力低下装置としては、図6に示すように、アンカー部材2に対して回転、振動もしくは打撃力を加える加力装置70を設けても良い。すなわち、接着剤5が経時劣化している場合には、アンカー部材2に対して回転、振動もしくは打撃力を加えることで、接着系アンカーの付着強度を低下させることができる。
アンカー部材2に対して回転を加える加力装置70としては、例えば、図6に示すように、緩み止めナット19aをセンターシャフト17に装着して固定し、ギア等を用いてモータ71の回転力を、センターシャフト17を介してアンカー部材2に伝達させると良い。
また、アンカー部材2に対して振動を加える加力装置70としては、モータ71の回転力を、振動ドリル等で公知の振動機構(ラチェット機構等)によってセンターシャフト17の軸方向の振動に変換してアンカー部材2に伝達させると良い。
さらに、アンカー部材2に対して打撃力を加える加力装置70としては、ハンマードリル等で公知のハンマー振動機構によってセンターシャフト17の軸方向の打撃力に変換してアンカー部材2に伝達させると良い。
以上説明したように、第1実施形態は、コンクリート構造物3の穿孔4に接着剤5により固着されたアンカー部材2に対して熱と力との両方、又はいずれか一方を加えながら引張荷重を加えてアンカー部材2を引き抜く引き抜き工程と、アンカー部材2を引き抜いた穿孔4に残存する接着剤5を除去する接着剤除去工程と、接着剤除去工程によって接着剤5を除去した穿孔4に新たな接着剤5を充填する接着剤充填工程と、接着剤充填工程によって新たな接着剤5を充填した穿孔4に新たなアンカー部材2を打ち込むアンカー部材打込工程とを有している。
この構成により、接着剤引張耐力Ta3を低下させることができるため、接着剤引張耐力Ta3がアンカー引張耐力Ta1及びコンクリート引張耐力Ta2を下回った状態で、コンクリート構造物3を破壊することなくアンカー部材を引き抜くことができる。これにより、コンクリート構造物3に形成されている既存の穿孔4を用いて新たなアンカーを施工することができ、設備の移設という大掛かりな工事を行わなくて良い。
さらに、第1実施形態において、接着剤除去工程は、アンカー部材2を引き抜いた穿孔4の径を拡げる穿孔拡径工程である。
この構成により、アンカー部材2を引き抜いた穿孔4に残存する接着剤5を確実に除去することができる。
さらに、第1実施形態において、穿孔拡径工程では、穿孔4の奥部をアンダーカット型の拡張穴に形成し、アンカー部材打込工程では、新たなアンカー部材2としてアンダーカットアンカーを打ち込むと良い。
この構成により、より強固なあと施工アンカーを施工することができる。
さらに、第1実施形態において、引き抜き工程は、接着剤5による引張耐力を低下させる耐力低下装置(加熱装置50、加力装置70)と、アンカー部材2に引張荷重を加える引張装置10とを具備するあと施工アンカー引き抜き装置1を用いて行われる。
この構成により、引き抜き工程を容易に行うことができる。
さらに、第1実施形態において、引張装置10には、アンカー部材2に加える引張荷重を測定する荷重計14が設けられており、あと施工アンカー引き抜き装置1は、荷重計14によって測定された引張荷重値が設定された上限引張荷重値を超えると上限荷重超過通知を報知する引張制御装置60を備えている。
この構成により、過大な引張荷重、すなわちアンカー引張耐力Ta1及びコンクリート引張耐力Ta2を超える引張荷重をアンカー部材2に加えてしまうことを防止することができる。
さらに、第1実施形態において、あと施工アンカー引き抜き装置1は、アンカー部材2の軸方向の変位量を測定する変位計40を備え、引張制御装置60は、荷重計14によって測定された引張荷重値が設定された荷重設定値を超えることなく、変位計40によって測定された変位量が設定された変位設定値を超えると、耐力低下装置(加熱装置50、加力装置70)をオンさせるように構成されている。
この構成により、非破壊引張確認試験を行いながら、アンカー部材2の引き抜き工程を行うことができる。
また、第1実施形態は、コンクリート構造物3の穿孔に接着剤により固着されたアンカー部材2を引き抜くあと施工アンカー引き抜き装置1であって、接着剤による接着剤引張耐力Ta3を低下させる耐力低下装置(加熱装置50、加力装置70)と、アンカー部材2に引張荷重を加える引張装置10とを備えている。
この構成により、接着剤引張耐力Ta3を低下させることができるため、接着剤引張耐力Ta3がアンカー引張耐力Ta1及びコンクリート引張耐力Ta2を下回った状態で、コンクリート構造物3を破壊することなくアンカー部材を引き抜くことができる。これにより、コンクリート構造物3に形成されている既存の穿孔を用いて新たなアンカーを施工することができ、設備の移設という大掛かりな工事を行わなくて良い。
さらに、第1実施形態は、引張装置10には、アンカー部材2に加える引張荷重を測定する荷重計14が設けられており、荷重計14によって測定された引張荷重値が設定された上限引張荷重値を超えると上限荷重超過通知を報知する引張制御装置60を備えている。
この構成により、過大な引張荷重、すなわちアンカー引張耐力Ta1及びコンクリート引張耐力Ta2を超える引張荷重をアンカー部材2に加えてしまうことを防止することができる。
さらに、第1実施形態は、アンカー部材2の軸方向の変位量を測定する変位計40を備え、引張制御装置60は、荷重計14によって測定された引張荷重値が設定された荷重設定値を超えることなく、変位計40によって測定された変位量が設定された変位設定値を超えると、耐力低下装置(加熱装置50、加力装置70)をオンさせるように構成されている。
この構成により、非破壊引張確認試験を行いながら、アンカー部材2の引き抜き作業を行うことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態のあと施工アンカーの施工方法では、まず、図7(a)に示すように、コンクリート構造物3の穿孔4に接着剤5により固着されたアンカー部材2に対して、図7(b)に示すように、コンクリート構造物3から突出している突出端2Aから少なくともコンクリート構造物3に埋設されている埋設端2B近傍まで到達する挿入孔6を穿孔機械(ドリル)を用いて形成する(挿入孔形成工程)。なお、挿入孔6を形成する際の切削は「水循環システム」を用いて冷却すると共に、「集塵機」を用いて集塵すると良い。また、図7に示す例では、挿入孔6は、アンカー部材2の埋設端2Bを突き抜ける貫通孔として形成されている。このように挿入孔6を貫通孔として形成することで、アンカー部材2の埋設長が不明な場合でも、埋設端2B近傍まで到達する挿入孔6を簡単に形成することができる。
次に、図7(c)に示すように、挿入孔6に棒状の加熱手段7を挿入してアンカー部材2を加熱する(加熱工程)。棒状の加熱手段7としては、例えば、穴あきボルトの加熱用に用いられる電気抵抗加熱式や高周波加熱式のボルトヒーターを用いることができる。棒状の加熱手段7によるアンカー部材2の加熱は、コンクリート構造物3を損傷させることなく、接着剤5の脆化、特に接着剤5のアンカー部材2との接着面の脆化を目的として行う。従って、アンカー部材2の接着剤5との接触箇所全体を均一に加熱し、接着剤5に伝わる熱量をコントロールすることが重要である。第2実施形態では、挿入孔6が埋設端2B近傍まで形成されているため、棒状の加熱手段7によって、アンカー部材2の接着剤5との接触箇所全体を均一に加熱させることができる。そして、棒状の加熱手段7(電気抵抗加熱式)自体の発熱温度もしくは棒状の加熱手段7(高周波加熱式)によるアンカー部材2の発熱温度と、発熱時間とを適宜設定することで、アンカー部材2から接着剤5に伝わる熱量をコントロールし、コンクリート構造物3を損傷させることなく接着剤5を脆化させることができる。
次に、加熱後のアンカー部材2を引き抜き(引き抜き工程)、第1実施形態の穿孔拡径工程以降の処理を実行することで、新たなアンカー部材2をコンクリート構造物3に固着させる。引き抜き工程において、アンカー部材2が全ねじボルト等のアンカーボルトである場合には、アンカー部材2に図示しないダブルナットを装着させ、インパクトレンチ等を用いて、図7(d)に示すように、アンカー部材2を緩める方向に回転させることで引き抜くことができる。なお、図7(a)に示すように、アンカー部材2の埋設端2Bが斜めに切断されている場合には、斜めに切断されている埋設端2Bに接して接着剤5の接着剤溜まり5aが形成されている。この接着剤溜まり5aは、アンカー部材2の軸周りの回転を阻害するため、アンカー部材2を回転させながら引き抜く場合には、加熱工程において、接着剤溜まり5aを十分に脆化させておく必要がある。接着剤溜まり5aを十分に脆化さるためには、挿入孔6を貫通孔として形成すると共に、棒状の加熱手段7として電気抵抗加熱式のものを用いて、接着剤溜まり5aを直接加熱すると良い。すなわち、接着剤溜まり5aには、他の箇所に比べて接着剤5の量が多く存在するが、棒状の加熱手段7によって直接加熱することで他の箇所に比べて多くの熱量を加えることできる。
以上説明したように、第2実施形態は、コンクリート構造物3の穿孔4に接着剤5により固着されたアンカー部材2に対して、コンクリート構造物3から突出している突出端2Aから挿入孔6を形成する挿入孔形成工程と、挿入孔6に棒状の加熱手段7を挿入してアンカー部材2を加熱する加熱工程と、加熱後のアンカー部材2を引き抜く引き抜き工程と、アンカー部材2を引き抜いた穿孔4に残存する接着剤5を除去する接着剤除去工程と、接着剤除去工程によって接着剤5を除去した穿孔4に新たな接着剤5を充填する接着剤充填工程と、接着剤充填工程によって新たな接着剤5を充填した穿孔4に新たなアンカー部材2を打ち込むアンカー部材打込工程とを有している。
この構成により、アンカー部材2を素早く均一に加熱することができるため、接着剤5の脆化を短時間で確実に行うことができ、簡単にアンカー部材2を引き抜くことができる。
さらに、第2実施形態において、挿入孔形成工程では、コンクリート構造物3にアンカー部材2の埋設端2Bの近傍まで到達する挿入孔6、もしくは埋設端2Bを突き抜ける挿入孔6を形成する。
この構成により、加熱工程において、接着剤溜まり5aに熱が伝わりやすいため、接着剤溜まり5aを十分に脆化させることができ、簡単にアンカー部材2を引き抜くことができる。そして、埋設端2Bを突き抜ける挿入孔6を形成する場合には、アンカー部材2の埋設長が不明な場合でも、埋設端2B近傍まで到達する挿入孔6を簡単に形成することができる。
さらに、第2実施形態において、引き抜き工程では、前記アンカー部材に回転を与えながら引き抜く。
この構成により、アンカー部材2が全ねじボルト等のアンカーボルトである場合には、インパクトレンチ等を用いてアンカー部材2を簡単に引き抜くことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態のあと施工アンカーの施工方法では、まず、図8(a)に示すように、アンカー部材2が穿孔4に接着剤5により固着されているコンクリート構造物3に対して、アンカー部材2の埋設端2B近傍に到達する削孔8を穿孔機械(ドリル)を用いて形成する(削孔形成工程)。
次に、図8(b)に示すように、通電加熱装置90の棒状に加工した一方の端子91を削孔8に挿入してアンカー部材2の埋設端2B近傍に接触させると共に、通電加熱装置90の他方の端子92をアンカー部材2の突出端2A近傍に接触させ、アンカー部材2を通電加熱する(加熱工程)。この加熱も第2実施形態と同様に、コンクリート構造物3を損傷させることなく、接着剤5の脆化、特に接着剤5のアンカー部材2との接着面の脆化を目的として行う。アンカー部材2を通電加熱することで、アンカー部材2自体が均一に発熱するため、接着剤5に伝わる熱量を簡単にコントロールすることができる。
次に、加熱後のアンカー部材2を引き抜き(引き抜き工程)、第1実施形態の穿孔拡径工程以降の処理を実行することで、新たなアンカー部材2をコンクリート構造物3に固着させ、最後に、接着剤5やモルタルを用いて削孔8を埋め戻す(埋め戻し工程)。なお、削孔8は、接着剤充填工程における接着剤5の充填状態を確認するための確認孔として用いることができる。また、削孔8を埋め戻すために用いる埋め戻し材としては、削孔8の埋め戻しによってコンクリート構造物3の強度が劣化しない材質のもので有れば良い。
以上、本発明について実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、本実施形態では、カップリング16によってアンカー部材2とセンターシャフト17とを締結するように構成したが、アンカー部材2とセンターシャフト17と溶接によって締結しても良い。
1 あと施工アンカー引き抜き装置
2 アンカー部材
2A 突出端
2B 埋設端
3 コンクリート構造物
4 穿孔
5 接着剤
5a 接着剤溜まり
6 挿入孔
7 棒状の加熱手段
8 削孔
10 引張装置
11 脚部
12 反力台
13 油圧シリンダー
13a ピストンロッド
14 荷重計
15 貫通孔
16 カップリング
17 センターシャフト
18 ワッシャープレート
19 調整ナット
19a 緩み止めナット
20 メインコネクタ
21 変位計コネクタ
30 引張操作装置
31 油圧ポンプ
32 油圧ホース
33 レバー
40 変位計
41 取り付けステイ
50 加熱装置
51 加熱コイル
60 引張制御装置
61 表示部
62 設定操作部
63 報知部
64 制御部
70 加力装置
71 モータ
90 通電加熱装置
91、92 端子

Claims (14)

  1. コンクリート構造物の穿孔に接着剤により固着されたアンカー部材に対して熱と力との両方、又はいずれか一方を加えながら引張荷重を加えて前記アンカー部材を引き抜く引き抜き工程と、
    前記アンカー部材を引き抜いた前記穿孔に残存する前記接着剤を除去する接着剤除去工程と、
    該接着剤除去工程によって前記接着剤を除去した前記穿孔に新たな接着剤を充填する接着剤充填工程と、
    該接着剤充填工程によって前記新たな接着剤を充填した前記穿孔に新たなアンカー部材を打ち込むアンカー部材打込工程とを有し、
    前記引き抜き工程は、前記接着剤による引張耐力を低下させる耐力低下装置と、前記アンカー部材に引張荷重を加える引張装置とを具備するあと施工アンカー引き抜き装置を用いて行うことを特徴とするあと施工アンカーの施工方法。
  2. 前記接着剤除去工程は、前記アンカー部材を引き抜いた前記穿孔の径を拡げる穿孔拡径工程であることを特徴とする請求項1記載のあと施工アンカーの施工方法。
  3. 前記穿孔拡径工程では、前記穿孔の奥部をアンダーカット型の拡張穴に形成し、
    前記アンカー部材打込工程では、前記新たなアンカー部材としてアンダーカットアンカーを打ち込むことを特徴とする請求項2記載のあと施工アンカーの施工方法。
  4. 前記引張装置には、前記アンカー部材に加える引張荷重を測定する荷重計が設けられており、
    前記あと施工アンカー引き抜き装置は、前記荷重計によって測定された引張荷重値が設定された上限引張荷重値を超えると上限荷重超過通知を報知する引張制御装置を具備することを特徴とする請求項記載のあと施工アンカーの施工方法。
  5. 前記引張装置には、前記アンカー部材に加える引張荷重を測定する荷重計が設けられており、
    前記あと施工アンカー引き抜き装置は、前記アンカー部材の軸方向の変位量を測定する変位計と、前記荷重計によって測定された引張荷重値が設定された荷重設定値を超えることなく、前記変位計によって測定された変位量が設定された変位設定値を超えると、前記耐力低下装置をオンさせる引張制御装置とを具備することを特徴とする請求記載のあと施工アンカーの施工方法。
  6. コンクリート構造物の穿孔に接着剤により固着されたアンカー部材に対して、前記コンクリート構造物から突出している突出端から挿入孔を形成する挿入孔形成工程と、
    前記挿入孔に棒状の加熱手段を挿入して前記アンカー部材を加熱する加熱工程と、
    加熱後の前記アンカー部材を引き抜く引き抜き工程と、
    前記アンカー部材を引き抜いた前記穿孔に残存する前記接着剤を除去する接着剤除去工程と、
    該接着剤除去工程によって前記接着剤を除去した前記穿孔に新たな接着剤を充填する接着剤充填工程と、
    該接着剤充填工程によって前記新たな接着剤を充填した前記穿孔に新たなアンカー部材を打ち込むアンカー部材打込工程とを有することを特徴とするあと施工アンカーの施工方法。
  7. 前記挿入孔形成工程では、前記コンクリート構造物に埋設されている埋設端の近傍まで到達する前記挿入孔、もしくは前記埋設端を突き抜ける前記挿入孔を形成することを特徴とする請求項記載のあと施工アンカーの施工方法。
  8. アンカー部材が穿孔に接着剤により固着されているコンクリート構造物に対して、前記アンカー部材の前記コンクリート構造物に埋設されている埋設端近傍に到達する削孔を形成する削孔形成工程と、
    前記削孔を介して前記アンカー部材を通電加熱する加熱工程と、
    前記アンカー部材を引き抜く引き抜き工程と、
    前記アンカー部材を引き抜いた前記穿孔に残存する前記接着剤を除去する接着剤除去工程と、
    該接着剤除去工程によって前記接着剤を除去した前記穿孔に新たな接着剤を充填する接着剤充填工程と、
    該接着剤充填工程によって前記新たな接着剤を充填した前記穿孔に新たなアンカー部材を打ち込むアンカー部材打込工程と、
    前記削孔を埋め戻す埋め戻し工程とを有することを特徴とするあと施工アンカーの施工方法。
  9. 前記引き抜き工程では、前記アンカー部材に回転を与えながら引き抜くことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のあと施工アンカーの施工方法。
  10. コンクリート構造物の穿孔に接着剤により固着されたアンカー部材を引き抜くあと施工アンカー引き抜き装置であって、
    前記接着剤による引張耐力を低下させる耐力低下装置と、
    前記アンカー部材に引張荷重を加える引張装置とを具備することを特徴とするあと施工アンカー引き抜き装置。
  11. 前記耐力低下装置は、前記アンカー部材を加熱する加熱装置であることを特徴とする請求項10記載のあと施工アンカー引き抜き装置。
  12. 前記耐力低下装置は、前記アンカー部材に対して回転、振動もしくは打撃力を加える加力装置であることを特徴とする請求項10又は11記載のあと施工アンカー引き抜き装置。
  13. 前記引張装置には、前記アンカー部材に加える引張荷重を測定する荷重計が設けられており、
    前記荷重計によって測定された引張荷重値が設定された上限引張荷重値を超えると上限荷重超過通知を報知する引張制御装置を具備することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のあと施工アンカー引き抜き装置。
  14. 前記引張装置には、前記アンカー部材に加える引張荷重を測定する荷重計が設けられており、
    前記アンカー部材の軸方向の変位量を測定する変位計と、
    前記荷重計によって測定された引張荷重値が設定された荷重設定値を超えることなく、
    前記変位計によって測定された変位量が設定された変位設定値を超えると、前記耐力低下装置をオンさせる引張制御装置とを具備することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のあと施工アンカー引き抜き装置。
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