JP6287648B2 - 手持ち撮影可能な撮像装置 - Google Patents
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このような撮影に用いる撮像装置には、既存のビデオカメラ等が用いられる。従って、姿勢安定化のために、種々のビデオカメラ等を取り付け可能な汎用のジンバル機構を備えた支持装置(以下、単にジンバル支持装置とも称する)を用いるのが一般的である。
しかしながら、撮像装置に既存のビデオカメラ等を用いた場合、質量及びサイズが比較的大きくなるので、それを支持するジンバル支持装置も、ある程度頑丈で大型のものを用いる必要がある。そのため、装置全体が大質量化してしまう。
従って、搭載可能質量が小さいマルチロータヘリコプタでの空中撮影は、撮像装置及びそれに組み合わせるジンバル支持装置の選定作業において、質量やサイズの制限を十分に考慮しなければならず、必ずしも容易でないのが現状である。
また、将来的にも、撮像装置の高画質化(例えば4k化や撮像素子の大型化など)に伴って質量増となることから、選定作業はより難しくなることが予想される。
また、空中撮影に限らず、この装置を手に持つなどして移動撮影を行う場合の撮影者の負担軽減のためにも、ジンバル支持装置を備えた撮像装置はできるだけ軽量でコンパクトであることが望まれる。
1)手持ち撮影可能な撮像装置であって、
撮像素子及び前記撮像素子を駆動するドライバを有するカメラ撮像部と、
前記撮像素子から出力された画像信号を処理する信号処理部を有し前記カメラ撮像部とは別体のカメラ本体部と、
ジンバル機構を有し、前記カメラ撮像部と前記カメラ本体部との内の前記カメラ撮像部のみを前記ジンバル機構で支持するジンバル支持装置と、
使用状態で、前記ジンバル支持装置が前記カメラ本体部に対する下方側に位置するよう前記カメラ本体部を支持する本体支持部と、
手で把持するための一対のグリップバーを一方向に離隔して有し、前記一対のグリップバーが前記カメラ本体部を挟み、かつ前記使用状態で下方に延びる姿勢となるように前記本体支持部に取りつけられたハンドル部と、
を備えたことを特徴とする手持ち撮影可能な撮像装置である。
撮像装置51は、撮像素子2及びそれを駆動する素子ドライバ3f(図6参照)を備えたカメラ撮像部3と、カメラ撮像部3をジンバル機構で支持するジンバル支持装置21と、ジンバル支持装置21の上方側に取り付けられたカメラ本体部4及びそれが取り付けられた本体支持部11と、を備えている。
カメラ撮像部3には、後述するレンズマウント3aにより複数種のレンズを交換可能に装着することができる。図1〜図4では、例えばアイリス及びフォーカスの外部制御が可能な単焦点のレンズ1が装着された状態が示されている。
撮像装置51を手持ち態様とする場合、図1に示されるように、本体支持部11の上方側に、複数のパイプ状部材が組み合わされてなるハンドル部31を取り付ける。
図2は左前方斜め上から見た斜視図であり、図3は前面図であり、図4は左側面図である。
図1〜図4では、カメラ撮像部3及びそれを支持するジンバル支持装置21の基本姿勢が示されている。
この基本姿勢は、レンズ1の光軸CLと回動軸線Cb(後述)とが一致して前後方向に水平に延び、回動軸線Cc(後述)が回動軸線Cbと交わり上下方向に延びる姿勢である。
また、前後左右上下の各方向は、各図に矢印で規定される。撮像装置51の基本姿勢において、上下は天地方向、前は被写体側方向、左はカメラ撮像部3から被写体を見たときの左方に対応する。
筐体3bの前面には、撮影時に点灯するタリーランプ3cが設けられている。
レンズマウント3aは、レンズ1と互換性のある他のレンズを交換可能に取り付けることができる共通マウントである。
筐体3bの後面側からは、後述するカメラ本体部4との間を電気接続して信号の授受をするための中継ケーブル41(図3,図4,及び図6参照)が引き出されている。
ブラケット3dの左右両側にはそれぞれプレート部5が配置されている。
プレート部5は、上下前後方向に平板状に延在するプレート5aと、プレート5aから筐体3b側に突出して設けられた上下方向に延びるガイド柱5bと、を有している。
ブラケット3dには、このガイド柱5bに対して上下移動自在に係合するガイド腕3e(図3)が設けられている。ガイド腕3eは、ガイド柱5bに対し、セットスクリュ3e1を締め付けることで上下方向の任意位置で固定できるようになっている。
そして、プレート部5のプレート5aの外面側が、撮像部ブラケット6に対して、左右方向に延びる回動軸線Caまわり(矢印Ra)に回動自在となるよう支持されている。
これにより、モータMaが駆動されると、その回転方向に応じた回動方向で、カメラ撮像部3は、プレート部5及びブラケット3dと共に、回動軸線Caまわりに回動するようになっている。
この回動で、光軸CLは、回動軸線Caまわりの図1の矢印RLa方向に回動する。
このモータMbの出力軸に、コ字状の撮像部ブラケット6の後部6aが連結されている。
これにより、モータMbが駆動されると、その回転方向に応じた回動方向で、撮像部ブラケット6とそれに支持されたカメラ撮像部3とは、モータMbの出力軸の軸線である回動軸線Cbまわり(矢印Rb)に回動するようになっている。
この回動により、カメラ撮像部3で撮像された画像は、図1に示されるように光軸CLまわり(矢印RLb)に回動する。
これにより、モータMcが駆動されると、その回転方向に応じた回動方向で、支柱フレーム7,支柱フレーム7に連結された撮像部ブラケット6,及び撮像部ブラケット6にプレート部5を介して支持されているカメラ撮像部3が、回動軸線Ccまわり(矢印Rc)に回動するようになっている。
この回動により、光軸CLは、回動軸線Ccまわりの図1の矢印RLc方向に回動する。
ベース部8は、矩形板状に形成され、左右側面それぞれに前後方向に延在するバー9が取り付けられている。
バー9には、他部材と連結するための複数の連結ブラケット10が取り付けられている。
本体支持部11は、後方側が解放された上下に薄い扁平の箱状を呈して形成されている。この形状は、カメラ本体部4の外形形状に概ね対応している。
本体支持部11の内部には、後方側から挿抜可能に、カメラ本体部4が装着されている。カメラ本体部4は、左右両端側において、止めねじN4により本体支持部11に締結されている。カメラ本体部4の前方部位には、図5に示されるようにバッテリBAが着脱自在に取り付けられている。
また、本体支持部11の天板部11aには、他の部材に取り付けるための雌ねじや小さいブラケット等を有する連結部11a1が設けられている。
また、ジンバル支持装置21は、撮像装置51の使用状態で、カメラ本体部4を支持した本体支持部11の下方側に位置している。
撮像装置51を空撮に用いる場合は、ヘリコプタ側の部材に対し、天板部11aの連結部11a1を介して取り付ける。
また、撮像装置51で手持ち撮影をする場合は、図1に示されるように、天板部11aの連結部11a1を介してハンドル部31を取り付ける。
ハンドル部31は、手で把持するグリップバー31aを左右に一対備え、複数のパイプ部材が互いに組み付け位置を調整可能に組み合わされてなる把持具である。
この調整の内、上下方向の調整については、上述のように、ガイド柱5bに対するガイド腕3eの位置調整で行われる。この調整は、カメラチルト重心調整(その1)と称する。
具体的には、まず、図4に示されるように、プレート5aに設けられた前後方向に延びる長孔5a1に挿通されて、プレート5aとガイド柱5bとを締結する止めねじN1の位置を調整することで可能である。この調整は、カメラチルト重心調整(その2)と称する。
また、支柱フレーム7の側板7aに設けられた前後方向に延びる長孔7a1に挿通されて、側板7aとモータMcの出力軸側部材とを締結する止めねじN2の位置を調整することで可能である。この調整は、ジンバルパン調整と称する。
撮像装置51では、従来のいわゆるビデオカメラに相当する部分が一体ではなく、複数の別体に分体化されている。この例では、カメラ撮像部3とカメラ本体部4とに分体化されている。
タリーランプ3cは例えば素子ドライバ3fに接続され、カメラ本体部4側からの指示により点灯される。
レンズ1による光学像は、撮像素子2により画像信号に変換され、その画像信号は素子ドライバ3fで増幅等の前処理が施されたのち、カメラ本体部4に向け中継ケーブル41を介して出力される。
制御部CTは、撮像装置51の全体の動作を制御する。
カメラコントローラ4bは、撮像素子2の動作、並びに、レンズ1のアイリス及びフォーカスを調整動作させる信号を送出する。また、タリーランプ3cに対して点灯指示を出す。
ジンバルコントローラ4cは、制御部CTの制御の下、モータMa,Mb,Mcに対し、動作指示を出す。また、モータMa,Mb,Mcから入来した回転に関するフィードバック情報を、制御部CTに向け送出する。
信号処理部4dは、制御部CTの制御の下、カメラ撮像部3から入来した画像信号に対し、所望の処理を施す。
記憶部MRは、内蔵のメモリであり、制御部CTの制御の下、画像や撮影情報を記憶する。また、メモリーカード等の外部記憶部MR2を着脱自在とするソケットPT1を有し、装着された外部記憶部MR2に対しても同様の処理が行えるようになっている。
記憶部MR及び外部記憶部MR2は、制御部CTからの要求に応じて記録した画像や撮影情報を再生し出力する。
画像伝送部4eは、制御部CTの制御の下、記憶部MR又は外部記憶部MR2からの再生画像,撮影情報,又は信号処理部4dにより処理された画像等をポートPT2から外部機器Dなどに出力する。
電源部4fは、着脱自在に装着されたバッテリBAからの電力をポートPT3から受けてカメラ撮像部3を含めた撮像装置51全体に供給すると共に、バッテリBAの電力残量を監視し、その残量情報を制御部CTに向け送出する。
制御部CTは、この外部からの動作指示に応じて、撮像装置51の動作を制御する。
また、撮影者の手持ち撮影の場合は、撮影者側の制御装置(外部機器D)に接続され、信号は有線で授受される。もちろん、この場合も無線通信装置を介して無線で授受してもよい。
カメラ撮像部3からの中継ケーブル41及びモータMa,Mb,Mcからの接続ケーブル42a〜42cを接続するソケット群は、カメラ本体部4の後面(操作パネル4g)以外の面に設けられている。
例えば、モータMbを中空モータとし、カメラ撮像部3とカメラ本体部4とをつなぐ中継ケーブル41をその中空の軸部内に挿通することは、回動軸線Cbまわりの回動による重心移動が実質的に生じないので好ましい。
これにより、カメラ撮像部3及びジンバル支持装置21を各回動軸線Ca,Cb,Ccまわりに回動させても、重心Gの位置が移動せず、極低負荷で滑らかな回動が実現する。
ジンバル支持装置21を用い、上述した重心Gの位置調整をしておくことで、カメラ撮像部3の回動動作が極低負荷で実行できる。そのため、カメラ撮像部3の姿勢制御が高精度かつ高速に実行できる。
好適な材料は繊維強化樹脂であり、炭素繊維強化樹脂はより好適である。
これにより、図4に示される、ジンバル支持装置21の支柱フレーム7における回動軸線Ccに対する後方突出距離Lbを、従来よりも短くすることができる。
そのため、撮像装置51は、外観形状がよりコンパクトになる。
また、奥行寸法Laが極めて短くなっていることにより、止めねじN1によるカメラチルト重心調整範囲を、より広く確保することができる。
これにより、交換レンズとして従来よりも長さが長い長焦点レンズを交換装着することが可能となる。そのため、撮影領域が拡張し、より幅の広い映像表現が可能となる。
撮像装置51の撮影用途は、上述の空中撮影や手持ち撮影の用途に限定されない。
カメラ撮像部3とカメラ本体部4とは、有線の中継ケーブル41で接続されるものに限定されない。両者に無線通信手段を備えて、無線で通信するようにしてもよい。
この場合、カメラ撮像部3には電源となるバッテリ及び電源回路も独立して備える必要があり質量が増加するので、実施例のように中継ケーブル41を用いて有線で接続し、カメラ撮像部3にカメラ本体部4側から中継ケーブル41を介して電源を供給することが好ましい。
2 撮像素子
3 カメラ撮像部
3a レンズマウント、 3b 筐体、 3c タリーランプ
3d ブラケット、 3e ガイド腕、 3e1 セットスクリュ
3f 素子ドライバ
4 カメラ本体部
4b カメラコントローラ、 4c ジンバルコントローラ
4d 信号処理部、 4e 画像伝送部、 4f 電源部
4g 操作パネル
5 プレート部
5a プレート、 5a1 長孔、 5b ガイド柱
6 撮像部ブラケット
6a 後部、 6a1 長孔
7 支柱フレーム
7a 側板、 7a1 長孔
8 ベース部
9 バー
10 連結ブラケット
11 本体支持部
11a 天板部、 11a1 連結部
21 ジンバル支持装置
31 ハンドル部、 31a グリップバー
41 中継ケーブル、 42a〜42c 接続ケーブル
43 外部ケーブル
51 撮像装置
BA バッテリ
Ca,Cb,Cc 回動軸線、 CL 光軸
CT 制御部
D 外部機器
G 重心
Ma,Mb,Mc モータ、 Ma1 回転軸線
MR 記憶部、 MR2 外部記憶部
La 奥行寸法、 Lb 後方突出距離
N1〜N4 止めねじ
PT1 ソケット、 PT2,PT3,PT4 ポート
Claims (4)
- 手持ち撮影可能な撮像装置であって、
撮像素子及び前記撮像素子を駆動するドライバを有するカメラ撮像部と、
前記撮像素子から出力された画像信号を処理する信号処理部を有し前記カメラ撮像部とは別体のカメラ本体部と、
ジンバル機構を有し、前記カメラ撮像部と前記カメラ本体部との内の前記カメラ撮像部のみを前記ジンバル機構で支持するジンバル支持装置と、
使用状態で、前記ジンバル支持装置が前記カメラ本体部に対する下方側に位置するよう前記カメラ本体部を支持する本体支持部と、
手で把持するための一対のグリップバーを一方向に離隔して有し、前記一対のグリップバーが前記カメラ本体部を挟み、かつ前記使用状態で下方に延びる姿勢となるように前記本体支持部に取りつけられたハンドル部と、
を備えたことを特徴とする手持ち撮影可能な撮像装置。 - 前記カメラ撮像部と前記カメラ本体部とを電気接続するケーブルを有し、
前記カメラ撮像部を駆動する電源が前記カメラ本体部側から前記ケーブルを介して供給されることを特徴とする請求項1記載の手持ち撮影可能な撮像装置。 - 前記ジンバル機構は、前記カメラ撮像部を光軸まわりに回動させるモータを有し、前記モータは軸部が中空なる中空モータであって、前記ケーブルが前記中空の軸部に挿通されていることを特徴とする請求項2記載の手持ち撮影可能な撮像装置。
- 前記カメラ撮像部は、複数種のレンズを交換装着可能とするレンズマウントを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の手持ち撮影可能な撮像装置。
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