JP6287091B2 - 摩擦低下被膜の形成方法、形成剤および含水粒/泥状物の処理方法 - Google Patents

摩擦低下被膜の形成方法、形成剤および含水粒/泥状物の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、器壁と接触する汚泥、泥土、土壌、その他の含水粒/泥状物(本発明において「粒/泥状物」は、「粒状物および/または泥状物」を意味する。)の摩擦を低下させるための摩擦低下被膜の形成方法、形成剤、この摩擦低下被膜による前記含水粒/泥状物の摩擦低下方法、ならびに貯留、搬送等の処理を行うための含水粒/泥状物の処理方法に関するものである。
産業廃棄物である水処理汚泥、その他の汚泥は年間4億トン発生している。これらを埋立て処分する処分場の残余年数は逼迫しており、その減量化は急務である。また、汚泥排出者にとっては、廃棄物処理費用は非常に負担が大きいものであり、さまざまな費用削減策が講じられている。一般的に、汚泥は脱水処理で減容化される。汚泥を機械式脱水機に投入し、固液分離することで、脱水ろ液は水として再利用され、脱水ケーキはセメント原料などに再利用、焼却処分、あるいは埋立て処分されている。
脱水機にはさまざまな形式があるが、排出される脱水ケーキをトラックで運搬するには、脱水ケーキを一旦、ケーキ貯留槽に貯めることが多く、そこからホッパーを用いてトラックの荷台にケーキを落とす方式が主流である。脱水ケーキは、有機汚泥であれば含水率が75〜90%、無機汚泥であれば30〜70%のものが多いが、ケ一キホッパーを滑り、トラックに落下させる際に、ホッパーに付着することが多い。これはホッパーを閉塞させ、作業性を低下させるだけではなく、清掃頻度を増加させてしまう。またダンプトラックで所定の場所に運搬した後、荷台を持ち上げ、汚泥は落下させられるが、この際に汚泥がトラックの荷台に貼りつくことがあり、荷卸作業の長時間化、荷台の清掃頻度の増加など、作業性の低下に繋がる。
図4は従来の汚泥処理方法を模式的に示す概念図であり、1はホッパー、2はダンプトラック3の荷台で、それぞれ被処理粒/泥状物(汚泥脱水ケーキ)4、5と接触する器壁を構成する。ホッパー1はケーキ貯槽6から被処理粒/泥状物4を搬送し、ダンプトラック3の荷台2に積層して被処理粒/泥状物5として貯留する。その後ダンプトラック3は埋立地等へ移動し、荷台2を傾斜させて、積層した被処理粒/泥状物5を排出し処理する。ホッパー1は傾斜して設けられているにもかかわらず、従来は汚泥脱水ケーキ等の被処理含水粒/泥状物4が付着して閉塞することが多い。またダンプトラック3の荷台2も含水粒/泥状物5が付着し、作業性の低下を招いていた。
このような問題は脱水ケーキだけではなく、被処理含水粒/泥状物が、脱水処理しない汚泥の搬送の際にも発生する。建設汚泥や製鉄所の製スラリー等の無機汚泥、これらと有機汚泥を混合したもの、これらの汚泥をセメント等で固化した固化処理土、建設残土、他の土壌、雪、その他の含水粒/泥状物もダンプトラックにて搬送され、再利用または処分されるが、同様の問題が発生する。
特許文献1(特開2004−306674)には、ダンプトラックの荷台を高密度ポリエチレン、超高分子ポリエチレン等のプラスチック製の成形体(シート)で覆うことにより、客土、残土、雪等の荷物にスムーズな移動機能を持たせることが示されている。しかし荷台にプラスチックシート等の成形体を装着したり、取外したりするのは困難であり、摩擦により損傷すると、摩擦低下機能は低下する。
特許文献2(特公昭62−52786)には、澱粉アクリロニトリルグラフト重合体部分加水分解物等からなる吸水樹脂(高吸水性ヒドロゲル)の水分散液に、必要に応じて鉱物質、有機質糊料、界面活性剤および油類を配合した水懸濁液を、シールド推進工法の減摩剤として用いることが示されている。しかしこの減摩剤は分散液全体の摩擦を低下させるために、全体に吸水樹脂を分散させる方法であり、特許文献1の器壁表面の摩擦を低下させる方法とは相違する。そして吸水樹脂はゲル状で水溶性がなく、液中に分散した状態であり、完全に吸水した状態では樹脂表面が粘調状態となるが、器壁への付着性は小さく、汚泥等により押流されて転がり、ベアリング効果によって土砂やコンクリート製の推進管の摩擦軽減に寄与する。しかし本用途のようにケーキホッパーやダンプトラックに適用すると、個々の粒子は独立しているため、器壁に付着しても含水粒/泥状物に押流され、摩擦低下効果は持続しない。またケーキや汚泥の自由水のみで粘性を発揮しなければならない条件では、自由水を吸水して含水率が低下してしまい、十分なベアリング効果を発揮しない。また樹脂単位の吸水倍率を上げるために散布量を低下させると、汚泥表面を十分には覆えず、ベアリング効果は不十分となる。
特許文献3(特開2002−38139)には、推進工法において布設管と地盤との間の摩擦抵抗を低減させるために用いる滑剤として、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド、カルボキシルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性合成樹脂と硫酸アルミニウムの組成物を用いることが示されている。しかしこの方法も滑剤全体の摩擦を低下させるために、水溶性合成樹脂と硫酸アルミニウムの組成物を全体に分散させる方法であり、特許文献1の器壁表面の摩擦を低下させる方法とは相違する。またこのような滑剤をケーキホッパーやトラックの荷台に適用すると、ゲルの粘度が高すぎるため、荷台にゲルが付着し、その後の清掃がかえって煩雑になり、また硫酸アルミニウムによる機器の腐食が問題になる。
特許文献4(特公昭59−50703)には、粉末水溶性高分子、粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩を配合し、好ましくはさらに硫酸ナトリウム等の中性塩を配合し、水溶性を改善した高分子重合体組成物が提案されている。この高分子重合体組成物は、凝集剤、脱水剤、分散剤、土壌改良剤などとして使用する粉末水溶性高分子を水に溶解する際、高分子粉末が集合して、ママコ(フィシュアイ)が生成するのを防止し、その水溶性を改善するために、他の成分との組成物としたことが示されている。しかし特許文献4には上記組成物を摩擦低下被膜の形成、ならびに含水粒/泥状物の摩擦低下および処理に用いることは示されていない。
特開2004−306674 特公昭62−52786 特開2002−38139 特公昭59−50703
本発明の課題は、上記従来の問題点を解決するため、器壁と接触する汚泥、泥土、土壌、その他の含水粒/泥状物の摩擦を、少ない薬剤使用量で、効果的に低下させることができる摩擦低下被膜の形成方法、および摩擦低下被膜形成剤、およびこの摩擦低下被膜により効果的に摩擦低下する含水粒/泥状物の摩擦低下方法、ならびに前記含水粒/泥状物の貯留、搬送等の処理を行う際、器壁への含水粒状物の付着や閉塞を防止して、効率よく処理を行うことができる含水粒/泥状物の処理方法を提供することである。
本発明は次の摩擦低下被膜形成方法、摩擦低下被膜形成剤、ならびに含水粒/泥状物の摩擦低下方法および処理方法である。
(1) 含水粒/泥状物と接触する器壁に予め摩擦低下被膜を形成する方法であって、
含水粒/泥状物と接触する前の器壁に、粉末水溶性高分子を含む摩擦低下被膜形成剤を供給し、水の存在下に膨潤した粉末水溶性高分子を器壁に付着させて水溶性高分子の被膜を形成する方法であり、
前記摩擦低下被膜形成剤は、粉末水溶性高分子、粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩を含む粉末配合物を含むものであることを特徴とする摩擦低下被膜形成方法。
(2) 器壁に摩擦低下被膜形成剤を、粉末酸および粉末炭酸/重炭酸塩により粉末水溶性高分子を分散させた状態で、器壁に層を形成するように供給し、膨潤した粉末水溶性高分子を器壁に層状に付着させて水溶性高分子の被膜を形成する上記(1)記載の方法。
(3) 器壁に摩擦低下被膜形成剤を供給した後に水または含水粒/泥状物を供給するか、あるいは水に濡れた状態器壁に摩擦低下被膜形成剤を供給して水溶性高分子の被膜を形成する上記(1)または(2)記載の方法。
(4) 粉末水溶性高分子が、合成水溶性高分子、天然高分子および半合成水溶性高分子から選ばれる1以上の粉末である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 含水粒/泥状物と接触する器壁に予め摩擦低下被膜を形成し、含水粒/泥状物の摩擦を低下させるための摩擦低下被膜形成剤であって、
粉末水溶性高分子、粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩を含む粉末配合物を含むことを特徴とする摩擦低下被膜形成剤。
(6) 粉末水溶性高分子10〜90重量%、粉末酸1〜20重量%、および粉末炭酸/重炭酸塩1〜30重量%を含む上記(5)記載の摩擦低下被膜形成剤。
(7) 粉末配合物が粉末中性塩を含む上記(5)または(6)記載の摩擦低下被膜形成剤。
(8) 粉末水溶性高分子10〜90重量%、粉末酸1〜20重量%、粉末炭酸/重炭酸塩1〜30重量%、および粉末中性塩1〜70重量%を含む上記(7)記載の摩擦低下被膜形成剤。
(9) 摩擦低下被膜形成剤として上記(5)ないし(8)のいずれかに記載の摩擦低下被膜形成剤を用いる上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
(10) 上記(1)ないし(4)および(9)のいずれかに記載の方法により摩擦低下被膜を形成した器壁に、含水粒/泥状物を接触させて、含水粒/泥状物の摩擦を低下させることを特徴とする含水粒/泥状物の摩擦低下方法。
(11) 上記(1)ないし(4)および(9)のいずれかに記載の方法により摩擦低下被膜を形成した器壁に、含水粒/泥状物を接触させて、貯留または搬送を含む処理を行うことを特徴とする含水粒/泥状物の処理方法。
(12) 含水粒/泥状物が汚泥、固化処理土、泥土、土壌または雪である上記(1)ないし(4)および(9)ないし(11)のいずれかに記載の方法。
本発明の摩擦低下被膜は、器壁と接触する汚泥、泥土、土壌、その他の含水粒/泥状物の摩擦を低下させるための摩擦低下被膜であり、特に含水粒/泥状物を器壁と接触させて処理する際の含水粒/泥状物と器壁との間の摩擦を低下させるための摩擦低下被膜である。この被膜は、ホッパーやトラックの荷台等の器壁と接触させて処理を行う際、器壁との摩擦を低下させるために形成される被膜であって、前記特許文献1で用いられたプラスチック製の成形体を薬剤で代替させるために、粉末水溶性高分子を含む摩擦低下被膜形成剤を供給して水溶性高分子含水物の被膜を形成し、器壁表面の抵抗を低下させる。
この場合、含水粒/泥状物と接触させて処理する器壁に予め摩擦低下被膜形成剤を散布して水と接触させると、粉末水溶性高分子は吸水して膨潤し、粘着性となって器壁に付着する。一般に粉末水溶性高分子は水と接触して吸水すると、膨潤して親水性のジェリー状となり、固体表面への付着性を示す。このとき粉末水溶性高分子粒子が多数集合した状態で水と接触すると、ママコ(フィシュアイ)が生成するが、ママコの生成を防止し、粉末水溶性高分子粒子が分散した状態で吸水、膨潤させると、膨潤した粒子は均一に分散して器壁に付着し、膨潤した水溶性高分子の被膜が形成される。このため器壁に摩擦低下被膜形成剤を、粉末酸および粉末炭酸/重炭酸塩により粉末水溶性高分子を分散させた状態で、器壁に層を形成するように供給し、膨潤した粉末水溶性高分子を器壁に層状に付着させて水溶性高分子の被膜を形成すると、均一な被膜が形成されるので好ましい。このような被膜は器壁に均一に付着すると、付着力は強く、汚泥等によって剥離することはない。そして被膜の含水粒/泥状物と接触する部分からは水溶性高分子が徐々に溶出するため、被膜表面は粘液性のヌルヌル状であり、含水粒/泥状物との間の摩擦は低下する。
本発明ではママコの生成を防止し、粉末水溶性高分子の粒子を分散状態で器壁に付着させて均一な被膜を形成させるために、基本的に特許文献に示された組成物を摩擦低下剤として利用することができる。特許文献では、凝集剤、脱水剤、分散剤、土壌改良剤などとして使用する粉末水溶性高分子を水に溶解する際、高分子粉末が集合してママコが生成するのを防止し、溶解速度を高くするために前記組成物を採用しているが、本発明ではママコの生成を防止して、均一な被膜を形成できればよいので、溶解速度を高くする必要はない。むしろ膨潤して器壁に付着した水溶性高分子は徐々に溶解する方が摩擦低下の持続性が高くなるので、そのような目的、効果に対応した組成物を採用することができる。
本発明の摩擦低下被膜形成剤を構成する粉末水溶性高分子は、親水基をもつ高分子であって、溶解度内の任意の濃度において均一溶液を形成する高分子の粉末である。この粉末水溶性高分子は、以下の不溶解分の測定に際して、調製した水溶液を60メッシュの金属製篩で濾過した際に、当該篩を通過するものであって、不溶解分(濾過されずに篩上に残された残留物)が10重量%未満のもの、好ましくは5重量%未満のものが好ましい。前記特許文献2の高吸水性ヒドロゲルは吸水性樹脂などとも呼ばれ、親水基をもつ高分子に属すが、架橋等によりゲル状または塊状となり、親水性ではあるが、水溶性ではなく、水溶液を形成しない高分子である。
粉末水溶性高分子としては、吸水すると、膨潤して親水性、粘着性のジェリー状となり、固体表面へ付着して被膜を形成し、その後は表面から徐々に溶解して、被膜を長時間にわたって維持できるものが好ましい。このような粉末水溶性高分子としては、従来より凝集剤、汚泥脱水剤、分散剤、土壌改良剤などとして使用されている粉末水溶性高分子が使用できる。このうち水溶性、粘着性、毒性などを考慮して、処理対象に合った粉末水溶性高分子を選択して使用することができる。
使用可能な粉末水溶性高分子としては、合成水溶性高分子、天然高分子および半合成水溶性高分子から選ばれる1以上の粉末があげられる。合成水溶性高分子を例示すると、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ナトリウムと(メタ)アクリル酸アクリルアミドとの共重合物等の高分子のほか(本発明において「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタアクリル」を意味する。)、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどがあげられる。天然高分子としては、でんぷん、マンナン、グアーガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウムなどがあげられる。半合成水溶性高分子としては、ビスコース、メチルセルロース、カチオン化セルロース、α化でんぷん、カルボキシルでんぷん、カチオン化グアーガムおよびアニオン化グアーガムなどがあげられる。このほかにも類似の化合物が使用できる。
水溶性高分子は基本的には親水基を有する線状の重合体が多用されるが、分岐状のものや、緩やかな架橋を有するものでも水溶液を形成するものは使用可能である。水溶性高分子の重量平均分子量は高分子の種類、構造等により異なるが、一般的には500万〜3000万、好ましくは900万〜2000万のものが使用に適している。このような水溶性高分子の固有粘度(30℃、1N−NaNOで測定)は高分子の種類、構造等により異なるが、一般的には10〜30dL/g、好ましくは14〜25dL/gのものが使用に適している。水溶性高分子の重量平均分子量は、公開された関係式を用い、上記固有粘度から算出することができる。
膨潤した高分子の粒子が器壁への付着性を有し、しかも徐溶性であるためには、親水基を有し、分子量が大きく、固有粘度が高いものが好ましい。このためには合成水溶性高分子を採用すると、単量体の選択や重合度の調整が容易であり好ましく、特にポリアクリル酸−アクリルアミド共重合物等の(メタ)アクリル系合成水溶性高分子化合物の場合、上記重量平均分子量および固有粘度のものが得られるので好ましい。
粉末水溶性高分子の粒径(本発明において「粒径」は「重量平均粒子径」を意味する。)は処理対象等に応じて変わるが、一般的には0.15〜1.7mm、好ましくは0.5〜1.5mmとすることができる。特許文献とは異なり高速溶解性は必要でなく、むしろ徐溶性が求められるので、均一分散性に適した大粒径のものを使用することができる。
本発明の摩擦低下被膜形成剤を構成する粉末配合物の成分である粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩(本発明において「炭酸/重炭酸塩」は、「炭酸塩および/または重炭酸塩」を意味する。)は、粉末配合物の状態では粉末水溶性高分子同士が接触しないように分散させる分散剤、希釈剤、間隔保持剤的に作用し、水に溶解した状態では、酸とアルカリの中和反応により炭酸ガスの微細気泡を発生させて、吸水した粉末水溶性高分子同士がくっ付いてママコを形成するのを防止する機能を有するものを選択する。
上記の機能を有する粉末酸としては粉末有機酸が好ましく、これを例示すると、スルファミン酸、ホウ酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、シユウ酸、クエン酸、フマール酸などがあげられ、これらから選ばれる1以上の粉末酸を使用することができる。粉末炭酸/重炭酸塩は、炭酸または重炭酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩が使用できる。粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩の粒径は処理対象等に応じて変わるが、一般的には、50〜1000μm、好ましくは50〜500μmとすることができる。
本発明の摩擦低下被膜形成剤を構成する粉末配合物の成分である粉末中性塩も、粉末配合物の状態では粉末水溶性高分子同士が接触しないように分散させる分散剤、希釈剤、間隔保持剤的に作用し、水に溶解した状態では、高濃度の塩溶液が粉末水溶性高分子間に介在し、吸水した高分子同士がくっ付いてママコを形成するのを防止する機能を有する。このような粉末中性塩はアルカリ金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物等の粉末があげられる。粉末中性塩の粒径は処理対象等に応じて変わるが、一般的には、50〜1500μm、好ましくは100〜1000μmとすることができる。
本発明の摩擦低下被膜形成剤を構成する粉末配合物における粉末水溶性高分子、粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩ならびに中性塩の配合割合は、それぞれの薬剤の種類、構造、特性等により変わるが、基本的には粉末配合物が器壁に供給されたとき、粉末水溶性高分子が微粉状で均一に器壁面に分散するように、粉末水溶性高分子間に粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩ならびに中性塩が介在する量であり、しかも粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩は、水に溶解した状態では、酸とアルカリの中和反応により炭酸ガスの微細気泡を発生させて、吸水した粉末水溶性高分子同士がくっ付いてママコを形成するのを防止する機能を発揮する量、また粉末中性塩は、水に溶解した状態では、高濃度の塩溶液が粉末水溶性高分子間に介在し、吸水した高分子同士がくっ付いてママコを形成するのを防止する機能を発揮する量とされる。
このような量として、粉末水溶性高分子、粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩の配合割合は、粉末水溶性高分子10〜90重量%、粉末酸1〜20重量%、および粉末炭酸/重炭酸塩1〜30重量%とされ、好ましくは粉末水溶性高分子40〜80重量%、粉末酸1〜15重量%、および粉末炭酸/重炭酸塩5〜20重量%とすることができる。また粉末中性塩の配合割合は基本的には全体の0〜70重量%であるが、粉末水溶性高分子、粉末酸、粉末炭酸/重炭酸塩、および粉末中性塩の配合割合は、粉末水溶性高分子10〜90重量%、粉末酸1〜20重量%、粉末炭酸/重炭酸塩1〜30重量%、および粉末中性塩1〜70重量%とされ、好ましくは粉末水溶性高分子40〜80重量%、粉末酸1〜15重量%、および粉末炭酸/重炭酸塩5〜20重量%、および粉末中性塩10〜70重量%とすることができる。
本発明の摩擦低下被膜形成剤は、器壁に摩擦低下被膜を形成し、これと接触する汚泥、泥土、土壌、その他の含水粒/泥状物の摩擦を低下させるために使用される。この場合、本発明の摩擦低下被膜により前記含水粒/泥状物の貯留、搬送等の処理を行うための処理方法に使用される。このような本発明の含水粒/泥状物の処理方法では、含水粒/泥状物と接触する器壁に本発明の摩擦低下被膜形成剤を供給して被膜形成した後、含水粒/泥状物を器壁に接触させて、貯留または搬送を含む処理を行う。この場合、含水粒/泥状物と接触する器壁に摩擦低下被膜形成剤を供給して、水に濡れた状態で器壁に水溶性高分子の摩擦低下被膜を形成した後、含水粒/泥状物を接触させて、貯留または搬送を含む処理を行うことが好ましい。
前記特許文献3に示された推進工法において布設管と地盤との間の摩擦抵抗を低減させるために用いる滑剤は、流動化させる泥水等の全体に添加するため、大量の薬剤を注入する必要があるが、本発明では含水粒状物と接触する前の器壁に摩擦低下被膜形成剤を供給すると、器壁に水溶性高分子の摩擦低下被膜を形成することができ、薬剤使用量は少ない。特に水に濡れた状態器壁に摩擦低下被膜形成剤を供給して、水溶性高分子の摩擦低下被膜を形成すると、均一な被膜を形成するとともに、その被膜は器壁に強固に付着して剥離しにくくなる。一方で水に接触する部分では微量の溶出のため粘液性のヌルヌル状であり、摩擦が低下する。溶出量が少なくても摩擦低下するから徐溶性の高分子を使用すると、摩擦低下効果が長時間になり好ましい。
前述のように粉末水溶性高分子を水に添加すると、一般には高分子粉末が集合して、ママコ(フィシュアイ)が生成するため均一な被膜を形成できないが、本発明では、粉末水溶性高分子を微細な粒子の分散状態で水と接触させることにより、微細な粒子が水を吸収して微細なジェリー状粒子となり、その表面は粘着性により器壁に付着して被膜を形成する。この被膜は摩擦性が低下するため、これに接する含水粒状物の付着や閉塞は防止される。このように本発明の摩擦低下剤は器壁の表面に被膜を形成して摩擦を低下するものであり、特許文献4の溶解速度を上げるものとは異なり、均一に分散し、均一な被膜を形成できる配合物を使用する。
「濡れ手で粟」ということわざがあるが、水に濡れた状態器壁に摩擦低下被膜形成剤を散布すると、摩擦低下被膜形成剤は器壁に均一に付着する。このとき粉末水溶性高分子は吸水により膨潤して器壁に強固に付着して被膜を形成する。一方で器壁に接触せず、水に接触する部分ではジェリー状の表面が露出し、水溶性高分子が微量溶出して粘液性のヌルヌル状であり、摩擦性が低下する。摩擦低下被膜形成剤を器壁に均一に散布してから水あるいは含水粒/泥状物を供給しても、同様に粉末水溶性高分子を器壁に付着させて被膜を形成することができる。しかしホッパーのように仰角を持つ器壁の場合は、水に濡れた状態器壁に摩擦低下被膜形成剤を散布する方が、摩擦低下被膜形成剤を器壁に均一に付着させやすい。トラックの荷台のように水平に近い状態の場合は、先に摩擦低下被膜形成剤を散布してから、水または含水粒状物を供給して粉末水溶性高分子を器壁に付着させて被膜を形成させても、また逆でもよい。このような被膜の形成は器壁に水を供給して行ってもよいが、含水粒状物を供給してそれに含まれる水を利用してもよい。
本発明の摩擦低下被膜形成剤は、粉末水溶性高分子の粒子が粉末酸と粉末炭酸/重炭酸塩とにより、あるいはさらに中性塩とにより、粉末水溶性高分子同士が接触しないように分散させられているため、水に濡れた状態器壁に摩擦低下被膜形成剤を散布すると、粉末水溶性高分子同士が接触しないように分散した状態で器壁に付着する。このとき粉末酸と粉末炭酸/重炭酸塩が水に溶解して、中和反応により炭酸ガスの微細気泡を発生させて、吸水した粉末水溶性高分子同士がくっ付いてママコを形成するのを防止する。また粉末中性塩を配合するときは、粉末中性塩は、水に溶解した状態では、高濃度の塩溶液が粉末水溶性高分子間に介在し、吸水した高分子同士がくっ付いてママコを形成するのを防止する。これにより器壁に均一な摩擦低下被膜が形成される。
このように含水粒/泥状物と接触する器壁に、摩擦低下被膜形成剤を供給した後、特に水溶性高分子の摩擦低下被膜を形成した後、含水粒/泥状物を接触させて、貯留または搬送を含む処理を行うと、器壁の摩擦が低下し、含水粒/泥状物は器壁へ付着、閉塞することなく処理される。たとえばホッパーの場合、含水粒/泥状物は器壁へ付着、閉塞することなく搬送され、またトラックの荷台の場合、所定場所に運搬後、荷台を傾斜させて含水粒/泥状物を排出する際、荷台へ付着、閉塞することなく排出することができ、作業性は高くなる。
器壁に形成された水溶性高分子の被膜は、表面から水溶性高分子が溶出することにより薄くなり、また含水粒/泥状物との摩擦により剥離すると、摩擦低下効果が得られなくなるので、適宜補修することにより、摩擦低下性を維持することができる。典型的には一度の処理を終わった時点で器壁を水洗し、被膜の上に摩擦低下被膜形成剤を供給して散布すると、最初の時と同様にして含水粉末水溶性高分子の粒子が欠損部分を埋め、被膜を厚くして再生し、摩擦低下性を維持し、処理を再開、継続することができる。
本発明で処理の対象となる含水粒/泥状物としては、器壁と接触して処理する際、器壁に付着し、閉塞を招く性質を有する粒/泥状物である。粒/泥状物が乾燥している場合には、基本的には器壁への付着、閉塞は起きないが、多少でも含水していると、水が下部にたまることにより、器壁に付着し、閉塞することがある。粒/泥状物の含水率としては、一般的には20〜80%、好適には30〜70%程度である。処理対象となる含水粒/泥状物の例としては、水処理汚泥、その脱水ケーキ等の有機汚泥、建設汚泥、製スラリー等の無機汚泥、この無機汚泥と有機汚泥の混合汚泥、これらの汚泥をセメント等で固化した固化処理土、建設残土、他の土壌、雪などがあげられる。含水率の高い粒/泥状物は好適には脱水して本処理に供されるが、脱水ケーキの含水率は、有機汚泥であれば75〜90%、無機汚泥であれば30〜70%のものが処理に適している。
本発明では、摩擦低下被膜形成剤は処理する含水粒/泥状物の全体に添加する必要はなく、これと接触する器壁に供給して被膜を形成するだけで、摩擦低下ができるので、薬剤の使用量は少なく、処理操作も簡単であり、摩擦を効果的に低下させることができる。
本発明の摩擦低下被膜形成方法によれば、水の存在下に膨潤した粉末水溶性高分子を器壁に付着させて水溶性高分子の被膜を形成するので、含水粒/泥状物の摩擦を、少ない薬剤使用量で、効果的に低下させることができる摩擦低下被膜を形成することができる。また本発明の摩擦低下被膜形成剤によれば、粉末水溶性高分子を主成分とし、粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩を含む粉末配合物を用いるので、器壁と接触する汚泥、泥土、土壌、その他の含水粒/泥状物の摩擦を、低下させることができる。
本発明の含水粒/泥状物の摩擦低下方法によれば、上記摩擦低下被膜を形成した器壁に含水粒/泥状物を接触させるので、少ない薬剤使用量で、効果的に含水粒/泥状物の摩擦を低下させることができる。また本発明の含水粒/泥状物の処理方法によれば、含水粒/泥状物と接触する器壁に上記摩擦低下被膜を形成した後、含水粒/泥状物を器壁に接触させて、貯留または搬送を含む処理を行うので、少ない薬剤使用量で、効率的に器壁に水溶性高分子の被膜を形成することができ、これにより器壁への含水粒状物の付着や閉塞を防止して、効率よく処理を行うことができる。
実施形態の汚泥処理方法を模式的に示す概念図である。 実施例2の摩擦低下効果を示すグラフである。 実施例3の摩擦低下効果を示すグラフである。 従来の汚泥処理方法を模式的に示す概念図である。
以下、本発明の実施形態の汚泥処理方法を図1により説明する。図1は本実施形態の汚泥処理方法を模式的に示す概念図であり、図4と同一符号は同一または相当部分を示す。11はホッパー1に形成した摩擦低下被膜、12はダンプトラック3の荷台2に形成した摩擦低下被膜である。
図1の汚泥処理方法では、ホッパー1および荷台2に予め摩擦低下被膜形成剤を供給し、水に濡れた状態器壁に水溶性高分子の摩擦低下被膜11、12を形成する。ホッパー1は傾斜しているので、予め器壁に水を供給して濡らした状態で摩擦低下被膜形成剤を供給し、摩擦低下被膜11を形成する。ダンプトラック3の荷台2の場合は、荷台2を水平にした状態で摩擦低下被膜形成剤を供給し、摩擦低下被膜12を形成するが、先に水を供給して濡らしてもよく、また摩擦低下被膜形成剤散布後に、水を供給して濡らし、または汚泥脱水ケーキなどの被処理粒/泥状物5を供給して、含まれる水により濡らして摩擦低下被膜12を形成してもよい。
被膜形成した後は図4の場合と同様に、ホッパー1の摩擦低下被膜11上にケーキ貯槽6から汚泥脱水ケーキなどの被処理粒/泥状物4を供給して搬送し、ダンプトラック3の荷台2の摩擦低下被膜12上に積層して被処理粒/泥状物5として貯留する。その後ダンプトラック3は埋立地等へ移動し、荷台2を傾斜させて、積層した被処理粒/泥状物5を排出し処理する。ホッパー1および荷台2は摩擦低下被膜11、12が形成されているので、摩擦抵抗は低下し、被処理粒/泥状物4、5が付着して閉塞することがない。
ホッパー1および荷台2などの被処理粒/泥状物4、5と接触する器壁は、使用後直ちに器壁を水洗し、残留する被処理粒/泥状物を除去するが、このとき必要により、薄くなったり剥離した摩擦低下被膜11、12を補修することができる。また使用中でも付着、閉塞が激しくなったときは使用を停止して器壁を水洗し、被膜を補修することができる。被膜の補修は、最初の被膜形成のときと同様の操作で行われる。すなわちホッパー1および荷台2などの器壁を水洗後、摩擦低下被膜11、12の上に摩擦低下被膜形成剤を供給して散布すると、最初の時と同様にして含水粉末水溶性高分子の粒子が欠損部分を埋め、被膜を厚くして再生し、摩擦低下性を維持し、処理を再開、継続することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例において、特に指示しないかぎり、部、%は重量部、重量%を示す。また水溶性高分子の固有粘度は30℃、1N−NaNOの条件で測定した。水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は、次の〔1〕式のポリアクリルアミド系高分子の粘度式[ラジカル重合ハンドブック、(株)エヌ・ティー・エス刊、558頁(1999)]により、固有粘度の測定値からMwを算出した。
[η]=3.73×10−4Mw0.66 ・・・〔1〕
水溶性高分子の不溶解分は以下により測定した。
<不溶解分の測定>
試料0.5gをイオン交換水500gに添加し、マグネチックスターラーを用いて500rpmで3時間攪拌した後、60メッシュの金属製篩で濾過し、篩上の残留物をイオン交換水で洗浄した後、乾燥機で乾燥(105℃、2時間)後、重量を測定し、次の〔2〕式より不溶解分(重量)%を算出する。
不溶解分=(乾燥後残留物重量/高分子サンプル重量)×100 ・・・〔2〕
〔実施例1〕:(粉末水溶性高分子のママコ非形成効果)
粉末水溶性高分子としてアクリルアミド(80mol%)−ポリアクリル酸(20mol%)共重合物(重量平均分子量:1700万、(固有粘度:22)、粒径:1mm、不溶解分:0.5%)、粉末酸としてDL−リンゴ酸(粒径:100μm)、粉末炭酸/重炭酸塩として炭酸水素ナトリウム(粒径:200μm)、粉末中性塩として硫酸ナトリウム(粒径:200μm)を表1の割合(重量%)で配合し、No.1〜No.5の粉末配合物(摩擦低被膜形成下剤)を得た。
Figure 0006287091
表1の No.1〜No.5の粉末配合物(摩擦低下被膜形成剤)を、粉末高分子濃度が0.2%となる量で、静水(栃木県市水:20℃)に投入し、ママコが形成される程度により、水に対するママコ非形成効果(分散溶解性)を判断した。結果を表2に示すが、ママコ形成性の判断基準は表2の註1に付記した通りである。
Figure 0006287091
表2の結果より、No.1の粉末水溶性高分子(アクリルアミド−ポリアクリル酸共重合物)100%のものはママコを形成し、溶解しなかったため、摩擦低下被膜形成剤として不合格とされたが、No.2〜No.4の炭酸水素ナトリウム12%配合、および硫酸ナトリウム15〜60%配合のものはママコを形成しないことがわかる。No.5は若干ママコを形成したが、ほぼ合格とされた。このことから粉末中性塩は粉体を増量させるため、粉末水溶性高分子を分散させる効果が認められる。
〔実施例2〕:(水溶性高分子の固有粘度と摩擦低下効果)
摩擦低下効果は、標準的な試験方法が定められていないため、以下のように実施した。
1)JIS A 1101「コンクリートのスランプ試験方法」で使用する鉄製平板を、ケーキホッパーまたはトラック荷台に相当する器壁の試験片とした。
2)表面が濡れていない上記平板に摩擦低下被膜形成剤を散布した(1m当り50g)。
3)摩擦低下剤の上に汚泥を接触させて被膜を形成し、3分後に形成被膜の厚さを測定するとともに、平板の一辺を持ち上げて傾斜させた。
4)汚泥が滑り始めた時の角度を計測し、摩擦低下効果を判定した。
5)摩擦低下剤は表1のNo.3配合において、アクリルアミド−アクリル酸共重合物の固有粘度を変化させた4種類で評価した。
6)本試験には、建設汚泥(建設現場から排出される泥水、含水率:44.5%)を用いた。
全体の試験結果を表3に示し、摩擦低下効果を示すグラフを図2に示す。表3および図2の結果より、固有粘度14(dL/g)以上で摩擦低下効果が確認できているが、特に18(dL/g)以上が好ましいと判断される。
Figure 0006287091
[実施例3]:(摩擦軽減効果)
摩擦低下剤の水溶性高分子の配合割合とその効果を評価した。試験方法は実施例2と同じとし、供試泥も同じとした。水溶性高分子は、実施例2で最高の成績を示した固有粘度22のアクリルアミド‐アクリル酸共重合物を用い、表1の配合とした。アクリルアミド‐アクリル酸共重合物の配合割合は表4の通り変化させて汚泥滑り開始角を調べた。全体の試験結果を表4に示し、配合No.1〜4の摩擦低下効果を示すグラフを図3に示す。
Figure 0006287091
表4および図3の結果より、配合割合は40〜80%が好ましいことがわかる。
本発明は、汚泥、泥土、土壌、その他の含水粒/泥状物と接触するホッパー、ダンプトラック等の器壁に、摩擦を低下させるため摩擦低下被膜を形成する方法、およびそれに使用される摩擦低下被膜形成剤として利用可能である。またこの摩擦低下被膜形成剤により摩擦低下被膜を形成し、前記含水粒/泥状物の器壁との摩擦を低下させる方法、ならびに含水粒/泥状物の貯留、搬送等の処理を行うための含水粒/泥状物の処理方法として利用可能である。
1:ホッパー、2:荷台、3:ダンプトラック、4、5:被処理粒/泥状物、6:ケーキ貯槽、11、12:摩擦低下被膜。

Claims (12)

  1. 含水粒/泥状物と接触する器壁に予め摩擦低下被膜を形成する方法であって、
    含水粒/泥状物と接触する前の器壁に、粉末水溶性高分子を含む摩擦低下被膜形成剤を供給し、水の存在下に膨潤した粉末水溶性高分子を器壁に付着させて水溶性高分子の被膜を形成する方法であり、
    前記摩擦低下被膜形成剤は、粉末水溶性高分子、粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩を含む粉末配合物を含むものであることを特徴とする摩擦低下被膜形成方法。
  2. 器壁に摩擦低下被膜形成剤を、粉末酸および粉末炭酸/重炭酸塩により粉末水溶性高分子を分散させた状態で、器壁に層を形成するように供給し、膨潤した粉末水溶性高分子を器壁に層状に付着させて水溶性高分子の被膜を形成する請求項1記載の方法。
  3. 器壁に摩擦低下被膜形成剤を供給した後に水または含水粒/泥状物を供給するか、あるいは水に濡れた状態器壁に摩擦低下被膜形成剤を供給して水溶性高分子の被膜を形成する請求項1または2記載の方法。
  4. 粉末水溶性高分子が、合成水溶性高分子、天然高分子および半合成水溶性高分子から選ばれる1以上の粉末である請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 含水粒/泥状物と接触する器壁に予め摩擦低下被膜を形成し、含水粒/泥状物の摩擦を低下させるための摩擦低下被膜形成剤であって、
    粉末水溶性高分子、粉末酸、および粉末炭酸/重炭酸塩を含む粉末配合物を含むことを特徴とする摩擦低下被膜形成剤。
  6. 粉末水溶性高分子10〜90重量%、粉末酸1〜20重量%、および粉末炭酸/重炭酸塩1〜30重量%を含む請求項5記載の摩擦低下被膜形成剤。
  7. 粉末配合物が粉末中性塩を含む請求項5または6記載の摩擦低下被膜形成剤。
  8. 粉末水溶性高分子10〜90重量%、粉末酸1〜20重量%、粉末炭酸/重炭酸塩1〜30重量%、および粉末中性塩1〜70重量%を含む請求項7記載の摩擦低下被膜形成剤。
  9. 摩擦低下被膜形成剤として請求項5ないし8のいずれかに記載の摩擦低下被膜形成剤を用いる請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  10. 請求項1ないし4および9のいずれかに記載の方法により摩擦低下被膜を形成した器壁に、含水粒/泥状物を接触させて、含水粒/泥状物の摩擦を低下させることを特徴とする含水粒/泥状物の摩擦低下方法。
  11. 請求項1ないし4および9のいずれかに記載の方法により摩擦低下被膜を形成した器壁に、含水粒/泥状物を接触させて、貯留または搬送を含む処理を行うことを特徴とする含水粒/泥状物の処理方法。
  12. 含水粒/泥状物が汚泥、固化処理土、泥土、土壌または雪である請求項1ないし4および9ないし11のいずれかに記載の方法。
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