JP6287036B2 - インクの評価方法、機能素子の製造方法、有機el素子の製造方法 - Google Patents

インクの評価方法、機能素子の製造方法、有機el素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6287036B2
JP6287036B2 JP2013215262A JP2013215262A JP6287036B2 JP 6287036 B2 JP6287036 B2 JP 6287036B2 JP 2013215262 A JP2013215262 A JP 2013215262A JP 2013215262 A JP2013215262 A JP 2013215262A JP 6287036 B2 JP6287036 B2 JP 6287036B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
organic
layer
light emitting
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013215262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015079609A (ja
Inventor
季 山田
季 山田
佐合 拓己
拓己 佐合
紘平 石田
紘平 石田
昭太朗 渡辺
昭太朗 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2013215262A priority Critical patent/JP6287036B2/ja
Publication of JP2015079609A publication Critical patent/JP2015079609A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6287036B2 publication Critical patent/JP6287036B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は、機能層形成用のインクの評価方法、機能素子の製造方法、有機EL素子の製造方法に関する。
インクをノズルから液滴として吐出可能なインクジェットヘッドを用いた液滴吐出法は、紙などの記録媒体にインクを吐出して文字や画像などの情報を印刷する方法として用いられている。また、インクとして、機能層形成材料を含む溶液を用いることによって、予め決められた膜形成領域に該溶液を塗布して固化させることにより機能層を形成する方法としても採用されている。
例えば、特許文献1には、基板上に表面処理を行う表面処理工程と、表面処理が施された基板の所定の膜形成領域に、導電性粒子を含有した液体からなる液滴を吐出して膜パターンを形成する膜パターンの形成方法が開示されている。
上記特許文献1の膜パターンの形成方法によれば、表面処理工程において、基板表面の該液体に対する接触角が15°以上45°以下となるように、基板表面に対して撥液性を付与している。したがって、インクジェットヘッドのノズルから吐出され、基板表面に着弾した液滴は、基板表面においてむやみに濡れ拡がらず、界面張力によって盛り上がった状態で配置される。基板表面において先に着弾した液滴に対して部分的に重なるように再び液滴が吐出され配置される。このような液滴の吐出(配置)を繰り返すことで所望の膜パターンを基板上に形成できるとしている。
また、例えば、特許文献2には、無機材料の部分を有するバンク形成面に選択的に少なくとも有機材料を含むバンクを形成し、バンクで囲まれた領域に、薄膜材料液を充填して表示のための薄膜層を形成する工程を含む表示装置の製造方法が開示されている。特許文献2の表示装置の製造方法によれば、バンクを構成する有機材料がバンク形成面の無機材料に比べて上記薄膜材料液に対して非親和性(言い換えれば、撥液性)の程度がより高くなるような条件でプラズマ処理をバンク及びバンク形成面に施す表面処理工程を有している。また、上記非親和性の程度として、上記無機材料(バンク形成面)の上記薄膜材料液に対する接触角が30度以下であり、上記有機材料(バンク)の上記薄膜材料液に対する接触角が50度以上であることが好ましいとしている。これにより、バンクで囲まれた領域に薄膜材料液を確実に充填して、成膜のむらや膜厚ばらつきが少ない薄膜層を形成することができるとしている。このような薄膜層を備えた表示装置の例としては、フルカラー有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子やカラーフィルターを備えた表示装置が挙げられている。
特開2004−146796号公報 特許第3328297号公報
しかしながら、上記特許文献1や上記特許文献2のように、膜形成領域や該膜形成領域を囲むバンクに対して表面処理を施して、液体(薄膜材料液)に対する接触角を制御したとしても、必ずしも安定した形状の膜パターンや薄膜層を形成することができないおそれがある。特に、インクジェットヘッドのノズルから上記液体(薄膜材料液)を液滴として吐出する場合、上記液体(薄膜材料液)に含まれる固形分や溶媒成分の構成により、上記液体(薄膜材料液)の物理的な性質、例えば粘度や界面張力などが異なり、被吐出物に着弾した後の液滴の濡れ拡がり性が左右される。例えば、固形分が無機材料か有機材料のいずれか、また、有機材料ならば低分子材料あるいは高分子材料なのか、また、上記液体(薄膜材料液)に含まれる溶媒成分などにより、上記液滴の濡れ拡がり性が左右される。さらに、液滴吐出法により形成された薄膜を複数積層して薄膜層とする場合には、基板上に最初に薄膜を形成する場合と、先に形成された薄膜上に次の薄膜を形成する場合とでは、液滴の濡れ拡がり性にも差が生ずることもある。したがって、表面処理された基板に対して実際に上記液体(薄膜材料液)を吐出して、問題なく薄膜を形成できるか否か予め確認しておく必要がある。このような事前確認作業は、労力を要するものであり、実際の製品を使って事前確認することは無駄を生じさせる。すなわち、より簡便な方法で上記液体(薄膜材料液)の事前評価ができる方法を確立することが望まれているという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係わるインクの評価方法は、撥液性を有する隔壁によって区画された膜形成領域に、機能層形成材料を含むインクを液滴吐出法により塗布して機能層を形成する場合のインクの評価方法であって、前記隔壁に対する前記インクの接触角が60度以上であり、前記膜形成領域の被吐出物に対する前記インクの接触角が5度以下であって、前記インクを液滴として前記隔壁に着弾させたときの着弾半径をAとし、前記インクを液滴として前記被吐出物に着弾させたときの着弾半径をBとするとき、B/A≧2.5の関係を満たす前記インクを良インクと判定し、
前記インクが良インクと判定されなかった場合、前記インクにおける、粘度、溶媒の構成、前記液滴の吐出速度のうち少なくとも1つの条件を見直すことを特徴とする。
本適用例によれば、膜形成領域を区画する隔壁と、膜形成領域内の被吐出物とに対するインクの接触角を規定することに加えて、隔壁と、被吐出物とにおけるインクの液滴の着弾半径を規定することによって、膜形成領域に塗布されたインクの塗布性能を予め評価することができる。インクの塗布性能は、インクとインクが着弾する側の物質との界面張力や物性に起因する、例えば、膜形成領域におけるインクの充填性や濡れ拡がり性、インクの液滴同士の凝集などが挙げられる。
上記適用例に係わるインクの評価方法において、前記インクの粘度が、20mPa・s(ミリパスカル・秒)以下であることを特徴とする。
この方法によれば、液滴吐出法に適したインクの評価方法を提供できる。
上記適用例に係わるインクの評価方法において、前記インクは、前記機能層形成材料を溶解させる良溶媒を含み、前記良溶媒の沸点が200℃以上であることを特徴とする。
この方法によれば、液滴吐出法に適したノズルの目詰まりが生じ難いインクの評価方法を提供できる。
[適用例]本適用例に係わる機能素子の製造方法は、機能層を含む機能素子の製造方法であって、撥液性を有する隔壁によって区画された膜形成領域に、機能層形成材料を含む所定量のインクを液滴として吐出する工程と、吐出された前記インクを固化して前記膜形成領域に前記機能層を形成する工程と、上記適用例に記載されたインクの評価方法を用いて予め前記インクを評価し、前記B/A≧2.5の関係を満たす前記インクを良インクと判定し、前記インクが良インクと判定されなかった場合、前記インクにおける、粘度、溶媒の構成、前記液滴の吐出速度のうち少なくとも1つの条件を見直す工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、良インクとして判定されたインクを用いて、機能層を形成できるので、所望の特性を有する機能素子を歩留まりよく製造することができる。
[適用例]本適用例に係わる有機EL素子の製造方法は、陽極と陰極との間に発光機能を有する機能層を備えた有機EL素子の製造方法であって、撥液性を有する隔壁によって区画された膜形成領域に、機能層形成材料を含む所定量のインクを液滴として吐出する工程と、吐出された前記インクを固化して前記膜形成領域に前記機能層のうちの少なくとも1つの有機薄膜層を形成する工程と、上記適用例に記載されたインクの評価方法を用いて予め前記インクを評価し、前記B/A≧2.5の関係を満たす前記インクを良インクと判定し、前記インクが良インクと判定されなかった場合、前記インクにおける、粘度、溶媒の構成、前記液滴の吐出速度のうち少なくとも1つの条件を見直す工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、良インクとして判定されたインクを用いて、機能層のうちの少なくとも1つの有機薄膜層を形成できるので、所望の電気特性を有する有機EL素子を歩留まりよく製造することができる。
有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 有機EL装置の構成を示す概略平面図。 有機EL装置の発光画素の構造を示す概略断面図。 有機EL装置の発光画素における有機EL素子の構成を示す模式図。 (a)〜(e)は有機EL素子の製造方法を示す概略断面図。 (f)〜(h)は有機EL素子の製造方法を示す概略断面図。 (a)は試験用基板における膜形成領域の構成を示す概略平面図、(b)は(a)のA−A’線に沿った試験用基板の構造を示す概略断面図。 膜形成領域に着弾した液滴の様子を示す概略平面図。 静滴法による接触角の測定方法を示す図。 実施例及び比較例における被吐出物とインク構成とを示す表。 実施例及び比較例における評価結果を示す表。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
<有機EL装置>
まず、機能素子としての有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を備えた有機EL装置の一例について、図1〜図4を参照して説明する。図1は有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図、図2は有機EL装置の構成を示す概略平面図、図3は有機EL装置の発光画素の構造を示す概略断面図、図4は有機EL装置の発光画素における有機EL素子の構成を示す模式図である。
図1に示すように、有機EL装置100は、互いに交差する複数の走査線112及び複数のデータ線113と、複数のデータ線113のそれぞれに対して並列する電源線114とを有している。複数の走査線112が接続される走査線駆動回路103と、複数のデータ線113が接続されるデータ線駆動回路104とを有している。また、複数の走査線112と複数のデータ線113との各交差部に対応してマトリックス状に配置された複数の発光画素107を有している。
発光画素107は、発光素子である有機EL素子130と、有機EL素子130の駆動を制御する画素回路111とを有している。
有機EL素子130は、陽極としての画素電極131と、陰極としての対向電極134と、画素電極131と対向電極134との間に設けられた発光機能を有する機能層132とを備えている。このような有機EL素子130は電気的にダイオードとして表記することができる。機能層132の詳しい構成については後述するが、機能層132は発光層を含む複数の薄膜層により構成されている。なお、対向電極134は複数の発光画素107に亘る共通電極として形成されている。
画素回路111は、スイッチング用トランジスター121と、駆動用トランジスター122と、蓄積容量123とを含んでいる。2つのトランジスター121,122は、例えばnチャネル型もしくはpチャネル型の薄膜トランジスター(TFT;Thin Film transistor)やMOSトランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター121のゲートは走査線112に接続され、ソースまたはドレインのうち一方がデータ線113に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が駆動用トランジスター122のゲートに接続されている。
駆動用トランジスター122のソースまたはドレインのうち一方が有機EL素子130の画素電極131に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が電源線114に接続されている。駆動用トランジスター122のゲートと電源線114との間に蓄積容量123が接続されている。
走査線112が駆動されてスイッチング用トランジスター121がオン状態になると、そのときにデータ線113から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター121を介して蓄積容量123に保持される。該蓄積容量123の電位すなわち駆動用トランジスター122のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター122のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用トランジスター122がオン状態になると、電源線114から駆動用トランジスター122を介して画素電極131と対向電極134とに挟まれた機能層132にゲート電位に応じた大きさの電流が流れる。有機EL素子130は、機能層132を流れる電流の大きさに応じて発光する。
なお、画素回路111の構成は、これに限定されるものではない。例えば、駆動用トランジスター122と画素電極131との間に、駆動用トランジスター122と画素電極131との間の導通を制御する発光制御用トランジスターを備えていてもよい。
図2に示すように、有機EL装置100は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光(発光色)が得られる発光画素107R,107G,107Bを有している。各発光画素107R,107G,107Bは略矩形状であり、表示領域Eにおいてマトリックス状に配置されている。発光画素107R,107G,107Bのそれぞれには、対応する色の発光が得られる有機EL素子130(図3参照)が設けられている。同色の発光が得られる発光画素107が図面上において垂直方向(列方向あるいは発光画素107の長手方向)に配列し、異なる発光色の発光画素107が図面上において水平方向(行方向あるいは発光画素107の短手方向)にR,G,Bの順で配列している。すなわち、異なる発光色の発光画素107R,107G,107Bが所謂ストライプ方式で配置されている。
以降、異なる発光色の発光画素107R,107G,107Bを総称して発光画素107と呼ぶこともある。また、異なる発光色の発光画素107が配列する方向をX方向、同色の発光画素107が配列する方向をY方向として説明する。
このような有機EL装置100を表示装置として用いるならば、異なる発光色が得られる3つの発光画素107R,107G,107Bを1つの表示画素単位108として、それぞれの発光画素107R,107G,107Bは電気的に制御される。これによりフルカラー表示が可能となる。
なお、異なる発光色の発光画素107R,107G,107Bの平面形状と配置は、これに限定されるものではなく、例えば、デルタ方式、モザイク方式の配置であってもよい。また、発光画素107は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色に対応して設けられることに限定されず、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)以外の例えば黄色(Y)の発光が得られる発光画素107を含んでいてもよい。
図3に示すように、有機EL装置100は、素子基板101上に設けられた、赤色の発光が得られる有機EL素子130Rと、緑色の発光が得られる有機EL素子130Gと、青色の発光が得られる有機EL素子130Bとを有している。つまり、発光画素107Rに有機EL素子130Rが設けられ、発光画素107Gに有機EL素子130Gが設けられ、発光画素107Bに有機EL素子130Bが設けられている。有機EL素子130R,130G,130Bのそれぞれは、陽極としての画素電極131と、画素電極131上に形成された発光層を含む機能層132とを有している。また、機能層132を介して画素電極131と対向するように形成された共通電極としての対向電極134を有している。
発光色に対応させて画素電極131を、画素電極131R,131G,131Bと呼ぶこともある。同様に、発光色に対応させて機能層132を機能層132R,132G,132Bと呼ぶこともある。機能層132R,132G,132Bのそれぞれは、複数の薄膜層を含んでいる。複数の薄膜層のうち少なくとも1つの薄膜層が、後述するインクの評価方法を用いて判定された良インクを用いて、液滴吐出法(インクジェット法)により成膜されている。機能層132の詳しい構成と形成方法については、後述する。
画素電極131R,131G,131Bのそれぞれは、その周囲の一部を覆って設けられた隔壁133によって区画されている。隔壁133は、例えば、多官能アクリル系樹脂などの絶縁性を有する感光性樹脂材料を用いて形成されている。
画素電極131は、素子基板101上に形成された駆動用トランジスター122の3端子のうちの1つに接続している。対向電極134は、例えば、GNDなどの固定電位が与えられている。画素電極131と対向電極134との間に駆動電位を印加することにより、画素電極131から機能層132に正孔が注入され、対向電極134から機能層132に電子が注入される。機能層132に含まれる発光層では、注入された正孔と電子が励起子(エキシトン)を形成し、励起子(エキシトン)が消滅する際(電子と正孔とが再結合する際)にエネルギーの一部が蛍光や燐光となって放出される。
本実施形態の有機EL装置100は、ボトムエミッション型の構造となっており、画素電極131と対向電極134との間に駆動電流を流して機能層132R,132G,132Bで発光した光を対向電極134で反射させて素子基板101側から取り出す。したがって、素子基板101はガラスなどの透明基板を用いる。また、素子基板101に対して封着層135を介して対向配置される封止基板102は、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナなどのセラミックス、ステンレススチールなどの金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
素子基板101には、有機EL素子130を駆動する画素回路111が設けられている。すなわち、素子基板101の一方の表面を覆う下地絶縁膜115上に、駆動用トランジスター122の半導体層122aが形成されている。半導体層122aは例えばポリシリコンからなる。この半導体層122aを覆ってゲート絶縁膜116が形成されている。
また、半導体層122aのうち、ゲート絶縁膜116を挟んでゲート電極126と重なる領域がチャネル領域とされている。なお、このゲート電極126は、図示省略された走査線112に電気的に接続されている。半導体層122a及びゲート電極126を覆って、第1層間絶縁膜117が形成されている。
また、半導体層122aのうち、チャネル領域のソース側には、低濃度ソース領域及び高濃度ソース領域122cが設けられる一方、チャネル領域のドレイン側には低濃度ドレイン領域及び高濃度ドレイン領域122bが設けられて、所謂LDD(Light Doped Drain)構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域122cは、ゲート絶縁膜116と第1層間絶縁膜117とにわたって開孔するコンタクトホール125aを介して、ソース電極125に接続されている。このソース電極125は、電源線114(図示せず)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域122bは、ゲート絶縁膜116と第1層間絶縁膜117とに亘って開孔するコンタクトホール124aを介して、ソース電極125と同一配線層に設けられたドレイン電極124に接続されている。
ソース電極125及びドレイン電極124が形成された第1層間絶縁膜117の上層には、第2層間絶縁膜118が形成されている。この第2層間絶縁膜118は、画素回路111を構成する駆動用トランジスター122などや、ソース電極125、ドレイン電極124などによる表面の凹凸をなくすために形成されたものであり、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などの平坦化処理が施されている。
そして、画素電極131が、この第2層間絶縁膜118の表面上に形成されると共に、第2層間絶縁膜118に設けられたコンタクトホール118aを介してドレイン電極124に接続されている。すなわち、画素電極131は、ドレイン電極124を介して、半導体層122aの高濃度ドレイン領域122bに接続されている。対向電極134は、GNDに接続されている。したがって、駆動用トランジスター122により、前述した電源線114から画素電極131に供給され対向電極134との間で流れる駆動電流が制御される。これにより、画素回路111は、所望の有機EL素子130R,130G,130Bを発光させカラー表示を可能としている。
このような有機EL素子130を有する素子基板101は、熱硬化型エポキシ樹脂などを封着部材として用いた封着層135を介して封止基板102と隙間なくベタ封止されている。
本実施形態の有機EL装置100の有機EL素子130は、後述する製造方法を用いて製造されており、異なる発光色が得られる機能層132R,132G,132Bにおいてそれぞれ所望の発光効率と発光寿命とが得られる。
なお、本実施形態の有機EL装置100は、ボトムエミッション型に限定されず、例えば画素電極131を光反射性の導電材料を用いて形成し、陰極としての対向電極134を透明な導電材料を用いて形成して、有機EL素子130の発光を画素電極131で反射させて、封止基板102側から取り出すトップエミッション型の構造としてもよい。また、トップエミッション型とする場合、有機EL素子130の発光色に対応させたカラーフィルターを各有機EL素子130R,130G,130Bに対応させて設ける構成としてもよい。さらには、有機EL装置100がカラーフィルターを有する場合、有機EL素子130から白色発光が得られる構成としてもよい。
次に、有機EL素子130R,130G,130Bの具体的な構成について、図4を参照して説明する。
図4に示すように、有機EL装置100は、素子基板101上に設けられた、赤色の発光が得られる有機EL素子130Rと、緑色の発光が得られる有機EL素子130Gと、青色の発光が得られる有機EL素子130Bとを有している。
赤色の発光が得られる有機EL素子130Rは、陽極としての画素電極131Rと、画素電極131Rに対向配置される陰極としての対向電極134と、画素電極131Rと対向電極134との間において、画素電極131R側から順に積層された、正孔注入層132a、正孔輸送層132b、赤(R)の発光層132cR、青(B)の発光層132cB、電子輸送層132d、電子注入層132eを有している。
緑色の発光が得られる有機EL素子130Gは、陽極としての画素電極131Gと、画素電極131Gに対向配置される陰極としての対向電極134と、画素電極131Gと対向電極134との間において、画素電極131G側から順に積層された、正孔注入層132a、正孔輸送層132b、緑(G)の発光層132cG、青(B)の発光層132cB、電子輸送層132d、電子注入層132eを有している。
青色の発光が得られる有機EL素子130Bは、陽極としての画素電極131Bと、画素電極131Bに対向配置される陰極としての対向電極134と、画素電極131Bと対向電極134との間において、画素電極131B側から順に積層された、正孔注入層132a、正孔輸送層132b、青(B)の発光層132cB、電子輸送層132d、電子注入層132eを有している。
画素電極131R,131G,131Bのそれぞれは、仕事関数が大きい、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極材料を用いて気相プロセスにより形成されている。
対向電極134は、有機EL素子130R,130G,130Bに共通した陰極として、仕事関数が小さい例えばAlなどの電極材料を用いて気相プロセスにより形成されている。
図4では図示を省略したが、画素電極131R,131G,131Bのそれぞれは表面処理が施された隔壁133により区画されている。隔壁133により区画された膜形成領域に、画素電極131R,131G,131Bのそれぞれに対応して、正孔注入層132a、正孔輸送層132bが液相プロセスによって順に塗り分けられて形成されている。また、画素電極131Rに対応する正孔輸送層132b上に、発光層132cRが液相プロセスによって塗り分けられて形成され、画素電極131Gに対応する正孔輸送層132b上に、発光層132cGが液相プロセスによって塗り分けられて形成されている。
一方で、青(B)の発光層132cB、電子輸送層132d、電子注入層132eは、3つの有機EL素子130R,130G,130Bに亘って共通に気相プロセスを用いて形成されている。本実施形態における気相プロセスは例えば真空蒸着法である。また、液相プロセスは例えば液滴吐出法(インクジェット法)である。
3つの有機EL素子130R,130G,130Bに亘って共通に気相プロセスを用いて形成される青(B)の発光層132cBは、電子輸送性のホスト材料を含んで構成されている。したがって、赤(R)の発光層132cRに青(B)の発光層132cBを積層しても、有機EL素子130Rにおいて赤色の発光が得られる。また、緑(G)の発光層132cGに青(B)の発光層132cBを積層しても、有機EL素子130Gにおいて緑色の発光が得られる。青(B)の発光層132cBを有する有機EL素子130Bからは当然ながら青色の発光が得られる。
なお、画素電極131R,131Gと発光層132cR,132cGとの間、あるいは発光層132Bと対向電極134との間に、キャリア(正孔や電子)の移動を制御するための他の薄膜層を形成してもよい。また、電子輸送層132dや電子注入層132eは、陰極としての対向電極134や発光層132cBの構成によっては、どちらか一方を削除することもできる。
以降、有機EL素子130R,130G,130Bの構成について、より具体的に説明する。
[陽極]
陽極としての画素電極131R,131G,131Bは、正孔注入層132aに正孔を注入する電極である。
この画素電極131R,131G,131Bの構成材料としては、特に限定されないが、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料が好適に用いられ、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In23、SnO2、フッ素添加SnO2、Sb添加SnO2、ZnO、Al添加ZnO、Ga添加ZnO等の金属酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような画素電極131R,131G,131Bの膜厚は、特に限定されないが、10nm〜200nmの範囲にあることが好ましく、30nm〜150nmの範囲にあることがより好ましい。
[正孔注入層]
正孔注入層132aは、正孔注入材料を含んだ溶液(インク)を所定の膜形成領域に塗布して、乾燥・加熱することにより形成されている(液相プロセス)。正孔注入材料としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体にドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸(PSS)を加えた混合物(PEDOT:PSS)や、ポリスチレン、ポリピロール、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリアニリン、オリゴアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを挙げることができる。
正孔注入層132aの膜厚は、特に限定されないが、10nm〜150nmの範囲にあることが好ましい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層132bは、有機EL素子130R,130G,130Bにおいて、正孔注入層132aと発光層132cR,132cG,132cBとの間に設けられ、発光層132cR、132cG,132cBに対する正孔の輸送性(注入性)を向上させると共に、発光層132cR,132cG,132cBから正孔注入層132aに電子が侵入して、正孔注入層132aの機能が低下することを抑制するために設けられている。すなわち、発光層132cR、132cG,132cBにおける正孔と電子との結合による発光の効率を改善するものである。
正孔輸送層132bは、正孔輸送材料を含んだ溶液(インク)を所定の膜形成領域に塗布して乾燥・加熱すること(液相プロセス)により、有機EL素子130R,130G,130Bの正孔注入層132aに接し、有機EL素子130R,130G,130Bに共通して形成されている。
正孔輸送材料としては、例えば、トリフェニルジアミン(TPD)などのアミン系化合物のポリマーが好適に用いられる。そのほかポリフルオレン誘導体(PF)やポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)を含むポリシラン系などの高分子有機材料を挙げることができる。
正孔輸送層132bの膜厚は、特に限定されないが、15nm〜25nmの範囲にあることが好ましい。
[発光層132cR、132cG]
赤色の発光が得られる発光層132cR及び緑色の発光が得られる発光層132cGは、それぞれ、ホスト材料にゲスト材料としての発光材料がドープされた発光層形成材料を含む溶液(インク)を所定の膜形成領域に塗布して乾燥・加熱すること(液相プロセス)により、有機EL素子130R,130Gの正孔輸送層132bに接し、有機EL素子130R,130Gに対応して選択的に形成されている。
ホスト材料としては、TDAPB(1,3,5−トリス−(N,N−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−アミノフェニル)−ベンゼン)、CBP(4,4’−bis(9−dicarbazolyl)−2,2’−biphenyl)、BAlq(Bis−(2−methyl−8−quinolinolate)−4−(phenylphenolate)aluminium)、mCP(N,N−dicarbazolyl−3,5−benzene:CBP誘導体)、CDBP(4,4’−bis(9−carbazolyl)−2,2’−dimethyl−biphenyl)、DCB(N,N’−Dicarbazolyl−1,4−dimethene−benzene)、P06(2,7−bis(diphenylphosphineoxide)9,9−dimethylfluorene)、SimCP(3,5−bis(9−carbazolyl)tetraphenylsilane)、UGH3(W−bis(triphenylsilyl)benzene)などの低分子材料が挙げられる。これらの低分子のホスト材料はいずれも電子輸送性を有している。
発光材料としては、蛍光材料、燐光材料、いずれも用いることができる。蛍光材料としては、アメリカンダイソース社製のADS111RE(赤色)、ADS108GE(緑色)(Poly[{9,9-dioctyl-2,7-divinylene-fluorenylene}-alt-co-{2-methoxy-5-(2-ethylhexyloxy)-1,4-phenylene}])が挙げられる。
燐光材料としては、Bt2Ir(acac)(Bis(2−phenylbenxothiozolato−N,C2’)Iridium(III)(acetylacetonate))、Btp2Ir(acac)(Bis(2,2’−benzothienyl)−pyridinato−N,C3)Iridium(acetylacetonate))などのイリジウム錯体、PtOEP(2,3,7,8,12,13,17,18−Octaethyl−21H,23H−porphine,platinum(II))などの白金錯体が挙げられ、前述したホスト材料に添加することで赤色の燐光を得ることができる。
また、Ir(ppy)3(Fac−tris(2−phenypyridine)iridium)、Ppy2Ir(acac)(Bis(2−phenyl−pyridinato−N,C2)Iridium(acetylacetone))などのイリジウム錯体が挙げられ、前述したホスト材料に添加することで緑色の燐光を得ることができる。
発光層132cR,132cGの膜厚は、特に限定されないが、5nm〜100nmの範囲にあることが好ましく、10nm〜50nmの範囲にあることがより好ましい。
[発光層132cB]
青色の発光が得られる発光層132cBは、気相プロセスにより上述した電子輸送性を有する低分子のホスト材料にゲスト材料(発光材料)をドープして、有機EL素子130R,130G,130Bに共通して形成されている。
発光層132cBのホスト材料としては、アントラセン誘導体を用いることが好ましい。また、発光層132cBのゲスト材料(発光材料)は、蛍光材料、燐光材料のいずれも使用することができる。蛍光材料としては、アメリカンダイソース社製のADS136BE(青色)が挙げられる。
燐光材料としては、FIrpic(Iridium−bis(4,6−difluorophenyl−pyridinato−N,C2)−picolinate)、Ir(pmb)3(Iridium−tris(1−phenyl−3−methylbenzimidazolin−2−ylidene−C,C(2)’))、FIrN4(Iridium (III)bis(4,6−difluorophenylpyridinato)(5−(pyridin−2−yl)−tetrazolate))、FIrtaz(Iridium(III)bis(4,6−difluorophenylpyridinato)(5−(pyridine−2−yl)−1,2,4−triazolate))などのイリジウム錯体が挙げられ、前述したホスト材料に添加することで青色の燐光を得ることができる。
[電子輸送層]
電子輸送層132dは、気相プロセスを用いて形成され、陰極としての対向電極134から電子輸送層132dに注入された電子を発光層132cBに輸送する機能を有するものである。また、電子輸送層132dは、発光層132cBから電子輸送層132dへ通過しようとする正孔をブロックする機能を有する場合もある。
電子輸送層132dを構成する電子輸送材料としては、特に限定されないが、蒸着法などの気相プロセスを用いて形成し得るように、例えば、BALq、OXD−1(1,3,5−トリ(5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール))、BCP(Bathocuproine)、PBD(2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール)、TAZ(3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール)、DPVBi(4,4’−ビス(1,1−ビスージフェニルエテニル)ビフェニル)、BND(2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール)、DTVBi(4,4’−ビス(1,1−ビス(4−メチルフェニル)エテニル)ビフェニル)、BBD(2,5−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール)などを挙げることができる。
また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、フェナンソロリン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン誘導体、フルオレン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ヒドロキシキノリン誘導体などを挙げることができる。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子輸送層132dの膜厚は、特に限定されないが、1nm〜100nmの範囲にあることが好ましく、5nm〜50nmの範囲にあることがより好ましい。
[電子注入層]
電子注入層132eは、気相プロセスを用いて形成され、対向電極134から電子輸送層132dへの電子の注入効率を向上させる機能を有するものである。
この電子注入層132eの構成材料(電子注入材料)としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の化合物を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、例えば、Mg、Ca、Sr、Baが挙げられる。
アルカリ金属の化合物としては、例えば、LiF、Li2CO3、LiCl、NaF、Na2CO3、NaCl、CsF、Cs2CO3、CsClなどのアルカリ金属塩が挙げられる。また、アルカリ土類金属の化合物としては、例えば、CaF2、CaCO3、SrF2、SrCO3、BaF2、BaCO3などのアルカリ土類金属塩が挙げられる。
電子注入層132eの膜厚は、特に限定されないが、0.01nm〜10nmの範囲であることが好ましく、0.1nm〜5nmの範囲であることがより好ましい。
[陰極]
陰極としての対向電極134は、電子注入層132eに電子を注入する電極である。
この対向電極134の構成材料としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。また、蒸着法などの気相プロセスを用いて形成し得るように、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rb、Auまたはこれらを含む合金等が用いられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
特に、本実施形態のように、ボトムエミッション構造の有機EL装置100とする場合、対向電極134には光透過性が求められず、対向電極134の構成材料としては、例えば、Al、Ag、AlAg、AlNd等の金属または合金が好ましく用いられる。このような金属または合金を対向電極134の構成材料として用いることにより、対向電極134の電子注入効率及び安定性の向上を図ることができる。
ボトムエミッション構造における対向電極134の膜厚は、特に限定されないが、50nm〜1000nmの範囲にあることが好ましく、100nm〜500nmの範囲にあることがより好ましい。
有機EL装置100をトップエミッション構造とする場合、対向電極134の構成材料としては、MgAg、MgAl、MgAu、AlAg等の金属または合金を用いるのが好ましい。このような金属または合金を対向電極134の構成材料として用いることにより、対向電極134の光透過性を維持しつつ、対向電極134の電子注入効率及び安定性の向上を図ることができる。
トップエミッション構造における対向電極134の膜厚は、特に限定されないが、1nm〜50nmの範囲にあることが好ましく、5nm〜20nmの範囲にあることがより好ましい。
なお、上記有機EL素子130R,130G,130Bの画素電極131R,131G,131Bから対向電極134の間の各層の間には、キャリアの移動を制御するための任意の層が設けられていてもよい。
機能層132R,132G,132Bに含まれる正孔注入層132a、正孔輸送層132b、発光層132cR,132cGを形成する際に用いられる液相プロセスとしては、インクジェットヘッドのノズルから溶液(インク)を液滴として吐出する液滴吐出法(インクジェット法)を用いることが好ましい。液滴吐出法(インクジェット法)によれば、所望の膜形成領域に所定量の溶液を液滴として精度よく吐出することができる。液滴吐出法(インクジェット法)以外の液相プロセスとしては、スピンコート法(パイロゾル法)、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などを挙げることができる。
気相プロセスとしては、蒸着法、スパッタ法、イオンビーム法などを挙げることができる。成膜時に先に形成された膜に熱などの影響を与え難い点で蒸着法を用いることが好ましい。
<有機EL素子の製造方法>
次に、本実施形態の有機EL素子の製造方法について、図5〜図6を参照して説明する。図5(a)〜(e)及び図6(f)〜(h)は有機EL素子の製造方法を示す概略断面図である。本実施形態の有機EL素子の製造方法は、本発明のインクの評価方法が適用されたものである。したがって、機能層132のうち正孔注入層132a、正孔輸送層132b、発光層132cRが液相プロセスによって形成される有機EL素子130Rを例に挙げて説明する。すなわち、図5及び図6は有機EL素子130Rの製造方法を示すものである。
まず、図5(a)に示すように、画素電極131Rの周囲(外縁部分)を覆って、画素電極131Rが設けられた領域を区画する隔壁133を形成する(隔壁形成工程)。隔壁133で区画された領域が機能層形成材料を含む溶液(インク)が塗布される膜形成領域となる。
隔壁133の具体的な形成方法としては、画素電極131Rが設けられた素子基板101の表面を覆って、例えば多官能アクリル系樹脂が含まれた溶液をスピンコート法などの方法により塗布して乾燥し、感光性樹脂層を形成する。その後、フォトリソグラフィ法により感光性樹脂層をパターニングして隔壁133を形成する方法が挙げられる。
画素電極131Rを含む膜形成領域に、後の工程で上記溶液(インク)を塗布することから、上記溶液(インク)に対して隔壁133の表面が撥液性を示し、被吐出物の一例である画素電極131Rの表面が親液性を示すように表面処理が施される。
表面処理の方法としては、まず酸素を処理ガスとしてプラズマ処理し、画素電極131Rの表面と隔壁133の表面(壁面を含む)を活性化させ親液化する。続いて、CF4などのフッ素系処理ガスを用いてプラズマ処理する。これにより、アクリル系樹脂からなる隔壁133の表面のみにフッ素系処理ガスが反応して、隔壁133の表面を選択的に撥液化する方法が挙げられる。
なお、表面が撥液性を有する隔壁133の形成方法は、これに限定されず、例えば、フッ素系の撥液性材料を含んだ多官能アクリル系樹脂を用いて隔壁133を形成する方法を採用してもよい。
次に、正孔注入層形成工程では、図5(b)に示すように、隔壁133で区画された膜形成領域のそれぞれに、正孔注入材料を含む溶液(インク)60を塗布する。溶液(インク)60の塗布は、インクジェットヘッド50と素子基板101とを対向配置して、相対的に移動させる間に、インクジェットヘッド50のノズルから溶液(インク)60を液滴として吐出するインクジェット法(液滴吐出法)を用いる。塗布された溶液(インク)60は、隔壁133で区画された膜形成領域に充填されて界面張力により盛り上がる。そして、塗布された溶液(インク)60を例えば大気雰囲気下で加熱・乾燥して、図5(c)に示すように画素電極131Rに接した正孔注入層132aを形成する。また、本実施形態では、乾燥後の正孔注入層132aの膜厚がおよそ130nmとなるように、インクジェットヘッド50から所定量の溶液(インク)60を液滴として膜形成領域に吐出した。
溶液(インク)60は、例えば溶媒としての3−フェノキシトルエンに正孔注入材料であるポリビニルカルバゾール(PVK)を2.0wt%程度の濃度で溶解させたものである。正孔注入層形成工程における被吐出物は、画素電極131Rである。
次に、正孔輸送層形成工程では、図5(d)に示すように、隔壁133で区画された膜形成領域に正孔輸送材料を含む溶液(インク)70を塗布する。溶液(インク)70の塗布もインクジェットヘッド50を用いる。溶液(インク)70は、例えば正孔輸送材料としてのポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4' −(N−(4−sec−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)](TFB)を1.5wt%〜2.0wt%の濃度範囲で含んだ3−フェノキシトルエン溶液を用いる。塗布された溶液(インク)70は、隔壁133で区画された膜形成領域に充填されて界面張力により盛り上がる。そして、塗布された溶液(インク)70を例えば窒素雰囲気下で加熱・乾燥して、図5(e)に示すように、正孔注入層132aに接した正孔輸送層132bを形成する。乾燥後の正孔輸送層132bの膜厚がおよそ20nmとなるように、インクジェットヘッド50から所定量の上記溶液(インク)70を液滴として吐出した。正孔輸送層形成工程における被吐出物は、正孔注入層132aである。
次に、発光層形成工程では、図6(f)に示すように、隔壁133で区画された膜形成領域に発光層形成材料を含む溶液(インク)80Rを塗布する。溶液(インク)80Rの塗布もインクジェットヘッド50を用いる。溶液(インク)80Rは、例えば前述したホスト材料に、赤色の発光が得られる発光材料が加えられた発光層形成材料を1.0wt%〜2.0wt%の濃度で含む3−フェノキシトルエン溶液を用いる。塗布された溶液(インク)80Rは、隔壁133で区画された膜形成領域に充填されて界面張力により盛り上がる。そして、塗布された溶液(インク)80Rを例えば5Pa以下の真空度で減圧乾燥を30分行った後に、乾燥機(オーブン)にて窒素雰囲気中で130℃、10分間乾燥して、図6(g)に示すように正孔輸送層132bに接した発光層132cRを形成する。乾燥後の発光層132cRの膜厚がおよそ45nmとなるように、インクジェットヘッド50から所定量の上記溶液(インク)80Rを液滴として吐出した。発光層形成工程における被吐出物は、正孔輸送層132bである。
次に、気相プロセスにより、発光層132cB、電子輸送層132d、電子注入層132e、陰極としての対向電極134を形成する。具体的には、前述した各層の材料を例えば真空蒸着法により逐次成膜して、図6(h)に示すように、隔壁133で区画された膜形成領域と、露出した隔壁133の表面とを覆って、各層を積層形成する。特に、機能層132の熱による損傷を防止できるという点では、対向電極134を真空蒸着法で形成することが好ましい。また、機能層132に外部から水分や酸素などのガスが浸入して、機能層132の発光機能や発光寿命が低下することを防ぐために、対向電極134の表面を覆うように、ガスバリア性を有する例えばシリコンの酸化物や窒化物あるいはシリコンの酸窒化物などの無機材料を成膜してもよい。これにより、有機EL素子130Rができあがる。
なお、有機EL装置100における有機EL素子130Gの製造方法は、上記有機EL素子130Rの製造方法を適用し、発光層形成工程において緑色の発光が得られる発光材料とホスト材料とが加えられた発光層形成材料を含む溶液(インク)80Gを用いる。発光層形成工程以外の工程は同じである。また、有機EL装置100における有機EL素子130Bの製造方法は、上記有機EL素子130Rの製造方法を適用し、発光層形成工程において、発光層132cBを気相プロセスで形成する以外は、正孔注入層132a、正孔輸送層132b、電子輸送層132d、電子注入層132e、対向電極134の各薄膜層を形成する工程は同じである。
<インクの評価方法>
次に、本実施形態のインクの評価方法について、図7〜図9を参照して説明する。図7(a)は試験用基板における膜形成領域の構成を示す概略平面図、図7(b)は図7(a)のA−A’線に沿った試験用基板の構造を示す概略断面図である。図8は膜形成領域に着弾した液滴の様子を示す概略平面図、図9は静滴法による接触角の測定方法を示す図である。
上記有機EL素子130Rの製造方法では、液滴吐出法(インクジェット法)を用いて、正孔注入層132a、正孔輸送層132b、発光層132cRがそれぞれ形成される。これらの薄膜層の形成工程では、隔壁133により区画された膜形成領域に、所定量の上記溶液(インク)60,70,80Rがインクジェットヘッド50のノズルから液滴としてそれぞれ塗布される。所定量の上記溶液(インク)を精度よく膜形成領域に塗布する観点から、上記溶液(インク)の粘度は20mPa・s(ミリパスカル・秒)以下であることが好ましい。また、インクジェットヘッド50のノズルから吐出される1滴の液滴の量(以降、液滴の吐出量と称す)は、溶液(インク)の粘度や、インクジェットヘッド50におけるアクチュエーターの構成にもよるが、できる限り小さいことが好ましく、具体的には5pl〜12pl(ピコリットル)であることが好ましい。
加えて、所定量の上記溶液(インク)を液滴として安定的に膜形成領域に吐出する観点から、インクジェットヘッド50のノズルにおいて上記溶液(インク)が乾燥して目詰まりなどが生じ難くなるように、上記溶液(インク)の含まれる良溶媒の沸点は、200℃以上であることが好ましい。良溶媒とは機能層形成材料を少なくとも0.1g/L以上溶解可能な溶媒を指す。
このような液滴としての吐出性を満足する上記溶液(インク)であったとしても、膜形成領域の被吐出物に液滴が着弾した後に濡れ拡がらなかったり、先に着弾した液滴に対して後から着弾した液滴が混じり合ったときに凝集したりすると、塗布ムラが生ずるおそれがある。また、膜形成領域に塗布された所定量の上記溶液(インク)は、撥液性を有する隔壁133と接することで上述したように界面張力によって盛り上がる。ところが、上記溶液(インク)に対する隔壁133の撥液性が不十分な場合には、界面張力の働きが弱まって、本来塗布されるべき膜形成領域から隣り合う膜形成領域に上記溶液(インク)が漏れてしまう。そうすると、乾燥後の薄膜層における膜厚が所望の膜厚とならない。また、上記溶液(インク)の漏れは、発光層を液滴吐出法(インクジェット法)で形成する場合には、所望の発光色が得られない原因の一つとなる。つまり、撥液性を有する隔壁133で囲まれた膜形成領域に所定量の上記溶液(インク)を確実に充填できることが望まれる。
したがって、隔壁133により区画された膜形成領域に液滴吐出法(インクジェット法)を用いて所定量の上記溶液(インク)を塗布する場合、被吐出物に対する上記溶液(インク)の親液性と、隔壁133に対する上記溶液(インク)の撥液性とを確保する必要がある。本実施形態では、被吐出物に対する上記溶液(インク)の親液性と、隔壁133に対する上記溶液(インク)の撥液性とをそれぞれ、接触角として特定している。具体的には、被吐出物に対する上記溶液(インク)の接触角を5度以下とし、隔壁133に対する上記溶液(インク)の接触角を60度以上とすることが好ましい。
このように、液滴吐出法(インクジェット法)を採用するに当たり、上記溶液(インク)に求められる条件と、被吐出物や隔壁133に求められる条件とを満足させても、実際の有機EL素子130R(有機EL装置100)の製造においては、予め試作を行って所望の特性を有する有機EL素子130R(有機EL装置100)を歩留まりよく製造できるか確認する必要があった。また、上記溶液(インク)、被吐出物、隔壁133の基本的な構成が同じであったとしても、例えば膜形成領域の平面的な大きさや、立体的な構造が異なると、再び試作を繰り返す必要があった。このような事前の確認作業は、労力を要すると共に、材料や時間などの無駄を生じさせる。
発明者は、このような液滴吐出法(インクジェット法)の採用における課題を鑑みて、上記溶液(インク)の評価を簡便に行えるインクの評価方法を開発した。具体的には、種々の上記溶液(インク)を試験用基板に液滴として吐出したときの着弾状態と、成膜状態とを観察して分析することにより、隔壁に対する上記溶液(インク)の接触角が60度以上であり、膜形成領域の被吐出物に対する上記溶液(インク)の接触角が5度以下であって、上記溶液(インク)を液滴として隔壁に着弾させたときの着弾半径をAとし、上記溶液(インク)を液滴として被吐出物に着弾させたときの着弾半径をBとするとき、B/A≧2.5の関係を満たす上記溶液(インク)が好ましい溶液(良インク)であることを見出した。以降、機能層形成材料を含む溶液をインクとして称して統一する。
図7(a)及び(b)に示すように、試験用基板TPは、平板状の基材P1と、基材P1の一方の表面を覆う導電膜F1と、導電膜F1上において所定の大きさの膜形成領域Faを囲むように設けられた隔壁Paとを有している。
導電膜F1は、有機EL素子130における画素電極131と同じ材料が用いられている。また、隔壁Paも有機EL装置100における隔壁133と同じ材料が用いられている。さらに、前述した隔壁形成工程と同様にして、隔壁Paがフォトリソグラフィ法により形成され、膜形成領域Faにおける導電膜F1に対するインクの接触角が5度以下、隔壁Paに対するインクの接触角が60度以上となるように表面処理が施されている。
膜形成領域Faの平面形状や大きさは特に限定されるものではないが、図8に示すように、膜形成領域Faに吐出量が5〜12plの液滴を着弾させたときのドットDの着弾半径を計測可能な程度の膜形成領域Faの大きさ(図8では、膜形成領域Faは矩形状(略長方形)であって、X方向の長さがL1、Y方向の長さがX方向の長さL1よりも大きなL2とした)であることが好ましい。この場合、L1は100μm、L2は300μmである。
被吐出物あるいは隔壁Paに対するインクの接触角を求める方法としては、例えばJIS R 3257(1999)に示されているように、静滴法を用いることができる。図9に示すように、基板上に形成された被吐出物の上に評価用のインクを滴下する。滴下されたインクの体積が4μl(マイクロリットル)以下ならば液滴を球の一部として見なすことができる。
被吐出物上におけるインクの接触角θは、以下の数式で与えられる。
θ=2tan−1h/r (hは液滴の高さ、rは被吐出物上における液滴の半径)
例えば、光学的に被吐出物上の液滴(つまり前述したドットD)を撮像して、液滴の高さhと半径rとを計測すれば、接触角θを求めることができる。あるいは、被吐出物と液滴との接点Pと頂点Tとを結ぶ線分PTと被吐出物の表面とがなす角度を求めれば、その角度がθ/2であることから接触角θを求めることができる。
以降、具体的なインクの構成及び被吐出物の実施例、比較例とその評価結果を示して、本実施形態のインクの評価方法が有効であることを説明する。
図10は実施例及び比較例における被吐出物とインク構成とを示す表、図11は実施例及び比較例における評価結果を示す表である。実施例及び比較例はいずれも上述した試験用基板TPを用いて、隔壁Paにより区画された膜形成領域Faにインクを液滴として吐出し、被吐出物に着弾した上記液滴の着弾半径を計測した。また、隔壁Paにインクを液滴として吐出し、隔壁Paに着弾した上記液滴の着弾半径を計測した。さらに、実際に、有機EL素子130を形成して発光状態(発光ムラ)を評価した。
発光状態の具体的な評価の仕方は、任意の発光画素(有機EL素子130)について発光プロファイルを取り、最も輝度(発光強度)の高いところを「1.0」として規格化した際に、発光画素面積に対して発光強度が0.8以上ある部分の面積の占有率が50%以上であるときに、発光ムラが認められないとしてその評価を「○」とした。また、発光画素面積に対して発光強度が0.8以上ある部分の面積の占有率が50%未満であるときに、発光ムラが認められるとしてその評価を「×」とした。試験用基板TPを用いた場合、発光画素面積は、ほぼ膜形成領域Faの面積に相当する。
(実施例1)
実施例1は、試験用基板TPの導電膜F1をITO膜(陽極を想定)で形成して被吐出物とした。そして、隔壁Paによって区画された膜形成領域Faに固形分としての正孔注入材料を2.1wt%含有する3−フェノキシトルエン溶液(インク)を液滴として吐出して、正孔注入層(HIL)を形成した。正孔注入材料は、ポリビニルカルバゾール(PVK)である。機能層132のうち正孔注入層を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、実施例1のインクの粘度は、およそ5mPa・sであり、沸点は273℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに31個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は6.9m/s(メーター/秒)であった。
(実施例2)
実施例2は、試験用基板TPの隔壁Paによって区画された膜形成領域Faに予め正孔注入層を形成し被吐出物とした。そして、膜形成領域Faに固形分としての正孔輸送材料を1.5wt%含有する3−フェノキシトルエン溶液(インク)を液滴として吐出して、上記正孔注入層に積層して正孔輸送層(HTL)を形成した。正孔注入層(HIL)は、ポリビニルカルバゾール(PVK)を含んで形成されており、正孔輸送材料はポリトリフェニルジアミン(Poly−TPD)である。機能層132のうち正孔輸送層を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、実施例2のインクの粘度は、およそ7mPa・sであり、沸点は273℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに35個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は7.0m/s(メーター/秒)であった。
(実施例3)
実施例3は、試験用基板TPの隔壁Paによって区画された膜形成領域Faに予め正孔注入層を形成し被吐出物とした。そして、膜形成領域Faに固形分としての正孔輸送材料を1.9wt%含有する3−フェノキシトルエン溶液(インク)を液滴として吐出して、上記正孔注入層に積層して正孔輸送層(HTL)を形成した。正孔注入層(HIL)は、ポリビニルカルバゾール(PVK)を含んで形成されており、正孔輸送材料はポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4'−(N−(4−sec−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)](TFB)である。機能層132のうち正孔輸送層を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、実施例3のインクの粘度は、およそ6mPa・sであり、沸点は273℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに32個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は6.8m/s(メーター/秒)であった。つまり、実施例3は、実施例2に対して正孔輸送材料を異ならせたものである。
(実施例4)
実施例4は、試験用基板TPの膜形成領域Faに予め正孔輸送層を形成し被吐出物とした。そして、膜形成領域Faに固形分としての発光層形成材料を1.8wt%含有する3−フェノキシトルエン溶液(インク)を液滴として吐出して、上記正孔輸送層(HTL)に積層して発光層(EML)を形成した。上記正孔輸送層(HTL)はPoly−TPDを含んで形成されており、発光層形成材料は、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセンである。機能層132のうち正孔輸送層、発光層を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、実施例4のインクの粘度は、およそ8mPa・sであり、沸点は273℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに20個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は6.6m/s(メーター/秒)であった。
(実施例5)
実施例5は、試験用基板TPの膜形成領域Faに予め正孔輸送層を形成し被吐出物とした。そして、膜形成領域Faに固形分としての発光層形成材料を1.6wt%含有する3−フェノキシトルエン溶液(インク)を液滴として吐出して、上記正孔輸送層(HTL)に積層して発光層(EML)を形成した。上記正孔輸送層(HTL)はPoly−TPDを含んで形成されており、発光層形成材料は、前述した発光材料としてのADS108GE(Poly[{9,9-dioctyl-2,7-divinylene-fluorenylene}-alt-co-{2-methoxy-5-(2-ethylhexyloxy)-1,4-phenylene}])とホスト材料とを含むものである。機能層132のうち正孔輸送層、発光層を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、実施例5のインクの粘度は、およそ9mPa・sであり、沸点は273℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに32個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は7.0m/s(メーター/秒)であった。
(実施例6)
実施例6は、試験用基板TPの膜形成領域Faに予め正孔輸送層を形成し被吐出物とした。そして、膜形成領域Faに固形分としての発光層形成材料を1.8wt%含有する3−フェノキシトルエン溶液(インク)を液滴として吐出して、上記正孔輸送層(HTL)に積層して発光層(EML)を形成した。上記正孔輸送層(HTL)はTFBを含んで形成されており、発光層形成材料は、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセンである。機能層132のうち正孔輸送層、発光層を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、実施例6のインクの粘度は、およそ8mPa・sであり、沸点は273℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに30個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は7.2m/s(メーター/秒)であった。つまり、実施例6は実施例4に対して正孔輸送材料を異ならせたものである。
(実施例7)
実施例7は、試験用基板TPの膜形成領域Faに予め正孔輸送層を形成し被吐出物とした。そして、膜形成領域Faに固形分としての発光層形成材料を1.6wt%含有する3−フェノキシトルエン溶液(インク)を液滴として吐出して、上記正孔輸送層(HTL)に積層して発光層(EML)を形成した。上記正孔輸送層(HTL)はTFBを含んで形成されており、発光層形成材料は、前述した発光材料としてのADS108GE(Poly[{9,9-dioctyl-2,7-divinylene-fluorenylene}-alt-co-{2-methoxy-5-(2-ethylhexyloxy)-1,4-phenylene}])とホスト材料とを含むものである。機能層132のうち正孔輸送層、発光層を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、実施例7のインクの粘度は、およそ9mPa・sであり、沸点は273℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに32個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は7.1m/s(メーター/秒)であった。つまり、実施例7は実施例5に対して正孔輸送材料を異ならせたものである。
(比較例1)
比較例1は、試験用基板TPの導電膜F1をITO膜(陽極を想定)で形成して被吐出物とした。そして、隔壁Paによって区画された膜形成領域Faに固形分としての正孔注入材料を10wt%含有する3−フェノキシトルエン溶液(インク)を液滴として吐出して、正孔注入層(HIL)を形成した。正孔注入材料は、ポリビニルカルバゾール(PVK)である。機能層132のうち正孔注入層を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、比較例1のインクの粘度は、およそ16mPa・sであり、沸点は273℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに6個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は6.8m/s(メーター/秒)であった。つまり、比較例1は、実施例1に対して正孔注入材料の濃度を高めたものである。
(比較例2)
比較例2は、試験用基板TPの導電膜F1をITO膜(陽極を想定)で形成して被吐出物とした。そして、隔壁Paによって区画された膜形成領域Faに固形分としての正孔注入材料を2.1wt%含有するジエチレングリコールブチルメチルエーテル溶液(インク)を液滴として吐出して、正孔注入層(HIL)を形成した。正孔注入材料は、ポリビニルカルバゾール(PVK)である。機能層132のうち正孔注入層(HIL)を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、比較例2のインクの粘度は、およそ10mPa・sであり、沸点は212℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに31個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は6.7m/s(メーター/秒)であった。つまり、比較例2は、実施例1に対して沸点が低い溶媒を用いたものである。
(比較例3)
比較例3は、試験用基板TPの導電膜F1をITO膜(陽極を想定)で形成して被吐出物とした。そして、隔壁Paによって区画された膜形成領域Faに固形分としての正孔注入材料を2.1wt%含有するm−(4−フルオロフェニキシ)トルエン溶液(インク)を液滴として吐出して、正孔注入層(HIL)を形成した。正孔注入材料は、ポリビニルカルバゾール(PVK)である。機能層132のうち正孔注入層を除く他の薄膜層の構成や形成方法は、上述した有機EL素子130の製造方法を適用している。図10に示すように、比較例3のインクの粘度は、およそ10mPa・sであり、沸点は273℃である。また、液滴の吐出量を5plとして膜形成領域Faに31個の液滴を吐出した。このときの液滴の吐出速度は6.9m/s(メーター/秒)であった。つまり、比較例3は、実施例1に対して沸点は同じであるが、異なる溶媒を用いたものである。
実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例3の評価結果について、図11を参照して説明する。
実施例1のインクの隔壁Paに対する接触角は60度であり、被吐出物であるITO膜に対する接触角は4.8度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aは17μmであり、インクが膜形成領域Fa(ITO膜)に着弾したときの着弾半径Bは42.5μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は2.5である。
実施例2のインクの隔壁Paに対する接触角は76度であり、被吐出物である正孔注入層(HIL)に対する接触角は4.0度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aは15μmであり、インクが膜形成領域Fa(正孔注入層)に着弾したときの着弾半径Bは45μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は3.0である。
実施例3のインクの隔壁Paに対する接触角は68度であり、被吐出物である正孔注入層に対する接触角は2.9度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aは16μmであり、インクが膜形成領域Fa(正孔注入層)に着弾したときの着弾半径Bは50μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は3.1である。
実施例4のインクの隔壁Paに対する接触角は60度であり、被吐出物である正孔輸送層に対する接触角は3.3度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aは17μmであり、インクが膜形成領域Fa(正孔輸送層)に着弾したときの着弾半径Bは48μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は2.8である。
実施例5のインクの隔壁Paに対する接触角は60度であり、被吐出物である正孔輸送層に対する接触角は2.8度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aは17μmであり、インクが膜形成領域Fa(正孔輸送層)に着弾したときの着弾半径Bは51μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は3.0である。
実施例6のインクの隔壁Paに対する接触角は68度であり、被吐出物である正孔輸送層に対する接触角は3.8度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aは16μmであり、インクが膜形成領域Fa(正孔輸送層)に着弾したときの着弾半径Bは46μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は2.9である。
実施例7のインクの隔壁Paに対する接触角は60度であり、被吐出物である正孔輸送層に対する接触角は4.6度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aは17μmであり、インクが膜形成領域Fa(正孔輸送層)に着弾したときの着弾半径Bは43μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は2.5である。
実施例1〜実施例7によれば、それぞれのインクの隔壁Paに対する接触角は60度以上であり、膜形成領域Faにおける被吐出物に対する接触角は5度以下である。また、着弾半径の比(B/A)は2.5以上である。これらのインクを用いれば、所定量のインクを膜形成領域Faに溢れることなく充填でき、且つ液滴として吐出されたインクは膜形成領域Faにムラ無く濡れ拡がる。したがって、乾燥後に所望の膜厚を有する薄膜層を形成できた。該薄膜層を有する有機EL素子は、発光ムラが認められず、良好な発光特性が得られた。
比較例1のインクの隔壁Paに対する接触角は47度であり、被吐出物であるITO膜に対する接触角は4.0度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aは実施例1よりも大きい19μmであり、インクが膜形成領域Fa(ITO膜)に着弾したときの着弾半径Bは45μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は2.4である。
比較例2のインクの隔壁Paに対する接触角は32度であり、被吐出物であるITO膜に対する接触角は1.9度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aはやはり実施例1よりも大きい22μmであり、インクが膜形成領域Fa(ITO膜)に着弾したときの着弾半径Bは58μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は2.6である。
比較例1または比較例2のインクを用いると、所定量のインクを隔壁Paで囲まれた膜形成領域に確実に充填することが困難になり、一部は隣り合う膜形成領域Faに漏れた。それゆえに、乾燥後の正孔注入層に膜厚ムラが生じた。該正孔注入層を有する有機EL素子は、発光ムラが認められた。
比較例3のインクの隔壁Paに対する接触角は76度であり、被吐出物であるITO膜に対する接触角は5.7度であった。インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径Aは15μmであり、インクが膜形成領域Fa(ITO膜)に着弾したときの着弾半径Bは40μmであった。したがって、着弾半径の比(B/A)は2.7である。このインクを用いると、吐出された液滴同士が凝集して膜形成領域Faに亘って濡れ広がり難く、乾燥後の正孔注入層に膜厚ムラが生じた。それゆえに、該正孔注入層を有する有機EL素子は、発光ムラが認められた。
実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例3の評価結果によれば、使用するインクの隔壁Paに対する接触角が60度以上であり、同じく被吐出物に対する接触角が5度以下であって、インクが隔壁Paに着弾したときの着弾半径をAとし、インクが膜形成領域Faの被吐出物に着弾したときの着弾半径をBとするときの着弾半径の比(B/A)が2.5以上のインクを用いて機能層132のうちの少なくとも1つの薄膜層を形成すれば、インクの塗布性に起因する塗布ムラを抑えて薄膜層を形成できる。すなわち、当該インクを良インクと判定できる。
つまり、本実施形態のインクの評価方法を用いれば、実際に有機EL素子130を素子基板101に形成する前に、試験用基板TPを用いて予め使用するインクが良インクか否か判定することができる。予め評価したインクを用いることにより、所望の発光特性(発光輝度や発光寿命など)を有する有機EL素子130を効率的に、且つ歩留まりよく製造することができる。
上記インクの評価方法を用いて評価を行った結果、良インクと判定されなかった場合には、インクの粘度、溶媒の構成、液滴の吐出速度のうち少なくとも1つの条件を見直すことにより、上述した良インクとしての条件を満たすことができる。インクの粘度や溶媒の構成は、膜形成領域Faに着弾した後のインクの濡れ拡がり性や凝集性、隔壁Paで囲まれた膜形成領域Faにおけるインクの充填性に影響する。また、液滴の吐出速度が早くなれば着弾半径も大きくなる傾向がある。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うインクの評価方法及び該インクの評価方法を適用する機能素子の製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)本発明のインクの評価方法が適用される機能素子の製造方法は、有機EL素子の製造方法に限定されない。例えば、機能素子として有機半導体素子、抵抗素子、容量素子などの回路素子を挙げることができる。
(変形例2)本発明のインクの評価方法が適用される有機EL素子130の製造方法は、画素電極131と対向電極134との間に、液相プロセスで赤または緑の発光層を形成する工程と、気相プロセスで青の発光層を形成する工程とを有することに限定されない。機能層132のうち少なくとも1つの薄膜層が液相プロセスで形成されていればよい。したがって、有機EL装置100における有機EL素子130R,130G,130Bのそれぞれが、液相プロセスで形成された発光層を有するとしてもよい。
(変形例3)上記試験用基板TPにおいて、導電膜F1は、透明性を有するITO膜であることに限定されない。不透明な例えばAlなど反射性を有する金属あるいはその合金を用いてもよい。これによれば、陽極が反射性を有するトップエミッション構造の有機EL素子の製造方法に、本発明のインクの評価方法を適合させることができる。
Fa…膜形成領域、Pa…隔壁、60,70,80R,80G…インク、100…有機EL装置、130,130R,130G,130B…有機EL素子、131…陽極としての画素電極、132…機能層、133…隔壁、134…陰極としての対向電極。

Claims (5)

  1. 撥液性を有する隔壁によって区画された膜形成領域に、機能層形成材料を含むインクを液滴吐出法により塗布して機能層を形成する場合のインクの評価方法であって、
    前記隔壁に対する前記インクの接触角が60度以上であり、
    前記膜形成領域の被吐出物に対する前記インクの接触角が5度以下であって、
    前記インクを液滴として前記隔壁に着弾させたときの着弾半径をAとし、
    前記インクを液滴として前記被吐出物に着弾させたときの着弾半径をBとするとき、
    B/A≧2.5の関係を満たす前記インクを良インクと判定し、
    前記インクが良インクと判定されなかった場合、前記インクにおける、粘度、溶媒の構成、前記液滴の吐出速度のうち少なくとも1つの条件を見直すことを特徴とするインクの評価方法。
  2. 前記インクの粘度が、20mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクの評価方法。
  3. 前記インクは、前記機能層形成材料を溶解させる良溶媒を含み、
    前記良溶媒の沸点が200℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクの評価方法。
  4. 機能層を含む機能素子の製造方法であって、
    撥液性を有する隔壁によって区画された膜形成領域に、機能層形成材料を含む所定量のインクを液滴として吐出する工程と、
    吐出された前記インクを固化して前記膜形成領域に前記機能層を形成する工程と、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載されたインクの評価方法を用いて予め前記インクを評価し、前記B/A≧2.5の関係を満たす前記インクを良インクと判定し、前記インクが良インクと判定されなかった場合、前記インクにおける、粘度、溶媒の構成、前記液滴の吐出速度のうち少なくとも1つの条件を見直す工程と、を備えたことを特徴とする機能素子の製造方法。
  5. 陽極と陰極との間に発光機能を有する機能層を備えた有機EL素子の製造方法であって、
    撥液性を有する隔壁によって区画された膜形成領域に、機能層形成材料を含む所定量のインクを液滴として吐出する工程と、
    吐出された前記インクを固化して前記膜形成領域に前記機能層のうちの少なくとも1つの有機薄膜層を形成する工程と、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載されたインクの評価方法を用いて予め前記インクを評価し、前記B/A≧2.5の関係を満たす前記インクを良インクと判定し、前記インクが良インクと判定されなかった場合、前記インクにおける、粘度、溶媒の構成、前記液滴の吐出速度のうち少なくとも1つの条件を見直す工程と、を備えたことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
JP2013215262A 2013-10-16 2013-10-16 インクの評価方法、機能素子の製造方法、有機el素子の製造方法 Active JP6287036B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013215262A JP6287036B2 (ja) 2013-10-16 2013-10-16 インクの評価方法、機能素子の製造方法、有機el素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013215262A JP6287036B2 (ja) 2013-10-16 2013-10-16 インクの評価方法、機能素子の製造方法、有機el素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015079609A JP2015079609A (ja) 2015-04-23
JP6287036B2 true JP6287036B2 (ja) 2018-03-07

Family

ID=53010890

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013215262A Active JP6287036B2 (ja) 2013-10-16 2013-10-16 インクの評価方法、機能素子の製造方法、有機el素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6287036B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018009078A (ja) 2016-07-12 2018-01-18 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 有機発光素子用インキ組成物、並びにこれを用いた有機発光素子およびその製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3601716B2 (ja) * 1998-03-17 2004-12-15 セイコーエプソン株式会社 有機el装置の製造方法
JP3743630B2 (ja) * 1998-03-17 2006-02-08 セイコーエプソン株式会社 薄膜発光素子の製造方法
JP2003229256A (ja) * 2002-02-04 2003-08-15 Seiko Epson Corp 有機el装置の製造方法及び有機el装置用インク組成物
JP4148933B2 (ja) * 2004-08-31 2008-09-10 シャープ株式会社 機能膜の製造方法、機能膜形成用塗液、機能素子、電子デバイス及び表示装置
JP2007035484A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Seiko Epson Corp 膜パターンの形成方法及びデバイスの製造方法
US8174000B2 (en) * 2009-02-11 2012-05-08 Universal Display Corporation Liquid compositions for inkjet printing of organic layers or other uses
CN102460759B (zh) * 2009-06-17 2016-12-07 通用显示公司 用于有机层的喷墨印刷或其他用途的液体组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015079609A (ja) 2015-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6578629B2 (ja) 機能層形成用インク、発光素子の製造方法
KR102215302B1 (ko) 기능층 형성용 잉크, 기능층 형성용 잉크의 제조 방법, 유기 일렉트로루미네선스 소자의 제조 방법
US8883532B2 (en) Organic EL display device and manufacturing method of the same
US20130234121A1 (en) Method of manufacturing organic el apparatus, organic el apparatus, and electronic equipment
JP2006066294A (ja) 電子装置の製造方法およびこの製造に用いる非晶質薄膜形成用インク組成物
TWI648895B (zh) 有機el元件之製造方法、有機el元件、有機el裝置、電子機器
JP6575239B2 (ja) 機能素子の製造方法
WO2011007849A1 (ja) 液柱塗布用インクおよび有機el素子の製造方法、並びに該有機el素子を有する有機el装置
JP2017022068A (ja) 有機el素子の製造方法、有機el素子の製造装置、電気光学装置および電子機器
JP6287036B2 (ja) インクの評価方法、機能素子の製造方法、有機el素子の製造方法
JP2009238708A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP6816741B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
Yamada Latest development of soluble-OLED material and its application to mid-to large-sized panel production
JP2010205528A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP2014160584A (ja) 発光装置、発光装置の製造方法、電子機器
JP2016168516A (ja) 液滴吐出装置、液滴吐出方法および膜付きデバイスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160610

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160624

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160930

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6287036

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150