JP6286904B2 - SNP(rs8103142)を検出するためのプローブ - Google Patents

SNP(rs8103142)を検出するためのプローブ Download PDF

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本発明は、C型慢性肝炎に対する治療効果に関連のあるSNP(rs8103142)を検出するためのプローブ、組成物、及びキット、並びにrs8103142の検出方法等に関する。
C型肝炎ウイルス(Hepatitis C Virus ;HCV)の感染者の70〜80%は、C型慢性肝炎に移行すると言われている。C型慢性肝炎は、さらに肝硬変や肝がんなどの重篤な疾患に移行することが知られている。
C型慢性肝炎に対する有効な治療法としては、ペグインターフェロン+リバビリン(PEG-IFN/RBV)併用療法が知られている。ただ、この治療法の効果には、IL28B遺伝子周辺のSNP(例えば、rs8103142)によって、個人差があることが報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。そこで、IL28B遺伝子周辺のSNPを効率的に検出する方法の開発が求められている。
SNPの検出方法としては、例えば、シークエンス法、DigTag2法、タックマン法等が知られている(特許文献1、非特許文献3)。
シークエンス法は、一般的に検体となるヒト遺伝子を核酸増幅し、その増幅産物の配列を同定するという方法で行う。しかし、この方法では核酸増幅産物のキャリーオーバーコンタミネーションによる誤診が発生するという懸念がある。また、検査開始から結果判明までに数時間から1日の期間が必要である。
一方、DigTag2法やタックマン法は、プローブを用いて簡便に検出できる方法であり、且つ核酸増幅と検出を同じ閉鎖系で行えばコンタミネーションを防ぐこともできる。しかしDigTag2法では、検出には2本以上のプローブが必要であり、コストがかかるという欠点がある。また、タックマン法では核酸プローブは1本だが、核酸プローブの片方の末端が蛍光で、もう片方の末端がクエンチャーで標識されている必要があり、2種類の標識によってコストがかかるという欠点がある。
特開2011-41526号公報
Ge D.et al.Nature 461,399-401,2009 Tanaka Y.et al.Nat Genet 41,1105-1109,2009 Ito K.et al.J Clin Microbiol 49,1853-1860,2011
本発明は、特定のSNP(rs8103142)を簡便に、効率的に、且つ低コストで検出できるプローブ、及び該プローブを用いたrs8103142の検出方法を提供することを1つの目的とする。
融解温度解析によってSNPを検出する場合、標識がないか又は少なくとも1種類の標識を有する1本のプローブを用いて検出することができる。しかしながら、本発明者等は、研究を進めていく中で、プローブの配列次第では、融解温度解析による当該SNPの検出精度が著しく低いという問題を見出した。
さらに鋭意研究を進めた結果、本発明者等は、驚くべきことに、メジャータイプのrs8103142を有するセンス鎖のポリヌクレオチドをプローブとして用いても、rs8103142のタイプを明確に判別できないが、rs8103142を有するアンチセンス鎖のポリヌクレオチド、またはマイナータイプのrs8103142を有するセンス鎖のポリヌクレオチドをプローブとして用いると、融解温度解析による被検体のrs8103142の検出を、簡便に、効率的に、低コストで、且つ高精度にできることを見出した。さらに、このプローブと、遺伝子の特定領域に相補的な配列を有するプライマーセットを組み合わせると、被検体由来の核酸の増幅と、該核酸に対するプローブの融解温度解析を1つの反応系で行えることを見出した。これらの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明が完成した。
即ち、代表的な本発明は以下を包含する。
項1.
下記(A)又は(B)のポリヌクレオチドからなる、rs8103142を検出するためのプローブ:
(A)配列番号3で示される塩基配列中の、5’末端から23番目の塩基を含み、且つ連続する14〜28塩基のいずれかからなるポリヌクレオチド、又は
(B)配列番号5または6で示される塩基配列中の、5’末端から17番目の塩基を含み、且つ連続する14〜28塩基のいずれかからなるポリヌクレオチド。
項2.
前記ポリヌクレオチドの塩基数が16〜24塩基のいずれかである項1に記載のプローブ。
項3.
前記(A)のポリヌクレオチドの3’末端の塩基が、配列番号3で示される塩基配列における5’末端から34番目の塩基であり、前記(B)のポリヌクレオチドの3’末端の塩基が、配列番号5または6で示される塩基配列における5’末端から26〜28及び36〜39番目のいずれかの塩基である項1又は2に記載のプローブ。
項4.
配列番号7〜21、及び23〜108のいずれかで示される塩基配列からなるポリヌクレオチドからなる、項1〜3のいずれかに記載のプローブ。
項5.
前記ポリヌクレオチドが標識されている項1〜4のいずれかに記載のプローブ。
項6.
前記標識が蛍光標識である項5に記載のプローブ。
項7.
前記ポリヌクレオチドの5’末端及び/又は3’末端が標識されており、且つ標識された末端のヌクレオチドの塩基がシトシンである、項5又は6に記載のプローブ。
項8.
下記(A)又は(B)のポリヌクレオチドを含む、被検体由来の核酸中の、rs8103142を検出するための組成物:
(A)配列番号3で示される塩基配列中の、5’末端から23番目の塩基を含み、且つ連続する14〜28塩基のいずれかからなるポリヌクレオチド、又は
(B)配列番号5または6で示される塩基配列中の、5’末端から17番目の塩基を含み、且つ連続する14〜28塩基のいずれかからなるポリヌクレオチド。
項9.
被検体由来の核酸に対する前記(A)又は(B)のポリヌクレオチドの融解温度に基づいて前記SNPを検出するための、項8に記載の組成物。
項10.
さらに、下記(C)のフォワードプライマー及び下記(D)のリバースプライマーからなる、rs8103142を含む核酸を増幅するためのプライマーセットを含む、項8又は9に記載の組成物:
(C)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から240番目〜270番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるフォワードプライマー及び
(D)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から52番目〜81番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるリバースプライマー。
項11.
下記工程2、3、及び4を含む、被検体由来の核酸中の、rs8103142を検出する方法:
(工程2)被検体由来の核酸に対する、項1〜8のいずれかに記載のプローブの融解温度を測定すること、
(工程3)工程2で測定された融解温度と、rs8103142のタイプが既知である核酸に対する前記プローブの融解温度とを比較すること、及び
(工程4)工程3の比較結果に基づいて該SNPを決定すること。
項12.
さらに、下記工程1を含む項11に記載の方法:
(工程1)rs8103142を含む核酸を増幅するためのプライマーセットを用いて、被検体の生体試料中の核酸を増幅して、被検体由来の核酸を得ること。
項13.
前記プライマーセットが、下記(C)のフォワードプライマー及び下記(D)のリバースプライマーからなる、項12に記載の方法:
(C)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から240番目〜270番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるフォワードプライマー及び
(D)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から52番目〜81番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるリバースプライマー。
項14.
工程1及び工程2が1つの反応系で行われる、項13に記載の方法。
項15.
項1〜7のいずれかに記載のプローブを含む、被検体由来の核酸中の、rs8103142を検出するためのキット。
項16.
被検体由来の核酸に対する、項1〜7のいずれかに記載のプローブの融解温度に基づいて前記SNPを検出するための、項15に記載のキット。
項17.
さらに、rs8103142を含む核酸を増幅するためのプライマーセットを含む、項15又は16に記載のキット。
項18.
前記プライマーセットが、下記(C)のフォワードプライマー及び下記(D)のリバースプライマーからなる、項17に記載の組成物:
(C)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から240番目〜270番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるフォワードプライマー及び
(D)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から52番目〜81番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるリバースプライマー。
本発明によれば、被検体のrs8103142を、簡便に、効率的に、低コストで、且つ高精度で検出できるプローブ、及び被検体のrs8103142の検出方法を提供することができる。また、このプローブと特定のプライマーセットを組み合わせて、被検体由来の核酸の増幅と、該核酸に対するプローブの融解温度解析を1つの反応形で行うことにより、被検体のrs8103142の検出を、より簡便に且つ効率的に行うことができる。
実施例1(配列番号27のプローブ)の融解曲線解析結果を示す。 実施例1(配列番号28のプローブ)の融解曲線解析結果を示す。 実施例2(配列番号11のプローブ)の融解曲線解析結果を示す。 実施例2(配列番号12のプローブ)の融解曲線解析結果を示す。 比較例1(配列番号22のプローブ)の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号1(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号2(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号3(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号4(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号5(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号6(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号7(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号8(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号9(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号10(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号11(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号12(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号13(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号14(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号15(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号16(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号17(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号18(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号19(表1))の融解曲線解析結果を示す。 実施例3(組み合わせ番号20(表1))の融解曲線解析結果を示す。
1.プローブ
(A)又は(B)のポリヌクレオチドからなる、rs8103142を検出するためのプローブについて説明する。
rs8103142は、NCBI SNP Database(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/snp/)において、登録番号rs8103142で登録されているSNPである。rs8103142は、IL28B遺伝子領域内に存在する多型であり、具体的にはIL28B遺伝子領域の一部の塩基配列を示す配列番号1の5’末端から389番目の塩基(Y)、または配列番号1に対して相補的な塩基配列を示す配列番号2の5’末端から201番目の塩基(R)の多型である。rs8103142は、YがTの場合(RがAの場合)がメジャータイプであり、YがCの場合(RがGの場合)がマイナータイプである。マイナータイプのrs8103142を染色体のどちらか一方、或いは両方に有する場合、C型慢性肝炎に対するPEG-IFN/RBV併用療法の有効性が低いことが知られている。
(A)のポリヌクレオチドは、マイナータイプのrs8103142を有するセンス鎖配列であり、配列番号3で示される塩基配列中の、5’末端から23番目の塩基を含み、且つ連続する14〜28塩基のいずれかからなるポリヌクレオチドである。(A)のポリヌクレオチドの塩基数の下限は、好ましくは15塩基であることができ、より好ましくは16塩基であることができる。(A)のポリヌクレオチドの塩基数の上限は、好ましくは26塩基であることができ、より好ましくは24塩基であることができ、さらに好ましくは22塩基であることができ、さらに好ましくは20塩基であることができる。(A)のポリヌクレオチドの塩基数の範囲は、好ましくは14〜26塩基のいずれかであることができ、より好ましくは15〜24塩基のいずれかであることができ、さらに好ましくは16〜20塩基のいずれかであることができる。
(B)のポリヌクレオチドは、rs8103142を有するアンチセンス鎖配列であり、配列番号5または6で示される塩基配列中の5’末端から17番目の塩基を含み、且つ連続する14〜28塩基のいずれかからなるポリヌクレオチドである。より高精度にrs8103142を検出できるという観点から、(B)のポリヌクレオチドは、配列番号6で示される塩基配列(メジャータイプのrs8103142を有するアンチセンス鎖配列)中の5’末端から17番目の塩基を含み、且つ連続する14〜28塩基のいずれかからなるポリヌクレオチドであることが好ましい。(B)のポリヌクレオチドの塩基数の下限は、好ましくは15塩基であることができ、より好ましくは16塩基であることができる。(B)のポリヌクレオチドの塩基数の上限は、好ましくは24塩基であることができ、より好ましくは22塩基であることができ、さらに好ましくは20塩基であることができる。(B)のポリヌクレオチドの塩基数の範囲は好ましくは15〜24塩基のいずれかであることができ、より好ましくは16〜20塩基のいずれかであることができる。
プローブは、上記(A)又は(B)のポリヌクレオチドからなる限り特に限定されるものではないが、好ましくは、(A)のポリヌクレオチドの3’末端の塩基は、配列番号3で示される塩基配列における5’末端から34番目の塩基であることができ、(B)のポリヌクレオチドの3’末端の塩基は、配列番号5または6で示される塩基配列における5’末端から26〜28及び36〜39番目のいずれかの塩基であることができる。このようなポリヌクレオチドとして、具体的には、配列番号7〜21、23〜108で示される塩基配列からなるポリヌクレオチドを例示することができる。
上記ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオチドが標識されていてもよい。ポリヌクレオチドは、公知の方法に従って、例えば標識物質を用いて標識することができる。
標識物質は、核酸の標識物質として公知のものであれば特に限定されない。標識物質としては、例えば蛍光標識が挙げられる。蛍光標識としては、後述の融解温度解析に適しているという観点から、例えば、蛍光標識されたポリヌクレオチドが1本鎖の場合は蛍光を発し、2本鎖の場合は蛍光が減少(例えば消光)するようなものが好ましい。蛍光標識としては、例えばフルオレセイン、リン光体、ローダミン、ポリメチン色素誘導体等が挙げられ、市販の蛍光標識としては、例えばBODIPY FL(商標名、モレキュラー核酸プローブ社製)、FluorePrime(商品名、アマシャムファルマシア社製)、Fluoredite(商品名、ミリポア社製)、FAM(ABI社製)、Cy3およびCy5(アマシャムファルマシア社製)、TAMRA(モレキュラー核酸プローブ社製)等が挙げられる。
標識部位は、核酸の標識部位として公知のものであれば特に限定されない。標識部位は、後述の融解温度解析に適しているという観点から、好ましくは3’末端及び/又は5’末端のヌクレオチドであることができ、より好ましくは3’末端又は5’末端のヌクレオチドであることができ、さらに好ましくは3’末端のヌクレオチドであることができる。なお、標識部位が末端のヌクレオチドである場合、後述の融解温度解析に適しているという観点から、標識されるヌクレオチドの塩基はシトシンであることが好ましい。
上記ポリヌクレオチドは、3’末端にリン酸基が付加されていてもよい。後述するように、変異の有無を検出する被検核酸(標的核酸)は、PCR等の核酸増幅法によって調製することができ、この際、本発明の核酸プローブを核酸増幅反応の反応系に共存させることができる。このような場合、核酸プローブの3’末端にリン酸基を付加させておけば、核酸プローブ自体が核酸増幅反応によって伸長することを十分に防止できる。また、3’末端に前述のような標識物質を付加することによっても、同様の効果が得られる。
上記ポリヌクレオチドからなる本発明のプローブによれば、被検体のrs8103142の検出を、簡便に、効率的に、低コストで、且つ高精度にできる。とりわけ、融解温度解析を利用してrs8103142を検出する場合には、より簡便に、より効率的に、より低コストで、且つより高精度に検出できる。したがって、本発明のプローブは、被検体由来の核酸に対する上記ポリヌクレオチドの融解温度に基づいてrs8103142を検出するという用途に適している。
本発明において、融解温度解析とは、核酸の融解温度を利用した解析手法である。ある2種類の核酸間における融解温度は、1塩基でもミスマッチがあれば、ミスマッチが無い場合と異なる温度となる。したがって、融解温度を測定することにより、1塩基の違い(SNP)を見分けることができる。
なお、融解温度の測定は、公知の方法に従って、例えば次のように行うことができる。1本鎖の核酸と2本鎖の核酸とでは、260nmの波長の吸光度が異なることが知られている。したがって、2本鎖核酸(或いは1本鎖核酸)を含む溶液を加熱(或いは冷却)していくにつれて1本鎖核酸に解離(或いは2本鎖核酸にハイブリダイズ)すると、溶液の吸光度が変化する。そこで、この溶液の加熱(或いは冷却)に伴う吸光度の変化を測定することにより、核酸の融解温度を測定することができる。また、核酸の融解温度の測定は、上記吸光度の変化の測定のみならず、他のシグナルの変化の測定によっても行うことができる。例えば、溶液中の核酸が1本鎖と2本鎖の場合とで、シグナル強度が異なる標識物質で標識した核酸を用いて、このシグナル強度の変化を測定することにより、融解温度を測定することができる。標識物質としては、前記のものを用いることができる。
「被検体由来の核酸に対する上記ポリヌクレオチドの融解温度に基づいてrs8103142を検出するという用途」は、被検体由来の核酸に対する上記ポリヌクレオチドの融解温度を上記のように測定して、得られた融解温度に従って、rs8103142がメジャータイプホモかメジャータイプとマイナータイプのヘテロか、或いはマイナータイプホモかを決定するためという用途である限り特に限定されない。例えば、rs8103142のタイプは、rs8103142のタイプが既知の核酸に対する上記ポリヌクレオチドの融解温度(対照融解温度)を予め測定しておき、この対照融解温度と、被検体由来の核酸に対する上記ポリヌクレオチドの融解温度とを比較することにより、決定することができる。
被検体由来の核酸とは、rs8103142の検出対象である検体(被検体、例えばヒト)に由来する核酸であれば特に限定されない。核酸は、例えば、1本鎖でもよいし、2本鎖でもよい。核酸の種類としては、特に制限されないが、例えば、DNAや、トータルRNA、mRNA等のRNA等があげられる。被検体由来の核酸は、被検体の生体試料に含まれている核酸そのものであってもよいが、rs8103142検出精度がより高いという観点から、被検体の生体試料中の核酸を鋳型として核酸増幅法により増幅された増幅産物が好ましい。
生体試料としては、特に制限されないが、例えば、白血球細胞等の血球試料、全血試料、口腔拭い液、咽頭拭い液等があげられる。
増幅産物の長さは、特に制限されないが、例えば、好ましい下限は30塩基であり、さらに好ましくは40塩基であり、さらに好ましくは50塩基である。また、好ましい上限は1000塩基であり、さらに好ましくは500塩基であり、さらに好ましくは300塩基である。
2.組成物
(A)又は(B)のポリヌクレオチドを含む、被検体由来の核酸中の、rs8103142を検出するための組成物について説明する。
rs8103142、ポリヌクレオチドの態様、及び適している用途等については、上記「1.プローブ」の記載と同様である。
組成物は、上記ポリヌクレオチドのみからなっていてもよいが、上記ポリヌクレオチド以外に、(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーからなるプライマーセットを含むことが好ましい。このプライマーセットは、rs8103142を含む核酸を増幅できるように設計されたプライマーセットである。
(C)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から240番目〜270番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるフォワードプライマーであり
(D)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から52番目〜81番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるリバースプライマーである。
(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーは、プライマーとしての機能を発揮できる限りにおいて、1又は複数個(2〜5個、好ましくは2〜3個)の塩基が他の塩基に置換されていてもよい。他の塩基としては、配列番号1又は配列番号2の対応する塩基と異なる塩基であれば特に限定されず、例えばアデニン、シトシン、チミン、グアニン、及びイノシン等が挙げられる。
このように、遺伝子の特定領域に相補的な配列を有するプライマーセットと、プローブである(A)又は(B)のポリヌクレオチドとの組み合わせであれば、互いの機能を阻害しない。すなわち、上記プライマーセットは上記プローブと被検体由来の核酸との結合を阻害せず、上記プローブは、上記プライマーセットによる被検体由来の核酸の増幅反応を阻害しない。したがって、上記プローブと上記プライマーセットを含む本発明の組成物によれば、被検体由来の核酸の増幅反応と、増幅された核酸に対するプローブの結合又は解離反応を1つの反応系で行うことができるため、被検体のrs8103142の検出を、より簡便に、より効率的に、より低コストでできる。
なお、上記プライマーセットによって増幅されるIL28B遺伝子領域の塩基配列は、IL28A遺伝子領域の塩基配列と非常に類似していることが報告されている。そこで、IL28A遺伝子領域を増幅せずに、IL28B遺伝子領域を特異的に増幅することが重要である。したがって、(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーは、このような類似配列(IL28A遺伝子領域)を増幅させずに、IL28B遺伝子領域を特異的に増幅させることができるように設計されていてもよい。
このような設計としては、例えば、3’末端から1〜5番目のいずれかが標的配列にのみ完全に相補的であり、且つ類似配列に対しては非相補的な塩基になるように設計することが挙げられる。また、この例の場合において、さらに、3’末端から3番目〜6番目のうち少なくとも一つの塩基が標的配列とミスマッチになるように設計してもよい。このミスマッチ塩基数は、1塩基でもよく、2塩基でもよく、3塩基でもよいが、好ましくは1塩基または2塩基である。
IL28B遺伝子領域を特異的に増幅させることができるように設計されたフォワードプライマーとしては、例えば以下の(C’)のフォワードプライマー、好ましくは以下の(C”)のフォワードプライマーが挙げられる。
(C’)以下の(C’1)〜(C’4)からなる群より選択されるフォワードプライマー:
(C’1)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から数えて269番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなるフォワードプライマー。
(C’2)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から数えて269番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなり、かつ3’末端から2番目から5番目の塩基のうち少なくとも一つの塩基が他の塩基に置換されているフォワードプライマー。
(C’3)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から数えて270番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなるフォワードプライマー。
(C’4)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から数えて270番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなり、かつ3’末端から3番目から6番目の塩基のうち少なくとも一つの塩基が他の塩基に置換されているフォワードプライマー。
(C”)以下の(C”1)〜(C”4)からなる群より選択されるフォワードプライマー:
(C”1)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から数えて269番目の塩基を3’末端として連続する25〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなるフォワードプライマー。
(C”2)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から数えて269番目の塩基を3’末端として連続する25〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなり、かつ3’末端から2番目から5番目の塩基のうち少なくとも一つの塩基が他の塩基に置換されているフォワードプライマー。
(C”3)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から数えて270番目の塩基を3’末端として連続する25〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなるフォワードプライマー。
(C”4)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から数えて270番目の塩基を3’末端として連続する25〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなり、かつ3’末端から3番目から6番目の塩基のうち少なくとも一つの塩基が他の塩基に置換されているフォワードプライマー。
(C’)のフォワードプライマー及び(C”)のフォワードプライマーにおいて、他の塩基は、配列番号1の対応する塩基と異なる塩基であれば特に限定されず、例えばアデニン、シトシン、チミン、グアニン、及びイノシン等が挙げられる。
IL28B遺伝子領域を特異的に増幅させることができるように設計されたリバースプライマーとしては、例えば以下の(D’)のリバースプライマー、より好ましくは以下の(D”)のリバースプライマーが挙げられる。
(D’)以下の(D’5)〜(D’10)からなる群より選択されるリバースプライマー。
(D’5)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて78番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなるリバースプライマー。
(D’6)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて79番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなるリバースプライマー。
(D’7)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて79番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなり、かつ3’末端から3番目から6番目の塩基のうち少なくとも一つの塩基が他の塩基に置換されているリバースプライマー。
(D’8)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて80番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなるリバースプライマー。
(D’9)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて81番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなるリバースプライマー。
(D’10)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて81番目の塩基を3’末端として連続する20〜30塩基のいずれかで示される塩基配列からなり、かつ3’末端から3番目、5番目、6番目の塩基のうち少なくとも一つの塩基が他の塩基に置換されているリバースプライマー。
(D”)以下の(D”5)〜(D”10)からなる群より選択されるリバースプライマー。
(D”5)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて78番目の塩基を3’末端として連続する20〜28塩基のいずれかで示される塩基配列からなるリバースプライマー。
(D”6)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて79番目の塩基を3’末端として連続する20〜28塩基のいずれかで示される塩基配列からなるリバースプライマー。
(D”7)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて79番目の塩基を3’末端として連続する20〜28塩基のいずれかで示される塩基配列からなり、かつ3’末端から3番目から6番目の塩基のうち少なくとも一つの塩基が他の塩基に置換されているリバースプライマー。
(D”8)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて80番目の塩基を3’末端として連続する20〜28塩基のいずれかで示される塩基配列からなるリバースプライマー。
(D”9)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて81番目の塩基を3’末端として連続する20〜28塩基のいずれかで示される塩基配列からなるリバースプライマー。
(D”10)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から数えて81番目の塩基を3’末端として連続する20〜28塩基のいずれかで示される塩基配列からなり、かつ3’末端から3番目、5番目、6番目の塩基のうち少なくとも一つの塩基が他の塩基に置換されているリバースプライマー。
(D’)のリバースプライマー及び(D”)のリバースプライマーにおいて、他の塩基は、配列番号2の対応する塩基と異なる塩基であれば特に限定されず、例えばアデニン、シトシン、チミン、グアニン、及びイノシン等が挙げられる。
(C)のフォワードプライマーとして、具体的には、配列番号109〜225のいずれかで示される塩基配列からなるフォワードプライマーが好ましく挙げられ、(D)のリバースプライマーとして、具体的には、配列番号226〜319のいずれかで示される塩基配列からなるリバースプライマーが好ましく挙げられる。
(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーの塩基数の下限は、好ましくは20塩基であり、より好ましくは21塩基であることができる。該塩基数の上限は、好ましくは30塩基であることができ、より好ましくは29塩基であることができ、さらに好ましくは28塩基であることができる。
組成物は、上記ポリヌクレオチドと被検体由来の核酸との解離(或いはハイブリダイズ)を阻害しない限りにおいて、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、DNAポリメラーゼ、緩衝剤、逆転写酵素、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、金属イオン、アミノ酸、ペプチド、抗体、BSA、水溶性タンパク質、疎水性タンパク質、脂質、糖、ポリエチレングリコール、界面活性剤、グリセロールが挙げられる。
3.検出方法
工程2、3、及び4を含む、被検体由来の核酸中の、rs8103142を検出する方法について説明する。
rs8103142等については、上記「1.プローブ」及び「2.組成物」の記載と同様である。
被検体由来の核酸は、上記「1.プローブ」の記載と同様である。被検体由来の核酸として、被検体の生体試料中の核酸を鋳型として核酸増幅法により増幅された増幅産物を採用する場合は、方法にこの増幅工程(工程1)をさらに追加してもよい。
工程1は、rs8103142を含む核酸を増幅するためのプライマーセットを用いて、被検体の生体試料中の核酸を増幅して、被検体由来の核酸を得る工程である。
プライマーセットは、rs8103142を含む核酸を増幅できる限り特に限定されない。プライマーセットとしては、好ましくは(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーからなるプライマーセットが挙げられる。(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーについては、上記「2.組成物」の記載と同様である。
生体試料は上記「1.プローブ」の記載と同様である。
増幅は、公知の方法に従って行うことができる。例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)法、NASBA(Nucleic acid sequence based amplification)法、TMA(Transcription−mediated amplification)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法等があげられるが、PCR法を用いることが好ましい。なお、これらの各方法において、増幅反応の条件は特に制限されず、従来公知の方法により行うことができる。また、増幅反応後、増幅された核酸のみを公知の方法に従って精清してもよい。
工程2は、被検体由来の核酸に対する、上記「1.プローブ」に記載のプローブの融解温度を測定する工程である。
被検体由来の核酸及び融解温度の測定は上記「1.プローブ」の記載と同様である。
工程1において、(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーからなるプライマーセットを用いる場合、被検体由来の核酸の増幅反応と、増幅された核酸に対するプローブの結合又は解離反応を1つの反応系で行うことができるため、工程1及び2を1つの反応系で行うことが好ましい。工程1及び2を1つの反応系で行うことにより、rs8103142を、より簡便に、より効率的に、且つより低コストで検出できる。
工程3は、工程2で測定された融解温度と、rs8103142が既知である核酸に対する上記「1.プローブ」に記載のプローブの融解温度とを比較する工程である。
rs8103142が既知である核酸に対する上記「1.プローブ」に記載のプローブの融解温度の測定は、工程2における、被検体由来の核酸に対する上記「1.プローブ」に記載のプローブの融解温度の測定と同様に行うことができる。なお、比較対照である、融解温度としては、融解温度の測定の結果得られた曲線(例えば横軸に温度、縦軸に1本鎖/2本鎖の状態を示す吸光度(或いは蛍光量など)を採った場合に得られる曲線)のピーク(或いはボトム)の温度を採用することが好ましい。
工程4は、工程3の比較結果に基づいて該SNPを決定する工程である。例えば、rs8103142がマイナータイプホモの核酸に対する融解温度と、被検体由来の核酸に対する融解温度が同程度の場合は、被検体のrs8103142はマイナータイプホモであると決定することができる。
マイナータイプのrs8103142を染色体のどちらか一方、或いは両方に有する場合、C型慢性肝炎に対するPEG-IFN/RBV併用療法の有効性が低いことが知られている。したがって、被検体がC型慢性肝炎患者である場合において、工程4によって被検体がメジャータイプのホモであると決定された場合には、PEG-IFN/RBV併用療法を開始(或いは継続)することが好ましく、被検体がメジャータイプとマイナータイプのヘテロ、又はマイナータイプのホモであると決定された場合には、PEG-IFN/RBV併用療法をしない(或いは停止)することが好ましい。被検体のrs8103142に従ってPEG-IFN/RBV併用療法を開始する(或いは継続)又はしない(或いは停止)することにより、PEG-IFN/RBV併用療法の効果が見込めない被検体に対するPEG-IFN/RBV併用療法による副作用を未然に防ぐことができる。
4.キット
上記「1.プローブ」に記載のプローブを含む、被検体由来の核酸中の、rs8103142を検出するためのキットについて説明する。
被検体由来の核酸、rs8103142及び適している用途等については、上記「1.プローブ」及び「2.組成物」の記載と同様である。
キットは、上記プローブ以外に、rs8103142を含む核酸を増幅するためのプライマーセットを含むことが好ましい。
このプライマーセットは、rs8103142を含む核酸を増幅できる限り特に限定されない。プライマーセットとしては、好ましくは(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーからなるプライマーセットが挙げられる。(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーについては、上記「2.組成物」の記載と同様である。
上記プローブと上記プライマーセットとは、別々の容器に含まれていてもよいし、1つの容器に含まれていてもよい。前述のように、プライマーセットとして、(C)のフォワードプライマー及び(D)のリバースプライマーからなるプライマーセットを用いる場合、被検体由来の核酸の増幅反応と、増幅された核酸に対するプローブの結合又は解離反応を1つの反応系で行うことができるため、上記プローブと上記プライマーセットは1つの容器に含まれていることが好ましい。
キットは、上記プローブ以外に、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えばDNAポリメラーゼ、緩衝剤、逆転写酵素、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、金属イオン、アミノ酸、ペプチド、抗体、BSA、水溶性タンパク質、疎水性タンパク質、脂質、糖、ポリエチレングリコール、界面活性剤、グリセロールが挙げられる。DNAポリメラーゼについては、上記「2.組成物」の記載と同様である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1.人工合成核酸を検出対象試料としたrs8103142検出実験1(プローブ:アンチセンス鎖)
ヒト染色体DNA中のrs8103142及びその周辺領域の塩基配列からなる合成1本鎖DNAを検出対象試料とし、該検出対象試料に対するプローブの融解温度に基づいて、rs8103142の検出を試みた。具体的には次のように行った。
<1-1.検出対象試料溶液の調製>
配列番号3又は4で示される塩基配列からなる1本鎖DNAを検出対象試料として用いた。配列番号3及び4で示される塩基配列中、5’末端から23番目の塩基がrs8103142である。配列番号3はマイナータイプのrs8103142を有し、配列番号4はメジャータイプのrs8103142を有する。配列番号3及び4はセンス鎖である。
該検出対象試料を10mM Tris-HCl (pH 7.5)で1.25μMなるように希釈して、検出対象試料溶液を調製した。後述の反応溶液の調製には、配列番号4の検出対象試料溶液のみ2μL(以下「MM」と示す)、配列番号3の検出対象試料溶液及び配列番号4の検出試料対象溶液をそれぞれ1μl(計2μl)(以下、「Mm」と示す)、配列番号3の検出対象試料溶液のみ2μL(以下、「mm」と示す)を用いた。
<1-2.プローブ溶液の調製>
配列番号27または28で示される塩基配列からなり、且つ3’末端がBODIPY-FLで標識された1本鎖DNAをプローブとして用いた。配列番号27はマイナータイプのrs8103142を有するアンチセンス鎖であり、配列番号28はメジャータイプのrs8103142を有するアンチセンス鎖である。各プローブを10mM Tris-HCl (pH 7.5)で10μMになるように希釈して、それぞれのプローブ溶液を調製した。
<1-3.反応溶液の調製>
以下の試薬を含む10μL反応溶液を調製した。なお、反応溶液の容量は精製水で調製した。
(a)プローブ溶液(配列番号27、28のいずれか) 0.25μL
(b)KOD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μL
(c)PPD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μL
(d)検出対象試料溶液(MM、Mm、又はmm) 2μL
<1-4.融解曲線解析>
全自動遺伝子解析装置(GENECUBE(登録商標、東洋紡製))を用いて融解曲線を求めた。具体的には、反応溶液を(94℃ 30秒)→(39℃ 30秒)→(39から75℃へ0.09℃/秒で昇温)で処理し、39℃から75℃への昇温につれて検出対象試料からプローブが解離する際に、プローブの標識から発せられる蛍光量を測定することにより、検出対象試料に対するプローブの融解曲線を求めた。
<1-5.結果>
配列番号27のプローブを用いた場合の結果を図1に、配列番号28のプローブを用いた場合の結果を図2に示す。図1、2より、配列番号27のプローブ、配列番号28のプローブのいずれを用いた場合でも、MM及びmm検出時に単一のピークが観察され、且つMm検出時に2つのピークが明確に観察されたことから、rs8103142のMM、Mm、mmの識別が可能であった。以上から、配列番号27及び28のプローブがrs8103142のSNP解析に適していることが示された。
実施例2.人工合成核酸を検出対象試料としたrs8103142検出実験2(プローブ:マイナータイプのセンス鎖)
ヒト染色体DNA中のrs8103142及びその周辺領域の塩基配列からなる合成1本鎖DNAを検出対象試料とし、該検出対象試料に対するプローブの融解温度に基づいて、rs8103142の検出を試みた。具体的には次のように行った。
<2-1.検出対象試料溶液の調製>
配列番号5又は6で示される塩基配列からなる1本鎖DNAを検出対象試料として用いた。配列番号5及び6で示される塩基配列中、5’末端から17番目の塩基がrs8103142である。配列番号5はマイナータイプのrs8103142を有し、配列番号6はメジャータイプのrs8103142を有する。配列番号5及び6はアンチセンス鎖である。
該検出対象試料を10mM Tris-HCl (pH 7.5)で1.25μMなるように希釈して、検出対象試料溶液を調製した。後述の反応溶液の調製には、配列番号6の検出対象試料溶液のみ2μL(以下「MM」と示す)、配列番号5の検出対象試料溶液及び配列番号6の検出試料対象溶液をそれぞれ1μl(計2μl)(以下、「Mm」と示す)、配列番号5の検出対象試料溶液のみ2μL(以下、「mm」と示す)を用いた。
<2-2.プローブ溶液の調製>
配列番号11又は12で示される塩基配列からなり、且つ3’末端がBODIPY-FLで標識された1本鎖DNAをプローブとして用いた。配列番号11及び12はマイナータイプのrs8103142を有するセンス鎖である。該プローブを10mM Tris-HCl (pH 7.5)で10μMになるように希釈して、プローブ溶液を調製した。
<2-3.反応溶液の調製、及び融解曲線解析>
実施例1と同様に行った。
<2-4.結果>
配列番号11のプローブを用いた場合の結果を図3に、配列番号12のプローブの結果を図4に示す。実施例1と同じく、これらのプローブを用いてもMM、Mm、mmが容易に識別できる。以上から、配列番号11及び12のプローブがrs8103142のSNP解析に適していることが示された。
比較例1.人工合成核酸を検出対象試料としたrs8103142検出実験(プローブ:メジャータイプのセンス鎖)
プローブとして、配列番号22で示される塩基配列からなり、且つ3’末端がBODIPY-FLで標識された1本鎖DNAを用いる以外は、実施例2と同様に行った。配列番号22はメジャータイプのrs8103142を有するセンス鎖である。
<3-1.結果>
結果を図5に示す。図5では、実施例1及び2とは異なり、Mm検出時に一切ヘテロピークが得られず、緩やかな単一の検出ピークしか得られなかった。このような検出ピークの出現パターンではrs8103142を明瞭に区別することが難しい。以上から、配列番号22のプローブはrs8103142の検出には適していないことが示された。配列番号22は配列番号12と同じ塩基数である。従って、プローブの塩基数の多寡は、rs8103142の検出に適しているか否かには関係ないと考えられた。
実施例3.ヒトDNAから増幅された核酸を検出対象試料としたrs8103142検出実験1
ヒトDNAから、rs8103142及びその周辺領域の塩基配列からなるDNAを増幅し、増幅された2本鎖DNAを検出対象試料として、該検出対象試料に対するプローブの融解温度に基づいてrs8103142の検出を試みた。増幅反応及び融解曲線解析は一つの反応系内で連続的に行った。具体的には次のように行った。
<4-1.ヒトDNA溶液の調製>
rs8103142のメジャータイプをホモで有することが既に確認されているヒトDNA(以下「MM」と示す)、rs8103142のメジャータイプとマイナータイプの両方を有することが既に確認されているヒトDNA(以下「Mm」と示す)、rs8103142のマイナータイプをホモで有することが既に確認されているヒトDNA(以下「mm」と示す)を用意した。各ヒトDNAを、10mM Tris-HCl(pH 7.5)で約1ng/μLとなるよう希釈して、ヒトDNA溶液を調製した。
<4-2.プライマー溶液の調製>
配列番号168、174、192、又は215で示される塩基配列からなる1本鎖DNAをフォワードプライマーとして、配列番号265、268、273、278、292、又は311で示される塩基配列からなる1本鎖DNAをフォワードプライマーとして用いた。該プライマーを10mM Tris-HCl (pH 7.5)で、フォワードプライマーについては10μMになるように、リバースプライマーについては100μMになるように希釈して、プライマー溶液を調製した。
<4-3.プローブ溶液の調製>
配列番号11又は12で示される塩基配列からなり、且つ3’末端がBODIPY-FLで標識された1本鎖DNAをプローブとして用いた。該プローブを10mM Tris-HCl (pH 7.5)で10μMになるように希釈して、プローブ溶液を調製した。
<4-4.反応溶液の調製>
以下の試薬を含む10μLの反応溶液を調製した。なお、反応溶液の容量は精製水で調製した。
(e)フォワードプライマー溶液(配列番号168、174、192、又は215) 0.4μL
(f)リバースプライマー溶液(配列番号265、268、273、278、292、又は311) 0.2μL
(g)プローブ溶液(配列番号11又は12) 0.4μL
(h)KOD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μL
(i)PPD Mix(ジーンキューブ(R)テストベーシック、東洋紡製) 3μL
(j)ヒトDNA溶液(MM、Mm、又はmm) 3μL
<4-5.増幅反応及び融解曲線解析>
全自動遺伝子解析装置(GENECUBE(登録商標、東洋紡製))を用いて増幅反応及び融解曲線解析を行った。具体的には、反応溶液を(94℃ 2分)→[(97℃ 1秒)→(60℃ 3秒)→(63℃ 5秒)]×50サイクルで処理することにより検出対象試料(rs8103142及びその周辺領域の塩基配列からなるDNA)を増幅し、続けて(94℃ 30秒)→(39℃ 30秒)→(39から75℃へ0.09℃/秒で昇温)で処理し、実施例1と同様に蛍光量を測定することにより、検出対象試料に対するプローブの融解曲線を求めた。
<4-6.結果>
反応溶液の調製に用いた、フォワードプライマー、リバースプライマー、及びプローブの組み合わせ、及び該組み合わせの融解曲線を示す図番号を表1に示す。
Figure 0006286904
図6〜図25より、増幅反応及び融解曲線解析を一つの反応系内で連続的に行って、rs8103142のメジャーホモ、ヘテロ、マイナーホモを識別できることが示された。以上から、上記プローブは核酸増幅反応後の反応産物を検出可能であること、上記プローブとプライマーを同じ反応系で混和させても核酸増幅工程および検出工程を互いに阻害しないことが示された。
配列の表示
配列表の配列番号1〜319で示される塩基配列を、表2〜13に示す。
Figure 0006286904
Figure 0006286904
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Claims (15)

  1. 配列番号11で示される塩基配列からなるポリヌクレオチドからなる、融解温度曲線解析でrs8103142を検出するためのプローブ。
  2. 前記ポリヌクレオチドが標識されている請求項1に記載のプローブ。
  3. 前記標識が蛍光標識である請求項2に記載のプローブ。
  4. 前記ポリヌクレオチドの5’末端及び/又は3’末端が標識されており、且つ標識された末端のヌクレオチドの塩基がシトシンである、請求項2又は3に記載のプローブ。
  5. 配列番号11で示される塩基配列からなるポリヌクレオチドを含む、被検体由来の核酸中の、rs8103142を融解温度曲線解析で検出するための組成物。
  6. 被検体由来の核酸に対する前記ポリヌクレオチドの融解温度に基づいて前記SNPを検出するための、請求項5に記載の組成物。
  7. さらに、下記(C)のフォワードプライマー及び下記(D)のリバースプライマーからなる、rs8103142を含む核酸を増幅するためのプライマーセットを含む、請求項5又は6に記載の組成物:
    (C)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から240番目〜270番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるフォワードプライマー及び
    (D)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から52番目〜81番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるリバースプライマー。
  8. 下記工程2、3、及び4を含む、被検体由来の核酸中の、rs8103142を検出する方法:
    (工程2)被検体由来の核酸に対する、請求項1〜4のいずれかに記載のプローブの融解温度を測定すること、
    (工程3)工程2で測定された融解温度と、rs8103142のタイプが既知である核酸に対する前記プローブの融解温度とを比較すること、及び
    (工程4)工程3の比較結果に基づいて該SNPを決定すること。
  9. さらに、下記工程1を含む請求項8に記載の方法:
    (工程1)rs8103142を含む核酸を増幅するためのプライマーセットを用いて、被検体の生体試料中の核酸を増幅して、被検体由来の核酸を得ること。
  10. 前記プライマーセットが、下記(C)のフォワードプライマー及び下記(D)のリバースプライマーからなる、請求項9に記載の方法:
    (C)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から240番目〜270番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるフォワードプライマー及び
    (D)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から52番目〜81番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるリバースプライマー。
  11. 工程1及び工程2が1つの反応系で行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1〜4のいずれかに記載のプローブを含む、被検体由来の核酸中の、rs8103142を融解温度曲線解析で検出するためのキット。
  13. 被検体由来の核酸に対する、請求項1〜4のいずれかに記載のプローブの融解温度に基づいて前記SNPを検出するための、請求項12に記載のキット。
  14. さらに、rs8103142を含む核酸を増幅するためのプライマーセットを含む、請求項12又は13に記載のキット。
  15. 前記プライマーセットが、下記(C)のフォワードプライマー及び下記(D)のリバースプライマーからなる、請求項14に記載のキット:
    (C)配列番号1で示される塩基配列の5’末端から240番目〜270番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるフォワードプライマー及び
    (D)配列番号2で示される塩基配列の5’末端から52番目〜81番目の塩基からなる塩基配列中の、連続する20〜30塩基のいずれかからなるリバースプライマー。
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