JP6284819B2 - レーザ加工方法及び装置、加飾部品の製造方法 - Google Patents

レーザ加工方法及び装置、加飾部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、部品素材の表面にレーザを照射して柄や文字を描くレーザ加工方法及び装置、そのレーザ加工方法を経て、部品素材の表面に柄や文字により装飾が施された加飾部品の製造方法に関するものである。
従来、部品素材の表面にレーザを照射して柄や文字を描くレーザ加工装置が実用化されている。レーザ加工装置は、ガルバノスキャナとレーザ発振器とを組み合わせて構成されている。ガルバノスキャナは、互いに直交する2組のガルバノミラーとそれらを駆動するモータとを備えている。このレーザ加工装置では、レーザの応答とガルバノミラーの応答とで違いがある。このため、レーザの出力と同時にスキャナをオンすると、加工線101の加工始端では、スキャナ速度が遅いため、加工幅が太くなりその加工品質が低下してしまう(図18参照)。この対策として、助走区間(助走時間ta)を設け、スキャナ速度が所定の設定速度に達するまでレーザのオンタイミングを遅らせることで、加工線101の加工始端の太りは解消する(図19参照)。
また、比較的距離の離れた2つの第1加工部及び第2加工部を順番に加工する場合、第1加工部における走査終了点から第2加工部における走査開始点にガルバノスキャナを移動させた後、ガルバノスキャナを急に停止させると、ガルバノミラーの慣性モーメントによって振動(リンギング)が発生することがある。このリンギングが収束する前にガルバノスキャナの走査を開始してレーザ加工を行うと、加工品質の低下を招いてしまう。このため、ガルバノスキャナの移動距離に応じた待ち時間を設定し、リンギングが収束してからガルバノスキャナの走査を開始するように構成したレーザ加工装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−56523号公報
ところで、特許文献1のレーザ加工装置では、ガルバノスキャナの移動距離に応じた待ち時間tr(リンギングの収束時間)を設け、走査開始点においてリンギングの収束時間trが経過した後に、ガルバノスキャナの走査を開始している(図20参照)。さらに、特許文献1のレーザ加工装置では、加工線101の加工始端の手前に助走区間が設けられており、ガルバノスキャナの走査速度が所定の設定速度に達したタイミングでレーザをオンして加工するように構成されている(図20参照)。この場合、加工線101の加工を開始する前に、リンギングの収束時間trとガルバノスキャナの助走時間taが必要となるため、加工時間が長くなってしまう。特に、繊維織布を模した絵柄(カーボン調の絵柄)などを描画する際には、加工線が数千〜数万と多くなる。このような場合、1つの製品を製造する際に、リンギングの収束時間trやガルバノスキャナの助走時間taの合計は無視できないほどの長さとなるため、加工コストが増加してしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、柄や文字を短時間で効率よく描くことができるレーザ加工方法及びその装置を提供することにある。また別の目的は、部品素材の表面に柄または文字による装飾を短時間で効率よく描くことで、その加工コストを抑えることができる加飾部品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、レーザを発生させるレーザ発生部と、互いに直交するX方向及びY方向の2組のガルバノミラーを駆動して前記レーザを偏向させるレーザ偏向部とを制御し、部品素材の表面に前記レーザを照射して柄または文字を描くレーザ加工方法であって、走査開始点から加工始端に向けてミラー指向点を走査すべく前記レーザ偏向部の駆動を開始させ、予め設定されたレーザ加工時の走査速度に達するまでの助走時間を求める助走時間算出ステップと、第1加工部の次に第2加工部を加工する場合であって、前記第1加工部の加工終端と前記第2加工部の加工始端とが非連続かつ離間しているときに、前記第1加工部の前記加工終端の延長線上にある走査終了点から前記第2加工部の前記加工始端の延長線上にある走査開始点までの移動距離を求める移動距離算出ステップと、前記走査終了点から前記ミラー指向点を移動させて前記走査開始点で停止させたときに生じる前記レーザ偏向部のリンギングの収束時間を前記移動距離の長さに応じて予測する収束時間算出ステップと、前記収束時間算出ステップで予測した前記収束時間と、前記助走時間算出ステップで求めた前記助走時間とを比較する時間比較ステップと、前記収束時間のほうが前記助走時間よりも長い場合には、前記第2加工部の前記加工始端の延長線上であって前記走査開始点よりも遠い位置に前記走査開始点を変更し、変更後の走査開始点から前記加工始端まで前記ミラー指向点を移動させるのに要する時間が前記収束時間と等しくなるようにする走査開始点変更ステップと、前記第2加工部の前記走査開始点上及び前記変更後の走査開始点上にてリンギング収束のための待ち時間を設けない態様で前記ミラー指向点を移動させるべく、前記レーザ偏向部を駆動制御するレーザ偏向部駆動制御ステップとを含むことを特徴とするレーザ加工方法をその要旨とする。
手段1に記載の発明によると、時間比較ステップにおいて、収束時間算出ステップで予測したリンギングの収束時間と、助走時間算出ステップで求めた助走時間とが比較される。その比較結果に基づいて収束時間のほうが助走時間よりも長いと判定された場合には、走査開始点変更ステップにおいて、第2加工部の加工始端の延長線上であって走査開始点よりも遠い位置に走査開始点が移動される。この結果、変更後の走査開始点から加工始端までミラー指向点を移動させるのに要する時間がリンギングの収束時間と等しくなる。一方、収束時間のほうが助走時間よりも短い場合には、走査開始点の位置は移動されることない。そして、レーザ偏向部駆動制御ステップでは、レーザ偏向部が駆動制御され、走査開始点上にてリンギング収束のための待ち時間を設けない態様でミラー指向点が移動される。このようにすると、レーザ偏向部を駆動しミラー指向点が走査開始点から加工始端まで達するまでの時間に、レーザ偏向部のリンギングが収束し、加工始端にてレーザ発生部からレーザが発生されてレーザ加工が行われる。このように、本発明では、従来技術のようにレーザ偏向部を停止させた状態でリンギングが収まるまで走査開始点で待つ必要がなく、柄や文字を短時間で効率よく描くことが可能となる。
なお、本発明において、「ミラー指向点」とは、レーザ偏向部におけるガルバノミラーの光軸が指し示す点であり、レーザ発生部からレーザが出力される場合には、部品素材の表面にてそのレーザの照射点と一致するレーザ偏向部の走査点のことをいう。
X方向及びY方向の2組のガルバノミラーを駆動してレーザを偏向させるレーザ偏向部では、X方向及びY方向の走査特性が異なる。この場合、移動距離算出ステップにおいて、走査終了点から走査開始点までのX方向の距離とY方向の距離とを求める。そして、収束時間算出ステップでは、それら距離に応じて算出されるX方向のガルバノミラーのリンギングが収束する時間とY方向のガルバノミラーのリンギングが収束する時間とを比較して長いほうの時間を収束時間として求める。このようにすると、レーザ偏向部で発生するリンギングの収束時間をより正確に求めることができる。そして、収束時間に応じて走査開始点の位置を変更することにより、リンギングによる加工品質の低下を確実に回避することができる。
レーザ偏向部によってレーザの走査が可能なレーザ照射領域は、X方向及びY方向にそれぞれ350mm以上であってもよい。また、レーザ照射領域は、X方向及びY方向にそれぞれ650mm以上であってもよい。このようにレーザ照射領域が広くなると、レーザ照射領域に応じてガルバノミラーのサイズが大きくなるため、その慣性モーメントが大きくなる。従って、レーザ偏向部の助走時間やリンギングの収束時間が長くなる。このため、リンギングの収束時間に応じて走査開始点の位置を変更することにより、リンギングが収まるのと同時にレーザ加工を行うことができ、柄や文字を短時間で効率よく描くことが可能となる。
レーザ加工方法により部品素材の表面に描かれる柄は繊維織布を模した絵柄であってもよい。具体的には、繊維織布を模した絵柄は、細長形状の複数の柄パターンを配向してなる第1ブロックと、第1ブロックを構成する柄パターンとは異なる方向に細長形状の複数の柄パターンを配向してなる第2ブロックとを複数個ずつ組み合わせたものである。この場合、絵柄を描画するために複数回のレーザ加工が必要となる。このため、本発明のレーザ加工方法を採用することで、短時間で効率よく絵柄を描画することが可能となる。
助走時間算出ステップでは、助走時間をレーザの加工条件(レーザの走査速度や加工座標などの条件)に関連付けて保持する第1パラメータテーブルを参照し、加工条件に対応する助走時間を選択することで助走時間を求めてもよい。また、収束時間算出ステップでは、収束時間を移動距離の長さに関連付けて保持する第2パラメータテーブルを参照し、移動距離の長さに対応する収束時間を選択することで収束時間を予測してもよい。このように、各パラメータテーブルを用いて助走時間を算出したり収束時間を予測したりすることで、演算処理にかかる処理負荷を低減することができる。
手段2に記載の発明は、手段1に記載のレーザ加工方法を経て、部品素材の表面に柄または文字により装飾が施された加飾部品を製造することを特徴とする加飾部品の製造方法をその要旨とする。
従って、手段2に記載の発明によると、手段1のレーザ加工方法を経て、部品素材の表面に、柄または文字の装飾を施すことにより、加飾部品を短時間で効率よく製造することができるため、加飾部品の製造コストを低く抑えることができる。
手段3に記載の発明は、レーザを発生させるレーザ発生部と、互いに直交するX方向及びY方向の2組のガルバノミラーを駆動して前記レーザを偏向させるレーザ偏向部とを制御し、部品素材の表面に前記レーザを照射して柄または文字を描くレーザ加工装置であって、走査開始点から加工始端に向けてミラー指向点を走査すべく前記レーザ偏向部の駆動を開始させ、予め設定されたレーザ加工時の走査速度に達するまでの助走時間を求める助走時間算出手段と、第1加工部の次に第2加工部を加工する場合であって、前記第1加工部の加工終端と前記第2加工部の加工始端とが非連続かつ離間しているときに、前記第1加工部の前記加工終端の延長線上にある走査終了点から前記第2加工部の前記加工始端の延長線上にある走査開始点までの移動距離を求める移動距離算出手段と、前記走査終了点から前記ミラー指向点を移動させて前記走査開始点で停止させたときに生じる前記レーザ偏向部のリンギングの収束時間を前記移動距離の長さに応じて予測する収束時間算出手段と、前記収束時間算出手段で予測した前記収束時間と、前記助走時間算出手段で求めた前記助走時間とを比較する時間比較手段と、前記収束時間のほうが前記助走時間よりも長い場合には、前記第2加工部の前記加工始端の延長線上であって前記走査開始点よりも遠い位置に前記走査開始点を変更し、変更後の走査開始点から前記加工始端まで前記ミラー指向点を移動させるのに要する時間が前記収束時間と等しくなるようにする走査開始点変更手段と、前記第2加工部の前記走査開始点上及び前記変更後の走査開始点上にてリンギング収束のための待ち時間を設けない態様で前記ミラー指向点を移動させるべく、前記レーザ偏向部を駆動制御するレーザ偏向部駆動制御手段とを備えたことを特徴とするレーザ加工装置をその要旨とする。
手段3に記載の発明によると、時間比較手段により、収束時間算出手段で予測した収束時間と、助走時間算出手段で求めた助走時間とが比較される。時間比較手段による比較結果に基づいて、収束時間のほうが助走時間よりも長いと判定された場合には、走査開始点変更手段により、第2加工部の加工始端の延長線上であって走査開始点よりも遠い位置に走査開始点が移動される。この結果、変更後の走査開始点から加工始端までミラー指向点を移動させるのに要する時間がリンギングの収束時間と等しくなる。一方、収束時間のほうが助走時間よりも短い場合には、走査開始点の位置は移動されることない。そして、レーザ偏向部駆動制御手段により、レーザ偏向部が駆動制御され、走査開始点上にてリンギング収束のための待ち時間を設けない態様でミラー指向点が移動される。このようにすると、レーザ偏向部を駆動しミラー指向点が走査開始点から加工始端まで達するまでの時間に、レーザ偏向部のリンギングが収束し、加工始端にてレーザ発生部からレーザが発生されてレーザ加工が行われる。このように、本発明のレーザ加工装置を用いると、従来技術のようにレーザ偏向部を停止させた状態でリンギングが収まるまで走査開始点で待つ必要がなく、柄や文字を短時間で効率よく描くことが可能となる。
レーザ加工装置は、助走時間をレーザの加工条件に関連付けて保持する第1パラメータテーブルと、収束時間を移動距離の長さに関連付けて保持する第2パラメータテーブルとを記憶するテーブル記憶手段をさらに備えていてもよい。この場合、助走時間算出手段は、テーブル記憶手段における第1パラメータテーブルを参照し、レーザの加工条件に対応する助走時間を選択することで助走時間を求める。また、収束時間算出手段は、テーブル記憶手段における第2パラメータテーブルを参照し、移動距離の長さに対応する収束時間を選択することで収束時間を予測する。このように、各パラメータテーブルを用いて助走時間を算出したり収束時間を予測したりすることで、演算処理にかかる処理負荷を低減することができる。
以上詳述したように、手段1または3に記載の発明によると、柄や文字を短時間で効率よく描くことができる。また、手段2に記載の発明によると、柄や文字を短時間で効率よく描くことができ、加飾部品の製造コストを低く抑えることができる。
第1の実施の形態におけるレーザ加工装置を示す概略構成図。 第1の実施の形態の車両用内装部品を示す平面図。 第1の実施の形態のレーザ加工方法を示すフローチャート。 第1の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 第1の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 第1の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 リンギングの収束時間が助走時間よりも長い場合を示す説明図。 リンギングの収束時間が助走時間よりも短い場合を示す説明図。 第2の実施の形態の車両用内装部品を示す平面図。 第2の実施の形態の車両用内装部品を示す断面図。 (a)〜(c)は、第2の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 第2の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 第2の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 第2の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 第2の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 第2の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 第2の実施の形態のレーザ加工方法を示す説明図。 従来のレーザ加工方法を示す説明図。 従来のレーザ加工方法を示す説明図。 従来のレーザ加工方法を示す説明図。
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1には、車両用内装部品1(加飾部品)を構成する樹脂成形体2(部品素材)の表面に柄または文字を描くレーザ加工装置11を示している。本実施の形態のレーザ加工装置11は、車両用内装部品1の樹脂成形体2を支持する支持台12と、樹脂成形体2の表面にレーザLを照射するレーザ照射装置13と、レーザ照射装置13を制御するための制御装置14とを備えている。
レーザ照射装置13は、レーザL(例えば波長が1064nmのYVOレーザ)を発生させるレーザ発生部21と、レーザLを偏向させるレーザ偏向部22と、レーザ発生部21及びレーザ偏向部22を制御するレーザ制御部23とを備えている。レーザ偏向部22は、レンズ24と、互いに直交するX方向及びY方向の2組のガルバノミラー25a,25bと、レンズ24やガルバノミラー25a,25bを駆動する駆動モータ(図示略)等を備える。
レーザ偏向部22は、駆動モータ等によって、レンズ24及びガルバノミラー25a,25bを駆動してレーザLを偏向させる。この結果、レーザ照射装置13から照射されるレーザLの照射位置や焦点位置を調整するようになっている。レーザ制御部23は、レーザ発生部21及びレーザ偏向部22を制御することで、レーザLの照射強度、レーザLの走査速度などのレーザ照射条件を調整する。本実施の形態のレーザ照射装置13において、レーザ偏向部22によりレーザLの走査が可能なレーザ照射領域は、X方向及びY方向にそれぞれ700mmである。
制御装置14は、CPU31、メモリ32(記憶部)及び入出力ポート33等からなる周知のコンピュータにより構成されている。制御装置14は、レーザ照射装置13に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってレーザ照射装置13を制御する。
制御装置14のメモリ32には、樹脂成形体2の表面に描く柄や文字に応じたレーザ照射を行うための描画データ(柄データ、文字データなどのデータ)が記憶されている。描画データは、CADデータを変換することによって得られるデータであり、CADデータは、樹脂成形体2の表面の形状データや柄や文字を示す画像データ等を変換することによって得られるデータである。また、メモリ32には、レーザ照射装置13のレーザ照射条件(レーザLの走査速度、レーザLの照射強度、レーザLのスポット径などの加工条件)を示すデータが予め記憶されている。制御装置14は、メモリ32に記憶されているデータに基づいてレーザ照射装置13を制御することで、樹脂成形体2の表面に柄や文字を加飾する。本実施の形態の柄や文字は、凹状に形成された複数の加工線(加工部)からなり、レーザ照射による加工(具体的には、レーザアブレーション加工)によって描画される。
本実施の形態のレーザ加工装置11は、レーザ走査時におけるガルバノミラー25a,25bの応答遅れや、ガルバノミラー25a,25bの慣性モーメントによって発生する振動(リンギング)を考慮して、柄や文字を加飾する。
次に、レーザ加工装置11を用いた車両用内装部品1のレーザ加工方法について図3のフローチャートに従って説明する。ここでは、図2に示されるように、樹脂成形体2の表面に設定された描画領域R1に、例えば「T0123」といった複数の文字からなる製造番号10を描く場合を具体例として説明する。なお、図3の処理は、制御装置14のCPU31が実行する処理であり、制御装置14に設けられているスタートボタン(図示略)を作業者が操作したときに開始される。
先ず、CPU31は、製造番号10を示す各文字について、それら文字を構成する加工線(加工部)の加工始端及び加工終端の座標を描画領域R1に設定する(ステップ100)。また、CPU31は、レーザLの加工条件に基づいて、加工線41,42に対する走査開始点S1を加工始端S2の延長線上に設定するとともに、走査終了点E1を加工終端E2の延長線上に設定する(図4参照)。なお、図4には、文字「T」を構成する2本の加工線41,42に関する走査開始点S1、走査終了点E1、加工始端S2及び加工終端E2を示しているが、他の文字についても同様に、走査開始点S1、走査終了点E1、加工始端S2及び加工終端E2を設定する。ここでは、レーザLの加工条件(加工時の走査速度や加工始端S2及び加工終端E2の座標等)に応じたガルバノミラー25a,25bの応答遅れを考慮して、走査開始点S1及び走査終了点E1の座標を設定している。
具体的には、レーザ偏向部22の駆動を開始させたとき、走査開始点S1から加工始端S2に向けてミラー指向点を走査し、そのミラー指向点が加工始端S2を通過するタイミングで予め設定されたレーザ加工時の走査速度に達するように走査開始点S1の座標が設定される。また、ミラー指向点が所定の走査速度で移動して加工終端E2に達したタイミングでレーザ偏向部22の駆動を停止させる。その際に、ミラー指向点の走査速度が所定の走査速度から減速して0となる位置に走査終了点E1の座標が設定される。なお、ステップ100で設定した各文字の加工線41,42等に対する走査開始点S1、加工始端S2、加工終端E2、走査終了点E1の座標は、製造番号10の描画データとしてメモリ32に記憶される。
次に、助走時間算出手段としてのCPU31は、走査開始点S1から加工始端S2に向けてミラー指向点を走査すべくレーザ偏向部22の駆動を開始させ、予め設定されたレーザ加工時の走査速度に達するまでの助走時間を求める(助走時間算出ステップとしてのステップ110)。走査開始点S1から加工始端S2までの助走距離及びそれに対応する助走時間は、加工時の走査速度、加工線の座標、加工線の加工方向などの加工条件によって変化する。従って、CPU31は、それら加工条件に応じて助走時間を求める。
その後、移動距離算出手段としてのCPU31は、第1加工線の次に第2加工線を加工する場合であって、第1加工線の加工終端E2と第2加工線の加工始端S2とが非連続かつ離間しているときに、第1加工線の走査終了点E1から第2加工線の走査開始点S1までの移動距離を求める(移動距離算出ステップとしてのステップ120)。具体的には、図4に示されるように、文字「T」を描く場合、横線が第1加工線41となり、縦線が第2加工線42となる。この場合、横線41(第1加工線)の走査終了点E1から縦線42(第2加工線)の走査開始点S1までの移動距離が求められる。ここで、CPU31は、第1加工線41の走査終了点E1から第2加工線52の走査開始点S1までのX方向(図4では横方向)の距離LxとY方向(図4では縦方向)の距離Lyとを求める。
また、図5に示されるように、文字「T」に続いて文字「0」を描く場合、文字「T」の縦線42が第1加工線となり文字「0」の加工線43が第2加工線となる。そして、文字「T」の縦線42(第1加工線)の走査終了点E1から文字「0」の加工線43(第2加工線)の走査開始点S1までの移動距離(X方向の距離Lx及びY方向の距離Ly)が求められる。文字「0」に続いて他の文字「1」,「2」,「3」を描く場合も同様に移動距離Lx,Lyが求められる。なお、文字「0」の加工線43では、上端の同じ位置に加工始端S2及び加工終端E2が設定されている。
次に、収束時間算出手段としてのCPU31は、第1加工線の走査終了点E1からミラー指向点を移動させて第2加工線の走査開始点S1で停止させたときに生じるレーザ偏向部22のリンギングの収束時間を移動距離Lx,Lyの長さに応じて予測する(収束時間算出ステップとしてステップ130)。ここで、CPU31は、X方向の移動距離Lxに応じて算出されるX方向のガルバノミラー25aのリンギングが収束する時間と、Y方向の移動距離Lyに応じて算出されるY方向のガルバノミラー25bのリンギングが収束する時間とを比較し、長いほうの時間をリンギングの収束時間として決定する。
その後、時間比較手段としてのCPU31は、ステップ130で予測した収束時間と、ステップ110で求めた助走時間とを比較する(時間比較ステップとしてのステップ140)。その結果、CPU31は、収束時間のほうが助走時間よりも長いと判定した場合には、図6に示されるように、第2加工線42の加工始端S2の延長線上であってステップ100で設定した走査開始点S1よりも遠い位置に走査開始点S1を変更する(走査開始点変更ステップとしてのステップ150)。この変更後には走査開始点S1から加工始端S2までミラー指向点を移動させるのに要する時間がリンギングの収束時間trと等しくなる(図7参照)。
また、CPU31は、収束時間trのほうが助走時間taよりも短いと判定した場合(図8参照)には、走査開始点S1の位置を変更せず、ステップ100での設定位置(ガルバノミラー25a,25bの応答遅れを考慮した位置)とする。この場合、走査開始点S1から加工始端S2までミラー指向点を移動させるのに要する時間が助走時間taとなる(図8参照)。
CPU31は、製造番号10の文字を構成する各加工線について、ステップ140の時間比較を行い、収束時間trのほうが長い場合には、ステップ150で走査開始点S1の位置を変更する。また、CPU31は、ステップ150で変更した走査開始点S1の座標を、製造番号10の描画データとしてメモリ32に記憶する。
その後、レーザ偏向部駆動制御手段としてのCPU31は、メモリ32に記憶されている描画データやレーザ照射条件を示すデータに基づいて、各種の駆動信号をレーザ照射装置13に出力し、駆動信号に基づいてレーザ照射装置13を制御する(レーザ偏向部駆動制御ステップとしてのステップ160)。これにより、レーザ偏向部22が駆動制御され、走査開始点S1上にてリンギング収束のための待ち時間を設けない態様でミラー指向点が移動される。このようにすると、レーザ偏向部22を駆動しミラー指向点が走査開始点S1から加工始端S2まで達するまでの時間に、レーザ偏向部22のリンギングが収束する。
より詳しくは、収束時間trのほうが助走時間taよりも長いと判定し、ステップ150で走査開始点S1の位置を変更した場合、走査開始点S1から加工始端S2までミラー指向点が移動している間にリンギングが徐々に収束し、加工始端S2にミラー指向点が達するタイミングでリンギングが収まる(図7参照)。またこのタイミングでレーザ発生部21によりレーザLがオンされてレーザ加工が行われる。
一方、収束時間trのほうが助走時間taよりも短いと判定し、ステップ150で走査開始点S1の位置を変更しない場合、走査開始点S1から加工始端S2までミラー指向点が移動しているときに(助走区間の途中で)リンギングが収まる(図8参照)。その後、ミラー指向点が加工始端S2に達する(加工時の走査速度に達する)タイミングでレーザ発生部21によりレーザLがオンされ、レーザ加工が行われる。
このようにして、各加工線41,42,43等のレーザ加工が行われる結果、製造番号10を示す「T0123」の文字が描画領域R1に描かれる。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態のレーザ加工装置11において、リンギングの収束時間trのほうがレーザ偏向部22の助走時間taよりも長いと判定した場合、CPU31により第2加工線42の加工始端S2の延長線上であって走査開始点S1よりも遠い位置に走査開始点S1が移動される。このようにすると、レーザ偏向部22を駆動しミラー指向点が走査開始点S1から加工始端S2まで達する間に、レーザ偏向部22のリンギングが収束する。この結果、従来技術のようにレーザ偏向部22を停止させた状態でリンギングが収まるまで走査開始点S1で待つ必要がなく、加工時間の短縮が可能となる。具体的には、製造番号10の各文字を加工する際に、リンギングの収束時間trのほうが助走時間taよりも長くなる場合(図8参照)、従来技術の場合(図20では収束時間tr+助走時間ta)と比較すると、助走時間taに対応する時間の短縮が可能となる。一方、リンギングの収束時間trのほうが助走時間taよりも短い場合(図9参照)、従来技術の場合と比較すると、リンギングの収束時間trに対応する時間の短縮が可能となる。このように、本実施の形態のレーザ加工方法を採用すると、製造番号10の各文字を短時間で効率よく描くことができる。この結果、車両用内装部品1の製造コストを低く抑えることができる。
(2)本実施の形態のレーザ加工装置11では、第1加工線41の走査終了点E1から第2加工線42の走査開始点S1までのX方向の距離LxとY方向の距離Lyとが求められる。そして、それら距離Lx,Lyに応じて算出されるX方向のガルバノミラー25aのリンギングが収束する時間とY方向のガルバノミラー25bのリンギングが収束する時間とを比較して長いほうの時間が収束時間trとして求められる。このようにすると、レーザ偏向部22で発生するリンギングの収束時間trをより正確に求めることができる。そして、その収束時間trに応じて走査開始点S1の位置を変更することにより、リンギングによる加工品質の低下を確実に回避することができる。
(3)本実施の形態のレーザ加工装置11において、レーザ偏向部22によってレーザLの走査が可能なレーザ照射領域は、X方向及びY方向にそれぞれ700mmであり、従来のレーザ加工装置のレーザ照射領域と比較すると、2倍以上の広さである。このようにレーザ照射領域が広くなると、レーザ照射領域に応じてガルバノミラー25a,25bのサイズが大きくなるため、その慣性モーメントが大きくなる。このため、レーザ偏向部22の助走時間taやリンギングの収束時間trが長くなる。従って、リンギングの収束時間trに応じて走査開始点S1の位置を変更することにより、リンギングが収まるのと同時にレーザ加工を行うことができ、製造番号10の各文字を短時間で効率よく描くことが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図面に基づき説明する。上記第1の実施の形態では、樹脂成形体2の表面に文字を描く場合のレーザ加工方法について説明した。これに対して、本実施の形態では、樹脂成形体2の表面に柄を描く場合のレーザ加工方法について説明する。なお、レーザ加工装置11の構成は、上記第1の実施の形態と同じである。
図9及び図10に示されるように、本実施の形態の車両用内装部品1Aは、立体的形状の樹脂成形体2Aと、その樹脂成形体2Aの表面を被覆するように形成された塗装膜3とを有し、部品表面の塗装膜3に炭素繊維織布を模したカーボン調の絵柄4が描かれている。
本実施の形態の絵柄4は、縦方向に細長形状の複数の柄パターン5を配向してなる第1ブロック6と、横方向に細長形状の複数の柄パターン7を配向してなる第2ブロック8とを複数ずつ組み合わせて描画されている。絵柄4において、第1ブロック6の柄パターン配向方向と第2ブロック8の柄パターン配向方向とは直交する関係にある。具体的には、第1ブロック6の柄パターン5は、横方向の直径よりも縦方向の直径が長い縦長の長楕円パターンであり、第2ブロック8の柄パターン7は、縦方向の直径よりも横方向の直径が長い横長の長楕円パターンである。本実施の形態の絵柄4において、各柄パターン5,7の線幅を0.05mm、長楕円パターンの短径を0.2mm、長楕円パターンの長径を4mmとしている。
本実施の形態の絵柄4において、第1ブロック6の縦幅は、長楕円パターン5の長径と等しく、第1ブロック6の縦幅と横幅との比が2:1である。また、第2ブロック8の縦幅と横幅との比は1:2である。つまり、第1ブロック6の縦幅及び第2ブロック8の横幅は4mmであり、第1ブロック6の横幅及び第2ブロック8の縦幅は2mmである。そして、複数の第1ブロック6は、横方向に1ブロック、縦方向に半ブロックずつずらした位置にそれぞれ連続して配置されている。一方、複数の第2ブロック8は、横方向に半ブロック、縦方向に1ブロックずつずらした位置にそれぞれ連続して配置されている。また、第1ブロック6と第2ブロック8とは、縦方向及び横方向に交互に配置されている。これら第1ブロック6及び第2ブロック8の長楕円パターン5,7によって、朱子織の炭素繊維織布を模した絵柄4が形成される。
次に、本実施の形態における絵柄4のレーザ加工方法について説明する。
ここでは、先ず、絵柄4を描くときの書き順について説明する。具体的には、例えば絵柄4の左上に配置される第1ブロック6の左端の長楕円パターン5から描画が開始され、第1ブロック6を構成する複数の長楕円パターン5が順次描画される(図11(a)〜(c)参照)。1つの第1ブロック6における各長楕円パターン5の描画完了後には、右下に隣接する別の第1ブロック6に移動し、同様に複数の長楕円パターン5を順次描画するといった動作を繰り返し行う(図12参照)。
そして、絵柄4の右下に位置する第1ブロック6の右端の長楕円パターン5を描画した後、第1ブロック6から最も近い位置にある第2ブロック6に移動して第2ブロック8を構成する複数の長楕円パターン7を順次描画する。1つの第2ブロック8における各長楕円パターン7の描画完了後に、左上に隣接する別の第2ブロック8に移動し、同様に複数の長楕円パターン7を順次描画するといった動作を繰り返し行う(図13参照)。
上述した書き順で絵柄4をレーザ描画する際に、制御装置14のCPU31は、レーザLの加工条件に基づいて、各長楕円パターン5,7の加工線に対する走査開始点S1を加工始端S2の延長線上に設定するとともに、走査終了点E1を加工終端E2の延長線上に設定する(図14及び図15参照)。本実施の形態では、図14に示されるように、第1ブロック6における右側に隣接する長楕円パターン5の走査開始点S1と左側に隣接する長楕円パターン5の走査終了点E1とを同じ位置に設定している。また、長楕円パターン5において下端の同じ位置に加工始端S2及び加工終端E2を設定している。つまり、長楕円パターン5の下端(加工始端S2)でレーザLの照射を開始し、ミラー指向点を走査してレーザLの軌跡が長楕円パターン5の下端(加工終端E2)に戻ったところでレーザLの照射が一旦停止される。そして、走査終了点E1及び走査開始点S1の位置でミラー指向点を折り返し、右隣に位置する次の長楕円パターン5の加工始端S2に向けてミラー指向点を走査する。このように、第1ブロック6における各長楕円パターン5を描画する際には、ミラー指向点が一筆書きの形態で走査されるようになっている。
同様に、図15に示されるように、第2ブロック8における上側に隣接する長楕円パターン7の走査開始点S1と下側に隣接する長楕円パターン7の走査終了点E1とを同じ位置に設定している。また、長楕円パターン7において左端の同じ位置に加工始端S2及び加工終端E2を設定している。つまり、長楕円パターン7の左端(加工始端S2)でレーザLの照射を開始し、ミラー指向点を走査してレーザLの軌跡が長楕円パターン7の左端(加工終端E2)に戻ったところでレーザLの照射が一旦停止される。そして、走査終了点E1及び走査開始点S1の位置でミラー指向点を折り返し、上側に位置する次の長楕円パターン7の加工始端S2に向けてミラー指向点を走査する。このように、第2ブロック8における各長楕円パターン7を描画する際には、ミラー指向点が一筆書きの形態で走査されるようになっている。
走査開始点S1及び走査終了点E1、加工始端S2及び加工終端E2の設定後、助走時間算出手段としてのCPU31は、走査開始点S1から加工始端S2に向けてミラー指向点を走査し、予め設定されたレーザ加工時の走査速度に達するまで助走時間taを求める(ステップ110)。本実施の形態の絵柄4において、各ブロック6,8を構成する複数の長楕円パターン5,7は、形成位置にかかわらず同じ加工度合いとする必要があるため、同じ走査速度でレーザ描画される。また、レーザ加工装置11のレーザ照射領域は、X方向及びY方向にそれぞれ700mmであり、従来装置と比較すると広い領域である。このため、各長楕円パターン5,7の加工条件として同じ走査速度に設定した場合でも、レーザ照射領域における中央部で長楕円パターン5,7を描く場合と、外縁部で長楕円パターン5,7を描く場合とでは、ガルバノミラー25a,25bを駆動する際のミラー変位量が異なり、助走時間taも異なる。従って、CPU31は、長楕円パターン5,7の加工座標(加工条件)に応じて助走時間taを求める。
なお、本実施の形態では、1つの第1ブロック6において、隣接する長楕円パターン5を順番に加工する場合、左側に位置する長楕円パターン5(第1加工部)の加工終端E2と右側に位置する長楕円パターン5(第2加工部)の加工始端S2とが離間していない。またこの場合、第1加工部となる左側の長楕円パターン5の走査終了点E1と第2加工部となる右側の長楕円パターン5の走査開始点S1とが同じ位置となる。このため、1つの第1ブロック6において、各長楕円パターン5を描画する際には、ガルバノミラー25a,25bのリンギングは生じない。従って、図3のステップ120〜ステップ150の各処理は実行されず、走査開始点S1(走査終了点E1)の位置は、ガルバノミラー25a,25bの応答遅れを考慮した位置となる。
図16に示されるように、1つの第1ブロック6の各長楕円パターン5の加工完了後、右下に隣接する別の第1ブロック6に移動して長楕円パターン5を加工する場合には、ミラー指向点のY方向の移動距離Lyが長くなり、Y方向のガルバノミラー25bのリンギングが生じる。同様に、隣接する第2ブロック8の間でミラー指向点を移動させる場合、ミラー指向点のX方向の移動距離Lxが長くなり、X方向のガルバノミラー25aのリンギングが生じる。さらに、異なるブロック6,8間でミラー指向点を移動させる場合にも、ミラー指向点のX方向及びY方向の移動距離Lx,Lyが長くなり、ガルバノミラー25a,25bのリンギングが生じる。従って、このようにミラー指向点の移動距離Lx,Lyが長くなる場合には、図3のステップ120〜ステップ150の各処理が実行され、各ブロック6,8における走査開始点S1の位置が変更される。
図16に示されるように、左上の第1ブロック6から右下に隣接する別の第1ブロック6にミラー指向点を移動させる場合、左上の第1ブロック6における右端の長楕円パターン5の加工線51を第1加工線(第1加工部)とし、右下の第1ブロック6における左端の長楕円パターン5の加工線52を第2加工線(第2加工部)とする。そして、移動距離算出手段としてのCPU31は、第1加工線51の長楕円パターン5の走査終了点E1から第2加工線52の長楕円パターン5の走査開始点S1までの移動距離を求める。ここでは、X方向の距離よりもY方向の距離Lyが長いため、Y方向の移動距離Lyを求める。次に、収束時間算出手段としてのCPU31は、第1加工線51の走査終了点E1からミラー指向点を移動させて第2加工線52の走査開始点S1で停止させたときに生じるレーザ偏向部22のリンギングの収束時間trをY方向の移動距離Lyに応じて予測する(ステップ130)。
その後、時間比較手段としてのCPU31は、予測した収束時間trとステップ110の処理で求めた助走時間taとを比較する。その結果、CPU31は、収束時間trのほうが助走時間taよりも長いと判定した場合には、図17に示されるように、第2加工線52における加工始端S2の延長線上であってステップ100で設定した走査開始点S1よりも遠い位置に走査開始点S1を変更する。この変更後には走査開始点S1から加工始端S2までミラー指向点を移動させるのに要する時間がリンギングの収束時間trと等しくなる(図7参照)。
また、CPU31は、収束時間trのほうが助走時間taよりも短いと判定した場合(図8参照)には、走査開始点S1の位置を変更せず、ステップ100での設定位置(ガルバノミラーの応答遅れを考慮した位置)とする。
その後、CPU31は、各種の駆動信号を制御装置14からレーザ照射装置13に出力し、駆動信号に基づいてレーザ照射装置13を制御する。ここでは、レーザ偏向部22が駆動制御され、走査開始点S1上にてリンギング収束のための待ち時間を設けない態様でミラー指向点が移動される。そして、ミラー指向点が加工始端S2に達したタイミングでレーザ発生部21によりレーザLがオンされるとともに、加工終端E2に達したタイミングでレーザ発生部21によりレーザLがオフされることで、レーザ加工が行われる。
このようにして、各ブロック6,8について、各長楕円パターン5,7の加工線51,52等のレーザ加工が行われる結果、カーボン調の絵柄4が部品表面の塗装膜3に描画される。
なお、本実施の形態では、複数の車両用内装部品1Aに同じカーボン調の絵柄4を描画する場合、部品毎に図3に示す各処理を繰り返して行う必要はない。具体的には、1つ目の車両用内装部品1Aの描画を行うために図3に示す各処理を行う際に、リンギングの収束時間trに応じて走査開始点S1の位置が変更された描画データがメモリ32に記憶される。2つ目以降の車両用内装部品1Aについては、そのメモリ32の描画データを用いてレーザ照射装置13を制御してレーザ加工を行う。この結果、複数の車両用内装部品1Aに同じカーボン調の絵柄4が描画される。
このように本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、樹脂成形体2Aの表面に描かれる柄は繊維織布を模したカーボン調の絵柄4である。樹脂成形体2Aの表面において、その絵柄4をレーザ照射領域に対応する描画領域(700mm×700mmの領域)に描く場合、絵柄4における第1ブロック6及び第2ブロック8の総数は数万個になる。このため、絵柄4を描画するために数万回以上のレーザ加工が必要となる。従って、本実施の形態のレーザ加工方法を採用すると、短時間で効率よく絵柄4を描画することが可能となる。より具体的には、絵柄4を描画するには400秒程度の加工時間が必要となるが、その加工時間に対して1%以上の時間短縮が可能となる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施の形態では、図3のステップ110において、加工時の走査速度、加工線の座標などの加工条件に応じて助走時間taを算出していた。この算出処理において、予め用意した助走時間算出用のパラメータテーブル(第1パラメータテーブル)を用いて助走時間を算出するよう構成してもよい。具体的には、助走時間算出用のパラメータテーブルは、助走時間taをレーザLの加工条件(例えば、加工線41〜43,51,52等の座標)に関連付けて保持するパラメータテーブルであり、メモリ32(テーブル記憶手段)に記憶される。この場合、CPU31は、メモリ32に記憶されている助走時間算出用のパラメータテーブルを参照し、加工線の座標に対応する助走時間を選択することで助走時間taを求める。このように、助走時間算出用のパラメータテーブルを用いて助走時間taを求める場合、助走時間taの演算処理にかかるCPU31の処理負荷を低減することができる。
・上記各実施の形態では、図3のステップ130において、リンギングの収束時間trを移動距離Lx,Lyに応じて予測していた。この算出処理において、予め用意した収束時間算出用のパラメータテーブル(第2パラメータテーブル)を用いて収束時間trを算出するよう構成してもよい。具体的には、収束時間算出用のパラメータテーブルは、収束時間trを移動距離Lx,Lyの長さに関連付けて保持するパラメータテーブルであり、メモリ32に記憶されている。そして、CPU31は、メモリ32に記憶されている収束時間算出用のパラメータテーブルを参照し、移動距離Lx,Lyに応じた収束時間を選択することで、ガルバノミラー25a,25bのリンギングの収束時間を求める。このように、パラメータテーブルを用いて収束時間trを求める場合でも、収束時間trの演算処理にかかるCPU31の処理負荷を低減することができる。
・上記第2の実施の形態では、カーボン調の絵柄4を同じ走査速度でレーザLを照射して絵柄4(各長楕円パターン5,7)を描画していたが、これに限定されるものではない。具体的には、柄パターンが異なる複雑な形状の絵柄を描画する場合には、それら柄パターンに応じて異なる走査速度でレーザLを照射し、絵柄を描画してもよい。この場合、走査速度(加工条件)に応じた助走時間算出用のパラメータテーブル(第1パラメータテーブル)をメモリ32に記憶する。そして、CPU31は、そのパラメータテーブルを参照することにより、走査速度に応じた助走時間taを求める。この場合でも、CPU31の処理負荷を低減することができる。
・上記各実施の形態では、凹状の加工線41〜43,51,52(加工溝)によって製造番号10の文字や絵柄4を描画していたが、凸状に膨らませた加工部を形成して文字や絵柄を描画してもよい。
・上記各実施の形態では、加飾部品として車両用内装部品1に具体化するものであったが、これ以外に、家具や家電などの化粧パネルなどの加飾部品に本発明を具体化してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)手段1において、前記レーザ偏向部によって前記レーザの走査が可能なレーザ照射領域は、前記X方向及び前記Y方向にそれぞれ650mm以上であることを特徴とするレーザ加工方法。
(2)手段1において、前記柄は繊維織布を模した絵柄であり、細長形状の複数の柄パターンを配向してなる第1ブロックと、前記第1ブロックを構成する柄パターンとは異なる方向に細長形状の複数の柄パターンを配向してなる第2ブロックとを複数個ずつ組み合わせたものであることを特徴とするレーザ加工方法。
(3)手段1において、前記部品素材は、車両用の部品素材であることを特徴とするレーザ加工方法。
1,1A…加飾部品としての車両用内装部品
2,2A…部品素材としての樹脂成形体
4…絵柄
10…複数の文字からなる製造番号
11…レーザ加工装置
22…レーザ偏向部
25a,25b…ガルバノミラー
31…助走時間算出手段、移動距離算出手段、収束時間算出手段、時間比較手段、走査開始点変更手段、レーザ偏向部駆動制御手段としてのCPU
32…テーブル記憶手段としてのメモリ
41,51…第1加工部としての第1加工線
42,52…第2加工部としての第2加工線
E1…走査終了点
E2…加工終端
L…レーザ
Lx…移動距離としてのX方向の距離
Ly…移動距離としてのY方向の距離
S1…走査開始点
S2…加工始端
ta…助走時間
tr…収束時間

Claims (7)

  1. レーザを発生させるレーザ発生部と、互いに直交するX方向及びY方向の2組のガルバノミラーを駆動して前記レーザを偏向させるレーザ偏向部とを制御し、部品素材の表面に前記レーザを照射して柄または文字を描くレーザ加工方法であって、
    走査開始点から加工始端に向けてミラー指向点を走査すべく前記レーザ偏向部の駆動を開始させ、予め設定されたレーザ加工時の走査速度に達するまでの助走時間を求める助走時間算出ステップと、
    第1加工部の次に第2加工部を加工する場合であって、前記第1加工部の加工終端と前記第2加工部の加工始端とが非連続かつ離間しているときに、前記第1加工部の前記加工終端の延長線上にある走査終了点から前記第2加工部の前記加工始端の延長線上にある走査開始点までの移動距離を求める移動距離算出ステップと、
    前記走査終了点から前記ミラー指向点を移動させて前記走査開始点で停止させたときに生じる前記レーザ偏向部のリンギングの収束時間を前記移動距離の長さに応じて予測する収束時間算出ステップと、
    前記収束時間算出ステップで予測した前記収束時間と、前記助走時間算出ステップで求めた前記助走時間とを比較する時間比較ステップと、
    前記収束時間のほうが前記助走時間よりも長い場合には、前記第2加工部の前記加工始端の延長線上であって前記走査開始点よりも遠い位置に前記走査開始点を変更し、変更後の走査開始点から前記加工始端まで前記ミラー指向点を移動させるのに要する時間が前記収束時間と等しくなるようにする走査開始点変更ステップと、
    前記第2加工部の前記走査開始点上及び前記変更後の走査開始点上にてリンギング収束のための待ち時間を設けない態様で前記ミラー指向点を移動させるべく、前記レーザ偏向部を駆動制御するレーザ偏向部駆動制御ステップと
    を含むことを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 前記移動距離算出ステップでは、前記走査終了点から前記走査開始点までの前記X方向の距離と前記Y方向の距離とを求め、
    前記収束時間算出ステップでは、それら距離に応じて算出される前記X方向のガルバノミラーのリンギングが収束する時間と前記Y方向のガルバノミラーのリンギングが収束する時間とを比較して長いほうの時間を前記収束時間として決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記レーザ偏向部によって前記レーザの走査が可能なレーザ照射領域は、前記X方向及び前記Y方向にそれぞれ350mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工方法。
  4. 前記助走時間算出ステップでは、前記助走時間を前記レーザの加工条件に関連付けて保持する第1パラメータテーブルを参照し、前記加工条件に対応する前記助走時間を選択することで前記助走時間を求め、
    前記収束時間算出ステップでは、前記収束時間を前記移動距離の長さに関連付けて保持する第2パラメータテーブルを参照し、前記移動距離の長さに対応する前記収束時間を選択することで前記収束時間を予測する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレーザ加工方法を経て、部品素材の表面に柄または文字により装飾が施された加飾部品を製造することを特徴とする加飾部品の製造方法。
  6. レーザを発生させるレーザ発生部と、互いに直交するX方向及びY方向の2組のガルバノミラーを駆動して前記レーザを偏向させるレーザ偏向部とを制御し、部品素材の表面に前記レーザを照射して柄または文字を描くレーザ加工装置であって、
    走査開始点から加工始端に向けてミラー指向点を走査すべく前記レーザ偏向部の駆動を開始させ、予め設定されたレーザ加工時の走査速度に達するまでの助走時間を求める助走時間算出手段と、
    第1加工部の次に第2加工部を加工する場合であって、前記第1加工部の加工終端と前記第2加工部の加工始端とが非連続かつ離間しているときに、前記第1加工部の前記加工終端の延長線上にある走査終了点から前記第2加工部の前記加工始端の延長線上にある走査開始点までの移動距離を求める移動距離算出手段と、
    前記走査終了点から前記ミラー指向点を移動させて前記走査開始点で停止させたときに生じる前記レーザ偏向部のリンギングの収束時間を前記移動距離の長さに応じて予測する収束時間算出手段と、
    前記収束時間算出手段で予測した前記収束時間と、前記助走時間算出手段で求めた前記助走時間とを比較する時間比較手段と、
    前記収束時間のほうが前記助走時間よりも長い場合には、前記第2加工部の前記加工始端の延長線上であって前記走査開始点よりも遠い位置に前記走査開始点を変更し、変更後の走査開始点から前記加工始端まで前記ミラー指向点を移動させるのに要する時間が前記収束時間と等しくなるようにする走査開始点変更手段と、
    前記第2加工部の前記走査開始点上及び前記変更後の走査開始点上にてリンギング収束のための待ち時間を設けない態様で前記ミラー指向点を移動させるべく、前記レーザ偏向部を駆動制御するレーザ偏向部駆動制御手段と
    を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
  7. 前記助走時間を前記レーザの加工条件に関連付けて保持する第1パラメータテーブルと、前記収束時間を前記移動距離の長さに関連付けて保持する第2パラメータテーブルとを記憶するテーブル記憶手段をさらに備えるとともに、
    前記助走時間算出手段は、前記テーブル記憶手段における前記第1パラメータテーブルを参照し、前記加工条件に対応する前記助走時間を選択することで前記助走時間を求め、
    前記収束時間算出手段は、前記テーブル記憶手段における前記第2パラメータテーブルを参照し、前記移動距離の長さに対応する前記収束時間を選択することで前記収束時間を予測する
    ことを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工装置。
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