JP6284373B2 - 脱落抑止具 - Google Patents

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Description

本発明は、形鋼材のフランジ部に固定される固定具の脱落を抑止するための脱落抑止具に関する。
例えば建築物の梁等として用いられるH形鋼やL形鋼等の形鋼材に吊りボルトを吊り下げる場合には、従来から、形鋼材のフランジ部に固定される固定具が用いられている。この種の固定具は、形鋼材のフランジ部を上下から挟み込んで固定するもので、例えば、固定具の一部を形鋼材のフランジ部の下面に当接させるとともにフランジ部の上面に締付ボルトを緊締することによってフランジ部に固定される。そして、この固定具に連結される吊りボルトにより、電気機器や空調機器等の吊設機器が懸下支持される。
このような固定具は、例えば地震等によって大きな振動が作用すると締付ボルトが緩んで、場合によってはフランジ部から脱落する可能性がある。このため、例えば特許第2747667号公報(特許文献1)に示されるように、固定具の脱落を抑止するための脱落抑止具を別途取り付けることが行われている。特許文献1の脱落抑止具は、固定具の側面及び外側面に係止される略U字形状の係止杆体と、この係止杆体の開放端に連結される固定板体とを有し、固定具の固定側とは反対側において固定板体をフランジ部に係止させることで、固定具の脱落を抑止している。
しかし、特許文献1の脱落抑止具は、フランジ部と当該フランジ部に固定された固定具とを一括的に緊締する構造となっている。このため、想定外の大きな振動が作用した場合には、固定具の固定が緩み、さらにそれに伴って脱落抑止具の固定も緩んで、場合によっては両者が共に脱落してしまう可能性があった。
特許第2747667号公報
そこで、振動の大きさによらずに形鋼材からの固定具の脱落を確実性高く抑止することができる脱落抑止具の実現が望まれる。
本発明に係る脱落抑止具は、
形鋼材のフランジ部に固定される固定具の脱落を抑止するための脱落抑止具であって、
前記形鋼材を幅方向の両側から挟持する状態で、前記固定具とは別に前記フランジ部に固定される挟持部材を備え、
前記挟持部材が、前記フランジ部に固定された状態で前記固定具の一部をなす特定部位を前記幅方向の外側から包囲する包囲部を有する。
この構成によれば、フランジ部に固定される挟持部材の包囲部が、固定具の特定部位における幅方向外側面を包囲するので、従来品と同様に、形鋼材からの固定具の脱落を抑制することができる。この場合において、挟持部材は形鋼材を幅方向の両側から挟持する状態で固定具とは別に独立してフランジ部に固定されるため、仮に大きな振動が作用して固定具の固定が緩んだとしても、挟持部材はフランジ部に強固に固定された状態を維持しやすい。従って、振動の大きさによらずに形鋼材からの固定具の脱落を確実性高く抑止することができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
1つの態様として、前記包囲部は、前記固定具との間に所定の遊び代を有する状態で前記特定部位を包囲すると好適である。
この構成によれば、挟持部材がフランジ部に固定された状態で挟持部材と固定具との間に所定の遊び代が生じるので、仮に大きな振動が作用して固定具の固定が緩んだとしても、固定具の振動が挟持部材にまで伝わることが抑制される。よって、挟持部材自体はフランジ部に強固に固定された状態を維持しやすい。従って、形鋼材からの固定金具の脱落をより確実に抑止することができる。
1つの態様として、前記挟持部材は、前記フランジ部に沿って前記幅方向に延びる連結材を介して互いに連結される第一挟持体と第二挟持体とを含むとともに、前記第一挟持体と前記第二挟持体との間の前記幅方向の間隔を調整する間隔調整機構をさらに含むと好適である。
この構成によれば、連結材を介して互いに連結される第一挟持体と第二挟持体とを用いて、挟持部材が幅方向に形鋼材を挟持する構造を容易に実現できる。特に、第一挟持体と第二挟持体とが分離した状態又は幅方向に大きく離間した状態でそれらを形鋼材に取り付け、その後、両者間の間隔を調整して形鋼材を挟持することができるので、既存の設備にも挟持部材を容易に取り付けて固定することができる。
1つの態様として、前記連結材は、外面にネジ部を備えたボルト材であり、前記第一挟持体は、前記形鋼材に係止される本体部と、前記本体部に固定され、弾性変形可能に屈曲形成されるとともに前記ネジ部に係止される係止爪を有する連結具と、を含み、前記係止爪は、前記連結具に外力が作用していない定常状態で前記ネジ部に係止され、且つ、外力が作用して前記連結具が弾性変形した状態で前記ネジ部から離脱するように構成され、前記ボルト材と前記連結具とを含んで前記間隔調整機構が構成されていると好適である。
この構成によれば、外面にネジ部を備えたボルト材と、係止爪を有し弾性変形可能に屈曲形成された連結具との協働により、間隔調整機構を適切に構成することができる。すなわち、連結具に外力を作用させて弾性変形させると係止爪はネジ部から離脱するため、ボルト材に沿って形鋼材の幅方向に第一挟持体をスライド移動させることができ、第一挟持体と第二挟持体との間の幅方向の間隔を調整することができる。両挟持体間の幅方向の間隔を調整した後は、連結具に対する外力の作用を解除すると係止爪がネジ部に係止されるため、形鋼材を挟持する状態で挟持部材を強固に固定することができる。
1つの態様として、前記第二挟持体は、前記ボルト材に対して略直交する方向に延在するとともに前記ボルト材が挿通される挿通孔を有する板状部を有し、前記挿通孔に挿通される前記ボルト材に螺合するナットは、前記板状部に固定された緩み止めナットであり、前記緩み止めナットをさらに含んで前記間隔調整機構が構成されていると好適である。
この構成によれば、連結具に対する所定操作によって第一挟持体と第二挟持体との間の幅方向の間隔を調整した後で、両挟持体間の幅方向の間隔をさらに微調整することができる。すなわち、ボルト材をその軸心回りに回転させることで、緩み止めナットとの協働により、第一挟持体と第二挟持体との間の幅方向の間隔を微調整して狭めることができる。よって、挟持部材が強固に形鋼材を挟持する構造を容易に実現することができる。
1つの態様として、前記第二挟持体は、前記固定具の一方側において前記特定部位における幅方向外側面を包囲する折り返し形状の第1の爪部を有する第1の挟持片と、前記固定具の他方側において前記特定部位における幅方向外側面を包囲する折り返し形状の第2の爪部を有する第2の挟持片と、を含み、前記第1の挟持片と前記第2の挟持片とが、一括的に前記連結材に連結されていると好適である。
この構成によれば、連結材に一括的に連結される第1の挟持片と第2の挟持片とを用いて、包囲部(第二挟持体の第1の爪部及び第2の爪部が固定具の特定部位における幅方向外側面を包囲する構造)を容易に実現できる。特に、第1の挟持片と第2の挟持片とが分離した状態でそれらを固定具の両側からフランジ部に取り付け、その後、一括的に連結材に連結することで、既存の設備にも第二挟持体(さらには挟持部材)を容易に取り付けることができる。また、固定具に例えばボルト振り金具等が設けられる場合であっても、当該ボルト振り金具等との干渉を避けながら、容易に取り付け作業を行うことができる。
1つの態様として、前記第1の挟持片及び前記第2の挟持片はそれぞれ、前記ボルト材に対して略直交する方向に延在し、かつ、前記幅方向に見て互いに重複する板状部をさらに有し、前記第1の挟持片の板状部及び前記第2の挟持片の板状部に設けられ、前記幅方向に直交する方向における前記第1の爪部と前記第2の爪部との離間幅を調整する離間幅調整部をさらに有すると好適である。
この構成によれば、第二挟持体における第1の爪部と第2の爪部との間の間隔を調整することができる。よって、固定具の仕様に合わせて当該固定具の幅に応じた間隔に調整することができ、包囲部を容易かつ適切に実現できる。
1つの態様として、前記固定具は、側面視で略C字状の金具本体部と、前記金具本体部から両側方に向かって突出形成されて固定状態で前記フランジ部の上面又は下面に当接する一対の当接片と、を有し、前記挟持部材は、前記金具本体部の両側面を包囲するとともに前記一対の当接片における幅方向外側面を包囲する状態で前記フランジ部に固定されると好適である。
この構成によれば、フランジ部に対して固定具を安定的に固定するために設けられる一対の当接片を利用して、比較的簡素な構造で固定具の抜け止めを図ることができる。
第1の実施形態に係る脱落抑止具の斜視図 脱落抑止具の分解斜視図 脱落抑止具を組んだ状態の斜視図 脱落抑止具の側面図 脱落抑止具の平面図 連結材に対する連結具の係脱状態を示す模式図 第2の実施形態に係る脱落抑止具の斜視図 脱落抑止具の分解斜視図 第3の実施形態に係る脱落抑止具の斜視図 脱落抑止具の別態様を示す側面図
〔第1の実施形態〕
本発明に係る脱落抑止具の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る脱落抑止具1は、形鋼材9に固定される固定具7の脱落を抑止するための器具である。本実施形態では、形鋼材9の一例としてのH形鋼に適用される脱落抑止具1を例として説明する。本実施形態に係る脱落抑止具1は、以下の点によって特徴付けられる。すなわち、脱落抑止具1は、形鋼材9を幅方向Wの両側から挟持する状態で、固定具7とは別にフランジ部92に固定される挟持部材10を備える。そして、挟持部材10が、フランジ部92に固定された状態で固定具7の一部をなす当接片75を幅方向Wの外側から包囲する包囲部12を有する。これにより、振動の大きさによらずに、形鋼材9からの固定具7の脱落を確実性高く抑止することが可能となっている。以下、本実施形態に係る脱落抑止具1について、詳細に説明する。
脱落抑止具1が固定される形鋼材9は、例えば店舗や工場等の建築物の梁として用いられ、当該建築物の天井面に沿って配置されている。図1及び図2に示すように、形鋼材9は、上下方向に沿って延びる板状のウェブ部91と、このウェブ部91の下端部から水平方向に沿って延びる板状のフランジ部92とを有する。フランジ部92は、ウェブ部91の下端部から水平方向に沿って両側に延びるように形成されている。本実施形態では、水平方向のうち、形鋼材9の延在方向(長手方向)に直交する方向を、“幅方向W”と定義する。形鋼材9は、ウェブ部91の下端部から幅方向Wに延びるフランジ部92を有する。
形鋼材9のフランジ部92に、固定具7が固定されている。図2に示すように、固定具7は、金具本体部71と、この金具本体部71から両側方に向かって突出形成された一対の当接片75とを有する。金具本体部71は、側面視で略C字状に形成されている。具体的には、金具本体部71は、上下方向に延びる基端部72と、この基端部72の上下方向の両端部からそれぞれ幅方向Wに延びる上顎部73及び下顎部74とを有する。基端部72の上面及び下面にはボルト挿通孔が形成され、これらに挿通される状態で吊りボルト81が固定具7(基端部72)に固定されている。この吊りボルト81により、電気機器や空調機器等の吊設機器(図示せず)が懸下支持されている。
上顎部73の上面には、締付ボルト78に螺合するボルト穴が形成されている。また、下顎部74から両側方に向かって突出するように、一対の当接片75が金具本体部71(下顎部74)と一体的に形成されている。一対の当接片75は、同一平面状に配置されている。図4に示すように、それぞれの当接片75の上面とフランジ部92の下面とが当接する状態で、締付ボルト78と当接片75とでフランジ部92を上下から挟み込んで、固定具7がフランジ部92に固定されている。このとき、固定具7は、当接片75の幅方向外側面75aがフランジ部92の端部よりも所定長さ分だけウェブ部91側に位置する状態で、フランジ部92に固定されている。
図1〜図5に示すように、脱落抑止具1は、固定具7とは別に独立してフランジ部92に固定される挟持部材10を備えている。挟持部材10は、形鋼材9(本実施形態ではフランジ部92のみ)を幅方向Wの両側から挟持する状態でフランジ部92に固定されている。ここで、「形鋼材9を幅方向Wの両側から挟持する」とは、形鋼材9に対して幅方向Wの両側から略緩みのない状態で係止することを意味する。これは、他の部材(但し、固定具7を除く)を介して幅方向Wの両側から略緩みのない状態で係止することを含む概念である。従って、挟持部材10が形鋼材9に直接的に係止される態様が好適ではあるものの、形鋼材9と挟持部材10との間に固定具7以外の他の部材が介在される態様も許容される。また、「フランジ部92に固定される」とは、少なくともフランジ部92に係止されて固定されることを意味する。従って、必ずしもフランジ部92のみに固定されることが要求される概念ではなく、フランジ部92と形鋼材9における他の部位とに亘って固定されることを含む概念である。
図2及び図3に示すように、挟持部材10は、連結材61を介して互いに連結される第一挟持体20と第二挟持体30とを含む。連結材61は、フランジ部92に沿って幅方向Wに延びるように配置されている(図4を参照)。連結材61は、フランジ部92の下方に、フランジ部92に対して所定間隔を隔てて配置されている。本実施形態では、連結材61は、外面にネジ部62(ネジ山又はネジ溝)を備えたボルト材で構成されている。
第一挟持体20は、フランジ部92の幅方向Wの一方側の端部に係止される本体部21と、この本体部21に固定された連結具26とを含む。本体部21と連結具26とは、リベットやネジ等の連結部材によって互いに連結されている。
本体部21は、鉄やステンレス等からなる所定形状の金属板を屈曲させて形成されている。本体部21は、略C字状に形成されて互いに平行に配置された一対の係止板部22と、これら一対の係止板部22どうしをつなぐ連結板部23とを有する。係止板部22は、矩形状の板部の中央部が4辺のうちの1辺部分から略三角形状(本例では、略直角二等辺三角形状)に切り欠いて形成された切欠状凹部22aを有する。係止板部22には、切欠状凹部22aの輪郭に沿って補強用のビードが形成されている。係止板部22は、切欠状凹部22aの端縁にて、形鋼材9(本実施形態ではフランジ部92の端部)に係止される。
連結板部23は、一対の係止板部22におけるそれぞれの切欠状凹部22aの開口側とは反対側の端部どうしを連結するように設けられている。連結板部23は、係止板部22側とは反対側に向かって略直角に屈曲する側面視でL字状を呈する屈曲板状に形成されている。連結板部23における屈曲部には補強用のビードが形成されている。また、連結板部23における一対の係止板部22の下辺に沿って延びる部分は、連結具26との接続を確立するための接続部23aとなっている。接続部23aには、リベット等の連結部材を取り付けるための連結部材取付部24(貫通孔等)が形成されている。本実施形態では、連結板部23は、接続部23aの両側方の端部から下方に向かって折り返された折返部25をさらに有する。折返部25は、接続部23aに対して略直交する略垂直姿勢となるように形成されている。これら一対の折返部25どうしの間に、連結具26が配置されている。一対の折返部25は、本体部21と連結具26との相対回転を規制する相対回転規制機構として機能する。
図2及び図6に示すように、連結具26は、屈曲形成された板状部材(屈曲板状体27)で構成されている。屈曲板状体27は、金属製の薄板を用いて構成されており、弾性変形可能に構成されている。また、屈曲板状体27は、両端部を互いに近づける側に弾性変形操作可能な形態に屈曲形成されている。屈曲板状体27は、その長手方向が連結材61の延在方向(幅方向W)に沿う(本例では略平行となる)ように設けられている。屈曲板状体27は、連結材61を構成するボルト材に対して交差方向から係入自在な開口を備えた係合凹部28を有する。屈曲板状体27は、その中央部に設けられる連結板部27Aと、この連結板部27Aの両端から傾斜姿勢で延出される一対の傾斜板部27Bと、これら一対の傾斜板部27Bのそれぞれの先端側からさらに傾斜姿勢で延出される一対の操作板部27Cとを有する。連結板部27Aは、本体部21(接続部23a)に枢支連結されている。一対の傾斜板部27Bは、連結板部27Aを含む平面に対して同じ側に傾斜するように延出している。一対の操作板部27Cも、連結板部27Aを含む平面に対して同じ側に傾斜するように、傾斜板部27Bのそれぞれから延出している。連結板部27Aに対する操作板部27Cの傾斜角度は、連結板部27Aに対する傾斜板部27Bの傾斜角度よりも大きい。
それぞれの傾斜板部27Bには、上述した係合凹部28が、両傾斜板部27Bの互いに異なる側辺において逆向きに開口するように切り欠いて形成されている。係合凹部28は、一対の傾斜板部27Bを互いに近づける側への一対の操作板部27Cによる弾性変形操作により、連結材61を構成するボルト材に対して交差方向から係入する。それぞれの係合凹部28における連結材61の軸心方向両側の端縁には、屈曲板状体27の弾性復元力により、連結材61を構成するボルト材のネジ部62に係止される係止爪29が形成されている。係止爪29は、連結具26(屈曲板状体27)に外力が作用していない定常状態でネジ部62に係止され、且つ、外力が作用して連結具26(屈曲板状体27)が弾性変形した状態でネジ部62から離脱するように構成されている。
両操作板部27Cの先端部を互いに近づける(屈曲角度を狭める)ように弾性変形操作することで、連結材61のネジ部62から係止爪29を離脱させ、その状態で連結材61の軸心方向に沿って第一挟持体20をスライド移動させることができる。なお、連結材61は第二挟持体30に固定されており、連結材61に対して第一挟持体20をスライド移動させることで、第一挟持体20と第二挟持体30との間の幅方向Wの間隔を調整することができる。このように、本実施形態では、互いに係脱可能な連結材61(ボルト材)と連結具26とを含んで、間隔調整機構60が構成されている。形鋼材9(フランジ部92)が両挟持体20,30によって幅方向Wに挟持されるように両挟持体20,30の間の幅方向Wの間隔を調整した後、両操作板部27Cに対する弾性変形操作を解除する。すると、屈曲板状体27の弾性復元力によって係止爪29が連結材61のネジ部62に強固に係合し、両挟持体20,30の位置関係が固定されることになる。
図2及び図3に示すように、第二挟持体30は、固定具7に対してその両側に分かれて設けられる第1の挟持片31と第2の挟持片41とを含む。第1の挟持片31は、鉄やステンレス等からなる所定形状の金属板を屈曲させて形成されている。第1の挟持片31は、略矩形状に形成される第1の板状部32と、この第1の板状部32の端部から屈曲形成された第1の爪部36とを有する。第二挟持体30がフランジ部92に係止された状態で、第1の板状部32は、フランジ部92及びそれに平行な連結材61に対して略直交する方向に延在するように配置される。第1の板状部32は、金具本体部71の両側に亘る幅を有して構成されている。
第1の板状部32は、その中央領域に形成された円形状の挿通孔33を有する。この挿通孔33は、連結材(ボルト材)61の端部が挿通されるボルト挿通孔となっている。また、第1の板状部32は、挿通孔33よりも第1の爪部36側に形成された、後述する第2の挟持片41(第2の板状部42)の係止片44が係止される係止孔34を有する。本実施形態では、上下方向に沿うスリット状の複数(本例では2つ)の係止孔34が、第1の板状部32の左右方向に並ぶように形成されている。また、第1の板状部32は、第1の爪部36側とは反対側の上端部に形成された折返部35を有する。この折返部35を有することで、第1の板状部32の上下方向の高さは、第1の爪部36側に比べてその反対側において僅かに低くなっている。
第1の爪部36は、固定具7の一方側において当接片75の幅方向外側面75aを包囲するように、折り返し形状に形成されている。第1の爪部36は、フランジ部92の下方を、幅方向Wに沿う水平姿勢で延びる幅方向延在部37と、この幅方向延在部37における第1の板状部32とは反対側の端部から立ち上がるように屈曲して傾斜姿勢で延びる起立延在部38とを有する。本実施形態では、起立延在部38は、幅方向延在部37に対して鋭角をなすように立ち上がっている。幅方向延在部37と起立延在部38とのなす角は、例えば30°〜60°であって良く、本実施形態ではおよそ45°とされている。傾斜姿勢の起立延在部38は、フランジ部92に対して下方から上方に亘るように設けられ、折り返しの内側面にて、フランジ部92の端部に係止される。本実施形態では、起立延在部38の先端部は、フランジ部92の上方を幅方向Wに沿う水平姿勢で延びるようにさらに屈曲されている。一体的に形成される幅方向延在部37及び起立延在部38には、これらの延在方向に沿って補強用のビードが形成されている。
第2の挟持片41も、鉄やステンレス等からなる所定形状の金属板を屈曲させて形成されている。第2の挟持片41は、略矩形状に形成される第2の板状部42と、この第2の板状部42の端部から屈曲形成された第2の爪部46とを有する。第二挟持体30がフランジ部92に係止された状態で、第2の板状部42は、フランジ部92及びそれに平行な連結材61に対して略直交する方向に延在するように配置される。それぞれ連結材61に対して略直交する方向に延在する第1の板状部32と第2の板状部42とは、幅方向Wに見て互いに重複する部分を有するように配置される。第2の板状部42は、第1の板状部32における折返部35側の端部と最も挿通孔33寄りの係止孔34との離間長さに対応する幅を有して構成されている。
第2の板状部42は、第2の爪部46側とは反対側の端部に、第1の板状部32の係止孔34に係止される係止片44を有する。また、第2の板状部42は、係止片44側(第2の爪部46側とは反対側)の領域に、複数(本例では2つ)の円形状の挿通孔が左右方向に連なって形成された多連挿通孔(本例では2連挿通孔)43を有する。多連挿通孔43を構成する個々の挿通孔は、第1の板状部32の複数の係止孔34のいずれかに係止片44が係止された状態で、幅方向Wに見て第1の板状部32の挿通孔33と重複する位置に形成されている。
第2の爪部46は、固定具7の他方側(第1の爪部36側とは反対側)において当接片75の幅方向外側面75aを包囲するように、折り返し形状に形成されている。第2の爪部46は、フランジ部92の下方を、幅方向Wに沿う水平姿勢で延びる幅方向延在部47と、この幅方向延在部47における第2の板状部42とは反対側の端部から立ち上がるように屈曲して傾斜姿勢で延びる起立延在部48とを有する。水平姿勢の幅方向延在部47は、第1の板状部32の折返部35の位置に配置される。傾斜姿勢の起立延在部38は、フランジ部92に対して下方から上方に亘るように設けられ、折り返しの内側面にて、フランジ部92の端部に係止される。なお、第2の爪部46の具体的構成は第1の爪部36の具体的構成と同様であり、ここでは細部についての詳細な説明を省略する。
なお、本実施形態では、幅方向延在部37は、その上面が固定具7の当接片75の下面に接する状態で配置されている。同様に、幅方向延在部47も、その上面が固定具7の当接片75の下面に接する状態で配置されている。このような構成では、フランジ部92と幅方向延在部37,47とによって固定具7の当接片75を上下から挟み込むことができ、フランジ部92に対する固定具7の固定状態を補強することができる。
上述したように、第1の板状部32と第2の板状部42とは、互いに重複する部分を有するように配置される。そして、第2の板状部42の係止片44が第1の板状部32のいずれかの係止孔34に係止された状態で、多連挿通孔43を構成するいずれかの挿通孔が第1の板状部32の挿通孔33と重複する。なお、係止片44が係止される係止孔34の位置に応じて、水平方向のうち幅方向Wに直交する方向(形鋼材9の延在方向に一致し、以下、“幅直交方向E”と称する)における第1の爪部36と第2の爪部46との離間幅が決まる。この意味で、第1の板状部32の挿通孔33及び複数の係止孔34、並びに第2の板状部42の多連挿通孔43及び係止片44により、離間幅調整部40が構成されている。このような離間幅調整部40を備えることで、第1の爪部36と第2の爪部46との間の間隔を、用いられる固定具7(金具本体部71)の幅に応じて調整することができる。本実施形態では、互いに係合される係止片44と係止孔34とを有することで、2つの挟持片31,41の位置決めが容易になるとともに、これらを組んだ状態での姿勢の安定性を向上させることができる。なお、多連挿通孔43に代えて、幅直交方向Eに沿って形成された長孔であっても良く、或いは、複数の挿通孔の集合等であっても良い。
互いに重複する多連挿通孔43と挿通孔33とには、連結材61の端部が挿通される。本実施形態では、第1の板状部32における第2の板状部42側とは反端側の面には、挿通孔33と同心状に緩み止めナット64が固定されている。この緩み止めナット64に連結材(ボルト材)61の端部が螺合することで、第1の挟持片31と第2の挟持片41とが一括的に連結材61に連結されるとともに、連結材61を介して第一挟持体20と第二挟持体30とが互いに連結されている。
なお、上述した連結材(ボルト材)61と連結具26とを含む間隔調整機構60による第一挟持体20と第二挟持体30との間の幅方向Wの間隔の調整は、連結材(ボルト材)61の端部が緩み止めナット64に螺合した状態で行われる。但し、この間隔調整(これを“第1の間隔調整”と称する)の分解能はネジ部62のピッチによって決まるため、微小な隙間が生じる等して、形鋼材9(フランジ部92)に対する両挟持体20,30による挟持力が十分に得られない可能性がある。
この場合であっても、本実施形態の構成では、第1の間隔調整の後、連結材(ボルト材)61をその軸心回りに反時計回りに回転させることで、第一挟持体20と第二挟持体30との間の幅方向Wの間隔をさらに狭めることができる。この第2の間隔調整の分解能は第1の間隔調整の分解能よりも高い(具体的には、回転角に応じてリニアな間隔調整が可能である)ため、第一挟持体20と第二挟持体30との間の幅方向Wの間隔を微調整して狭めることができる。よって、第一挟持体20と第二挟持体30とで形鋼材9(フランジ部92)を隙間なく強固に挟持する構造を容易に実現することができる。本実施形態では、連結材(ボルト材)61と連結具26とに加えてさらに緩み止めナット64をも含んで、間隔調整機構60が構成されている。
図3〜図5に示すように、挟持部材10がフランジ部92に強固に固定された状態で、第二挟持体30を構成する第1の挟持片31及び第2の挟持片41は、協働的に、金具本体部71の両側面71a,71bと一対の当接片75の幅方向外側面75aとを包囲する。第1の挟持片31及び第2の挟持片41は、固定具7との間に所定の遊び代Lを有する状態で、金具本体部71の両側面71a,71bと一対の当接片75の幅方向外側面75aとを包囲する。本実施形態では、一対の当接片75が本発明における「固定具の一部をなす特定部位」に相当する。
より具体的には、図5に示すように、第1の挟持片31の第1の爪部36が、金具本体部71の一方の側面71aに対して幅直交方向Eの遊び代Leを有する状態で配置される。また、第2の挟持片41の第2の爪部46が、金具本体部71の他方の側面71bに対して幅直交方向Eの遊び代Leを有する状態で配置される。また、図4に示すように、第1の爪部36の起立延在部38及び第2の爪部46の起立延在部48が、一対の当接片75のそれぞれの幅方向外側面75aに対して幅方向Wの遊び代Lwを有する状態で配置される。本実施形態では、第二挟持体30を構成する、第1の爪部36を有する第1の挟持片31と第2の爪部46を有する第2の挟持片41とにより、包囲部12が構成されている。
このように、本実施形態に係る脱落抑止具1は、形鋼材9を挟持する状態でフランジ部92に固定される挟持部材10の包囲部12が、金具本体部71の両側面71a,71bと当接片75の幅方向外側面75aとを包囲する。よって、形鋼材9からの固定具7の脱落を抑制することができる。この場合において、挟持部材10と固定具7との間には所定の遊び代Lが存在するので、仮に想定を超えるような大きな振動が作用して固定具7の固定が緩んだとしても、挟持部材10の固定は緩みにくい。よって、形鋼材9からの固定具7の脱落を有効に抑制することができる。
なお、本実施形態の構造とは異なり、挟持部材10と固定具7とが対をなす略U字形状のボルトとナット等で一括的に緊締されるような構造では、大きな振動を受けた際に、挟持部材10及び固定具7の双方の固定が緩んで、場合によっては両者が共に脱落してしまう可能性がある。例えば固定具7に緩みが生じると、それに伴う振動が直接的に挟持部材10に伝わるため、両者脱落の可能性が高まってしまう。これに対して、本実施形態の構造では、挟持部材10は形鋼材9を幅方向Wの両側から挟持する状態で、固定具7とは別にフランジ部92に固定されるため、挟持部材10にはそもそも振動による緩みが生じにくい。また、挟持部材10と固定具7との間に遊び代Lが存在するため、仮に固定具7の固定が緩んで振動したとしてもその振動が挟持部材10にまで伝わることが抑制される。よって、挟持部材10自体は、フランジ部92に強固に固定された状態を維持しやすい。従って、仮に想定外の大きな振動が作用したとしても、形鋼材9からの固定具7の脱落を確実性高く抑止することができる。
また、本実施形態では、フランジ部92を挟持する挟持部材10が、第一挟持体20、第二挟持体30(第1の挟持片31と第2の挟持片41とを含む)、及び間隔調整機構60を組み合わせて構成される。よって、新設の設備だけでなく、既存の設備にも脱落抑止具1を容易に適用することができる。
〔第2の実施形態〕
本発明に係る脱落抑止具の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、形鋼材9の一例としてのL形鋼に適用される脱落抑止具1を例として説明する。本実施形態では、形鋼材9の形状が異なることとも一部関連して、挟持部材10を構成する第一挟持体20及び第二挟持体30の具体的構成が第1の実施形態とは異なっている。以下、本実施形態に係る脱落抑止具1について、主に第1の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図7及び図8に示すように、本実施形態では、第一挟持体20を構成する本体部21の一対の係止板部22は、側面視で四隅のうちの1つが斜めに切り落とされてなる五角形状に形成されている。係止板部22には、第1の実施形態のような切欠状凹部22a(図1等を参照)は形成されておらず、係止板部22は形鋼材9側の端縁22bの全体で、形鋼材9(本実施形態ではウェブ部91におけるフランジ部92側とは反対側の側面)に係止される。連結板部23は、一対の係止板部22におけるそれぞれの下端部どうしを連結するように、略水平姿勢で設けられている。連結板部23は、ウェブ部91側とは反対側の下方に向かって鈍角状に2箇所で屈曲する、側面視で緩やかなクランク状を呈するように形成されている。
連結板部23は、係止板部22の端縁22bよりもさらに形鋼材9側に向かって水平姿勢で延び、フランジ部92の下面に当て付けられる当付部23bを有する。当付部23bは、連結板部23における他の部分よりも幅直交方向Eに幅広に形成されている。当付部23bは、その上面にて、フランジ部92の下面に係止される。
本実施形態でも、第二挟持体30は、第1の挟持片31と第2の挟持片41との組合体として構成されている。但し、本実施形態では、第1の挟持片31の第1の板状部32には第1の実施形態のような係止孔34は形成されていない。また、第2の挟持片41の第2の板状部42には、第1の実施形態のような係止片44は形成されていない。本実施形態では、第1の板状部32の挿通孔33及び第2の板状部42の多連挿通孔43により、離間幅調整部40が構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、第1の実施形態と同様に、第1の板状部32に係止孔34が形成されるとともに第2の板状部42に係止片44が形成され、これらをも含んで離間幅調整部40が構成されても良い。
第1の挟持片31の第1の爪部36は、フランジ部92の下方を水平姿勢で延びる幅方向延在部37と、この幅方向延在部37の端部から垂直姿勢で延びる起立延在部38と、この起立延在部38の上端部からフランジ部92の上方を水平姿勢で延びる上側幅方向延在部39とを有する。起立延在部38は、フランジ部92に対して下方から上方に亘るように設けられ、折り返しの内側面にて、フランジ部92の端部に係止される。上側幅方向延在部39は、上下方向視でフランジ部92と重複する部分を有する位置まで延びている。上側幅方向延在部39におけるフランジ部92との重複領域にはボルト穴が設けられており、このボルト穴に螺合される締付ボルトによっても、第1の挟持片31がフランジ部92に固定される。なお、第2の挟持片41の第2の爪部46(幅方向延在部47,起立延在部48,上側幅方向延在部49)も、第1の爪部36と同様の構成を備えている。
本実施形態でも、挟持部材10は、形鋼材9(本実施形態ではフランジ部92及びウェブ部91)を幅方向Wの両側から挟持する状態でフランジ部92に固定される。そして、第1の爪部36を有する第1の挟持片31と第2の爪部46を有する第2の挟持片41とにより、包囲部12が構成される。この包囲部12は、固定具7との間に所定の遊び代L(幅直交方向Eの遊び代Le及び幅方向Wの遊び代Lw)を有する状態で、金具本体部71の両側面71a,71bと一対の当接片75の幅方向外側面75aとを包囲する。このため、本実施形態に係る脱落抑止具1も、仮に想定外の大きな振動が作用したとしても、形鋼材9からの固定具7の脱落を確実性高く抑止することができる。
〔第3の実施形態〕
本発明に係る脱落抑止具の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、挟持部材10を構成する第一挟持体20及び第二挟持体30の具体的構成が第1及び第2の実施形態とは異なっている。以下、本実施形態に係る脱落抑止具1について、主に第1及び第2の実施形態との相違点について説明する。なお、特に明記しない点に関しては、第1及び第2の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態では、第一挟持体20を構成する本体部21は、切欠状凹部22aを有する一対の係止板部22の下辺どうしをつなぐ連結板部23を有する。また、本体部21は、連結板部23における幅方向Wの異なる複数箇所(本例では2箇所)から、下方に向かって互いに平行に延びる接続板部23cを有する。それぞれの接続板部23cには、連結材61が挿通される挿通孔23dが形成されている。連結板部23の下面には、一対の接続板部23cどうしの間に、弾性変形可能に屈曲形成された屈曲板状体27からなる連結具26が固定されている。屈曲板状体27は、その長手方向が連結材61の延在方向(幅方向W)に対して交差(本例では略直交)するように設けられている。屈曲板状体27の下面には、連結材(ボルト材)61のネジ部62に係止される係止爪29が設けられている。
屈曲板状体27の両端部を互いに遠ざける(屈曲角度を広げる)ように弾性変形操作することで、連結材61のネジ部62から係止爪29を離脱させ、その状態で連結材61の軸心方向に沿って第一挟持体20をスライド移動させることができる。本実施形態でも、互いに係脱可能な連結材61(ボルト材)と連結具26とを含んで、間隔調整機構60が構成されている。第1の間隔調整が済んだ後、屈曲板状体27に対する弾性変形操作を解除すると、屈曲板状体27の弾性復元力によって係止爪29が連結材61のネジ部62に強固に係合し、両挟持体20,30の位置関係が固定される。なお、間隔調整機構60には、第二挟持体50の板状部51に固定された緩み止めナット64も含まれている。従って、本実施形態でも、第一挟持体20と第二挟持体30との間の幅方向Wの間隔の微調整(第2の間隔調整)を行うことが可能である。
本実施形態では、第二挟持体50は単一の部材として構成されている。第二挟持体50は、金具本体部71の両側に亘る幅を有する板状部51と、この板状部51の幅直交方向Eの両端部に設けられた第1の爪部52及び第2の爪部(図9には現れていない)とを含む。板状部51と第1の爪部52と第2の爪部とは、一体的に形成されている。なお、このような構成の本実施形態では、脱落抑止具1には離間幅調整部40は設けられていない。この場合、第1の爪部52と第2の爪部との間の幅直交方向Eの間隔が互いに異なる複数種類の第二挟持体50を準備することにより、用いられる固定具7(金具本体部71)のサイズに対応すれば良い。
第1の爪部52は、固定具7の一方側において当接片75の幅方向外側面75aを包囲するように、折り返し形状に形成されている。第1の爪部52は、フランジ部92の下方を、幅方向Wに沿う水平姿勢で延びる幅方向延在部53と、この幅方向延在部53における板状部51とは反対側の端部から立ち上がるように屈曲して傾斜姿勢で延びる起立延在部54とを有する。図9には現れていないが、第2の爪部は、固定具7の他方側(第1の爪部52側とは反対側)において当接片75の幅方向外側面75aを包囲するように、折り返し形状に形成されている。第2の爪部は、フランジ部92の下方を、幅方向Wに沿う水平姿勢で延びる幅方向延在部と、この幅方向延在部における板状部51とは反対側の端部から立ち上がるように屈曲して傾斜姿勢で延びる起立延在部とを有する。
挟持部材10は、形鋼材9(本実施形態ではフランジ部92のみ)を幅方向Wの両側から挟持する状態でフランジ部92に固定される。そして、本実施形態では、第1の爪部52及び第2の爪部を有する第二挟持体50により、包囲部12が構成される。この包囲部12は、固定具7との間に所定の遊び代L(幅直交方向Eの遊び代Le及び幅方向Wの遊び代Lw)を有する状態で、金具本体部71の両側面71a,71bと一対の当接片75の幅方向外側面75aとを包囲する。このため、本実施形態に係る脱落抑止具1も、仮に想定外の大きな振動が作用したとしても、形鋼材9からの固定具7の脱落を確実性高く抑止することができる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る脱落抑止具の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。同様に、上述した第1〜第3の実施形態で開示された個々の構成どうしを、矛盾が生じない範囲内で適宜組み合わせることも可能である。
(1)上記の各実施形態では、挟持部材10が連結材61を介して互いに連結される第一挟持体20と第二挟持体30とを含む構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば図10に示すように、挟持部材10が、第3の実施形態で例示した第二挟持体50に類似する形状の単一の部材を用いて構成されても良い。この場合、当該部材(挟持部材10)は、固定ボルト59を用いて、その固定ボルト59との協働によって形鋼材9を挟持するように構成されると良い。
(2)上記の各実施形態では、互いに係脱可能な連結材61と連結具26とを含んで間隔調整機構60が構成された例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ラックとラチェットとを含む機構等を用いて間隔調整機構60が構成されても良い。
(3)上記の各実施形態では、第一挟持体20と第二挟持体30との間の幅方向Wの間隔を調整する間隔調整機構60が設けられた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば挟持部材10がそのような間隔調整機構60を備えることなく、第一挟持体20と第二挟持体30とが、溶接等によって固着されて定間隔であっても良い。
(4)上記の各実施形態では、第1の板状部32又は板状部51に、連結材(ボルト材)61の端部が螺合する緩み止めナット64が固定されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、緩み止めナット64に代えて、通常のナットを用いても良い。或いは、第1の板状部32又は板状部51に、連結材(ボルト材)61の端部が螺合するボルト穴を、例えばバーリングタップ加工等によって形成しても良い。これらの場合には、第一挟持体20と第二挟持体30との間の幅方向Wの間隔を微調整する(第2の間隔調整を行う)ための機構が別途設けられることが好ましい。
(5)第1及び第2の実施形態では、第二挟持体30が第1の挟持片31と第2の挟持片41とを含んで構成されるとともに、第1の爪部36と第2の爪部46との離間幅を調整する離間幅調整部40が設けられた構成を例として説明した。また、第1の実施形態では、離間幅調整部40が、第1の板状部32に形成された複数の係止孔34と第2の板状部42に設けられた係止片44とを含んで構成される例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第1の実施形態においても第2の実施形態と同様に、第1の板状部32に形成された複数の係止孔34と第2の板状部42に設けられた係止片44とを含まずに離間幅調整部40が構成されても良い。また、第1の板状部32に係止片が設けられるとともに第2の板状部42に複数の係止孔が形成されて離間幅調整部40が構成されても良い。或いは、第二挟持体30が分割構造を有する場合においても第3の実施形態と同様に、離間幅調整部40が設けられなくても良い。
(6)上記の各実施形態では、包囲部12が、固定具7との間に幅直交方向Eの遊び代Le及び幅方向Wの遊び代Lwの両方を有する状態で、金具本体部71の両側面71a,71bと当接片75の幅方向外側面75aとを包囲する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば包囲部12が、固定具7との間に幅直交方向Eの遊び代Le及び幅方向Wの遊び代Lwのいずれか一方のみを有する状態で、金具本体部71の両側面71a,71bと当接片75の幅方向外側面75aとを包囲しても良い。或いは、包囲部12が、固定具7との間に遊び代Lを有さない状態で、金具本体部71の両側面71a,71bと当接片75の幅方向外側面75aとを包囲しても良い。
(7)上記の各実施形態では、挟持部材10がフランジ部92に固定された状態で、フランジ部92と第二挟持体30(幅方向延在部37,47,53,56)とによって固定具7の当接片75が上下から挟み込まれる構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えばフランジ部92及び第二挟持体30の少なくとも一方と当接片75との間に所定の隙間を有する状態で、挟持部材10がフランジ部92に固定されても良い。この場合、包囲部12は、固定具7(当接片75)との間にさらに上下方向の遊び代を有する状態で固定具7を包囲することになる。
(8)上記の各実施形態では、一対の当接片75の上面とフランジ部92の下面とが当接する状態で、固定具7がフランジ部92に固定されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、一対の当接片75の下面とフランジ部92の上面とが当接する状態で、固定具7がフランジ部92に固定されても良い。
(9)上記の各実施形態では、包囲部12が金具本体部71の両側面71a,71bと当接片75の幅方向外側面75aとを包囲する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば固定具7における当接片75の有無に関わらず、包囲部12が金具本体部71の両側面71a,71bに加えて、当該金具本体部71の幅方向外側面をも包囲するように構成されても良い。この場合、金具本体部71が本発明における「固定具の一部をなす特定部位」に相当する。
(10)第1及び第3の実施形態では、脱落抑止具1を形鋼材9の一例としてのH形鋼に適用した例について説明し、第2の実施形態では、脱落抑止具1を形鋼材9の一例としてのL形鋼に適用した例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えばI形鋼、T形鋼、Z形鋼、及び溝形鋼等の各種の形鋼材9に、脱落抑止具1を適用することが可能である。
(11)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、フランジ部を有する形鋼材に固定される固定具の脱落を抑止するための脱落抑止具に利用することができる。
1 脱落抑止具
7 固定具
9 形鋼材
10 挟持部材
12 包囲部
20 第一挟持体
26 連結具
29 係止爪
30 第二挟持体
31 第1の挟持片
32 第1の板状部
33 挿通孔
36 第1の爪部
40 離間幅調整部
41 第2の挟持片
42 第2の板状部
46 第2の爪部
50 第二挟持体
51 板状部
51a 挿通孔
52 第1の爪部
55 第2の爪部
60 間隔調整機構
61 連結材
62 ネジ部
64 緩み止めナット
71 金具本体部
71a 側面(固定具の側面)
71b 側面(固定具の側面)
75 当接片(固定具の一部をなす特定部位)
75a 幅方向外側面
92 フランジ部
W 幅方向
E 幅直交方向(幅方向に直交する方向)
L 遊び代
Lw 幅方向の遊び代
Le 幅直交方向の遊び代

Claims (9)

  1. 形鋼材のフランジ部に固定される固定具の脱落を抑止するための脱落抑止具であって、
    前記形鋼材を幅方向の両側から挟持する状態で、前記固定具とは別に当該固定具から独立して前記フランジ部に固定される挟持部材を備え、
    前記挟持部材が、前記フランジ部に固定された状態で前記固定具の一部をなす特定部位を前記幅方向の外側から包囲する包囲部を有する脱落抑止具。
  2. 前記包囲部は、前記固定具との間に所定の遊び代を有する状態で前記特定部位を包囲する請求項1に記載の脱落抑止具。
  3. 前記挟持部材は、前記フランジ部に沿って前記幅方向に延びる連結材を介して互いに連結される第一挟持体と第二挟持体とを含むとともに、前記第一挟持体と前記第二挟持体との間の前記幅方向の間隔を調整する間隔調整機構をさらに含む請求項1又は2に記載の脱落抑止具。
  4. 前記連結材は、外面にネジ部を備えたボルト材であり、
    前記第一挟持体は、前記形鋼材に係止される本体部と、前記本体部に固定され、弾性変形可能に屈曲形成されるとともに前記ネジ部に係止される係止爪を有する連結具と、を含み、
    前記係止爪は、前記連結具に外力が作用していない定常状態で前記ネジ部に係止され、且つ、外力が作用して前記連結具が弾性変形した状態で前記ネジ部から離脱するように構成され、前記ボルト材と前記連結具とを含んで前記間隔調整機構が構成されている請求項3に記載の脱落抑止具。
  5. 前記第二挟持体は、前記ボルト材に対して略直交する方向に延在するとともに前記ボルト材が挿通される挿通孔を有する板状部を有し、
    前記挿通孔に挿通される前記ボルト材に螺合するナットは、前記板状部に固定された緩み止めナットであり、前記緩み止めナットをさらに含んで前記間隔調整機構が構成されている請求項4に記載の脱落抑止具。
  6. 前記第二挟持体は、前記固定具の一方側において前記特定部位における幅方向外側面を包囲する折り返し形状の第1の爪部を有する第1の挟持片と、前記固定具の他方側において前記特定部位における幅方向外側面を包囲する折り返し形状の第2の爪部を有する第2の挟持片と、を含み、
    前記第1の挟持片と前記第2の挟持片とが、一括的に前記連結材に連結されている請求項3から5のいずれか一項に記載の脱落抑止具。
  7. 前記第1の挟持片及び前記第2の挟持片はそれぞれ、前記ボルト材に対して略直交する方向に延在し、かつ、前記幅方向に見て互いに重複する板状部をさらに有し、
    前記第1の挟持片の板状部及び前記第2の挟持片の板状部に設けられ、前記幅方向に直交する方向における前記第1の爪部と前記第2の爪部との離間幅を調整する離間幅調整部をさらに有する請求項6に記載の脱落抑止具。
  8. 前記固定具は、側面視で略C字状の金具本体部と、前記金具本体部から両側方に向かって突出形成されて固定状態で前記フランジ部の上面又は下面に当接する一対の当接片と、を有し、
    前記挟持部材は、前記金具本体部の両側面を包囲するとともに前記一対の当接片における幅方向外側面を包囲する状態で前記フランジ部に固定される請求項1から7のいずれか一項に記載の脱落抑止具。
  9. 前記包囲部が、前記特定部位の下方を前記幅方向に沿って延びるとともに、前記特定部位の幅方向外側で屈曲されて、上下方向視で前記特定部位と重なる位置まで延びるように形成されている請求項1から8のいずれか一項に記載の脱落抑止具。
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