JP6284009B2 - 内視鏡用クリップ装置、内視鏡用クリップ装置キットおよびクリップ - Google Patents

内視鏡用クリップ装置、内視鏡用クリップ装置キットおよびクリップ Download PDF

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本発明は、内視鏡用クリップ装置、内視鏡用クリップ装置キットおよびクリップに関する。
近年、内視鏡技術の発達に伴い、内視鏡による体腔内の観察とともに、内視鏡下において患部を切除するなどの医療処置を行うケースが増加している。これに伴い、処置後の切除部等を結紮し、止血等が可能な内視鏡用クリップ装置の需要が増加している。内視鏡下における処置技術が向上するにつれ、内視鏡用クリップ装置を用いた止血等の措置も体腔内の限られた空間で確実に処置を完了することが期待されている。
例えば、特許文献1には、拡開習性をもつ腕部を備えるクリップ、該クリップを閉成する締付リング、および上記クリップと係合する連結部材を備えるクリップユニットと、先端にフック部を有する操作ワイヤと、を具備したクリップ装置の発明が開示されている。上記発明を、以下、従来技術1ともいう。従来技術1は、上記連結部材と、前記フック部とが連結されることにより、上記クリップユニットと、上記操作ワイヤとが連係される。
具体的には、例えば、特許文献1図3には、2本の弾性アームと2本の当該弾性アームの先端それぞれに設けられた把持部とを有するフック部、および近位側に矢尻フックが設けられた連結部材が図示されている。矢尻フックの傾斜面に上記把持部が当接され、さらに押し込まれることによって当該傾斜面に沿って把持部が外側に押し広げられる。そして、当該把持部が矢尻フックを通り過ぎたところで、弾性アームの閉塞力により当該弾性アームが閉塞し、矢尻より延在する円柱部が把持部によって挟持される(特許文献1段落[0057][0058])。
同文献段落[0303]によれば、従来技術1は操作部材の進退のみでクリップ装置の取付け及び結紮操作が行えるため簡便であると説明されている。
特開2002−191609号公報
しかしながら、従来技術1は、以下の課題を有していた。
上述のとおり、従来技術1は、対向する2本の弾性アームによって、矢尻フックが把持される。ここで、2本の弾性アームが一方方向(例えば上下方向)において対向すると、対向する当該2本の弾性アーム間には、上記対向方向に対し垂直な方向(上記上下方向に対する左右方向)に隙間が形成される。
体腔内において、所望の角度にクリップの向きを調整する操作を行う場合に、体壁などにクリップが当接して応力が発生し、クリップおよびこれに連結される連結部材は、操作軸方向以外の方向に力を受ける場合がある。このとき、当該力を逃すために、2本の弾性アーム間に形成された隙間が拡張し、これらの弾性アームに一方方向から把持される円柱部が当該隙間から離脱する虞が高い。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、操作ワイヤ側に設けられた第二係止部に係止されたクリップ側における第一係止部が、離脱し難く、係止状態が良好に維持可能な内視鏡用クリップ装置を提供する。
本発明の内視鏡用クリップ装置は、自己拡開力により開く腕部と、上記腕部の基端側に設けられた第一係止部と、を備えるクリップを装着して用いられる内視鏡用クリップ装置であって、長尺のシースと、上記シースの内部を進退移動可能に挿通された操作ワイヤと、上記操作ワイヤの遠位側に設けられ上記クリップにおける上記第一係止部と係合する第二係止部と、を備え、上記第二係止部は、近位側に位置する基端部と、上記基端部から遠位側に向けて上記操作ワイヤの軸方向に延在する3つ以上の爪部と、を有し、3つ以上の上記爪部には内方向に突出した突出部が設けられており、上記爪部のそれぞれに設けられた上記突出部は、3つ以上の上記爪部に設けられた上記突出部の頂点に内接する内接円の中心を通り直径方向に伸長する任意の線分により上記内接円を2つの半円に分割したとき、いずれの上記半円にも1以上配置されるように分散して配置されており、上記基端部と3つ以上の上記爪部に設けられた上記突出部との間に上記第一係止部を包含して係止する空間が区画されており、上記第一係止部が、上記第二係止部に対し遠位側から近位側および近位側から遠位側に相対移動する場合に、上記第一係止部が押し当てられることによって上記突出部に外力が付加され、当該突出部を備える上記爪部が外方向に傾斜する傾斜状態に遷移し、かつ、上記外力の付加が解除されると、上記傾斜状態にあった当該爪部が自然状態に自律的に遷移することを特徴とする。
また本発明の内視鏡用クリップ装置キットは、本発明の内視鏡用クリップ装置と、上記内視鏡用クリップ装置に使用される上記クリップと、上記クリップを上記内視鏡用クリップ装置に装着するためのカートリッジと、を備えることを特徴とする。
また本発明のクリップは、本発明の内視鏡用クリップ装置に装着されるクリップであって、自己拡開力により開く腕部と、上記腕部の基端側に設けられ、上記第二係止部に設けられた上記空間に包含されることによって第二係止部に係止可能な筒状体である第一係止部と、を備えることを特徴とする。
本発明の内視鏡用クリップ装置は、操作ワイヤ側に設けられた第二係止部に設けられた空間に、クリップ側に設けられた第一係止部を包含して係止することを可能とする。
上記空間に包含された第一係止部は、第二係止部に設けられた3つ以上の爪部によって囲まれた状態で係止される。即ち、第二係止部は、2か所を超える他方向に存在する爪部によって包囲される。そのため、クリップを体腔で操作する際に、予定しない力を受けて、操作軸方向とは異なる方向に傾斜する力がかかった場合であっても、他方向から包囲する爪部に当接するため離脱し難い。
また本発明の内視鏡用クリップ装置ユニットは、本発明の内視鏡用クリップ装置における効果を享受する。
また本発明のクリップは、構造がシンプルである。したがってたとえば一カ所の患部において、複数のクリップを用いて止血等する場合に、体内に留置されたクリップが事後の操作の妨げになり難い。本発明のクリップは、本発明の内視鏡用クリップ装置に用いられることにより、当該内視鏡用クリップ装置から離脱し難く係止状態が良好に維持される。
本発明の第一実施態様を例示する内視鏡用クリップ装置の斜視図であって、クリップが装着された状態を示す。 図1に示す内視鏡用クリップ装置の遠位側における端部領域の拡大説明図である。 図1に示す内視鏡用クリップ装置の第二係止部と、本発明のクリップの一態様と、を示す斜視図である。 図2に記載する内視鏡用クリップ装置のIV−IV断面を示す説明図である。 クリップと、カートリッジと、内視鏡用クリップ装置と、を備える本発明の内視鏡用クリップ装置キットの一態様を示す説明図であり、(a)は、クリップが装填されたカートリッジを、内視鏡用クリップ装置に、装着した状態を示し、(b)は、カートリッジに装填されたクリップと、内視鏡用クリップ装置とが連結した状態を示す。 クリップが装着された内視鏡用クリップ装置の把持動作を説明する説明図であり、(a)は、装着されたクリップがシースの内部に収容された状態を示し、(b)は、クリップがシースの遠位側より突出し腕部が拡開した状態を示し、(c)は、クリップが閉塞した状態を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
なお、本実施の形態では図示するように上下左右の方向を規定して説明する場合がある。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものであり、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
本発明の内視鏡用クリップ装置の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
本発明における用語または本発明を説明する際に用いられる用語は、特段の断りがない限り、以下のとおり定義される。
本発明において、「自己拡開力」とは、閉じようとする外力に対して反発し、自ら開こうとする力のことをいう。
本発明を説明する際、「遠位側」とは、特に断りのない限り、内視鏡用クリップ装置、またはこれに装着されたクリップにおいて、内視鏡用クリップ装置を操作する操作者(以下、単に「操作者」という)が操作する側から遠い側をいう。具体的には、「遠位側」とは、内視鏡用クリップ装置、またはこれに装着されたクリップの先端部がある側をいう。また、「近位側」とは、特に断りのない限り、内視鏡用クリップ装置に対し、操作者が操作する側から近い側をいう。
また本発明を説明する際、特に断りがない限り、「内方向」とは、内視鏡用クリップ装置において、操作ワイヤの軸または当該軸の延長線に向かう方向を意味し、径方向における内方向を含む。また「外方向」とは、操作ワイヤの軸または当該軸の延長線から離間する方向を意味し、径方向における外方向を含む。
また本発明を説明する際に、特に断りがない限り、内視鏡用クリップ装置、またはこれに装着されたクリップに関して「断面」という場合には、操作ワイヤの伸長方向に対し垂直に切断したときの切断面を意味する。また「断面外径」とは、上述する断面における外径を意味する。上記断面が円形状でない場合には、当該断面の最長径を断面外径という。
また本発明を説明する際に、特に断りがない限り、「軸方向」とは、操作ワイヤの軸方向を意味する。
(第一実施形態)
以下に、本発明の第一実施形態である内視鏡用クリップ装置100(以下、単に「クリップ装置100」という場合がある)の構成について図面を用いて説明する。
図1に示すとおり、クリップ装置100は、クリップ200を装着して用いることができる。図1は、本発明の第一実施態様を例示するクリップ装置100の斜視図であって、クリップ200が装着された状態を示す。
クリップ装置100は、例えば、近位側から指かけリング500、駆動部510、および操作部本体520を備える。操作者が、操作部本体520に対し駆動部510を相対移動させて操作することにより、シース10に挿通された操作ワイヤ20は、シース10の延伸方向に進退する。また、指かけリング500に指をかけて固定するとともに、操作部本体520の全体を軸周りに回転させる。これにより、操作ワイヤ20およびクリップ200を回転操作することができる。ただし、上述するクリップ装置100の操作に関する構成および操作の動作の説明は本実施形態にかかるクリップ装置100の一例であり、本発明を何ら限定するものではない。
次に、図2を用いて、クリップ装置100の詳細を説明する。図2は、図1に示すクリップ装置100の遠位側における破線円で示された遠位側端部領域の拡大説明図である。尚、図2には、シース10、縮径スリーブ70、および伸縮部80について断面を図示し、それ以外の構成については側面を図示し、クリップ200が装着されたクリップ装置100を模式的に示している。後述する図5および図6についても同様に断面と側面とを併せて本発明を模式的に図示する。
クリップ装置100は、自己拡開力により開く腕部40と、腕部40の基端側に設けられた第一係止部50と、を備えるクリップ200を装着して使用可能である(図2)。
クリップ装置100は、長尺のシース10と、シース10の内部を進退移動可能に挿通された操作ワイヤ20と、操作ワイヤ20の遠位側に設けられクリップ200における第一係止部50と係合する第二係止部30と、を備える。第二係止部30は、近位側に位置する基端部32と、基端部32から遠位側に向けて操作ワイヤ20の軸方向に延在する3つ以上の爪部傾斜規制部146と、を有している。3つ以上の爪部34には内方向に突出した突出部36が設けられている。基端部32と3つ以上の爪部34に設けられた突出部36との間に第一係止部50を包含して係止する空間150(図3参照)が区画されている。尚、空間150とは、第一係止部50の少なくとも一部を収容可能な空間をいう。
本実施形態にかかるクリップ装置100は、たとえば、内視鏡(不図示)のチャネル(不図示)内に挿通させて、チャネルの先端部からクリップ200を突出させることにより、体腔内の生体組織を結紮するための長尺の医療用器具として使用することができる。
クリップ装置100に設けられた第二係止部30において、3つ以上の爪部34は、操作ワイヤ20の周方向に分散して配置されている。第二係止部30に形成された第一係止部50は、3つ以上の爪部34により、3方向以上から包囲される。これにより、第一係止部50は、爪部34間を通過して第二係止部30から離脱し難い。
また、第一係止部50と第二係止部30とを係合させる際、方向規制がなく取扱い性が良い。具体的には、クリップ200における第一係止部50は、等方向性の形状となっており、かつ第二係止部30における3つ以上の爪部34も操作ワイヤ20の軸延長線から等しい距離に配置されている。そのため、クリップ装置100は、回転方向に位置合わせすることなくクリップ200を装着することができる。
図2を用いて、クリップ装置100の各構成について説明する。
長尺のシース10は、長尺で可撓性の管状部材である。シース10は、たとえば金属ワイヤを長尺に巻回したコイル層(不図示)から構成することができる。コイル層の内周面には、フッ素系ポリマーからなる内層(不図示)が設けられていてもよい。あるいは、シース10を金属部材ではなく、可撓性の樹脂部材から構成してもよい。あるいは、シース10は可撓性の樹脂部材でチューブ状に形成してもよい。
シース10の内径は、少なくとも操作ワイヤ20を摺動可能な大きさである。シース10の内径は、クリップ200が収容可能な大きさが確保されてもよい。本実施形態では、閉塞した状態の腕部40を備えるクリップ200がシース10の内部に収容可能である(図6(a)参照)。具体的には、シース10の内径は、たとえば、100μm以上2.4mm以下である。また、シース10の厚さは、たとえば、100μm以上350μm以下である。これにより、シース10の屈曲性をよくすることができる。
操作ワイヤ20は、シース10の内部を軸方向に進退可能に挿通されている。操作ワイヤ20は、たとえば、ステンレス鋼、耐腐食性被覆された鋼鉄線、チタンまたはチタン合金などの剛性の強い金属材料により形成されている。
第二係止部30は、操作ワイヤ20の遠位側に連続して設けられている。第二係止部30は、クリップ200に設けられた第一係止部50と係合可能であり、図2では第一係止部50と第二係止部30とが係合した状態を示している。第二係止部30に係止された第一係止部50は、クリップ装置100の操作によって第二係止部30と分離可能である。
図3を用いて第二係止部30の詳細を説明する。図3は、内視鏡用クリップ装置100における第二係止部30と、本発明のクリップの一態様であるクリップ200と、を示す斜視図である。
第二係止部30は、近位側に位置する基端部32と、基端部32から遠位側に向けて操作ワイヤ20の軸方向に延在する3つ以上の爪部34と、を有している。本実施形態では、爪部34は、当該軸方向に対し略平行に延在している。ただし、これに限定されず、爪部34の延在方向は、軸方向成分を有して基端部32から遠位側に向かう方向であればよい。
基端部32は、爪部34の基端と連係するとともに、操作ワイヤ20の遠位側の端部と連結する。例えば基端部32は、筒状体であって、筒状体の一方側の底面には、操作ワイヤ20と連結する連結底面116を有している。
図3に示すとおり、本実施形態における基端部32は、円筒形状をなしており、近位側端面は連結底面116で閉じられるとともに遠位側端面は開口している。基端部32の変形例として、基端部32は筒状であって、近位側は、円筒状をなすとともに、遠位側は角筒状をなすよう構成することもできる(不図示)。たとえば、貼りあわせ部分を含む基端部32の展開体を適度の厚みの金属板から裁断して、当該展開体から円筒を形成して基端部32を形成することができる。このとき、当該円筒の遠位側の外縁を含む端部領域が角筒状となるよう癖づけするなどして、円筒状から角筒状に遷移する筒状体を形成することもできる。
金属板を構成する金属材料としては、ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金などを例示することができるが、これに限定されない。また上記金属部材は、適宜、耐腐食性被覆処理がなされたものであってもよい。
爪部34は、基端部32の遠位端からさらに遠位側に延在している。爪部34は、基端部32と別体で形成されたものを基端部32に接合してなるもの、あるいは基端部32と一材で一体的に形成してなるものをいずれも含む。本実施形態において爪部34は、略平板状に構成されている。爪部34の変形例としては、円筒状である基端部32の弧に沿って幅方向に湾曲した湾曲板状であるもの、基端部が湾曲状であるとともに、中間部から先端部にかけて略平板状に癖づけされたものなどを含む(不図示)。上述のとおり角筒状に癖づけした基端部32から延在する平板状の爪部34を、基端部32と一材で一体的に形成することも可能である。即ち、第二係止部30は一材で一体的に形成することが可能である。
3つ以上の爪部34は、第二係止部30に係止される第一係止部50の周囲を包囲する(図2参照)。
爪部34の形状および寸法は、第二係止部30において第一係止部50を包含して係止できる範囲において適宜決定することができる。
3つ以上の爪部34で第一係止部50の周囲を包囲して、第二係止部30から第一係止部50が離脱することを良好に防止するという観点から、爪部34は、板状体であることが好ましい。本実施形態において爪部34は、板状体であって、一方の主面が内方向を向いている。これによって、第一係止部50を包囲する爪部34の面積を増大させ、第一係止部50が第二係止部30から離脱することを良好に防止する。板状体である爪部34からは、針金状の爪部34が除かれる。板状体である爪部34の幅寸法は、厚み寸法の1倍を超えるものが好ましい。ここで爪部34の幅寸法とは、爪部34の延在方向に対し垂直方向において測定される爪部34の寸法である。本実施形態において、一つの爪部34において基端側(近位側)から先端側(遠位側)まで、略同幅寸法で構成されている。ただし本実施形態はこれに限定されず、爪部34の延在方向において任意に幅寸法を変更してもよい。板状体である爪部34は、例えば図3に示すとおり略平板状であってもよいし、図示省略する湾曲板状体であってもよい。
上述は、本実施形態から、板状体以外の爪部34を除外するものではなく、爪部34は、板状体以外の任意の立体形状により構成されてもよい。
基端部32に対する3つ以上の爪部34の配置位置は特に限定されない。たとえば、図3に示すとおり、本実施形態における第二係止部30は、基端部32の周方向に分散して3つ以上の爪部34が設けられている。具体的には、4つの爪部34が基端部32の周方向に略等間隔では配置されている。したがって、第二係止部30に係止される第一係止部50は、対向する2つの爪部34によって一方向(例えば上下方向)に包囲されるとともに、対向する他の2つの爪部34によって他方向(上記上下方向に対して左右方向)に包囲される。そのため第一係止部50は第二係止部30から離脱し難い。もちろん、爪部34が3枚である対応、および5枚である対応においても他方向から第一係止部50が包囲され、第二係止部30から離脱し難いという効果が生じる。
本実施形態において4つの爪部34は、いずれも同形状であって遠位側における先端位置が、軸方向において略等しく揃えられている。ただし、本実施形態は、変形例として、3つ以上の爪部34の少なくとも一つが、異なる形状である態様、または先端位置が異なる態様を含む。
次に、図3を用いて爪部34および突出部36の詳細について説明する。
3つ以上の爪部34には内方向に突出した突出部36が設けられている。基端部32と3つ以上の爪部34に設けられた突出部36との間に第一係止部50を包含して係止する空間150が区画されている。
突出部36は、空間150に包含され第一係止部50と当接可能である。突出部36と第一係止部50とが当接することによって、第一係止部50が第二係止部30に対し近位側から遠位側に相対移動することを規制する。当該規制により、第一係止部50が第二係止部30から容易に離脱することが防止される。
第一係止部50と突出部36との関係を具体的に説明するために、図2におけるIV−IV断面を示す説明図である図4を示す。図4に示すとおり、基端部32と突出部36との間に区画されてなる空間150に第一係止部50の全体が包含されており、第一係止部50から延在する2本の腕部40が4つの突出部36の間を通過して、遠位側に延在している。図4には、4つの爪部34の幅方向に連続して設けられた突出部36のそれぞれの頂点と接する仮想円を内接円110および第一係止部50の外径を示す。また図4において、第一係止部50の内径および第一係止部50と腕部40との接続部分を図示省略する。内接円110とは、全ての上記突出部36の頂点に内接する最大の円である。
図4に示すとおり、第二係止部30は、第一係止部50の断面外径bよりも、3つ以上の突出部36の頂点に内接してなる仮想の内接円110の直径aが小さくなるよう構成されている。
本実施形態において、3つ以上の爪部34それぞれにおける突出部36(以下、複数の突出部36ともいう)の形成位置は、軸方向において略等しい。ただし本実施形態は、複数の突出部36の形成位置が軸方向において異なる態様を除外するものではない。尚、複数の突出部36の軸方向における位置が異なる場合には、クリップ装置100を軸方向から観察したときに平面視上で確認される複数の突出部36から内接円110を規定する。突出部36は、爪部34の幅方向に連続して設けられている。
内接円110の直径aよりも大きい断面外径bを有する第一係止部50が突出部36の設けられた位置を通過して空間150に包含されるために、爪部34は、変形および復元可能に構成されることが好ましい。
即ち、第一係止部50は、第二係止部30に対し遠位側から近位側に相対移動する場合に、第一係止部50が突出部36に押し当てられることにより当該突出部36に外力が付加され、当該突出部36を備える爪部34が外方向に傾斜する傾斜状態に遷移する。そして当該外力の付加が解除されると、上記傾斜状態にあった当該爪部34が自然状態に自律的に遷移する。
また、第二係止部30に係止された第一係止部50が、第二係止部30に対し近位側から遠位側に相対移動する場合も、上述と同様に傾斜状態と自然状態とに遷移してもよい。これによって、内視鏡用クリップ装置100に対するクリップ200の着脱を繰り返し行うことが可能である。あるいは、一つのクリップ装置100を用い、順次、複数のクリップ200を用いて結紮処置を行うことが可能である。
爪部34が、自律的に遷移するとは、たとえば、爪部34を弾性復元可能な部材により構成し、当該部材の復元力によって、上記傾斜状態から自然状態へ遷移することを含むが、これに限定されない。
爪部34において、突出部36の遠位側を向く面は、近位側に向かって内方向に傾斜している。この傾斜面を、ここでは第一傾斜面38と称呼する。ここで、遠位側を向く面とは、面の法線が遠位側に向かう方向成分を有する面のことをいう。
第一係止部50と第一傾斜面38とが当接するとともに、第一係止部50が第二係止部30に対し相対的に遠位側から近位側に移動する方向に外力が付加されることにより、爪部34が径の外方向に押し広げられ上記傾斜状態に遷移しやすい。これにより、第一係止部50は、スムーズに空間150に包含され第二係止部30に係止される。
爪部34において、突出部36の近位側を向く面は、近位側に向かって外方向に傾斜している。この傾斜面を、ここでは第二傾斜面37と称呼する。ここで、近位側を向く面とは、面の法線が近位側に向かう方向成分を有する面のことをいう。
第二傾斜面37と空間150に包含された第一係止部50とが当接した状態で、第一係止部50が第二係止部30に対し相対的に近位側から遠位側に移動する方向に外力が付加されることにより、爪部34が径の外方向に押し広げられ上記傾斜状態に遷移し得る。この結果、第一係止部50および第二係止部30のいずれも破壊されることなく、第一係止部50が第二係止部から脱離可能である。
爪部34は、基端部32から延在する爪部本体35と、爪部本体35の先端側に設けられた突出部36とを有している。本実施形態において爪部本体35および突出部36は、一連の板状体から構成されている。
一連の板状体とは、換言すると一材により一体成形された板状体のことをいう。爪部本体35と突出部36とを一連の板状体から構成することにより、爪部34の製造を容易にする。
例えば、板状体である爪部本体35の遠位側近傍において、幅方向のラインに沿って内方向に折り込んで折込み端部(図示省略)を形成し、当該折込み端部の中間部を幅方向のラインに沿って外方向に折り込むことにより、突出部36を形成することができる。
次に、空間150の詳細について説明する。
空間150は、図3に示すとおり、基端部32と3つ以上の爪部34に設けられた突出部36との間に区画されてなる領域である。空間150は、基端部32と爪部34との間において爪部本体35により第二係止部30の外側と区画されている。空間150は、第一係止部50の少なくとも一部を収容可能である。
本実施形態にかかるクリップ装置100は、3つ以上の突出部36が操作ワイヤ20の周方向に分散して配置されており、これに連続する爪部本体35により3方向以上から第一係止部50を包囲可能な空間150が設けられている。第一係止部50を第二係止部30に係止可能に包含するという観点からは、空間150は、操作ワイヤ20の周方向に適度に分散された突出部36によって区画されることが好ましい。具体的には、図4から理解されるとおり、内接円110の中心を通り直径方向に伸長する任意の線分により、内接円110を2つの半円に分割したとき、突出部36が、いずれの半円にも1以上配置されるよう分散されることが好ましい。ここで、上記半円に突出部36が存在するとは、内接円110を規定する突出部36と内接円110との接点が当該半円の円弧上に存在することをいう。
次に、クリップ装置100に装着されたクリップ200の回転操作に寄与する、クリップ装置100の構成について説明する。
クリップ装置100は、第一係止部50と第二係止部30とが係止された状態で操作ワイヤ20が回転操作されることにより第二係止部30が回転する。ここでクリップ装置100は、回転する第二係止部30とクリップ200とが当接することによって回転操作により発生する回転駆動力がクリップ200に伝動されるよう構成されている。
従来技術1におけるクリップ装置のごとく、連結部材を介して操作ワイヤとクリップとが連係されたクリップ装置は、操作ワイヤを回転操作したときに回転駆動力が、操作ワイヤ側に設けられた把持部からクリップに直接的に伝動されないという問題がある。また、従来技術1は、上述するとおり、クリップに連結する連結部における円柱部を操作ワイヤ側に設けられた2本の把持部によって挟持されて連結されている。そのため、操作ワイヤをより強い力で回転操作したときに、把持部が円柱部を挟持しきれずに当該円柱部の外面において滑ってしまう虞がある。この結果、上記回転駆動力が、クリップに設けられた2本の腕部に効率よく伝動されず、クリップの操作に支障を来たす虞がある。
これに対し、クリップ装置100は、上述のとおり回転する第二係止部30とクリップ200とが当接するため、操作ワイヤ20の回転操作により生じる回転駆動力を確実かつ高効率にクリップ200に設けられた腕部40に伝動可能である。
回転する第二係止部30とクリップ200とが当接することによって回転操作により発生する回転駆動力をクリップ200に伝動するための具体的な構成の例について図4を用いて説明する。
本実施態様にかかるクリップ装置100は、爪部34が自然状態であるとき、3つ以上の突出部36の頂点に内接する内接円110の直径aが第一係止部50の断面外径bよりも小さくなるよう構成されている。内接円110は、3つ以上の爪部34のそれぞれに設けられた突出部36の全てに内接している。加えて、3つ以上の突出部36の間を通過する自己拡開した2本の腕部40が内接円110と交差するよう構成されている。例えば、本実施形態は、空間150に第一係止部50の全体および第一係止部50より延在する腕部40の基端部が空間150に包含されている。このとき、腕部40は、空間150の内部から、遠位側に向かい空間150の外側へと延在しており、内接円110と交差している。
かかる構成により、腕部40が拡開した状態において、操作ワイヤ20の回転に連動して回転する第二係止部30に設けられた突出部36と、腕部40と、を直接に当接させることができる。即ち、第二係止部30の回転駆動力が、腕部40に直接に伝動される。
尚、図4には、腕部40の外側面と、対向する一対の突出部36の内側面とが当接した状態を示している。ただし、第二係止部30の回転前において、腕部40と突出部36とが当接していなくても、2本の腕部40が内接円110と交差する構成によれば、第二係止部30が回転することにより、腕部40と突出部36とは当接する。
また図示省略するが、第二係止部30に第一の当接部を設けるとともに、第一係止部50に第二の当接部を設け、回転する第二係止部30における上記第一の当接部と、上記第二の当接部とを当接させ、クリップ200を回転させてもよい。より具体的には、たとえば爪部34に内方向に突出する上記第一の当接部を設けるとともに、第一係止部50に外方向に突出する上記第二の当接部を設けてもよい(図示省略)。
第二係止部30の回転が、クリップ200(特には腕部40)に直接に伝動することにより、操作ワイヤ20の回転操作により発揮される回転駆動力を、直接かつ確実に腕部40に伝動させることができ、クリップの回転操作の操作性を向上させることができる。
次に、図2を用いて、クリップ装置100に設けられた縮径スリーブ70について説明する。縮径スリーブ70は、クリップ装置100において、シース10の先端側に収納可能に設けられている。
縮径スリーブ70は、遠位側に設けられた拡径部120と、近位側に設けられたスリーブ本体122と、拡径部120およびスリーブ本体122との間に位置する段差部124と、を有している。縮径スリーブ70は、外力により少なくとも拡径部120が縮径する。縮径スリーブ70の内側面には、内方向に突出する爪部傾斜規制部146が設けられている。爪部傾斜規制部146の詳細は後述する。
縮径スリーブ70は、シース10内に進退自在に挿通されている。縮径スリーブ70の近位側には、シース10内において進退自在に摺動し、軸方向に伸縮可能な伸縮部80が連結されている。
本実施態様における段差部124は、スリーブ本体122と拡径部120との間においてテーパー状に形成されている。縮径スリーブ70に外力が付加されて拡径部120および段差部124が縮径することにより、縮径スリーブ70は、シース10内へ移動することが許容される。
縮径スリーブ70の構成材料は、外力により縮径可能な部材であれば特定の材質に限定されない。例えば、構成材料は、例えば金属や、樹脂、ゴムなどのエラストマーであっても良く、強度的な要求事項を考慮するならば、ステンレスなどの金属製であることが好ましい。たとえば、拡径部120が外力により縮径し易いように、拡径部120の遠位側端部から近位側に向けて切り欠かれて形成された一以上のスリットが形成されていても良い(図示せず)。例えば上記スリットは、拡径部120の遠位側端部から段差部124の少なくとも中間領域に亘るまで連続していてもよい。
縮径スリーブ70をシース10の遠位側より突出させたとき、拡径部120が拡径するとともに段差部124がシース10の先端に当接可能である。これにより縮径スリーブ70がシース10内へ再度の移動することを規制可能である。上記状態から、縮径スリーブ70を再度収納したい場合、外力により拡径部120および段差部124を縮径させる。
スリーブ本体122の近位側端部には、伸縮部80が取り付けられている。伸縮部80の近位側端部は、センタリング部90に接続されている。センタリング部90の略中心には、操作ワイヤ20が挿通され固定されている。したがって、操作ワイヤ20の進退方向の動作に連動してセンタリング部90およびこれに接続される伸縮部80も進退方向に動作可能である。センタリング部90が設けられることによって、シース10の遠位側の領域において操作ワイヤ20の挿通位置が中心軸に沿うよう規制される。即ち、センタリング部90によって操作ワイヤ20はシース10内でシース10断面中央にセンタリングされている。操作ワイヤ20は、当該センタリングによって、シース10内部における挿通径路が矯正され、設計に基づき予定される好ましい操作が実現され得る。
伸縮部80は、軸方向に伸縮可能な部材により構成される。たとえば伸縮部80は、金属や、樹脂、ゴムなどのエラストマーにより構成されても良い。強度的な要求事項を考慮するならば、伸縮部80は、例えば、ステンレスやタングステンの細線を巻いたコイルであることが好ましい。上記コイルの巻き方は特に限定されず、等しいピッチ、可変ピッチまたはこれらの組み合わせであってよい。本実施形態におけるコイルである伸縮部80は、自然状態において、遠位側の領域と近位側の領域とが密巻となっており、中間領域は等ピッチで巻かれている。上記コイルは、コイルバネであってよい。
爪部傾斜規制部146は、本発明における爪部傾斜規制手段の一態様である。
即ち、クリップ装置100は、シース10の内部の所定の領域に、シース10に挿入された第二係止部30の周囲に爪部傾斜規制手段を設けることができる。
爪部傾斜規制手段は、図4に示す内接円110の直径aと第二係止部30の断面外径bとの差異をdとしたとき、爪部34とこれに対向する任意の対向部材との距離が上記dの二分の一未満となるよう当該対向部材の位置を調整する手段である。内接円110は、3つ以上の突出部36の頂点に内接する円である。爪部傾斜規制手段は、爪部34とこれに対向する任意の対向部材との距離が、0を超えて上記dの二分の一未満にとなるよう当該対向部材の位置を調整する。ここで、0を超えた距離とは、第二係止部30がシース10内を進退可能な程度に爪部34とこれに対向する任意の対向部材とが離間する距離を意味する。
上記爪部傾斜規制手段を設けることによって、シース10内における上記所定の領域において、空間150に包含される第一係止部50が離脱する程度に爪部34が外方向に傾斜することが規制される。これにより、クリップ装置100に装着されたクリップ200が、所望しないタイミングでクリップ装置100から離脱することが防止される。
縮径スリーブ70を有するクリップ装置100は、図2に示すとおり、上記爪部傾斜規制手段として、上記対向部材である爪部傾斜規制部146が、スリーブ本体122の内側面から内方向に突出して設けられている。
爪部傾斜規制部146は、スリーブ本体122の内側面において周方向に連続的または断続的に設けられており、爪部傾斜規制部146の前端は、スリーブ本体122の遠位側端部の近傍に位置している。爪部傾斜規制部146は当該前端より近位側に向けて延在している。爪部傾斜規制部146は、後退限度位置に位置するクリップ200と係合している第二係止部30に設けられた爪部34の先端位置の近傍で終端する。たとえば、爪部傾斜規制部146は、当該先端位置より僅かに遠位側において終端する。ここで後退限度位置とは、クリップ装置100に装着されたクリップ200に関し、腕部40に設けられた拡大幅部114が締付部材60に当接してクリップ200の後退が規制される位置を意味する。
爪部傾斜規制部146を設けることによって、所望の位置まで第一係止部50と第二係止部30との係合を維持することが可能である。
即ち、シース10内において、爪部傾斜規制部146が設けられた領域では、爪部34と爪部傾斜規制部146との距離が上記dの2分の1未満に調整される。このため、爪部34と爪部傾斜規制部146とが対向する領域では、第二係止部30から第一係止部50が離脱するに充分な程度に爪部34が外方向に傾斜することが規制される。そのため第一係止部50は、第二係止部30から離脱することが規制される。
一方、シース10内において、爪部傾斜規制部146が設けられていない領域では、爪部34の外側面とスリーブ本体122との距離は上記dの2分の1以上に確保可能である。かかる領域では、第二係止部30から第一係止部50が離脱するに充分な程度に爪部34が外方向に傾斜可能である。したがって第一係止部50は第二係止部30から離脱可能である。
また、爪部傾斜規制部146が設けられた領域では、第二係止部30が径方向に揺れることを緩やかに規制する。即ち、爪部傾斜規制部146は、第二係止部30のセンタリング部材としても機能しうる。
次に、図3を用いてクリップ200の構成について説明する。
クリップ200は、腕部40と、腕部40の基端側に設けられた第一係止部50と、を備える。本実施形態にかかるクリップ200は、生体組織を結紮するものであり、クリップ200で生体組織を結紮することにより、例えば止血処置、縫縮およびマーキングなどの処置を行うことができる。
たとえば、本実施形態に用いられるクリップ200は、自己拡開力により開く腕部40と、腕部40の基端側に設けられ、第二係止部30に設けられた空間150に包含されることによって第二係止部30に係止可能な筒状体である第一係止部50と、を備える。
上記筒状体は、円筒体、角筒体、または一端が円筒に構成され、他端が各筒に構成され、中間部において円筒から角筒に遷移する筒体のいずれであってもよい。尚、図示省略するが、第一係止部50は、空間150に包含されて第二係止部30と係止可能な範囲において筒状体以外の形体であってもよい。たとえば、第一係止部50は、特に限定されないが、球状体、または柱状体などであってもよく、また中空体、中実体のいずれであってもよい。上記筒状体は、側面が全周に亘り連続していてもよいし、側面の一部に、切欠き、スリット、または開口等が設けられていてもよい。
本実施形態において、腕部40の基端と第一係止部50とは直接に連結されている。
クリップ200は、腕部40と第一係止部50を主体とし、非常にシンプルに構成されている。そのため第一係止部50または腕部40に対し、直接に第二係止部30の回転駆動力を伝動させることが可能である。またシンプルな構成の故、製造容易である。
筒状体である第一係止部50および腕部40は、一材で形成されている。筒状体である第一係止部50の遠位側の外縁から延在する2本の腕部40は互いに対向して設けられている。尚、筒状体である第一係止部50の遠位側の外縁とは、クリップ200をクリップ装置100に装着した際におけるクリップ装置100に対する遠位側を意味する。
たとえば、適度な厚みの金属板から、貼りあわせ部分を含む上記筒状体の展開体を裁断し、これを周方向に湾曲させ、貼りあわせ部分を接着または溶着などで貼りあわせて、容易に、筒状体を形成することができる。上記裁断の際、2本の腕部40も筒状体と一体的に金属板から切り取ることによって、一材で一体形成されたクリップ200を容易に形成することができる。上記金属板を構成する金属材料は、上述する基端部32において例示されるものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
図3に示すとおり、腕部40は、第一係止部50から延在し互いに向かい合う方向に湾曲する湾曲部126を備える。湾曲部126は、一方の腕部40の中央より第一係止部50側に設けられ内方向に湾曲した湾曲腕部126aと、他方の腕部40の中央より第一係止部50側に設けられ内方向に湾曲した湾曲腕部126bと、により構成されている。湾曲部126を構成する腕部40は、相対的に細幅に形成されている。
湾曲部126が設けられることにより、クリップ装置100にクリップ200が装着された状態において、腕部40が突出部36に当接しないか、あるいは当接する場合であっても腕部40の自己拡開力に対する突出部36の応力の発生を抑制可能である。
腕部40は、湾曲部126よりも先端側において、幅寸法が拡大した拡大幅部114を有する。拡大幅部114は、略直線状に構成されており、生体組織の把持する把持領域となっている。腕部40の先端には内方向に屈曲する尖端状の先端爪112が設けられている。湾曲部126の外側表面であって腕部40の幅方向略中央であり拡大幅部114寄りの端部領域に、外方向に突出する規制部115が設けられている。規制部115については、クリップ200の動作に関する説明に伴い後述する。
本実施形態におけるクリップ装置100またはこれに用いられるクリップ200は、腕部40を締め付けて閉塞させる締め付け手段を備える。上記締め付け手段は、クリップ200がクリップ装置100に対し遠位側から近位側に相対移動するときに、クリップ200に対して遠位側に相対移動することによりクリップ200における腕部40を締め付けて閉塞させる。また、クリップ200がクリップ装置100に対し近位側から遠位側に相対移動するときに、締め付け手段が、クリップ200に対して近位側に相対移動することにより腕部40が拡開する。
本実施形態では、具体的には、図3に示すとおり、腕部40に対し進退可能に挿通されたリング状の締付部材60がクリップ200に設けられている。
図示省略する他の締め付け手段としては、例えば、シース10の遠位側端部にリング状の締付部材60を設け、この締付部材60に対し近位側に相対移動する腕部40を閉塞させてもよい。上記リング状の締付部材60は、周方向に亘り側周面全体が連続するリングであってもよいし、一部に切欠きやスリットが設けられていてもよい。
上記リングである締付部材60の径に対し、拡大幅部114が通り抜けできないよう拡大幅部114の幅寸法が決定されている。
次に、本発明の内視鏡用クリップ装置キット300を用いて、クリップ装置100に対しクリップ200を取り付けるための取り付け動作の一例を説明する。説明には図5を使用する。図5は、クリップ200と、カートリッジ130と、クリップ装置100と、を備える本発明の内視鏡用クリップ装置キット300(以下、「キット300」ともいう)の一態様を示す説明図ある。図5(a)は、クリップ200が装填されたカートリッジ130を、クリップ装置100に装着した状態を示している。図5(b)は、カートリッジ130に装填されたクリップ200と、クリップ装置100とが連結した状態を示している。
本発明は、クリップ装置100と、クリップ装置100に使用されるクリップ200と、クリップ200をクリップ装置100に装着するためのカートリッジ130と、を備えるキット300を含む。
キット300において、クリップ200は初期よりカートリッジ130に内蔵されていてもよいし、後装填してもよい。
キット300は、内視鏡用クリップ装置を使用する上で、取扱性がよく、スムーズに処置のクリップ装置100の準備ができ、利便性に優れる。
図5(a)に示すとおり、クリップ200をクリップ装置100に装着するために、まず、カートリッジ130に設けられたシース受部132にシース10の遠位側端部を合わせる。
ここで、カートリッジ130は、カートリッジ本体138とカートリッジ本体138の開口側に設けられたガイド134を有している。カートリッジ本体138は一端が開口の筒状体であり、内部はクリップ200を収容する収容部136となっている。カートリッジ本体の内径は、シース10の内径と略同一の寸法で構成されているとともに、締付部材60の外径とも略同等である。カートリッジ本体138の開口部には、カートリッジ本体138とクリップ装置100とを対向させたときにシースの先端と当接可能なシース受部132が設けられている。シース受部132より先端側には、カートリッジ本体138の内径より拡径された内径を有するガイド134が延在している。シース受部132は、ガイド134とカートリッジ本体138との内径の差異により形成される段差によって構成されている。
収容部136には、充填されたクリップ200がクリップ装置100に対し相対的に後退することを規制するクリップ後退規制部142が設けられている。図示するカートリッジ130では、カートリッジ本体138の底部がクリップ後退規制部142と兼用されている。収容部136の内壁面であって開口寄りには突起部140が設けられている。突起部140は、収容部136に収容されたクリップ200の拡大幅部114よりも第一係止部50寄りに設けられている。腕部40に進退可能に挿通された締付部材60の遠位側端面(紙面左側端面)と、突起部140の近位側端面とが当接することにより、締付部材60の拡大幅部114への移動が規制されている。突起部140の上記近位側端面とは反対側の面(即ち遠位側を向く面)は、遠位側に向かって外方向に傾斜するテーパー形状になっているため、クリップ200がカートリッジ130より引き出される動作が突起部140によって阻害されない。突起部140は、収容部136の内側面に沿って周方向に連続して設けられている。
図5(a)の状態から、操作ワイヤ20を遠位側に押し込む。これによって、図5(b)に示すとおり、縮径スリーブ70の遠位側端面が締付部材60の近位側端面に当接するとともに第二係止部30がクリップ200側に押し込まれて、第一係止部50と第二係止部30とが係止された状態となる。第一係止部50の近位側の端部と、第一傾斜面38とが当接した状態でさらに操作ワイヤ20が押し込まれることによって、爪部34が外方向に傾斜し、第一係止部50が空間150に包含された状態が実現される。
図5(b)の状態から、カートリッジ130を、クリップ装置100に対し遠位側に相対移動させることによって、クリップ200は、クリップ装置100に装着された状態でカートリッジ130から離脱する。さらに、操作ワイヤ20を近位側に引くことにより、クリップ200は、シース10の内部に収容される(図6(a)参照)。
次に、図6を用いて、結紮部位を把持するクリップ200の動作について説明する。図6は、クリップ200が装着されたクリップ装置100の把持動作を説明する説明図である。図6(a)は、装着されたクリップ200がシース10の内部に収容された状態を示す。図6(b)は、クリップ200がシース10の遠位側より突出し腕部40が拡開した状態を示す。図6(c)は、クリップ200が閉塞した状態を示す。
クリップ装置100に装着されたクリップ200は、上述のとおりシース10に収納される(図6(a))。この状態で体腔内にクリップ装置100を体内に侵入させる。
シース10の遠位側端部が結紮を要する患部近傍に至ったら、まず、操作ワイヤ20を遠位側へ押し出す。クリップ200および締付部材60がシース10先端より突出し、クリップ200は自己拡開力により自然に最大開口幅まで広がる(図示せず)。
さらに操作ワイヤ20を遠位側に押し出すことによって、縮径スリーブ70が、シース10先端より突出し、拡径部120および段差部124は元の径に拡張する。拡径部120の内側に締付部材60が嵌合する(図6(b))。
次に、結紮部位に対し、クリップ200の位置決めを行う。クリップ200の回転操作は操作部本体520(図1)による回転駆動力を、操作ワイヤ20を介してクリップ200に伝動して行う。本実施形態は、上述のとおり第二係止部30とクリップ200とが当接することによって、上記回転駆動力が第二係止部30からクリップ200に直接に伝動されるので、クリップ200の回転操作性が良い。
クリップ200の位置決め終了後、クリップ200先端を結紮部位に押し当てた状態で、操作ワイヤ20を近位側へ引き込む。締付部材60は、段差部124の内側面に当接するとともに拡径部120の内側に嵌合しているため、縮径スリーブ70に対しさらに近位側に相対移動することが規制されている。このため、締付部材60が縮径スリーブ70内径を通過してシース10内へ引き込まれることはない。また、締付部材60が拡径部120に嵌合しているため、外力による縮径スリーブ70先端径の収縮が抑止され、操作ワイヤ20を大きな力で近位側に引き込んでも縮径スリーブ70がシース10内に引き込まれることがない。
操作ワイヤ20と縮径スリーブ70とは、伸縮部80によってつながっている。そのため、縮径スリーブ70がクリップ装置100に対する近位側への相対移動を規制された後も、操作ワイヤ20を近位側に引き込むことによって伸縮部80が伸びるとともに、操作ワイヤ20の先端に設けられた第二係止部30は、シース10内において更に近位側へ引き込まれる。
このようにして、縮径スリーブ70および締付部材60がクリップ装置100に対して近位側へ相対移動することが規制された後も、操作ワイヤ20を引き込んでいくと、腕部40が締付部材60内に引き込まれて、腕部40が閉塞し、結紮部位を結紮する。ただし、再度、操作ワイヤ20を押込むことによって再度、腕部40を拡開可能であるため、結紮部位を把持し直すことが可能である。
最適な結紮が確認できた後に、更に操作ワイヤ20を近位側へ引き込むと、腕部40に設けられた規制部115に乗り上げて締付部材60が腕部40に対し遠位側に相対移動して規制部115が締付部材60の内側面に当接する。これにより、腕部40の閉塞状態が維持される(図6(c))。加えて、腕部40は締付部材60の内径より板幅の広い拡径部120を有し、拡径部120を越えて腕部40が締付部材60内に引き込まれることはない。このとき、第二係止部30における第二傾斜面37と第一係止部50とは当接している。
図6(c)に示すとおり、クリップ200がクリップ装置100に対し近位側に相対移動することが規制された状態で、更に操作ワイヤ20を近位側に引き込む。これにより、爪部34が応力に負けて外方向に変形し、第一係止部50と第二係止部30との係合が解除される。このとき、爪部34は、第二傾斜面37において第一係止部50と当接しているため、応力を逃すために外方向に傾斜し易い。換言すると第二傾斜面37を有することによって、爪部34が破損することなく外方向に傾斜し、第二係止部30から第一係止部50が離脱する。
以上の動作により、クリップ200はクリップ装置100から離脱し、体内に留置される。
上述のとおり、本実施形態にかかるクリップ装置100は、何らの破損なく、クリップ200を装着し、かつ体内に留置することができるため、再度クリップ200を装着し、繰り返し結紮を行うことができる。またクリップ装置100に装着され、体内に留置されるクリップ200は、クリップ装置100から離脱する際に、切断や破損が生じない。そのため、切断片が発生することなく、また破損部位が体内を傷つけるといった虞がない。
またクリップ200は、従来技術1のごとく連結部材を有しないシンプルな構成である。そのため、一カ所の患部に対し、複数のクリップ200を用いて止血する場合などにおいて、既に留置されたクリップ200が、事後の結紮処理に伴う操作ワイヤ20の操作を妨げない。
以上に本発明の第一実施形態について説明した。第一実施形態にかかるクリップ装置100に装着可能なクリップ200は、本発明のクリップの一実施形態として適宜参照される。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様を含む。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)自己拡開力により開く腕部と、前記腕部の基端側に設けられた第一係止部と、を備えるクリップを装着して用いられる内視鏡用クリップ装置であって、
長尺のシースと、前記シースの内部を進退移動可能に挿通された操作ワイヤと、前記操作ワイヤの遠位側に設けられ前記クリップにおける前記第一係止部と係合する第二係止部と、を備え、
前記第二係止部は、近位側に位置する基端部と、前記基端部から遠位側に向けて前記操作ワイヤの軸方向に延在する3つ以上の爪部と、を有し、
3つ以上の前記爪部には内方向に突出した突出部が設けられており、
前記基端部と3つ以上の前記爪部に設けられた前記突出部との間に前記第一係止部を包含して係止する空間が区画されていることを特徴とする内視鏡用クリップ装置。
(2)前記第一係止部と前記第二係止部とが係止された状態で前記操作ワイヤが回転操作されることにより前記第二係止部が回転し、回転する前記第二係止部と前記クリップとが当接することによって前記回転操作により発生する回転駆動力が前記クリップに伝動される上記(1)に記載の内視鏡用クリップ装置。
(3)前記爪部が自然状態であるとき、3つ以上の前記突出部の頂点に内接する内接円の直径が前記第一係止部の断面外径よりも小さく、かつ、
3つ以上の前記突出部間を通過する自己拡開した2本の前記腕部が前記内接円と交差することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の内視鏡用クリップ装置。
(4)前記爪部は、前記基端部から延在する爪部本体と、前記爪部本体の先端側に設けられた前記突出部とを有し、
前記爪部本体および前記突出部は、一連の板状体から構成されている上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
(5)前記突出部の遠位側を向く面は、近位側に向かって内方向に傾斜している上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
(6)前記突出部の近位側を向く面は、近位側に向かって外方向に傾斜している上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
(7)前記第一係止部が、前記第二係止部に対し遠位側から近位側および近位側から遠位側に相対移動する場合に、
前記第一係止部が押し当てられることによって前記突出部に外力が付加され、当該突出部を備える前記爪部が前記外方向に傾斜する傾斜状態に遷移し、かつ、前記外力の付加が解除されると、前記傾斜状態にあった当該爪部が自然状態に自律的に遷移する上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
(8)前記シースの内部の所定の領域には、前記シースに挿入された前記第二係止部の周囲に爪部傾斜規制手段が設けられており、
前記爪部傾斜規制手段は、3つ以上の前記突出部の頂点に内接する内接円の直径と前記第一傾斜部の断面外径との差異をdとしたとき、爪部とこれに対向する任意の対向部材との距離が前記dの二分の一未満となるよう前記対向部材の位置を調整する手段である上記(3)から(7)のいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
(9)前記シースの先端側に収納可能であり、遠位側に設けられた拡径部と、近位側に設けられたスリーブ本体と、前記拡径部および前記スリーブ本体との間に位置する段差部と、を有し、外力により少なくとも前記拡径部が縮径する縮径スリーブを有し、
前記爪部傾斜規制手段として、前記対向部材である爪部傾斜規制部が、前記スリーブ本体の内側面から内方向に突出して設けられている上記(8)に記載の内視鏡用クリップ装置。
(10)上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置と、前記内視鏡用クリップ装置に使用される前記クリップと、前記クリップを前記内視鏡用クリップ装置に装着するためのカートリッジと、を備えることを特徴とする内視鏡用クリップ装置キット。
(11)上記(1)から(9)のいずれか一項に記載される内視鏡用クリップ装置に装着されるクリップであって、
自己拡開力により開く腕部と、前記腕部の基端側に設けられ、前記第二係止部に設けられた前記空間に包含されることによって第二係止部に係止可能な筒状体である第一係止部と、を備えることを特徴とするクリップ。
(12)前記筒状体である前記第一係止部および前記腕部は、一材で形成されており、前記筒状体の遠位側の外縁から延在する2本の前記腕部が互いに対向して設けられている上記(11)に記載のクリップ。
(13)前記腕部は、前記第一係止部から延在し互いに向かい合う方向に湾曲する湾曲部を備える上記(11)または(12)に記載のクリップ。
10・・・シース
20・・・操作ワイヤ
30・・・第二係止部
32・・・基端部
34・・・爪部
35・・・爪部本体
36・・・突出部
37・・・第二傾斜面
38・・・第一傾斜面
40・・・腕部
50・・・第一係止部
60・・・締付部材
70・・・縮径スリーブ
80・・・伸縮部
90・・・センタリング部
100・・・内視鏡用クリップ装置
110・・・内接円
112・・・先端爪
114・・・拡大幅部
115・・・規制部
116・・・連結底面
120・・・拡径部
122・・・スリーブ本体
124・・・段差部
126・・・湾曲部
126a・・・湾曲腕部
126b・・・湾曲腕部
130・・・カートリッジ
132・・・シース受部
134・・・ガイド
136・・・収容部
138・・・カートリッジ本体
140・・・突起部
142・・・クリップ後退規制部
146・・・爪部傾斜規制部
150・・・空間
200・・・クリップ
300・・・内視鏡用クリップ装置キット
500・・・リング
510・・・駆動部
520・・・操作部本体
a・・・直径
b・・・断面外径

Claims (12)

  1. 自己拡開力により開く腕部と、前記腕部の基端側に設けられた第一係止部と、を備えるクリップを装着して用いられる内視鏡用クリップ装置であって、
    長尺のシースと、前記シースの内部を進退移動可能に挿通された操作ワイヤと、前記操作ワイヤの遠位側に設けられ前記クリップにおける前記第一係止部と係合する第二係止部と、を備え、
    前記第二係止部は、近位側に位置する基端部と、前記基端部から遠位側に向けて前記操作ワイヤの軸方向に延在する3つ以上の爪部と、を有し、
    3つ以上の前記爪部には内方向に突出した突出部が設けられており、
    前記爪部のそれぞれに設けられた前記突出部は、3つ以上の前記爪部に設けられた前記突出部の頂点に内接する内接円の中心を通り直径方向に伸長する任意の線分により前記内接円を2つの半円に分割したとき、いずれの前記半円にも1以上配置されるように分散して配置されており、
    前記基端部と3つ以上の前記爪部に設けられた前記突出部との間に前記第一係止部を包含して係止する空間が区画されており、
    前記第一係止部が、前記第二係止部に対し遠位側から近位側および近位側から遠位側に相対移動する場合に、
    前記第一係止部が押し当てられることによって前記突出部に外力が付加され、当該突出部を備える前記爪部が外方向に傾斜する傾斜状態に遷移し、かつ、前記外力の付加が解除されると、前記傾斜状態にあった当該爪部が自然状態に自律的に遷移することを特徴とする内視鏡用クリップ装置。
  2. 自己拡開力により開く腕部と、前記腕部の基端側に設けられた第一係止部と、を備えるクリップを装着して用いられる内視鏡用クリップ装置であって、
    長尺のシースと、前記シースの内部を進退移動可能に挿通された操作ワイヤと、前記操作ワイヤの遠位側に設けられ前記クリップにおける前記第一係止部と係合する第二係止部と、を備え、
    前記第二係止部は、近位側に位置する基端部と、前記基端部から遠位側に向けて前記操作ワイヤの軸方向に延在する3つ以上の爪部と、を有し、
    3つ以上の前記爪部には内方向に突出した突出部が設けられており、
    前記爪部のそれぞれに設けられた突出部は、3つ以上の前記爪部に設けられた前記突出部の頂点に内接する内接円の中心を通り直径方向に伸長する任意の線分により前記内接円を2つの半円に分割したとき、いずれの前記半円にも1以上配置されるように分散して配置されており、
    前記基端部と3つ以上の前記爪部に設けられた前記突出部との間に前記第一係止部を包含して係止する空間が区画されており、
    前記爪部が自然状態であるとき、前記内接円の直径が前記第一係止部の断面外径よりも小さく、かつ、
    3つ以上の前記突出部間を通過する自己拡開した2本の前記腕部が前記内接円と交差し、
    前記シースの内部の所定の領域には、前記シースに挿入された前記第二係止部の周囲に爪部傾斜規制手段が設けられており、
    前記爪部傾斜規制手段は、前記内接円の直径と前記第一係止部の断面外径との差異をdとしたとき、爪部とこれに対向する任意の対向部材との距離が前記dの二分の一未満となるよう前記対向部材の位置を調整する手段であることを特徴とする内視鏡用クリップ装置。
  3. 前記シースの先端側に収納可能であり、遠位側に設けられた拡径部と、近位側に設けられたスリーブ本体と、前記拡径部および前記スリーブ本体との間に位置する段差部と、を有し、外力により少なくとも前記拡径部が縮径する縮径スリーブを有し、
    前記爪部傾斜規制手段として、前記対向部材である爪部傾斜規制部が、前記スリーブ本体の内側面から内方向に突出して設けられている請求項に記載の内視鏡用クリップ装置。
  4. 前記第一係止部と前記第二係止部とが係止された状態で前記操作ワイヤが回転操作されることにより前記第二係止部が回転し、回転する前記第二係止部と前記クリップとが当接することによって前記回転操作により発生する回転駆動力が前記クリップに伝動される請求項1から3のいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
  5. 前記爪部は、前記基端部から延在する爪部本体と、前記爪部本体の先端側に設けられた前記突出部とを有し、
    前記爪部本体および前記突出部は、一連の板状体から構成されている請求項1からのいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
  6. 前記突出部の遠位側を向く面は、近位側に向かって内方向に傾斜している請求項1からのいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
  7. 前記突出部の近位側を向く面は、近位側に向かって外方向に傾斜している請求項1から6のいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
  8. 前記第一係止部が、前記第二係止部に対し遠位側から近位側および近位側から遠位側に相対移動する場合に、
    前記第一係止部が押し当てられることによって前記突出部に外力が付加され、当該突出部を備える前記爪部が外方向に傾斜する傾斜状態に遷移し、かつ、前記外力の付加が解除されると、前記傾斜状態にあった当該爪部が自然状態に自律的に遷移する請求項1からのいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の内視鏡用クリップ装置と、前記内視鏡用クリップ装置に使用される前記クリップと、前記クリップを前記内視鏡用クリップ装置に装着するためのカートリッジと、を備えることを特徴とする内視鏡用クリップ装置キット。
  10. 請求項1からのいずれか一項に記載される内視鏡用クリップ装置に装着されるクリップであって、
    自己拡開力により開く腕部と、前記腕部の基端側に設けられ、前記第二係止部に設けられた前記空間に包含されることによって第二係止部に係止可能な筒状体である第一係止部と、を備えることを特徴とするクリップ。
  11. 前記筒状体である前記第一係止部および前記腕部は、一材で形成されており、前記筒状体の遠位側の外縁から延在する2本の前記腕部が互いに対向して設けられている請求項10に記載のクリップ。
  12. 前記腕部は、前記第一係止部から延在し互いに向かい合う方向に湾曲する湾曲部を備える請求項10または11に記載のクリップ。
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