JP6283834B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
検査機関での検査の効率化のため、遊技機の制御に係る主制御プログラムは、Z80ベースのアセンブラ言語での記述が義務付けられており、プログラム領域、並びにデータ領域の容量にも一定の制限が課されている。
従来から、遊技機に対する新たなゴト行為が発覚するたびに、主制御プログラムに対策が講じられており(例えば、特許文献1参照)、対策プログラムの容量増大によって、上記一定の容量制限下では、新たなゴト行為に対する対策プログラムの実装が困難となってきている。例えば、特許文献2に記載の如く、データ領域のみならず、プログラム領域の容量削減策も講じられてきたが、容量不足は深刻で、もはや限界に達しつつある。
検査機関での検査の主体は、遊技制御プログラムであるため、補助プログラムの検査にかかる負担及び時間ができるだけ軽微となるように構成するのが望ましい。
そこで、本発明の目的は、一定の容量制限が課された遊技制御プログラムを第1の領域、その他の補助プログラムを第2の領域に配置したとしても、検査負担の増大、並びに検査期間の長期化を最小限に抑制することが出来る遊技機を提供することである。
前記プログラムは、メインルーチンを含む遊技制御プログラムと、前記遊技制御プログラムから呼び出される複数のサブルーチンを含む遊技制御に直接関連のない補助プログラムとから構成され、前記ROM104には、前記遊技制御プログラムを構成するコードデータと当該遊技制御プログラムから参照するデータとを記憶する第1ROM領域(第1プログラム領域PG1_AREA及び第1データ領域PG1_DATA_AREA)と、前記補助プログラムを構成するコードデータと当該補助プログラムから参照するデータとを記憶する第2ROM領域(第2プログラム領域PG2_AREA及び第2データ領域PG2_DATA_AREA)とが、それぞれ個別に設けられている。
また、前記プログラムは、前記遊技制御プログラムから前記補助プログラムに含まれる1のサブルーチンを呼び出す際に、前記遊技制御プログラムで使用する全レジスタの値を前記RAMのスタック領域に退避するレジスタ退避処理(図6のST601、図7のST701〜705)と、前記1のサブルーチンから呼び出し元の前記遊技制御プログラムにリターンする際に、前記レジスタ退避処理にて退避した全レジスタの値を前記RAMのスタック領域から復帰するレジスタ復帰処理(図6のST603、図7のST706〜709)とを含む、ことを特徴としている。
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の概観を示す斜視図である。スロットマシン1は、前面が開口した箱状の本体2と本体2の前面に配置した前面扉3から構成されている。本体2と前面扉3とは片側で蝶番により開閉できるようになっている。前面扉3は、遊技者が遊技を行うためのボタン類を配置した操作部OP、可変表示装置RLが備える各リールR1〜R3の図柄を視認するリール窓20、遊技の進行に係る情報を表示するための表示器類を配置したパネル表示部DP、遊技の進行に係る情報を表示するための液晶表示器類や電飾装置を配置した演出表示部TP及び受皿部BPから構成されている。
図2は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、遊技の主たる制御を行うメイン制御基板100A、液晶表示装置30に対して表示制御を行い画像表示する表示制御基板100B、パネル表示部DP又は演出表示部TPのLED類や音の演出の制御を行う電飾制御基板100Cを備えている。
メイン制御基板100Aは、CPU(central processing unit)101、クロック発生回路a102、クロック発生回路b103、ROM(read-only memory)104、RAM(random-access memory)105、データ送出回路106、入出力ポート107から構成されている。なお、CPU101としてROMやRAMを内蔵しているものを採用することができる。その場合には、外付けのROM104、RAM105を備えなくてもよい。
表示制御基板100Bは、CPU(central processing unit)191、クロック発生回路c192、クロック発生回路d193、ROM(read-only memory)194、RAM(random-access memory)195、データ入力回路196及びグラフィックLSIとその周辺回路からなる表示回路197を備えている。
図3は、Z80準拠のCPU101のレジスタの構成を示しており、図3(a)に汎用レジスタの構成、図3(b)に専用レジスタの構成を示している。
図3(a)に示す如く、汎用レジスタは、主レジスタセットと、補助レジスタセットとから構成される。主レジスタセットは、命令による直接操作が可能であるが、補助レジスタセットは命令による直接操作が出来ない。ただ、主レジスタセットと、これに対応する補助レジスタセットとのレジスタペア間(例えば、AFレジスタとAF’レジスタ)の内容の交換は、命令により可能となっている。
従い、通常使用するのは主レジスタセットであるため、以下、主レジスタセットの各レジスタの機能について説明する。
Aレジスタはアキュムレータで、Aレジスタには、演算されるデータや演算後の結果等が保持されるとともに、アドレス操作等の各種の操作にもAレジスタを用いることが多い。従って、Aレジスタは、汎用レジスタ群の中でも別格であり、最も使用頻度の高い重要なレジスタである。
ゼロフラグZ及び第2ゼロフラグTZには、命令の実行結果がゼロである場合に、1がセットされる。但し、ゼロフラグZは、基本的にLD命令で変化することはないが、第2ゼロフラグTZは、ゼロフラグZが変化しないLD命令でも、実行結果がゼロである場合には、1がセットされる。
サインフラグSには、ある命令を実行した結果、Aレジスタ等が負であれば1、正であれば0がセットされる。
パリティ/オーバーフローフラグP/Vは、パリティ、即ち1バイト中の値が1のビットの数を調べる目的と、オーバーフローを調べる目的とに兼用される。
加/減算フラグNには、加算命令で0、減算命令で1がセットされる。
ハーフキャリフラグHには、8ビットの算術演算でビット3とビット4の間にキャリまたはボローがあれば1、なければ0がセットされる。
スタックポインタSPは、現在、命令やデータをどこまでスタックに入れたかを保持する16ビットのレジスタで、スタック領域を指示するのに用いる。
インデックスレジスタIX及びIYは、それぞれ16ビットのレジスタで、インデックスアドレシングで用いられ、この内容で示す値がメモリの基準アドレスとなる。
ある命令を実行しようとすると、プログラムカウンタPCの内容がアドレスバスに送り出され、その内容で示されたメモリ番地から命令が取り出される。取り出された命令の長さに応じて、プログラムカウンタPCの内容は自動的に増加する。
なお、プログラムカウンタPCは、ジャンプ命令やCALL命令の場合は自動的には増加せず、それらの命令で決まる新しい値が直接プログラムカウンタPCにセットされる。
このようにして合成したアドレスが、割込み処理ルーチンの先頭アドレスの入っている場所のポインタとなるので、間接コールしたことになる。
メモリリフレッシュレジスタRは、ダイナミックメモリのリフレッシュに用いる7ビットのレジスタである。
なお、遊技機用途のZ80準拠のCPU101の種類によっては、専用レジスタ群に、上述した各レジスタに加えてQレジスタを有するものも知られているが、Qレジスタについては説明を省略する。
現行の遊技機関連法規によれば、メイン制御基板100AのROM104には、以下の制限が課されている。
1)記憶容量が16キロバイトを超えないこと。
2)制御領域とデータ領域とが区分されているものであること。
3)ぱちんこ遊技機:制御領域の容量が3キロバイトを超えず、かつ、データ領域の容量が3キロバイトを超えないものであること。
4)回胴式遊技機(スロットマシン):制御領域の容量が4.5キロバイトを超えず、かつ、データ領域の容量が3キロバイトを超えないものであること。
ROM104の容量は12キロバイトで、16進のアドレス表記で、0000H〜2FFFHで示される領域を有している。
先頭番地の0000Hから始まる第1プログラム領域PG1_AREAには、メインルーチンを含むスロットマシン1の遊技制御に係る遊技制御プログラムが記憶されている。第1プログラム領域PG1_AREAは、遊技機関連法規上の制御領域に相当するため、第1プログラム領域PG1_AREAの容量は、ぱちんこ遊技機の場合は3キロバイト未満、回胴式遊技機の場合は、4.5キロバイト未満とする必要がある。
第1プログラム領域PG1_AREAと第1データ領域PG1_DATA_AREAとの間の未使用領域は、制御領域とデータ領域とを明確に区分するために設けられ、NULL(00H)データで埋められた16バイト以上の容量を有する。以降の各未使用領域も同様に、各未使用領域の前後の領域を明確に区別するために設けられ、NULL(00H)データで埋められた16バイト以上の容量を有する。
1)メダル投入ゴト検知処理
例えば、メダル投入以外の方法でメダル投入センサを誤検知させることにより、クレジットを増加させるクレマンゴトと呼ばれるゴト行為の有無を判別する処理。
2)ホッパーゴト検知処理
ホッパーを誤動作させて不正にメダルを払い出すゴト行為の有無を判別する処理。
3)検査機関試験用信号出力処理
検査機関による試験でのみ用いられる遊技関連信号を出力する処理。
4)補助プログラムで用いるRAM105のワーク領域(後述する第2ワーク領域WORK2_AREA)をクリアする処理
現行の遊技機関連法規によれば、メイン制御基板100AのRAM105には、以下の制限が課されている。
1)記憶容量が1024バイトを超えないこと。
2)使用領域の容量が512バイトを超えないものであること。
RAM105の容量は1024バイトで、16進のアドレス表記で、F000H〜F3FFHで示される領域を有している。
第1ワーク領域WORK1_AREAの後ろには、間に未使用領域挟み、第1スタック領域STACK1_AREAが設けられている。第1スタック領域STACK1_AREAは、ROM104の第1プログラム領域PG1_AREAに記憶された遊技制御プログラムにて用いるスタック領域である。
第2ワーク領域WORK2_AREAの後ろには、間に未使用領域挟み、第2スタック領域STACK2_AREAが設けられている。第2スタック領域STACK2_AREAは、ROM104の第2プログラム領域PG2_AREAに記憶された補助プログラムにて用いるスタック領域である。
ROM104の第1プログラム領域PG1_AREAに記憶された遊技制御プログラムから、第2プログラム領域PG2_AREAに記憶された補助プログラムに含まれるサブルーチンをコールする際には、遊技制御プログラム側で利用している全レジスタを保護する処理を実行する。以下、遊技制御プログラム側で利用している全レジスタを単に「全レジスタ」という。
以下、全レジスタを保護する処理につき、具体的に説明する。
第1実施例として、遊技制御プログラム内で全レジスタを保護する処理を実行する場合のプログラム例を図6に示す。
なお、以降のプログラム例に関する説明において、遊技制御プログラム側から呼び出す(コールする)、補助プログラムに含まれるサブルーチン名を「EXTPRG」としている。
Z80の仕様上、サブルーチンへジャンプするときに使用するCALL命令には、その時点でのプログラムカウンタPCの内容をスタック領域にPUSHする機能、また、サブルーチンから呼び出し元へリターンするときに使用するRET命令には、スタック領域に退避したプログラムカウンタPCの内容をPOPする機能が含まれている。このため、補助プログラム側で、スタックポインタSPの更新を伴う命令を使用すると、不具合を生じる場合があるためである。
また、この場合には、補助プログラム側でスタック領域を使用することがないため、第2スタック領域STACK2_AREAは不要となる。
第2実施例として、補助プログラム内で全レジスタを保護する処理を実行する場合のプログラム例を図7に示す。
このため、第2実施例では、スタック領域として、遊技制御プログラムにて用いる第1スタック領域STACK1_AREAと、補助プログラムにて用いる第2スタック領域STACK2_AREAとを個別に設けた。
また、補助プログラム側のサブルーチンの先頭で、現在のスタックポインタSPの値を第2ワーク領域WORK2_AREAに退避する処理、並びに、スタックポインタSPに第2スタック領域STACK2_AREAの先頭番地をセットする処理を行ったのち、全レジスタを退避する処理を行う。
また、Fレジスタ値の退避にあたり、スタックポインタSPが変化してしまうPUSH命令を使用することは出来ないため、AFレジスタと補助レジスタAF’とを交換するEX命令を用いている(ST701)。
さらに、遊技制御プログラム側では、補助レジスタAF’を使用しないこととしている。
その後のST705にて、PUSH命令により全レジスタの値を第2スタック領域STACK2_AREAに退避し、全レジスタの退避処理が完了する。
先ず、ST706にて、POP命令により、ST705にて第2スタック領域STACK2_AREAに退避した値を、全レジスタに復帰させる。
次のST707にて、EX命令により、現在のAFレジスタの値を補助レジスタAF’に退避した後、ST708にて第2ワーク領域WORK2_AREA内のSpsave2番地に退避した値をスタックポインタSPに復帰させ、ST709にて、EX命令により、ST707にて補助レジスタAF’に退避した値をAFレジスタに復帰させ、全レジスタの復帰処理が完了する。
その後、ST710のRET命令により、呼び出し元の遊技制御プログラムへリターンする。
具体的には、遊技制御プログラムから補助プログラムに含まれるサブルーチンをコールする際に割込禁止命令DI、該サブルーチンから遊技制御プログラムにリターンする際に割込許可命令EIを各実行すればよい。
なお、遊技制御プログラム側で補助プログラムに含まれるサブルーチンをコールする直前に割込禁止命令DIを実行するとともに、補助プログラム側で遊技制御プログラムにリターンする直前に割込許可命令EIを実行するようにすれば、容量制限の課された遊技制御プログラムの容量増大を最小限に抑制することが出来る。
従って、遊技制御プログラムの容量を出来るだけ小さくしたい場合には、全レジスタの退避及び復帰処理を補助プログラム側で実行する第2実施例の方法を採用したほうがよい。
このため、サブルーチン側でのレジスタ値の変化を考慮することなく、遊技機制御プログラムの検査が可能となるので、検査負担の増大、並びに検査期間の長期化を最小限に抑制することが出来る。
R1〜R3……リール、20……リール窓、L1……入賞ライン、30……液晶表示装置
、100A……メイン制御基板、101……CPU、104……ROM、105……RA
M、100B……表示制御基板、191……CPU、194……ROM、195……RA
M
Claims (1)
- 不揮発性データが記憶されたROMと、
該ROMに記憶されたプログラムに基づく演算処理を実行するCPUと、
該CPUが演算処理を実行する際に必要な作業領域として機能し、揮発性データが記憶されるRAMと、
を備えた遊技機において、
前記プログラムは、メインルーチンを含む遊技制御プログラムと、前記遊技制御プログラムから呼び出される複数のサブルーチンを含む遊技制御に直接関連のない補助プログラムとから構成され、
前記ROMには、前記遊技制御プログラムを構成するコードデータと当該遊技制御プログラムから参照するデータとを記憶する第1ROM領域と、前記補助プログラムを構成するコードデータと当該補助プログラムから参照するデータとを記憶する第2ROM領域とが、それぞれ個別に設けられ、
前記RAMには、前記CPUによって前記遊技制御プログラムに基づき実行される演算処理に用いるデータを記憶する第1RAM領域と、前記CPUによって前記補助プログラムに基づき実行される演算処理に用いるデータを記憶する第2RAM領域とが、それぞれ個別に設けられるとともに、前記第1RAM領域及び第2RAM領域はそれぞれ、スタック領域を含み、
前記遊技制御プログラムには、前記第2RAM領域に記憶されたデータを更新する処理を含まず、且つ、前記補助プログラムには、前記第1RAM領域に記憶されたデータを更新する処理を含まず、
前記遊技制御プログラムから呼び出される、前記補助プログラムに含まれるサブルーチンでは、
前記遊技制御プログラムから呼び出された際に、LD命令によって現在のスタックポインタを第2RAM領域内の所定アドレスに退避する第1処理、LD命令によって第2RAM領域内のスタック領域の先頭アドレスをスタックポインタに設定する第2処理、及び前記遊技制御プログラムで使用する全レジスタの値を前記第2RAM領域内のスタック領域に退避するレジスタ退避処理をこの順に実行するとともに、
呼び出し元の前記遊技制御プログラムにリターンする際に、前記レジスタ退避処理にて退避した全レジスタの値を前記第2RAM領域内のスタック領域から復帰するレジスタ復帰処理の実行後、LD命令によって前記第2処理にて前記所定アドレスに退避した値をスタックポインタに復帰させる第3処理を実行し、
前記全レジスタには、LD命令の実行結果がゼロである場合にも1がセットされる特定フラグを含むフラグレジスタを含み、
前記遊技制御プログラムでは前記フラグレジスタに対応する補助レジスタを使用せず、
前記遊技制御プログラムから呼び出される、前記補助プログラムに含まれるサブルーチンでは、
前記第1処理の実行前、及び前記第2処理の実行後にそれぞれ、前記フラグレジスタの値と、該フラグレジスタに対応する補助レジスタの値とを交換するEX命令を実行した後、前記レジスタ退避処理を実行するとともに、
前記レジスタ復帰処理の実行後で且つ前記第3処理の実行前、及び前記第3処理の実行後にそれぞれ、前記フラグレジスタの値と、該フラグレジスタに対応する補助レジスタの値とを交換するEX命令を実行する、
ことを特徴とする遊技機。
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