JP6283790B2 - レゾルバの保護カバーによる防塵構造及び方法 - Google Patents

レゾルバの保護カバーによる防塵構造及び方法 Download PDF

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本発明は、レゾルバの保護カバーによる防塵構造及び方法に関し、特に、輪状ステータの内径側から侵入する異物を段部によって侵入しないように防止するための新規な改良に関する。
従来、用いられていたこの種のレゾルバ保護カバーによる防塵構造としては、例えば、特許文献1の図4のA−A断面である図5に開示された構成の改良構成(本出願人が社内で製作したもので開示文献はなし)を図3として挙げている。
すなわち、図3において符号1で示されるものは、所定の角度間隔で内方へ向けて突出すると共にステータ巻線2を備えた複数の突出磁極3を有する輪状ステータであり、前記輪状ステータ1の前記各突出磁極3間にはスロット4が形成されている。
前記各突出磁極3には、ステータ巻線2が巻回して設けられていると共に、このステータ巻線2の表面には、ポツティング等からなるステータモールド5が形成されている。
前記輪状ステータ1の第1面1aには、輪状をなす第1輪状保護カバー6が前記突出磁極3を覆うように設けられており、この第1輪状保護カバー6から一体に下方へ向けて突出する保護カバー用突出部7が形成されている。
前記輪状ステータ1の第2面1bには、前述の第1輪状保護カバー6と同様の形状をなし前記保護カバー用突出部7を有しない断面でみて曲折板状をなす第2輪状保護カバー8が設けられている。
前記保護カバー用突出部7の下部には、下方に向けて突出する突起7aが形成されており、この突起7aと前記第2輪状保護カバー8の表面8aとの間には、矢印にて示されるように微細な切削クズ、粉塵等からなる異物9が外気及び油等の流体と共に通過するような第1隙間Dが形成されている。
前述の図3の構成は、インナロータ型レゾルバの半径方向断面の一部のみを示しており、図3の構成を、例えば、自動車、工作機等の大気中で用いる場合と、あるいは、自動車等の自動変速機等の油中で用いる場合と、があるが、何れの場合も、前述の異物9は気体又は油と一緒に前記第1隙間D通過して内径側Aから外径側Bの方向に向けてレゾルバ内部に侵入する。
特開2007−333573号公報
従来のレゾルバ保護カバーによる防塵構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、レゾルバを大気中に取付けた場合、又は他部品の切削クズ等の異物が流れるATF内に設けた場合、粉塵及び切削クズ等の異物が前述の第1隙間を経て保護カバーの内側に入り込み、断線及び相間短絡の危険性があり、レゾルバ自体の信頼性を向上させるための障害となっていた。
また、前記第1隙間の内径側の前記ステータモールド5と第2輪状保護カバー8との間の隙間も小さいことが望ましいが、各部品を組立てる際の組付け公差上、若干の隙間が空いてしまうことは避け難いことであった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、輪状ステータの内径側から侵入する異物を段部によって侵入しにくいようにしたレゾルバ保護カバーによる防塵構造及び方法を提供することを目的とする。
本発明によるレゾルバの保護カバーによる防塵構造は、所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にステータ巻線を備えた複数の突出磁極を有する輪状ステータと、前記輪状ステータの第1、第2面に設けられた第1、第2輪状保護カバーと、前記第1輪状保護カバーに所定角度間隔で形成され前記突出磁極間に位置するスロット内に挿入した保護カバー用突出部と、を備え、断面でみて曲折板状をなす前記第2輪状保護カバーの内面に形成された突起部及び前記突起部に連設された段部と、前記保護カバー用突出部に形成され、断面でみて角状階段よりなる前記段部に位置する突と、前記保護カバー用突出部の平坦面は前記突起部の平面に対応して配設され、前記ステータ巻線の表面にステータモールドが形成され、前記ステータモールドに前記保護カバー用突出部の側面が接し、前記輪状ステータの内径側から侵入した流体中の異物は、前記保護カバー用突出部のと前記段部間の第1隙間を介して前記段部に衝突し、かつ、前記平坦面と平面間の第2隙間に堆積する構成であり、また、所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にステータ巻線を備えた複数の突出磁極を有する輪状ステータと、前記輪状ステータの第1、第2面に設けられた第1、第2輪状保護カバーと、前記第1輪状保護カバーに所定角度間隔で形成され前記突出磁極間に位置するスロット内に挿入した保護カバー用突出部と、を備え、断面でみて曲折板状をなす前記第2輪状保護カバーの内面に形成された突起部及び前記突起部に連設された段部と、前記保護カバー用突出部に形成され、断面でみて角状階段よりなる前記段部に位置する突と、前記保護カバー用突出部の平坦面は前記突起部の平面に対応して配設され、前記ステータ巻線の表面にステータモールドが形成され、前記ステータモールドに前記保護カバー用突出部の側面が接し、前記輪状ステータの内径側から侵入した流体中の異物は、前記保護カバー用突出部のと前記段部間の第1隙間を介して前記段部に衝突し、かつ、前記平坦面と平面間の第2隙間に堆積する方法である。
本発明によるレゾルバの保護カバーによる防塵構造及び方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にステータ巻線を備えた複数の突出磁極を有する輪状ステータと、前記輪状ステータの第1、第2面に設けられた第1、第2輪状保護カバーと、前記第1輪状保護カバーに所定角度間隔で形成され前記突出磁極間に位置するスロット内に挿入した保護カバー用突出部と、を備え、前記第2輪状保護カバーの内面に形成された突起部及び前記突起部に連設された段部と、前記保護カバー用突出部に形成され前記段部に位置する突部と、前記保護カバー用突出部の平坦面は前記突起部の平面に対応して配設され、前記輪状ステータの内径側から侵入した異物は、前記突部と前記段部間の第1隙間を介して前記段部に衝突し、かつ、前記平坦面と平面間の第2隙間に堆積すること従来よりも異物の侵入経路が長くなり、第2隙間を通過しにくくなることにより、異物の侵入を効果的に防止することができる。
また、前記段部は、断面でみて角状階段よりなることにより、第1隙間を通過した異物は段部に当ることにより、その異物を含む流体の流れの勢いが急速に弱められ、異物侵入の防止に貢献することができる。また、ステータ巻線の表面に形成されたステータモールドに保護カバー用突出部の側面が接しているため、流体は第1隙間から侵入することになる。
本発明によるレゾルバの保護カバーによる防塵構造及び方法を示す要部の断面図である。 図1の要部の拡大断面図である。 従来構成を示す要部の断面図である。
本発明によるレゾルバの保護カバーによる防塵構造及び方法は、輪状ステータの内径側から侵入する異物を段部によって侵入しないように防止する構成と方法である。
以下、図面と共に本発明によるレゾルバの保護カバーによる防塵構造及び方法の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分については、同一符号を用いて説明する。
図1において符号1で示されるものは、所定の角度間隔で内方へ向けて突出すると共にステータ巻線2を備えた複数の突出磁極3を有する輪状ステータであり、前記輪状ステータ1の前記各突出磁極3間には周知のスロット4が形成されている。
前記各突出磁極3には、ステータ巻線2が巻回して設けられていると共に、このステータ巻線2の表面には、ポツティング等からなるステータモールド5が形成されている。
前記輪状ステータ1の第1面1aには、輪状をなす第1輪状保護カバー6が前記突出磁極3を覆うように設けられており、この第1輪状保護カバー6から一体に下方へ向けて突出する保護カバー用突出部7が形成されている。さらに、前記保護カバー用突出部7の側面7bは前記ステータモールド5に接している。
前記輪状ステータ1の第2面1bには、前述の第1輪状保護カバー6と同様の形状をなし前記保護カバー用突出部7を有しない断面でみて曲折板状をなす第2輪状保護カバー8が設けられている。
前記保護カバー用突出部7の下部には、下方に向けて突出する突起7aが形成されており、この突起7aと前記第2輪状保護カバー8の表面8aとの間には、矢印にて示されるように微細な切削クズ、粉塵等からなる異物9が流体と共に通過するような第1隙間Dが形成されている。
尚、前記第1隙間Dの内径側Aには、前記ステータモールド5と前記第2輪状保護カバー8の表面8aとの間にも、前記第1隙間Dが延長されている。
前記第2輪状保護カバー8の内面には、上方に向けて突出する輪状の突起部10が一体に形成され、この突起部10の前記内径側Aには、この突起部10に連設するように段部11が形成され、この段部11の前記内径側Aには、前述の第1隙間Dが形成されている。
尚、前記段部11は、断面でみて角状階段の形状をなしている。
前記保護カバー用突出部7の下部の平坦面7Aは、前記突起部10の平面10aに対応して配設され、この平坦面7Aと平面10a間には前記第1隙間Dに連通する第2隙間Dが形成されている。
前述の構成において、本発明によるレゾルバ20を、例えば、自動車のエンジンあるいは自動車の自動変速機の油中等に装着して用いた場合、大気中の粉塵又は油中の切削クズ当の異物9は、流体21として、ステータモールド5と前記表面8aとの間を経て第1隙間Dから前記段部11に衝突することにより、その流体の流れの勢いが弱くなり、次の前記第2隙間Dを流体21が通過する際に、前記異物が前記第2隙間D内に堆積される。
前述の異物の堆積により、前記第2隙間Dが詰った状態に近い状態となり、前記第1隙間Dを通過した異物も第2隙間Dを通過することは殆んど不可能となり、レゾルバ20の内径側Aから内部の巻線側への異物の侵入が防止され、断線、相間短絡等を効果的に防止できる。
尚、本発明によるレゾルバの保護カバーによる防塵構造及び方法の要旨は、以下の通りである。
すなわち、所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にステータ巻線2を備えた複数の突出磁極3を有する輪状ステータ1と、前記輪状ステータ1の第1、第2面1a,1bに設けられた第1、第2輪状保護カバー6,8と、前記第1輪状保護カバー6に所定角度間隔で形成され前記突出磁極3間に位置するスロット4内に挿入した保護カバー用突出部7と、を備え、断面でみて曲折板状をなす前記第2輪状保護カバー8の内面に形成された突起部10及び前記突起部10に連設された段部11と、前記保護カバー用突出部7に形成され断面でみて角状階段よりなる前記段部11に位置する突7aと、前記保護カバー用突出部7の平坦面7Aは前記突起部10の平面10aに対応して配設され、前記ステータ巻線2の表面にステータモールド5が形成され、前記ステータモールド5に前記保護カバー用突出部7の側面7bが接し、前記輪状ステータ1の内径側Aから侵入した流体中の異物9は、前記保護カバー用突出部7の7aと前記段部11間の第1隙間Dを介して前記段部11に衝突し、かつ、前記平坦面7Aと平面10a間の第2隙間Dに堆積することを特徴とするレゾルバの保護カバーによる防塵構造であり、また、所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にステータ巻線2を備えた複数の突出磁極3を有する輪状ステータ1と、前記輪状ステータ1の第1、第2面1a,1bに設けられた第1、第2輪状保護カバー6,8と、前記第1輪状保護カバー6に所定角度間隔で形成され前記突出磁極3間に位置するスロット4内に挿入した保護カバー用突出部7と、を備え、断面でみて曲折板状をなす前記第2輪状保護カバー8の内面に形成された突起部10及び前記突起部10に連設された段部11と、前記保護カバー用突出部7に形成され、断面でみて角状階段よりなる前記段部11に位置する突7aと、前記保護カバー用突出部7の平坦面7Aは前記突起部10の平面10aに対応して配設され、前記ステータ巻線2の表面にステータモールド5が形成され、前記ステータモールド5に前記保護カバー用突出部7の側面7bが接し、前記輪状ステータ1の内径側Aから侵入した流体中の異物9は、前記保護カバー用突出部7の7aと前記段部11間の第1隙間Dを介して前記段部11に衝突し、かつ、前記平坦面7Aと平面10a間の第2隙間Dに堆積することを特徴とするレゾルバの保護カバーによる防塵方法である。
本発明によるレゾルバの保護カバーによる防塵構造及び方法は、簡単な構造で異物の侵入を防止できるため、レゾルバ以外のシンクロやモータ等にも適用が可能である。
1 輪状ステータ
1a 第1面
1b 第2面
A 内径側
2 ステータ巻線
3 突出磁極
4 スロット
5 ステータモールド
、D 第1、第2隙間
6 第1輪状保護カバー
7 保護カバー用突出部
7a 突起
7b 側面
8 第2輪状保護カバー
9 異物
10 突起部
11 段部
20 レゾルバ
8a 表面
21 流体

Claims (2)

  1. 所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にステータ巻線(2)を備えた複数の突出磁極(3)を有する輪状ステータ(1)と、前記輪状ステータ(1)の第1、第2面(1a,1b)に設けられた第1、第2輪状保護カバー(6,8)と、前記第1輪状保護カバー(6)に所定角度間隔で形成され前記突出磁極(3)間に位置するスロット(4)内に挿入した保護カバー用突出部(7)と、を備え、
    断面でみて曲折板状をなす前記第2輪状保護カバー(8)の内面に形成された突起部(10)及び前記突起部(10)に連設された段部(11)と、前記保護カバー用突出部(7)に形成され、断面でみて角状階段よりなる前記段部(11)に位置する突(7a)と、前記保護カバー用突出部(7)の平坦面(7A)は前記突起部(10)の平面(10a)に対応して配設され、前記ステータ巻線(2)の表面にステータモールド(5)が形成され、前記ステータモールド(5)に前記保護カバー用突出部(7)の側面(7b)が接し、
    前記輪状ステータ(1)の内径側(A)から侵入した流体中の異物(9)は、前記保護カバー用突出部(7)の(7a)と前記段部(11)間の第1隙間(D1)を介して前記段部(11)に衝突し、かつ、前記平坦面(7A)と平面(10a)間の第2隙間(D)に堆積することを特徴とするレゾルバの保護カバーによる防塵構造。
  2. 所定角度間隔で内方へ向けて突出すると共にステータ巻線(2)を備えた複数の突出磁極(3)を有する輪状ステータ(1)と、前記輪状ステータ(1)の第1、第2面(1a,1b)に設けられた第1、第2輪状保護カバー(6,8)と、前記第1輪状保護カバー(6)に所定角度間隔で形成され前記突出磁極(3)間に位置するスロット(4)内に挿入した保護カバー用突出部(7)と、を備え、
    断面でみて曲折板状をなす前記第2輪状保護カバー(8)の内面に形成された突起部(10)及び前記突起部(10)に連設された段部(11)と、前記保護カバー用突出部(7)に形成され、断面でみて角状階段よりなる前記段部(11)に位置する突(7a)と、前記保護カバー用突出部(7)の平坦面(7A)は前記突起部(10)の平面(10a)に対応して配設され、前記ステータ巻線(2)の表面にステータモールド(5)が形成され、前記ステータモールド(5)に前記保護カバー用突出部(7)の側面(7b)が接し、
    前記輪状ステータ(1)の内径側(A)から侵入した流体中の異物(9)は、前記保護カバー用突出部(7)の(7a)と前記段部(11)間の第1隙間(D1)を介して前記段部(11)に衝突し、かつ、前記平坦面(7A)と平面(10a)間の第2隙間(D)に堆積することを特徴とするレゾルバの保護カバーによる防塵方法。
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