JP6282390B2 - 封止用エポキシ樹脂成形材料及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂成形材料及び半導体装置に関する。さらに詳しくは、フリップチップ実装用のアンダーフィル材として好適な充填性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止された、ボイド等の成形不良が抑制されたフリップチップ実装型の半導体装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。
近年、電子部品のプリント配線板への高密度実装化が進んでいる。これに伴い、半導体装置は従来のピン挿入型のパッケージから、表面実装型のパッケージが主流になっている。表面実装型のIC、LSIなどは、実装密度を高くし実装高さを低くするために、薄型、小型のパッケージになっており、素子のパッケージに対する占有体積が大きくなり、パッケージの肉厚は非常に薄くなってきた。また素子の多機能化、大容量化によって、チップ面積の増大、多ピン化が進み、さらにはパッド(電極)数の増大によって、パッドピッチの縮小化とパッド寸法の縮小化、いわゆる狭パッドピッチ化も進んでいる。また、さらなる小型軽量化に対応すべく、パッケージの形態もQFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)といったものから、より多ピン化に対応しやすく、かつ、より高密度実装が可能なCSP(Chip Size Package)やBGA(Ball Grid Array)へ移行しつつある。
これらのパッケージは近年、高速化、多機能化を実現するために、フェースダウン型、積層(スタックド)型、フリップチップ型、ウェハーレベル型等、新しい構造のものが開発されている。フリップチップ実装は従来のワイヤーボンディングに代わる接続技術であり、半導体チップのパッド上にはんだバンプを付着させ、このバンプを利用して配線板上のランドと接続させるものである。はんだバンプを付着させたチップは配線板上で位置合わせを行った後、リフローによってはんだが溶融し、セルフアライメントプロセスを経て電気的、機械的な接続が形成される。このように実装されたデバイスには各種信頼性を向上させる目的で、はんだバンプで接合されたチップ/配線板の隙間にアンダーフィル材が注入される。このはんだバンプが配列された狭い隙間をボイド等の空隙を発生させずに完全に充填させるために、アンダーフィル材には高い充填性が要求される。
アンダーフィル材の充填性を解決するために、従来はビスフェノール型エポキシ樹脂を主成分とする溶剤又は無溶剤系の液状タイプの封止用エポキシ樹脂成形材料を使用し、毛細管現象を利用してチップ/配線板の隙間に浸透させ、硬化させる方式がとられてきた(例えば、特許文献1〜3及び非特許文献1参照)。
特開2000−260820号公報 特開2000−273287号公報 特開2004−210901号公報
表面実装評議会監修「フリップチップおよび関連チップスケール技術の実際」株式会社産業科学システムズ出版、1998年9月30日発行、p87
近年、コスト低減の観点から固形タイプの封止用エポキシ樹脂成形材料を使用した真空方式の新規な成形技術がフリップチップのアンダーフィル用に開発されてきた。しかし、従来の固形タイプの成形材料では充填性が低く、ボイド等の不良を発生させずに封止することが困難な状況にある。例えば、ファインピッチのはんだバンプ等を備える次世代フリップチップ型半導体装置の製造において、従来の固形タイプの封止用エポキシ樹脂を用いて封止する場合、直径0.1mm程度のやや大きめのボイドの発生に起因してアンダーフィル部の充填は満足できるものではなかった。さらには、フリップチップ実装型半導体装置におけるファイン化、すなわち、バンプ高さ、バンプピッチの低減や、また入出力数増大に伴うバンプ数、チップ面積の増大といった動向によって、今後はさらに高い充填性が要求される。
そのため、フリップチップ実装用のアンダーフィル材として好適な充填性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料が求められていた。さらに、成形不良が抑制された、ファインピッチなはんだバンプ等を備えるフリップチップ型半導体装置が求められていた。
上記事情に鑑み、本発明は、充填性に優れボイド発生を抑制することのできる封止用エポキシ樹脂成形材料、及びそれを用いた半導体装置を提供することを目的とし、これを課題とする。
発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、半導体素子搭載基板に形成されている絶縁保護膜との濡れ性を向上させ、且つ、特定の無機充填剤を必須成分とする封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止された半導体装置により上記の目的が達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の記載事項に関する。
<1> (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填剤、及び(D)カップリング剤を少なくとも含み、
前記(A)エポキシ樹脂は、その全量の80質量%以上がビスフェノールF型エポキシ樹脂又は硫黄原子含有エポキシ樹脂であり、且つ、ビフェニル型エポキシ樹脂を含み、
前記(B)硬化剤は、ビフェニル型フェノール樹脂及びアラルキル型フェノール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、ビフェニル型フェノール樹脂及びアラルキル型フェノール樹脂の合計が前記(B)硬化剤の80質量%以上を占め、
前記(C)無機充填剤は、質量平均粒子径が10μm以下で且つ比表面積が3.0m/g以上であり、前記(A)エポキシ樹脂、前記(B)硬化剤及び前記(C)無機充填剤の総量の75質量%以上90質量%以下を占め、
前記(D)カップリング剤は、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含む
封止用エポキシ樹脂成形材料。
<2> 前記(C)無機充填剤は、粒子径1μm以下が20質量%以上30質量%以下、粒子径5μm以下が30質量%以上80質量%以下、粒子径10μm以下が60質量%以上90質量%以下の粒度分布である、前記<1>に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
<3> 前記(C)無機充填剤は、質量平均粒子径が5μm以下である、前記<1>又は<2>に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
<4> 前記(C)無機充填剤は、比表面積が3.0〜5.0m/gである、前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
<5> 前記(D)カップリング剤が、エポキシ基を有するシランカップリング剤及びメルカプト基を有するシランカップリング剤を含む、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
> 前記<1>〜<>のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える半導体装置。
本発明によれば、充填性に優れボイド発生を抑制することのできる封止用エポキシ樹脂成形材料、及びそれを用いた半導体装置を提供することができる。
封止用エポキシ樹脂成形材料(封止材)を用いて封止したフリップチップ型BGA(アンダーフィルタイプ)の一例を示す断面図。 封止用エポキシ樹脂成形材料(封止材)を用いて封止したフリップチップ型BGA(オーバーモールドタイプ)の一例を示す断面図。 配線板上にはんだバンプを介して半導体チップを配置した一例を示す上面図(一部透視図)。 実施例で用いた簡易フリップチップBGAを模した半導体装置を説明する上面図(一部透視図)。 実施例で用いた簡易フリップチップBGAを模した半導体装置を説明する断面図。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<封止用エポキシ樹脂成形材料>
本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填剤を少なくとも含む封止用エポキシ樹脂成形材料であって、前記(A)エポキシ樹脂及び前記(B)硬化剤は、両者からなる液状組成物の110℃における絶縁保護膜に対する動的接触角が70度以下であり、前記(C)無機充填剤は、質量平均粒子径が10μm以下で且つ比表面積が3.0m/g以上である、封止用エポキシ樹脂成形材料に関する。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、常温常圧下において固体である。固体の形状に制限はなく、粉状、粒状、タブレット状など如何なる形状でもよい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、フリップチップ実装に用いたとき、アンダーフィル材として要求される高い充填性を有し、ボイド等の成形不良が少ないため、その工業的価値は大である。
そして、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、ファインピッチなバンプを有し、入出力数(バンプ数)の多いフリップチップ実装型半導体装置の封止に好適である。
以下、本発明について説明する。
((A)エポキシ樹脂)
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はない。例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換若しくは非置換のビフェノール等のジグリシジルエーテル、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、充填性及び耐リフロー性の観点からは、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂が好ましく、特にビスフェノールF型エポキシ樹脂比率を高くすることがより好ましい。硬化性の観点からは、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からは、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性及び低反り性の観点からは、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましく、これらのエポキシ樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
ビフェニル型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(I)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。スチルベン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。硫黄原子含有エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。


(一般式(I)中、R〜Rは、水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)


(一般式(II)中、R〜Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、及び置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)


(一般式(III)中、R〜Rは水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜5の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜10の整数を示す。)


(一般式(IV)中、R〜Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基としては、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基及び置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
上記一般式(I)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、例えば、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル又は4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール又は4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールとを反応させて得られるエポキシ樹脂が挙げられる。なかでも4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂が好ましい。
上記一般式(II)で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、R、R、R及びRがメチル基で、R、R、R及びRが水素原子であり、n=0を主成分とする商品名YSLV−80XY(新日鐵化学株式会社製)が市販品として入手可能である。
上記一般式(III)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、原料であるスチルベン系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基性物質存在下で反応させて得ることができる。この原料であるスチルベン系フェノール類としては、例えば3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベンが挙げられ、なかでも3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。これらのスチルベン型フェノール類は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(IV)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂のなかでも、R、R、R及びRが水素原子で、R、R、R及びRがアルキル基であるエポキシ樹脂が好ましく、R、R、R及びRが水素原子で、R及びRがt−ブチル基で、R及びRがメチル基であるエポキシ樹脂がより好ましい。このような化合物としては、商品名YSLV−120TE(新日鐵化学株式会社製)等が市販品として入手可能である。
上記一般式(I)〜(IV)で示されるエポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて40質量%以上とすることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上とすることがさらに好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。


(一般式(V)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の整数を示す。)
上記一般式(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることによって容易に得られる。なかでも、一般式(V)中のRとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。上記一般式(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂のなかでも、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上がより好ましい。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。


(一般式(VI)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示す。nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
上記式(VI)中のRとしては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基の置換若しくは非置換の炭素数1〜5の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの置換若しくは非置換の炭素数1〜5の一価の炭化水素基が挙げられる。なかでもmが0であることが好ましい。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上がより好ましい。
ナフタレン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。


(一般式(VII)中、R〜Rは置換若しくは非置換の炭素数1〜12の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。pは1又は0で、l、mはそれぞれ0〜11の整数であって、(l+m)が1〜11の整数でかつ(l+p)が1〜12の整数となるよう選ばれる。iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示す。)
上記一般式(VII)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。


(一般式(VIII)中、Rは水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の整数を示す。)
上記一般式(VII)及び(VIII)で示されるエポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても両者を組み合わせて用いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上とすることがさらに好ましい。
上記のビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでもビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び硫黄原子含有エポキシ樹脂の少なくとも1種を含有すると、後述する動的接触角を小さくすることができ好ましい。その含有割合は、(A)エポキシ樹脂の全量に対して三者合わせて50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。
さらには、後述する動的接触角を小さくする観点から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂のいずれかと、ビフェニル型エポキシ樹脂とを組み合せることが好ましい。この場合、これら以外のエポキシ樹脂が含まれていてもよいが、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂のいずれかと、ビフェニル型エポキシ樹脂とのみが含まれていることが好ましい。特には、(A)エポキシ樹脂の全量に対して、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又は硫黄原子含有エポキシ樹脂が50質量%以上95質量%以下含まれていることが好ましく、60質量%以上95質量%以下含まれていることがより好ましく、80質量%以上90質量%以下含まれていることが更に好ましい。最も好ましくは、(A)エポキシ樹脂の全量に対して、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が80質量%以上90質量%以下含まれていることが好ましい。
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂の150℃における溶融粘度は、充填性の観点から2ポイズ以下が好ましく、1ポイズ以下がより好ましく、0.5ポイズ以下がさらに好ましい。ここで、溶融粘度とはICIコーンプレート粘度計で測定した粘度を示す。
((B)硬化剤)
本発明において用いられる(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はない。例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のジクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、難燃性の観点からは、ビフェニル型フェノール樹脂が好ましく、耐リフロー性及び硬化性の観点からは、アラルキル型フェノール樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からは、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂が好ましく、耐熱性、低膨張率及び低そり性の観点からは、トリフェニルメタン型フェノール樹脂が好ましく、硬化性の観点からは、ノボラック型フェノール樹脂が好ましく、これらのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
ビフェニル型フェノール樹脂としては、例えば下記一般式(IX)で示されるフェノール樹脂が挙げられる。


(一般式(IX)中、R〜Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、及び置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(IX)中のR〜Rは、全てが同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基、及び、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、なかでも水素原子とメチル基が好ましい。
上記一般式(IX)で示されるビフェニル型フェノール樹脂としては、例えばR〜Rが全て水素原子である化合物が挙げられ、なかでも溶融粘度の観点から、nが1以上の縮合体を50質量%以上含む縮合体の混合物が好ましい。このような化合物としては、商品名MEH−7851(明和化成株式会社製)が市販品として入手可能である。
ビフェニル型フェノール樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
アラルキル型フェノール樹脂としては、例えばフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂が挙げられ、下記一般式(X)で示されるフェノール・アラルキル樹脂が好ましく、一般式(X)中のRが水素原子で、nの平均値が0〜8であるフェノール・アラルキル樹脂がより好ましい。具体例としては、p−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂、m−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂が挙げられる。これらのアラルキル型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上がより好ましい。


(一般式(X)中、Rは水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の整数を示す。)
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂としては、例えば下記一般式(XI)で示されるフェノール樹脂が挙げられる。


(一般式(XI)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示す。nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために、硬化剤全量に対して30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上がより好ましい。
トリフェニルメタン型フェノール樹脂としては、例えば下記一般式(XII)で示されるフェノール樹脂が挙げられる。


(一般式(XII)中、Rは水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の整数を示す。)
トリフェニルメタン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために、硬化剤全量に対して30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上がより好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂が挙げられ、なかでもフェノールノボラック樹脂が好ましい。ノボラック型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上がより好ましい。
上記のビフェニル型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。特にビフェニル型フェノール樹脂及びアラルキル型フェノール樹脂の少なくとも1種を含有すると、後述する動的接触角を小さくすることができ好ましい。また、両者のフェノール樹脂の配合量は硬化剤全量に対して合わせて60質量%以上とすることが好ましく、80質量%以上がより好ましい。
本発明において用いられる(B)硬化剤の150℃における溶融粘度は、充填性の観点から2ポイズ以下が好ましく、1ポイズ以下がより好ましい。ここで、溶融粘度とはICIコーンプレート粘度計で測定した粘度を示す。
(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する硬化剤中の水酸基数の比(硬化剤中の水酸基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3がより好ましい。成形性及び耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料を得るためには、0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(動的接触角)
前記(A)エポキシ樹脂及び前記(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料における配合比と同じ割合で両者を混合し液状組成物としたとき、当該液状組成物の温度110℃下で測定した絶縁保護膜に対する動的接触角が70度以下である。
本発明における動的接触角は、Wilhelmy平板法により測定した前進接触角である。動的接触角の測定に用いる絶縁保護膜は、基板の表面に絶縁保護レジストを塗布し、加熱及び露光により硬化させて形成した絶縁性の膜である。該絶縁保護膜としては、市販のアルカリ現像型ソルダーレジスト、熱硬化型ソルダーレジスト、あるいは、UV硬化型ソルダーレジストを用いることができる。具体例としては、太陽インキホールディングス(株)製のPSR−4000シリーズ、AUS300シリーズ、日立化成工業(株)製のSR−7300シリーズ、FZシリーズ、日本ポリテック(株)製の熱硬化型ソルダーレジストNPR−5シリーズ、味の素ファインテクノ(株)製の熱硬化型ソルダーレジストAR7100シリーズが挙げられる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、前記動的接触角が70度以下であることにより、半導体素子と基板との間の狭小な空間の充填性に優れ、ボイド等の成形不良が発生しにくい。前記動的接触角は、60度以下がより好ましい。前記動的接触角は、その下限に特に制限はないが、充填性の観点から、30度以上であることが好ましい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、絶縁保護レジストが塗布され絶縁保護膜が形成された半導体素子搭載用基板で構成されたフリップチップ方式の半導体装置に好適である。半導体素子と基板の間は狭小であり、基板表面に形成された絶縁保護膜との濡れ性すなわち動的接触角を小さくすることで、従来よりも半導体素子と基板の間の充填性を向上することができる。
前記動的接触角は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤の組合せによって70度以下に制御することができる。(A)エポキシ樹脂として、ビフェニル型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂の少なくとも1種を含有し、(B)硬化剤として、ビフェニル型フェノール樹脂及びアラルキル型フェノール樹脂の少なくとも1種を含有することが好ましい。
((C)無機充填剤)
本発明において用いられる(C)無機充填剤は、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上のために封止用エポキシ樹脂成形材料に配合される。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維が挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛が挙げられる。
これらの無機充填剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、充填性、線膨張係数の低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましく、無機充填剤の形状は充填性及び金型摩耗性の点から球形が好ましい。
本発明において用いられる(C)無機充填剤は、レーザー散乱回折式粒度分布測定器により測定された質量平均粒子径が10μm以下で、比表面積が3.0m/g以上であることがファインピッチなバンプを有するフリップチップ実装のアンダーフィル用途の充填性を満足させる観点から必要である。質量平均粒子径が10μmを超えると、バンプで接合されたチップ/配線板の隙間にエポキシ樹脂成形材料が注入され難くなり、充填性が低下し、ボイドが発生しやすい。同様に、比表面積が3.0m/g未満であると、バンプで接合されたチップ/配線板の隙間にエポキシ樹脂成形材料が注入され難くなり、充填性が低下し、ボイドが発生しやすい。
なお、レーザー散乱回折式粒度分布測定器は、粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求める方法であり、市販品を用いて測定することができる。比表面積分析は、粉体粒子表面に吸着占有面積の判った分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法であり、BET法が一般的であり、市販の全自動BET比表面積計などを用いて測定することができる。
質量平均粒子径は、半導体素子と基板との間の狭小な空間へのエポキシ樹脂成形材料の充填性に優れ、ボイド等の成形不良が発生しにくい観点から、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
また比表面積は、より好ましくは3.0〜5.0m/g、さらに好ましくは3.5〜4.0m/gである。比表面積を3.0m/g以上とすることで、ギャップが狭い箇所への充填性が向上し、5.0m/g以下とすることで、樹脂組成物の粘度の上昇を抑えることができ、その結果、バンプで接合されたチップ/配線板の隙間中にボイドが発生するのを抑えることができる。
(C)無機充填材の粒度分布としては、粒子径1μm以下が20〜30質量%、粒子径5μm以下が30〜80質量%、粒子径10μm以下が60〜90質量%であることが好ましい。このような粒度分布とすることで狭ギャップの充填性が向上する。
また充填性の観点からは(C)無機充填剤の粗粒子分を篩にてカットしてもよい。カット後の粒度分布は、30μm以上の(C)成分が0.5質量%以下であることが好ましく、20μm以上の(C)成分が0.5質量%以下であることがより好ましい。
(C)無機充填剤の含有量は、充填性、信頼性の観点から、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填剤の総量の50〜95質量%が好ましく、60〜90質量%がより好ましく、70〜90質量%が更に好ましく、75〜85質量%が特に好ましい。50質量%以上であると耐リフロー性が保たれ、95質量%以下であると充填性が保たれる。
((D)カップリング剤)
(C)無機充填剤を用いる場合、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、樹脂成分と充填剤との接着性を高めるために、(D)カップリング剤をさらに配合することが好ましい。(D)カップリング剤としては、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているもので特に制限はない。例えば、1級及び/又は2級及び/又は3級アミノ基を有するシラン化合物、エポキシシラン、メルカプトシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物が挙げられる。これらを例示すると、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも充填性の観点からはエポキシ基を有するシランカップリング剤が好ましい。
カップリング剤の全配合量は、封止用エポキシ樹脂組成物に対して0.037〜4.75質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましく、0.1〜2.5質量%であることがさらに好ましい。0.037質量%以上であるとフレームとの接着性が良好であり、4.75質量%以下であるとパッケージの成形性が良好である。
[カップリング剤被覆率]
本発明においてカップリング剤を用いる場合、無機充填剤へのカップリング剤の被覆率は0.3〜1.0とすることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.9、さらに好ましくは0.5〜0.8の範囲とすることが都合がよい。カップリング剤の被覆率が1.0以下であると、成形時において揮発分による気泡の発生が少なく、薄肉部のボイドが発生しにくい。また、カップリング剤の被覆率が0.3以上であると、樹脂と充填材との接着力が確保され、成型品強度が保たれる。
封止用エポキシ樹脂成形材料において、充填剤へのカップリング剤の被覆率X(%)は、下記の式(1)のとおり定義される。

(式(1)中、S及びSは、それぞれ封止用エポキシ樹脂成形材料における全カップリング剤の総最小被覆面積と全充填材の総表面積を表し、Sは下記の式(2)で定義され、Sは下記の式(3)で定義される。)


(式(2)中、nは使用したカップリング剤の種数を示し、A、A、・・・、Aは使用した各カップリング剤の最小被覆面積を示し、M、M、・・・、Mは使用した各カップリング剤の使用量を示す。式(3)中、lは使用した充填材の種数を示し、B、B、・・・、Bは使用した各充填材の比表面積を示し、W、W、・・・、Wは使用した各充填材の使用量を示す。)
[カップリング剤被覆率の制御方法]
封止用エポキシ樹脂成形材料に使用する各カップリング剤及び各無機充填剤それぞれの最小被覆面積及び比表面積が既知であれば、上記の式(1)、式(2)及び式(3)から、目的のカップリング剤被覆率となるカップリング剤及び充填材の使用量を算出することが可能である。
((E)リン化合物)
充填性、難燃性の観点からは、本発明において、さらに(E)リン化合物を配合することが好ましい。本発明において用いられる(E)リン化合物としては、特に制限はないが、耐湿信頼性の観点からリン酸エステル、ホスフィンオキサイドが好ましい。
リン酸エステルは、リン酸とアルコール化合物又はフェノール化合物のエステル化合物であれば特に制限はないが、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート及び芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。なかでも耐加水分解性の観点からは、下記一般式(XIII)で示される芳香族縮合リン酸エステルが好ましい。


(一般式(XIII)中、8個のRは炭素数1〜4のアルキル基を示し、全て同一でも異なっていてもよい。Arは二価の芳香族環を示す。)
上記一般式(XIII)で示されるリン酸エステルを例示すると、下記一般式(XIV)〜(XVIII)で示されるリン酸エステルが挙げられる。
これらリン酸エステルの添加量は、充填剤を除く他の全配合成分に対して、リン原子の量で0.2〜3.0質量%の範囲内であることが好ましい。0.2質量%以上であると、充填性が良好で、ボイド等の成形不良が発生しにくい。また難燃効果が確保できる。3.0質量%以下であると、成形性や耐湿性がよく、また成形時にリン酸エステルがしみ出し難く外観に悪影響がない。
ホスフィンオキサイドとしては、下記一般式(XIX)で示される化合物が好ましい。


(一般式(XIX)中、R、R及びRは、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアラルキル基及び水素原子を示し、全て同一でも異なっていてもよい。ただし全てが水素原子である場合を除く。)
上記一般式(XIX)で示されるリン化合物の中でも、耐加水分解性の観点からは、R〜Rが、置換若しくは非置換のアリール基であることが好ましく、特に好ましくはフェニル基である。
ホスフィンオキサイドの配合量は、封止用エポキシ樹脂成形材料に対してリン原子の量で0.01〜0.2質量%であることが好ましい。より好ましくは0.02〜0.1質量%であり、さらに好ましくは0.03〜0.08質量%である。0.01質量%以上であると難燃性が良好であり、0.2質量%以下であると成形性、耐湿性が良好である。
((F)硬化促進剤)
硬化性の観点からは、本発明において、さらに(F)硬化促進剤を配合することが好ましい。本発明において用いられる(F)硬化促進剤としては、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているものであれば特に制限はない。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂などのπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類及びこれらのホスフィン類に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも充填性及び耐リフロー性の観点からは、有機ホスフィンとキノン化合物との付加物が好ましい。
硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成される量であれば特に制限されるものではないが、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.005〜2質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。0.005質量%以上であると、短時間であっても硬化が不十分ということがない。2質量%以下であると、硬化速度が速過ぎず良好な成形品を得ることができる。
(難燃剤)
本発明には難燃性の観点から、さらに各種難燃剤を添加してもよい。難燃剤は封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はない。例えば、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル化物やブロム化フェノールノボラックエポキシ樹脂等のブロム化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、赤リン及び前述のリン酸エステル等のリン化合物、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミン変性フェノール樹脂及びグアナミン変性フェノール樹脂等の含窒素化合物、シクロホスファゼン等のリン/窒素含有化合物、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、フェロセン、上記水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び複合金属水酸化物等の金属化合物が挙げられる。
近年の環境問題や高温放置特性の観点からは非ハロゲン、非アンチモン系の難燃剤が好ましい。なかでも充填性の観点からはリン酸エステルが好ましく、安全性、耐湿性の観点からは複合金属水酸化物が好ましい。
複合金属水酸化物は、下記組成式(XX)で示される化合物が好ましい。


(組成式(XX)中、M、M及びMは互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、p、q及びmは正の数、rは0又は正の数を示す。)
なかでも、上記組成式(XX)中のrが0である化合物、すなわち、下記組成式(XXI)で示される化合物がさらに好ましい。


(組成式(XXI)中、M及びMは、互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、m、n及びlは正の数を示す。)
上記組成式(XX)及び(XXI)中のM及びMは互いに異なる金属元素であれば特に制限はないが、難燃性の観点からは、MとMが同一とならないようにMが第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ土類金属元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、IIIA族及びIVA族に属する金属元素から選ばれ、MがIIIB〜IIB族の遷移金属元素から選ばれることが好ましく、Mがマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれ、Mが鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれることがより好ましい。流動性の観点からは、Mがマグネシウム、Mが亜鉛又はニッケルであることが好ましく、MがマグネシウムでMが亜鉛であることがより好ましい。
上記組成式(XX)中のp、q、rのモル比は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、r=0で、p及びqのモル比p/qが99/1〜50/50であることが好ましい。すなわち、上記組成式(XXI)中のm及びnのモル比m/nが99/1〜50/50であることが好ましい。
なお、金属元素の分類は、典型元素をA亜族、遷移元素をB亜族とする長周期型の周期率表(出典:共立出版株式会社発行「化学大辞典4」1987年2月15日縮刷版第30刷)に基づいて行った。
複合金属水酸化物の形状は特に制限はないが、流動性、充填性の観点からは、平板状よりも適度の厚みを有する多面体形状が好ましい。複合金属水酸化物は、金属水酸化物と比較して多面体状の結晶が得られやすい。
複合金属水酸化物の配合量は特に制限はないが、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.5〜20質量%が好ましく、0.7〜15質量%がより好ましく、1.4〜12質量%がさらに好ましい。0.5質量%以上であると難燃性が確保され、20質量%以下であると充填性及び耐リフロー性が良好である。
[加熱減量率]
封止用エポキシ樹脂成形材料の加熱減量率は、0.25質量%以下が好ましく、好ましくは0.22質量%以下、より好ましくは0.20質量%以下である。加熱減量率が0.25質量%以下であると、成形時において揮発分による気泡の発生が少なく、薄肉部のボイドが発生しにくい。
[加熱減量率の定義]
質量Aの耐熱性容器に樹脂組成物を加えた質量Wを測定する。これを200℃雰囲気下にて1時間放置した後、耐熱性容器と樹脂組成物の合計質量Wを測定する。このとき加熱減量率Y(%)は次式により求まる(Aは、耐熱性容器のみの質量)。
[加熱減量率の制御方法]
加熱減量率の測定時に発生する揮発成分は、主に水分とアルコール類である。従って、加熱減量率を0.25質量%以下に抑えるには、成形前エポキシ樹脂成形材料の含水率低減、カップリング剤の最小必要量への最適化、揮発成分を生成し難いカップリング剤の使用等が有効である。
ファインピッチのはんだバンプ等を備える次世代フリップチップ型半導体装置の製造において、従来の固形タイプの封止用エポキシ樹脂を用いて封止する場合、直径0.1mm程度のやや大きめのボイドの発生に起因してアンダーフィル部の充填は満足できるものではなかった。ところが本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を封止材として用いることにより、前記問題は解消されるに至った。
ここで、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填剤の選定は以下の観点から行われることが好ましい。
(A)エポキシ樹脂の選定においては、150℃における溶融粘度が2ポイズ以下であるものを選択することが好ましく、1ポイズ以下であるものを選択することがより好ましい。(C)無機充填剤の配合割合が高い場合にこの選択は特に有効である。中でもビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂を選択することが信頼性の観点から好ましい。
(B)硬化剤の選定においては、150℃における溶融粘度が2ポイズ以下であるものを選択することが好ましく、1ポイズ以下であるものを選択することがより好ましい。(C)無機充填剤の配合割合が高い場合にこの選択は特に有効である。また(A)エポキシ樹脂として、成形性の観点からノボラック型エポキシ樹脂を選択した場合、低吸湿性の観点からジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を選択した場合、耐熱性及び低反り性の観点からナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂を選択した場合にも上記選択は特に有効である。
(C)無機充填剤の選定においては、質量平均粒子径が10μm以下で比表面積が3.0m/g以上であることを必須とする。質量平均粒子径10μm以下の範囲で、適用するフリップチップ実装型半導体装置におけるバンプ高さ及びバンプピッチを考慮して注入可能な大きさのものを選択することが必要であるが、必要以上に小さいものを選択することは流動性低下を起こす場合があるため避けるべきである。また、比表面積は3.0m/g以上の範囲内で、注入可能な平均粒子径のものの中でできるだけ小さいものを選択することが有効である。質量平均粒子径、比表面積両者を上記範囲で満たすためには市販の無機充填剤2種以上を組み合せることが有効である。
さらに必要により(C)無機充填剤の粗粒子分を篩にてカットしてもよい。カット後の粒度分布は、30μm以上の(C)成分が0.5質量%以下であることが好ましく、20μm以上の(C)成分が0.5質量%以下であることがより好ましい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、IC等の半導体素子の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から陰イオン交換体を添加することもできる。陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス等から選ばれる元素の含水酸化物が挙げられ、これらを単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、下記組成式(XXII)で示されるハイドロタルサイトが好ましい。


(組成式(XXII)中、Xは0<X≦0.5であり、mは正の数を示す。)
さらに、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、その他の添加剤として、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等の離型剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤などを必要に応じて配合することができる。
(調製方法及び使用方法)
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できる。一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機、らいかい機、プラネタリミキサ等によって混合又は溶融混練した後、冷却し、必要に応じて脱泡、粉砕する方法等を挙げることができる。また、必要に応じて成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化してもよい。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を封止材として用いて、半導体装置を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等も挙げられる。ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等を用いてもよい。充填性の観点からは減圧状態にて成形できる成形法が好ましい。
<半導体装置>
続いて本発明の半導体装置について説明する。また、かかる半導体装置の説明を介して本発明のエポキシ樹脂成形材料の好適な用途及び使用方法について説明する。
本発明の半導体装置は、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える半導体装置である。本発明によれば、ファインピッチなバンプを有し、入出力数(バンプ数)の多いフリップチップ実装型半導体装置を提供することができる。
本発明の半導体装置としては、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス等の支持部材や実装基板に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したフリップチップ実装型の半導体装置などが挙げられる。
ここで、封止用エポキシ樹脂成形材料としては、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いる。前記実装基板としては特に制限するものではなく、例えば、有機基板、有機フィルム、セラミック基板、ガラス基板等のインターポーザ基板、液晶用ガラス基板、MCM(Multi Chip Module)用基板、ハイブリットIC用基板が挙げられる。
本発明の半導体装置としては、それぞれ所定の値に規定された(a)フリップチップのバンプ高さ、(b)フリップチップのバンプピッチ、(c)半導体チップの面積、(d)封止材の総厚さ、(e)フリップチップのバンプ数、(f)成型時のエアベント厚みの構成を1以上備えるものが好ましい。
具体的には、以下の(a1)〜(f1)の構成を1以上備えるものが好ましい。
(a1)フリップチップのバンプ高さが150μm以下である。
(b1)フリップチップのバンプピッチが500μm以下である。
(c1)半導体チップの面積が25mm以上である。
(d1)封止材の総厚さが2mm以下である。
(e1)フリップチップのバンプ数が100個以上である。
(f1)成型時のエアベント厚みが40μm以下である。
本発明の半導体装置としては、以下の(a2)〜(f2)の構成を1以上備えるものがより好ましい。
(a2)フリップチップのバンプ高さが100μm以下である。
(b2)フリップチップのバンプピッチが400μm以下である。
(c2)半導体チップの面積が50mm以上である。
(d2)封止材の総厚さが1.5mm以下である。
(e2)フリップチップのバンプ数が150個以上である。
(f2)成型時のエアベント厚みが30μm以下である。
本発明の半導体装置としては、以下の(a3)〜(f3)の構成を、1以上を備える半導体装置がさらに好ましい。
(a3)フリップチップのバンプ高さが75μm以下である。
(b3)フリップチップのバンプピッチが200μm以下である。
(c3)半導体チップの面積が100mm以上である。
(d3)封止材の総厚さが1.0mm以下である。
(e3)フリップチップのバンプ数が1000個以上である。
(f3)成型時のエアベント厚みが20μm以下である。
本発明の半導体装置としては、以下の(a4)〜(f4)の構成を、1以上を備える半導体装置が特に好ましい。
(a4)フリップチップのバンプ高さが50μm以下である。
(b4)フリップチップのバンプピッチが170μm以下である。
(c4)半導体チップの面積が120mm以上である。
(d4)封止材の総厚さが0.5mm以下である。
(e4)フリップチップのバンプ数が3000個以上である。
(f4)成型時のエアベント厚みが15μm以下である。
好ましい態様を挙げて半導体装置について説明したが、なかでも前記(a)〜(f)の構成を以下の組み合わせで備える半導体装置が特に好ましい。
充填性の観点からは、構成(a)及び構成(b)の少なくとも一方を備える半導体装置が好ましい。具体的には、構成(a1)及び(b1)を備える半導体装置、構成(a1)及び(d1)を備える半導体装置、構成(a1)及び(c1)を備える半導体装置、構成(b1)及び(d1)を備える半導体装置、並びに構成(b1)及び(c1)を備える半導体装置が好ましい。
さらに、構成(a2)及び(b2)を備える半導体装置、構成(a2)及び(d2)を備える半導体装置、構成(a2)及び(c2)を備える半導体装置、構成(b2)及び(d2)を備える半導体装置、並びに構成(b2)及び(c2)を備える半導体装置が好ましい。
さらにまた、構成(a3)及び(b3)を備える半導体装置、構成(a3)及び(d3)を備える半導体装置、構成(a3)及び(c3)を備える半導体装置、構成(b3)及び(d3)を備える半導体装置、並びに構成(b3)及び(c3)を備える半導体装置が好ましい。
特に、構成(a4)及び(b4)を備える半導体装置、構成(a4)及び(d4)を備える半導体装置、構成(a4)及び(c4)を備える半導体装置、構成(b4)及び(d4)を備える半導体装置、並びに構成(b4)及び(c4)を備える半導体装置が好ましい。
このような半導体装置としては、例えば、配線板やガラス上に形成した配線に、フリップチップボンディングで接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)、COG(Chip On Glass)等のベアチップ実装した半導体装置、配線板やガラス上に形成した配線に、フリップチップボンディングで接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したハイブリッドIC、MCM(Multi Chip Module)マザーボード接続用の端子を形成したインターポーザ基板に半導体チップを搭載し、バンプにより半導体チップとインターポーザ基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で半導体チップ搭載側を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)が挙げられる。また、これらの半導体装置は、実装基板上に素子が2個以上重なった形で搭載されたスタックド(積層)型パッケージであっても、2個以上の素子を一度に封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した一括モールド型パッケージであってもよい。
本発明の半導体装置の好ましい態様を図1〜図3を参照しながら説明する。
尚、本発明の半導体装置はこれらに限られるものではない。
図1には、アンダーフィルタイプのフリップチップ型BGAの一例を示す断面図が示されており、図2には、オーバーモールドタイプのフリップチップ型BGAの一例を示す断面図が示されている。また、図3にはフリップチップ型BGAの配線板1上にはんだバンプ2を介して半導体チップ3を配置した際の上面図(一部透視図)が示されている。
図1に示されるアンダーフィルタイプのフリップチップ型BGAの半導体装置は、図3に示されるように配線板1上にはんだバンプ2を所定のバンプピッチb(μm)で配置し、そのはんだバンプ2を介してそのバンプ高さで半導体チップ3を配線板1上に接続・固定し、そして配線板1と半導体チップ3間に形成されるアンダーフィル部5を封止用エポキシ樹脂成形材料(封止材)4を用いて封止することにより得られるものである。図2に示されるオーバーモールドタイプのフリップチップ型BGAの半導体装置は、前記封止工程において、封止用エポキシ樹脂成形材料(封止材)4を用いてアンダーフィル部5を封止すると共に半導体チップ3全体を覆うように封止することを除いて、前記アンダーフィルタイプのフリップチップ型BGAの半導体装置と同様にして製造されるものである。
ここで、本発明の半導体装置の製造に際しては、半導体装置のバンプ高さ、バンプピッチb、半導体チップの面積C(mm)及び封止材の総厚さを以下のように設定することが好ましい。
はんだバンプ2の高さは、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
はんだバンプ2のピッチb即ちはんだバンプの中心間隔は400μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
はんだバンプ2の数は150個以上であることが好ましく、500個以上であることがより好ましい。
半導体チップ3の面積Cは、50mm以上であることが好ましく、100mm以上であることがより好ましい。
封止材4の総厚さは、1.5mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましい。
尚、図1に示されるアンダーフィルタイプにあっては、封止材4の総厚さとバンプ高さは同一の値となる。
次に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<封止用エポキシ樹脂成形材料の作製>
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂として、以下を使用した。
・エポキシ樹脂1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、東都化成株式会社製YSLV−80XY、エポキシ当量192、融点67℃
・エポキシ樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコートYH−4000H、エポキシ当量196、融点106℃
・エポキシ樹脂3:スルフィド型(硫黄原子含有)エポキシ樹脂、東都化成株式会社製YSLV−120TE、エポキシ当量244、融点110℃
・エポキシ樹脂4:ビフェニレン型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製NC−300z0、エポキシ当量280
・エポキシ樹脂5:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、DIC株式会社製N500P、エポキシ当量200、融点60℃
(B)硬化剤
硬化剤として、以下を使用した。
・硬化剤1:フェノール系重縮合物、エア・ウォーター株式会社製HE200C−10、水酸基当量199mgKOH/g、軟化点80℃
・硬化剤2:フェノ−ル・p−キシレングリコ−ルジメチルエ−テル重縮合物、明和化成株式会社製MEH−7800、水酸基当量175mgKOH/g、軟化点70℃
・硬化剤3:フェノールノボラック樹脂、明和化成株式会社製H−1、水酸基当量106mgKOH/g、軟化点80℃
(C)無機充填剤
下記の無機充填剤1〜4を用意し、下記の表1に記載の混合比率で混合して、充填剤A〜Dを調製した。
・無機充填剤1:溶融シリカ、電気化学工業社製FB−5SDC、平均粒子径6μm
・無機充填剤2:溶融シリカ、マイクロン社製SP−30、平均粒子径2μm
・無機充填剤3:溶融シリカ、アドマテックス社製SO−25R、平均粒子径0.6μm
・無機充填剤4:溶融シリカ、マイクロン社製ST−7010−2、平均粒子径11μm

(D)カップリング剤
カップリング剤として、以下を使用した。
・カップリング剤1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)、東レダウシリコーン株式会社製A−187
・カップリング剤2:2級アミノシラン、東レダウシリコーン株式会社製Y−9669
・カップリング剤3:シランエステル、東レダウシリコーン株式会社製A−1289
・カップリング剤4:メルカプトシラン、信越化学工業株式会社製KBM−803
その他の添加物として、硬化促進剤(トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加物)(硬化促進剤1)、ヘキストワックス(クラリアント社製HW−E)及びカーボンブラック(三菱化学株式会社製MA−600MJ−S)を使用した。
上記の各素材を、下記の表2に示す配合組成で予備混合(ドライブレンド)した後、ロール表面温度約80℃の二軸ロールで10分間混練し、次いで冷却粉砕して、実施例1〜6及び比較例1〜5の各封止用エポキシ樹脂成形材料1〜11を製造した。なお、表2中の組成は質量部で示した。
<半導体装置(簡易フリップチップBGA)の作製>
封止用エポキシ樹脂成形材料1〜11を用いて、実施例1〜6及び比較例1〜5の半導体装置を作製した。なお、封止用エポキシ樹脂成形材料による封止は、トランスファ成形機を用いて、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間150秒の条件で成形後、180℃で5時間後硬化することにより行った。
具体的な製造方法を、図4及び図5を参照して説明する。絶縁ベース基材(ガラス布エポキシ樹脂積層板、日立化成工業株式会社製E−679FG)の片面のみに絶縁保護レジスト(太陽インキ製造株式会社製AUS308)を塗布し加熱及び露光して絶縁保護膜を形成した外形が縦51mm×横48mm×厚さ0.2mmの半導体素子搭載用基板1上に、幅2mm、厚さ50μmのポリイミド製ダイアタッチテープ6を介して、縦10mm×横10mm×厚さ200μm(面積100mm)にダイシングされたウエハー3を配置し、200℃、10秒の条件で圧着し実装した。
次に、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて、半導体素子搭載面を、縦15mm×横40mm×厚さ1.0mmの寸法に前記条件で真空トランスファ成形し、フリップチップBGA装置を作製した。
<評価>
作製した封止用エポキシ樹脂成形材料1〜11、並びに実施例1〜6及び比較例1〜5の半導体装置を、次の試験により評価した。評価結果を下記の表2に示した。
(1)動的接触角
動的接触角を測定するための試料として、実施例1〜6及び比較例1〜5の配合比率(表2参照)に準じて(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤とを混合し、20gの試料を調製した。動的接触角測定用の絶縁保護膜として、縦30mm×横20mm×厚さ200μmの絶縁ベース基材の両面に絶縁保護レジスト(太陽インキ製造株式会社製AUS308)を塗布し、加熱及び露光により硬化させて絶縁保護膜を形成した。
耐熱用ガラス製容器で110℃に加熱した試料の中に、自動接触角測定装置(Dataphysics社製DCAT21)を用いて、絶縁保護膜を形成した基材を0.01mm/sの速度で含浸させ、動的接触角(前進接触角)を測定した。
(2)スパイラルフロー(流動性の指標)
各封止用エポキシ樹脂成形材料を、流動距離が150インチ(inch)のスパイラルフロー測定用金型を用いて、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間150秒の条件で成形し、流動距離を求めた。
(3)ボイド発生量
トランスファ成形後、半導体素子搭載用基板のチップ搭載面とは反対側の面から視認される1mm以上のボイドの個数と面積をマイクロスコープ(株式会社モリテックス製、SCOPEMAN)により観察し、合計面積を計算し、ボイド発生量とした。

絶縁保護膜に対する(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤からなる液状組成物の110℃における動的接触角が70度超であり、質量平均粒子径が10μm超である無機充填剤を使用した比較例1〜5は、トランスファ成形した封止材にボイドが発生した。一方、前記動的接触角が70度以下であり、質量平均粒子径が10μm以下で且つ比表面積が3.0m/g以上である無機充填剤を使用した実施例1〜6では、ボイド発生がなく、アンダーフィル材として要求される高い充填性を示した。
1:配線板
2:はんだバンプ
3:半導体チップ
4:封止材
5:アンダーフィル部
6:ダイアタッチテープ

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填剤、及び(D)カップリング剤を少なくとも含み、
    前記(A)エポキシ樹脂は、その全量の80質量%以上がビスフェノールF型エポキシ樹脂又は硫黄原子含有エポキシ樹脂であり、且つ、ビフェニル型エポキシ樹脂を含み、
    前記(B)硬化剤は、ビフェニル型フェノール樹脂及びアラルキル型フェノール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、ビフェニル型フェノール樹脂及びアラルキル型フェノール樹脂の合計が前記(B)硬化剤の80質量%以上を占め、
    前記(C)無機充填剤は、質量平均粒子径が10μm以下で且つ比表面積が3.0m/g以上であり、前記(A)エポキシ樹脂、前記(B)硬化剤及び前記(C)無機充填剤の総量の75質量%以上90質量%以下を占め、
    前記(D)カップリング剤は、エポキシ基を有するシランカップリング剤を含む
    封止用エポキシ樹脂成形材料。
  2. 前記(C)無機充填剤は、粒子径1μm以下が20質量%以上30質量%以下、粒子径5μm以下が30質量%以上80質量%以下、粒子径10μm以下が60質量%以上90質量%以下の粒度分布である、請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  3. 前記(C)無機充填剤は、質量平均粒子径が5μm以下である、請求項1又は請求項2に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  4. 前記(C)無機充填剤は、比表面積が3.0m/g以上5.0m/g以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  5. 前記(D)カップリング剤が、エポキシ基を有するシランカップリング剤及びメルカプト基を有するシランカップリング剤を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  6. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える半導体装置。
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