JP6282161B2 - 画像処理装置、その制御方法およびプログラム - Google Patents

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    • H04N1/4092Edge or detail enhancement

Description

本発明は、線を含む画像が再現性高くハーフトーン処理されるための技術に関する。
記録媒体に画像を形成する画像出力装置として、電子写真プリンタやインクジェットプリンタが知られている。これら画像出力装置では、出力可能な階調数が入力されたデジタルな画像データよりも低いことが多いため、出力画像の濃淡を表現する方法として、面積階調による表現方法が用いられている。面積階調とは、記録媒体上の色材付着領域の割合を変化させることにより濃淡を表現する方法である。この面積階調の方法は、AM(振幅変調)スクリーニングとFM(周波数変調)スクリーニングに大別できる。
AMスクリーニングは、微小ドットを空間的に集中して配置することによって網点を構成し、この網点の大きさを変化させることにより濃淡を表現する。一方、FMスクリーニングは、微小ドットを空間的にランダムに分散して配置し、この微小ドットの密度を変化させることにより濃淡を表現する。このようなスクリーニングを用いた画像では、細線の途切れが生じることがある。細線の途切れは、細線とスクリーニングによる網点が干渉することによって起こる現象である。そこで特許文献1には、スクリーン処理部へ入力するスクリーン処理前画像に対して、線領域専用のガンマ補正LUTを用いた補正を行う方法が開示されている。この方法によれば、画像に含まれる線領域の階調値を濃い方向へ補正することにより、スクリーン処理による細線の途切れを改善可能である。
特開2007−300206号公報
特許文献1の方法では、スクリーン処理前画像の線領域の階調値を補正するため、画像出力装置により出力された出力画像における線の幅が所望の幅より太く視認されてしまう場合がある。そこで本発明は、画像に含まれる線を適切に補正し、高画質な画像を出力することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、画像処理装置であって、入力データを入力する入力手段と、前記入力データから、前記入力データに含まれる線の色情報、前記線の背景の色情報、前記線の幅を示す線情報を検出する検出手段と、前記背景の色情報と前記線の色情報と前記線の幅によって決まる線のコントラスト積算値が変わらず、前記背景の色情報と前記線の色情報との差分が目標とする値になるように、前記線の色情報と前記線の幅を変換する変換手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、画像に含まれる線を適切に補正し、高画質な画像を出力することが可能である。
画像形成システムの構成を示すブロック図 SVGで表現されている線情報の一例 線情報変換テーブルの一例 スクリーン処理の概要を説明する図 画像形成部装置108の構成を示すブロック図 画像処理装置における処理の流れを示すフローチャート 最適変換値算出処理の流れを示すフローチャート 線のコントラストを説明する模式図 目的関数の値を求める目的関数算出部の構成を示すブロック図 効果を示す図 SVGで表現されている線情報の一例 線情報変換テーブルの一例 最適変換値算出処理の流れを示すフローチャート 線のコントラストを説明する模式図である。 効果を示す図 線幅評価関数Eの値が記述された線幅変化評価値テーブルの一例 線情報変換テーブルの一例を示す図 線情報の書き換えを説明する図 線のコントラストを説明する模式図 最適変換値算出処理の流れを示すフローチャート 画像形成システムの構成を示すブロック図 線情報の書き換えを説明する図 線情報変換テーブルの一例を示す図 最適変換値算出処理の流れを示すフローチャート 線のコントラストを説明する模式図 効果を示す図 SVGで表現されている線情報の一例
<第1実施形態>
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関る本発明を限定するものではなく、また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1は、本実施形態に適用可能な画像形成システムの構成を示すブロック図である。本実施形態における画像形成システムは、入力データに対して画像処理を行う画像処理装置100と、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置108とからなる。画像処理装置100と画像形成装置108は、無線通信等のインタフェース又は回路によって接続されている。画像処理装置100は、例えば一般的なパーソナルコンピュータにインストールされたプリンタドライバである。その場合、以下に説明する画像処理装置100内の各部は、コンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される。ただし、画像形成装置108が画像処理装置100を含む構成でもよい。
(画像処理装置100の構成)
画像処理装置は、線情報補正部101、ラスタライズ部105、色変換部106、スクリーン処理部107を有する。線情報補正部101は、入力データに含まれる線情報を補正し、これを補正後データとしてラスタライズ部105に出力する。この線情報補正部101は、線情報検出部102と線情報変換部103と線情報書換部104から構成される。この線情報補正部101は、入力データに含まれる全ての線について、線情報の検出、変換、書き換えを線ごとに行う。
線情報検出部102は、入力データから線情報を検出する。検出した1つの線の線情報は、変換前線情報として線情報変換部103に出力する。入力データは、ラスタデータ又は、ラスタデータを含むベクタデータである。ラスタデータの場合、線は各画素の値によって表現される。ラスタデータを含むベクタデータの場合、線は二通りの方法によって表現され、ラスタデータとして各画素の値によって表現される場合と、ベクタデータとして始点、終点、色情報、幅、曲がり度合い、途切れ度合いなどによって表現される場合がある。
ラスタデータの例としては、TIFF、JPEGなどが挙げられる。ラスタデータを含むベクタデータの例としては、W3CのSVGなどのアプリケーションデータや、プリンタの印刷などで利用されるページ記述言語データが挙げられる。ここで、ページ記述言語データは、プリンタに対して描画を指示するプリンタ制御コードである。また、ラスタデータを含むベクタデータの例としては、ページ記述言語データに基づきオブジェクトの分離を行った、ディスプレイリストと呼ばれる中間データも挙げられる。線情報検出部101は、線情報として線の色情報と線の背景の色情報と線の幅を検出する。線の色情報と線の背景の色情報は、(R、G、B)や、(C、M、Y、K)や、(L、a、b)や、(X、Y、Z)や、各波長の分光反射率などで表現する方法が挙げられる。
入力データから線情報を検出する方法は、線情報を検出する対象である1つの線が、ラスタデータで表現されている場合と、ベクタデータで表現されている場合で異なる。線がベクタデータで表現されている場合は、ベクタデータ内において前述の線情報が数値として記述されているため、その箇所を参照することにより線情報を検出する。図2の201は、SVGで表現されている線の一例であり、この場合、線の色情報は(R、G、B)=(128、128、128)、背景の色情報は(R、G、B)=(192、192、192)、線の幅は0.24ptと検出される。一方、線がラスタデータで表現されている場合は、公知技術を用いてラスタデータの線をベクトル化することによりベクタデータを新たに生成し、そのベクタデータから前述の方法により線情報を検出する。なお、ベクトル化により生成されるベクタデータのフォーマットは、どのようなものであってもかまわない。
線情報変換部103は、変換前線情報に基づいて線情報を変換する。線情報変換部103は、線情報検出部102が検出した線情報のうち、線の色情報と線の幅を変換し、ここでは線の背景の色情報は変換しない。変換した1つの線の線情報は、変換後線情報として線情報書換部104に出力する。線情報変換部103において、変換前線情報を変換する方法は、は二通りある。
第1の方法は、画像処理過程においてリアルタイムに変換後線情報の最適値を演算により求める方法である。なお、以降の説明において、変換前線情報に基づいて変換後線情報の最適値を求める処理を、最適変換値算出処理と呼ぶことにする。この最適変換値算出処理については、後で詳細に説明する。
一方、第2の方法は、あらかじめ最適変換値算出処理によって変換後線情報に対応する最適値を求めておき、その値が変換後線情報として変換前線情報に対応付けられた線情報変換テーブルを参照する方法である。図3は、線情報変換テーブル301の一例を示す。例えば、枠302が囲う行は、線の色情報が(R、G、B)=(128、128、128)、背景の色情報が(R、G、B)=(192、192、192)、線の幅が0.24ptである変換前情報の対応関係を示している。この場合、変換後線情報において線の色情報と線の幅はそれぞれ、(R、G、B)=(64、64、64)、0.12ptとなる。なお、先に説明した通り、線の背景の色情報は変換しないため、線情報変換テーブル301では、変換後線情報の列において線の背景の色情報は記述していない。
線情報書換部104は、変換後線情報に基づいて、入力データおよび、線情報検出部102により生成されるベクタデータにおける線情報を書き換える。なお、入力データの線情報を書き換える場合、書き換える対象の線は全てベクタデータで表現されているものとする。ベクタデータ内においては、線情報が数値として記述されているため、線情報の数値を変換後線情報に基づいて置換することにより線情報を書き換える。図2の202は、図3が示す線情報変換テーブルにより得た変換後線情報に基づいて、図2の201の線情報を書き換えた結果である。書き換えが完了したデータは、補正後データとしてラスタライズ部105に出力する。
ラスタライズ部105は、補正後データに含まれるベクタデータを全てラスタライズし、ラスタデータを色変換部106に出力する。ここでは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)それぞれに対応するラスタデータが出力されるとする。
色変換部106は、入力されたラスタデータを、画像形成装置108が有する色材毎の画像データに変換し、各色の色変換後データとしてスクリーン処理部107に出力する。例えば、RGBのラスタデータをC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)に変換するとする。色変換部106は次式の通り色変換処理を行う。ここで、C_LUT_3D、M_LUT_3D、Y_LUT_3D、K_LUT_3Dは、R、G、Bの3つの入力値から1つの出力値を定める色変換ルックアップテーブルを示している。
C = C_LUT_3D(R、G、B) ・・・(1)
M = M_LUT_3D(R、G、B) ・・・(2)
Y = Y_LUT_3D(R、G、B) ・・・(3)
K = K_LUT_3D(R、G、B) ・・・(4)
スクリーン処理部107は、入力される色変換後データに対してスクリーン処理を適用し、画像形成装置108が出力可能なビット数のラスタデータを生成する。生成したラスタデータは、スクリーン処理後データとして画像形成装置108に出力する。例えば、色変換後データのビット数が8ビット(256値)であり、画像形成装置108が出力可能なビット数が1ビット(2値)の場合、スクリーン処理部107は次式の通り処理を行う。
K ≦ Th_Kのとき、 O_K=0 ・・・(5)
K > Th_Kのとき、 O_K=1 ・・・(6)
ここで、Kはブラックに対応する色変換後データを構成する画素の画素値、Th_Kは閾値テーブルにおける閾値、O_Kはスクリーン処理後データを構成する出力値である。図4は、式(5)、式(6)によるスクリーン処理の一例を示している。256値の画素値からなる色変換後データは、閾値と比較され、0か1からなるスクリーン処理後データに変換される。なお、ここでは、ブラックを例に処理の内容を示したが、他の色に関しても処理の内容は同じである。
(画像形成装置の構成)
画像形成装置108は、スクリーン処理後データに基づいて記録媒体に画像を形成し、プリント物を出力する。図5は、画像形成装置108の詳細な構成例を示している。ここでは画像形成装置108は、電子写真方式の記録装置である。画像形成装置は、各色材に対応する感光体ドラム501、502、503、504、中間転写ベルト505、転写部506、給紙トレイ507、定着部509、排紙トレイ510を有する。入力端子511は、画像処理装置100からスクリーン処理後データを受信する。感光体ドラム501、502、503、504には、入力端子511より入力された画像データに基づき、レーザスキャナ(図示せず)により潜像画像が形成される。潜像画像が形成された各感光体ドラム上には、CMYKの各色材による像が現像され、この像は中間転写ベルト505に順に転写される。これにより、中間転写ベルト505上には、カラーのトナー像が形成される。このフルカラーの像は、転写部506において、給紙トレイ507より供給される記録媒体508上に転写される。記録媒体508上に転写された像は、定着部509において定着され、排紙トレイ510に送られてプリント物となる。
(画像処理装置における画像処理の流れ)
図6は、本実施形態における画像処理装置が行う画像処理の流れを示すフローチャートである。ステップS601において線情報補正部101は、入力データに含まれる線情報を補正し、これを補正後データとしてラスタライズ部105に出力する。ステップS602においてラスタライズ部105は、補正後データに含まれるベクタデータを全てラスタライズし、ラスタデータを色変換部106に出力する。ステップS603において色変換部106は、入力されるラスタデータの色情報を、画像形成装置108が有する色材に対応するデータ変換し、色変換後データとしてスクリーン処理部107に出力する。ステップS604においてスクリーン処理部107は、入力される色変換後データに対してスクリーン処理を適用し、画像形成装置108が出力可能なビット数のラスタデータを生成する。生成したラスタデータは、スクリーン処理後データとして画像形成装置108に出力される。
(最適変換値算出処理)
前述の通り、変換前線情報に基づいて変換後線情報を求める処理を、最適変換値算出処理と呼び、処理の詳細を説明する。この処理は、線情報変換部103が画像処理過程においてリアルタイムに行う場合と、画像処理過程の前にあらかじめ線情報変換テーブルを作るために行う場合がある。 初めに記号を定義する。前述の通り本実施例において、線情報は、線の色情報と線の背景の色情報と線の幅から構成される。この中で、線の背景の色情報は変換の前後で変化させないため、背景の色情報を(B、B、B)と表現する。一方、変換前後で変化するものについてはINとOUTの添え字を付けて区別する。すなわち、変換前の線の色情報は(LR_IN、LG_IN、LB_IN)、変換前の線の幅はWIN、変換後の線の色情報の最適値は(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)、変換後の線の幅の最適値はWOUTと表現する。なお、ここでは、線の色情報を(R、G、B)で表現する場合を例として説明するが、(C、M、Y、K)や、(L、a、b)や、(X、Y、Z)や、各波長の分光反射率などで表現する場合であってもよい。
ここからは、最適変換値算出処理の流れを、図7に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS701において、コントラスト変化率aの値を更新する。コントラスト変化率aは、背景の色と線の色との差である線のコントラストを変化させる割合を示す。コントラスト変化率の更新方法は二通りあり、増加させるモードと、減少させるモードがある。ここで、更新前の値をan−1、更新後の値をaとしたとき、増加させるモードでは、例えば、次式によって値を更新する。なお、以降の説明において、添え字nは、更新回数を示すものとする。
= an−1 + 0.01 ・・・(7)
一方、減少させるモードでは、例えば、次式によって値を更新する。
= an−1 − 0.01 ・・・(8)
なお、式(7)、式(8)において、初期値aは、例えば1.00とする。また、増加させるモードと減少させるモードは、どのような方法で決めてもかまわない。例えば、一般的に線の画質はコントラストを上げると良好になるため、コントラストの目標を可能なかぎり最大となる値とし、通常は増加させるモードを選択する。しかし、例外的に、コントラストを下げた方が良好な画質となる場合は、コントラストの目標を可能なかぎり最小となる値とし、減少させるモードを選択してもかまわない。例えば、色間レジズレの起こりやすい画像形成装置の場合、線の幅を太くした方が色間レジズレが目立ちにくくなるため、コントラストを減少させるモードを選択して、線の幅を太くする。なお、コントラストを減少させるモードの場合、コントラストを最小値の0まで下げると線が消失してしまう。そのため、コントラストを減少させるモードでは、コントラスト目標値を必ず設定しなければならない。そこで本実施形態では、コントラストを減少させるモードでは、コントラスト目標値を30とする。
ステップS702において、ステップS701で更新したコントラスト変化率aに基づいて線のコントラストを変化させ、線の色情報を更新する。図8は線のコントラストを説明する模式図である。画像801は線を含む画像であり、線の背景802に対して線803が描画されている。グラフ804は、線803の中心を垂直に横切る線分αβにおける、色情報(R、G、B)のうちRの値を示している。図8は変換前の線画像を示しており、線の色情報のRの値はLR_IN、線の背景の色情報のRの値はB、線の幅はWINである。このとき、線のコントラストのRの値CR_INは、次式により求める。
R_IN = LR_IN − B ・・・(9)
このように、線のコントラストは、線の色情報から、線の背景の色情報を、色ごとに減算することによって求める。同様に、線のコントラストのGの値CG_INとBの値CB_INは、次式により求めることができる(線の色情報:LG_IN,LB_IN、線の背景の色情報:B,Bとする)。
G_IN = LG_IN − B ・・・(10)
B_IN = LB_IN − B ・・・(11)
式(9)、式(10)、式(11)では、変換前の線の色情報(LR_IN、LG_IN、LB_IN)と線の背景の色情報(B、B、B)とから、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)を求めた。ステップS702では、この変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)にコントラスト変化率aを乗算することにより、更新後の線のコントラスト(CR_n、CG_n、CB_n)を次式の通り求める。
R_n = a× CR_IN ・・・(12)
G_n = a× CG_IN ・・・(13)
B_n = a× CB_IN ・・・(14)
そして、線の背景の色情報(B、B、B)に更新後の線のコントラスト(CR_n、CG_n、CB_n)を加算することにより、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)を次式の通り求める。
R_n = B+ CR_n ・・・(15)
G_n = B+ CG_n ・・・(16)
B_n = B+ CB_n ・・・(17)
ステップS703において、線の直流成分を保存するように、線の幅を更新する。線の直流成分とは、線の幅と線のコントラストとを、色ごとに乗算した値である。つまりグラフ804における斜線部である。線の直流成分は、(D、D、D)と表現する。線の直流成分(D、D、D)は、変換前の線の幅WINと、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)を、色ごとに乗算することにより次式の通り求める。
= WIN × CR_IN ・・・(18)
= WIN × CG_IN ・・・(19)
= WIN × CB_IN ・・・(20)
なお、第7実施形態、第8実施形態で言及する直流成分は、対象とする線をフーリエ変換したときの原点(周波数0)の大きさと対応する。しかし、第1実施形態から第5実施形態および第6実施形態にて言及する直流成分は、線の背景の色情報が0でないときは、対象とする線をフーリエ変換したときの原点(周波数0)の大きさと対応しない。しかし説明を簡単にするために、以降の説明においては、このようにコントラストを積算した値を直流成分と呼ぶことにする。
ステップS702では、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)にコントラスト変化率aを乗算することにより、線の色情報を更新した。そのため、線の直流成分を保存するためには、変換前の線の幅WINをコントラスト変化率aで除算すればよい。したがって、更新後の線の幅Wは、変換前の線の幅WINをコントラスト変化率aで除算することにより次式の通り求める。
= WIN ÷ a ・・・(21)
線情報および線幅の更新後における線の直流成分は、次式に示す通りであり、式(18)、式(19)、式(20)で求めた変換前の線の直流成分の値と一致することが分かる。
× CR_n = (WIN ÷ a)×(a× CR_IN) =WIN × CR_IN ・・・(22)
× CG_n = (WIN ÷ a)×(a× CG_IN) =WIN × CG_IN ・・・(23)
× CB_n = (WIN ÷ a)×(a× CB_IN) =WIN × CB_IN ・・・(24)
ステップS704において、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)を判定し、判定条件を満たしている場合はステップS701に処理を戻し、判定条件を満たしていない場合はステップS705に処理を進める。判定条件は、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)が、取り得る値の範囲を超えていないこととする。例えば、色情報を(R、G、B)で表現し、各色の値を8ビットで表現する場合、色情報が取り得る値の範囲は0から255となる。この場合、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)のいずれか1つの色が0より小さくなったり、255より大きくなると、取り得る値の範囲を超えているため判定条件を満たしていないと判定する。なお、線のコントラストを減少させるモードの場合は、判定条件としてさらに、式(12)〜式(14)で定義される更新後の線のコントラスト(CR_n、CG_n、CB_n)が所定の目標値に達しているか否かという条件を加える。具体的には、線のコントラストを減少させるモードの場合、線のコントラスト(CR_n、CG_n、CB_n)のいずれか一つの値が30未満になったらステップS705に処理を進める。これにより、線のコントラストを減少させるモードにおいて、線のコントラストが下がり過ぎて線が消失してしまうのを防ぐことができる。
ステップS705では、ステップS704における判定条件を満たした更新した色情報と線の幅から、変換前線情報の最適値を選択し、最適値を変換後の色情報(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)、変換後の線の幅WOUTとして出力する。ステップS701において、コントラスト変化率を増加させるモードを選択した場合は、更新した色情報と線の幅のうち、線のコントラストが最大となったときの線の色情報と線の幅を出力する。つまり本実施形態において増加させるモードの場合は、線の直流成分は変えずに、線のコントラストが可能な限り最大になるように線の色情報と線の幅を変換させることになる。一方、ステップS701にて、コントラスト変化率を減少させるモードを選択した場合は、更新した色情報と線の幅のうち、線のコントラストが目標値よりも大きい値の範囲内で最小となったときの線の色情報と線の幅を出力する。つまり減少させるモードの場合は、線の直流成分は変えずに、線のコントラストが目標値よりも大きい値の範囲内で可能な限り最小になるように線の色情報と線の幅を変換させる。
線のコントラストは、更新回数が増えるごとに増加又は減少する。そのため、ステップS705では、ステップS704における判定条件を満たしている中で、更新回数が最大となる線の色情報と線の幅を、変換前の線情報に対応する最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)、WOUTとして出力する。ステップS704では、更新回数がnで、判定条件を満たさない場合に、ステップS705に処理を進めることとした。そのため、判定条件を満たしている更新回数の最大値はn−1となる。従って、線の色情報(LR_(n−1)、LG_(n−1)、LB_(n−1))と、線の幅W(n−1)を、変換後の線の色情報の最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)、変換後の線の幅の最適値WOUTとして出力する。
以上説明した構成によれば、線のコントラストを増減させることによって、画像に含まれる線の途切れを改善することが可能である。図10は、本実施形態における効果を示す図である。画像1001は、細線を含む画像の入力データを、線情報補正処理を行わずに2400dpiでラスタライズしたラスタデータである。入力データにおける線は、線の幅は0.24pt、線の色情報は50%、線の背景の色情報は0%である。なお、この例では、色情報は1つのパラメータで表現し、パラメータのレンジは0%から100%で、0%を紙白、100%を黒ベタとする。画像1002は、画像1001に2400dpiで0度150線のスクリーン処理を掛けたスクリーン処理後画像であり、途切れ発生していることが分かる。画像1003は、画像1002に観察距離が30cmのときの視覚特性を模擬したローパスフィルタを掛けた画像である。この画像1003は、人に視認される画像を示す。画像1003から、線を含む入力データ1001は、スクリーン処理の結果、線に途切れが視認されることが分かる。なお、画像1003の解像度は2400dpiであり、視覚特性を模擬したローパスフィルタとしてはσが6ピクセルのガウシアンフィルタを用いた。一方、画像1004は、線を含む画像の入力データを、本実施形態における線情報補正処理を行った後に2400dpiでラスタライズしたラスタデータである。入力データにおける線は、線の幅0.24pt、線の色情報50%、線の背景の色情報0%であったが、線情報補正処理により線の幅0.12pt、線の色情報100%に補正されている。画像1005は、画像1004に対して2400dpiで0度150線のスクリーン処理を行って得られるスクリーン処理後画像であり、線に途切れが発生していないことが分かる。これは、画像1004の線の色情報が100%であるため、スクリーン処理により画像が変化しないからである。画像1005は、1004に観察距離が30cmのときの視覚特性を模擬したローパスフィルタを掛けた画像であり、線の途切れが視認されないことが分かる。このように、以上説明した構成によれば、スクリーン処理される前に画像に含まれる線を適切に補正することにより、スクリーン処理によって生じやすい線の途切れを改善することが可能である。
また、従来は線の濃度を変化させると、線の幅が所望の幅より太く視認されてしまうこと場合があった。しかし、以上説明した構成によれば、線の直流成分を保存しつつ線のコントラストを増減させることができるため、線の幅が所望の幅より太く視認されてしまうのを防ぐことができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、線の直流成分を保存するように線の幅を変化させたが、線の直流成分を変化させた方が線の画質が良くなる場合がある。そこで第2実施形態では、線の直流成分を変化させた補正後直流成分を保存するように線の幅を変化させることが可能な構成を示す。本実施形態における構成は、図7のステップS703における線幅を更新する処理の内容を除き、第1実施形態で示した構成と同一である。以下、同一の構成についてはその詳細を省略する。
はじめに、補正後直流成分について説明する。補正後直流成分(D’、D’、D’)は、直流成分変化率をbと表現したとき、式(18)、式(19)、式(20)にbを乗算することにより、次式の通り求める。
D’= WIN × CR_IN × b ・・・(25)
D’= WIN × CG_IN × b ・・・(26)
D’= WIN × CB_IN × b ・・・(27)
ステップS702では、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)にコントラスト変化率aを乗算することにより、線の色情報を更新した。そのため、補正後直流成分を保存するためには、変換前の線の幅WINをコントラスト変化率aで除算し、直流成分変化率bを乗算すればよい。したがって、更新後の線の幅Wは、変換前の線の幅WINをコントラスト変化率aで除算し、直流成分変化率bを乗算することにより次式の通り求める。
= WIN ÷ a × b ・・・(28)
なお、直流成分変化率をbの値は、どのような方法で決めてもかまわない。例えば、一般的な電子写真方式の画像形成装置は、コントラストの低い微細パターンの再現が困難である。この場合、bの値を1より大きくして直流成分を大きくすることにより、線のコントラストを高めつつ、線の幅を広げてパターンの微細さを低減することができ、良好な出力結果が得られる。例えば、線の幅が0.24ptよりも小さく且つ、線のコントラストが50%よりも小さい場合は、bの値を1.2に設定し、その他の場合は1に設定する。なお、直流成分を小さくする方が画質が良好となる線がある場合は、その線に関してはbの値を1より小さくしてもかまわない。以上説明した構成によれば、線の画質をさらに良化させることが可能である。
<第3実施形態>
第1実施形態では、線のコントラストを増減させる際に、線の幅が所望の幅より太く視認されてしまうのを防ぐために、線の直流成分を保存するように線の幅を変化させた。このとき線の幅の変化が大きすぎると、線の直流成分を保存していても、スクリーン処理後データに基づいて記録媒体上に出力した画像において、線の幅が所望の幅と異なるように視認されてしまう。例えば、視距離が約30cmの場合、線の直流成分を保存するように線のコントラストと線の幅を変化させても、線の幅が約100μm変化すると、線の幅が異なるように視認されてしまう。そこで第3実施形態では、線の幅の変化が大きくなりすぎないように制限することが可能な構成を示す。
本実施形態における構成は、図7のステップS704における判定条件の内容を除き、第1実施形態で示した構成と同一である。第1実施形態では、ステップS704における判定条件は、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)が、取り得る値の範囲を超えていないこととした。以降、この判定条件を第1の判定条件と呼ぶ。第3実施形態では、この第1の判定条件に、新たに判定条件を追加する。以降、新たに追加する判定条件を第2の判定条件と呼ぶ。第3実施形態におけるステップS704では、第1の判定条件と第2の判定条件を同時に満たしている場合はステップS701に処理を戻し、第1の判定条件と第2の判定条件を同時に満たしていない場合はステップS705に処理を進める。
第2の判定条件は、線の幅の変化量が、あらかじめ設定する線幅変化許容量ΔWMAXを超えていないこととする。線幅変化許容量ΔWMAXの値は、例えば、100μmとする。線の幅の変化量とは、更新回数nのときの線の幅Wと、変換前の線の幅WINの差の絶対値|W−WIN|とする。このような判定条件を追加することにより、変換後の線の幅の最適値WOUTと、変換前の線の幅WINとの差の絶対値|WOUT−WIN|が、線幅変化許容量ΔWMAXを超えないようにすることができる。すなわち、線の幅の変化が大きくなりすぎないように制限することが可能である。
なお、本実施形態で追加した第2の判定条件は、第2実施形態で示した構成においても適用可能である。また、線幅変化許容量ΔWMAXの値は、今回は100μmとしたが、他の値を設定してもかまわない。例えば、プリント物を30cmから観察する場合はΔWMAXの値は100μm程度が適切であるが、60cmから観察する場合はΔWMAXの値を200μm程度が適切である。このように、視距離に応じて線幅変化許容量ΔWMAXの値を変化させることも可能である。また、線の幅を減少させる場合はプリンタが再現可能な最小線幅以上となるように制限しても良い。
以上説明した構成によれば、線の画質をさらに良化させることが可能である。
<第4実施形態>
第4実施形態では、理想とする線と画像形成装置108が記録媒体上に出力した画像における線との視認される差異をなるべく小さくするように線の幅と線の色情報を変化させる構成を示す。
理想とする線は、図1における変換前線情報を有する線を、理想的な出力装置で出力した画像において視認された線とする。理想的な出力装置とは、図1における変換前線情報を有する線を忠実に出力可能な出力装置であり、例えば、液晶ディスプレイやオフセット印刷機が挙げられる。一方画像形成装置108が出力した画像は、前述のようにスクリーン処理によって再現性が低下し、さらに画像形成プロセスにおいても画質が劣化している。
本実施形態では、第1実施形態で示した最適変換値算出処理が異なり、最適変換値算出処理以外は、第1実施形態が示した構成と同一とする。
第4実施形態における最適変換値算出処理では、視認される線をシミュレートした結果に基づいて、最適値を求める。これを実現するために、理想とする線を視認したときの画像をシミュレートした結果と、画像形成装置108が出力した線を視認したときの画像をシミュレートした結果を出力する。そしてシミュレーションした結果における直流成分の差異を目的関数とし、最適値(変換後の線情報)を決定変数として、公知の最適化手法によって最適化を行う。なお、目的関数の詳細については後述する。
ここで、決定変数とする変換後の線情報は、具体的には、変換後の線の色情報(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)と、変換後の線の幅WOUTである。また制約条件としては、これら決定変数が、取り得る値の範囲を超えていないこととする。例えば、色情報を(R、G、B)で表現し、各色の値を8ビットで表現する場合、色情報が取り得る値の範囲は、例えば0から255となる。この場合、(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)のいずれか1つの色が0より小さくなったり、255より大きくなると、取り得る値の範囲を超えていると判定する。また、WOUTは0になると線が消えてしまうため、WOUTが取り得る値の範囲は0より大きい値とする(なお、背景が濃く、線が薄い場合はこの限りではない)。また、最適化の際に用いる公知の最適化手法は、どのような方法でもかまわないが、例えば、全探索法を用いる。この場合、決定変数を全ての組み合わせで振り、制約条件を満たし且つ、目的関数の値が最小となる決定変数の最適値を探索する。
以下、目的関数の詳細を説明する。本実施例で行う最適化では、理想とする線を視認したときの画像をシミュレートした結果と、出力後の線を視認したときの画像をシミュレートした結果の差異を目的関数とする。図9は、この目的関数の値を求める目的関数算出部900の構成を示すブロック図である。
ラスタライズ部901は、変換前線情報をもとに、変換前の線をラスタライズする。変換前線情報は、具体的には、線の色情報(LR_IN、LG_IN、LB_IN)と、線の背景の色情報(B、B、B)と、線の幅WINである。
理想画像形成特性シミュレーション部902は、変換前線情報を有する線を忠実に出力可能な理想的な出力装置の画像形成特性をシミュレートし、理想とする線の(L、a、b)の値を出力する。(L、a、b)の値は、(R、G、B)の3つの入力値からL、a、bのそれぞれの出力値を定める3入力1出力のルックアップテーブルを画素ごとに適用することにより求める。
視覚特性シミュレーション部903は、902で出力された理想とする線の(L、a、b)の値の画像に対して、L、a、bの各チャンネルごとにローパスフィルタを掛けることによって、理想とする線を視認したときの画像をシミュレートする。
ラスタライズ部904は、線の背景の色情報(B、B、B)と、変換後線情報の候補となる変換候補線情報をもとに、変換候補の線をラスタライズする。変換候補線情報は、目的関数の値が最小となった場合、変換後の線の色情報(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)と、変換後の線の幅WOUTとして出力される。
色変換部905、スクリーン処理部906は、第1実施形態で示した色変換部106、スクリーン処理部107と同じ処理を行う。
画像形成特性シミュレーション部907は、画像形成装置108の画像形成特性をシミュレートし、出力後の線の(L、a、b)の値を出力する。例えば、スクリーン処理部906から出力される(C、M、Y、K)のスクリーン処理後画像のチャンネルごとにローパスフィルタを掛ける。そして、このぼけた画像に対して、(C、M、Y、K)の4つの入力値からL、a、bのそれぞれの出力値を定める4入力1出力のルックアップテーブルを画素ごとに適用することにより、出力後の線の(L、a、b)の値を出力する。
視覚特性シミュレーション部908は、907で出力された出力後の線の(L、a、b)の値の画像に対して、L、a、bのチャンネルごとにローパスフィルタを掛けることによって、出力後の線を視認したときの画像をシミュレートする。
差分算出部909は、視覚特性シミュレーション部903から出力される画像と、視覚特性シミュレーション部908から出力される画像に対してフーリエ変換を掛けて、それぞれの画像の直流成分を求める。そして、2つの直流成分の絶対値の差分を目的関数の値として出力する。なお、目的関数の値としては、視覚特性シミュレーション部903から出力される画像と、視覚特性シミュレーション部908から出力される画像の差異を評価できるものであれば、どのようなものでもかまわない。例えば、視覚特性シミュレーション部903から出力される画像と、908から出力される画像の色差を画素ごとに求め、これを全画素で合計した値を用いても構わない。
以上示した構成によれば、理想とする線画像と、実際に画像形成装置108が出力して得られる線画像との、視認される差異をなるべく小さくするように線の幅と線の色情報を変化させることができ、その結果、線の画質をさらに良くすることが可能である。
<第5実施形態>
前述の実施形態では、線の幅と線の色情報を変化させることにより線の画質を向上させる構成を示した。以降示す第5実施形態、第7実施形態、第8実施形態では、線の破線情報と線の色情報を変化させることにより線の画質を良くすることが可能な構成を示す。なお、線の破線情報の詳細については後述する。前述の実施形態に対して本実施形態では、線情報検出部102における各処理が異なる。同一の構成については、その説明を省略する。
本実施形態において線情報検出部102は、入力データから線情報を検出する線情報として、線の色情報と線の背景の色情報と線の破線情報を検出する。ここで、線の破線情報について説明する。図14の画像1601は破線を含む画像であり、破線の背景1602上に破線1603が描画されている。曲線αβは、破線1603の幅の中心を通る曲線であり、P1、P2、P3は曲線αβ上の点である。グラフ1604は、曲線αβ上の色情報(R、G、B)のうちRの値を示している。このとき、線の色情報のRの値はLR_IN、線の背景の色情報のRの値はBである。線の破線情報は、破線の長さと破線の間隔の二つのパラメータから構成する。破線の長さは、線が途切れていない領域の長さであり、図14の場合、P1からP2までの距離d1INである。破線の間隔は、線が途切れている領域の長さであり、図14が示す破線の場合、P2からP3までの距離d2INである。線情報検出部102は、線がベクタデータで表現されている場合は、その箇所を参照することにより線情報を検出する。図11のデータ1201は、SVGで表現されている入力データの一例である。この場合、線の色情報は(R、G、B)=(144、144、144)、背景の色情報は(R、G、B)=(192、192、192)、線の破線情報はなしと検出される。一方、線がラスタデータで表現されている場合は、公知技術を用いてラスタデータの線をベクトル化することによりベクタデータを新たに生成し、そのベクタデータから前述の方法により線情報を検出する。
線情報変換部103は、変換前線情報に基づいて線情報を変換する。変換する線情報は、線の色情報と線の破線情報であり、線の背景の色情報は変換しない。
変換前線情報から変換後線情報を求める方法は、これまでの実施形態と同様に二通りある。第1の方法は、画像処理過程においてリアルタイムに最適変換値算出処理を行う方法である。なお、本実施例における最適変換値算出処理の詳細は後述する。
第2の方法は、あらかじめ最適変換値算出処理によって変換後線情報の最適値を求めておき、変換前線情報と最適値とを対応づけた線情報変換テーブルを参照する方法である。図12は、本実施形態における線情報変換テーブル1301の一例を示す。変換前線情報に対応する最適値が変換後線情報として記述されている。例えば枠1302の行は、変換前において、線の色情報(R、G、B)=(144、144、144)、背景の色情報(R、G、B)=(192、192、192)、線の破線情報がなしのときの対応関係を示している。この場合、変換後の線の色情報は、(R、G、B)=(0、0、0)となる。また、線の破線情報である破線の長さは0.12pt、破線の間隔は0.36ptとなる。なお先に説明した通り、線の背景の色情報は変換しないため、線情報変換テーブル1301では、変換後線情報の列において線の背景の色情報は記述していない。
線情報書換部104は、線情報変化部103が取得した変換後線情報に従って、線情報を書き換える。図11が示す入力データ1202は、図12の枠1302の対応関係に基づいて変換される。図11のデータ1202は入力データ1201の線情報を書き換えた結果である。背景の色情報(R、G、B)=(192、192、192)、線の色情報(R、G、B)=(0、0、0)、線の破線情報が長さ0.12pt、間隔0.36ptと変換されている。
(最適変換値算出処理の詳細)
ここでは、本実施形態における最適変換値算出処理について詳細に説明する。
初めに記号を定義する。前述の通り、本実施例で扱う線情報は、線の色情報と線の背景の色情報と線の破線情報である。線の破線情報は、破線の長さと、破線の間隔の2つのパラメータから構成される。線の背景の色情報および線の色情報については前述と同様の記号を用いる。変換前の線の破線情報は(d1IN、d2IN)と表現する。また、変換後の線の破線情報の最適値は(d1OUT、d2OUT)と表現する。なお、ここでは、線の色情報を(R、G、B)で表現する場合を例として説明するが、(C、M、Y、K)や、(L、a、b)や、(X、Y、Z)や、各波長の分光反射率などで表現する場合であってもよい。
図13は、本実施形態に適用可能な最適変換値算出処理のフローチャートを示す。図7が示すフローチャートとの違いは、ステップS1503以降の処理である。ステップS1501はステップS701と、ステップS1502はステップS702と同様である。
ステップS1503において、線の直流成分を保存するように、線の破線情報を更新する。前述の実施形態では、線の直流成分は、線の幅と線のコントラストを色ごとに乗算した値とした。しかし本実施形態では、線の直流成分は、破線の比率と線のコントラストを色ごとに乗算した値とする。なお、破線の比率は、前述した破線の長さを、破線の周期で割った値と定義する。破線の周期は、前述した破線の長さと、破線の間隔の和と定義する。図14が示す破線の場合、破線の比率rINと破線の周期TINは、式(29)および式(30)により求められる。なお、図12の枠1302の変換前線情報のように、線の破線情報がなしの場合は、破線の比率は1、破線の周期は未定義とする。
IN = d1IN ÷ TIN ・・・(29)
IN = d1IN + d2IN ・・・(30)
線の直流成分は、各RGBに対応して(D、D、D)と表現する。この(D、D、D)は、変換前の破線の比率rINと、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)を、色ごとに乗算することにより式(31)、式(32)、式(33)の通り求める。
= rIN × CR_IN ・・・(31)
= rIN × CG_IN ・・・(32)
= rIN × CB_IN ・・・(33)
ステップS1502では、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)にコントラスト変化率aを乗算することにより、線の色情報を更新した。そのため、線の直流成分を保存するためには、変換前の破線の比率rINをコントラスト変化率aで除算すればよい。したがって、更新後の破線の比率rは、変換前の破線の比率rINをコントラスト変化率aで除算することにより次式の通り求める。
= rIN ÷ a ・・・(34)
そして、更新後の線の破線情報(d1、d2)は、更新後の破線の比率rと、変換後の破線の周期TOUTから式(35)および式(36)により求める。
d1 = TOUT × r ・・・(35)
d2 = TOUT − d1 ・・・(36)
線のコントラストが低い線に対して、スクリーン処理をすると、線とスクリーン処理の周期とが干渉することにより、大きな途切れが発生し、線の再現性が低下してしまう。そこで、変換後の破線の周期TOUTは、あらかじめ途切れの目立たない周期に設定しておく。例えば、プリント物を30cmの距離から観察する場合、破線の周期が150μm程度であれば途切れが目立たないため、TOUTの値は150μmとする。なお、変換後の破線の周期TOUTの値としては、変換前の破線の周期TINが未定義でない場合は、TINの値を用いてもかまわない。また、再現できる階調数は、変換後の破線の周期TOUTと解像度の積にほぼ比例するため、低い解像度で出力する場合はTOUTの値を大きめに設定することによって、再現できる階調数を維持することができる。
なお、もともと破線として見えることが期待されている線(破線の周期が例えば200μmよりも大きい)の場合は、周期は変更せず、TINの値をTOUTとして用いると良い。
線の直流成分の更新後の値は、破線の比率の更新後の値と、線のコントラストの更新後の値を乗算することにより求められる。破線の比率の更新後の値は式(34)に示す通りであり、更新後線情報の線のコントラストの値は式(12)、式(13)、式(14)に示す通りである。これらを乗算した結果は次式に示す通りであり、変換前の線の直流成分の値と一致することが分かる。
× CR_n = (rIN ÷ a)×(a× CR_IN) =rIN × CR_IN ・・・(37)
× CG_n = (rIN ÷ a)×(a× CG_IN) =rIN × CG_IN ・・・(38)
× CB_n = (rIN ÷ a)×(a× CB_IN) =rIN × CB_IN ・・・(39)
ステップS1504では、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)と更新後の破線の比率rを判定し、判定条件を満たしている場合はステップS1501に処理を戻し、判定条件を満たしていない場合はステップS1505に処理を進める。判定条件は、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)が取り得る値の範囲を超えていないこと、且つ、更新後の破線の比率rが取り得る値の範囲を超えていないこととする。例えば、色情報を(R、G、B)で表現し、各色の値を8ビットで表現する場合、色情報が取り得る値の範囲は、例えば0から255となる。この場合、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)のいずれか1つの色が0より小さい場合と255より大きい場合には、取り得る値の範囲を超えているため判定条件を満たしていないと判定し、ステップS1505に処理を進める。また、破線の比率rが取り得る値の範囲は、0より大きい値から1である。この場合、破線の比率rが0以下である場合と1より大きい場合に、取り得る値の範囲を超えているため判定条件を満たしていないと判定し、ステップS1505に処理を進める。
ステップS1505では、ステップS1504での判定条件を満たしている更新後線情報から変換前の線の色情報の最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)と破線情報の最適値(d1OUT、d2OUT)を決定する。更新後線情報のうち、線のコントラストが最大または最小となった時の色情報および破線情報を最適値とする。決定した最適値は、変換後の線の色情報および破線情報として出力される。ステップS1501にて、コントラスト変化率を増加させるモードを選択した場合は、線のコントラストが最大となったときの、線の色情報と線の破線情報を出力する。一方、ステップS1501にて、コントラスト変化率を減少させるモードを選択した場合は、線のコントラストが最小となったときの、線の色情報と線の破線情報を出力する。
前述の実施形態と同様に、ステップS1504では、更新回数がnで、判定条件を満たさない場合に、ステップS1505に処理を進めることとした。線のコントラストは、更新回数が増えるごとに増加又は現状するため、判定条件を満たしている状態での更新回数の最大値はn−1となる。従って、線の色情報(LR_(n−1)、LG_(n−1)、LB_(n−1))をと変換後の線の色情報(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)として出力する。線の破線情報(d1n−1、d2n−1)を変換後の線の破線情報(d1OUT、d2OUT)として出力する。
以上説明した構成によれば、線のコントラストを増減させることによって、細線の再現性を向上することが可能である。図15は本実施形態による効果を示す図である。画像1801は、線を含む画像の入力データを、本実施形態による線情報補正処理を行わずに2400dpiでラスタライズしたラスタデータである。画像1801中の細線は、線の色情報は25%、線の背景の色情報は0%、線の破線情報はなしである。なおこの例では、色情報は1つのパラメータで表現し、パラメータのレンジは0%から100%で、0%を紙白、100%を黒ベタとする。画像1802は、画像1801に対して2400dpiで0度150線のスクリーン処理を施したスクリーン処理後画像である。画像1802には、スクリーン処理の結果、線に一部大きな途切れが発生していることが分かる。画像1803は、画像1802に観察距離が30cmのときの視覚特性を模擬したローパスフィルタを掛けた画像であり、人が視認する画像を表している。画像1803からもやはり、線に途切れが視認されることが分かる。一方、画像1804は、線を含む画像の入力データを、本実施形態による線情報補正処理を行った後に2400dpiでラスタライズしたラスタデータである。本実施形態で示した線情報補正処理により、画像1804は、線の色情報は100%、破線の長さは0.12pt、破線の間隔は0.36ptに変換されている。画像1805は、画像1804に対して2400dpiで0度150線のスクリーン処理を掛けたスクリーン処理後画像である。画像1805では、線が破線になっているものの、大きな途切れによる線の劣化は低減されていることがわかる。画像1806は、画像1805に観察距離が30cmのときの視覚特性を模擬したローパスフィルタを掛けた画像であり、破線の線の間隔がほとんど視認されず、再現性の高い線が出力されていることが分かる。このように、以上説明した構成によれば、中間調細線の再現性を向上することが可能である。
なお、第5実施形態では、線の直流成分を保存するように線の破線情報を変化させたが、第2実施形態と同様に、直流成分を変化させた方が線の画質が良くなる場合がある。その場合は、直流成分を補正した後に、第5実施形態における図13が示すフローチャートを実施すればよい。
また、第4実施形態と同様の構成に第5実施形態を適用することもできる。
<第6実施形態>
第3実施形態では、線の幅の変化量|W−WIN|が線幅変化許容量ΔWMAXを超えていないことを第2の判定条件として設定した。これにより、視認される線の幅の違いを制限することができた。しかし、線の幅の変化量|W−WIN|は、視認される線の幅の違いを反映してはいるものの、人間の視覚特性を考慮した判定条件とはいえない。
そこで第6実施形態では、視認される線の幅の違いを人間の視覚特性を考慮して評価できる線幅評価関数Eを導入する。そして、線幅評価関数Eに基づき、線の幅の変化量を制限する。具体的には、この線幅評価関数Eが、あらかじめ設定する閾値ETHを超えていないことを第2の判定条件として設定する。閾値ETHの値は、例えば、0.2とする。これにより、線の再現性をさらに改善することが可能である。なお、本実施形態で示す構成は、第2の判定条件が異なる点以外は、第3実施形態で示した構成と同じである。
以下、線幅評価関数Eについて説明する。この評価関数は、線の幅がWINである変換前の線と線の幅がWである更新後の線との、視認される線の幅の違いを人間の視覚特性を考慮して評価する。そこで、線幅評価関数Eは、変換前の線のスペクトルを表す量XIN(f)と、更新後の線のスペクトルを表す量X(f)と、視覚特性を表すフィルタVTF(f)から構成する。なお、fは空間周波数であり単位は(cycle/mm)である。線幅評価関数Eとしては、例えば、次式を用いる。

なお、第1実施形態で示した通り、変換前の線と更新後の線は直流成分が同じである。そのため、式(41)、式(42)でそれぞれ示した変換前の線のスペクトルを表す量XIN(f)と、更新後の線のスペクトルを表す量X(f)では、直流成分を考慮していない。また、式(43)はDooleyの式である。詳細は文献 R.P.Dooleyand R.Shaw:“ Noise Perception in Electro−photography”,J.Appl.Photogr.Eng.,5,pp.190−196(1979). に開示されている。また、式(44)のαは空間周波数の単位をcycle/mmからcycle/degを変換するための係数であり、式(44)においてdは観察距離である。観察距離dは、単位は(mm)であり、今回はその値を300mmとする。
以上説明した構成によれば、線を補正する範囲を人の視認性も考慮して制限することが可能である。ただし、式(40)の計算は処理負荷が大きい。そこで、画像処理過程の前にあらかじめ変換前の線の幅WINと更新後の線の幅Wを振って線幅評価関数Eの値を算出しておき、その値が記述されたテーブルを画像処理過程において参照する構成にすることも可能である。図16のテーブル1901は、変換前の線の幅WINと更新後の線の幅Wに対応する線幅評価関数Eの値が記述された線幅変化評価値テーブルの一例である。画像処理過程では、式(40)の計算は行わずに、このテーブルを参照することにより線幅評価関数Eの値を求める。なお、変換前の線の幅WINと更新後の線の幅Wに対応する線幅評価関数Eの値がテーブルに無い場合は、補間演算により線幅評価関数Eの値を求める。このように、線幅評価関数Eの値を事前に作成したテーブルから参照する構成にすることにより、処理負荷を低減することが可能である。
<第7実施形態>
第5実施形態では、線の破線情報と線の色情報を変化させることにより線の画質を向上させる構成を示した。以降示す第7実施形態では、線の破線情報と線の色情報に加え、線の背景の色情報も変化させることにより、線の画質をさらに良くすることが可能な構成を示す。第5実施形態に対して本実施形態では、線情報変換部103における各処理が異なる。同一の構成については、その説明を省略する。
本実施形態において線情報変換部103は、第5実施形態と同一構成の線情報検出部102で得られた変換前線情報に基づいて線情報を変換する。第5実施形態では、変換する線情報は線の色情報と線の破線情報であったが、本実施形態ではこれらに加え、線の背景(破線部で線が描画されない部分)の色情報も変換する。
変換前線情報から変換後線情報を求める方法は、これまでの実施形態と同様に二通りある。第1の方法は、画像処理過程においてリアルタイムに最適変換値算出処理を行う方法である。なお、本実施例における最適変換値算出処理の詳細は後述する。
第2の方法は、あらかじめ最適変換値算出処理によって変換後線情報の最適値を求めておき、変換前線情報と最適値とを対応づけた線情報変換テーブルを参照する方法である。図17は、本実施形態における線情報変換テーブル2001の一例を示す。変換前線情報に対応する最適値が変換後線情報として記述されている。例えば枠2002の行は、変換前において、線の色情報(R、G、B)=(102、102、102)、背景の色情報(R、G、B)=(51、51、51)のときの対応関係を示している。この場合、変換後の線の色情報は(R、G、B)=(255、255、255)、線の背景の色情報は(R、G、B)=(0、0、0)となる。また、線の破線情報である破線の長さは0.12pt、破線の間隔は0.24ptとなる。
線情報書換部104は、線情報変換部103が取得した変換後線情報に従って、線情報を書き換える。図18が示す入力データ2102は、図17の枠2002の対応関係に基づいて変換される。図18のデータ2102は入力データ2101の線情報を書き換えた結果である。背景の色情報(R、G、B)=(0、0、0)、線の色情報(R、G、B)=(255、255、255)、線の破線情報が長さ0.12pt、間隔0.24ptと変換されている。
(最適変換値算出処理の詳細)
ここでは、本実施形態における最適変換値算出処理について詳細に説明する。
初めに記号を定義する。前述の通り、本実施形態で扱う線情報は、線の色情報と、線の背景(破線部で線が描画されない部分)の色情報と、線の破線情報である。線の色情報および線の破線情報については前述と同様の記号を用いる。線の背景の色情報は、本実施形態では変換前後で変化するため、INとOUTの添え字を付けて区別する。すなわち、変換前の線の背景の色情報は(BR_IN、BG_IN、BB_IN)、変換後の線の背景の色情報は(BR_OUT、BG_OUT、BB_OUT)と表現する。なお、ここでは、線の色情報を(R、G、B)で表現する場合を例として説明するが、(C、M、Y、K)や、(L、a、b)や、(X、Y、Z)や、各波長の分光反射率などで表現する場合であってもよい。
第5実施形態では、式(31)、式(32)、式(33)で定義される線の直流成分(D、D、D)を保存するように、線の色情報の最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)と、線の破線情報の最適値(d1OUT、d2OUT)を求めた。一方、本実施形態では、式(45)、式(46)、式(47)で定義される直流成分(D、D、D)を保存するように、線の色情報の最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)と、線の背景の色情報の最適値(BR_OUT、BG_OUT、BB_OUT)と、線の破線情報の最適値(d1OUT、d2OUT)を求める。なお、rINは、式(29)、式(30)で定義される破線の比率である。

= rIN × LR_IN + (1−rIN)×BR_IN ・・・(45)
= rIN × LG_IN + (1−rIN)×BG_IN ・・・(46)
= rIN × LB_IN + (1−rIN)×BB_IN ・・・(47)
図19の2201は、図14の画像1601における曲線αβ上の色情報(R、G、B)のうちRの値を示している。仮に、P1からP3までの長さを1とし、これを破線の繰り返し単位とした場合、第5実施形態では点A、点B、点C、点Hで囲まれる領域の面積を直流成分とした。一方、本実施形態では、点A、点B、点C、点D、点E、点F、点G、点Hで囲まれる領域の面積を直流成分とする。また、第5実施形態では、図19の2202に示すように、線の色情報のみを変換した。一方、本実施形態では、図19の2203に示すように、線の色情報に加え、線の背景(破線部で線が描画されない部分)の色情報も変化させる。これにより線のコントラストを高め、線の画質をさらに良くできる。図19の2202と2203を比較すると、2203の方が線のコントラストCR_OUTが高くなっているのが分かる。
最適化の方向はこれまでの実施形態と同様に二つあり、一つは式(9)、式(10)、式(11)で定義される線のコントラストを最大化する方向で、もう一つは線のコントラストを最小化する方向である。線の色情報と、背景の色情報が0から255の範囲で表現される場合、これらがそれぞれ0と255もしくは、255と0であれば、線のコントラストは最大値の255となる。一方、線のコントラストの最小値は0であり、破線情報がなしの場合、すなわち破線の比率rINが1の場合に、その値となる。
はじめに、線のコントラストを最大化する方向に変化させるときの、最適値の求め方を説明する。図20はその処理の流れを示すフローチャートである。
変換前後では直流成分が保存されるため、式(48)〜式(50)が成り立つ。このとき、S2301では、変換後の線の背景の色情報の最適値(BR_OUT、BG_OUT、BB_OUT)を(0、0、0)に決定する。その結果、式(48)〜式(50)は、右辺第二項が消えて、式(51)〜式(53)の通りとなる。
= rIN × LR_IN + (1−rIN)×BR_IN = rOUT × LR_OUT + (1−rOUT)×BR_OUT ・・・(48)
= rIN × LG_IN + (1−rIN)×BG_IN = rOUT × LG_OUT + (1−rOUT)×BG_OUT ・・・(49)
= rIN × LB_IN + (1−rIN)×BB_IN = rOUT × LB_OUT + (1−rOUT)×BB_OUT ・・・(50)
= rIN × LR_IN + (1−rIN)×BR_IN = rOUT × LR_OUT ・・・(51)
= rIN × LG_IN + (1−rIN)×BG_IN = rOUT × LG_OUT ・・・(52)
= rIN × LB_IN + (1−rIN)×BB_IN = rOUT × LB_OUT ・・・(53)
このように変換後の線の背景の色情報の最適値(BR_OUT、BG_OUT、BB_OUT)を(0、0、0)に決めた場合、線のコントラストを最大化するためには、変換後の破線の比率rOUTをなるべく小さくして、線の色情報の最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)をなるべく大きくすればよい。仮に、破線の比率rOUTを色ごとに変化させることができる場合は、線の色情報の最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)を(255、255、255)に決める。そして各色の直流成分(D、D、D)をそれぞれ255で除算すれば色ごとの破線の比率が求まり、最適変換値算出処理が完了する。
しかし本実施形態の場合、破線の比率rOUTを各色で独立に設定できない。そのため、破線の比率rOUTを小さくしすぎると、色成分によっては変換後の線の色情報が上限値255を超えてしまう。例えばRの直流成分Dが102、Gの直流成分Dが51の場合、仮にGの線の色情報LG_OUTを255に決めると式(49)によればrOUTは0.2となる。一方、rOUTを0.2とすると、式(48)によればRの線の色情報LR_OUTは510となり、色情報の上限値255を超えてしまう。このように、直流成分が小さい色成分の色情報を255にして、その色成分において直流成分が保存するようにrOUTを求めると、直流成分がより大きい色成分において、変換後の色情報が上限値255を超えてしまう。
これを防ぐために、S2302にて変換前色情報から直流成分(D、D、D)を求めた後に、S2303にて直流成分が最大となる色成分を検出する。すなわち、D、D、Dうちで値が最も大きいものを検出する。そしてS2304にて、値が一番大きな直流成分に対応する色の、線の色情報の最適値を255に決める。例えば、D、D、DうちでDが最大の場合、LR_OUTを255に決める。そしてS2305にて、値が一番大きな直流成分を255で除算し、破線の比率rOUTを求める。今の例の場合、Dを255で除算してrOUTを求める。そしてS2306にて、残りの直流成分D、Dを、このrOUTで除算して、LG_OUTとLB_OUTを求め、最適変換値算出処理が完了する。今の例では、D、DはDより小さいため、これらをrOUTで除算して求めたLG_OUTとLB_OUTは、色情報の上限値255を超えないことが分かる。
次に、線のコントラストを最小化する方向に変化させるときの、最適値の求め方を説明する。線のコントラストを最小にするには、線の破線情報がなしの状態、すなわち破線の比率rOUTを1にすればよい。この場合、直流成分保存を示す式(48)〜式(50)は、右辺第二項が消えて、式(54)〜式(56)の通りとなり、線の色情報の最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)は直流成分(D、D、D)と等しくなる。そのため、変換前色情報から直流成分(D、D、D)を求めてrOUTを1にすれば最適変換値算出処理が完了する。なお、rOUTは1のため、線の背景の色情報の最適値(BR_OUT、BG_OUT、BB_OUT)は、求める必要はない。
= rIN × LR_IN + (1−rIN)×BR_IN = LR_OUT ・・・(54)
= rIN × LG_IN + (1−rIN)×BG_IN = LG_OUT ・・・(55)
= rIN × LB_IN + (1−rIN)×BB_IN = LB_OUT ・・・(56)
以上説明した構成によれば、線の背景(破線部で線が描画されない部分)の色情報も変化させることにより、実施形態5に比べて線のコントラストを大きく増減させることができる。これにより、線の画質をさらに良くすることが可能である。
<第8実施形態>
第7実施形態では、破線の比率rOUTを各色で独立に設定できない構成であったため、線のコントラストを全ての色で最大値の255にすることができない場合があった。そこで本実施形態では、破線の比率rOUTを各色で独立に設定することにより、線のコントラストを全ての色成分で最大値の255にする。すなわち全ての色成分において、線の色情報を最大値の255、線の背景の色情報を最小値の0にする。もしくは、全ての色成分において、線の色情報を最小値の0、線の背景の色情報を最大値の255にする。
また、第7実施形態では、線情報の変換処理をRGB空間で行う例を示したが、本実施形態では、画像形成装置108が出力に用いる色材の色空間で線情報の変換処理を行う。このようにCMYKの色空間にて線のコントラストを全ての色成分で最大値の255にすれば、その線をラスタライズしてスクリーン処理部107にてスクリーン処理を掛けても画像に変化が生じない。すなわちこの方法によれば、スクリーン処理によって生じやすい線の途切れを完全に防止することが可能である。
図21は、本実施形態に適用可能な画像形成システムの構成を示すブロック図である。図21において、線情報検出部2401、線情報書換部2404、ラスタライズ部2405、スクリーン処理部2406、画像形成部2407の構成はそれぞれ、図1における線情報検出部102、線情報書換部104、ラスタライズ部105、スクリーン処理部106、画像形成部108と同一である。そのためここでは、図1と構成の異なる、色変換部2402、線情報変換部2403の構成を説明する。
色変換部2402には、線情報検出部2401で検出された線情報が入力される。線情報は、前述の通り、線の色情報や、線の背景の色情報や、線の破線情報である。
線の色情報と線の背景の色情報は、(R、G、B)や、(C、M、Y、K)や、(L、a、b)や、(X、Y、Z)や、各波長の分光反射率などで表現する方法が挙げられる。
色変換部2402は、線の色情報と線の背景の色情報を、画像形成装置108が出力に用いる色材の色空間の色情報に変換する。例えば、RGBの色情報をC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)に変換するとする場合、色変換部2402は次式の通り色変換処理を行う。ここで、C_LUT_3D、M_LUT_3D、Y_LUT_3D、K_LUT_3Dは、R、G、Bの3つの入力値から1つの出力値を定める色変換ルックアップテーブルを示している。
C = C_LUT_3D(R、G、B) ・・・(57)
M = M_LUT_3D(R、G、B) ・・・(58)
Y = Y_LUT_3D(R、G、B) ・・・(59)
K = K_LUT_3D(R、G、B) ・・・(60)
図22のデータ2502は、色変換部2402にて入力データ2501の色情報を式(57)〜式(60)に基づいて変換した結果である。本実施形態では、破線の比率rOUTを各色で独立に設定するために、1本のRGBの破線を、4本の単色の破線で表現する。すなわち、1本の破線を、画像形成装置108が出力に用いる色材の数の破線で表現する。2502では、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4本の破線が表現されている。なお、SVGでは単色の色空間での色指定ができないが、ここでは説明のため、単色の色空間での色指定をするために「gray」というキーワードを用いる。「gray」で指定する数値は0から255で、色材の記録量を示している。図22は、線の背景の色情報(R、G、B)=(79、43、105)が、式(57)〜式(60)に基づき、(C、M、Y、K)=(207、224、54、36)に変換されている様子を示している。また、線の色情報(R、G、B)=(107、146、23)が、式(57)〜式(60)に基づき、(C、M、Y、K)=(133、56、252、41)に変換されている様子を示している。
線情報変換部2403は、第7実施形態と同様に、線の色情報と、線の背景の色情報と、線の破線情報を変換する。変換前線情報から変換後線情報を求める方法は、これまでの実施形態と同様に二通りある。第1の方法は、画像処理過程においてリアルタイムに最適変換値算出処理を行う方法である。なお、本実施例における最適変換値算出処理の詳細は後述する。
第2の方法は、あらかじめ最適変換値算出処理によって変換後線情報の最適値を求めておき、変換前線情報と最適値とを対応づけた線情報変換テーブルを参照する方法である。図23は、本実施形態における線情報変換テーブル2601の一例を示す。変換前線情報に対応する最適値が変換後線情報として記述されている。例えば枠2602の行は、変換前の線情報が図22の2502のときの対応関係を示している。この場合、変換後の線の色情報は(C、M、Y、K)=(255、255、255、255)、線の背景の色情報は(C、M、Y、K)=(0、0、0、0)となる。また、変換後のC(シアン)の破線の長さは0.26pt、破線の間隔は0.10ptとなり、M(マゼンタ)の破線の長さは0.24pt、破線の間隔は0.12ptとなる。また、変換後のY(イエロー)の破線の長さは0.17pt、破線の間隔は0.19ptとなり、K(ブラック)の破線の長さは0.05pt、破線の間隔は0.31ptとなる。図22の2503は、線情報書換部2404にて、図23の枠2602の対応関係に基づいて図22の2502の線情報を書き換えた結果である。
(最適変換値算出処理の詳細)
ここでは、本実施形態における最適変換値算出処理について詳細に説明する。
初めに記号を定義する。本実施形態では、線の色情報、線の背景の色情報、線の破線情報については、第7実施形態と同様の記号を用いる。本実施形態では、変換後の破線の比率を各色で独立に設定する。そのため、変換後の破線の比率を、色成分を表す添え字を付けて区別する。すなわち、変換後の破線の比率は(rC_OUT、rM_OUT、rY_OUT、rK_OUT)と表現する。
本実施形態では、第7実施形態と同様に式(61)〜式(64)で定義される線の直流成分(D、D、D、D)を保存するように、線の色情報の最適値(LC_OUT、LM_OUT、LY_OUT、LK_OUT)と、線の背景の色情報の最適値(BC_OUT、BM_OUT、BY_OUT、BK_OUT)と、線の破線情報の最適値を求める。なお、線の破線情報の最適値は、破線の比率は(rC_OUT、rM_OUT、rY_OUT、rK_OUT)から前述と同様の方法で求める。
= rIN × LC_IN + (1−rIN)×BC_IN ・・・(61)
= rIN × LM_IN + (1−rIN)×BM_IN ・・・(62)
= rIN × LY_IN + (1−rIN)×BY_IN ・・・(63)
= rIN × LK_IN + (1−rIN)×BK_IN ・・・(64)
最適化の方向は第7実施形態と同様に二つあり、一つは線のコントラストを最大化する方向で、もう一つは線のコントラストを最小化する方向である。はじめに、線のコントラストを最大化する方向に変化させるときの、最適値の求め方を説明する。図24はその処理の流れを示すフローチャートである。
変換前後では直流成分が保存されるため、式(65)〜式(68)が成り立つ。このとき、S2701にて変換後の線の背景の色情報の最適値(BC_OUT、BM_OUT、BY_OUT、BK_OUT)を(0、0、0、0)に決定する。その結果、式(65)〜式(68)は、右辺第二項が消えて、式(69)〜式(72)の通りとなる。
= rIN × LC_IN + (1−rIN)×BC_IN = rC_OUT × LC_OUT + (1−rC_OUT)×BC_OUT ・・・(65)
= rIN × LM_IN + (1−rIN)×BM_IN = rM_OUT × LM_OUT + (1−rM_OUT)×BM_OUT ・・・(66)
= rIN × LY_IN + (1−rIN)×BY_IN = rY_OUT × LY_OUT + (1−rY_OUT)×BY_OUT ・・・(67)
= rIN × LK_IN + (1−rIN)×BK_IN = rK_OUT × LK_OUT + (1−rK_OUT)×BK_OUT ・・・(68)
= rIN × LC_IN + (1−rIN)×BC_IN = rC_OUT × LC_OUT ・・・(69)
= rIN × LM_IN + (1−rIN)×BM_IN = rM_OUT × LM_OUT ・・・(70)
= rIN × LY_IN + (1−rIN)×BY_IN = rY_OUT × LY_OUT ・・・(71)
= rIN × LK_IN + (1−rIN)×BK_IN = rK_OUT × LK_OUT ・・・(72)
このように変換後の線の背景の色情報の最適値(BC_OUT、BM_OUT、BY_OUT、BK_OUT)を(0、0、0、0)に決めた場合、線のコントラストを最大化するためには、変換後の破線の比率(rC_OUT、rM_OUT、rY_OUT、rK_OUT)をなるべく小さくして、線の色情報の最適値(LC_OUT、LM_OUT、LY_OUT、LK_OUT)をなるべく大きくすればよい。本実施形態では、破線の比率を色ごとに変化させることができるため、S2702にて線の色情報の最適値(LC_OUT、LM_OUT、LY_OUT、LK_OUT)を(255、255、255、255)に決める。そして各色の直流成分(D、D、D、D)をS2703で算出する。そしてS2704にて、直流成分(D、D、D、D)をそれぞれ255で除算して、色ごとの破線の比率(rC_OUT、rM_OUT、rY_OUT、rK_OUT)を求め、最適変換値算出処理が完了する。
図25は、図14や図19と同様に、破線上の色情報(C、M、Y、K)のうちCとMの値を示している。AとBは破線上の位置で、AからBまでの長さを1とし、これを破線の繰り返し単位とする。図25は変換後の線の一例を示しており、2801と2802はそれぞれ、C(シアン)とM(マゼンタ)に対応している。この2801と2802では、値が255となる破線部分は同じ位置、すなわちAから始まっている。しかし本実施形態では、2803のように、破線の始点の位置をずらすことも可能である。例えば、Aの位置を0、Bの位置を1とした場合、C(シアン)の始点は0、M(マゼンタ)の始点は0.25、Y(イエロー)の始点は0.5、K(ブラック)の始点は0.75とすることができる。このように、破線の始点を色ごとに変化させることにより、破線上において色材が乗らない部分を減らすことができ、線の画質をさらに向上できる。
次に、線のコントラストを最小化する方向に変化させるときの、最適値の求め方を説明する。線のコントラストを最小にするには、線の破線情報がなしの状態、すなわち破線の比率rOUTを1にすればよい。この場合、直流成分保存を示す式(65)〜式(68)は、右辺第二項が消えて、式(73)〜式(76)の通りとなり、線の色情報の最適値(LC_OUT、LM_OUT、LY_OUT、LK_OUT)は直流成分(D、D、D、D)と等しくなる。そのため、変換前色情報から直流成分(D、D、D、D)を求めてrOUTを1にすれば最適変換値算出処理が完了する。なお、rOUTは1のため、線の背景の色情報の最適値(BC_OUT、BM_OUT、BY_OUT、BK_OUT)は、求める必要はない。
= rIN × LC_IN + (1−rIN)×BC_IN = LC_OUT ・・・(73)
= rIN × LM_IN + (1−rIN)×BM_IN = LM_OUT ・・・(74)
= rIN × LY_IN + (1−rIN)×BY_IN = LY_OUT ・・・(75)
= rIN × LK_IN + (1−rIN)×BK_IN = LK_OUT ・・・(76)
以上説明した構成によれば、画像形成装置108が出力に用いる色材の色空間にて線のコントラストを全ての色成分で最大値の255にできる。そのため、その線をラスタライズしてスクリーン処理部107にてスクリーン処理を掛けても画像に変化が生じない。すなわち本実施形態の方法によれば、スクリーン処理によって生じやすい線の途切れを完全に防止することが可能である。
図26は本実施形態による効果を示す図である。この例では簡単のために、色情報は1つのパラメータで表現し、パラメータのレンジは0%から100%で、0%を紙白、100%を黒ベタとする。画像2901は本実施形態で説明した画像処理装置への入力画像である。2902は線の周囲の画像で、色情報は25%である。2903は変換対象とする線であり、線の色情報は75%、線の破線情報は破線無しである。
2904は、本実施形態の方法で線情報が変換されたスクリーン処理前の画像である。2905は線の周囲の画像のため変換が掛っておらず、色情報は2902と同じ25%である。2906は、2903の線情報を本実施形態の方法で変換した破線であり、破線の繰り返し単位は4pxとした。 この4pxのうち、75%に相当する3pxの部分の色情報は100%となっている。一方、残りの25%に相当する1pxの部分の色情報は0%となっている。このように2906の破線は、前述した線のコントラストが最大になっているため、スクリーン処理部107にてスクリーン処理を掛けても画像に変化が生じない。すなわちスクリーン処理によって生じやすい線の途切れを完全に防止できる。
図27は、図26に示した変換前後の画像に対応するSVGデータである。なお図27では説明のために、位置や大きさを「px」で指定している。また、色情報を「gray」で指定している。3001は変換前データであり、3002は色情報が25%の、線の周囲の画像を示している。3003は、色情報が75%の変換前の線を示している。なおこの例で示すように、本発明の実施形態では、SVGの記述において後に定義された図形を、それよりも前に定義された図形に上塗りするものとする。
一方、3004は変換後データである。3005は線の周囲の画像であり、3002と同じである。3006と3007は変換後の破線を示している。3006は色情報が0%の部分に対応しており、その上に、色情報が100%の部分に対応する3007が上塗りされている。
<その他の実施形態>
第1実施形態から第4実施形態および第6実施形態では、線の幅と線の色情報を変化させる構成を示した。また第5実施形態、第7実施形態、第8実施形態では、線の破線情報と線の色情報を変化させる構成を示した。これらの構成は、組み合わせることにより、線の幅と線の破線情報と線の色情報を同時に変化させることが可能である。例えば、第1実施形態が示す線情報補正部と、第5実施形態が示す線情報補正部とを直列に接続すれば、線の幅と線の破線情報と線の色情報を同時に変化させることが可能である。
本発明は、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても実現できる。この場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)がコンピュータが読み取り可能に記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することにより、上述した実施例の機能を実現する。

Claims (7)

  1. 入力データを入力する入力手段と、
    前記入力データから、前記入力データに含まれる線の色情報、前記線の背景の色情報、前記線の幅を示す線情報を検出する検出手段と、
    前記背景の色情報と前記線の色情報と前記線の幅によって決まる線とによって決まる コントラスト積算値が一定、かつ、
    前記背景の色情報と前記線の色情報との差分の絶対値が最大になるように、前記線情報を変換する変換手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記変換手段は、前記線情報のうち前記線の色情報と前記線の幅を変換することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記線情報は、前記線の破線情報を含み、前記変換手段は、前記破線情報を変換することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記コントラスト積算値は、前記線の色情報と前記線の背景の色情報との差分と、前記線の幅との積に基づいて算出されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像処理装置。
  5. 二値化を行うスクリーン処理部を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置。
  6. 入力手段、検出手段、変換手段を有する画像処理装置の制御方法であって、
    前記入力手段が入力データを入力し、
    前記検出手段が前記入力データから、前記入力データに含まれる線の色情報、前記線の背景の色情報、前記線の幅を示す線情報を検出し
    前記変換手段が前記背景の色情報と前記線の色情報と前記線の幅によって決まる線とによって決まるコントラスト積算値が一定、かつ、前記背景の色情報と前記線の色情報との差分の絶対値が最大になるように、前記線情報を変換することを特徴とする制御方法。
  7. コンピュータに読み込み込ませ実行させることで、前記コンピュータを請求項1乃至5の何れか一項に記載された画像処理装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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