JP6282161B2 - 画像処理装置、その制御方法およびプログラム - Google Patents
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Description
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関る本発明を限定するものではなく、また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
画像処理装置は、線情報補正部101、ラスタライズ部105、色変換部106、スクリーン処理部107を有する。線情報補正部101は、入力データに含まれる線情報を補正し、これを補正後データとしてラスタライズ部105に出力する。この線情報補正部101は、線情報検出部102と線情報変換部103と線情報書換部104から構成される。この線情報補正部101は、入力データに含まれる全ての線について、線情報の検出、変換、書き換えを線ごとに行う。
M = M_LUT_3D(R、G、B) ・・・(2)
Y = Y_LUT_3D(R、G、B) ・・・(3)
K = K_LUT_3D(R、G、B) ・・・(4)
スクリーン処理部107は、入力される色変換後データに対してスクリーン処理を適用し、画像形成装置108が出力可能なビット数のラスタデータを生成する。生成したラスタデータは、スクリーン処理後データとして画像形成装置108に出力する。例えば、色変換後データのビット数が8ビット(256値)であり、画像形成装置108が出力可能なビット数が1ビット(2値)の場合、スクリーン処理部107は次式の通り処理を行う。
K > Th_Kのとき、 O_K=1 ・・・(6)
ここで、Kはブラックに対応する色変換後データを構成する画素の画素値、Th_Kは閾値テーブルにおける閾値、O_Kはスクリーン処理後データを構成する出力値である。図4は、式(5)、式(6)によるスクリーン処理の一例を示している。256値の画素値からなる色変換後データは、閾値と比較され、0か1からなるスクリーン処理後データに変換される。なお、ここでは、ブラックを例に処理の内容を示したが、他の色に関しても処理の内容は同じである。
画像形成装置108は、スクリーン処理後データに基づいて記録媒体に画像を形成し、プリント物を出力する。図5は、画像形成装置108の詳細な構成例を示している。ここでは画像形成装置108は、電子写真方式の記録装置である。画像形成装置は、各色材に対応する感光体ドラム501、502、503、504、中間転写ベルト505、転写部506、給紙トレイ507、定着部509、排紙トレイ510を有する。入力端子511は、画像処理装置100からスクリーン処理後データを受信する。感光体ドラム501、502、503、504には、入力端子511より入力された画像データに基づき、レーザスキャナ(図示せず)により潜像画像が形成される。潜像画像が形成された各感光体ドラム上には、CMYKの各色材による像が現像され、この像は中間転写ベルト505に順に転写される。これにより、中間転写ベルト505上には、カラーのトナー像が形成される。このフルカラーの像は、転写部506において、給紙トレイ507より供給される記録媒体508上に転写される。記録媒体508上に転写された像は、定着部509において定着され、排紙トレイ510に送られてプリント物となる。
図6は、本実施形態における画像処理装置が行う画像処理の流れを示すフローチャートである。ステップS601において線情報補正部101は、入力データに含まれる線情報を補正し、これを補正後データとしてラスタライズ部105に出力する。ステップS602においてラスタライズ部105は、補正後データに含まれるベクタデータを全てラスタライズし、ラスタデータを色変換部106に出力する。ステップS603において色変換部106は、入力されるラスタデータの色情報を、画像形成装置108が有する色材に対応するデータ変換し、色変換後データとしてスクリーン処理部107に出力する。ステップS604においてスクリーン処理部107は、入力される色変換後データに対してスクリーン処理を適用し、画像形成装置108が出力可能なビット数のラスタデータを生成する。生成したラスタデータは、スクリーン処理後データとして画像形成装置108に出力される。
前述の通り、変換前線情報に基づいて変換後線情報を求める処理を、最適変換値算出処理と呼び、処理の詳細を説明する。この処理は、線情報変換部103が画像処理過程においてリアルタイムに行う場合と、画像処理過程の前にあらかじめ線情報変換テーブルを作るために行う場合がある。 初めに記号を定義する。前述の通り本実施例において、線情報は、線の色情報と線の背景の色情報と線の幅から構成される。この中で、線の背景の色情報は変換の前後で変化させないため、背景の色情報を(BR、BG、BB)と表現する。一方、変換前後で変化するものについてはINとOUTの添え字を付けて区別する。すなわち、変換前の線の色情報は(LR_IN、LG_IN、LB_IN)、変換前の線の幅はWIN、変換後の線の色情報の最適値は(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)、変換後の線の幅の最適値はWOUTと表現する。なお、ここでは、線の色情報を(R、G、B)で表現する場合を例として説明するが、(C、M、Y、K)や、(L*、a*、b*)や、(X、Y、Z)や、各波長の分光反射率などで表現する場合であってもよい。
一方、減少させるモードでは、例えば、次式によって値を更新する。
なお、式(7)、式(8)において、初期値a0は、例えば1.00とする。また、増加させるモードと減少させるモードは、どのような方法で決めてもかまわない。例えば、一般的に線の画質はコントラストを上げると良好になるため、コントラストの目標を可能なかぎり最大となる値とし、通常は増加させるモードを選択する。しかし、例外的に、コントラストを下げた方が良好な画質となる場合は、コントラストの目標を可能なかぎり最小となる値とし、減少させるモードを選択してもかまわない。例えば、色間レジズレの起こりやすい画像形成装置の場合、線の幅を太くした方が色間レジズレが目立ちにくくなるため、コントラストを減少させるモードを選択して、線の幅を太くする。なお、コントラストを減少させるモードの場合、コントラストを最小値の0まで下げると線が消失してしまう。そのため、コントラストを減少させるモードでは、コントラスト目標値を必ず設定しなければならない。そこで本実施形態では、コントラストを減少させるモードでは、コントラスト目標値を30とする。
このように、線のコントラストは、線の色情報から、線の背景の色情報を、色ごとに減算することによって求める。同様に、線のコントラストのGの値CG_INとBの値CB_INは、次式により求めることができる(線の色情報:LG_IN,LB_IN、線の背景の色情報:BG,BBとする)。
CB_IN = LB_IN − BB ・・・(11)
式(9)、式(10)、式(11)では、変換前の線の色情報(LR_IN、LG_IN、LB_IN)と線の背景の色情報(BR、BG、BB)とから、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)を求めた。ステップS702では、この変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)にコントラスト変化率anを乗算することにより、更新後の線のコントラスト(CR_n、CG_n、CB_n)を次式の通り求める。
CG_n = an × CG_IN ・・・(13)
CB_n = an × CB_IN ・・・(14)
そして、線の背景の色情報(BR、BG、BB)に更新後の線のコントラスト(CR_n、CG_n、CB_n)を加算することにより、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)を次式の通り求める。
LG_n = BG + CG_n ・・・(16)
LB_n = BB + CB_n ・・・(17)
ステップS703において、線の直流成分を保存するように、線の幅を更新する。線の直流成分とは、線の幅と線のコントラストとを、色ごとに乗算した値である。つまりグラフ804における斜線部である。線の直流成分は、(DR、DG、DB)と表現する。線の直流成分(DR、DG、DB)は、変換前の線の幅WINと、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)を、色ごとに乗算することにより次式の通り求める。
DG = WIN × CG_IN ・・・(19)
DB = WIN × CB_IN ・・・(20)
なお、第7実施形態、第8実施形態で言及する直流成分は、対象とする線をフーリエ変換したときの原点(周波数0)の大きさと対応する。しかし、第1実施形態から第5実施形態および第6実施形態にて言及する直流成分は、線の背景の色情報が0でないときは、対象とする線をフーリエ変換したときの原点(周波数0)の大きさと対応しない。しかし説明を簡単にするために、以降の説明においては、このようにコントラストを積算した値を直流成分と呼ぶことにする。
線情報および線幅の更新後における線の直流成分は、次式に示す通りであり、式(18)、式(19)、式(20)で求めた変換前の線の直流成分の値と一致することが分かる。
Wn × CG_n = (WIN ÷ an)×(an × CG_IN) =WIN × CG_IN ・・・(23)
Wn × CB_n = (WIN ÷ an)×(an × CB_IN) =WIN × CB_IN ・・・(24)
ステップS704において、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)を判定し、判定条件を満たしている場合はステップS701に処理を戻し、判定条件を満たしていない場合はステップS705に処理を進める。判定条件は、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)が、取り得る値の範囲を超えていないこととする。例えば、色情報を(R、G、B)で表現し、各色の値を8ビットで表現する場合、色情報が取り得る値の範囲は0から255となる。この場合、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)のいずれか1つの色が0より小さくなったり、255より大きくなると、取り得る値の範囲を超えているため判定条件を満たしていないと判定する。なお、線のコントラストを減少させるモードの場合は、判定条件としてさらに、式(12)〜式(14)で定義される更新後の線のコントラスト(CR_n、CG_n、CB_n)が所定の目標値に達しているか否かという条件を加える。具体的には、線のコントラストを減少させるモードの場合、線のコントラスト(CR_n、CG_n、CB_n)のいずれか一つの値が30未満になったらステップS705に処理を進める。これにより、線のコントラストを減少させるモードにおいて、線のコントラストが下がり過ぎて線が消失してしまうのを防ぐことができる。
第1実施形態では、線の直流成分を保存するように線の幅を変化させたが、線の直流成分を変化させた方が線の画質が良くなる場合がある。そこで第2実施形態では、線の直流成分を変化させた補正後直流成分を保存するように線の幅を変化させることが可能な構成を示す。本実施形態における構成は、図7のステップS703における線幅を更新する処理の内容を除き、第1実施形態で示した構成と同一である。以下、同一の構成についてはその詳細を省略する。
D’G = WIN × CG_IN × b ・・・(26)
D’B = WIN × CB_IN × b ・・・(27)
ステップS702では、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)にコントラスト変化率anを乗算することにより、線の色情報を更新した。そのため、補正後直流成分を保存するためには、変換前の線の幅WINをコントラスト変化率anで除算し、直流成分変化率bを乗算すればよい。したがって、更新後の線の幅Wnは、変換前の線の幅WINをコントラスト変化率anで除算し、直流成分変化率bを乗算することにより次式の通り求める。
なお、直流成分変化率をbの値は、どのような方法で決めてもかまわない。例えば、一般的な電子写真方式の画像形成装置は、コントラストの低い微細パターンの再現が困難である。この場合、bの値を1より大きくして直流成分を大きくすることにより、線のコントラストを高めつつ、線の幅を広げてパターンの微細さを低減することができ、良好な出力結果が得られる。例えば、線の幅が0.24ptよりも小さく且つ、線のコントラストが50%よりも小さい場合は、bの値を1.2に設定し、その他の場合は1に設定する。なお、直流成分を小さくする方が画質が良好となる線がある場合は、その線に関してはbの値を1より小さくしてもかまわない。以上説明した構成によれば、線の画質をさらに良化させることが可能である。
第1実施形態では、線のコントラストを増減させる際に、線の幅が所望の幅より太く視認されてしまうのを防ぐために、線の直流成分を保存するように線の幅を変化させた。このとき線の幅の変化が大きすぎると、線の直流成分を保存していても、スクリーン処理後データに基づいて記録媒体上に出力した画像において、線の幅が所望の幅と異なるように視認されてしまう。例えば、視距離が約30cmの場合、線の直流成分を保存するように線のコントラストと線の幅を変化させても、線の幅が約100μm変化すると、線の幅が異なるように視認されてしまう。そこで第3実施形態では、線の幅の変化が大きくなりすぎないように制限することが可能な構成を示す。
第4実施形態では、理想とする線と画像形成装置108が記録媒体上に出力した画像における線との視認される差異をなるべく小さくするように線の幅と線の色情報を変化させる構成を示す。
前述の実施形態では、線の幅と線の色情報を変化させることにより線の画質を向上させる構成を示した。以降示す第5実施形態、第7実施形態、第8実施形態では、線の破線情報と線の色情報を変化させることにより線の画質を良くすることが可能な構成を示す。なお、線の破線情報の詳細については後述する。前述の実施形態に対して本実施形態では、線情報検出部102における各処理が異なる。同一の構成については、その説明を省略する。
ここでは、本実施形態における最適変換値算出処理について詳細に説明する。
TIN = d1IN + d2IN ・・・(30)
線の直流成分は、各RGBに対応して(DR、DG、DB)と表現する。この(DR、DG、DB)は、変換前の破線の比率rINと、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)を、色ごとに乗算することにより式(31)、式(32)、式(33)の通り求める。
DG = rIN × CG_IN ・・・(32)
DB = rIN × CB_IN ・・・(33)
ステップS1502では、変換前の線のコントラスト(CR_IN、CG_IN、CB_IN)にコントラスト変化率anを乗算することにより、線の色情報を更新した。そのため、線の直流成分を保存するためには、変換前の破線の比率rINをコントラスト変化率anで除算すればよい。したがって、更新後の破線の比率rnは、変換前の破線の比率rINをコントラスト変化率anで除算することにより次式の通り求める。
そして、更新後の線の破線情報(d1n、d2n)は、更新後の破線の比率rnと、変換後の破線の周期TOUTから式(35)および式(36)により求める。
d2n = TOUT − d1n ・・・(36)
線のコントラストが低い線に対して、スクリーン処理をすると、線とスクリーン処理の周期とが干渉することにより、大きな途切れが発生し、線の再現性が低下してしまう。そこで、変換後の破線の周期TOUTは、あらかじめ途切れの目立たない周期に設定しておく。例えば、プリント物を30cmの距離から観察する場合、破線の周期が150μm程度であれば途切れが目立たないため、TOUTの値は150μmとする。なお、変換後の破線の周期TOUTの値としては、変換前の破線の周期TINが未定義でない場合は、TINの値を用いてもかまわない。また、再現できる階調数は、変換後の破線の周期TOUTと解像度の積にほぼ比例するため、低い解像度で出力する場合はTOUTの値を大きめに設定することによって、再現できる階調数を維持することができる。
rn × CG_n = (rIN ÷ an)×(an × CG_IN) =rIN × CG_IN ・・・(38)
rn × CB_n = (rIN ÷ an)×(an × CB_IN) =rIN × CB_IN ・・・(39)
ステップS1504では、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)と更新後の破線の比率rnを判定し、判定条件を満たしている場合はステップS1501に処理を戻し、判定条件を満たしていない場合はステップS1505に処理を進める。判定条件は、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)が取り得る値の範囲を超えていないこと、且つ、更新後の破線の比率rnが取り得る値の範囲を超えていないこととする。例えば、色情報を(R、G、B)で表現し、各色の値を8ビットで表現する場合、色情報が取り得る値の範囲は、例えば0から255となる。この場合、更新後の線の色情報(LR_n、LG_n、LB_n)のいずれか1つの色が0より小さい場合と255より大きい場合には、取り得る値の範囲を超えているため判定条件を満たしていないと判定し、ステップS1505に処理を進める。また、破線の比率rnが取り得る値の範囲は、0より大きい値から1である。この場合、破線の比率rnが0以下である場合と1より大きい場合に、取り得る値の範囲を超えているため判定条件を満たしていないと判定し、ステップS1505に処理を進める。
第3実施形態では、線の幅の変化量|Wn−WIN|が線幅変化許容量ΔWMAXを超えていないことを第2の判定条件として設定した。これにより、視認される線の幅の違いを制限することができた。しかし、線の幅の変化量|Wn−WIN|は、視認される線の幅の違いを反映してはいるものの、人間の視覚特性を考慮した判定条件とはいえない。
第5実施形態では、線の破線情報と線の色情報を変化させることにより線の画質を向上させる構成を示した。以降示す第7実施形態では、線の破線情報と線の色情報に加え、線の背景の色情報も変化させることにより、線の画質をさらに良くすることが可能な構成を示す。第5実施形態に対して本実施形態では、線情報変換部103における各処理が異なる。同一の構成については、その説明を省略する。
ここでは、本実施形態における最適変換値算出処理について詳細に説明する。
DR = rIN × LR_IN + (1−rIN)×BR_IN ・・・(45)
DG = rIN × LG_IN + (1−rIN)×BG_IN ・・・(46)
DB = rIN × LB_IN + (1−rIN)×BB_IN ・・・(47)
図19の2201は、図14の画像1601における曲線αβ上の色情報(R、G、B)のうちRの値を示している。仮に、P1からP3までの長さを1とし、これを破線の繰り返し単位とした場合、第5実施形態では点A、点B、点C、点Hで囲まれる領域の面積を直流成分とした。一方、本実施形態では、点A、点B、点C、点D、点E、点F、点G、点Hで囲まれる領域の面積を直流成分とする。また、第5実施形態では、図19の2202に示すように、線の色情報のみを変換した。一方、本実施形態では、図19の2203に示すように、線の色情報に加え、線の背景(破線部で線が描画されない部分)の色情報も変化させる。これにより線のコントラストを高め、線の画質をさらに良くできる。図19の2202と2203を比較すると、2203の方が線のコントラストCR_OUTが高くなっているのが分かる。
DG = rIN × LG_IN + (1−rIN)×BG_IN = rOUT × LG_OUT + (1−rOUT)×BG_OUT ・・・(49)
DB = rIN × LB_IN + (1−rIN)×BB_IN = rOUT × LB_OUT + (1−rOUT)×BB_OUT ・・・(50)
DR = rIN × LR_IN + (1−rIN)×BR_IN = rOUT × LR_OUT ・・・(51)
DG = rIN × LG_IN + (1−rIN)×BG_IN = rOUT × LG_OUT ・・・(52)
DB = rIN × LB_IN + (1−rIN)×BB_IN = rOUT × LB_OUT ・・・(53)
このように変換後の線の背景の色情報の最適値(BR_OUT、BG_OUT、BB_OUT)を(0、0、0)に決めた場合、線のコントラストを最大化するためには、変換後の破線の比率rOUTをなるべく小さくして、線の色情報の最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)をなるべく大きくすればよい。仮に、破線の比率rOUTを色ごとに変化させることができる場合は、線の色情報の最適値(LR_OUT、LG_OUT、LB_OUT)を(255、255、255)に決める。そして各色の直流成分(DR、DG、DB)をそれぞれ255で除算すれば色ごとの破線の比率が求まり、最適変換値算出処理が完了する。
DG = rIN × LG_IN + (1−rIN)×BG_IN = LG_OUT ・・・(55)
DB = rIN × LB_IN + (1−rIN)×BB_IN = LB_OUT ・・・(56)
以上説明した構成によれば、線の背景(破線部で線が描画されない部分)の色情報も変化させることにより、実施形態5に比べて線のコントラストを大きく増減させることができる。これにより、線の画質をさらに良くすることが可能である。
第7実施形態では、破線の比率rOUTを各色で独立に設定できない構成であったため、線のコントラストを全ての色で最大値の255にすることができない場合があった。そこで本実施形態では、破線の比率rOUTを各色で独立に設定することにより、線のコントラストを全ての色成分で最大値の255にする。すなわち全ての色成分において、線の色情報を最大値の255、線の背景の色情報を最小値の0にする。もしくは、全ての色成分において、線の色情報を最小値の0、線の背景の色情報を最大値の255にする。
線の色情報と線の背景の色情報は、(R、G、B)や、(C、M、Y、K)や、(L*、a*、b*)や、(X、Y、Z)や、各波長の分光反射率などで表現する方法が挙げられる。
M = M_LUT_3D(R、G、B) ・・・(58)
Y = Y_LUT_3D(R、G、B) ・・・(59)
K = K_LUT_3D(R、G、B) ・・・(60)
図22のデータ2502は、色変換部2402にて入力データ2501の色情報を式(57)〜式(60)に基づいて変換した結果である。本実施形態では、破線の比率rOUTを各色で独立に設定するために、1本のRGBの破線を、4本の単色の破線で表現する。すなわち、1本の破線を、画像形成装置108が出力に用いる色材の数の破線で表現する。2502では、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4本の破線が表現されている。なお、SVGでは単色の色空間での色指定ができないが、ここでは説明のため、単色の色空間での色指定をするために「gray」というキーワードを用いる。「gray」で指定する数値は0から255で、色材の記録量を示している。図22は、線の背景の色情報(R、G、B)=(79、43、105)が、式(57)〜式(60)に基づき、(C、M、Y、K)=(207、224、54、36)に変換されている様子を示している。また、線の色情報(R、G、B)=(107、146、23)が、式(57)〜式(60)に基づき、(C、M、Y、K)=(133、56、252、41)に変換されている様子を示している。
ここでは、本実施形態における最適変換値算出処理について詳細に説明する。
DM = rIN × LM_IN + (1−rIN)×BM_IN ・・・(62)
DY = rIN × LY_IN + (1−rIN)×BY_IN ・・・(63)
DK = rIN × LK_IN + (1−rIN)×BK_IN ・・・(64)
最適化の方向は第7実施形態と同様に二つあり、一つは線のコントラストを最大化する方向で、もう一つは線のコントラストを最小化する方向である。はじめに、線のコントラストを最大化する方向に変化させるときの、最適値の求め方を説明する。図24はその処理の流れを示すフローチャートである。
DM = rIN × LM_IN + (1−rIN)×BM_IN = rM_OUT × LM_OUT + (1−rM_OUT)×BM_OUT ・・・(66)
DY = rIN × LY_IN + (1−rIN)×BY_IN = rY_OUT × LY_OUT + (1−rY_OUT)×BY_OUT ・・・(67)
DK = rIN × LK_IN + (1−rIN)×BK_IN = rK_OUT × LK_OUT + (1−rK_OUT)×BK_OUT ・・・(68)
DC = rIN × LC_IN + (1−rIN)×BC_IN = rC_OUT × LC_OUT ・・・(69)
DM = rIN × LM_IN + (1−rIN)×BM_IN = rM_OUT × LM_OUT ・・・(70)
DY = rIN × LY_IN + (1−rIN)×BY_IN = rY_OUT × LY_OUT ・・・(71)
DK = rIN × LK_IN + (1−rIN)×BK_IN = rK_OUT × LK_OUT ・・・(72)
このように変換後の線の背景の色情報の最適値(BC_OUT、BM_OUT、BY_OUT、BK_OUT)を(0、0、0、0)に決めた場合、線のコントラストを最大化するためには、変換後の破線の比率(rC_OUT、rM_OUT、rY_OUT、rK_OUT)をなるべく小さくして、線の色情報の最適値(LC_OUT、LM_OUT、LY_OUT、LK_OUT)をなるべく大きくすればよい。本実施形態では、破線の比率を色ごとに変化させることができるため、S2702にて線の色情報の最適値(LC_OUT、LM_OUT、LY_OUT、LK_OUT)を(255、255、255、255)に決める。そして各色の直流成分(DC、DM、DY、DK)をS2703で算出する。そしてS2704にて、直流成分(DC、DM、DY、DK)をそれぞれ255で除算して、色ごとの破線の比率(rC_OUT、rM_OUT、rY_OUT、rK_OUT)を求め、最適変換値算出処理が完了する。
DM = rIN × LM_IN + (1−rIN)×BM_IN = LM_OUT ・・・(74)
DY = rIN × LY_IN + (1−rIN)×BY_IN = LY_OUT ・・・(75)
DK = rIN × LK_IN + (1−rIN)×BK_IN = LK_OUT ・・・(76)
以上説明した構成によれば、画像形成装置108が出力に用いる色材の色空間にて線のコントラストを全ての色成分で最大値の255にできる。そのため、その線をラスタライズしてスクリーン処理部107にてスクリーン処理を掛けても画像に変化が生じない。すなわち本実施形態の方法によれば、スクリーン処理によって生じやすい線の途切れを完全に防止することが可能である。
第1実施形態から第4実施形態および第6実施形態では、線の幅と線の色情報を変化させる構成を示した。また第5実施形態、第7実施形態、第8実施形態では、線の破線情報と線の色情報を変化させる構成を示した。これらの構成は、組み合わせることにより、線の幅と線の破線情報と線の色情報を同時に変化させることが可能である。例えば、第1実施形態が示す線情報補正部と、第5実施形態が示す線情報補正部とを直列に接続すれば、線の幅と線の破線情報と線の色情報を同時に変化させることが可能である。
Claims (7)
- 入力データを入力する入力手段と、
前記入力データから、前記入力データに含まれる線の色情報、前記線の背景の色情報、前記線の幅を示す線情報を検出する検出手段と、
前記背景の色情報と前記線の色情報と前記線の幅によって決まる線とによって決まる コントラスト積算値が一定、かつ、
前記背景の色情報と前記線の色情報との差分の絶対値が最大になるように、前記線情報を変換する変換手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記変換手段は、前記線情報のうち前記線の色情報と前記線の幅を変換することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記線情報は、前記線の破線情報を含み、前記変換手段は、前記破線情報を変換することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記コントラスト積算値は、前記線の色情報と前記線の背景の色情報との差分と、前記線の幅との積に基づいて算出されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 二値化を行うスクリーン処理部を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 入力手段、検出手段、変換手段を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記入力手段が入力データを入力し、
前記検出手段が前記入力データから、前記入力データに含まれる線の色情報、前記線の背景の色情報、前記線の幅を示す線情報を検出し
前記変換手段が前記背景の色情報と前記線の色情報と前記線の幅によって決まる線とによって決まるコントラスト積算値が一定、かつ、前記背景の色情報と前記線の色情報との差分の絶対値が最大になるように、前記線情報を変換することを特徴とする制御方法。 - コンピュータに読み込み込ませ実行させることで、前記コンピュータを請求項1乃至5の何れか一項に記載された画像処理装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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