JP6281948B2 - 静電アクチュエータ及び電位差検出装置 - Google Patents

静電アクチュエータ及び電位差検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電アクチュエータ及び電位差検出装置に関する。
静電アクチュエータとしては、複数の固定櫛歯部を有する固定電極と、固定櫛歯部間に位置する可動櫛歯部を複数有する可動電極と、を含む櫛歯電極と、固定電極に接続される電源と、を備えたものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
年吉洋、"SOI基板とDRIEでつくる静電マイクロアクチュエータ入門"、[online]、平成12年2月26日、東京大学生産技術研究所 マイクロメカトロニクス研究センター 年吉研究室、[平成26年4月11日検索]、インターネット<http://toshi.iis.u-tokyo.ac.jp/toshilab/?plugin=attach&refer=Top%20Page&openfile=jumpstart_2013-03-16.pdf>
図7は、上記の静電アクチュエータの構成を模式的に示す図である。図7に示されるように、静電アクチュエータ100は、複数の固定櫛歯部101を有する固定電極102L,102Rと、固定櫛歯部101の間に位置する可動櫛歯部103を有する可動電極104と、を含む櫛歯電極105と、固定電極102L,102Rに接続された電源107と、を備えている。可動電極104は、弾性支持部材106(ばね等)により左右方向(図示矢印方向)に移動可能に支持されていると共に、接地されている。静電アクチュエータ100において、左右の固定電極102L,102Rのそれぞれに、以下の式(1)及び(2)に示される駆動電圧V,Vを電源107により印加するとする。
=Vbias−v …(1)
=Vbias+v …(2)
上記式(1)及び(2)において、「Vbias」は一定値の直流のバイアス電圧であり、「v」は差動電圧である。差動電圧vは、駆動電圧Vと駆動電圧Vとにおいて、極性が異なっている。固定電極102L,102Rに駆動電圧V,Vを印加した場合、静電引力F,Fは、それぞれ、
=A・(Vbias−v) …(3)
=A・(Vbias+v) …(4)
により求められる。上記「A」は比例係数である。式(3)及び(4)から、可動電極104に加わる力Fは、両者の差分より、
F=F−F=A・(Vbias+v)−A・(Vbias−v)=4AVbiasv …(5)
により求められる。式(5)より、力Fは、差動電圧vの値に比例していることが分かる。したがって、静電アクチュエータ100では、可動電極104は、印加電圧に対してその変位が線形化されている。
上記の静電アクチュエータ100は、例えば、自動車に搭載される蓄電装置(例えば、リチウムイオン電池)の充電等を制御するバッテリECUに接続されるセンサに応用される。ここで、高電圧の蓄電装置とセンサ等が接続される自動車車体のグランドとは、安全性の観点から、電気的に完全に分離されている必要がある。そのため、蓄電装置とセンサとの両者の電位を一定の値に定めることはできない。したがって、センサは、蓄電装置の電位を測定することはできないため、可動電極104の変位に基づいて電位差を測定することとなる。
上記静電アクチュエータ100をセンサに用いた場合には、式(1)及び(2)に示されるように、一定値のバイアス電圧(Vbias)を固定電極102L,102Rに印加する必要がある。しかしながら、上述のように、蓄電装置とセンサとの接地レベルが異なるため、一定値のバイアス電圧を設定して固定電極102L,102Rに印加することができない。したがって、静電アクチュエータ100を用いたセンサでは、蓄電装置の電位差を高精度に測定することが困難である。また、測定対象となる差動電圧(v)は、極性が反転している必要があり、そのために極性を反転させる回路等を設ける必要がある。そうすると、その回路を駆動させる電源が必要となり、構成が複雑化してしまう。したがって、静電アクチュエータにおいては、簡易な構成で変位の線形化を実現できる構成が要求される。
本発明は、簡易な構成で変位の線形化を実現できる静電アクチュエータ及びそれを用いた電位差検出装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る静電アクチュエータは、第1の方向に沿って延在する本体部と、当該本体部における第1の方向に直交する第2の方向の両端部から当該第2の方向に沿って延伸する可動櫛歯部と、を有する可動電極と、可動電極を第2の方向において挟む位置に対向して配置される固定電極であって、第2の方向に延伸すると共に可動櫛歯部を第1の方向で挟む位置に対向して設けられる少なくとも一対の固定櫛歯部をそれぞれ有する一対の該固定電極と、可動電極を第2の方向に移動可能に支持する支持部材と、固定電極及び可動電極に接続される電圧印加部と、を備え、可動櫛歯部のうち本体部の一方の端部側に設けられた可動櫛歯部、又は、一対の固定電極のうち一方の固定電極の固定櫛歯部、又は、可動櫛歯部のうち本体部の一方の端部側に設けられた可動櫛歯部と当該可動櫛歯部とは対向しない固定電極の固定櫛歯部、が永久電荷化されている。
この静電アクチュエータでは、可動櫛歯部のうち本体部の一方の端部側に設けられた可動櫛歯部、又は、一対の固定電極のうち一方の固定電極の固定櫛歯部、又は、可動櫛歯部のうち本体部の一方の端部側に設けられた可動櫛歯部と当該可動櫛歯部とは対向しない固定電極の固定櫛歯部が、永久電荷化されている。すなわち、櫛歯部の一部が帯電しており、電位を有している。これにより、上記櫛歯部は、電圧が印加されていない状態において電位を有している。そのため、静電アクチュエータでは、従来の静電アクチュエータのように、バイアス電圧を印加する必要がない。また、静電アクチュエータでは、電圧印加部により電圧が印加されていない初期状態において、可動電極と固定電極とに電位差が生じる。したがって、従来の静電アクチュエータのように、電圧印加部の極性を反転させて入力する必要がない。そのため、静電アクチュエータでは、極性を反転させるための回路等が不要であるため、構成の複雑化を避けることがきる。その結果、静電アクチュエータでは、簡易な構成で変位の線形化を実現することができる。
一実施形態においては、可動櫛歯部のうち、本体部の一方の端部側に設けられた可動櫛歯部が永久電荷化されており、電圧印加部の正極が固定電極に接続されていてもよい。
一実施形態においては、一対の固定電極のうち一方の固定電極の固定櫛歯部が永久電荷化されており、電圧印加部の正極が可動電極に接続されていてもよい。
一実施形態においては、可動櫛歯部のうち本体部の一方の端部側に設けられた可動櫛歯部と、当該可動櫛歯部とは対向しない固定電極の固定櫛歯部とが永久電荷化されており、電圧印加部の正極が固定電極に接続されていてもよい。
本発明の他側面に係る電位差検出装置は、上記の静電アクチュエータと、可動電極の変位に基づいて、電圧印加部の電位差を検出する電位差検出部と、を備えている。
この電位差検出装置では、可動電極の変位に基づいて、電圧印加部の電位差を検出する。静電アクチュエータでは、バイアス電圧を印加しなくとも、可動電極の変位を得ることができる。したがって、電位差検出装置では、電圧印加部と電位差検出部とを電気的に完全に分離し、両者の接地レベルが異なる場合であっても、電圧印加部の電位差を検出することができる。
一実施形態においては、電位差検出部は、本体部に絶縁部材を介して接続されると共に第1の方向に沿って延在する延在部と、当該延在部から第2の方向に沿って延伸する第1櫛歯部と、を有し、可動電極の可動に伴って移動する第1電極と、第2の方向に延伸すると共に第1櫛歯部を第1の方向で挟む位置に対向して設けられる少なくとも一対の第2櫛歯部を有する第2電極と、第1櫛歯部と第2櫛歯部との静電容量の変化に基づいて、電圧印加部の電位差を検出する電位差検出器と、を備えていてもよい。このような構成によれば、電圧印加部の電位差を良好に検出することができる。
一実施形態においては、電位差検出部は、本体部に接続されると共に第1の方向に沿って延在し、可動電極の可動に伴って移動する延在部と、延在部の変位を検出する検出器と、検出器により検出された延在部の変位に基づいて、電圧印加部の電位差を検出する電位差検出器と、を備えていてもよい。このような構成によれば、電圧印加部の電位差を良好に検出することができる。
本発明によれば、簡易な構成で且つ変位を線形化することができる。
図1は、一実施形態に係る静電アクチュエータを用いた電位差検出装置の構成を模式的に示す図である。 図2は、エレクトレット化された可動櫛歯部を示す図である。 図3は、可動電極の印加電圧に対する変位を示す図である。 図4は、他の実施形態に係る静電アクチュエータを示す図である。 図5は、図4に示す静電アクチュエータにおける可動電極の印加電圧に対する変位を示す図である。 図6は、他の実施形態に係る静電アクチュエータを示す図である。 図7は、従来の静電アクチュエータの構成を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、一実施形態に係る静電アクチュエータを用いた電位差検出装置の構成を模式的に示す図である。図1に示されるように、電位差検出装置1は、静電アクチュエータ3と、電位差検出部5と、を備えている。電位差検出装置1は、例えば、自動車等に搭載されるリチウムイオン電池(蓄電装置)の充電容量を推測するために、リチウムイオン電池の電位差を検出するための装置である。電位差検出装置1は、例えば、リチウムイオン電池の充電等を制御するバッテリECU(Electronic Control Unit)(不図示)に接続されている。
静電アクチュエータ3は、可動電極7と、支持部材9と、固定電極11,12と、電圧印加部14と、を備えている。可動電極7と固定電極11,12とは、櫛歯電極2を構成している。櫛歯電極2は、SOI(Silicon on Insulator)基板により形成されている。SOI基板は、複層構造を有しており、上部Si層、SiO層及び下部Si層がこの順番で積層されて構成されている。櫛歯電極2は、SOI基板をMEMS加工することにより形成される。
可動電極7は、移動可能に設けられた(変位する)電極である。可動電極7は、本体部15と、可動櫛歯部17と、を有している。本体部15は、長方形状を呈しており、Y方向(第1の方向)に沿って延在している。可動櫛歯部17は、本体部15のX方向(第1の方向に直交する第2の方向)の両端部から、X方向に沿って延伸している。可動櫛歯部17は、複数(図1ではそれぞれ4個)設けられている。可動櫛歯部17は、Y方向において所定の間隔をあけて配置されている。
図2に示されるように、可動櫛歯部17は、エレクトレット(永久電荷)化されている。本実施形態では、可動電極7において、本体部15の一方の端部(図示左側の端部)から延伸する可動櫛歯部17がエレクトレット化されている。エレクトレットとは、電圧を印加しなくとも帯電している物質であり、本実施形態では、可動櫛歯部17が+(プラス)に帯電している。エレクトレット化された(表面にエレクトレットが形成された)可動櫛歯部17の表面電位は、設計に応じて適宜設定されればよい。
可動櫛歯部17のエレクトレット化について詳細に説明する。可動櫛歯部17は、この可動櫛歯部17を構成するSOI基板の上部Si層の表面に、Kイオンを含むシリコン酸化膜(SiO)を形成することによりエレクトレット化されている。以下、エレクトレット化について具体的に説明する。
最初に、可動櫛歯部17(可動電極7)が形成されたSOI基板を酸化炉に配置する。酸化炉には、KOH水溶液の蒸気を含む窒素ガスが供給される。窒素ガスは、純水にKOHを溶解したKOH水溶液をホットバスで温め、KOH水溶液を窒素ガスでバブリングして得られる。このような酸化炉に配置されたSOI基板を、ヒータにより加熱してシリコンを熱酸化させ、可動櫛歯部17を構成するSOI基板の上部Si層の表面に、Kイオンを含むSiO層を形成する。
続いて、可動櫛歯部17の表面に形成されたSiO層の表面をプラスに帯電させる。具体的には、可動櫛歯部17及び固定櫛歯部19を加熱した状態で、固定櫛歯部19に電圧を印加する。可動櫛歯部17の表面に形成されたSiO層内のKイオンに対して、固定櫛歯部19に印加した電圧による電場の力が作用するので、KイオンがSiO層とSi層の界面に向かって移動する。このとき、SiO層とSi層との界面には予め多量のKイオンがトラップされており、Kイオンの移動の結果、濃度がさらに高くなるので、Kイオンは、拡散現象により電場の向きとは逆に移動しようとする。結局、電場による移動と拡散による逆方向の移動とが釣り合ってKイオンの分布が確定し、その結果として空間電荷層を可動櫛歯部17表面のSiO層内に形成し、可動櫛歯部17がプラスに帯電してエレクトレット化されると考えられる。
なお、上記のエレクトレット化においては、可動櫛歯部17をKイオンで帯電させることを一例に説明したが、エレクトレット化には、Kイオン以外の正イオンを用いてもよい。正イオンとしては、イオン半径の大きいアルカリイオンを用いることが好ましい。この場合、エレクトレット化後のイオンの移動が少なく、表面電位を長期間保持することが可能となる。
静電アクチュエータ3の構成の説明に戻って、支持部材9は、可動電極7を弾性支持している。支持部材9は、可動電極7をX方向に移動可能に支持している。支持部材9は、線形に弾性変形する弾性部材である。本実施形態では、支持部材9は、可動電極7の本体部15のY方向における一端部に連結されている。支持部材9の構成(配置位置及び配置数等)は、設計に応じて適宜設定されればよい。
固定電極11,12は、可動電極7をX方向において挟んで配置されている。固定電極11,12は、図示しないベース(土台)等に固定されている。固定電極11,12は、固定櫛歯部19,20をそれぞれ有している。固定櫛歯部19,20のそれぞれは、X方向に沿って延伸している。固定櫛歯部19,20は、可動電極7の可動櫛歯部17をY方向において挟むように、所定の間隔をあけて配置されている。すなわち、可動電極7の可動櫛歯部17は、対向する一対の固定櫛歯部19,19(20,20)の間に位置している。可動櫛歯部17は、一対の固定櫛歯部19,19(20,20)により画成される空間(領域)において移動可能(挿脱可能)とされている。図1に示されるように、固定櫛歯部19,19(20,20)と可動櫛歯部17とは、所定の間隔をあけて離間している。
電圧印加部14は、櫛歯電極2に電圧を印加する。本実施形態では、電圧印加部14は、電位差検出装置1の電位差検出の対象となるリチウムイオン電池である。電圧印加部14は、可動電極7及び固定電極11,12に接続されている。具体的には、電圧印加部14は、固定電極11,12に正極が接続されている。すなわち、固定電極11,12には、正極の電位が印加される。電圧印加部14は、固定電極11及び固定電極12に同じ電位をかける。
上記構成を有する静電アクチュエータ3は、電圧印加部14により電圧が印加されると、その電位差に応じて、可動電極7がX方向に変位する。図3は、可動電極の印加電圧に対する変位を示す図である。図3では、横軸Vが印加電圧を示しており、縦軸Xが変位を示している。
図3に示されるように、可動電極7は、直線Lに示されるように変位する。ななわち、静電アクチュエータ3では、可動電極7は、電圧に比例して線形的に変位する。具体的には、可動電極7の変位は、以下の式(6)により求められる。
Figure 0006281948

上記式(6)において、n:可動櫛歯部17の数、ε:可動櫛歯部17の誘電率、b:可動櫛歯部17(可動電極7)の厚み寸法、k:支持部材9のばね定数、d:可動櫛歯部17と固定櫛歯部19,20との間隔、V:電圧印加部14の電位、V:エレクトレット化された可動櫛歯部17の電位である。式(6)の「V 」は、可動電極7の初期位置を示している。図3において、上側の2次曲線は、固定電極11側における可動電極7の特性を示しており、下側の2次曲線は、固定電極12側における可動電極7の特性を示している。
図1に戻って、電位差検出部5は、第1電極21と、第2電極23と、電位差検出器25と、を備えている。
第1電極21は、延在部26と、第1櫛歯部27と、を有している。延在部26は、長方形状を呈しており、Y方向に沿って延在している。延在部26は、絶縁部材30を介して可動電極7に連結されている。これにより、第1電極21は、可動電極7の可動に伴って同期して移動(変位)する。第1櫛歯部27は、延在部26のX方向の一端部から、X方向に沿って延伸している。第1櫛歯部27は、複数(図1では4個)設けられている。第1櫛歯部27は、Y方向において所定の間隔をあけて配置されている。
第2電極23は、第2櫛歯部29を有している。第2櫛歯部29は、X方向に沿って延伸している。第2櫛歯部29は、第1電極21の第1櫛歯部27をY方向において挟むように、所定の間隔をあけて配置されている。すなわち、第1電極21の第1櫛歯部27は、対向する一対の第2櫛歯部29,29の間に位置している。第1櫛歯部27は、一対の第2櫛歯部29,29より画成される空間(領域)において移動可能(挿脱可能)とされている。図1に示されるように、第2櫛歯部29,29と第1櫛歯部27とは、所定の間隔をあけて離間している。第2電極23は、接地されている。
電位差検出器25は、電圧印加部14の電位差を検出する。電位差検出器25は、第1電極21及び第2電極23に接続されている。電位差検出器25は、第1電極21の第1櫛歯部27の変位に伴う、第1櫛歯部27と第2電極23の第2櫛歯部29との対向面積に基づく静電容量の変化を例えばチャージアンプで検出し、それに基づいて電圧印加部14(リチウムイオン電池)の電位差を検出する。電位差検出器25は、検出した電位差を示す信号を例えばバッテリECUに出力する。
上記構成を有する電位差検出装置1は、静電アクチュエータ3において、可動電極7の本体部15の一端部側に設けられた可動櫛歯部17がエレクトレット化されている。これにより、可動櫛歯部17は、電圧が印加されていない状態において電位を有している。一方で、可動電極7の本体部15の他端側に設けられた可動櫛歯部17は、エレクトレット化されていない。そのため、電圧印加部14により電圧が印加されていない状態では、可動櫛歯部17と固定電極11の固定櫛歯部19との電位差が大きいため、可動電極7は、固定電極11側に変位している。この状態において、電圧印加部14により櫛歯電極2に電圧が印加されると、エレクトレット化された可動櫛歯部17と固定電極11の固定櫛歯部19との電位差は、電圧印加部14により印加される電圧VがVとなるまでは初期状態よりも小さくなり、可動櫛歯部17と固定電極12の固定櫛歯部20との電位差は大きくなる。そうすると、可動電極7がX方向で変位する。電位差検出部5は、その変位に基づいて、電圧印加部14の電位差を検出する。
以上説明したように、本実施形態の電位差検出装置1の静電アクチュエータ3は、可動電極7の本体部15の一端部側に設けられた可動櫛歯部17がエレクトレット化されている。すなわち、可動櫛歯部17が帯電している。これにより、可動櫛歯部17は、電圧が印加されていない状態において電位を有している。そのため、静電アクチュエータ3では、従来の静電アクチュエータのように、バイアス電圧を印加する必要がない。また、静電アクチュエータ3では、電圧印加部14により電圧が印加されていない初期状態において、可動櫛歯部17と固定櫛歯部19とに電位差(−V)が生じる。そうすると、従来の静電アクチュエータのように、電圧印加部14の極性を反転させて入力する必要がない。そのため、静電アクチュエータ3では、極性を反転されるための回路等が不要であるため、構成の複雑化を避けることがきる。その結果、静電アクチュエータ3では、簡易な構成で変位の線形化を実現することができる。
上記の静電アクチュエータ3を備える電位差検出装置1では、電圧印加部14と電位差検出部5とを電気的に完全に分離し、両者の接地レベルが異なる場合であっても、バイアス電圧を設定して入力させる必要がないため、電圧印加部14の電位差を検出することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、可動電極7の可動櫛歯部17をエレクトレット化する構成を一例に説明したが、エレクトレット化する電極は他の電極であってもよい。図4は、他の実施形態に係る静電アクチュエータを示す図である。図4に示されるように、静電アクチュエータ3では、可動電極7の本体部15の一端側に設けられた可動櫛歯部17と、この可動櫛歯部17とは対向しない固定電極12の固定櫛歯部20とがエレクトレット化されている。電圧印加部14は、固定電極11,12に正極が接続されている。
図5は、図4に示す静電アクチュエータにおける可動電極の印加電圧に対する変位を示す図である。図5に示されるように、静電アクチュエータ3は、直線Lに示されるように変位する。ななわち、静電アクチュエータ3では、可動電極7の変位を線形化することができる。可動電極7の変位は、上記式(6)により求められる。図5において、上側の2次曲線は、固定電極12側における可動電極7の特性を示しており、下側の2次曲線は、固定電極11側における可動電極7の特性を示している。
図6は、他の実施形態に係る静電アクチュエータを示す図である。図6に示されるように、静電アクチュエータ3では、固定電極12の固定櫛歯部20がエレクトレット化されている。電圧印加部14は、可動電極7に正極が接続されている。この静電アクチュエータ3においても、可動電極7の変位は上記式(6)により求められ、可動電極7の変位を線形化することができる。
上記実施形態では、電位差検出部5が、第1電極21及び第2電極23を備え、第1電極21の第1櫛歯部27と第2電極23の第2櫛歯部29との静電容量の変化に基づいて電圧印加部14の電位差を検出する構成を一例に説明したが、電位差検出部の構成はこれに限定されない。例えば、電位差検出部としては、本体部15に接続されると共にY方向に沿って延在し、可動電極7の可動に伴って移動する延在部と、この延在部の変位をレーザー(非接触)で検出する検出器と、を備え、検出器により検出された延在部の変位に基づいて、電圧印加部14の電位差を電位差検出器により検出してもよい。また、延在部の変位を接触式の変位計で検出する検出器でもよい。さらに、延在部の先端部を固定し、可動電極7の変位に伴う延在部の歪抵抗に基づいて、電圧印加部14の電位差を検出してもよい。
上記実施形態では、電位差検出装置1により、リチウムイオン電池の電位差を検出することを一例に説明したが、電位差検出装置は、太陽電池システム等に応用されてもよい。この場合、電位差検出装置は、太陽電池システムの電位差を検出することにより、太陽電池システムの故障(断線等)を検出することが可能となる。
1…電位差検出装置、3…静電アクチュエータ、5…電位差検出部、7…可動電極、9…支持部材、11,12…固定電極、14…電圧印加部、15…本体部、17…可動櫛歯部、19,20…固定櫛歯部、21…第1電極、23…第2電極、25…電位差検出器、26…延在部、27…第1櫛歯部、29…第2櫛歯部。

Claims (7)

  1. 第1の方向に沿って延在する本体部と、当該本体部における前記第1の方向に直交する第2の方向の両端部から当該第2の方向に沿って延伸する可動櫛歯部と、を有する可動電極と、
    前記可動電極を前記第2の方向において挟む位置に対向して配置される固定電極であって、前記第2の方向に延伸すると共に前記可動櫛歯部を前記第1の方向で挟む位置に対向して設けられる少なくとも一対の固定櫛歯部をそれぞれ有する一対の該固定電極と、
    前記可動電極を前記第2の方向に移動可能に支持する支持部材と、
    前記固定電極及び前記可動電極に接続される電圧印加部と、を備え、
    前記可動櫛歯部のうち前記本体部の一方の端部側に設けられた前記可動櫛歯部、又は、一対の前記固定電極のうち一方の前記固定電極の前記固定櫛歯部、又は、前記可動櫛歯部のうち前記本体部の一方の端部側に設けられた前記可動櫛歯部と当該可動櫛歯部とは対向しない前記固定電極の前記固定櫛歯部、が永久電荷化されている、静電アクチュエータ。
  2. 前記可動櫛歯部のうち、前記本体部の一方の端部側に設けられた前記可動櫛歯部が永久電荷化されており、
    前記電圧印加部の正極が前記固定電極に接続されている、請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 一対の前記固定電極のうち一方の前記固定電極の前記固定櫛歯部が永久電荷化されており、
    前記電圧印加部の正極が前記可動電極に接続されている、請求項1記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記可動櫛歯部のうち前記本体部の一方の端部側に設けられた前記可動櫛歯部と、当該可動櫛歯部とは対向しない前記固定電極の前記固定櫛歯部とが永久電荷化されており、
    前記電圧印加部の正極が前記固定電極に接続されている、請求項1記載の静電アクチュエータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電アクチュエータと、
    前記可動電極の変位に基づいて、前記電圧印加部の電位差を検出する電位差検出部と、を備えている、電位差検出装置。
  6. 前記電位差検出部は、
    前記本体部に絶縁部材を介して接続されると共に前記第1の方向に沿って延在する延在部と、当該延在部から前記第2の方向に沿って延伸する第1櫛歯部と、を有し、前記可動電極の可動に伴って移動する第1電極と、
    前記第2の方向に延伸すると共に前記第1櫛歯部を前記第1の方向で挟む位置に対向して設けられる少なくとも一対の第2櫛歯部を有する第2電極と、
    前記第1櫛歯部と前記第2櫛歯部との静電容量の変化に基づいて、前記電圧印加部の電位差を検出する電位差検出器と、を備えている、請求項5記載の電位差検出装置。
  7. 前記電位差検出部は、
    前記本体部に接続されると共に前記第1の方向に沿って延在し、前記可動電極の可動に伴って移動する延在部と、
    前記延在部の変位を検出する検出器と、
    前記検出器により検出された前記延在部の変位に基づいて、前記電圧印加部の電位差を検出する電位差検出器と、を備えている、請求項6記載の電位差検出装置。
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