JP6281617B2 - ディスクブレーキ用キャリパの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はディスクブレーキ用キャリパの製造方法に係り、さらに詳しくは、車両等に用いられるものであり、ディスクロータの両側面に対向配置されたピストンを油圧で前進させ、ピストンの先端に一体に設けられているパッドをディスクロータの両側面に押付けて、ディスクロータを制動するディスクブレーキ用キャリパの製造方法に関する。
自動車の制動を行うために、ディスクブレーキが広く使用されている。
このディスクブレーキによる自動車の制動は、車輪とともに回転するディスクロータの軸方向両側に配置された1対のパッドを、シリンダに封入されているピストンを油圧により前進させることにより、上記ディスクロータの両側面に押し付けて行われる。
このようなディスクブレーキは、インナキャリパ部とアウタキャリパ部とにそれぞれ設けられているシリンダが、キャリパボディの内部に設けた油路を介して接続されている。このようなキャリパボディの内部の油路に関して、その油路を中子で成形して設ける構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されたピストン対向型ディスクブレーキでは、図18,19に示すように、キャリパボディ101が、対向配置のインナキャリパ部102とアウタキャリパ部103とを、ディスクロータDを跨ぐブリッジ部104を介して連結されている。そして、これらのインナキャリパ102、アウタキャリパ部103およびブリッジ部104が、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を素材として、鋳造により一体に形成されたものである。
上記インナキャリパ部102とアウタキャリパ部103とには、それぞれ2個のシリンダ105,105が形成され、各シリンダ105,105には、それぞれピストン106,106が液密に挿入されている。
キャリパボディ101には窓穴108が設けられ、この窓穴108に、ピストン106,106で押圧してディスクロータDに摺接させるブレーキパッド107がディスク軸に沿った方向にスライド自在に組み込まれている。
また、インナキャリパ部102とアウタキャリパ部103とには、上記各シリンダ105,105の内底部同士を接続するとともにディスクロータDの径方向外側に向かって延伸するインナ側シリンダ接続油路110Aと、アウタ側シリンダ接続油路110Bとがそれぞれ形成されている。
そして、これらのシリンダ接続油路110A,110Bは、キャリパボディ101を鋳造する際に、崩壊性中子を使用して形成されている。
また、キャリパボディ101の上記ブリッジ部104には、ディスク軸方向の油圧連通路113が設けられている。この油圧連通路113のインナキャリパ102側の端部には、油圧連通路113と同軸のブリーダ穴114が形成されており、このブリーダ穴114にはエアブリーダ115がねじこまれている。そのため、ブリーダ穴114は封鎖されていることになる。
ピストン対向型ディスクブレーキは、以上のような構成となっているので、作動時に油圧を介してピストン106,106をディスクロータD側に押圧すると、ブレーキパッド107,107がそれぞれディスクロータDの両側面に押し付けられる。
その結果、ブレーキパッド107,107の押圧力が車軸に対する制動力として働き、車軸の回転速度を低下させ、または停止させる。つまり、ブレーキが掛かることになる。
特開2010−101342号公報
しかし、上述した既存の技術では次のような問題点が生じている。
すなわち、インナキャリパ部102およびアウタキャリパ部103にそれぞれ形成されるシリンダ接続油路110A,110Bは、キャリパボディ101の製造時に、金型のキャビティ内に設置された中子で形成されるが、それらのシリンダ接続油路110A,110B同士を連通する油圧連通路113は、キャリパボディ101の鋳造後に、例えば、インナキャリパ部102の外表面部からドリル加工してあけられている。
ところが、ドリルによる油圧連通路113の加工は、その穴径が小さいうえに、インナキャリパ部102からアウタキャリパ部103にわたっての穴あけ加工となるため、加工寸法が長くなる。その結果、ドリルの進行速度によってはドリルが反るおそれがあり、加工が困難であるとともに、加工精度が悪くなるおそれがあり、歩留まりも悪くなる、という不都合がある。
また、ドリルによる油圧連通路113の加工は、インナキャリパ部102の外表面部からは目視できない位置にある2本のシリンダ接続油路110A,110Bのそれぞれの端部を確実に連通させなければならないので、ドリルの向きや、穴あけ始点の位置を確実に決めなければならず、穴あけ加工の着手まで多くの時間がかかっていた。
さらに、油圧連通路113の加工は、その穴径が小さいうえに、加工寸法が長いので、ドリルを慎重に進行させなければならず、加工時間が長くなって生産性が悪く、その結果、コストパフォーマンスも悪いものであった。
また、上記作業において、油圧連通路113とシリンダ接続油路110A,110Bとが連通していたとしても、当該油圧連通路113とシリンダ接続油路110A,110Bとが100%の状態で連通していることは判定できない。仮に、各通路113と110A,110Bとの一部同士が連通していた場合、エアを吹き付けるなどしてチェックすると、連通していることは確認できるが、100%の状態で連通していることまでは判定できない。
そうすると、実際にピストン106を装着したシリンダ105に油圧を供給して、ピストン106を作動させ、インナキャリパ部102とアウタキャリパ部103のシリンダ105に均等に油圧が作動しているか否かを確認する必要がある。
そして、各キャリパ部102,103のシリンダ105に均等に油圧が作動していない場合、制動が不安定になるとともに、ブレーキパッド107が片減りする等の問題が生じ、結局、不良品となる。そこまでの作業によって、初めて、キャリパボディ101が製品として使えるか否か、の判断がなされるので、多くの手間と時間がかかり、この面でも、コストパフォーマンスが悪いものであった。
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、特に、インナキャリパ部とアウタキャリパ部とを相互に連結するブリッジ部内に、油圧連通路を機械加工に依存することなく確実に設置することを可能としたディスクブレーキ用キャリパを製造するディスクブレーキ用キャリパの製造方法を提供することを、その目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のディスクブレーキ用キャリパの製造方法は、 ディスクロータを挟んで相互に対向して配置され且つそれぞれの長さ方向両端部がブリッジ部により一体的に連結されたインナキャリパ部およびアウタキャリパ部と、当該インナキャリパ部およびアウタキャリパ部の各対向面領域に設けられ作動時にブレーキパッドを介して前記ディスクロータをその両面から同時に押圧する押圧ピストン用の油圧シリンダと、前記インナキャリパ部側の前記油圧シリンダおよび前記アウタキャリパ部側の前記各油圧シリンダの背面側にそれぞれ設けられたシリンダ側油圧通路と、前記ブリッジ部内に設けられると共に前記インナキャリパ部側のシリンダ側油圧通路と前記アウタキャリパ部側のシリンダ側油圧通路とを連通する油圧連通路と、を形成して成るディスクブレーキ用キャリパの製造方法であって、
前記シリンダ側油圧通路用つなぎ部および油圧連通路用つなぎ部のそれぞれを有する、崩壊性材料でなる中子を作成する第1の工程と、
前記中子を、金型の中子支持面に設置する第2の工程と、
前記金型のキャビティに溶湯を充填して前記インナキャリパ部、前記アウタキャリパ部、および前記ブリッジ部を成形する第3の工程と、
前記溶湯の凝固後に前記中子を崩壊させて、前記各シリンダ側油圧通路、および前記油圧連通路を得る第4の工程と、
前記油圧連通路に向かって前記インナキャリパ部の外表面からブリーダ取付け部を有するブリーダ穴を形成する第5の工程と、を備えていることを特徴とする。
本願発明のディスクブレーキ用キャリパの製造方法によれば、その製造方法によって製造されたディスクブレーキ用キャリパの、インナキャリパ部およびアウタキャリパ部の油圧シリンダを、ブリッジ部を介してシリンダ側油圧通路で連通するとともに、これらのシリンダ側油圧通路同士を連通する油圧連通路を、シリンダ側油圧通路と同時に一体成形することができる。その結果、インナキャリパ部およびアウタキャリパ部に設けられたシリンダ側油圧通路同士を連通させるための油圧連通路を、鋳造後にドリルで穴加工、つまり機械加工せずにすむので、前述した加工の手間が軽減され、生産性の著しい向上を図ることができる。
また、シリンダ側油圧通路と油圧連通路とが、鋳造時に同時に中子により一体成形されるので、穴加工時に生じていた穴加工の位置ずれがなくなる。その結果、キャリパの使用時に、インナキャリパ部およびアウタキャリパ部の各油圧シリンダに均等に油圧が作動することになるため、安定した制動が期待でき、ブレーキパッドの片減り等の問題が生じない。その結果、ブレーキパッドの長寿命化を図ることができる。
本発明に係るディスクブレーキ用キャリパの製造方法により製造されたディスクブレーキ用キャリパの一実施形態を示す全体斜視図である。 図1に開示したディスクブレーキ用キャリパの使用状態を示す斜視図である。 図1に開示したディスクブレーキ用キャリパを示す平面図である。 図3におけるIV 矢視図である。 図4におけるブリーダ穴近傍の拡大図である。 図3におけるVI−VI線に沿った縦断面図である。 図3におけるVII矢視図である。 図3におけるVIII−VIII線に沿った縦断面図である。 図1に開示したディスクブレーキ用キャリパを鋳造するために使用される中子を示す全体斜視図である。 図1に開示したディスクブレーキ用キャリパを鋳造するために使用される金型の内周型を示す全体斜視図である。 図1に開示したディスクブレーキ用キャリパを鋳造するために使用される金型の外周型を開いた状態で示す全体斜視図である。 図1に開示した実施形態の金型の外周型と中子との位置関係を示す全体斜視図である。 図1に開示した実施形態の金型の内周型と中子との位置関係を示す全体斜視図である。 図1に開示した実施形態の金型のキャビティに材料を流し込んでディスクブレーキ用キャリパを鋳造した状態を示す全体斜視図である。 図14の状態から押し湯部付きのディスクブレーキ用キャリパを取り出した状態を示す全体斜視図である。 図15の状態から中子を取り除いた状態を示す全体斜視図である。 図1に開示した実施形態の中子の変形例を示す全体斜視図である。 既存のピストン対向型ディスクブレーキを示す部分破断正面図である。 図18のII−II線に沿った断面図である。
以下に、図1〜図16を参照して、本発明に係るディスクブレーキ用キャリパの製造方法により製造されたディスクブレーキ用キャリパの一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態のディスクブレーキ用キャリパ(以下、単にキャリパと言う)10を示し、図2は、キャリパ10を自動車用のディスクブレーキ40用として使用した状態を示す図である。
まず、図1,2に基づいて、ディスクブレーキ40およびキャリパ10の概要を説明する。
キャリパ10は、ディスクロータDを挟んで相互に対向して配置され、且つそれぞれの長さ方向両端部がブリッジ部14により一体的に連結されたインナキャリパ部12およびアウタキャリパ部13を有するとともに、当該インナキャリパ部12およびアウタキャリパ部13の各対向面領域に設けられ、作動時にブレーキパッド42を介して、上記ディスクロータDをその両面から同時に押圧する押圧ピストン用の複数(本実施形態ではインナキャリパ部12側およびアウタキャリパ部13側に各2個)の油圧シリンダ15,15を備えて構成されている。
このようなキャリパ10において、インナキャリパ部12側の油圧シリンダ15,15と、アウタキャリパ部13側の油圧シリンダ15,15とは、それぞれの背面側に設けられたシリンダ側油圧通路16,17と、ブリッジ部14内に設けられた油圧連通路18とで連通されている。
そして、各シリンダ側油圧通路16,17と油圧連通路18とは、インナキャリパ部12、アウタキャリパ部13およびブリッジ部14の鋳造成形時に使用する中子20(図9参照)に、第1の工程として、各シリンダ側油圧通路16,17および油圧連通路18に対応するつなぎ通路形成部22(図9参照)を予め設けることにより、各キャリパ部12,13およびブリッジ部14の一体鋳造成形時に、当該各キャリパ部12,13およびブリッジ部14内に同時に埋設した状態に設定することによって形成されるものである。
前記ディスクブレーキ40はピストン対向型ディスクブレーキであり、このディスクブレーキ40は、車体の図示しない取付け部材に取付け固定されるようになっている。そして、キャリパ10は、当該キャリパ10に形成された上記油圧連通路18が、車体の上方側である天側に位置するように配置されている。
前記キャリパ10には、前述のように、油圧シリンダ15,15と、当該油圧シリンダ15,15内に設けられ油圧により作動するピストン(図略)と、そのピストンの先端にパッド取り付け板41を介して取り付けられたブレーキパッド42とが設けられている。
ディスクブレーキ40は、以上のような構成となっているので、油圧によりピストンをディスクロータD側に前進させると、ブレーキパッド42がディスクロータDに摺接して、ディスクロータDの回転が制動されることになる。つまり、ブレーキが掛けられることになる。
インナキャリパ部12、アウタキャリパ部13、およびブリッジ部14からなるキャリパ10は、図3に示すように、平面視で、四隅が大きく面取りされるとともに、内部が開口部となった矩形形状に形成されている。インナキャリパ部12およびアウタキャリパ部13は、それぞれの長さ方向の両端部に、互いに向き合う方向に突出した突出部12A,13Aを有する形状に形成されており、これらの突出部12A,13Aの下部が前記ブリッジ部14により一体的に連結されている。
したがって、キャリパ10には、これらの各キャリパ部12,13とブリッジ部14とのそれぞれの内側側面により、長方形形状の前記開口部が形成され、この開口部により窓穴11が構成されている。
図3に示すように、ブリッジ部14は、幅寸法Tでインナキャリパ部12とアウタキャリパ部13との前記突出部12A,13Aの一端面同士が所定深さに抉られた形状となっている。その結果、図6に示すように、ブリッジ部14は寸法tの肉厚に形成され、インナキャリパ部12とアウタキャリパ部13との肉厚に比べて大幅に薄くなっている。
そして、ブリッジ部14は、ディスクロータDの外周面と対向する対向面14Aが半径寸法rの円弧状に形成されている。また、この対向面14Aの半径寸法rは、ディスクロータDの半径寸法より所定寸法だけ大きな寸法に設定されている。
上述のように、ブリッジ部14の幅は、寸法Tに形成されており、この幅寸法Tは、前記ディスクロータDの幅より大きな寸法に設定されている。また、ブリッジ部14の対向面14AとディスクロータDの外周との間にも所定寸法の隙間が設けられているので、これにより、ディスクロータDは、ブリッジ部14の円弧形状の上記対向面14Aに沿った方向に回転することができるようになっている。
つまり、ブリッジ部14の対向面14Aとインナキャリパ部12およびアウタキャリパ部13の前記突出部12A,13Aの一端面同士により、ディスク溝14Bが構成されている。
前述したように、インナキャリパ部12の2個の油圧シリンダ15,15と、アウタキャリパ部13の2個の油圧シリンダ15,15とは、それぞれの背面側に設けられたシリンダ側油圧通路16,17と、ブリッジ部14内に設けられた油圧連通路18で連通されている。
上記インナキャリパ部12のシリンダ側油圧通路16は、インナキャリパ部12の2個の油圧シリンダ15,15同士を連通する直線状の第1の通路16Aと、この第1の通路16Aに連通するとともに一つの油圧シリンダ15からブリッジ部14側に延設された傾斜状の第2の通路16Bとで構成されている。なお、対向する油圧シリンダがインナキャリパ部、アウタキャリパ部にそれぞれ1個ずつの2ポットの場合は、第1の通路16Aは存在しないことになる。
第1の通路16Aは、図8に示すように、断面略四角形形状に形成され、その側面の一直線部が油圧シリンダ15,15の底部と略一致するように形成されている。そして、第2の通路16Bも第1の通路16Aと略同様の形状に形成されている。
また、アウタキャリパ部13の上記シリンダ側油圧通路17は、アウタキャリパ部13の2個の油圧シリンダ15,15同士を連通する直線状の第1の通路17Aと、この第1の通路17Aに連通するとともに一つの油圧シリンダ15からブリッジ部14側に延設された傾斜状の第2の通路17Bとで構成されている。なお、対向する油圧シリンダがインナキャリパ部、アウタキャリパ部にそれぞれ1個ずつの2ポットの場合は、第1の通路17Aは存在しないことになる。
これらの第1の通路17Aおよび第2の通路17Bも、図8で示すような、上記インナキャリパ部12の第1の通路16Aおよび第2の通路16Bと略同様の形状に形成されている。
前記油圧連通路18は、図6に示すように、ブリッジ部14の内部に形成されており、油圧連通路18の両端部は、図1,3に示すように、上記シリンダ側油圧通路16の第2の通路16B、およびシリンダ側油圧通路17の第2の通路17Bの端部に、それぞれ連通されている。
なお、油圧連通路18は、ブリッジ部14の厚さtの中心寄りにあけられている。
前記インナキャリパ部12には、その外表面から上記油圧連通路18に向けて、且つ当該油圧連通路18に沿って、エア抜き用のブリーダ穴19が、油圧連通路18と連通するようにあけられている。
図4〜6に示すように、ブリーダ穴19と油圧連通路18とは、それぞれの中心線の位置がわずかにずれて形成されている。
すなわち、油圧連通路18が、前述のようにブリッジ部14の厚さtの中心寄りにあけられているのに対して、ブリーダ穴19は、油圧連通路18から前記ディスクロータDの中心部側に所定寸法離れて形成されている。そのため、そのままの状態では、ブリーダ穴19と油圧連通路18との重なり部が少なく、両者19,18の連通が充分でなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、特に、図5に詳細を示すように、油圧連通路18のインナキャリパ部12側に位置する端部とブリーダ穴19の先端との接続点部Kに、ブリーダ穴19と油圧連通路18との端部を包含するような内部空間Sを形成し、この内部空間Sを介してブリーダ穴19と油圧連通路18とが充分に重なり合って、連通できるように構成されている。
ブリーダ穴19は、インナキャリパ部12の外表面から油圧連通路18に向けてあけられるようになっているが、インナキャリパ部12の外表面のドリルによる穴加工の開始位置は平坦面でなければならない。
そのため、ブリーダ穴19のインナキャリパ部12の外表面側の一端部には、図3、図7に示すように、当該外表面から外方に突起したエアブリーダ取付け部19Aが形成されている。そして、このエアブリーダ取付け部19Aの先端面19Bは、ドリルによる穴加工が容易なように、ブリーダ穴19とほぼ直交した状態に形成されている。
また、エアブリーダ取付け部19Aの先端面19Bに、ブリーダ穴19をあける時にドリルの先端をガイドする断面V字条の窪み部(図略)を予め形成しておいてもよい。
上記ブリーダ穴19にはエアブリーダ45(図2参照)が装着されている。
なお、エアブリーダ取付け部19Aは、インナキャリパ部12の外表面から外方に突起した状態に形成されているが、ブリーダ穴19とほぼ直交する面を有していればよく、インナキャリパ部12の外表面から窪んだ形状に形成してもよい。
前述のように、ブリッジ部14の厚さtがインナキャリパ部12の厚さに比べて薄いので、油圧連通路18を設ける場合、ブリッジ部14の強度上から、当該ブリッジ部14の厚さtの中心部寄りに形成することが望ましい。
これに対して、図2に示すように、ブリーダ穴19には、エアブリーダ45が装着されるようになっており、このエアブリーダ45を装着する場合、エアブリーダ45と、ホイール50および図示しない他の干渉物とが干渉しないように、エアブリーダ45の取り付け位置、言い換えれば、ブリーダ穴19の位置が制限される。
近年では、ディスクロータDの大型化が進んできているが、それに伴ってホイール50の大きさも大きくすることは諸条件から困難である。そのため、本実施形態では、エアブリーダ45を最適の位置に取り付けたとき、エアブリーダ45を装着するブリーダ穴19の中心線と油圧連通路18の中心線とを、僅かにずらして設けることで、上記2つの要件を満たすように構成した。
ここで、以上のようなキャリパ10において、前記ブリッジ部14が表面に表れている図1の状態で、キャリパ10の厚さの略半分に相当するブリッジ部14の対向面14Aの上方領域をキャリパ10の内周部10Aとし、この内周部10Aの反対側、つまり、ブリッジ部14の対向面14Aの裏面領域をキャリパ10の外周部10Bと定義する。
以上に説明したキャリパ10は、中子20を金型30のキャビティ31A,32A内にセットして、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる溶湯を流し込み、例えば重力鋳造法によって鋳造成形される。
まず、図9に基づいて、前記中子20の説明をする。
本実施形態で使用される中子20は、例えば、樹脂を被覆した珪砂を熱で固めて所定の形状に形成したシェル中子である。
中子20は、前記キャリパ10の窓穴11を形成する略直方体形状の本体部21を有している。この本体部21の幅方向両側には、前記インナキャリパ部12の2個のシリンダ15,15をそれぞれ形成するインナ側のシリンダ形成突起部25,25と、前記アウタキャリパ部13の2個のシリンダ15,15をそれぞれ形成するアウタ側のシリンダ形成突起部25,25とが設けられている。
第1の工程を構成する中子20には、前記キャリパ10の各シリンダ側油圧通路16,17および油圧連通路18に対応するつなぎ通路形成部22が予め設けられている。
このつなぎ通路形成部22は、中子20を、各キャリパ部12,13およびブリッジ部14の一体鋳造成形時に、当該各キャリパ部12,13およびブリッジ部14内に同時に埋設した状態に設定し、鋳造成形後に、つなぎ通路形成部22を除去することによって、前記各シリンダ側油圧通路16,17および油圧連通路18が形成されるようになっている。
前記つなぎ通路形成部22は、インナキャリパ部12およびアウタキャリパ部13の各油圧シリンダ15,15の背面側から、インナキャリパ部12およびアウタキャリパ部13に沿って、且つブリッジ部14側に向けて延設されたシリンダ側油圧通路用つなぎ部23,24と、これらの各つなぎ部23,24の先端部(後述する第2のつなぎ部23B,24Bの各先端部に同じ)に連結されるとともに、ブリッジ部14内に埋設される前記油圧連通路18を鋳造成形する油圧連通路用つなぎ部26とにより構成されている。
ここで、つなぎ通路形成部22を構成するシリンダ側油圧通路用つなぎ部23は、隣接する各油圧シリンダ形成突起部25,25の背面側に設けられるとともに当該各形成突起部25,25同士をつなぐ第1のつなぎ部23Aと、この第1のつなぎ部23Aに連通し各油圧シリンダ形成突起部25,25の背面からブリッジ部14側に向けて延設された第2のつなぎ部23Bとで構成されている。なお、対向する油圧シリンダがインナキャリパ部、アウタキャリパ部にそれぞれ1個ずつの2ポットの場合は、対応するシリンダ形成突起部25も1個ずつとなり、第1のつなぎ部23Aは存在しないことになる。
同様に、つなぎ通路形成部22を構成するシリンダ側油圧通路用つなぎ部24は、隣接する各油圧シリンダ形成突起部25,25の背面側に設けられるとともに当該各形成突起部25,25同士をつなぐ第1のつなぎ部24Aと、この第1のつなぎ部24Aに連通し各油圧シリンダ形成突起部25,25の背面からブリッジ部14側に向けて延設された第2のつなぎ部24Bとで構成されている。なお、対向する油圧シリンダがインナキャリパ部、アウタキャリパ部にそれぞれ1個ずつの2ポットの場合は、対応するシリンダ形成突起部25も1個ずつとなり、第1のつなぎ部24Aは存在しないことになる。
そして、上記第2のつなぎ部23Bと第2のつなぎ部24Bの先端同士間に、前記油圧連通路用つなぎ部26が架けわたされている。
インナキャリパ部12側に位置する第2のつなぎ部23Bと油圧連通路用つなぎ部26との接続点部Kには、当該接続点部Kにおいてキャリパ10の前記内部空間Sを形成するための接続コブ部26Aが設けられている。
この接続コブ部26Aは、油圧連通路用つなぎ部26と第2のつなぎ部23Bとの接続点部Kにおいて、油圧シリンダ形成突起部25の高さ方向側に向いて突起して設けられている。
そして、鋳造後に接続コブ部26Aの砂分が除去された後、その接続コブ部26Aにより前記内部空間S(図4,5参照)が形成され、このとき、内部空間Sは、ディスクロータDの面にほぼ平行で、且つディスクロータDの中心部側に向けて突設した状態となっており、この内部空間Sに向けて、前述したように、インナキャリパ部12の外表面からエア抜き用のブリーダ穴19があけられるようになっている(第4の工程)。
次に、図10〜図14に基づいて、前記金型30について説明する。
金型30は、図14に示すように、内周型31および外周型32からなる割り型に構成されている。そして、外周型32に前記中子20がセットされた後、その中子20を内周型31で押えた状態で金型30として使用されるようになっている。
これらの内周型31および外周型32は、耐熱性、耐摩耗性に優れた工具鋼の、例えばSKD61等で形成されている。
内周型31の中央部分には、図14に示す状態で、押湯部34の平面部から上方の部位、つまり、キャリパ10の厚さの1/2程度、例えば前記内周部10Aを構成するキャビティ31Aが形成されている。また、内周型31の中央部分において、上記キャビティ31Aに臨む部位には、外周型32に設置される前記中子20の本体部21の上面21Aと当接して押える中子押え部31Bが、外周型32側に突出して設けられている。
さらに、内周型31の中央部分において、上記キャビティ31Aに臨む部位には、ディスク溝部14Bを形成するための溝部形成突起部31Cが、中子押え部31Bの長さ方向両端の側面基部から外周型32側に突出して設けられている。
図10に示すように、内周型31の長さ方向の中央部分には、上記キャビティ31Aに繋がる湯口部33を形成する窪み部31Dが形成されている。この窪み部31Dは、キャリパ10の長さ方向の全域に近い長さ寸法で、かつ所定厚さ寸法の四角状の窪みに形成されている。
また、内周型31においてキャビティ31Aおよび窪み部31D以外の部位は、外周型32との割り型面31Eとなっている。
図11に示すように、前記外周型32には、キャリパ10の厚さの残り半分、例えば前記外周部10Bを形成するキャビティ32Aが形成されており、このキャビティ32Aと前記内周型31のキャビティ31Aとは、それぞれの外形輪郭部が一致して形成されている。
そして、上記内周型31のキャビティ31Aと外周型32のキャビティ31A内に、前記アルミニウムあるいはアルミニウム合金の溶湯を流し込むことで、前記キャリパ10の外形が形成されるようになっている。
また、外周型32の略中央部において、上記キャビティ32Aに臨む部位には、金型30の外周型32に設置される中子20の下面21B(図9,13参照)と当接して、その中子20を載置する中子載置面部32B(図11参照)が、内周型31側に突出して形成されている(第2の工程)。
さらに、外周型32の長さ方向の略中央部には、上記キャビティ32Aに繋がる湯口部33を構成する窪み部32Dが形成されている。この窪み部32Dは、内周型31の窪み部31Dに対応して形成されており、かつ内周型31の割り型面31Eと対応する外周型32の割り型面32Eから円弧状に窪んだ形状に形成されている。
そして、内周型31と外周型32とを組み立てたとき、各型31,32の窪み部31E,32Eにより、前記湯口部33が構成されるようになっている。
また、図11に示すように、外周型32のキャビティ32Aの一角部には、前記エアブリーダ取付け部19Aを形成するための取り付け形成部32Fが設けられている。この取り付け形成部32Fは、前記図3,7を参照にして説明したエアブリーダ取付け部19Aの先端面19Bがほぼ垂直面となるように形成されている。
なお、金型30を構成する内周型31のキャビティ31Aおよび外周型32のキャビティ32A内に溶湯が流し込まれてキャリパ10が形成されたとき、上記エアブリーダ取付け部19Aが形成されている方が前記インナキャリパ部12となり、湯口部33に臨む側が前記アウタキャリパ部13となるように設定される。
次に、以上に説明した金型30と中子20とを使用して本実施形態のキャリパ10を鋳造により製造するキャリパ10の製造方法を説明する。
本実施形態では、キャリパ10が、例えば重力鋳造方法によって鋳造されている。
すなわち、重力鋳造方法は、金型30の湯口部33からキャビティ31A,32Aに、前述のように、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の溶湯を流し込んで鋳造する際に、溶湯の重量(重力)を利用してキャビティ31A,32A全体に溶湯を充填させるようにする鋳造方法である。
製造手順としては、まず、図12に示すように、外周型32のキャビティ32A内の中子載置部32Bの上面に、中子20の本体部21の下面21Bを載せて位置決めして固定した後(第2の工程)、内周型31を外周型32に突き当ててお互いの位置合わせをして、金型30を組み立てる。
なお、図13は、外周型32のキャビティ32A内に中子20をセットし、内周型31を外周型32と合わせたときの、内周型31と中子20との関係を示す。
次いで、図示しない鋳造装置から、前記溶湯を、金型30の湯口部33を介して金型30のキャビティ31A,22Aに流し込んで充填させ、重力鋳造方法によって鋳造する(第3の工程)。
ここで、上記湯口部33に溶湯を流し込んで、キャリパ10を形成するとき、湯口部33に充填された溶湯が押し湯部34を構成する。
鋳造作業の終了後、所定時間が経過したら内周型31および外周型32を取り外すと、図15に示すように、鋳込まれたキャリパ10が取り出される。
その後、所定温度で熱処理する等の方法で、中子20に含まれている樹脂を溶かして中子20を崩壊させる。そして、キャリパ10が充分に冷却されたら、インナ側のシリンダ15,15、アウタ側のシリンダ15,15、シリンダ側油圧通路116,17、および油圧連通路18内に残った中子20の砂分を、エアを吹き付ける等して除去する(第4の工程)。
この際、例えばインナ側のシリンダ15,15の1つから、エアを吹き付ければ、全部のシリンダ15,15、シリンダ側油圧通路16,17、および油圧連通路18が繋がっているので、それらの内部からすべての砂分を容易に除去することができる(第4の工程)。
その後、キャリパ10から切断線Aに沿って押湯部34を切り離すことで、図1に示すような、加工処理前のキャリパ10が完成する。
次いで、キャリパ10の前記エアブリーダ取付け部19Aの先端面19Bから前記内部空間Sに向けて、所定径のドリルにより、ブリーダ穴19をあけ、このブリーダ穴19と前記油圧連通路18とを連通させる(第5の工程)。
以上のような構成のキャリパ10によれば、次のような効果が得られる。
(1)本実施形態のディスクブレーキ用キャリパの製造方法により製造されたキャリパ10によれば、インナキャリパ部12およびアウタキャリパ部13の油圧シリンダ15,15を、ブリッジ部14を介してシリンダ側油圧通路16,17で連通するとともに、これらのシリンダ側油圧通路16,17同士を連通する油圧連通路18を、中子20を使用することで、シリンダ側油圧通路16,17と同時に一体成形することができる。その結果、インナキャリパ部12およびアウタキャリパ部13に設けられたシリンダ側油圧通路16,17同士を連通させるための油圧連通路18を、鋳造後にドリルで穴加工、つまり機械加工せずにすむので、前述した加工の手間が軽減され、生産性の著しい向上を図ることができる。
(2)シリンダ側油圧通路16,17と油圧連通路18とが、鋳造時に同時に中子20により一体成形されるので、穴加工時に生じていた穴加工の位置ずれがなくなる。その結果、キャリパ10の使用時に、インナキャリパ部12およびアウタキャリパ部13の各油圧シリンダ15,15に均等に油圧が作動することになるため、安定した制動が期待でき、ブレーキパッド42の片減り等の問題が生じない。
(2)油圧連通路18がブリッジ部14の厚さtの中央寄りに設けられているので、油圧連通路18に対するブリッジ部14の肉厚の偏りを防ぐことができ、これにより、ブリッジ部14の強度を維持することができる。
(3)シリンダ側油圧通路16,17と油圧連通路18とが、中子20により一体成形されているので、鋳造後に中子20を除去し、例えば1つの油圧シリンダ15からエアを吹き付けることなどすれば、各通路16,17、13C内の中子20の砂成分も完全に、且つ容易に除去することができる。
(4)ブリーダ穴19のインナキャリパ部12の外表面側の一端部に、当該外表面から外方に突起したエアブリーダ取付け部19Aが設けられており、このエアブリーダ取付け部19Aの先端面19Bがブリーダ穴19とほぼ直交した状態に形成されている。その結果、ドリルによるブリーダ穴19の穴加工が容易となるとともに、ブリーダ穴19にエアブリーダ45を装着する作業が容易となる。
(5)油圧連通路18のインナキャリパ部12側に位置する端部とブリーダ穴19の先端との接続点部Kに、ブリーダ穴19と油圧連通路18との端部を包含するような大きな内部空間Sが形成され、この内部空間Sに向けてインナキャリパ部12の外表面からブリーダ穴19が加工される。その結果、ブリーダ穴19と油圧連通路18とのそれぞれが内部空間Sを介して連通されるので、ブリーダ穴19と油圧連通路18との連通が確実となる。
(6)ディスクロータDの大型化とホイール50との関係で、インナキャリパ部12に装着されるエアブリーダ45は、ホイール50やその他の干渉物と干渉しないような位置に設けられなければならない。一方で、油圧連通路18はブリッジ部14の厚さtの中心部に設けることが好ましい。この両方の条件を満たすことは困難であるが、本実施形態では、エアブリーダ45を装着するブリーダ穴19の中心線と、油圧連通路18の中心線とをずらすとともに、両者13C,11Dの端部同士を内部空間Sで連通するように構成したので、エアブリーダ45を最適の位置に設けることができ、また、ブリーダ穴19をブリッジ部14の強度を損なわない位置に設けることができる。
以上、前記実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、前記実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
例えば、前記実施形態では、互いに対向する2個ずつの油圧シリンダ15,15からなる4ポット対向型のキャリパ10としたが、これに限らない。2ポット、あるいは6ポット以上の対向型のキャリパにも適用することができる。
また、前記実施形態では、中子20を、図9に示すように、本体部21の幅方向両側に設けられた2個ずつのシリンダ形成部25,25から本体部21の長さ方向一端側に配置された油圧連通路用つなぎ部26を有する形状としたが、これに限らない。
中子の変形例として、例えば、図17に示すような形状の中子60を用いてもよい。この中子60は、前記実施形態の中子20が、一方のブリッジ部14に形成される油圧連通路18(図1等参照)を形成するための前記油圧連通路用つなぎ部26を設けたものであったのに対して、例えば、前記既存の例として説明した図18のようなキャリパボディ101と同じように、2箇所のブリッジ部14に油圧連通路を設ける場合に用いられるように構成されている。
すなわち、図17に示すように、1本の油圧連通路用つなぎ部26に対して、前記本体部21を挟んで対称位置に第2の油圧連通路用つなぎ部26Cが設けられている。そして、この第2の油圧連通路用つなぎ部26Cの両端部には、前記第1のつなぎ部23A,24Aに連通する第3のつなぎ部23C,24Cの各先端部が連通されている。
なお、この図17において、図9に示す各部位と同じ部位には、同一符号を付してある。
また、前記実施形態では、本体部21とシリンダ形成突起部25とが接続され一体に形成されている中子を示したが、本体部21とシリンダ形成突起部25とが一体に形成されていなくても構わない。
〔付記1〕
ディスクロータを挟んで相互に対向して配置され且つそれぞれの長さ方向両端部がブリッジ部により一体的に連結されたインナキャリパ部およびアウタキャリパ部を有するとともに、当該インナキャリパ部およびアウタキャリパ部の各対向面領域に設けられ作動時にブレーキパッドを介して前記ディスクロータをその両面から同時に押圧する押圧ピストン用の油圧シリンダを有するディスクブレーキ用キャリパであって、
前記インナキャリパ部側の前記油圧シリンダと前記アウタキャリパ部側の前記油圧シリンダとを、それぞれの背面側に設けられたシリンダ側油圧通路と前記ブリッジ部内に設けられた油圧連通路で連通するとともに、
前記各シリンダ側油圧通路と前記油圧連通路とは、前記インナキャリパ部、アウタキャリパ部およびブリッジ部の鋳造成形時に使用する中子に前記各シリンダ側油圧通路および油圧連通路に対応するつなぎ通路形成部を予め設けることにより、前記各キャリパ部およびブリッジ部の一体鋳造成形時に前記各キャリパ部およびブリッジ部内に同時に埋設した状態に設定されたものであることを特徴とするディスクブレーキ用キャリパ。
〔付記2〕
付記1に記載したディスクブレーキ用キャリパにおいて、
前記中子の一部を成す前記つなぎ通路形成部は、
前記インナキャリパ部およびアウタキャリパ部の前記各油圧シリンダの背面側から前記インナキャリパ部およびアウタキャリパ部に沿って且つ前記ブリッジ部側に向けて延設されたシリンダ側油圧通路用つなぎ部と、これらの各つなぎ部の先端部に連結され前記ブリッジ部内に埋設される油圧連通路を鋳造成形する油圧連通路用つなぎ部とにより構成されていることを特徴とするディスクブレーキ用キャリパ。
〔付記3〕
付記1又は2に記載したディスクブレーキ用キャリパにおいて、
前記インナキャリパ部およびアウタキャリパ部の前記油圧シリンダをそれぞれ複数設け、
前記つなぎ通路形成部を、隣接する前記各油圧シリンダの背面側に設けられるとともに当該各油圧シリンダ同士をつなぐ第1のつなぎ部と、この第1のつなぎ部に連通し前記油圧シリンダの背面から前記ブリッジ部に向けて延設された第2のつなぎ部と、これらの第1、第2のつなぎ部の先端同士間に架けわたされた前記油圧連通路とで構成したことを特徴とするディスクブレーキ用キャリパ。
〔付記4〕
付記1〜3のいずれか1項に記載したディスクブレーキ用キャリパにおいて、
前記インナキャリパ部側に位置する前記シリンダ側油圧通路用つなぎ部と前記通路形成部との接続点部に当該接続点部の内部空間を広げるための接続コブ部を設けるとともに、この接続コブ部を、前記通路形成部から前記ディスクロータの面に平行で且つディスクロータの中心部側に向けて突設した状態で設け、
この接続コブ部により形成される鋳造後の前記内部空間に向けて、前記インナキャリパ部の外表面からエア抜き用のブリーダ穴を形成したことを特徴とするディスクブレーキ用キャリパ。
〔付記5〕
付記4に記載したディスクブレーキ用キャリパにおいて、
前記インナキャリパ部の外表面の一部に前記ブリーダ穴に装着するエアブリーダ取付け用のエアブリーダ取付け部を設けるとともに、このエアブリーダ取付け部の端面を前記ブリーダ穴に対してほぼ直交となるように形成したことを特徴するディスクブレーキ用キャリパ。
本発明は、自動車の制動を行うために用いられているディスクブレーキに利用することができる。
10 ディスクブレーキ用キャリパ
12 インナキャリパ部
13 アウタキャリパ部
14 ブリッジ部
14A 対向面
14B ディスク溝
15 油圧シリンダ
16 シリンダ側油圧通路
16A 第1の通路
16B 第2の通路
17 シリンダ側油圧通路
17A 第1の通路
17B 第2の通路
18 油圧連通路
19 ブリーダ穴
20 中子
22 つなぎ通路形成部
23 シリンダ側油圧通路用つなぎ部
23A 第1のつなぎ部
23B 第2のつなぎ部
24 シリンダ側油圧通路用つなぎ部
24A 第1のつなぎ部
24B 第2のつなぎ部
25 シリンダ形成突起部
26 油圧連通路用つなぎ部
30 金型
31 内周型
32 外周型
33 湯口部
34 押し湯部
40 ディスクブレーキ
S 内部空間
K 接続点部

Claims (3)

  1. ディスクロータを挟んで相互に対向して配置され且つそれぞれの長さ方向両端部がブリッジ部により一体的に連結されたインナキャリパ部およびアウタキャリパ部と、当該インナキャリパ部およびアウタキャリパ部の各対向面領域に設けられ作動時にブレーキパッドを介して前記ディスクロータをその両面から同時に押圧する押圧ピストン用の油圧シリンダと、前記インナキャリパ部側の前記油圧シリンダおよび前記アウタキャリパ部側の前記各油圧シリンダの背面側にそれぞれ設けられたシリンダ側油圧通路と、前記ブリッジ部内に設けられると共に前記インナキャリパ部側のシリンダ側油圧通路と前記アウタキャリパ部側のシリンダ側油圧通路とを連通する油圧連通路と、を形成して成るディスクブレーキ用キャリパの製造方法であって、
    前記シリンダ側油圧通路用つなぎ部および油圧連通路用つなぎ部のそれぞれを有する、崩壊性材料でなる中子を作成する第1の工程と、
    前記中子を、金型の中子支持面に設置する第2の工程と、
    前記金型のキャビティに溶湯を充填して前記インナキャリパ部、前記アウタキャリパ部、および前記ブリッジ部を成形する第3の工程と、
    前記溶湯の凝固後に前記中子を崩壊させて、前記各シリンダ側油圧通路、および前記油圧連通路を得る第4の工程と、
    前記油圧連通路に向かって前記インナキャリパ部の外表面からブリーダ取付け部を有するブリーダ穴を形成する第5の工程と、を備えていることを特徴とするディスクブレーキ用キャリパの製造方法。
  2. 請求項1に記載したディスクブレーキ用キャリパの製造方法において、
    前記第1の工程では、前記インナキャリパ部および前記アウタキャリパ部の前記油圧シリンダ形成突起部をそれぞれ複数設ける工程と、前記油圧シリンダ形成突起部同士を接続するつなぎ通路形成部を設ける工程が含まれていることを特徴とするディスクブレーキ用キャリパの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載したディスクブレーキ用キャリパの製造方法において、
    前記第1の工程では、前記インナキャリパ部側の前記シリンダ側油圧通路用つなぎ部と前記油圧連通路用つなぎ部との接続点部に、前記接続点部を包含すると共に当該接続点部から突出する接続コブ部を設ける工程が含まれていることを特徴とするディスクブレーキ用キャリパの製造方法。
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