JP6280775B2 - オープンラック型気化装置の散水機構 - Google Patents

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Description

本発明は、液化天然ガス(以下、LNGという)、その他の低温液化ガスの気化に使用されるオープンラック型気化装置の散水機構に関し、特にトラフにおける偏流抑制を図るものに関する。
オープンラック型気化装置は、多数の伝熱管がパネル状に配列された熱交換パネルの側面を外側から海水などの熱媒体により加熱して、伝熱管内を通過する低温の液化ガスを気化する熱交換器の一種であり、従来からLNGの気化に多用されている。入手性がよく、熱媒体として広く利用される海水は、熱交換パネルの上部両側に設けられたトラフから熱交換パネルの両側面に供給される。オープンラック型気化装置は、多数本の伝熱管をパネル状に連結して構成された垂直な熱交換パネルが、所定間隔で多数並列配置されている。各トラフは両端部が閉塞された長尺の箱であり、トラフに接続された供給管からトラフ内に海水が供給される。
LNGは下部ヘッダーから熱交換パネル内に流入し、海水は両側のトラフ内に供給され、トラフの両側に溢れ出することにより、熱交換パネルの側面に液膜を形成しつつ下方へ流下し、その両面を加熱する。これにより、熱交換パネル内を上昇するLNGが、その上昇過程で気化し、上部ヘッダーから天然ガス(NG)として取り出される。
このようなオープンラック型気化装置では、熱交換パネルを横幅方向で均一に加熱するため、トラフから両側への溢れ出る海水の量をトラフ長手方向で均一に管理することが必要である。一方、近年の天然ガス需要の高まりとオープンラック型気化装置の設置スペースの制約とにより、オープンラック型気化装置1基当たりのガス発生量は増加傾向となり、低温の液化ガスを完全に気化させるだけの熱交換量を確保するためには海水の量も増やす必要がある。このため、トラフ内へ大量に供給された海水は、激しい乱れを伴いながら長手方向に流動拡散し、トラフの両側へ溢れ出る。その結果、トラフから溢れ出る海水にトラフ長手方向の流動成分が多く残り、溢れ出る海水の量のトラフ長手方向の不均一が避けられない。
このようなトラフ長手方向における溢れ出る海水の量の不均一は偏流と呼ばれ、オープンラック型気化装置における大きな問題の1つとされている。偏流が顕著であると、局部的に溢れ出る海水の量の少ないところが発生し、ここで熱交換量が不足し、低温の液化ガスを完全に気化できないままガスを供給してしまうことになる。
オープンラック型気化装置における偏流の問題を解決するために様々な対策が考えられているが、その1つとして、トラフの両側壁の内側に仕切壁を設けることは、以前より実施されている。仕切壁はトラフの両側壁よりも高く、トラフの中央部底板に開口する噴出口の外側に、その底板との間に隙間をあけて設置されている。噴出口からトラフ内へ供給された海水は、一旦、仕切壁間で流れの乱れが抑制され、しかる後に仕切壁とトラフ底板との隙間を通って、仕切壁と両側壁との間に下から流入し、この間を上昇して両側壁の外側へ溢れ出る。
仕切壁間への一時的な滞留や流路長の増大、流動抵抗の増大により、トラフの両側の側壁の最上部のトラフエッジから海水が溢れ出る頃にはトラフ長手方向の流動成分は小さくなり、偏流は抑制される。しかしながら、長手方向の流動成分が完全になくなるわけではなく、その結果、海水はトラフエッジ上で様々な方向の長手方向の流動成分を残しながら、熱交換パネルの表面に供給される。そして、トラフエッジ上で流れが集合する箇所では溢れ出る海水の量が増加傾向となり、反対に流れが拡散する箇所では溢れ出る海水の量が減少傾向となり、結果として、偏流の問題は残ることになる。
一方で、トラフの仕切壁からトラフの底板までの隙間を小さくし、流動抵抗を大きくすることにより、長手方向の流動成分は減少し、偏流は効果的に抑制される。しかし、熱媒体として海水が一般に使用されるため、これらの隙間を小さくすると、貝類などの海中生息物の付着による流通障害が問題になる。
そこで、特許文献1のように、パネル側に配置されたトラフ側壁の内側に、外側仕切壁をトラフの底板との間に隙間をあけると共にトラフ長手方向の一部にわたって設け、外側仕切壁の更に内側に、内側仕切壁をトラフの底板に接すると共にトラフ長手方向の一部にわたって設けるものが知られている。
特開2010−38363号公報
しかしながら、特許文献1のようなオープンラック型気化装置の散水機構では、たとえ最も噴出口側に内側仕切壁と外側仕切壁との間を閉止する閉止板が設けられていても、依然としてトラフ長手方向へ流れようとする、勢いのある海水が、閉止板や内側仕切壁を乗り越えて内側仕切壁と外側仕切壁との間に入り込んで偏流を生じさせる。このため、海水の偏流に対し、更なる改善の余地がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トラフ内での偏流を防いでできるだけ少ない熱媒体で効率よく気化を行えるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、二重仕切壁内に偏流防止堰を設けた。
具体的には、第1の発明では、複数の伝熱管がパネル状に配列された熱交換パネルの上部側面に配設されたトラフから熱媒体を上記熱交換パネルの側面に沿って流下させることにより、
上記伝熱管内を通過する液化ガスを気化させるオープンラック型気化装置の散水機構を対象とする。
そして、上記散水機構は、
上記熱交換パネル側に配置されたトラフ側壁の内側に、該トラフ側壁よりも高く、該トラフ側壁との間及び上記トラフの底板との間に隙間をあけた状態で該トラフ長手方向の全部又は一部にわたって設けられた外側仕切壁と、
上記外側仕切壁の更に内側に、上記外側仕切壁よりも低く、上記外側仕切壁との間に隙間をあけると共に上記トラフの底板に接した状態でトラフ長手方向の全部又は一部にわたって設けられた内側仕切壁とを備え、
トラフ長手方向の全域又は一部域に上記外側仕切壁及び上記内側仕切壁の両方が存在することで二重仕切壁が形成されており、
上記二重仕切壁内の長手方向には、該二重仕切壁内を流通する熱媒体が長手方向に流れるのを堰き止める偏流防止堰が設けられている。
上記の構成によると、外側仕切壁及び内側仕切壁は、トラフ長手方向の全域又は一部に設けられ、外側仕切壁及び内側仕切壁の両方が設けられた箇所では、トラフ内に導入された熱媒体が、内側仕切壁上を超えて内側仕切壁と外側仕切壁との間に流入する。そして、熱媒体は、両者間を流下した後、外側仕切壁の下の隙間から外側仕切壁とトラフ側壁との間に流入し、ここを上昇してトラフの外側(熱交換パネル側)に溢出し、熱交換パネルの表面に沿って流下する。
内側仕切壁の内側では、トラフ内に導入された熱媒体の乱れた流れがトラフ長手方向へと整流される。内側仕切壁と外側仕切壁との間、及び外側仕切壁とトラフ側壁との間を経由することにより、熱媒体噴出口からトラフエッジまでの流路長が増大する。二重仕切壁内では、トラフ長手方向へ流れようとする熱媒体の勢いが、偏流防止堰によって堰き止められて弱められる。そして、二重仕切壁内では、熱媒体が流下するため、鉛直方向の強い流れが形成される。これらにより、トラフ長手方向の流動成分は弱まり、偏流が抑制され、トラフ長手方向全体にわたって溢れ出る熱媒体の量の均一化が図られる。なお、トラフの熱媒体噴出口は、通常はトラフの底板における外側仕切壁の内側、又は内側仕切壁の内側に設けられる。トラフの天板や端板に設けられることもあるが、周辺に障害物がなければ、トラフの底板に設けられるのが一般的である。ここで、「二重仕切壁内」とは、内側仕切壁とトラフ側壁との間の外側仕切壁でトラフの幅方向に2つに分割された領域をいい、この領域においては、トラフ長手方向へ流れようとする熱媒体の勢いがより大きい内側仕切壁と外側仕切壁との間に偏流防止堰を設けるのが効果的であるが、外側仕切壁とトラフ側壁との間にも堰を設けてもよい。しかし、この場合、熱媒体の勢いが弱くなりすぎると、熱媒体が海水であれば、貝などの付着物が付ききやすくなる。また、偏流防止堰の高さについては、トラフ底板まで完全に延びている必要はない。
第2の発明では、第1の発明において、
対向する一対の上記内側仕切壁の間は、両者間を流通する熱媒体が上記トラフの長手方向の全体に流れるようになっている。
上記の構成によると、一対の内側仕切壁間は、偏流防止堰のような流れを阻害する堰を設けず、熱媒体が長手方向に自由に流れる。このため、トラフの長手方向全体に海水が行き渡る。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記偏流防止堰の高さは、上記内側仕切壁の上端以上で、上記外側仕切壁よりも低い。
上記の構成によると、偏流防止堰の高さを内側仕切壁の上端以上にすることで、確実に長手方向へ流れようとする熱媒体の勢いを弱めることができる。外側仕切壁よりも低くすることで、必要以上に偏流防止堰の高さが高くなるのを防いで質量を軽くすることができる。
第4の発明では、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、
上記偏流防止堰は、少なくとも上記内側仕切壁の上端から上記トラフの底板まで延びて熱媒体が長手方向に流れるのを堰き止めるように構成されている。
上記の構成によると、トラフの底板まで偏流防止堰を設けることにより、外側仕切壁と内側仕切壁との間における、トラフ長手方向への偏流が確実に防止されると共に、外側仕切壁及び内側仕切壁を底板まで連結することで、箱形構造となって強度及び剛性が向上する。
第5の発明では、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、
上記偏流防止堰は、上記二重仕切壁内における長手方向の位置を変更可能に構成されている。
上記の構成によると、熱媒体の流量等の条件により、最適な偏流防止堰の位置が異なるが、適宜その位置を変更可能にすることで、偏流防止効果が更に向上する。
第6の発明では、第5の発明において、
上記偏流防止堰は、上記二重仕切壁内の長手方向に延びる棒状部材に対し、任意の位置で固定可能となっている。
上記の構成によると、ボルトなどの棒状部材の任意の位置で偏流防止堰の位置を容易に変更することができる。
第7の発明では、第5の発明において、
上記二重仕切壁内には、一対の偏流防止堰が長手方向に所定の間隔をあけて取り付けられたユニットが脱着可能に配置されている。
上記の構成によると、取付け及び取外しが容易でメンテナンスが容易であると共に、偏流防止堰の位置変更も容易である。
以上説明したように、本発明のオープンラック型気化装置の散水機構によれば、二重仕切壁内の長手方向に、二重仕切壁内を流通する熱媒体が長手方向に流れるのを堰き止める偏流防止堰を設けたことにより、トラフ内での偏流を防いでできるだけ少ない熱媒体で効率よく気化を行うことができる。
本発明の実施形態に係るオープンラック型気化装置のトラフの概要を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のIb−Ib線断面図である。 オープンラック型気化装置の概要を示す斜視図である。 熱交換パネルの側面に海水を供給する様子を説明する図であり、(a)が側面図で、(b)は、(a)のIIIb−IIIb線断面図である。 熱交換パネルの側面に海水を供給する様子を一部破断して示す拡大斜視図である。 トラフエッジから海水が溢れ出る様子を示す斜視図である。 図1(a)中のVI−VI線拡大断面図である。 外側仕切壁を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のVIIb−VIIb線断面図である。 実施形態の変形例1に係るトラフの概要を示す斜視図である。 実施形態の変形例2に係るトラフの概要を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1〜図9は、全て概念図であり、各部品等の縮尺は正確ではない。
本発明の実施形態に係るオープンラック型気化装置50の一般的な構造を図2〜図4に示す。垂直な熱交換パネル1は、多数本の伝熱管2をパネル状に連結して構成されている。個々の伝熱管2は、熱交換効率を高めるためにフィン付き管とされている。熱交換パネル1の最下部は、水平な下部ヘッダー3と接続されており、最上部は水平な上部ヘッダー4と接続されている。
このような熱交換パネル1は所定間隔で多数並列配置されている。各熱交換パネル1の上部両側には、熱交換パネル1の両面に熱媒体を供給するために断面矩形の樋状のトラフ5が配置されている。各トラフ5は、両端部が閉塞された長尺の箱であり、トラフ5に接続された供給管6からトラフ5内に海水等の熱媒体が供給されるようになっている。
LNGは、下部ヘッダー3から熱交換パネル1内に流入する。一方、熱媒体である海水は、両側のトラフ5内に供給され、トラフ5の両側に溢れ出することにより、熱交換パネル1の両面に液膜を形成しつつ下方へ流下し、その両面を加熱する。これにより、熱交換パネル1内を上昇するLNGが、その上昇過程で気化し、上部ヘッダー4から天然ガス(NG)として取り出されるようになっている。なお、本実施形態では、熱媒体は、入手性のよい海水としているが、それに限定されず、工業用水、淡水等でもよい。また、熱交換パネル1の両側から熱媒体を供給するのが理想であるが、場合によっては、いずれか一方の側面にのみ熱媒体を供給するようにしてもよい。
本実施形態のオープンラック型気化装置50に使用されるトラフ5は、図1、図5及び図6に示すように、熱交換パネル1の横幅方向全長にわたって設けられる、断面矩形状の樋状のトラフ本体10と、トラフ本体10の両側の側壁11の内側に所定の隙間をあけて設けられた一対の外側仕切壁20と、外側仕切壁20の更に内側に隙間をあけて設けられた一対の内側仕切壁30とを備えている。
トラフ本体10は、長手方向両端にその両端を閉じる端板12を有し、底板13の長手方向中央部に、熱媒体である海水を導入するための噴出口14を有している。噴出口14は、一対の外側仕切壁20間の距離よりも若干小さい円形の開口部である。側壁11の上端部は外側へ向かって下降傾斜したトラフエッジ15を構成している。なお、本実施形態では、図4及び図5に示すように、噴出口14の上方に天板16や複数のリング17が設けられ、噴出口14から吹き出す海水の勢いを弱め、トラフ長手方向へ向かわせるようにしている。
一対の外側仕切壁20は、トラフ本体10の側壁11に平行な垂直板であり、底板13の噴出口14の外側にトラフ本体10の全長にわたって設けられている。図6に示すように、各外側仕切壁20は、トラフ本体10の側壁11よりも十分に高く、底板13との間に所定の隙間を形成している。この外側仕切壁20は、例えば、トラフ長手方向において分割された複数の可動仕切板21からなる。個々の可動仕切板21は、図7に示すように、両側の支柱22の対向面に設けられた縦溝23に上方から挿入されることにより支持されており、可動仕切板21の下方に位置して縦溝23に挿入されるスペーサー24の高さにより、底板13との間の隙間の大きさが可動仕切板21毎に調節可能となっている。
そして、この隙間の大きさは、ここでは側壁11との間隔と共に、例えば50mm以上に設定されると共に、トラフ本体10の長手方向中央部より両端部で大きくなっている。なお、スペーサー24は、ここでは可動仕切板21から分離しているが、可動仕切板21に一体化されていてもよい。
一対の内側仕切壁30は、外側仕切壁20に平行な垂直板であり、底板13の噴出口14との干渉を回避するために、噴出口14の近傍(トラフ本体10の長手方向中央部)を除く領域に分かれて設けられている。各内側仕切壁30は、トラフ本体10の底板13に接しており、図6に示すように、上端の高さは外側の外側仕切壁20よりも低く、ここではトラフ本体10の側壁11よりも更に低く設定されている。この内側仕切壁30は、外側仕切壁20との間に所定の間隔をあけ、例えば、外側仕切壁20にボルト31等の固定構造により脱着可能に取り付けられている。内側仕切壁30の交換により、その高さは任意に調整されるようになっている。外側仕切壁20との間隔は、外側仕切壁20から側壁11までの距離や底板13までの距離と同様に例えば50mm以上に設定されている。このように、噴出口14の近傍を除くトラフ長手方向のほぼ全体に外側仕切壁20及び内側仕切壁30の両方が存在することで二重仕切壁42で区切られた空間が形成されている。
図1(a)に示すように、内側仕切壁30の端板12側の端部は、端板12に接している。内側仕切壁30の中央部側では、外側仕切壁20と内側仕切壁30との隙間が閉止板40により閉止されている。この閉止により、外側仕切壁20及び内側仕切壁30を補強すると共に、両者間の隙間への、海水がトラフ長手方向から直接流入するのを阻止している。
そして、本発明の特徴として、外側仕切壁20と内側仕切壁30との間の空間の長手方向には、この空間内を流通する海水が長手方向に流れるのを堰き止める偏流防止堰41が設けられている。偏流防止堰41の高さは、内側仕切壁30の上端以上であり、かつ外側仕切壁20よりも低くなっている。偏流防止堰41は、内側仕切壁30の上端からトラフ5の底板13まで延びて海水が長手方向に流れるのを堰き止めるように構成されている。
次いで、本実施形態のオープンラック型気化装置50の散水機構の作用について説明する。
まず、図4に示すように、ポンプ等を駆動することで、海水を所定の供給量で供給管6へ供給することにより、トラフ5において、トラフ本体10の底板13の中央部に設けられた噴出口14から、海水が激しい乱流を伴いながらトラフ本体10内に流入する。トラフ本体10内に流入した海水は激しい乱流を伴いながら、一部が天板16、リング17等にぶつかって長手方向両側に広がり、トラフ本体10内を満たす。
トラフ本体10内の中央部においては、海水は長手方向両側に広がりつつ、一対の外側仕切壁20間に直接流入し、トラフ本体10の底板13との隙間を通ってトラフ本体10の側壁11と外側仕切壁20との間に下から流入し、この間を上昇しトラフエッジ15に導かれてトラフ本体10の外側に溢れ出る。外側仕切壁20間に一旦流入すること、トラフ本体10の側壁11と外側仕切壁20との間を経由することにより、海水の流れの長手方向成分が減少する。
図1(a)に示すように、本実施形態では、内側仕切壁30と外側仕切壁20との間の最も噴出口14寄りは、閉止板40により閉止されている。このため、噴出口14から勢いよく流れてきた海水は、閉止板40によって内側仕切壁30と外側仕切壁20との間にトラフ長手方向に入り込みにくいが、供給量によっては、ある程度の海水が閉止板40を乗り越えて内側仕切壁30と外側仕切壁20との間に入り込む。
トラフ本体10内の中央部を除く部分においては、海水は長手方向両側に広がりつつ、一対の内側仕切壁30間に一旦流入し、その後、内側仕切壁30間から溢れ出て外側仕切壁20と内側仕切壁30との間に流入し、この間を重力も加わって流下する。このとき、閉止板40を超えてトラフ長手方向に流れ込んできた海水や内側仕切壁30を斜めに乗り越えてきた海水により、外側仕切壁20と内側仕切壁30との間の海水をトラフ長手方向に流そうとする。しかし、本実施形態では、偏流防止堰41が設けられているので、海水の更なるトラフ長手方向への流れが堰き止められる。
内側仕切壁30を乗り越えて流下してきた海水は、中央部と同様に、外側仕切壁20とトラフ本体10の底板13との隙間を通って外側仕切壁20とトラフ本体10の側壁11との間に下から流入し、この間を上昇し、トラフエッジ15に導かれてトラフ本体10の外側に溢れ出る。
一対の内側仕切壁30間では、長手方向に向かう流れを阻害する堰は設けられておらず、海水の乱れた流れがトラフ長手方向へ整流される。内側仕切壁30と外側仕切壁20との間、及び外側仕切壁20とトラフ本体10の側壁11との間を経由することにより、海水噴出口14からトラフエッジ15までの流路長が増大する。
内側仕切壁30と外側仕切壁20との間では、偏流防止堰41により長手方向への流れが堰き止められながら海水が流下するため、鉛直方向の強い流れが形成される。これらにより、トラフ本体10内の中央部を除く部分においては、海水のトラフ長手方向の流れは弱まり、トラフエッジ15では、その流れはほとんどがトラフ長手方向に直角な流動成分となる。
このように、偏流防止堰41によって外側仕切壁20と内側仕切壁30との間のトラフ長手方向の流動成分は弱まり、偏流が抑制され、トラフ長手方向全体にわたって溢れ出る海水の量の均一化が図られる。
また、一対の内側仕切壁30間は、偏流防止堰41のような堰を設けず、海水が長手方向に自由に流れるようにしたので、トラフ5の長手方向全体に海水が行き渡るようにすることができる。
また、偏流防止堰41の高さを内側仕切壁30の上端以上にすることで、確実に長手方向へ流れようとする海水の勢いを弱めることができ、外側仕切壁20よりも低くすることで、必要以上に偏流防止堰41の高さが高くなるのを防いで質量を軽くすることができる。
また、偏流防止堰41を少なくとも内側仕切壁30の上端からトラフ5の底板13まで延びて海水が長手方向に流れるのを堰き止めるように構成したので、外側仕切壁20と内側仕切壁30との間における、トラフ長手方向への偏流が確実に防止されると共に、外側仕切壁20及び内側仕切壁30を連結することで、強度及び剛性を向上させることができる。
したがって、本実施形態に係るオープンラック型気化装置50の散水機構によると、外側仕切壁20と内側仕切壁30との間の長手方向に、両者間を流通する海水が長手方向に流れるのを堰き止める偏流防止堰41を設けたことにより、トラフ5内での偏流を防いでできるだけ少ない海水で効率よく気化を行うことができる。
−変形例1−
図8は本発明の実施形態の変形例1を示し、偏流防止堰141の構成が異なる点で上記実施形態と異なる。なお、以下の各変形例では、図1〜図7と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
本変形例の偏流防止堰141は、外側仕切壁20と内側仕切壁30との間における長手方向の位置を変更可能に構成されている。
すなわち、海水を送り込むポンプの状態、海水の流量、季節等の条件により、最適な偏流防止堰141の位置が微妙に異なることがわかっている。このため、適宜その位置を変更可能にすることで、偏流防止効果を更に向上させることができる。
本変形例では、外側仕切壁20と内側仕切壁30との間の長手方向に延びる棒状部材としてのボルト142に対し、板状の偏流防止堰141をナット等により、任意の位置で固定可能となっている。本変形例では、閉止板40を省略し、最も噴出口14に近い偏流防止堰141を閉止板40の兼用とすることで、最適な位置の偏流防止堰141の位置を極めて容易に達成することができる。棒状部材は、ボルトだけでなく、単なる丸棒など棒状の部材であればよい。棒状部材の形状に合わせて留め具を用いて偏流防止堰141を任意の位置で固定できるようにすればよい。
なお、海水の供給量やトラフ本体10の大きさによっては、閉止板40を設けずに、噴出口14から最も近い偏流防止堰141の位置を上記実施形態で閉止板40があった位置よりも遠ざける方が、偏流防止効果が大きくなることがわかっている。
上記実施形態と同様に、偏流防止堰141を外側仕切壁20と側壁11との間にも設けてもよい。
−変形例2−
図9は本発明の実施形態の変形例2を示し、偏流防止堰241の構成が異なる点で上記実施形態と異なる。
本変形例では、外側仕切壁20と内側仕切壁30との間に一対の偏流防止堰241が長手方向に所定の間隔をあけて内側仕切壁30に平行な側板242によって取り付けられたユニットが脱着可能に配置されている。
このようにユニット単位で脱着可能とすると、取付け及び取外しが容易でメンテナンスが容易であると共に、偏流防止堰241の位置変更も容易である。
本変形例でも、偏流防止堰241をユニット単位で抜き差しすることで、任意の位置で偏流防止堰241を固定可能となっている。本変形例でも、閉止板40を省略し、最も噴出口14に近い偏流防止堰241を閉止板40の兼用とすることで、最適な位置の偏流防止堰241の位置を極めて容易に達成することができる。また、上記実施形態と同様に、偏流防止堰241を外側仕切壁20と側壁11との間にも設けてもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、外側仕切壁20及び内側仕切壁30による二重仕切壁42構造が、中央の噴出口14の近傍では、途切れるように構成しているが、二重仕切壁42構造が、長手方向全体に連続するように設けてもよい。この場合、噴出口14は、一対の内側仕切壁30間の底板13に設けられる。そして、噴出口14の近傍で内側仕切壁30から大量の海水が流れ込まないような構造とすればよい。
また、上記実施形態では、トラフ長手方向へ流れようとする海水の勢いがある内側仕切壁30と外側仕切壁20との間に偏流防止堰41,141,241を設けたが、外側仕切壁20とトラフ5の側壁11との間にも堰を設けてもよい。しかし、この場合、海水の勢いが弱くなりすぎると、貝などの付着物が付ききやすくなる。また、偏流防止堰41,141,241の高さについては、トラフ5の底板13まで完全に延びている必要はなく、一部底板13側が開口してもよい。但し、このような開口を設けない方が、海水の長手方向の流れを防ぐ効果が大きい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 熱交換パネル
2 伝熱管
3 下部ヘッダー
4 上部ヘッダー
5 トラフ
6 供給管
10 トラフ本体
11 側壁
12 端板
13 底板
14 噴出口
15 トラフエッジ
16 天板
20 外側仕切壁
21 可動仕切板
22 支柱
23 縦溝
24 スペーサー
30 内側仕切壁
31 ボルト
40 閉止板
41 偏流防止堰
42 二重仕切壁
50 オープンラック型気化装置
141 偏流防止堰
142 ボルト(棒状部材)
241 偏流防止堰
242 側板

Claims (7)

  1. 複数の伝熱管がパネル状に配列された熱交換パネルの上部側面に配設されたトラフから熱媒体を上記熱交換パネルの側面に沿って流下させることにより、
    上記伝熱管内を通過する液化ガスを気化させるオープンラック型気化装置の散水機構であって、
    上記熱交換パネル側に配置されたトラフ側壁の内側に、該トラフ側壁よりも高く、該トラフ側壁との間及び上記トラフの底板との間に隙間をあけた状態で該トラフ長手方向の全部又は一部にわたって設けられた外側仕切壁と、
    上記外側仕切壁の更に内側に、上記外側仕切壁よりも低く、上記外側仕切壁との間に隙間をあけると共に上記トラフの底板に接した状態でトラフ長手方向の全部又は一部にわたって設けられた内側仕切壁とを備え、
    トラフ長手方向の全域又は一部域に上記外側仕切壁及び上記内側仕切壁の両方が存在することで二重仕切壁が形成されており、
    上記二重仕切壁内の長手方向には、該二重仕切壁内を流通する熱媒体が長手方向に流れるのを堰き止める偏流防止堰が設けられている
    ことを特徴とするオープンラック型気化装置の散水機構。
  2. 請求項1に記載のオープンラック型気化装置の散水機構において、
    対向する一対の上記内側仕切壁の間は、両者間を流通する熱媒体が上記トラフの長手方向の全体に流れるようになっている
    ことを特徴とするオープンラック型気化装置の散水機構。
  3. 請求項1又は2に記載のオープンラック型気化装置の散水機構において、
    上記偏流防止堰の高さは、上記内側仕切壁の上端以上で、上記外側仕切壁よりも低い
    ことを特徴とするオープンラック型気化装置の散水機構。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載のオープンラック型気化装置の散水機構において、
    上記偏流防止堰は、少なくとも上記内側仕切壁の上端から上記トラフの底板まで延びて熱媒体が長手方向に流れるのを堰き止めるように構成されている
    ことを特徴とするオープンラック型気化装置の散水機構。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載のオープンラック型気化装置の散水機構において、
    上記偏流防止堰は、上記二重仕切壁内における長手方向の位置を変更可能に構成されている
    ことを特徴とするオープンラック型気化装置の散水機構。
  6. 請求項5に記載のオープンラック型気化装置の散水機構において、
    上記偏流防止堰は、上記二重仕切壁内の長手方向に延びる棒状部材に対し、任意の位置で固定可能となっている
    ことを特徴とするオープンラック型気化装置の散水機構。
  7. 請求項5に記載のオープンラック型気化装置の散水機構において、
    上記二重仕切壁内には、一対の偏流防止堰が長手方向に所定の間隔をあけて取り付けられたユニットが脱着可能に配置されている
    ことを特徴とするオープンラック型気化装置の散水機構。
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