JP6280701B2 - 液晶表示装置、液晶表示装置の製造方法及び配向膜の材料 - Google Patents

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本発明は、液晶表示装置に係り、特に残像を抑制することが出来る配向膜の構成および配向膜の検査方法に関する。
液晶表示装置は表示品質が高く、且つ薄型、軽量、低消費電力などといった特長からその用途を広げており、携帯電話用モニター、デジタルスチルカメラ用モニターなどの携帯向けモニターからデスクトップパソコン用モニター、印刷やデザイン向けモニター、医療用モニターさらには液晶テレビなど様々な用途に用いられている。この用途拡大に伴い、液晶表示装置には更なる高画質化、高品質化が求められており、特に高透過率化による高輝度化、低消費電力化が強く求められている。また液晶表示装置の普及に伴い、低コスト化に対しても強い要求がある。
通常、液晶表示装置の表示は一対の基板間に挟まれた液晶層の液晶分子に電界を印加することにより液晶分子の配向方向を変化させ、それにより生じた液晶層の光学特性の変化により行われる。電界無印加時の液晶分子の配向方向は、ポリイミド薄膜の表面にラビング処理を施した配向膜により規定されている。従来、画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチング素子を備えたアクティブ駆動型液晶表示装置は、液晶層を挟持する一対の基板のそれぞれに電極を設け、液晶層に印加する電界の方向が基板面に対してほぼ垂直になる、所謂縦電界になるように設定され、液晶層を構成する液晶分子の光旋光性を利用して表示を行う。縦電界方式の代表的な液晶表示装置として、ツイステッドネマチック(TN:Twisted Nematic)方式や垂直配向(VA:Vertical Alignment)方式が知られている。
TN方式やVA方式の液晶表示装置においては視野角が狭いことが大きな課題の一つである。そこで、広視野角化を達成する表示方式としてIPS(In−Plane Switching)方式やFFS(Fringe−Field Switching)方式が知られている。IPS方式およびFFS方式は、一対の基板の一方に櫛歯状の電極を形成し、発生する電界が当該基板面にほぼ平行な成分を有する、所謂横電界方式の表示方式であり、液晶層を構成する液晶分子を基板とほぼ平行な面内で回転動作させ、液晶層の複屈折性を用いて表示を行う。液晶分子の面内スイッチングにより従来のTN方式に比べて視野角が広く低負荷容量である等の利点があり、TN方式に代わる新たな液晶表示装置として有望視され、近年急速に進歩している。
液晶表示素子は、液晶層中の液晶分子の配向状態を電場の有無によって制御する。すなわち、液晶層の外部に設けられた上下の偏光板を完全直交状態にして、中間の液晶分子の配向状態により位相差を発生させて明暗の状態を形成する。液晶に電場を印加しない状態の配向状態を制御するためには、基板表面に配向膜と呼ばれる高分子薄膜を形成し、その高分子の配列方向に界面での高分子鎖と液晶分子とのファンデルワールス力による分子間相互作用によって、液晶分子を並べることによって実現している。この作用は配向規制力または液晶配向能の付与、配向処理とも呼ばれる。
液晶ディスプレイの配向膜にはポリイミドが用いられることが多い。その形成方法は、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を各種溶媒に溶かして、基板上にスピン塗布または印刷によって塗布し、基板を200℃以上の高温で加熱することで、溶媒を除去すると共に、ポリアミド酸をポリイミドにイミド化閉環反応させる。この時の膜厚は100nm程度の薄膜である。このポリイミド薄膜表面をラビング布により表面を一定方向に擦ることで、表面のポリイミド高分子鎖をその方向に配向させ、表面高分子の異方性の高い状態を実現する。しかしながら、ラビングによる静電気や異物の発生、基板表面の凹凸によるラビングの不均一等の問題があり、ラビング布との接触を必要としない、偏光した光を用いて分子配向を制御する光配向法が採用されつつある。
液晶配向膜の光配向法には、アゾ色素のように偏光した紫外線を照射することで分子内の幾何学的配置が変化する光異性化型、ケイ皮酸やクマリン、カルコン等の分子骨格同士が偏光した紫外線によって化学結合を発生させる光二量体化型、等があるが、高分子を偏光した紫外線を照射することで、その方向に並んでいる高分子鎖のみ切断分解し、その偏光方向に垂直な方向の高分子鎖を残留させる光分解型が、液晶配向膜として信頼と実績のあるポリイミドの光配向には適している。
このような光配向方法は、古くは1994年に〔非特許文献1〕にその最初の原理が開示されている。この手法は各種液晶表示方式で検討がなされたが、そのうちIPS方式に関しては、初期配向方向の変動による表示不良の発生を低減、安定な液晶配向、量産性、かつコントラスト比を高めた高品位の画質を有する液晶表示装置として、〔特許文献1〕に開示されている。この中では、シクロブタンテトラカルボン酸2無水物および又はその誘導体と芳香族ジアミンからなるポリアミック酸またはポリイミドを、加熱,赤外線照射,遠赤外線照射,電子線照射,放射線照射のうち少なくとも一つの二次処理を施す配向処理により前記配向制御能が付与されていることを示している。
そして、特に、加熱,赤外線照射,遠赤外線照射,電子線照射,放射線照射のうち少なくとも一つの処理を偏光照射処理と時間的な重なりをもって行うことにより本発明はさらに有効に作用すること、配向制御膜のイミド化焼成処理と偏光照射処理を時間的な重なりをもって行うことによっても有効に作用することが示されている。特に、液晶配向膜に偏光照射に加え、加熱,赤外線照射,遠赤外線照射,電子線照射,放射線照射のうち少なくとも一つの処理を行う場合に、配向制御膜の温度が100℃〜400℃の範囲であること、さらには150℃〜300℃の範囲であることが望ましく、加熱,赤外線照射,遠赤外線照射の処理は配向制御膜のイミド化焼成処理と兼用することも可能であり有効であることが示されている。
しかしながら、これら光配向膜を用いた液晶表示装置はラビング配向膜を用いた場合と比べて開発の歴史が浅く、実用上の液晶表示装置として数年以上にわたる長期間の表示品質については十分な知見がない。すなわち、製造初期の段階では顕在化していない画質の不良と光配向膜固有の問題との関係についてはほとんど報告されていないのが実情である。
このような光配向膜を用いた液晶表示装置の性能を向上させる上で、複数の配向膜を膜厚方向に積層させることが有効である。例えば、光配向膜と光配向膜よりも抵抗率が小さい低抵抗配向膜の2層構造とすることで、優れた光配向特性を維持しつつ、配向膜全体としては抵抗率を小さくできるので、DC残像を抑制した液晶表示装置が得られることが、〔特許文献2〕に開示されている。この中で、光分解性ポリマーと低抵抗ポリマーを混合した材料を基板に塗布すると、レベリング効果によって、基板と馴染みやすい材料が下層に形成され、他の材料が上に形成される、いわゆる相分離を生ずることが開示されている。
このような液晶配向膜をTFTや画素透明電極、配線電極等の凹凸のある下地基板上に均一な膜厚で形成する(いわゆるレベリング)ためには、ポリイミドの前駆体のポリアミド酸の化学組成や分子量、溶媒組成、添加剤等の塗布原液の特性を最適化することに加えて、塗布方法や下地基板の前処理、膜厚均一化等の最適化も必要である。例えば、〔特許文献3〕には表面張力制御用と低蒸気圧の2種類の溶媒を含ませる方法、〔特許文献4〕には塗布溶液に不活性ガスを充填して溶媒ガス雰囲気を形成して乾燥速度を制御する方法、〔特許文献5〕にはフッ素系レベリング剤を添加する方法、等が開示されている。
しかしながら、複数の配向膜材料を混合して塗布し、その相分離性を制御してレベリングする方法は明確にはわかっておらず、所望の相分離状態となっているかどうかを確認する評価技術は確立されていない。特に、凹凸のある下地基板上の全面にわたって、一様な相分離状態が得られているかどうかは不明である。
特開2004−206091号公報(特許第4504665号) 特開2010−72011号公報 特開2009−63797号公報 特開2002−296593号公報 特開2011−190303号公報 特開平9−124791号公報
長谷川雅樹、平洋一:ポリイミドの光分解によるネマチック液晶のホモジニアス配向:第20回液晶討論会予稿集、232〜233頁、1994年
本発明の目的は、DC残像の発生を抑制した高品質液晶表示装置を提供することである。また、前記液晶表示装置に適した二層型液晶配向膜のパネル全面の配向膜質を簡便に評価する方法を提供することである。
画素電極とTFTを有する画素の上に配向膜が形成されたTFT基板と、前記TFT基板に対向し、カラーフィルタの上に配向膜が形成された対向基板と、前記TFT基板の配向膜と前記対向基板の配向膜の間に液晶が挟持された液晶表示装置であって、前記配向膜は液晶層と接する第1のポリイミドを有する第1の配向膜と、前記第1の配向膜の下層に形成された第2のポリイミドを有する第2の配向膜によって構成され、前記第1の配向膜の抵抗率は前記第2の配向膜の抵抗率よりも大きく、前記第1の配向膜には配向処理が施されていることを特徴とする液晶表示装置において、前記第1の配向膜と第2の配向膜の間に、第3の配向膜があることを特徴とする液晶表示装置にある。
また、前記液晶表示装置において、第1の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をM、第2の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をMとし、第1の配向膜を構成する高分子を[Mn1、第2の配向膜を構成する高分子を[Mn2とすると、第3の配向膜を構成する高分子が[Mn1’−C−[Mn2’で表わされるブロックポリマーであることを特徴とする液晶表示装置にある。但し、Cはブロックポリマーの結合構造を示し、またn1、n2、n1’、n2’はそれぞれの高分子の繰り返し単位の数であり、1以上の整数を示す。
また、前記液晶表示装置において、第1の配向膜の前駆体の混合比をr×(1−r3)、第2の配向膜の前駆体の混合比をr×(1−r3)、第3の配向膜の前駆体の混合比をrとすると、0.3≦r≦0.8であることを特徴とする液晶表示装置にある。但し、 (r+r) ×(1−r3) +r3=1である。
また、前記液晶表示装置において、1/2×n1<n1’<2×n1、または1/2×n2<n2’<2×n2であることを特徴とする液晶表示装置にある。
また、前記液晶表示装置において、前記配向膜表面にラビングによって液晶配向力を付与されたことを特徴とする液晶表示装置にある。
また、前記液晶表示装置において、前記配向膜表面に光配向によって液晶配向力を付与されたことを特徴とする液晶表示装置にある。
また、前記液晶表示装置において、前記液晶表示装置がIPS(In−Plane Switching)方式の表示装置であることを特徴とする液晶表示装置にある。
また、画素電極とTFTを有する画素の上に配向膜が形成されたTFT基板と、前記TFT基板に対向し、カラーフィルタの上に配向膜が形成された対向基板と、前記TFT基板の配向膜と前記対向基板の配向膜の間に液晶が挟持された液晶表示装置の配向膜質の検査方法であって、前記配向膜は液晶層と接する第1のポリイミドを有する第1の配向膜と、前記第1の配向膜の下層に形成された第2のポリイミドを有する第2の配向膜によって構成され、前記第1の配向膜の抵抗率は前記第2の配向膜の抵抗率よりも大きく、前記第1の配向膜には配向処理が施されていることを特徴とする液晶表示装置の配向膜質の検査方法において、前記液晶表示装置を解体して配向膜表面の液晶を除去するプロセスと、液晶を除去した配向膜表面を硝酸銀溶液に浸漬するプロセスと、浸漬した配向膜表面の表面形態観察によって前記配向膜比率の均一性を評価するプロセスからなる、液晶表示装置用配向膜質の検査方法にある。
ここでいうポリイミドとは、(化1)で示される高分子化合物であり、ここで、括弧[ ]の中が繰り返し単位の化学構造、添え字nは繰り返し単位の数を示す。また、Nは窒素原子、Oは酸素原子であり、Aは4価の有機基、Dは2価の有機基を示す。Aの構造の一例として、フェニレン環、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香族環式化合物、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族環式化合物、或いはそれら化合物に置換基を結合した化合物等を挙げることができる。また、Dの構造の一例として、フェニレン、ビフェニレン、オキシビフェニレン、ビフェニレンアミン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族環式化合物、シクロヘキセン、ビシクロヘキセン等の脂肪族環式化合物、或いはそれら化合物に置換基を結合した化合物等を挙げることができる。
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これらポリイミドは、ポリイミドの前駆体の状態で基板に保持された各種下地層の上に塗布され、また、ここでいうポリイミドの前駆体とは、(化2)で示されるポリアミド酸またはポリアミド酸エステル高分子化合物である。ここで、Hは水素原子であり、またR及びRは水素または−C2m+1のアルキル鎖であり、m=1または2である。R及びRが水素の場合がポリアミド酸である。R及びRが−C2m+1のアルキル鎖である場合がポリアミド酸エステルである。
Figure 0006280701
また、ここでいう第1から第3の配向膜とは、配向膜が形成される下地層の上に、第2の配向膜、第3の配向膜、第1の配向膜の順に積層され、第1の配向膜の上には液晶層が形成されていることを特徴とする液晶表示装置の配向膜であり、各配向膜の主成分の化学構造が異なる有機化合物からなる。このうち、第1の配向膜の液晶層側表面には、液晶を所望の方向に配向させるための配向規制力が付与されており、具体的にはラビング配向法、磁場配向法、光配向法等の各種配向方法を用いることができる。また、第2の配向膜は、第1の配向膜よりも抵抗率が小さな有機化合物からなり、第1の配向膜の抵抗率の100分の1以下であることが望ましい。ここでいう抵抗率とは体積抵抗率であり、単位はΩcmで表わされる。
第1の配向膜と第2の配向膜の抵抗率を変えるためには、〔化3〕のポリイミド骨格の構造A及びDの化学構造を変化させることにより実現される。また、配向膜のポリイミドの抵抗率を小さくするためには、共役系骨格(例えばフェニレン環やナフタレン環等)や極性置換基(例えばアミノ基、アミド基、カルボン酸基、スルホン酸基等)の導入、あるいはその導入率の増加等、既知の化学構造設計の知見を用いることができる。また、第3の配向膜は第1の配向膜と第2の配向膜の境界部に形成されており、第1の配向膜と第2の配向膜の中間の極性を有する有機化合物である。
特に、第1の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をM、第2の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をMとし、第1の配向膜を構成する高分子を[Mn1、第2の配向膜を構成する高分子を[Mn2とすると、第3の配向膜を構成する高分子が[Mn1’−C−[Mn2’で表わされるブロックポリマーであることが望ましい。但し、Cはブロックポリマーの結合構造を示し、またn1、n2、n1’、n2’はそれぞれの高分子の繰り返し単位の数であり、1以上の整数を示す。ここで、第3の配向膜の第1の配向膜と同じ繰り返し単位を持つ部分は第1の配向膜と混合した層を形成していてもよく、また第2の配向膜と同じ繰り返し単位を持つ部分は第2の配向膜と混合した層を形成していてもよい。
このような多層構造からなる配向膜を形成するためには、一般的なポリイミド配向膜の形成方法、例えば下地層をUV/オゾン法、エキシマUV法、酸素プラズマ法等の各種表面処理方法を用いて清浄化した後、配向膜の前駆体をスクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷等の各種印刷方法を用いて塗布し、所定の条件で均一な膜厚となるようなレベリング処理を施した後、例えば180℃以上の温度で加熱することで前駆体のポリアミドをポリイミドにイミド化反応を行わせることにより薄膜形成される。
ここで、第1から第3の配向膜を本発明の順序で形成するためには、各配向膜の前駆体を下地層上に順次塗布、レベリング、イミド化する手順を繰り返すことで、積層構造とすることも可能であるが、プロセス上はただ一度の薄膜形成によって同時に積層構造が実現されることが望ましい。このためには、これら配向膜の前駆体をブレンド化したものを塗布し、レベリングの段階で自然に各成分に相分離させた後、イミド化を行うことが望ましい。
このような相分離構造を実現するためには、第1の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をM、第2の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をMとし、第1の配向膜を構成する高分子を[Mn1、第2の配向膜を構成する高分子を[Mn2とすると、第3の配向膜を構成する高分子が[Mn1’−C−[Mn2’で表に関して、n1≧n1’、またはn2≧n2’であることが望ましく、特に3/4×n1≧n1’、または3/4×n2≧n2’であることが望ましい。更に、第1の配向膜の前駆体の混合比をr、第2の配向膜の前駆体の混合比をr、第3の配向膜の前駆体の混合比をrとすると、r<rかつr<rであることが望ましい。
配向規制力を有する第1の配向膜と比抵抗の小さい第2の配向膜の二層の相分離構造を実現する上では、第3の配向膜単独で配向膜として塗布する方法も可能であるが、この場合下地層上に塗布可能な最適粘度、二層分離までのレベリングの時間、イミド化後の最表面への配向規制力付与性やその安定性にも優れる分子配向割合や膜強度、等の諸条件を満たすことは必ずしも容易ではない。つまり、第1及び第2の配向膜単独で最適となる分子量を足し合わせた分子量を持つ第3の配向膜の前駆体を用いて薄膜形成をする必要があり、それらは塗布するには高分子量になりすぎる。逆に、第3の配向膜の前駆体が塗布容易な分子量を選ぶと、第1及び第2の配向膜の構成部分の割合は、それぞれの配向膜が最適な特性を示す分子量よりも短くなってしまうからである。
このような自然な二層相分離構造が容易に実現できる配向膜は、例えば画素電極や配線電極、コンタクトホール等、凹凸構造を含む下地層の上に形成する場合に特に有効である。更に、画素電極が液晶層を挟む2つの基板の片側に形成されているIPS方式の液晶表示装置を形成する場合には特に有効であり、その画素電極の高さが100nmを越える特殊な画素電極構造を有する液晶表示装置を形成する場合には特に有効である。
また、このような液晶表示装置の配向膜の二層以上の相分離構造を確認するための配向膜質の検査方法には、TOF−SIMS法(飛行時間二次イオン質量分析法、Time− of−flight secondary ion mass spectrometry)、AFM法(Atomic Force Microscopy)、大気中光電子分光法、或いは断面SEM(Scanning Electron Microscopy)や断面TEM(Transmission Electron Microscopy)等、各種分析方法を利用することが可能である。
しかしながら、これらの手法は、例えば配向膜を試験用の基板上に薄膜形成して、その相分離性を初期評価する上では有効であるが、実際の液晶表示装置の中で、凹凸構造を含む下地層の上のすべての領域にわたって均一に所望の相分離構造が形成されているかどうかを確認する上では、相分離構造の不良箇所を見出すのが容易ではなく、すべての画素領域を分割しながら分析するため、効率的ではない。このためには、まず最初に膜表面の観察で不良箇所を特定した後、その部分を中心に断面構造を確認することが望ましい。
以下に、2層構造の配向膜に対する不良箇所の検査方法について述べる。このためには、液晶表示装置を解体して配向膜表面の液晶を除去するプロセスと、液晶を除去した配向膜表面を硝酸銀溶液に浸漬するプロセスと、浸漬した配向膜表面の表面形態観察によって前記配向膜比率の均一性を評価するプロセスに分けて検査することが望ましい。液晶表示装置の解体には、その端部のシール部分を切断した後、液晶を挟む上下の基板を分離し、自然落下または遠心分離等の方法によって配向膜表面の液晶を可能な限り除去した後、シクロヘキサン等の配向膜を溶解しない溶剤で表面洗浄したり、真空加熱によって液晶を蒸発したりして、除去することが可能である。
しかる後、配向膜つき基板ごと、硝酸銀水溶液に所定の濃度、温度、時間で浸漬した後、配向膜表面をSEM分析することで、不良箇所を見出すことが容易となる。この際、参照試料として、各配向膜単独の場合の薄膜試料を用意し、同様の手順で硝酸銀水溶液浸漬、SEM観察を行うと、比較が容易となる。これは第2の配向膜が第1の配向膜よりも抵抗率が低いため、硝酸銀による染色を受けやすいためであり、二層の相分離構造が均一に形成されている箇所では染色されにくい第1の配向膜で第2の配向膜は被覆されているが、不良箇所ではその被覆が不完全で、第2の配向膜が染色されてしまうためである。このようにして不良箇所が特定されれば、その部分について通常の各種分析手段によって、その断面構造や各配向膜成分の存在割合等を評価することが可能である。
本発明によれば、配向膜に3層構造を用いたことによって、最上層である液晶層に接する層と、下層のベース層に接する面との分離を明確に行うことが出来るので、残像の発生を抑制することが出来る。
また、本発明により、高い配向規制力を有する第1の配向膜とDC残像を抑制可能な第2の配向膜を積層した複合型の液晶配向膜を、凹凸構造を含む下地層の上のすべての領域にわたって均一に所望の相分離構造を簡便に形成することが可能となる。
さらに、本発明により、複雑な液晶表示装置の中で、所望の相分離構造が実現できていない配向膜の不良箇所を容易に見出すことが可能となり、最適な配向膜材料の組み合わせやプロセスの確立が可能となる。
本発明の液晶表示装置の配向膜の構造の模式図である。 本発明の液晶表示装置の配向膜と従来の二層型配向膜との比較図である。 本発明に関わる液晶表示装置の概略構成の一例を示す模式ブロック図である。 液晶表示パネルの1つの画素の回路構成の一例を示す模式回路図である。 液晶表示パネルの概略構成の一例を示す模式平面図である。 図3(c)のA−A’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。 本発明によるIPS方式液晶表示パネルの概略構成の一例を示す模式図である。 本発明によるFFS方式液晶表示パネルの概略構成の一例を示す模式図である。 本発明によるVA方式液晶表示パネルの概略構成の一例を示す模式図である。 本発明の実施例1で検討した配向膜の模式図である。 2層構造の配向膜の相分離状態を示す断面図である。 本発明の実施例1における配向膜の断面方向から見た相分離状態の、透明電極エッジ近傍での模式図である。 本発明の実施例1における配向膜の断面方向から見た相分離状態の確認のための処理を施した過程での、透明電極エッジ近傍での模式図である。 本発明の実施例2等で用いた評価用下地基板の透明電極パターンの模式図である。
〔表1〕本発明の実施例1で得られた評価結果である。
〔表2(a)〕本発明の実施例2で得られた評価結果である。
〔表2(b)〕本発明の実施例2で得られた評価結果である。
〔表2(c)〕本発明の実施例2で得られた評価結果である。
〔表3(a)〕本発明の実施例3で得られた評価結果である。
〔表3(b)〕本発明の実施例3で得られた評価結果である。
〔表3(c)〕本発明の実施例3で得られた評価結果である。
〔表4(a)〕本発明の実施例4で得られた評価結果である。
〔表4(b)〕本発明の実施例4で得られた評価結果である。
〔表4(c)〕本発明の実施例4で得られた評価結果である。
〔表5(a)〕本発明の実施例4の他の条件で得られた評価結果である。
〔表5(b)〕本発明の実施例4の他の条件で得られた評価結果である。
〔表5(c)〕本発明の実施例4の他の条件で得られた評価結果である。
〔表6(a)〕本発明の実施例5で得られた評価結果である。
〔表6(b)〕本発明の実施例5で得られた評価結果である。
〔表6(c)〕本発明の実施例5で得られた評価結果である。
〔表7(a)〕本発明の実施例6で得られた評価結果である。
〔表7(b)〕本発明の実施例6で得られた評価結果である。
〔表7(c)〕本発明の実施例6で得られた評価結果である。
Figure 0006280701
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以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明の第1の配向膜と第2の配向膜の間に、第3の配向膜があることを特徴とする液晶表示装置について、図表を用いて説明する。図1には、本発明による第3の配向膜を有する配向膜1の模式図を示した。図1は配向膜1の断面図である。本発明による配向膜1は3層構造となっている。液晶層4と接する上側は配向性の有機薄膜2であり、これを第1の配向膜2と呼ぶ。また、その下側は支持基板5に接する低抵抗性の有機薄膜3であり、これを第2の配向膜3と呼ぶ。この第1の配向膜と第2の配向膜の間に別の組成の有機薄膜である第3の配向膜10が存在している。
図2には、このような多層化した相分離構造が実現する機構の説明図を示した。図2(a)は、配向膜1が第1の配向膜2と第2の配向膜3からなる場合を示した。図中の左には、第1の配向膜の成分を白い太線で、第2の配向膜の成分を黒い太線で、示した。一般に、支持基板5に均一な膜厚でポリイミドのようは配向膜を塗布するためには、配向膜の前駆体を塗布した直後の、支持基板5の表面、配向膜1、大気11の間の表面張力が重要な因子である。
配向膜1が単一の成分からなる場合には、その単一成分と支持基板5との濡れ拡がり性によって、均一な膜になるかどうかが決まるが、本発明のように第1の配向膜2と第2の配向膜3を多層に相分離させるためには、それらの相互作用についても考慮する必要がある。すなわち、(1)第2の配向膜3は第1の配向膜2に比べて支持基板5に対する親和性が高く、かつ表面張力が小さいこと、(2)第1の配向膜2は第2の配向膜3に比べて大気11に対する親和性が高いこと、(3)第1の配向膜2と第2の配向膜3はその前駆体の溶液状態では親和性が高く、支持基板5上に塗布する段階では均一溶液であるが、溶媒を仮乾燥させるレベリングの段階で相溶性が低下し、相分離していくこと、の3つの条件を同時に満たす必要がある。
本発明の液晶表示装置の配向膜1のごとく、配向規制力を有する第1の配向膜2と低抵抗性の第2の配向膜3とが含まれる場合、これら3つの条件を満たす材料の組み合わせは限定され、特に凹凸がある支持基板では平坦な支持基板に比べて表面張力が変わるために、所望の多層相分離構造を得ることが困難となる。つまり、第1の配向膜の成分と第2の配向膜の成分の材料設計の自由度は狭く、最適な液晶表示装置の配向膜を実現するのが困難となる。
図2(b)は、配向膜1が第1の配向膜2と第2の配向膜3、及びそれらの間に第3の配向膜10からなる場合を示した。先に述べたように、所望の多層相分離構造を実現するためには複雑な材料設計のバランスが必要とされるが、第1の配向膜と第2の配向膜を容易に相分離させるための方法として、第1の配向膜の成分と第2の配向膜の成分を直接化学結合させたブロックポリマーを第3の配向膜の成分に用いることで、配向膜1と配向膜2の境界を明瞭にし、多様な組合せで相分離構造を実現可能とする。
このような第3の配向膜の成分を用いる場合には、(1)第1の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をM、第2の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をMとし、第1の配向膜を構成する高分子を[Mn1、第2の配向膜を構成する高分子を[Mn2とすると、第3の配向膜を構成する高分子が[Mn1’−C−[Mn2’で表わされるブロックポリマーであること、(2)第3の配向膜を構成する高分子の第1および第2の配向膜の成分の繰り返し単位の長さについての最適化、(3)第1の配向膜の前駆体の混合比をr、第2の配向膜の前駆体の混合比をr、第3の配向膜の前駆体の混合比に関する最適化、等が必要である。
次に、本発明の配向膜が作製された液晶表示装置について、説明する。図3は、本発明に関わる液晶表示装置の概略構成の一例を示す模式図である。図3(a)は、本発明に関わる液晶表示装置の概略構成の一例を示す模式ブロック図である。図3(b)は、液晶表示パネルの1つの画素の回路構成の一例を示す模式回路図である。図3(c)は、液晶表示パネルの概略構成の一例を示す模式平面図である。図3(d)は、図3(c)のA−A’線における断面構成の一例を示す模式断面図である。
本発明の配向膜形成用溶媒により高品質化された配向膜は、たとえば、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置に適用される。アクティブマトリクス方式の液晶表示装置は、たとえば、携帯型電子機器向けのディスプレイ(モニター)、パーソナルコンピュータ用のディスプレイ、印刷やデザイン向けのディスプレイ、医療用機器のディスプレイ、液晶テレビなどに用いられている。
アクティブマトリクス方式の液晶表示装置は、たとえば、図3(a)に示すように、液晶表示パネル(101)、第1の駆動回路(102)、第2の駆動回路(103)、制御回路(104)、およびバックライト(105)を有する。
液晶表示パネル(101)は、複数本の走査信号線GL(ゲート線)および複数本の映像信号線DL(ドレイン線)を有し、映像信号線DLは第1の駆動回路(102)に接続しており、走査信号線GLは第2の駆動回路(103)に接続している。なお、図3(a)には、複数本の走査信号線GLのうちの一部を示しており、実際の液晶表示パネル(101)には、さらに多数本の走査信号線GLが密に配置されている。同様に、図3(a)には、複数本の映像信号線DLのうちの一部を示しており、実際の液晶表示パネル(101)には、さらに多数本の映像信号線DLが密に配置されている。
また、液晶表示パネル(101)の表示領域DAは、多数の画素の集合で構成されており、表示領域DAにおいて1つの画素が占有する領域は、たとえば、隣接する2本の走査信号線GLと隣接する2本の映像信号線DLとで囲まれる領域に相当する。このとき、1つの画素の回路構成は、たとえば、図3(b)に示すような構成になっており、アクティブ素子として機能するTFT素子Tr、画素電極PX、共通電極CT(対向電極と呼ぶこともある)、液晶層LCを有する。またこのとき、液晶表示パネル1には、たとえば、複数の画素の共通電極CTを共通化する共通化配線CLが設けられている。
また、液晶表示パネル(101)は、たとえば、図3(c)および図3(d)に示すように、アクティブマトリクス基板(106)と対向基板(107)の表面に配向膜(606)および(705)を形成し、それら配向膜の間に液晶層LC(液晶材料)を配置した構造になっている。また、ここでは特に図示していないが、配向膜(606)とアクティブマトリクス基板(106)の間、または配向膜(705)と対向基板(107)の間に、適宜中間層(例えば位相差板や色変換層、光拡散層等の光学的中間層)を設けてもよい。
このとき、アクティブマトリクス基板(106)と対向基板(107)とは、表示領域DAの外側に設けられた環状のシール材(108)で接着されており、液晶層LCは、アクティブマトリクス基板(106)側の配向膜(606)、対向基板(107)側の配向膜(705)、およびシール材(108)で囲まれた空間に密封されている。またこのとき、バックライト(105)を有する液晶表示装置の液晶表示パネル(101)は、アクティブマトリクス基板(106)、液晶層LC、および対向基板(107)を挟んで対向配置させた一対の偏光板(109a),(109b)を有する。
なお、アクティブマトリクス基板(106)は、ガラス基板などの絶縁基板の上に走査信号線GL、映像信号線DL、アクティブ素子(TFT素子Tr)、画素電極PXなどが配置された基板である。また、液晶表示パネル(101)の駆動方式がIPS方式などの横電界駆動方式である場合、共通電極CTおよび共通化配線CLはアクティブマトリクス基板(106)に配置されている。また、液晶表示パネル(101)の駆動方式がTN方式やVA(Vertically Alignment)方式などの縦電界駆動方式である場合、共通電極CTは対向基板(107)に配置されている。縦電界駆動方式の液晶表示パネル(101)の場合、共通電極CTは、通常、すべての画素で共有される大面積の一枚の平板電極であり、共通化配線CLは設けられていない。
また、本発明に関わる液晶表示装置では、液晶層LCが密封された空間に、たとえば、それぞれの画素における液晶層LCの厚さ(セルギャップということもある)を均一化するための柱状スペーサ(110)が複数設けられている。この複数の柱状スペーサ(110)は、たとえば、対向基板(107)に設けられている。
第1の駆動回路(102)は、映像信号線DLを介してそれぞれの画素の画素電極PXに加える映像信号(階調電圧ということもある)を生成する駆動回路であり、一般に、ソースドライバ、データドライバなどと呼ばれている駆動回路である。また、第2の駆動回路(103)は、走査信号線GLに加える走査信号を生成する駆動回路であり、一般に、ゲートドライバ、走査ドライバなどと呼ばれている駆動回路である。
また、制御回路(104)は、第1の駆動回路(102)の動作の制御、第2の駆動回路(103)の動作の制御、およびバックライト(105)の輝度の制御などを行う回路であり、一般に、TFTコントローラ、タイミングコントローラなどと呼ばれている制御回路である。また、バックライト(105)は、たとえば、冷陰極蛍光灯などの蛍光灯、または発光ダイオード(LED)などの光源であり、当該バックライト(105)が発した光は、図示していない反射板、導光板、光拡散板、プリズムシートなどにより面状光線に変換されて液晶表示パネル(101)に照射される。
図4は、本発明によるIPS方式液晶表示パネルの概略構成の一例を示す模式図である。アクティブマトリクス基板(106)は、ガラス基板(601)などの絶縁基板の表面に、走査信号線GLおよび共通化配線CLと、それらを覆う第1の絶縁層(602)が形成されている。第1の絶縁層(602)の上には、TFT素子Trの半導体層(603)、映像信号線DL、および画素電極PXと、それらを覆う第2の絶縁層(604)が形成されている。半導体層(603)は、走査信号線GLの上に配置されており、走査信号線GLのうちの半導体層(603)の下部に位置する部分がTFT素子Trのゲート電極として機能する。
また、半導体層(603)は、たとえば、第1のアモルファスシリコンからなる能動層(チャネル形成層)の上に、第1のアモルファスシリコンとは不純物の種類や濃度が異なる第2のアモルファスシリコンからなるソース拡散層およびドレイン拡散層が積層された構成になっている。またこのとき、映像信号線DLの一部分および画素電極PXの一部分は、それぞれ、半導体層(603)に乗り上げており、当該半導体層(603)に乗り上げた部分がTFT素子Trのドレイン電極およびソース電極として機能する。
ところで、TFT素子Trのソースとドレインは、バイアスの関係、すなわちTFT素子Trがオンになったときの画素電極PXの電位と映像信号線DLの電位との高低の関係によって入れ替わる。しかしながら、本明細書における以下の説明では、映像信号線DLに接続している電極をドレイン電極といい、画素電極に接続している電極をソース電極という。
第2の絶縁層(604)の上には、表面が平坦化された第3の絶縁層(605)(有機パッシベーション膜)が形成されている。第3の絶縁層(605)の上には、共通電極CTと、共通電極CTおよび第3の絶縁層(605)を覆う配向膜(606)が形成されている。
共通電極CTは、第1の絶縁層(602)、第2の絶縁層(604)、および第3の絶縁層(605)を貫通するコンタクトホール(スルーホール)を介して共通化配線CLと接続している。また、共通電極CTは、たとえば、平面における画素電極PXとの間隙Pgが7μm程度になるように形成されている。配向膜(606)は以下の実施例に記載された高分子材料が塗布され、表面に液晶配向能を付与するための表面処理(ラビング処理等)が施されている。
一方、対向基板7には、ガラス基板(701)などの絶縁基板の表面に、ブラックマトリクス(702)およびカラーフィルタ(703R,703G,703B)と、それらを覆うオーバーコート層(704)が形成されている。ブラックマトリクス(702)は、たとえば、表示領域DAに画素単位の開口領域を設けるための格子状の遮光膜である。また、カラーフィルタ(703R,703G,703B)は、たとえば、バックライト(105)からの白色光のうちの特定の波長領域(色)の光のみを透過する膜であり、液晶表示装置がRGB方式のカラー表示に対応している場合は、赤色の光を透過するカラーフィルタ(703R)、緑色の光を透過するカラーフィルタ(703G)、および青色の光を透過するカラーフィルタ(703B)が配置される(ここでは一つの色の画素について代表して示している)。
また、オーバーコート層(704)は、表面が平坦化されている。オーバーコート層(704)の上には、複数の柱状スペーサ(110)および配向膜(705)が形成されている。柱状スペーサ(110)は、たとえば、頂上部が平坦な円錐台形(台形回転体ということもある)であり、アクティブマトリクス基板(106)の走査信号線GLのうちの、TFT素子Trが配置されている部分および映像信号線DLと交差している部分を除く部分と重なる位置に形成されている。また、配向膜(705)は、たとえば、ポリイミド系樹脂で形成されており、表面に液晶配向能を付与するための表面処理(ラビング処理等)が施されている。
また、図4の方式の液晶表示パネル(101)における液晶層LCの液晶分子(111)は、画素電極PXと共通電極CTの電位が等しい電界無印加時には、ガラス基板(601),(701)の表面にほぼ平行に配向された状態であり、配向膜(606),(705)に施されたラビング処理で規定された初期配向方向に向いた状態でホモジニアス配向している。そして、TFT素子Trをオンにして映像信号線DLに加えられている階調電圧を画素電極PXに書き込み、画素電極PXと共通電極CTとの間の電位差が生じると、図中に示したような電界(112)(電気力線)が発生し、画素電極PXと共通電極CTとの電位差に応じた強度の電界(112)が液晶分子(111)に印加される。
このとき、液晶層LCが持つ誘電異方性と電界(112)との相互作用により、液晶層LCを構成する液晶分子(111)は電界(112)の方向にその向きを変えるので、液晶層LCの屈折異方性が変化する。またこのとき、液晶分子(111)の向きは、印加する電界(112)の強度(画素電極PXと共通電極CTとの電位差の大きさ)によって決まる。したがって、液晶表示装置では、たとえば、共通電極CTの電位を固定しておき、画素電極PXに加える階調電圧を画素毎に制御して、それぞれの画素における光透過率を変化させることで、映像や画像の表示を行うことができる。
図5は、本発明によるFFS方式液晶表示パネルの概略構成の一例を示す模式図である。アクティブマトリクス基板(106)は、ガラス基板(601)などの絶縁基板の表面に、共通電極CT、走査信号線GL、および共通化配線CLと、それらを覆う第1の絶縁層(602)が形成されている。第1の絶縁層(602)の上には、TFT素子Trの半導体層(603)、映像信号線DL、およびソース電極(607)と、それらを覆う第2の絶縁層(604)が形成されている。このとき、映像信号線DLの一部分およびソース電極(607)の一部分は、それぞれ、半導体層(603)に乗り上げており、(ここでは奥行き方向に隠れて図示されないが)当該半導体層(603)に乗り上げた部分がTFT素子Trのドレイン電極およびソース電極として機能する。
また、図5の液晶表示パネル1では、第3の絶縁層(605)が形成されておらず、第2の絶縁層(604)の上に画素電極PXと、画素電極PXを覆う配向膜(606)が形成されている。画素電極PXは、第2の絶縁層(604)を貫通するコンタクトホール(スルーホール)を介してソース電極(607)と接続している。このとき、ガラス基板(601)の表面に形成された共通電極CTは、隣接する2本の走査信号線GLと隣接する2本の映像信号線DLで囲まれた領域(開口領域)に平板状に形成されており、当該平板状の共通電極CTの上に、複数のスリットを有する画素電極PXが積層されている。
またこのとき、走査信号線GLの延在方向に並んだ画素の共通電極CTは、共通化配線CLによって共通化されている。一方、図5の液晶表示パネル(101)における対向基板(107)は、図4の液晶表示パネル(101)の対向基板(107)と同じ構成である。そのため、対向基板(107)の構成に関する詳細な説明は省略する。図5において、アクティブマトリクス基板(106)と対向基板(107)の間隔は柱状スペーサ(110)によって規定されている。
図6は、本発明によるVA方式液晶表示パネルの主要部の断面構成の一例を示す模式断面図である。縦電界駆動方式の液晶表示パネル(101)は、たとえば、図6に示すように、アクティブマトリクス基板(106)に画素電極PXが形成されており、対向基板(107)に共通電極CTが形成されている。縦電界駆動方式の1つであるVA方式の液晶表示パネル(101)の場合、画素電極PXおよび共通電極CTは、たとえば、ITOなどの透明導電体によりベタ形状(単純な平板形状)に形成されている。
図6において、アクティブマトリクス基板(106)と対向基板(107)の間隔は対向基板(107)に形成された柱状スペーサ(110)およびアクティブマトリクス基板(106)に形成された台座によって規定されている。アクティブマトリクス基板(106)に形成された台座は、第1の絶縁層601の上に形成された導電層608、および、半導体層609a、導電層609bで形成された突起形成部材、第2の絶縁層602、および画素電極PXと同時に形成されるITOによって形成されている。
このとき、液晶分子(110)は、画素電極PXと共通電極CTの電位が等しい電界無印加時には、配向膜(606),(705)によりガラス基板(601),(701)の表面に対して垂直に並べられている。そして、画素電極PXと共通電極CTとの間に電位差が生じると、ガラス基板(601),(701)に対してほぼ垂直な電界(112)(電気力線)が発生し、液晶分子(111)が基板(601),(701)に対して平行な方向に倒れ、入射光の偏光状態が変化する。またこのとき、液晶分子(111)の向きは、印加する電界(112)の強度によって決まる。
したがって、液晶表示装置では、たとえば、共通電極CTの電位を固定しておき、画素電極PXに加える映像信号(階調電圧)を画素毎に制御して、それぞれの画素における光透過率を変化させることで、映像や画像の表示を行う。また、VA方式の液晶表示パネル(101)における画素の構成、たとえば、TFT素子Trや画素電極PXの平面形状は、種々の構成が知られており、図6の方式での液晶表示パネル(101)における画素の構成は、それらの構成のいずれかであればよい。ここでは、その液晶表示パネル(101)における画素の構成に関する詳細な説明を省略する。
本発明は、上記のようなアクティブマトリクス方式の液晶表示装置のうち、液晶表示パネル(101)、特に、アクティブマトリクス基板(106)および対向基板(107)において液晶層LCに接する部分およびその周辺の構成に関する。そのため、本発明には直接関係しない第1の駆動回路(102)、第2の駆動回路(103)、制御回路(104)、およびバックライト(105)の構成についての詳細な説明は省略する。
これら液晶表示装置を製造するためには、既に液晶表示装置に用いられている各種配向膜材料や配向処理方法、各種液晶材料等を用いることが可能であり、それらを液晶表示装置に組立加工する際の各種プロセスを適用することも可能である。
次に、輝度緩和定数は以下の方法で決定できる。先に詳細に述べるような手順によって、配向膜を含む各種液晶表示素子を作製する。この液晶表示装置に、白黒のウィンドウパターンを所定時間連続表示後(これを焼付け時間と称する)、直ちに全画面中間調のグレーレベルの表示電圧に切り替え、ウィンドウパターン(焼き付き、残像ともいう)が消失する時間を計測する。
理想的には配向膜においては、液晶表示装置のいずれの部分にも残留電荷が発生せず、配向規制力方向も乱されることがないため、表示電圧の切り替えと共に、直ちに全画面グレーレベルの表示になるが、駆動に伴う残留電荷の発生や配向規制力方向の乱れ等によって、明領域(白パターンの部分)は実効的な配向状態が理想的なレベルからずれるために、輝度が異なって見えてしまうが、この中間調表示の電圧で更に長時間保持すると、この電圧での残留電荷や配向規制力方向にやがて落ち着くことになり、均一表示に見えてくる。
液晶表示素子の面内輝度分布をCCDカメラによって測定し、均一表示になるまでの時間を焼き付き時間とし、この焼き付き時間をもって、その液晶表示素子の輝度緩和定数とした。但し、480時間経過しても緩和しない場合には、そこで評価を打切り、≧480と記載した。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
最初に、本発明の画素電極とTFTを有する画素の上に配向膜が形成されたTFT基板と、前記TFT基板に対向し、カラーフィルタの上に配向膜が形成された対向基板と、前記TFT基板の配向膜と前記対向基板の配向膜の間に液晶が挟持された液晶表示装置の配向膜質の検査方法であって、前記配向膜は液晶層と接する第1のポリイミドを有する第1の配向膜と、前記第1の配向膜の下層に形成された第2のポリイミドを有する第2の配向膜によって構成され、前記第1の配向膜の抵抗率は前記第2の配向膜の抵抗率よりも大きく、前記第1の配向膜には配向処理が施されていることを特徴とする液晶表示装置の配向膜質の検査方法において、前記液晶表示装置を解体して配向膜表面の液晶を除去するプロセスと、液晶を除去した配向膜表面を硝酸銀溶液に浸漬するプロセスと、浸漬した配向膜表面の表面形態観察によって前記配向膜比率TRの均一性を評価するプロセスからなる、液晶表示装置用配向膜質の検査方法について、図表を用いて説明する。
図7には、本発明による液晶表示装置用配向膜質の検査方法の対象となる配向膜1の模式図を示した。図7は配向膜1の断面図である。本発明による配向膜1は2層構造となっている。液晶層4と接する上側は配向性の有機薄膜2であり、これを第1の配向膜と呼ぶ。また、その下側は支持基板5に接する低抵抗性の有機薄膜3であり、これを第2の配向膜と呼ぶ。
このような配向膜には、各種有機薄膜を用いることができるが、特に熱安定性と薄膜形成の容易さから、ポリイミドを用いることが好ましい。すなわち、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を、スピンコート、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の各種薄膜化手法によって支持基板5上に塗布し、室温以上の温度で仮乾燥させた後、180℃以上の高温に保つことで、薄膜状態でイミド化反応を行わせて、ポリイミド薄膜を形成する。
本発明のように、2層構造の配向膜1を形成するためには、少なくとも2種類の配向膜成分を用いる必要がある。そのためには、最初に低抵抗な第2の配向膜となるポリイミド薄膜を形成した後、その上に配向規制力を持ち得る第1の配向膜となるポリイミド薄膜を形成する、2段階の薄膜形成過程を用いることも可能であるが、より簡便に製造を行うためには1段階の薄膜形成過程が適用できることが望ましい。このためには、それぞれの層の前駆体であるポリアミド酸溶液をブレンドし、ブレンド溶液を支持基板5上に塗布し、ポリイミド薄膜に仕上げる途中で、自然に2種類の成分が上下二層に相分離することができればよい。
このような自然な二層の相分離構造実現には、各配向膜成分の化学組成、分子量、使用溶媒に対する溶解性等、原料溶液の特性に加えて、塗布する支持基板表面の清浄度や極性、塗布後の溶媒乾燥条件等のプロセス条件によって、最適条件を探索する必要がある。
図8には、想定される配向膜1の相分離状態の模式図を示した。理想的には図8(a)のように、第1の配向膜2と第2の配向膜3が上下二層に自然に相分離することができればよい。しかしながら、原料溶液やプロセス条件によっては、図8(b)のように光配向層2と低抵抗層3の境界が上下に激しくうねったり、特に図示していないが、場合によっては低抵抗層3が液晶層側に露出する場合もある。或いは、図8(c)のように、第1の配向膜2の中に第2の配向膜3がドメイン様に分散したり、特に図示していないが、逆に第2の配向膜3の中に第1の配向膜2がドメイン様に分散したりする。或いは、図8(d)のように、第1の配向膜の成分と第2の配向膜の成分が傾斜的に上下に分布して境界が不明瞭となり、上側に第1の配向膜の成分が多い領域2’と下側に第2の配向膜の成分が多い領域3’が形成されてしまう場合もある。すなわち、図8(d)では、第1の配向膜成分と第2の配向膜成分が入り組んだ領域が存在している。或いは、図8(e)のように、第1の配向膜の成分と第2の配向膜の成分が完全に混ざり合って、一つの配向膜1となる場合もある。
このような配向膜の二層相分離状態は、支持基板が平坦でない場合、図9に示すように、下地層6の上に透明電極7が部分的に形成されているもの全体を支持基板とし、その上に配向膜1を形成する場合には、特に重要である。このような凹凸がある支持基板の凹凸エッジ部ではその形状影響を受けて、相分離構造が変化しやすくなり、また支持基板の平坦部に比べると膜厚が薄くなりやすい。これは透明電極の高さが増加し、そのテーパ角が鋭くなるほど顕著である。
図9(a)のように、このような凹凸エッジ部も含めて一様な二層相分離構造が形成されていることが理想である。しかしながら、相分離性が悪いと、例えば図9(b)のように二層境界の凹凸の影響がテーパ部で現れやすくなり、部分的に第2の配向膜3が最上層にまで達する箇所では、図中矢印で示したところがリーク箇所になり、液晶表示素子の特性不良の原因となる。このような不良箇所は液晶パネル全面のいずれの部分で発生しているか確認が容易ではない。
そこで、発明者が鋭意検討した結果、以下の手順によって配向膜表面を検査することにより、前記リーク箇所の特定と、その薄膜断面の二層相分離構造の完全性を確認することができた。ここでは、単一膜状態で比抵抗1×10+13Ωcmとなる第2の配向膜成分と、単一膜状態で比抵抗1×10+17Ωcmとなる第1の配向膜成分をブレンドした溶液を、パターニングされた透明電極7を持つ支持基板上に薄膜形成して、ポリイミド薄膜を得た。ここで、各成分の比率は各成分の原料ポリアミド酸の重量比率とし、具体的には表1に示す通りである。次に、この薄膜を10wt%の硝酸銀水溶液に室温で1時間浸漬し、その後基板を引き上げて表面を軽く水でリンスし、薄膜を風乾した。このような処理を施した基板の表面をSEM観察したところ、あるものでは、電極パターンの凹凸に対応したエッジ近傍を中心に、明るいエリアスポットが認められた。この部分を中心に、FIB(Focused Ion Beam Etching)によって薄膜断面を切り出し、断面方向からもSEM観察したところ、エッジ近傍中心に、膜中に明るいエリアスポットが拡がっていることが認められた。この薄膜の透明電極がない平坦な領域についても、同様の断面観察を行ったところ、図8(b)のようなうねった二層状態にあることがわかった。
このようにエッジ近傍で明るいエリアスポットが観察された理由を、図10を用いて説明する。この薄膜では図8(b)のようなうねった界面を有する相分離構造で薄膜が形成されているが、そのうねりは透明電極7のエッジ近傍では膜厚が薄い部分が生まれ、そこでは一部第2の配向膜3が最上層に露出した部分が存在する。このような相分離状態の薄膜をその膜表面から硝酸銀水溶液8に曝すと、露出部分で硝酸銀と第2の配向膜が接触し、その部分で第2の配向膜が酸化されて銀9が析出する。硝酸銀は抵抗の低い第2の配向膜と反応しやすいからである。このため、後にSEM観察を行うと、銀のために電子線の反射率の高い領域として、露出部分が検知されたと、考えられる。
表1には、この材料の組成を変えた時の、エッジ近傍の平面観察時の明るいエリアスポットの有無、平坦部の断面形状(図8の模式図でパターン化した(a)から(e))の分類を示した。これを見ると、第1の配向膜が30から60%の範囲で、平坦部で(a)の二層相分離構造が実現しているが、特にエッジ近傍に着目すると、明るいエリアスポットが観察されないのは40から50%の範囲であることがわかる。
以上のことから、本発明の液晶表示装置用配向膜質の検査方法を用いると、第1の配向膜と第2の配向膜からなる液晶配向膜の相分離状態を明瞭に観察することができることが確認された。
次に、第1の配向膜と第2の配向膜の間に、第3の配向膜があることを特徴とする液晶表示装置を作製した結果について、図表を用いて説明する。これらの特徴を確認するために、以下のような試験用配向膜を形成し、実施例1の方法で相分離構造を確認した結果について説明する。
図11には、試験用配向膜を形成するために用いた下地基板の模式図を示した。ここでは、無アルカリガラス(旭硝子AN−100)をベースに、スパッタ法で酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成し、エッチングでストライプ状にパターニングしたものを用いた。ここで、下地基板の凹凸の度合いをパラメータとするため、ITO電極幅をL、ITO電極の間の幅をL、ITO電極の高さをH、ITO電極のテーパ角度をθとし、後に示すようにいくつかの条件を変えて作製した。また、いくつかの下地層の影響を見るために、ガラス上にSiNx、アクリルエポキシ樹脂の薄膜層を形成した後、ITOパターン電極を形成したものも用意した。このようにして準備した下地基板は、配向膜の前駆体を塗布する前に中性洗剤等の薬液で洗浄後、UV/O処理にて表面を清浄化した。
試験用の配向膜には、以下のようなものを用いた。(化2)のポリイミドの前駆体となるポリアミド酸の骨格について、第1の配向膜の成分として
Figure 0006280701
(化3)のような化学構造を選んで、既存の化学合成方法に従って、原料となる酸二無水物とジアミンからポリアミド酸を合成した。また、第2の配向膜の成分として(化4)のような化学構造を選んだ。
Figure 0006280701
各ポリアミド酸の分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフ分析) によってポリスチレン換算分子量から求めた。繰り返し単位数には、末端の構造を無視して、繰り返し単位の化学構造の分子量で重量平均分子量を割った値を用いた。また、第3の配向膜の成分を得るためには、例えば、「特許文献6」に記載の手法等、既存の合成方法を用いて、第1の配向膜の成分と第2の配向膜の成分からなるブロック共重合体のポリアミド酸を合成することによって得ることができる。
これら3つの配向膜の成分の前駆体は、ブチルセロソルブ、N−メチルピロリドン、γ―ブチロラクトン、等の各種溶媒を混合したものに所定の比率で溶解させた。これを所定の下地基板にフレキソ印刷で薄膜化し、40℃以上の温度で仮乾燥した後、150℃以上のベーク炉にてイミド化を行った。この時の膜厚が概ね100nmとなるように、薄膜化条件は事前に調整した。次に、偏光した光によって高分子化合物の一部分子骨格が切断されることにより液晶配向規制力を付与するために、紫外線ランプ(低圧水銀灯)とワイヤグリッド偏光子、干渉フィルタにて、偏光化した紫外線(主波長280nm)を集光照射した。
しかる後、表面の異物を除去し、実施例1の手法によって、配向膜質の検査を行った。検査は、電極上の平坦部、電極エッジ近傍、電極間の平坦部に分けて平面SEM観察を行い、それぞれ第1の配向膜のみのコントラスト像である時は良、第2の配向膜由来のより明るいエリアスポットが見出された場合は否と判定した。
表2(a)乃至(c)に、その評価結果を示す。ここで、下地基板にはH=70nm,L=5μm,L=5μm,θ=45°;下地表面=ガラスの条件でパターニング加工したものを使用した。また、第1から第3配向膜の成分の平均繰り返し単位数に関しては、n1=40,n2=40;n1’=20,n2’=20となる条件のものを使用した。また、各配向膜の成分比は、第3配向膜の成分比と、第1及び第2配向膜の成分比に分けて示し、後者については第1配向膜と第2配向膜の成分比で示した。(例えば、全配向膜の中での第3配向膜の比が10%の時、残りの第1と第2配向膜の合計の比は100−10=90%となるが、その中で第1配向膜と第2配向膜の混合比を10から90%の範囲で変化させた。)
この結果を見ると、第3の配向膜を添加しない場合(第3配向膜の成分比=0%)、第1及び第2の配向膜中の第1の配向膜の成分比が40〜60%の時、電極上、エッジ、電極間のいずれの領域でもSEM観察での判定は良であり、この成分比の範囲ですべての配向膜領域で良好な二層分離構造が形成されていると判断される。実際、実施例1と同様にそれぞれの領域の断面を観察したところ、いずれの領域でも図8の(a)のような二層の相分離構造が確認された。これに対して、否の範囲では図8の(b)または(c)の境界が乱れた構造となっていた。
次に、第3の配向膜の割合を増やしていくと、第3配向膜の成分比=20%までは第3配向膜の成分比=0%と同じ結果となったが、第3配向膜の成分比=30%では電極上および電極間で第1の配向膜の成分比が30〜60%の時、判定は良となった。但し、電極エッジ部では変化がなかった。更に、第3の配向膜の割合を増やしていくと、判定が良となる第1の配向膜の成分比の範囲が拡がり、第3の配向膜の成分比=50〜60%では、電極上、エッジ、電極間のすべての領域で、第1の配向膜の成分比が30〜60%の時、判定は良となった。これよりも第3の配向膜の成分比が大きくなると、判定が良となる第1の配向膜の成分比の範囲はかえって狭くなり、第3の配向膜の成分比=90%以上では、すべての領域で判定は否となった。
このように、第1のポリイミドを有する第1の配向膜と、前記第1の配向膜の下層に形成された第2のポリイミドを有する第2の配向膜によって構成され、前記第1の配向膜の抵抗率は前記第2の配向膜の抵抗率よりも大きく、前記第1の配向膜には配向処理が施されていることを特徴とする液晶表示装置において、前記第1の配向膜と第2の配向膜の間に、第3の配向膜があり、第1の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をM、第2の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をMとし、第1の配向膜を構成する高分子を[Mn1、第2の配向膜を構成する高分子を[Mn2とすると、第3の配向膜を構成する高分子が[Mn1’−C−[Mn2’で表わされるブロックポリマーからなる、配向膜が、第3の配向膜を用いない場合に比べて、より広い成分比で多層の相分離構造が得られることがわかった。
次に、実施例2と同じ配向膜材料の組み合わせで、下地基板の形状を変えた時の影響を検討した結果について、図表を用いて説明する。表3(a)乃至(c)に、その評価結果を示す。ここで、下地基板にはH=70nm,L=5μm,L=5μm,θ=80°;下地表面=ガラスの条件でパターニング加工したものを使用した。また、第1から第3配向膜の成分の平均繰り返し単位数に関しては、n1=40,n2=40;n1’=20,n2’=20となる条件のものを使用した。その他の表記は実施例2と同様である。
この結果を見ると、いずれの成分比の場合も、基本的な傾向は実施例2と同様であるが、エッジ近傍で判定が良となる第1の配向膜の成分比の範囲は、第3の配向膜の成分比=80%以上で否となり、より狭くなっている。つまり、第3の配向膜の添加によって、判定が良となる効果は変わらないが、下地基板の凹凸が激しくなり、テーパ角が80°ではエッジ近傍で正常な相分離構造が実現しにくくなることを示している。
このように、第1のポリイミドを有する第1の配向膜と、前記第1の配向膜の下層に形成された第2のポリイミドを有する第2の配向膜によって構成され、前記第1の配向膜の抵抗率は前記第2の配向膜の抵抗率よりも大きく、前記第1の配向膜には配向処理が施されていることを特徴とする液晶表示装置において、前記第1の配向膜と第2の配向膜の間に、第3の配向膜があり、第1の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をM、第2の配向膜を構成する高分子の繰り返し単位構造をMとし、第1の配向膜を構成する高分子を[Mn1、第2の配向膜を構成する高分子を[Mn2とすると、第3の配向膜を構成する高分子が[Mn1’−C−[Mn2’で表わされるブロックポリマーからなる、配向膜が、第3の配向膜を用いない場合に比べて、電極エッジ近傍の凹凸の高い領域でも多層の相分離構造が得られることがわかった。
次に、実施例2と同じ配向膜材料の組み合わせで、第3の配向膜の成分の繰り返し単位の数を変えた時の影響を検討した結果について、図表を用いて説明する。表4(a)乃至(c)に、その評価結果を示す。ここで、下地基板にはH=70nm,L=5μm,L=5μm,θ=45°;下地表面=ガラスの条件でパターニング加工したものを使用した。また、第1から第3配向膜の成分の平均繰り返し単位数に関しては、n1=40,n2=40;n1’=40,n2’=40となる条件のものを使用した。その他の表記は実施例2と同様である。
この結果を見ると、いずれの成分比の場合も、基本的な傾向は実施例2と同様であるが、その判定が良となる第1の配向膜の成分比の範囲は狭くなっている。例えば、第3の配向膜の割合を増やしていくと、第3配向膜の成分比=30%までは第3配向膜の成分比=0%と同じ結果と変わらず、第3配向膜の成分比=40〜80%では電極上および電極間で判定が良となる第1の配向膜の成分比=30〜70%に拡大している。つまり、実施例2では第3配向膜の成分比=30〜80%であったことから、正常な相分離構造が得にくくなっている。
表5(a)乃至(c)に、別の条件での評価結果を示す。ここで、下地基板にはH=70nm,L=5μm,L=5μm,θ=45°;下地表面=ガラスの条件でパターニング加工したものを使用した。また、第1から第3配向膜の成分の平均繰り返し単位数に関しては、n1=40,n2=40;n1’=10,n2’=10となる条件のものを使用した。その他の表記は実施例2と同様である。
この結果を見ると、いずれの成分比の場合も、基本的な傾向は実施例2と同様であるが、その判定が良となる第1の配向膜の成分比の範囲は狭くなっている。例えば、第3の配向膜の割合を増やしていくと、第3配向膜の成分比=30%までは第3配向膜の成分比=0%と同じ結果と変わらず、第3配向膜の成分比=40〜80%では電極上および電極間で判定が良となる第1の配向膜の成分比=30〜70%に拡大している。つまり、実施例2では第3配向膜の成分比=30〜80%であったことから、正常な相分離構造が得にくくなっている。
このように、本発明の第1の配向膜と第2の配向膜の間に、第3の配向膜がある配向膜の各成分の繰り返し単位の最適範囲は1/2×n1<n1’<2×n1、または1/2×n2<n2’<2×n2にあることがわかった。
次に、本発明の配向膜を用いて、実施例2と同じ構成で配向膜を形成し、但し液晶配向規制力をラビング法によって付与した時の評価した結果について、図表を用いて説明する。
表6(a)乃至(c)に結果を示す。表2の結果と比較すると、その判定が良となる第1の配向膜の成分比の範囲は電極上及び電極間では同様の傾向を示し、第3の配向膜の添加による配向膜質の改善が見られる。しかしながら、電極エッジ近傍では特に第1の配向膜の成分比が少ない領域でその判定が否となるところが増えている。これはラビングが配向膜表面を物理的に擦る処理であるために、電極エッジ近傍での表面層を削り取る部分を生じ、最上層を覆うべき第1の配向膜が薄くなってしまっていることを意味する。このように、ラビング法によって配向規制力を付与する場合にも、本発明の配向膜は有効であることがわかった。
次に、本発明の配向膜を用いて、実際の液晶表示装置を作製し、その表示性能の一つである残像時間を評価した結果について、図表を用いて説明する。ここでは、実施例2で作製した配向膜の条件で、IPS方式の液晶表示装置を作製し、その残像時間を測定した。
表7(a)乃至(c)に結果を示す。実用上良好と判断される残像時間は4分以内であるが、第3の配向膜を添加しない場合、第1の配向膜の成分比が40〜60%で残存時間は4分以内であり、液晶表示装置として良好な結果となった。
これに対して、第3の配向膜を添加していくと、第3の配向膜の成分比が30%までは添加しない場合と同じ第1の配向膜の成分比範囲で良好な残存時間となったが、更に添加量を増やすと、第3の配向膜の成分比が40%では第1の配向膜の成分比が30〜70%で良好な残存時間となり、第3の配向膜の成分比が50〜60%では第1の配向膜の成分比が20〜80%で良好な残存時間となった。更に添加量を増やすと、良好な残存時間の第1の配向膜の成分比の範囲は狭くなり、第3の配向膜の成分比が70%では第1の配向膜の成分比が20〜70%で良好な残存時間となり、第3の配向膜の成分比が80%では第1の配向膜の成分比が30〜60%で良好な残存時間となり、第3の配向膜の成分比が良好な残存時間を示す第1の配向膜の成分比はなかった。
このように、本発明の配向膜を用いることにより、液晶表示装置の残像特性が良好となる第1及び第2の配向膜の成分比の範囲が拡大することがわかった。
1…配向膜
2,2’…第1の配向膜
3,3’…第2の配向膜
4…液晶層
5…支持基板
6…下地層
7…透明電極
8…硝酸銀水溶液
9…析出した銀
10…第3の配向膜
11…大気
101…液晶表示パネル
102…第1の駆動回路
103…第2の駆動回路
104…制御回路
105…バックライト
106…アクティブマトリクス基板
107…対向基板
108…シール材
109a,109b…偏光板
110…柱状スペーサ
111…液晶分子
112…電界(電気力線)
601…ガラス基板
602…第1の絶縁層
603…(TFT素子の)半導体層
604…第2の絶縁層
605…第3の絶縁層
606…配向膜
607…ソース電極
608…導電層
609…突起形成部材
609a…(突起形成部材の)半導体層
609b…(突起形成部材の)導電層
701…ガラス基板
702…ブラックマトリクス
703R,703G,703B…カラーフィルタ
704…オーバーコート層
705…配向膜
GL…走査信号線
DL…映像信号線
Tr…TFT素子
PX…画素電極
CT…共通電極
CL…共通化配線
LC…液晶層(液晶材料)

Claims (8)

  1. 画素電極とTFTと配向膜とが形成されたTFT基板と、
    前記TFT基板に対向した対向基板と、
    前記TFT基板と前記対向基板との間に挟持された液晶と、を有する液晶表示装置であって、
    前記配向膜は液晶層と接する第1のポリイミドと、前記第1のポリイミドと前記TFT基板との間の第2のポリイミドとを有し、
    前記第1のポリイミドの抵抗率は、前記第2のポリイミドの抵抗率よりも大きく、
    前記第1のポリイミドには前記液晶に対する配向処理が施されており、
    前記第1のポリイミドと第2のポリイミドとの間には、第3のポリイミドが存在しており、
    前記第1のポリイミドを構成する高分子の繰り返し単位構造をM1、前記第2のポリイミドを構成する高分子の繰り返し単位構造をM2とし、
    前記第1のポリイミドを構成する高分子を[M1]n1、前記第2のポリイミドを構成する高分子を[M2]n2とすると、
    前記第3のポリイミドを構成する高分子が[M1]n1’−C−[M2]n2’で表わされることを特徴とする液晶表示装置。但し、Cはブロックポリマーの結合構造を示し、またn1、n2、n1’、n2’はそれぞれの高分子の繰り返し単位の数であり、1以上の整数を示す。
  2. 前記第1のポリイミドの前駆体の混合比をr1×(1−r3)、第2のポリイミドの前駆体の混合比をr2×(1−r3)、第3のポリイミドの前駆体の混合比をr3とすると、0.3≦r3≦0.8であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。但し、 (r1+r2) ×(1−r3) +r3=1である。
  3. 前記液晶表示装置において、1/2×n1<n1’<2×n1、または1/2×n2<n2’<2×n2であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1のポリイミドは、ラビングによって配向処理されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第1のポリイミドは、光照射によって配向処理されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記液晶表示装置がIPS(In-Plane Switching)方式の表示装置であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか1項に記載の液晶表示装置を製造する方法であって、
    前記第1のポリイミドの前駆体と、前記第2のポリイミドの前駆体と、前記第3のポリイミドの前駆体と、溶媒と、を含む溶液を前記TFT基板に塗布することで前記配向膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  8. 請求項1ないし3の何れか1項に記載の液晶表示装置が有する前記配向膜の材料であって、
    前記第1のポリイミドの前駆体と、前記第2のポリイミドの前駆体と、前記第3のポリイミドの前駆体と、溶媒と、を有することを特徴とする液晶表示装置用の配向膜の材料。
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