JP6278274B2 - 平角エナメル線の外観検査方法および平角エナメル線の外観検査装置 - Google Patents
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Description
このような外観検査方法を適用した例として、光を丸エナメル線表面に対して垂直に照射して線表面を撮像し、撮像データから表面欠陥を検出する、エナメル線の外観検査装置が知られている。(例えば、特許文献1。)
また、エナメル線の長手方向から光を照射して線表面を撮像し、撮像データからエナメルの膨れ欠陥を検出する、エナメル線の欠陥検出方法が知られている。(例えば、特許文献2)
例えば、特許文献1の外観検査装置を用いて平角エナメル線の外観検査を行うと、線の角部を暗く撮像してしまうことがあり、角部に欠陥が無いにもかかわらず、角部に欠陥があると誤検出してしまう可能性がある。また、特許文献1の外観検査装置は、色調変化の小さい欠陥を見落としてしまう可能性があり、緩やかな小さい凸にして色調変化の小さいエナメルの膨れ欠陥を見落としてしまう可能性がある。
また、特許文献2の欠陥検出方法を用いて平角エナメル線の外観検査を行うと、凹凸の小さい欠陥は検出できるものの、エナメル膜内に異物が混入した凹凸のない欠陥や、過加熱によるエナメル膜の焦げ付きなどの色調欠陥を見落としてしまう可能性がある。
通常の平角エナメル線は、平角エナメル線10のように、角の稜辺に面取りを施している。本実施形態の外観検査装置は、図1に示すような平角エナメル線を外観検査する装置であり、以下の説明では、平角エナメル線10の平らな面を平面10a、面取りを角面10bとしている。
そして上記構成に加え、本実施形態の外観検査装置は、平角エナメル線10を移動させる搬送装置4と、平角エナメル線10の振動を抑制するガイドローラ5とを具備している。
以下、これら構成要素について詳細に説明する。
図2に示すように、本実施形態の装置は、明視野撮像ユニット1を、搬送装置4の巻出しローラ4aと巻取りローラ4bとの間に配していて、平角エナメル線10を巻出しローラ4a側から内部に通して、巻取りローラ4b側に排出している。そして、図3に示すように、平角エナメル線10表面を撮像する4基の明視野撮像装置1a、1b、1c、1dと、平角エナメル線10表面に明視野撮像光を照射する、4基の明視野撮像用照明装置1e、1f、1g、1hを有している。
図6に示すように、本実施形態の装置は、暗視野撮像ユニット2を、搬送装置4の巻出しローラ4aと巻取りローラ4bとの間に配していて、平角エナメル線10を巻出しローラ4a側から内部に通して、巻取りローラ4b側に排出するようにしている。そして、図6に示すように、平角エナメル線10表面を撮像する4基の暗視野撮像装置2a、2b、2c、2dと、平角エナメル線10の長手方向から平面10aおよび角面10bに沿って暗視野撮像光を照射する、2基のリング照明具(暗視野撮像用照明装置)2e、2fを有している。
図1に示すように、コンピュータ3は、記憶部3aと、判定部3b、制御部3cを有していて、明視野撮像ユニット1と、暗視野撮像ユニット2に接続している。
記憶部3aは、明視野撮像ユニット1の4基の明視野撮像装置と、暗視野ユニット2の4基の暗視野撮像装置が撮像した撮像データを記憶するようにしている。
判定部3bは、記憶部3aに記憶した撮像データを基に、平角エナメル線10表面の欠陥の有無を判定可能にしている。
制御部3cは、明視野撮像ユニット1の4基の明視野撮像装置と、暗視野ユニット2の4基の暗視野撮像装置に接続し、各撮像装置の撮像のタイミングを制御するとともに、各撮像装置が撮像した撮像データを取得して、記憶部3aに転送するようにしている。
なお、記憶部3aには、別途取得した撮像位置あるいは撮像時刻に関するデータを記憶しても良く、撮像データとともに参照できるようにして、欠陥発生位置の特定に利用しても良い。
図1に示すように、搬送装置4は、平角エナメル線10を巻出す巻出しローラ4aと、平角エナメル線を巻取る巻取りローラ4bを有している。これらローラは、各々に接続する不図示のモータにより駆動し、平角エナメル線10を、巻出しローラ4aから巻取りローラ4bに、適度に張力を加えた状態にして、定速移動するようにしている。
図1に示すように、ガイドローラ5は、巻出しローラ4aと巻取りローラ4b間に位置し、移動する平角エナメル線10を上下左右方向から支持して、平角エナメル線10のぶれを抑制している。このようにすることで、明視野撮像ユニット1および暗視野撮像ユニット2における平角エナメル線10の撮像を安定にすることができ、より精度良く欠陥を検出することができる。なお、図1に示すように、ガイドローラ5は、明視野撮像ユニット1および暗視野撮像ユニット2の通過前後において、平角エナメル線10を支持するように配置することが好ましい。
まず、図2に示す装置において、搬送装置4により、平角エナメル線10を長手方向に一定速度で移動させる。
そして、図3に示す明視野撮像ユニット1において、平角エナメル線10の平面10aおよび角面10bに、明視野撮像用照明装置1e、1f、1g、1hから明視野撮像光を照射し、明視野撮像光を照射した位置における平面10aおよび角面10bの明視野像を明視野撮像装置1a、1b、1c、1dにより撮像する。
そして、図6に示す暗視野撮像ユニット2において、平角エナメル線10の長手方向に沿って、暗視野撮像用照明装置であるリング照明具2e、2fから暗視野撮像光を照射し、暗視野撮像光を照射した位置における平面10aおよび角面10bの暗視野像を暗視野撮像装置2a、2b、2c、2dにより撮像する。
そして、両ユニットで撮像した明視野像と暗視野像の撮像データを、接続するコンピュータ3が取得して記憶部3aに記憶し、記憶した撮像データを基に判定部3bが欠陥の有無を判定する。
図9に示すように、判定部3bは、ステップS11にて、記憶部3aから撮像データ(明視野像)を取得した後、ステップS12にて、像の平滑化処理を行って、銅線の加工痕による微小ノイズを除去する。その後、ステップS13にて、像の輝度変化について強調処理を行って、輝度コントラストの低い欠陥を検出可能にし、ステップ14にて、輝度2値化を行って、低輝度に写る欠陥部位のみを抽出し、ステップS15にて、膨張伸縮処理を行って、微小低輝度像の集合を一つの像に合体させる。以上の処理を行った像について、ステップS16にて、低輝度像のサイズを測定し、ステップS17にて、閾値との比較を行う。そして、低輝度像のサイズが、閾値より小さい場合は、ステップS18に進んで、欠陥無しと判定し、閾値より大きい場合は、ステップS19に進んで、欠陥有りと判定する。
判定部3bが欠陥有りと判定した場合、判定部3bは、欠陥有りと判定した撮像データの撮像時間と欠陥の大きさを記憶部3bに記憶し、後で参照できるようにする。
図10に示すように、判定部3bは、ステップS21にて、記憶部3aから撮像データ(暗視野像)を取得した後、ステップS22にて、像の平滑化処理を行って、銅線の加工痕による微小ノイズを除去する。その後、ステップS23にて、輝度2値化を行って、高低輝度に写る欠陥部位のみを抽出し、ステップS24にて、膨張伸縮処理を行って、微小高輝度像の集合を一つの像に合体させる。以上の処理を行った像について、ステップS25にて、高輝度像のサイズを測定し、ステップS26にて、閾値との比較を行う。そして、高輝度像のサイズが、閾値より小さい場合は、ステップS27に進んで、欠陥無しと判定し、閾値より大きい場合は、ステップS28に進んで、欠陥有りと判定する。なお、判定に用いる閾値は、明視野像の判定に用いた閾値と別の値にしても良い。
判定部3bが欠陥有りと判定した場合、判定部3bは、欠陥有りと判定した撮像データの撮像時間と欠陥の大きさを記憶部3bに記憶し、後で参照できるようにする。
以下に、本発明の平角エナメル線の外観検査装置を用いて、平角エナメル線の外観検査を行った実施例について示す。
本実施例では、断面が3.5mm×2.5mm、長さが800mmの平角エナメル線を、10m/分の速度で移動しながら外観検査を行った。
外観検査装置の構成について説明すると、明視野撮像ユニットは、落射照明具にハーフミラーを内蔵したLED照明、板状照明具に板状のLED照明を用い、平角エナメル線の平面および角面に白色光を照射した。なお、平角エナメル線の平面に対する板状照明具の照射角度は30°とした。そして、明視野撮像装置には、モノクロ200万画素のCMOSカメラを用い、シャッタースピードを1/5000秒に制御した。
また、暗視野撮像ユニットは、2基のリング照明具に内径30mmの環状LED照明を用い、平角エナメル線の長手方向に沿って、対向して白色光を照射した。そして、暗視野撮像装置にも、モノクロ200万画素のCMOSカメラを用い、シャッタースピードを1/5000秒に制御した。
表面欠陥の判定では、明視野像および暗視野像ともに、判定の閾値を0.2平方mmとし、これ以上の面積である異常部位を欠陥と判定するようにした。
また、本実施例の比較例として、同じ平角エナメル線について、明視野撮像ユニットだけの外観検査、暗視野撮像ユニットだけの外観検査、目視による外観検査を行い、検査結果の比較を行った。
本実施例である、明視野撮像ユニットと暗視野撮像ユニットによる外観検査では、目視検査で検出できた表面欠陥すべてを検出することができ、精度良く外観検査できることが
確認できた。
1a,1b,1c,1d:明視野撮像装置
1e,1f,1g,1h:明視野撮像用照明装置
1ea:落射照明具
1eb,1ec:板状照明具
2:暗視野撮像ユニット
2a,2b,2c,2d:暗視野撮像装置
2e,2f:リング照明具(暗視野撮像用照明装置)
3:コンピュータ
3a:記憶部
3b:判定部
3c:制御部
4:搬送装置
4a:巻出しローラ
4b:巻取りローラ
5:ガイドローラ
10:平角エナメル線
L1:明視野撮像光
L2:暗視野撮像光
Claims (4)
- 長手方向に移動する平角エナメル線の平面および角面に明視野撮像光を照射し、前記平面および前記角面の明視野像を撮像する工程と、
前記平角エナメル線の長手方向に沿って暗視野撮像光を照射し、前記平面および前記角面の暗視野像を撮像する工程と、
前記明視野像と前記暗視野像から、前記平面および前記角面における欠陥の有無を判定する工程と
を有することを特徴とする平角エナメル線の外観検査方法。 - 前記暗視野撮像光を、前記長手方向に沿って対向する2方向から照射し、該照射の対向する間隔の中央部で暗視野像を撮像する
ことを特徴とする請求項1に記載の平角エナメル線の外観検査方法。 - 長手方向に移動する平角エナメル線の平面および角面に明視野撮像光を照射する明視野撮像用照明装置と、
前記平面および前記角面の明視野像を撮像する明視野撮像装置と、
前記平角エナメル線の長手方向に沿って暗視野撮像光を照射する暗視野撮像用照明装置と、
前記平面および前記角面の暗視野像を撮像する暗視野撮像装置と、
前記明視野像と前記暗視野像から、前記平面および前記角面における欠陥の有無を判定する判定部と
を具備することを特徴とする平角エナメル線の外観検査装置 - 前記暗視野撮像用照明装置が、前記暗視野撮像光を、前記長手方向に沿って対向する2方向から照射し、該照射の対向する間隔の中央部で暗視野像を撮像するものである
ことを特徴とする請求項3に記載の平角エナメル線の外観検査装置。
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