JP6278080B1 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】締結側摩擦要素が駆動トルクを伝達し始めるタイミングを適切に制御して、該締結側摩擦要素の締結の際に発生する変速ショックを抑制する。【解決手段】変速制御部によるプリチャージ制御の後、第1油圧保持制御を実行せずに、第2油圧保持制御を実際に実行したときに、油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、摩擦要素が駆動トルクを伝達し始める充填量である伝達開始充填量に到達するタイミングである第1タイミングtCVと、変速制御部によるプリチャージ制御の後、第1油圧保持制御を実行して、その後第2油圧保持制御を実行したときに、油圧アクチュエータへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達するタイミングである第2タイミングtRとに基づいて、該第2タイミングtRが、予め設定された特定タイミングtSと同等になるように、第1油圧保持制御における第1棚圧PH1を学習補正する棚圧学習部を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、自動変速機の変速制御装置に関する。
従来より、油圧アクチュエータに供給される油圧によって、変速時に締結又は解放される摩擦要素と、上記油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御手段とを有し、上記摩擦要素によって内燃機関で発生した駆動トルクを伝達する自動変速機において、上記摩擦要素を迅速かつ円滑に締結するための、自動変速機の変速制御装置が知られている。例えば特許文献1には、摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始めるために必要な油圧ピストンシリンダ容積(伝達開始充填量)を、摩擦要素の油圧ピストンシリンダ(油圧アクチュエータ)内への作動油の充填開始から摩擦要素の締結開始を検出するまでの間に電気油圧変換バルブ(油圧制御手段)で吐出した流量の積算値から算出することで学習する制御ユニットを備え、該学習した上記ピストンシリンダ容積に基づいて、上記摩擦要素を締結させる際の、上記電気油圧変換バルブの作動を制御する、自動変速機の変速制御装置が開示されている。
特開平4−366063号公報
ところで、自動変速機の所定の変速時では、摩擦要素が締結する際に、該摩擦要素の締結によっていわゆるG変化が発生し、該G変化が上記車両のドライバーに変速ショックとして伝達されることがあり、この変速ショックによって、上記ドライバーに違和感を与えてしまうことがある。特に、上記駆動トルクの小さい運転領域においては、上記G変化が発生しやすく上記ドライバーに違和感を与えやすいため、上記駆動トルクの小さい運転領域においては、上記変速ショックを出来る限り抑える必要がある。
上記変速ショックを抑制する方法として、上記摩擦要素の油圧アクチュエータに供給する油圧を、棚圧と呼ばれる油圧の上昇が緩やかな圧力にし、該棚圧が形成されている間に、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始める程度に、該摩擦要素を締結させる方法がある。上記棚圧は、上記油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御弁に対する指示圧を一定の圧力にすることで形成することができる。
上記棚圧が形成されている間に、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始めるようにするには、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始めるようになるときの、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量(以下、伝達開始充填量という)を正確に見積もる必要がある。
上記特許文献1に記載の自動変速機の変速制御装置では、上記伝達開始充填量を学習することで、油圧アクチュエータへの油圧の供給を適切に行うことができ、その結果、摩擦要素の締結の際に発生する変速ショックを抑制できるという効果が期待される。
しかしながら、摩擦要素の油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御手段は、経年劣化するため、所定の指示圧に対して上記油圧アクチュエータに供給される単位時間あたり作動油の量(すなわち、作動油の供給量)は経時的に変化する。そのため、上記伝達開始充填量を学習しただけでは、上記油圧アクチュエータに供給する油圧を適切に制御することができず、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始めるタイミングを適切に制御できないため、上記摩擦要素の締結の際に発生する変速ショックを十分に抑制できない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、摩擦要素が駆動トルクを伝達し始めるタイミングを適切に制御して、該摩擦要素の締結の際に発生する変速ショックを抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、油圧アクチュエータに供給される油圧によって、変速時に締結又は解放される摩擦要素と、上記油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御手段とを有し、内燃機関で発生した駆動トルクを上記摩擦要素により伝達する自動変速機の変速制御装置を対象として、上記自動変速機の変速時において、所定の摩擦要素を締結させる際に、予め設定されたプリチャージ時間の間、上記油圧制御手段に対する指示圧を予め設定されたプリチャージ圧にして、上記油圧アクチュエータに対して作動油をプリチャージするプリチャージ制御を実行し、該プリチャージ制御の後に、予め設定された第1保持時間の間、上記指示圧を上記プリチャージ制御時の圧力よりも低い圧力に設定された第1棚圧に保持する第1油圧保持制御を実行し、該第1油圧保持制御の後に、予め設定された第2保持時間の間、上記指示圧を上記プリチャージ圧よりも低くかつ上記第1棚圧よりも高い圧力に設定された第2棚圧に保持する第2油圧保持制御を実行し、該第2油圧保持制御の後に、上記指示圧を上記第2棚圧から上昇させる昇圧制御を実行して上記摩擦要素を締結させる締結制御手段と、上記締結制御手段による上記プリチャージ制御の後、上記第1油圧保持制御を実行せずに、上記第2油圧保持制御を実際に実行したときに、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始める充填量である伝達開始充填量に到達するタイミングである第1タイミングと、上記締結制御手段による上記プリチャージ制御の後、上記第1油圧保持制御を実行して、その後上記第2油圧保持制御を実行したときに、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、上記伝達開始充填量に到達するタイミングである第2タイミングとに基づいて、該第2タイミングが、予め設定された特定タイミングと同等になるように、上記第1棚圧を学習補正する棚圧学習手段とを備える、という構成とした。
この構成によると、棚圧学習手段によって、上記第1タイミングと上記第2タイミングとに基づいて、上記第2タイミングが上記特定タイミングと同等になるように、上記第1油圧保持制御における上記第1棚圧を学習補正することができる。具体的には、上記第1タイミングと上記第2タイミングとのずれ量から、指示圧が上記第1棚圧であるときに、油圧アクチュエータに、実際に供給される単位時間あたりの作動油の量(以下、作動油の供給量という)を求め、該作動油の供給量から、上記第2タイミングを上記特定タイミングと同等にする上記第1棚圧を算出する。これにより、上記摩擦要素が駆動トルクを伝達し始めるタイミングを適切に制御して、該摩擦要素の締結の際に発生する変速ショックを抑制することができる。ここで、上記特定タイミングは、摩擦要素の締結の際に発生する変速ショックが十分に抑えられるタイミングに設定されている。
上記自動変速機の変速制御装置において、上記棚圧学習手段は、上記第2タイミングが、上記特定タイミングよりも遅いときには、上記第1棚圧を高くするように構成されている、ことが望ましい。
すなわち、上記第2タイミングが、上記特定タイミングよりも遅いときには、上記指示圧を第1棚圧したときの、油圧アクチュエータへの実際の作動油の供給量が、予め推定された第1棚圧のときの油圧アクチュエータへの作動油の流量よりも少ないことを意味している。そのため、上記第2タイミングが、上記特定タイミングよりも遅いときには、上記第1棚圧を高く設定して、上記第2タイミングが上記特定タイミングと同等になるようにする。これにより、摩擦要素の締結の際に発生する変速ショックをより一層抑制できるようになる。
上記自動変速機の変速制御装置の一実施形態においては、上記自動変速機に設けられたタービンの回転数を検出するタービン回転数検出手段を更に備え、上記棚圧学習手段は、上記タービン回転数検出手段の検出結果に基づいて、上記第2タイミングを検出するように構成されている。
すなわち、摩擦要素が締結する時には、タービンの回転が抑えられてタービンの回転数が低下するため、タービンの回転数を検出することによって、上記第2タイミングを正確に検出することができる。
或いは、上記一実施形態とは異なる別の実施形態において、上記油圧アクチュエータに供給された油圧を検出するための油圧検出手段を更に備え、上記棚圧学習手段は、上記油圧検出手段の検出結果に基づいて、上記第2タイミングを検出するように構成されている、ようにしてもよい。
すなわち、摩擦要素が締結する時には、油圧アクチュエータの動作が抑えられるため、該油圧アクチュエータにかかる油圧が上昇する。そのため、油圧アクチュエータに供給される油圧の変化に基づいて、上記第2タイミングを正確に検出することができる。
上記自動変速機の変速制御装置において、上記棚圧学習手段は、定期的に上記第1棚圧の学習を実行する、ことが望ましい。
この構成によると、油圧アクチュエータに供給される該変化に対応して上記第1棚圧を適切な値にすることができ、この結果、摩擦要素の締結の際に発生するショックを一層抑制できるようになる。
以上説明したように、本発明に係る自動変速機の変速制御装置によると、締結制御手段によるプリチャージ制御の後、第1油圧保持制御を実行せずに、第2油圧保持制御を実際に実行したときに、油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、摩擦要素が駆動トルクを伝達し始める充填量である伝達開始充填量に到達するタイミングである第1タイミングと、締結制御手段によるプリチャージ制御の後、第1油圧保持制御を実行して、その後第2油圧保持制御を実行したときに、油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、上記伝達開始充填量に到達するタイミングである第2タイミングとに基づいて、該第2タイミングが、予め設定された特定タイミングと同等になるように、上記第1棚圧を学習補正することができ、この結果、該摩擦要素の締結の際に発生する変速ショックを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る自動変速機の変速制御装置の構成を示すブロック図である。 自動変速機の変速時における、締結側油圧制御弁に伝達される制御信号、締結側摩擦要素の油圧アクチュエータにかかる実油圧及び該油圧アクチュエータに供給された作動油の充填量を示すタイムチャートである。 伝達開始充填量の学習を実行するときに、締結側油圧制御弁に伝達される制御信号、締結側摩擦要素にかかる実油圧及びタービン回転数の変化を示すタイムチャートである。 伝達開始充填量学習部による伝達開始充填量の学習を実行したときの制御を示すフローチャートである。 棚圧学習を実行するときに、締結側油圧制御弁に伝達される制御信号、締結側摩擦要素にかかる実油圧及びタービン回転数の変化を示すタイムチャートである。 コントロールユニットによる棚圧学習実行時の制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動変速機2の変速制御装置の制御系の構成を示す。この自動変速機2は、車両(ここでは、自動車)に搭載されていて、該車両の内燃機関であるエンジン(図示省略)等で生成された駆動トルクが入力されるとともに、該駆動トルクを上記車両の車輪に伝達するものである。
自動変速機2は、上記駆動トルクを車輪に伝達するための複数の摩擦要素11,12(クラッチやブレーキ、本実施形態では特にクラッチを指す)を有しており、該複数の摩擦要素11,12の締結状態によって、自動変速機2の変速段が決定される。自動変速機2の所定の変速時には、複数の摩擦要素11,12のうち所定の1つ又は複数の摩擦要素が解放されるとともに、他の1つ又は複数の摩擦要素が締結されて、変速動作が実行される。以下の説明において、自動変速機2の上記所定の変速時に解放される摩擦要素を解放側摩擦要素11といい、自動変速機2の上記所定の変速時に締結される摩擦要素を締結側摩擦要素12という。尚、自動変速機2の上記所定の変速時以外の変速時には、解放側摩擦要素11が締結され、締結側摩擦要素12が解放されることがある。
複数の摩擦要素11,12(厳密にはクラッチ)は、それぞれ複数の摩擦板を有している。上記締結側摩擦要素12は、締結側摩擦要素12に設けられた上記複数の摩擦板が係合していない状態から、後述する油圧アクチュエータ12aによって、当該複数の摩擦板を押圧して互いに係合させることで締結状態となる。逆に、解放側摩擦要素11は、解放側摩擦要素11に設けられた上記複数の摩擦板が、後述する油圧アクチュエータ11aに押圧されて互いに係合した状態から、当該複数の摩擦板の係合を解除することで解放状態となる。尚、上記複数の摩擦板は、互いに完全に係合していなくとも、摩擦によって、上記駆動トルクを伝達することが可能である。上記複数の摩擦板が、完全に係合されていない場合には、上記複数の摩擦板が互いに完全に係合している場合と比較して、伝達される駆動トルクは小さくなる。
複数の摩擦要素11,12はそれぞれ油圧アクチュエータ11a,12aを有している。解放側摩擦要素11の解放は、油圧アクチュエータ11aから作動油を排出して、該油圧アクチュエータ11aにかかる油圧を下げることにより実行され、一方で、締結側摩擦要素12の締結は、油圧アクチュエータ12aに作動油を供給して、該油圧アクチュエータ11aにかかる油圧を上昇させることにより実行される。油圧アクチュエータ11a,12aは、図示は省略するが、作動油が供給される油圧室と、該油圧室に作動油が供給されることで発生する油圧によって駆動するピストンとを有しており、自動変速機2の上記所定の変速時には、油圧が供給されることによって上記ピストンが駆動して、締結側摩擦要素12が締結される。
自動変速機2は、解放側摩擦要素11の油圧アクチュエータ11a及び締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aに供給する油圧を制御するための複数の油圧制御弁31,32(油圧制御手段)を有している。
複数の油圧制御弁31,32は、例えばソレノイドバルブであって、後述するコントロールユニット50からの制御信号を受けて、バルブの開度を変化させることで、解放側摩擦要素11の油圧アクチュエータ11a(厳密には、油圧アクチュエータ11aの油圧室)からの作動油の排出量、締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12a(厳密には、油圧アクチュエータ12aの油圧室)に供給する単位時間あたりの作動油の量(以下、作動油の供給量という)を制御して、油圧アクチュエータ11a,12aの油圧を制御する。以下の説明では、解放側摩擦要素11の油圧アクチュエータ11aの油圧を制御する油圧制御弁を解放側油圧制御弁31といい、締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aの油圧を制御する油圧制御弁を締結側油圧制御弁32という。
自動変速機2には、各油圧制御弁31,32を作動制御するためのコントロールユニット50が設けられている。このコンロトールユニット50は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。
コンロトールユニット50には、上記車両の車速を検出する車速センサ51からの信号と、上記車両のドライバーによるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ52からの信号と、自動変速機2に設けられたタービンの回転数を検出するタービン回転数センサ53からの信号と、上記車両のシフトレバー(図示省略)のレンジ位置を検出するレンジ位置センサ54からの信号と、上記所定の変速時に締結される締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aにかかる油圧が所定の油圧以上となったときにONとなる油圧スイッチ55からの信号が入力されるようになっている。
コントロールユニット50は、上記入力された信号に基づいて、自動変速機2(詳細には、解放側摩擦要素11や締結側摩擦要素12など)の作動を制御する。
コントロールユニット50内には、変速制御部50aと、棚圧学習部50bと、伝達開始充填量学習部50cとが設けられている。
変速制御部50aは、所定の変速要求があったときに、解放側油圧制御弁31及び締結側油圧制御弁32の作動を制御して、解放側摩擦要素11を解放させかつ締結側摩擦要素12を締結させる。
変速制御部50aは、上記通常走行時において、シフトレバーのレンジ位置がDレンジ位置にあるときに、基本的に、上記車両の走行状態(詳細には、アクセル開度センサ51からの信号及び車速センサ52からの信号)から、コントロールユニット50のメモリに予め記憶した変速比マップを用いて変速段を決定して、その決定した変速段になるように、解放側油圧制御弁31及び締結側油圧制御弁32を制御することによって、解放側摩擦要素11及び締結側摩擦要素12の動作を制御する。
ここで、図2を参照しながら、自動変速機2の上記所定の変速時において、締結側摩擦要素12を締結させる際の、変速制御部50aによる締結側油圧制御弁32に対する制御について説明する。
変速制御部50aから変速指令が出力されると、締結側油圧制御弁32に対して、該弁32を全閉の状態から全開もしくは所定開度に開くように、制御信号が出力される。この制御信号が図2上段に示す指示圧に相当する。尚、図2に示していないが、変速制御部50aから変速指令が出力されたときには、解放側油圧制御弁31に対しても、該弁31を全開若しくは所定開度の状態から閉じるように、制御信号が出力される。
上記車両の変速時には、変速制御部50aは、先ず、予め設定されたプリチャージ時間Tの間、締結側油圧制御弁32に対する指示圧をプリチャージ圧Pに維持して、油圧アクチュエータ12aに対して作動油をプリチャージするプリチャージ制御を実行する。このプリチャージ制御によって、締結側油圧制御弁32から油圧アクチュエータ12aに至るまでの油路や該油圧アクチュエータ12aの油室内に速やかに作動油を充満させることができる。尚、プリチャージ圧P及びプリチャージ時間Tは、上記プリチャージ制御を実行している間に、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が、締結側摩擦要素12が上記エンジンからの駆動トルクを伝達し始める量、すなわち、締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達可能な程度に締結される量である伝達開始充填量QCVに到達しないような圧力及び時間(例えば、300kPa、150msec)に設定されている。
ここで、「締結側摩擦要素12が駆動トルクを伝達し始める」とは、上記エンジンで生成される駆動トルクのうち所定の割合の駆動トルクを伝達可能になった状態のことを意味する。
上記プリチャージ制御が完了した後は、変速制御部50aは、上記指示圧を、プリチャージ圧Pから、該プリチャージ圧Pよりも低い圧力に設定された第1棚圧PH1にして、予め設定された第1保持時間TH1の間、上記指示圧を上記第1棚圧PH1に保持する第1油圧保持制御を実行する。この第1油圧保持制御において、上記第1保持時間TH1は、該第1油圧保持制御の実行中に油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達しないような時間(例えば、200msec)に設定されている。また、詳しくは後述するが、上記第1棚圧PH1は、油圧アクチュエータ12a(厳密には、油圧アクチュエータ12aのピストン)がストローク可能な圧力であって、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達するタイミングが、後述の特定タイミングtと同等になるように設定される。
上記第1油圧保持制御の後、変速制御部50aは、上記指示圧を第1棚圧PH1よりも高くかつプリチャージ圧Pよりも低い圧力に設定された第2棚圧PH2にして、予め設定された第2保持時間TH2の間、上記指示圧を上記第2棚圧PH2に保持する第2油圧保持制御を実行する。この第2油圧保持制御において、第2棚圧PH2及び第2保持時間TH2は、第2油圧保持制御の実行中に、特に後述の特定タイミングtにおいて、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達する程度の圧力(例えば150kPa)及び時間(例えば、300msec)に設定されている。
上記第1油圧保持制御を実行した後に、上記第2油圧保持制御を実行することによって、締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達し始めるタイミングにおける油圧の上昇を出来る限り抑えて、当該タイミングにおいて締結側摩擦要素12を緩やかに締結させることができ、締結側摩擦要素12の締結時に発生する変速ショックを抑えることができる。
そして、変速制御部50aは、上記第2油圧保持制御が完了した後は、締結側摩擦要素12を完全に締結させるために上記指示圧を上昇させて、油圧アクチュエータ12aの作動圧を上昇させる昇圧制御を実行する。以上により、自動変速機2の変速時における締結側摩擦要素12の締結が完了する。
以上のことから、変速制御部50aは、上記所定の変速時において、締結側摩擦要素12を締結させる際に、プリチャージ制御、第1油圧保持制御、第2油圧保持制御及び昇圧制御の各制御を実行して、上記締結側摩擦要素12を締結させる締結制御手段を構成する。
上記各制御において、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したか否かは、油圧アクチュエータ12aに供給されている実油圧の変化によって判断することができる。図2に実油圧の曲線で示すように、プリチャージ制御によって上記油路及び油圧アクチュエータ12aの油圧室が作動油で満たされると、油圧アクチュエータ12aに油圧がかかって上記実油圧が上昇する。上記プリチャージ制御の後、第1油圧保持制御によって、上記指示圧が第1棚圧PH1になると、上記実油圧は第1棚圧PH1に向かって緩やかに上昇するか又は第1棚圧PH1に保持される。第1油圧保持制御の後、第2油圧保持制御によって、上記指示圧が第2棚圧PH2になると、上記実油圧は第2棚圧PH2に向かって緩やかに上昇する。そして、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達すると、油圧アクチュエータ12aが締結側摩擦要素12の上記摩擦板を移動させ始めるため、油圧アクチュエータ12aに油圧かかる。油圧アクチュエータ12aが締結側摩擦要素12の上記摩擦板を移動させ始めた後は、上記実油圧は一気に第2棚圧PH2程度まで上昇して、締結側摩擦要素12の上記摩擦板は上記駆動トルクを伝達可能な程度にまで押し込まれる。したがって、油圧アクチュエータ12aにかかる実油圧が第2棚圧PH2程度のときに油圧スイッチ55がONとなるようにしておけば、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したか否かを判断することができる。
また、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したか否かは、タービン回転数センサ53によって検出されるタービン回転数によっても判断することができる。すなわち、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達して、締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達し始める瞬間には、該締結側摩擦要素12の締結によりタービンの回転が抑えられて、タービン回転数が一時的に低下し、その後再び上昇するような変化を示す。そのため、タービン回転数センサ53によって、上記タービン回転数の低下を検出すれば、油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したか否かを判断することができる。
ここで、自動変速機2による上記車両の変速時において、締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達し始める時、つまり、締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達可能な程度に締結される時には、上記車両の車輪に伝達される上記駆動トルクが一時的に低下していわゆるG変化が発生し、該G変化が上記車両のドライバーに変速ショックとして伝達されることがあり、この変速ショックによって、上記車両のドライバーに違和感を与えてしまうことがある。特に、駆動トルクの小さい運転領域においては、上記G変化が発生しやすく上記車両のドライバーに違和感を与えやすいため、駆動トルクの小さい運転領域においては、上記変速ショックを出来る限り抑える必要がある。
上述のように、上記第1油圧保持制御を実行した後に、上記第2油圧保持制御を実行することで、油圧を段階的に上昇させて、締結側摩擦要素12を締結させると、締結側摩擦要素12の油圧アクチュエータ12aに供給する油圧の上昇が緩やかなときに、締結側摩擦要素12を締結させることができるため、上記変速ショックを抑える効果が期待される。
締結側摩擦要素12が上記駆動トルクを伝達し始めるタイミングは、第2油圧保持制御が実行されている間にあることが望ましく、特に、解放側摩擦要素11が解放されるタイミングから所定時間以上遅れないタイミングであって、締結側摩擦要素12の締結の際に発生する変速ショックが十分に抑えられるタイミングである特定タイミングtと同等であることが望ましい。そこで、本実施形態では、第1油圧保持制御における第1棚圧PH1を設定することによって、締結側摩擦要素12が締結し始めるタイミングを制御するようにしている。
しかしながら、所定の指示圧における、油圧アクチュエータ12aへの作動油の供給量は、締結側油圧制御弁32の経年劣化等によって変化するため、上記第1棚圧を上記作動油の供給量の変化に応じて、適切に定める必要がある。
そこで、本実施形態では、棚圧学習部50bを設けて、変速制御部50aによる上記プリチャージ制御の後、上記第1油圧保持制御を実行せずに、上記第2油圧保持制御を実際に実行したときに、上記油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達するタイミングである第1タイミングtCVと、変速制御部50aによる上記プリチャージ制御の後、上記第1油圧保持制御を実行して、その後上記第2油圧保持制御を実行したときに、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達するタイミングである第2タイミングtとに基づいて、上記第2タイミングtが、予め設定された特定タイミングtと同等になるように、上記第1油圧保持制御における上記第1棚圧PH1を学習補正するようにしている。
棚圧学習部50bによって、所定の指示圧に対する作動油の供給量を学習するには、予め伝達開始充填量QCVを定める必要がある。上記伝達開始充填量QCVについては、一般的には自動変速機2の製造時に算出されているが、油圧アクチュエータ12aの経年劣化等によって経時的に変化する。そこで、本実施形態では、上記伝達開始充填量QCVを学習補正するための伝達開始充填量学習部50cも設けられている。
伝達開始充填量学習部50cによる上記伝達開始充填量QCVの学習補正(以下、単に伝達開始充填量学習という)について、図3に示すタイムチャート及び図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。尚、図4に示すフローチャートにおいて、指示圧をプリチャージ圧や第2棚圧に維持する制御は変速制御部50aによって実行され、伝達開始充填量の算出や変更については伝達開始充填量学習部50cによって実行されている。また、上記第1タイミングtCVは、伝達開始充填量学習部50cによって求められる。
本実施形態の上記伝達開始充填量学習では、先ず、ステップS101において、締結側油圧制御弁32に対する指示圧をプリチャージ圧Pにして、次のステップS102において、プリチャージ時間Tが経過したか否かを判定する。該判定において、プリチャージ時間Tが経過したYESのときには、ステップS103に進む一方、プリチャージ時間Tが経過していないNOのときには、該プリチャージ時間Tが経過するまで作動圧をプリチャージ圧Pに維持する。
次のステップS103では、作動圧を第2棚圧PH2に維持する。ステップS103の次はステップS104に進む。
上記ステップS104では、タービン回転数センサ53によってタービン回転数の低下が検出されたか否かが検出されたか否かを判定する。図3に示すように、締結側摩擦要素12が締結し始めると、該締結によってタービンの回転が阻害されてタービン回転数が低下するため、タービン回転数の低下を検出することによって、締結側摩擦要素12が締結し始めたか、すなわち、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達したか否かを検出することができる。上記判定において、タービン回転数の低下が検出されたYESのときには、ステップS105に進む一方、タービン回転数の低下が検出されないNOのときには、タービン回転数の低下が検出されるまで作動圧を上記第2棚圧PH2に維持し続ける。
上記ステップS105では、タービン回転数の低下から、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したタイミング、すなわち第1タイミングtCVを検出し、上記プリチャージを開始してから、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達するまでにかかった時間を算出する。
続くステップS106では、上記ステップS105で算出した時間から実際の伝達開始充填量を算出する。コントロールユニット50には、上記指示圧と作動油の供給量との関係がマップとして予め記憶されており、該供給量とプリチャージ時間T、及び、上記指示圧を第2棚圧PH2にしてから油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達するまでの時間とに基づいて、上記伝達開始充填量を算出することができる。
次のステップS107では、予め記憶されていた伝達開始充填量を、上記ステップS106で算出された実際の伝達開始充填量に書き換える必要があるか否かについて判定する。該判定は、予め記憶されていた伝達開始充填量と実際の伝達開始充填量との差が所定量以上であるか否かに基づいて判定する。
上記ステップS107における判定で、伝達開始充填量を書き換える必要があるYESのときには、ステップS108に進み、予め記憶されていた伝達開始充填量を上記ステップS106で算出した実際の伝達開始充填量に書き換えた後、リターンする。一方で、伝達開始充填量を書き換える必要がないNOのときには、伝達開始充填量を書き換えることなくリターンする。
以上のようにして、上記伝達開始充填量学習QCVが完了する。尚、ステップS104では、タービン回転数の変化ではなく、油圧アクチュエータ12aにかかる実油圧の変化を確認するようにしてもよい。
上記伝達開始充填量の学習は、上記車両の製造時に実施され、その後は、定期的(例えば、1万km走行する毎に1回のペース)で実施される。
次に、棚圧学習部50bによる第1棚圧PH1の学習補正(以下、単に棚圧学習という)について、図5に示すタイムチャート及び図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
上記棚圧学習は、定期的に、詳しくは、自動変速機2の変速の度に、該変速時における油圧アクチュエータ12aの作動油の充填量が上記伝達開始充填量QCVに到達したタイミングに基づいて行われるものである。尚、図6に示すフローチャートにおいて、締結側油圧制御弁32に対する指示圧をプリチャージ圧P、第1棚圧PH1及び第2棚圧PH2に維持する制御(すなわち、プリチャージ制御、第1油圧保持制御及び第2油圧保持制御)は変速制御部50aによって実行され、第2タイミングtの検出及び第1棚圧PH1の補正については棚圧学習部50bによって実行されている。
上記棚圧学習では、先ず、ステップS201において、プリチャージ制御を実行して、上記指示圧をプリチャージ圧Pに維持して、次のステップS202において、プリチャージ時間Tが経過したか否かを判定する。該判定において、プリチャージ時間Tが経過したYESのときには、ステップS203に進む一方、プリチャージ時間Tが経過していないNOのときには、該プリチャージ時間Tが経過するまで上記指示圧をプリチャージ圧Pに維持する。
上記ステップS203では、第1油圧保持制御を実行して、上記指示圧を第1棚圧PH1に維持し、次のステップS204において、第1保持時間TH1が経過したか否かを判定する。該判定において、第1保持時間TH1が経過したYESのときには、ステップS205に進む一方、第1保持時間TH1が経過していないNOのときには、該第1保持時間TH1が経過するまで作動圧を第1棚圧PH1に維持する。
上記ステップS205では、第2油圧保持制御を実行して、上記指示圧を第2棚圧PH2に維持する。ステップS205の次はステップS206に進む。
上記ステップS206では、タービン回転数センサ53によってタービン回転数の低下が検出されたか否かが検出されたか否かを判定する。タービン回転数の変化を検出することより、伝達開始充填量の学習と同様に、締結側摩擦要素12が締結し始めたか、すなわち、油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達したか否かを検出することができる。上記判定において、タービン回転数の低下が検出されたYESのときには、ステップS105に進む一方、タービン回転数の低下が検出されないNOのときには、タービン回転数の低下が検出されるまで上記指示圧を上記第2棚圧PH2に維持し続ける。
上記ステップS207では、タービン回転数の低下から、第2タイミングtを検出する。
続くステップS208では、上記ステップS207で検出された第2タイミングtと、上記特定タイミングtと同等であるか否かについて判定する。
上記ステップS208における判定で、上記第2タイミングtと上記特定タイミングtとが同等であるYESのときには、ステップS209に進み、第1棚圧PH1を上記ステップS203における第1棚圧PH1に確定させた後、リターンする。このとき、棚圧学習部50bは、上記指示圧が第1棚圧のときの実際の作動油の供給量を、上記指示圧と作動油の供給量との関係を表す現在のマップに示された供給量であると学習する。
一方で、上記ステップS208における判定で、上記第2タイミングtと上記特定タイミングtとが同等でないNOのときには、後述する算出方法によって、上記指示圧が上記第1棚圧PH1のときの実際の作動油の供給量を算出し、上記第2タイミングtが上記特定タイミングtと同等になるように上記第1棚圧PH1を補正する。例えば、図5に示すように上記第2タイミングtが上記特定タイミングtに対して遅れていた場合には、図5に一点鎖線で示すように、上記第1棚圧PH1を高くして、上記第2タイミングtが早くなるようにする。これにより、上記第2タイミングtを上記特定タイミングtと同等にすることができる。
上記指示圧が上記第1棚圧PH1のときの実際の作動油の供給量は、上記プリチャージ制御を開始してから第1タイミングtCVに到達するまでの第1時間TCVと、上記プリチャージ制御を開始してから上記第2タイミングtに到達するまでの第2時間Tと、上記指示圧が第2棚圧PH2の時の作動油の供給量と、第1保持時間TH1とに基づいて算出する。具体的には、先ず、第2時間Tから第1時間TCVを引いてT−TCVを算出する。このT−TCVは、第1油圧保持制御を実行したことによって生じた上記第1時間TCVに対する遅延時間を表している。次に、上記T−TCVに、上記指示圧が第2棚圧PH2の時の作動油の供給量を乗じる。上記T−TCVに、上記指示圧が第2棚圧PH2の時の作動油の供給量を乗じることで、第1油圧保持制御を実行したことによる、上記第1タイミングtCVにおける伝達開始充填量に対する不足量を求めることができる。そして、上記不足量から、上記第1油圧保持制御において実際に供給された作動油の総量を求めて、該総量を上記第1保持時間TH1で割って、上記指示圧が第1棚圧PH1のときの実際の作動油の供給量を算出する。該供給量を算出した後、上記指示圧と作動油の供給量との関係を表すマップを更新する。
上記第2タイミングtを特定タイミングtと同等にするための上記第1棚圧PH1の学習補正量は、更新後のマップ及び上記第2タイミングtと上記特定タイミングtとのずれ量に基づいて算出される。そして、該学習補正量に基づいて、上記第1棚圧PH1が学習補正される。
以上のように、棚圧学習部50bによって、上記第2タイミングtを、締結側摩擦要素12の締結の際に発生する変速ショックが十分に抑えられるタイミングである特定タイミングtと同等になるように、第1棚圧PH1を学習補正することができるため、締結側摩擦要素12が締結する際に発生する上記変速ショックを抑えることができる。
したがって、本実施形態では、変速制御部50aによる上記プリチャージ制御の後、上記第1油圧保持制御を実行せずに、上記第2油圧保持制御を実際に実行したときに、上記油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達するタイミングである第1タイミングtCVと、変速制御部50aによる上記プリチャージ制御の後、上記第1油圧保持制御を実行して、その後上記第2油圧保持制御を実行したときに、上記油圧アクチュエータ12aへの作動油の充填量が上記伝達開始充填量に到達するタイミングである第2タイミングtとに基づいて、該第2タイミングtが特定タイミングtとなるように、上記第1棚圧を学習補正する棚圧学習部50bを備えているため、締結側摩擦要素12がエンジンからの駆動トルクを伝達し始めるタイミングを適切に制御して、該締結側摩擦要素12の締結の際に発生する変速ショックを抑制することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上述の実施形態では、伝達開始充填量学習部50cが第1タイミングを定めていたが、これに限らず、棚圧学習部50bによって第1タイミングtCVを定めるようにしてもよい。また、伝達開始充填量学習部50cを設けずに、棚圧学習部50bによって上記伝達開始充填量QCVを求めるようにしてもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、油圧アクチュエータに供給する油圧によって、変速時に、締結又は解放される摩擦要素と、上記油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御手段とを有し、上記摩擦要素によって内燃機関で発生した駆動トルクを伝達する自動変速機の変速制御装置に対して有用である。
2 自動変速機
11 解放側摩擦要素(摩擦要素)
12 締結側摩擦要素(摩擦要素)
11a 油圧アクチュエータ
12a 油圧アクチュエータ
31 解放側油圧制御弁(油圧制御手段)
32 締結側油圧制御弁(油圧制御手段)
50a 変速制御部(締結制御手段)
50b 棚圧学習部(棚圧学習手段)
53 タービン回転数センサ(タービン回転数検出手段)
55 油圧スイッチ(油圧検出手段)

Claims (5)

  1. 油圧アクチュエータに供給される油圧によって、変速時に締結又は解放される摩擦要素と、上記油圧アクチュエータに供給する油圧を制御する油圧制御手段とを有し、内燃機関で発生した駆動トルクを上記摩擦要素により伝達する自動変速機の変速制御装置であって、
    上記自動変速機の変速時において、所定の摩擦要素を締結させる際に、予め設定されたプリチャージ時間の間、上記油圧制御手段に対する指示圧を予め設定されたプリチャージ圧にして、上記油圧アクチュエータに対して作動油をプリチャージするプリチャージ制御を実行し、該プリチャージ制御の後に、予め設定された第1保持時間の間、上記指示圧を上記プリチャージ制御時の圧力よりも低い圧力に設定された第1棚圧に保持する第1油圧保持制御を実行し、該第1油圧保持制御の後に、予め設定された第2保持時間の間、上記指示圧を上記プリチャージ圧よりも低くかつ上記第1棚圧よりも高い圧力に設定された第2棚圧に保持する第2油圧保持制御を実行し、該第2油圧保持制御の後に、上記指示圧を上記第2棚圧から上昇させる昇圧制御を実行して上記摩擦要素を締結させる締結制御手段と、
    上記締結制御手段による上記プリチャージ制御の後、上記第1油圧保持制御を実行せずに、上記第2油圧保持制御を実際に実行したときに、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、上記摩擦要素が上記駆動トルクを伝達し始める充填量である伝達開始充填量に到達するタイミングである第1タイミングと、上記締結制御手段による上記プリチャージ制御の後、上記第1油圧保持制御を実行して、その後上記第2油圧保持制御を実行したときに、上記油圧アクチュエータへの作動油の充填量が、上記伝達開始充填量に到達するタイミングである第2タイミングとに基づいて、該第2タイミングが、予め設定された特定タイミングと同等になるように、上記第1棚圧を学習補正する棚圧学習手段とを備えることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    上記棚圧学習手段は、上記第2タイミングが、上記特定タイミングよりも遅いときには、上記第1棚圧を高くするように構成されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    上記自動変速機に設けられたタービンの回転数を検出するタービン回転数検出手段を更に備え、
    上記棚圧学習手段は、上記タービン回転数検出手段の検出結果に基づいて、上記第2タイミングを検出するように構成されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1又は2に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    上記油圧アクチュエータに供給された油圧を検出するための油圧検出手段を更に備え、
    上記棚圧学習手段は、上記油圧検出手段の検出結果に基づいて、上記第2タイミングを検出するように構成されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の自動変速機の変速制御装置において、
    上記棚圧学習手段は、定期的に上記第1棚圧の学習補正を実行することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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