JP6277645B2 - パターン位置計測方法、パターン位置計測装置、及びフォトマスク - Google Patents

パターン位置計測方法、パターン位置計測装置、及びフォトマスク Download PDF

Info

Publication number
JP6277645B2
JP6277645B2 JP2013198151A JP2013198151A JP6277645B2 JP 6277645 B2 JP6277645 B2 JP 6277645B2 JP 2013198151 A JP2013198151 A JP 2013198151A JP 2013198151 A JP2013198151 A JP 2013198151A JP 6277645 B2 JP6277645 B2 JP 6277645B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
pattern
measurement
state
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013198151A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015064477A (ja
Inventor
泰史 西山
泰史 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2013198151A priority Critical patent/JP6277645B2/ja
Publication of JP2015064477A publication Critical patent/JP2015064477A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6277645B2 publication Critical patent/JP6277645B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/68Preparation processes not covered by groups G03F1/20 - G03F1/50
    • G03F1/82Auxiliary processes, e.g. cleaning or inspecting
    • G03F1/84Inspecting
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/22Masks or mask blanks for imaging by radiation of 100nm or shorter wavelength, e.g. X-ray masks, extreme ultraviolet [EUV] masks; Preparation thereof
    • G03F1/24Reflection masks; Preparation thereof

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、半導体デバイスをリソグラフィ技術により製造する際に用いられるフォトマスクのパターンの位置を計測するパターン位置計測方法およびパターン位置計測装置に関する。
半導体集積回路は性能および生産性を向上させるために微細化、高集積化が進んでおり、回路パターンを形成するためのリソグラフィ技術についても、より微細なパターンを高精度に形成するための技術開発が進められている。これに伴い、パターン形成に使用される露光装置の光源についても短波長化が進められ、13.5nmの極端紫外光(Extreme Ultraviolet光。以下「EUV光」と称する。)を用いた装置およびパターン転写のプロセスが開発されている。
EUV光の波長において、あらゆる物質の屈折率は1に近い値となり、また吸収も大きい。このため波長193nmの紫外光を用いる場合のように透過型の光学系を用いることができない。そこで、屈折率の異なる複数の材料を用いて、界面での反射が強め合うように多数の層を積層した反射膜を利用した反射光学系が用いられる。デバイスの回路などの転写パターンを形成したフォトマスクについても、反射多層膜を用いることになる。なお、以下、EUV光を用いた露光に使用するマスクを「EUVマスク」と称する。パターンを形成する方法としては、反射多層膜自体をパターン加工する方法と、反射多層膜上に吸収体パターンを形成する方法とが考えられるが、微細なパターンを高精度で形成する点においては後者のほうが有利であり、一般的になっている。
EUV露光光の吸収によってマスクの熱膨張によるパターン位置ずれが問題となることから、従来のフォトマスクで基板として用いられてきた合成石英ガラスよりも熱膨張係数の小さい材料が基板に使用されている。また、従来のフォトマスクで異物付着防止に用いられてきたペリクルをEUV光の波長で採用するのに困難が予想されており、露光装置内でフォトマスクを機械的にチャックすると、露光装置内でフォトマスクパターン上に異物が付着してパターン欠陥が発生することが懸念される。このようなことから、EUVマスクのパターン形成面と反対側の面に導電性の材料の薄膜を形成して、EUV光を用いた露光プロセスにおいては静電チャックによりEUVマスクを吸着し、静電チャックの温度を制御することで、熱によるパターン位置変動を抑えることが一般的である。
上記のようにEUVマスクにおいては、パターンの位置精度を極めて高精度に管理する必要があり、パターン形成面の面内におけるパターン位置の計測も高い精度が要求される。パターン位置の計測において、誤差の原因として重要なものの一つに基板の保持状態を挙げることができる。
パターン位置計測装置とパターン描画装置では、パターン形成面を上にして、反対側の底面を3点で基板を支持するのが一般的である。したがって、上述の装置を用いる2つの過程においては、マスクの自重によるたわみが生じて、パターンの位置精度に影響を及ぼす。一方、マスクが露光装置に装着された状態では、マスク基板と静電チャックが密着した状態であり、上述したような自重によるたわみは発生しない。従って、マスク基板と静電チャックの平坦度がパターンの位置精度に影響することになる。
また、パターン位置計測装置とパターン描画装置では、マスクの保持状態が同じであるとは限らず、3点支持であっても、マスクの自重によるたわみはそれぞれ異なるのが一般的である。
このような問題に対処する方法としては、パターン位置計測装置とパターン描画装置に載置したときの平面度の歪を求め、自重によるたわみを補正して描画する方法や、自重によるたわみを補正して計測する方法、並びに、露光装置上での平面度に歪の差に基づく位置精度情報を出力する方法などが特許文献1に開示されている。
これまでのフォトマスクでは、ガラス基板について平坦性を向上させる改良がなされてきた。また、パターンを形成する薄膜については内部応力が大きいとパターン形成前後で平面度が変化してしまうため、膜応力を小さくする改良がなされてきた。このことからマスク基板の自重によるたわみは、重量の大半を占めるガラス基板の自重と機械的強度に関する物性値によって十分な精度で予測することができるようになった。機械的強度に関する物性値とは、ヤング率やポアソン比などである。
近年用いられている高精度なフォトマスクのパターン形成層の厚さは、概ね100nm未満である。それに対し、EUVマスクに用いられる反射多層膜の厚さは、約280nmないし350nmと厚く、400ないし500MPaの圧縮応力を持ち、この応力による基板のそり量は、約0.6ミクロンから1ミクロンにもなる。
このことから、単純に考えれば、パターン位置計測装置、パターン描画装置、及び露光装置のすべてにおいて静電チャックで同じ状態に保持すれば、マスクの自重たわみによる位置精度の低下を考慮する必要がないと思われる。そこで、静電チャックにマスクを吸着させたままパターン位置計測を行う手法が特許文献2に開示されている。
しかしながら、一般に露光装置には複数のマスクを退避させておき、必要に応じてマスク交換を行うことになるが、静電チャックを冷却して一定温度に保つ構造とすることや、露光装置の投影光学系との位置調整をすることを考慮すると、静電チャックとマスクを一体化した状態を保ったまま露光装置内でマスク交換を行うことはきわめて困難である。静電チャックは予め露光装置内に調整して設置されていて、必要に応じてマスクのみを交換することが好ましい。
そこで、パターン位置計測装置、パターン描画装置、及び露光装置で個別の静電チャックを使用して自重によるたわみの影響を抑制することも考えられる。しかし、静電チャックの個体差によって平坦度が変化してしまい、パターン位置精度が低下してしまうことが非特許文献1において指摘されている。
非特許文献1には、パターン位置計測とパターン描画で十分な補正を行うことによって、すべての装置で同じ静電チャックに吸着した状態で実施したのと同等の精度が得られることが記載されている。
特開昭63−24113号公報 特開2006−93403号公報
Proceedings of SPIE,volume6792,P67920T
非特許文献1に記載された自重たわみ補正は、従来のフォトマスクのように基板のたわみ特性が基材のガラス基板の機械的物性値でほとんど定まる場合には有効である。しかし、非特許文献1には、EUVマスクのように反射多層膜の圧縮応力が無視できないほど大きい場合の処理方法について記載されていない。
例えば膜応力が小さい場合、基板の辺に近い3点を支持点としてマスク基板を載置すると、マスク基板は自身の重さによって凹型にたわむ。その結果、マスクパターン面の大半は、基板の内側に向かって位置がずれる。ところが、反射多層膜が400ないし500MPaの圧縮応力をもつことによって、マスク基板が予め凸状に変形している場合、膜応力が小さい場合と同様に3つの支持点でマスク基板を支持すると、重力によって凸型の形状が緩和される方向に変化する。その結果、基板表面のパターンの位置は、重力による基板形状の変形で基板の中心から外側に向かってずれることになる。
したがって、膜応力を考慮しなければ自重によるたわみの補正は正しくできないことになる。一般に、膜応力は成膜前後の基板の平坦度の計測から求められる。膜応力が基板面内で一定であれば、膜応力によって基板面は中心対称の放物面となる。一般には中心付近を球面で近似して、その曲率半径からストーニー(Stoney)の式と呼ばれる応力と曲率半径の関係式を用いて膜応力を求める方法が広く用いられている。しかしながら、高い位置精度を得るには、上記の近似では十分な補正ができず、また、膜応力は、基板面内で一定であるとは限らず、成膜後一定であるとも限らない。特に温度変化を伴うようなプロセスを経ると、膜応力が変化する場合がある。
また、露光時に隣接チップ領域への光もれを防ぐ目的でマスクパターン領域の反射率を下げるために、パターン転写領域の周囲の反射多層膜を除去することが提案されており、このような加工によっても平坦度は変化してしまう。
上記のようにEUVマスクにおいては、これまでの補正方法に加えて膜応力を考慮した補正が必要であるが、プロセスや時間を経るに従って、膜応力が変化し、正確な補正量を見出すのが困難であった。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、多層膜の膜応力の変化に対応したパターン位置計測方法などを提供することを目的とする。
第1の発明は、基板上に形成されたパターンの位置を計測するパターン位置計測方法において、同じ高さ位置で基板を支持する3つの支持点を有する3点支持部であって、支持点の高さが互いに異なり、且つ、3つの支持点により形成される三角形の面積が互いに異なる2組の3点支持部を備えた保持具を用いて、各3点支持部により基板を支持した状態で、パターンの位置を計測する計測ステップと、一方の3点支持部で基板を支持した状態でのパターンの計測位置と、他方の3点支持部で基板を支持した状態でパターンの計測位置との差分を用いて、基板上の膜に生じる膜応力を算出する算出ステップと、基板の自重によるたわみに、算出ステップで算出した膜応力を反映させて、計測位置を補正する処理を行う補正ステップとを有することを特徴とするパターン位置計測方法である。
第2の発明は、基板上に形成されたパターンの位置を計測するパターン位置計測方法において、同じ高さ位置で基板を支持する3つの支持点を有する3点支持部であって、支持点の高さが互いに異なり、且つ、3つの支持点により形成される三角形の面積が互いに異なる2組の3点支持部を備えた保持具を用いて、各3点支持部により基板を支持した状態において、基板を所定の基準位置で支持した第1状態、基準位置から基板を+90度水平回転させた第2状態、基準位置から基板を−90度水平回転させた第3状態、及び、基準位置から基板を+180度水平回転させた第4状態のそれぞれで、パターンの位置を計測する計測ステップと、第1状態、第2状態、第3状態、及び第4状態のそれぞれの計測で得られたパターンの計測位置について、一方の3点支持部で基板を支持した状態でのパターンの計測位置と、他方の3点支持部で基板を支持した状態でパターンの計測位置との差分を用いて、基板上の膜に生じる膜応力を算出する算出ステップと、基板の自重によるたわみに、算出ステップで算出した膜応力を反映させて、計測位置を補正する処理を行う補正ステップとを有することを特徴とするパターン位置計測方法である。
第3の発明は、基板上に形成されたパターンの位置計測に用いるパターン位置計測装置において、同じ高さ位置で基板を支持する3つの支持点を有する3点支持部であって、支持点の高さが互いに異なり、且つ、3つの支持点により形成される三角形の面積が互いに異なる、同一サイズの基板を支持可能な2組の3点支持部を備えた保持具を備えることを特徴とするパターン位置計測装置である。
第4の発明は、半導体装置のパターンをウェハ上に転写する際に使用するフォトマスクであって、同じ高さ位置でフォトマスクを支持する3つの支持点を有する3点支持部であって、支持点の高さが互いに異なり、且つ、3つの支持点により形成される三角形の面積が互いに異なる2組の3点支持部の間において、フォトマスクを支持したときのフォトマスクの面内方向における変位量の差が、フォトマスクの全領域において相対的に大きい領域に位置計測用のパターンが形成されていることを特徴とするフォトマスクである。
本発明の効果により高精度のパターン位置計測が可能となり、EUVマスクの検査の合否判断を正確に実施することができるとともに、パターン描画などの前プロセスに適切なフィードバックを与え、マスク製造プロセスにおけるパターン位置精度を向上することができる。
実施の形態の説明で使用する座標系を示す説明図 EUVマスクブランクの断面構造の一例を示す断面図 EUVマスクにおけるパターン形成面の配置例を示す説明図 マスク基板を支持する3点の一例を示す説明図 マスク基板を支持する3点の一例を示す説明図 図4に示す3点でマスク基板を支持したときの自重たわみによる位置ずれを計算した結果を示す説明図 マスク基板上の膜の圧縮応力を考慮して図4に示す3点でマスク基板を支持したときの自重たわみによる位置ずれを計算した結果を示す説明図 図7の結果から図6の結果を差し引いた結果を示す説明図 図8におけるマスク基板上のX座標の位置及びX方向の変位量に対する膜応力の関係を示す説明図 マスク基板上の膜の圧縮応力を考慮して図5に示す3点で支持したときの自重たわみによる位置ずれを計算した結果を示す説明図 マスク基板を支持する3点の一例を示す説明図 マスク基板とマスク基板を支持する3点の位置関係が異なる2組の3点支持部を重なるように配置した一例を示す説明図 図4の支持点と図11の支持点との変位量の差の計算値を示す説明図
以下、本発明の実施の形態の一例であるパターン位置計測方法およびパターン位置計測装置について、図を参照して説明する。
以後の説明においては、図1に示したように、記号XYZを用いた直交座標系を使用する。図1において、Z軸方向は、基板支持点の高さ方向、すなわち支持時の基板の底面位置を0とする基板の厚さ方向であり、X軸方向およびY軸方向は、正方形のマスク基板の4辺のうち、互いに隣接する2辺(マスク基板の角で交わる2辺)の方向である。
本実施の形態に係るパターン位置計測方法は、マスク、レチクル等の基板上に形成されたパターン位置計測方法である。パターン位置計測方法は、支持高さが異なる2組の3点支持部が互いに干渉しないように水平に配置され、かつ各支持点を結ぶ三角形の面積が異なるように配置された保持具を用い、2組の3点支持位置にてマスクのパターン位置精度を計測して、その相対位置の変化量から膜の応力を算出し、膜の応力と基板の自重によるたわみの両方について考慮した補正処理を行う。又は、パターン位置計測方法は、支持高さが異なる2組の3点支持部が互いに干渉しないように水平に配置され、かつ各支持点を結ぶ三角形の面積が異なるように配置された保持具を用い、2組の三点支持位置について基板を基準位置と水平に±90度および180度回転させて計測し、その相対位置の変化量から膜の応力を算出し、膜の応力と自重によるたわみの両方について考慮した補正を行う。なお、本実施の形態に係るパターン位置計測方法は、上記保持具を使用する。また、本実施の形態に係るフォトマスクは、2組の3点支持において、基板の自重によるたわみ量の変化が大きい領域に位置計測用のパターンを設けられている。
以下、本実施の形態を具体的に説明する。図2は、EUVマスクを製造するために使用するEUVマスクブランク100の断面構造の一例を示したものである。EUVマスクブランク100では、基板10の上に、反射多層膜20、吸収膜30、及びレジスト膜40が順に形成されており、パターン形成面の裏面に、EUVマスクを露光装置の静電チャックに吸着できるように導電性膜50が形成されている。
図3は、EUVマスクのパターン形成面を示したものである。図3では、転写パターン(ウェハへ転写されるパターン)を形成する領域A1よりも外側の領域のうち、例えば斜線を施した複数の領域A2に、多層膜欠陥の位置の基準となるフィデューシャルマーク(fiducial mark、以下「FM」と略記する場合もある。)と呼ばれるパターンが形成されている。これは、EUV光を反射する反射多層膜20を無欠陥で製造することが極めて困難であるため、多層膜欠陥が遮光部になるようにパターン全体の位置をXY方向(X方向及び/又はY方向)に移動したり水平回転して配置することで多層膜欠陥を無視できるようにしたり、あるいは、吸収体パターンの補正により多層膜欠陥による光量低下を補償できるようにしたりすることで、反射多層膜20そのものを修正しなくても所望の転写パターンを得られるようにするためのものである。
転写パターンの配置は、FMを基準に決定されるため、その位置を予め高精度で計測しておく必要がある。本発明の第1の実施の形態は、FMの位置を確認する際に適用することができる。
次に、本発明の基板用の保持具について説明する。保持具は、基板を下方から3点で支持する2組の3点支持部を有する。3点支持部の各々は、同じ高さ位置で基板を支持する3つの支持点を有する。2組の3点支持部の間では、3つの支持点により形成される三角形が互いに平行である。基板において3つの支持点により支持される支持位置を選択する場合、基板の辺あるいは基板の角の内側近傍とすることが、パターン検査位置の制限が小さくなることから好ましい。そこで、基板のある辺を選択し、選択した辺の中心の内側近傍を1つの支持点の位置として、残りの2つの支持点の位置を、二等辺三角形が形成されるように選択すると、基板保持の安定性、及び、自重によるたわみの対称性、基板と支持点接触による発塵の影響低減の点で有利である。
図4に示すように、第1の支持点70の位置として基板101のある辺の中心の内側近傍を選択し、第2の支持点70の位置及び第3の支持点70の位置として、おおよそ正三角形が形成されるように、選択された辺に直交する2つの辺の各々の内側近傍を選択する。そうすると、各支持点70の位置は、正方形に内接する正三角形のうち最も面積が小さくなる正三角形の頂点の近傍となる。従って、3つの支持点70の内側が自重でたわむ量は小さくなる。
逆に、正方形に内接する最大の正三角形に対応する3つの支持点80は、図5に示すように、第1の支持点80の位置として1つの角を選択し、第2の支持点80の位置及び第3の支持点80の位置として、x:(1−x)の比率でx=2−√3となるように、第1の支持点80の位置として選択された角の対角を形成する2辺の各々を分割した2点を選択した場合である。このようにすると、3つの支持点80の内側の面積は、図4よりも大きくなり、自重によるたわみ量も図4より大きくなる。
そして、自重によるたわみの状態が大きく異なる複数の保持状態でパターン位置を計測することで、パターン位置の計測結果に対して最も整合性が良い膜応力を推定することができる。膜応力と自重によるたわみの状態と、その結果生じるX方向およびY方向の変位量は、有限要素法を用いたシミュレーションにより高精度で計算することができる。
例えば、EUVマスク用超低熱膨張ガラスとして市販されているコーニング社のULE(登録商標)は、そのヤング率とポアソン比が開示されている。従って、開示された値を用いて、例えば、図4の保持状態としたときの自重によるたわみ量と、たわみに伴う基板表面の位置変位を有限要素法による構造解析ソフトウェアを使用することにより計算することができる。図6は、140mm□の領域について10mm毎の格子点のXY方向の変位量を拡大表示したものである。変位量は、10mm□に対して50万倍のスケールで表されている。図6では、自重により基板にたわみが生じ、基板の大半の領域が、3点支持する前の状態よりもXY方向で基板の中心に向かって変位している。
ここで、EUVマスクに用いられる反射多層膜は、モリブデンとシリコンの厚さの比を概ね3:4として、1周期分の厚さを約7nmとして、モリブデンとシリコンを交互に積層することで、波長13.5nmでの反射率が高くなっている。反射多層膜は、40周期のものが使用される場合が多く、この場合の膜厚はおおよそ280nmとなる。
基板の表面に厚さ280nmの反射多層膜があり、膜応力として例えば400MPaの圧縮応力を仮定して、上述した構造解析ソフトウェアを使用して同様に変位量を計算すると、重力の影響がない状態では、基板の中心の位置でZ方向に約1μmの最大の変位が生じ、3点支持する前は、基板が凸型に撓んだ状態となる。この状態の基板を図4に示すように3点で支持したときのXY方向の変位を図6と同様に表示すると、図7に示すようになる。図6とは異なり、基板の中心から外側に向かって変位が大きくなっている。したがって、膜応力の大きい基板に対して、図6の結果から求められる自重たわみ補正をそのまま適用しただけでは正確な補正とはならない。
図7の結果(変位量)から図6の結果(変位量)を差し引くと、図8に示すようになり、基板を中心として同心円状に拡大されたような変位分布が得られる。但し、図8の拡大倍率は、図6、図7とは異なり20万倍である。図9は、基板の中心(X=0)から図8の点Aに向かって膜応力による変位量のX方向成分を計算した結果である。図9では、膜の圧縮応力が200MPa、300MPa、500MPaの場合についても示されている。
図9は、基板面内の位置と膜の圧縮応力によって変位量が異なるものの、膜応力が面内で一定であるとみなすことができ、その応力値を知ることができれば、ほぼ線形の関係で変位量を表現することができることを示している。従って、予想される変位量をパターン描画時に補正することで、最終的なマスクパターンの位置精度を向上させることができる。
また、図9は、基板における計測点の変位量から膜応力を推定できることも示している。実際のパターン計測位置から膜応力の値を抽出するためには、なるべく多くの計測点から情報を得ることが好ましいが、計測に使用できるパターンの点数が十分でないときは、基板の保持状態を変えたときのパターンの計測位置の変化量も使用することによって、膜応力の推定精度を向上するための情報を得ることができる。
基板の保持状態を変えて計測する方法としては、支持点とパターンの位置関係が変化するように、基板を水平に+90度、−90度、及び180度回転させて計測する方法を挙げることができる。また、図4と図5のようにたわみ量が大きく異なる保持方法での計測結果の差分をとることも有効である。
図10は、図5に示した支持点80にて基板を支持する場合に膜の圧縮応力が400MPaのときの自重たわみによるXY方向の変位を、図7と同様にマップ表示したものである。図5に示す3つの支持点80により形成される三角形は、図4と比較して面積が大きいので、自重によるたわみ量も大きく、対称軸が異なっている。従って、基板を水平回転したときの変位量に対する自重たわみの影響も異なる。
上述の2組の3点支持部の各々より基板を支持して、各3点支持部について、基板を水平に回転させた各保持状態にて、基板内の各点における自重たわみに基づくXY方向の変位量と膜応力の関係をデータベースとして記憶することで、計測するパターンの設計位置からのずれ量の内、自重たわみに基づく成分を精度良く抽出することが可能になる。
支持点の異なる複数の基板ステージを用意して、基板ステージ間で基板を載せ変えて計測すると、基板ステージ間の個体差が新たに誤差の成分として加わってしまう。そのため、単一ステージの異なる支持点間で基板を載せ変えることが好ましい。ところが、図4および図5の3点支持部を並列に設けた基板ステージ(2つの3点支持部の三角形が互いに重ならないように設けた基板ステージ)とすると、今度は、ステージ自体が大きくなり、パターン位置計測のために基板を水平方向に移動する機構が、誤差が大きくなる原因となるおそれがある。
そこで、3つの支持点により形成された三角形が互いに重なるように2組の3点支持部を配置し、2組の3点支持部の間で支持点の高さ(基板を支持する点の高さ)を異ならせることで、基板ステージのサイズの大型化を抑制することができる。ここで、第1組の3点支持部の支持点として図4の支持点70を採用し、Z方向に支持点の高さを異ならせて第2組の3点支持部の支持点として図5の支持点80を組み合わせた場合について考えると、図5の支持点80間の距離とマスクの一辺の長さとの差が小さいために図12の支持点90とは異なり図5の支持点80の間に基板が収まりにくく、図4と図5で上記三角形が重なるように配置することが難しい。
図4の支持点70(支持位置)の三角形と重なり、かつ、支持する基板が図4の支持点70に干渉しない1辺の長さが大きい三角形の3つの支持点90として、図11に示すように、基板101の1辺の中心の内側近傍の1点と、その辺と対向する辺の両端の近傍の2点とを選択することができる。この場合、対称性は、図4と類似であるものの、支持点90の作る三角形の形状や大きさが異なる。そのため、自重によるたわみ量に差ができ、その結果、パターンの基板内の位置と自重によるたわみの成分を分離するための情報として用いることができる。
図4の支持点70と図11の支持点90は、図12のように3つの支持点による三角形を重ねて配置することができ、かつ、図4の支持点70で基板を保持する際に、図11の支持点90は、基板の外側に位置する。従って、図12において図4の支持点70が、図11の支持点90よりもZ方向に低い位置にあっても、図11の支持点90に基板が干渉することなく、基板を保持することができる。また、図11の支持点90で基板を保持する際に、図4の支持点70より基板が上方に離れた状態で、基板を保持することができる。
図示しないが、このような保持具に対して、XY方向に精密なミラーを配置してレーザ干渉計を用いることで、3点支持部及び保持具の精密な位置決めが可能となる。また、2組の3点支持部を持つ保持具の大きさを最小限にして、保持具の変形や駆動に関する誤差要因を最小限に抑制することができる。本発明のパターン位置計測方法およびパターン位置計測装置の実施形態は、上記のように2組の3点支持部を持ち、各組の3つの支持点による三角形を重ね合わせるように2組の3点支持部を配置して構造体を小さくすることで、パターン位置計測誤差を抑制したことを特徴とする。
また、2組の3点支持部の間でXY方向の変位量の差が大きくなる位置に、位置計測用マーク(FM)を予め形成しておくことも効果的である。本発明の実施形態としてのマスクは、このような異なる3点支持部に対して、自重たわみが大きくなる位置に位置計測用マークを具備していることを特徴とする。
図13は、図4の3点支持の場合と図11の3点支持の場合とのXY方向の変位量の差分をプロットしたものである。パターン位置に対する変位量の拡大倍率は20万倍である。例えば図13の上辺近傍ならびに下辺近傍は、図4の3点支持の場合と図11の3点支持の場合と間で変位量の差が大きいため、これらの領域に位置計測用マークを形成することができる。このような領域では、膜応力によってY方向の変位が大きく異なることから、膜応力の影響を抽出するのに好適に用いることができる。
基板の中心座標を(0,0)とし、例えばFMの設計座標を(+65000,+65000)、(+65000,−65000)、(−65000,+65000)、及び(−65000,−65000)(単位:μm)の4点として設計してマスクを作製する場合について、以下に補正方法を具体的に記述する。多層膜欠陥をEUV光の反射強度により検査して、その多層膜欠陥の位置をFMに対する相対位置として記録するためには、吸収層を形成する前の段階でFMを形成しておく必要がある。また、FMを基準に多層膜欠陥の影響を抑制して吸収体パターンを形成する場合、FM位置を計測するためには、FM上に吸収層が形成されないようにマスキングしておくか、吸収層を基板のパターン形成面のほぼ全面に形成した後に、FM部分の吸収層を除去する工程が必要となる。
ここではまず、吸収層を形成する前にFMを形成した場合に、その位置を計測する際に反射多層膜の膜応力の影響を補正する。計測にあたって、膜応力がない場合について、各支持位置の組み合わせについて、XY方向の変位マップを用意する。各FMの位置計測値に対して、上記変位マップを適用し、多層膜の膜応力の無い場合の変位に相当する位置(つまり、膜応力が無い場合の各FMの位置)を算定し、これを補正位置Aと呼ぶ。各FMの補正位置Aをもとに、各点との差(各FMの位置計測値と各補正位置Aとの差)が最も小さい仮想的な正方形を定義する。各点との差が最も小さくなる正方形を求めるには、その正方形の4つの頂点のX座標およびY座標と、最も近接する補正位置Aの各点のX座標およびY座標の差の二乗和が最小になるようにする最小二乗法等の手法を用いることができる。正方形を表すパラメータとしては、一辺の長さ、FMパターン設計位置の中心座標とのずれ、および回転角である。
ここで、補正位置Aを得るにあたって、載置位置の理想的な位置からのXY方向のずれによるたわみ量のずれは無視できると考えられ、設計値の座標と変位マップから補正を行うことで十分である。
次に、基板を+90度、−90度、180度水平に回転して同様の計測を行う。それぞれの回転角度に対してFMの位置に相当する補正を行うことになる。この際、支持位置に対して実際に基板が載置されたときの直交性と膜応力が未定のパラメータとなる。そこで、各点に対してこれらをパラメータとして最小二乗法によるフィッティングを行う。フィッティングの際には、応力値をある値として、それぞれの載置時の回転誤差をフィッティングパラメータとすればよい。この際、応力値を精度良く求めるには、なるべく多くの測定から求めることが好ましく、図11と図12のように異なる支持位置による測定結果の両方を満たすように最適化することでパラメータの決定精度が向上する。
このような補正を行えば、測定回数を増やすことによって系統的な誤差は減少し、ランダムな誤差が残る。したがって、計測を繰り返すことによってその信頼性は向上することになる。このようにして決定した仮想正方形の大きさから、有限要素法を用いたシミュレーションで応力をパラメータとして複数のシミュレーションした結果を線形近似した結果との相関により、膜応力の推定値を得ることができる。
また、多層膜欠陥検査装置にこのような支持装置を採用すれば、基板の載置位置および方向によって欠陥の位置ずれを検出することができる。したがって、前記FMの位置座標だけでなく、欠陥検査位置についても、載置点および水平方向の回転角による位置変位をもとにFMの数よりも多くの点で応力による位置ずれを観測することができる。
このようにして最終的には、FMをもとに仮想的な正方形とその頂点からの実際のFMのずれ位置、ならびにその正方形を基準にした多層膜欠陥の位置を検査装置から出力することができる。
上記においては仮想的な正方形を基準として用いた場合について説明したが、長方形であっても良いし、またそれ以外の形状にも適用可能であるが、補正を容易にするために単純な形状であること好ましい。
但し、パターン形成領域に十分な位置補正情報が得られる場合には、単純な正方形ではなく、高さ情報を含む多項式で表現してもよい。多項式としては、XおよびYを組み合わせた二次、三次、四次等の多項式としても良いし、ルジャンドル(Legendre)多項式と呼ばれるものを使用してもよい。これ等の曲面を表す多項式を使用する場合には、あらかじめ光干渉計等により表面形状や基板の厚さに関する情報を適用しても良い。
上記の情報を元にパターン描画装置において基板を支持する場合の自重たわみによる位置変位を、描画装置におけるマスク基板の支持位置をもとに、有限要素法等の手法を用いて求めることによって、描画装置の座標系における多層膜欠陥の位置を求めることができる。描画データと多層膜欠陥の位置を比較して、多層膜欠陥が遮光部の下になるようにして実質的に修正不要としたり、パターン修正によって補償することができるようにしたりする場合には、上記方法により得た描画装置の座標系における多層膜欠陥の位置を求めることによって、多層膜欠陥とレジストパターンの位置関係を最適位置に近づけることができる。
実際の描画にあたっては、基板変形のほかに電子線照射による帯電の影響など、他の要因による描画位置ずれについての補正と合わせて適用してもよい。
本発明の第2の実施形態は例えば吸収層にパターンを描画し、現像した後のパターン位置計測に適用することができる。この場合、パターン描画前の保持具と全く同一のものを用いることが最も好ましいが、単一の装置で基板を支持しない場合には、個別に同じ設計で複数の保持具を準備してもよい。この場合は、応力の小さい膜を用いて基板面内に計測パターンを配置したキャリブレーション用基板を用意し、保持具間の相関を予め取っておくことで、補正が可能である。
現像されたレジストパターンの位置を基準マーク(FM)からの相対位置として計測し、その座標に上記の膜応力を考慮した位置ずれマップの情報を適用して、設計位置とのずれ量を算出する。位置ずれ量が指定された仕様の範囲内であれば、次工程のエッチング工程に進めることができる。
予め多層膜欠陥の位置が特定されている場合は、AFMやSEMにより観察して描画前に想定した範囲内の誤差に収まっているかどうか確認することができる。
もしレジストを除去した領域に想定以上のずれ量で多層膜欠陥が観測され、エッチング後のパターン修正技術によって良品とすることが見込めない場合、再度、各載置位置および水平回転角にて基準位置との関係を計測する。補正パラメータを修正することで、仕様内に入ることが見込める場合には、レジスト膜を剥離して洗浄し、再度、レジスト塗布工程から電子線リソグラフィの工程をやり直すことができる。
補正パラメータの修正のうち、本発明と関連のあるのは、応力分布、基板の表面形状に関するものであり、その他に帯電の影響の補正パラメータの修正を同時に行っても良い。
本発明の第3の実施形態はレジストをエッチングマスクとして、吸収層を除去してパターンを形成した後のパターンの位置検査に用いることができる。パターンの位置を各支持点と水平回転方向の組み合わせにより上記と同様に補正し、製品の仕様内の誤差で製造できているかどうかを確認する。
また、転写パターンの周りにウェハ上の隣接チップ位置への光もれを抑制する目的でパターン周辺の多層膜を除去して遮光枠を形成した場合には、遮光枠に近い位置で多層膜の応力が緩和されることによって基板の変形が起こる。
したがって、遮光枠を形成した後のパターン位置計測については、上記の補正に加えて遮光枠形成に伴う位置ずれを考慮する必要がある。
遮光枠を形成すると、基板に対して圧縮応力を与える部分が減少するため、基板全体のそり量は減少する。また、遮光枠の近傍では多層膜の圧縮応力が開放されるために、枠の内側にむかってパターン位置がずれる。すなわち、遮光枠の内側にあるパターンは外側方向にずれ、遮光枠の外側にあるパターンは内側にずれる。また、遮光枠の外側の部分は遮光枠部でそりが低減されることから、全体的に基板内側に向かってパターンの位置ずれが起こる。
このような位置ずれは有限要素法に基づくシミュレーションによって精度良く予測することができるため、形成した遮光枠の形状や大きさ、深さなどの情報を用いて補正マップを生成することができる。
以上は単一の基板に対して行った補正についての説明であるが、本発明は繰り返し実施することによって保持具毎の製造誤差によって生ずる系統的な誤差を抽出することができる。単一の保持具に対して支持点を使用の都度取り替える場合、その取り付け方によるばらつきが生じて保持具自体の特性以外のばらつきが加わるのに対し、本発明による保持具を用いれば、複数の保持位置を固定した状態に保持できるため支持点の高さの製造誤差などに基づく系統誤差を抽出しやすい利点がある。
このようにして得た保持具毎の系統的な誤差を補償するように補正を加えた補正マップを使用することで、さらにパターンの位置計測精度を向上させることができる。
以下に本発明の実施の一例を示す。
基板のFMの設計中心座標は、基板を中心として(+65000,+65000)、(+65000,−65000)および(−65000,−65000)(単位:μm)である。この3点について、第一組の3点支持部で基板を支持した状態でFMの位置を計測したときの設計値からのずれ量を計測装置のX方向およびY方向について記録して、それぞれの計測点について(xa1,ya1)、(xa2,ya2)、(xa3,ya3)を得る。FMには複数の計測点があり、それぞれの計測点と設計値の位置から、3つのFMの相対座標(設計値に対する計測値の相対座標)を得る。なお、上記パターンを形成する際には、帯電等、基板の変形とは独立のものに関しては補正済みである。
中心からの倍率係数をa、パターン位置計測装置の保持具に対する基板の理想的な位置からの設置誤差(Xe,Ye)、上記保持具のXY座標からの回転角をθとすると、例えば、左上の点のX,Y座標について数式1との差をそれぞれ算出し、同様に他の点についてもX,Y座標について同様の差を算出し、それぞれの差を二乗して和を取ったときに、その和Sが最小になるように倍率係数a、回転角θおよび設置誤差(Xe,Ye)を得ることができる。これには各種最小二乗法を適用することができる。
Figure 0006277645
上記説明については各FMの中心位置について二乗和を取っているが、FMを構成するパターンの各位置について同様に2乗和を取ることもできる。一般に、測定点数が多いほうがランダムな誤差を小さくすることができ、系統的なずれ量の抽出精度が向上する。
次に、あらかじめ第一組の3点支持部について、応力の無い状態での位置ずれマップを各点について適用する。この結果得られる倍率係数aの値を用いて、図9と同様にして作成したグラフから3点についての応力推定値が得られる。
同様の手順を第一組の3点支持部について、水平に+90度、−90度および180度回転した状態(基板の中心を中心にして水平回転した状態)についても実施する。引き続いて、第二組の3点支持部についても第一組の3点支持部と同様の手順を繰り返す。
手順を繰り返すに従って、得られる数式aの量がほぼ一定であり、手順を繰り返す度に平均値が収束するようであれば、計測の信頼性が確認できるので、元の計測値に対して応力を考慮した補正を行うことによって、FMの位置を高い精度で決定できると共に膜応力の情報をその後の描画工程に与えることができ、パターン位置精度の高いマスクを製造することができる。
本発明の第2の実施例として、互いに異なる支持位置の間でパターンの計測位置が大きく変化する領域、つまり計測位置の差が大きくなる領域に、位置計測用パターンを配置した例について示す。
図13は、第1組の3点支持部と第2組の3点支持部の変位量の差を、膜の圧縮応力が300MPa,400MPa,500MPaの場合について計算した結果である。図に示したマスク基板の上辺近傍や下辺近傍のY方向の位置変化量と膜応力に相関が強い領域があることがわかる。
このような領域は、転写パターン領域の外側にあり、またアライメント等にも通常使用されない領域であるので、都合が良い。
また、EUVマスクにおいては、従来のフォトマスクにおいて使用されているペリクルの採用について技術的な課題が残っているために採用されない場合が多いが、本発明のパターン位置計測方法および装置、並びにEUVマスクを使用すれば、ペリクルの装着による基板の変形に起因する位置計測にも採用することができる。
上記領域はペリクルの貼り付け位置に近いことから、ペリクルの装着前後のパターン位置精度の確認に用いることもできる。
また、露光装置においてウェハ上に転写する領域のみを露出されるようにするレチクルマスクの精度の問題から、ウェハ上の隣接チップ領域に光が漏れてしまうのを防止する目的で、パターン領域の外側に遮光枠を設ける場合がある。
このような場合も、上記マスクの上辺近傍あるいは下辺近傍は、遮光枠の近傍にあるため、遮光枠の形成による位置変動の確認にも用いることができる。
本発明は、フォトマスクのパターンの位置を計測するパターン位置計測方法などに利用可能である。
10…基板
20…反射多層膜
30…吸収膜
40…レジスト膜
50…導電性膜
70…基板支持点の一例
80…基板支持点の一例
90…基板支持点の一例
100…EUVマスクブランク
101…基板

Claims (4)

  1. 基板上に形成されたパターンの位置を計測するパターン位置計測方法において、
    同じ高さ位置で前記基板を支持する3つの支持点を有する3点支持部であって、前記支持点の高さが互いに異なり、且つ、前記3つの支持点により形成される三角形の面積が互いに異なる2組の3点支持部を備えた保持具を用いて、各3点支持部により前記基板を支持した状態で、前記パターンの位置を計測する計測ステップと、
    一方の3点支持部で前記基板を支持した状態でのパターンの計測位置と、他方の3点支持部で前記基板を支持した状態でパターンの計測位置との差分を用いて、前記基板上の膜に生じる膜応力を算出する算出ステップと、
    前記基板の自重によるたわみに、前記算出ステップで算出した膜応力を反映させて、前記計測位置を補正する処理を行う補正ステップとを有することを特徴とするパターン位置計測方法。
  2. 基板上に形成されたパターンの位置を計測するパターン位置計測方法において、
    同じ高さ位置で前記基板を支持する3つの支持点を有する3点支持部であって、前記支持点の高さが互いに異なり、且つ、前記3つの支持点により形成される三角形の面積が互いに異なる2組の3点支持部を備えた保持具を用いて、各3点支持部により前記基板を支持した状態において、前記基板を所定の基準位置で支持した第1状態、前記基準位置から前記基板を+90度水平回転させた第2状態、前記基準位置から前記基板を−90度水平回転させた第3状態、及び、前記基準位置から前記基板を+180度水平回転させた第4状態のそれぞれで、前記パターンの位置を計測する計測ステップと、
    前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態、及び前記第4状態のそれぞれの計測で得られたパターンの計測位置について、一方の3点支持部で前記基板を支持した状態でのパターンの計測位置と、他方の3点支持部で前記基板を支持した状態でパターンの計測位置との差分を用いて、前記基板上の膜に生じる膜応力を算出する算出ステップと、
    前記基板の自重によるたわみに、前記算出ステップで算出した膜応力を反映させて、前記計測位置を補正する処理を行う補正ステップとを有することを特徴とするパターン位置計測方法。
  3. 基板上に形成されたパターンの位置計測に用いるパターン位置計測装置において、
    同じ高さ位置で前記基板を支持する3つの支持点を有する3点支持部であって、前記支持点の高さが互いに異なり、且つ、前記3つの支持点により形成される三角形の面積が互いに異なる、同一サイズの前記基板を支持可能な2組の3点支持部を備えた保持具を備えることを特徴とするパターン位置計測装置。
  4. 半導体装置のパターンをウェハ上に転写する際に使用するフォトマスクであって
    同じ高さ位置で前記フォトマスクを支持する3つの支持点を有する3点支持部であって、前記支持点の高さが互いに異なり、且つ、前記3つの支持点により形成される三角形の面積が互いに異なる2組の3点支持部の間において、前記フォトマスクを支持したときの前記フォトマスクの面内方向における変位量の差が、前記フォトマスクの全領域において相対的に大きい領域に位置計測用のパターンが形成されていることを特徴とするフォトマスク。
JP2013198151A 2013-09-25 2013-09-25 パターン位置計測方法、パターン位置計測装置、及びフォトマスク Active JP6277645B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013198151A JP6277645B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 パターン位置計測方法、パターン位置計測装置、及びフォトマスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013198151A JP6277645B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 パターン位置計測方法、パターン位置計測装置、及びフォトマスク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015064477A JP2015064477A (ja) 2015-04-09
JP6277645B2 true JP6277645B2 (ja) 2018-02-14

Family

ID=52832401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013198151A Active JP6277645B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 パターン位置計測方法、パターン位置計測装置、及びフォトマスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6277645B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102017202945A1 (de) * 2017-02-23 2018-08-23 Carl Zeiss Smt Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Transformieren von Messdaten einer photolithographischen Maske für den EUV-Bereich von einer ersten Umgebung in eine zweite Umgebung
DE102019201497B3 (de) * 2019-02-06 2020-06-18 Carl Zeiss Smt Gmbh Vorrichtung und Verfahren zum Bestimmen von Platzierungen von Pattern-Elementen einer reflektiven fotolithographischen Maske in deren Betriebsumgebung
JP2020173296A (ja) * 2019-04-08 2020-10-22 株式会社ニューフレアテクノロジー Euvマスクのパターン検査装置及びeuvマスクのパターン検査方法
JP7198731B2 (ja) 2019-07-19 2023-01-04 レーザーテック株式会社 撮像装置、及びフォーカス調整方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2678942B2 (ja) * 1989-05-18 1997-11-19 東芝機械株式会社 パターンの描画または検査方法
US5459577A (en) * 1992-06-01 1995-10-17 Nikon Corporation Method of and apparatus for measuring pattern positions
JPH09205131A (ja) * 1996-01-24 1997-08-05 Toshiba Mach Co Ltd 半導体製造装置用ステージへの被処理材固定装置
JPH1124236A (ja) * 1997-07-08 1999-01-29 Nikon Corp フォトマスク、フォトマスク支持装置及びフォトマスク支持方法
JP5087258B2 (ja) * 2005-11-04 2012-12-05 株式会社ニューフレアテクノロジー 荷電粒子ビーム描画方法、荷電粒子ビーム描画装置、位置ずれ量計測方法及び位置計測装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015064477A (ja) 2015-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8026025B2 (en) Mask blank transparent substrate manufacturing method, mask blank manufacturing method, and exposure mask manufacturing method
JP5502450B2 (ja) 反射型露光用マスク、反射型露光用マスクの検査方法、及び反射型露光用マスクの洗浄方法
JP2017003977A (ja) Euvリソグラフィ用反射型マスクブランク
TW201704894A (zh) 基板支架、微影設備及製造裝置之方法
JP5308413B2 (ja) リソグラフィ装置および歪み決定方法
TW201418869A (zh) Euv微影術用反射型光罩基底及其製造方法、以及euv微影術用反射型光罩及其製造方法
JP4856798B2 (ja) 反射型マスクブランクの製造方法及び反射型マスクの製造方法、並びに半導体装置の製造方法
EP2434345B1 (en) Method and system for evaluating euv mask flatness
JP7286604B2 (ja) 反射型マスクブランクの製造方法、反射型マスクの製造方法、及び半導体装置の製造方法
KR20170051506A (ko) 극자외선 파장 범위용 마스크를 제조하는 방법, 마스크 및 장치
TW201827931A (zh) 基板、基板固持器、基板塗佈裝置、用於塗佈基板之方法及用於移除塗佈之方法
JP6277645B2 (ja) パターン位置計測方法、パターン位置計測装置、及びフォトマスク
KR20140047171A (ko) 마스크 블랭크의 제조방법, 전사용 마스크의 제조방법 및 반도체 디바이스의 제조방법
US20230266658A1 (en) Reflective structure, reflective mask blank, reflective mask and method of manufacturing semiconductor device
WO2015141230A1 (ja) 反射型フォトマスクブランク、反射型フォトマスク、反射型フォトマスクの製造方法、露光方法及び露光装置
WO2015146140A1 (ja) Euvマスクの位相欠陥評価方法、euvマスクの製造方法、euvマスクブランク及びeuvマスク
JP7492456B2 (ja) 多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスクの製造方法、及び半導体装置の製造方法
KR102277996B1 (ko) Euv 대역에 대한 포토리소그래피 마스크의 측정 데이터를 제1 주변부로부터 제2 주변부로 변환하는 방법 및 장치
JP2016170366A (ja) 反射型露光マスク、その製造方法およびマスクパターン作製プログラム
JP2012248767A (ja) 露光用マスクの製造方法、欠陥合否判定方法、及び欠陥修正方法
JP6599493B2 (ja) マスクブランク用基板、マスクブランク、転写用マスク及び半導体デバイスの製造方法
US20240160115A1 (en) Overlay correction method, and exposure method and semiconductor device manufacturing method including overlay correction method
JP2017084837A (ja) 反射型フォトマスクブランクおよび反射型フォトマスクの製造方法ならびに反射型フォトマスク
JP2018072665A (ja) 反射型マスクブランクの製造方法及び反射型マスクブランク
JP2016066715A (ja) 反射型マスクの位相欠陥補正方法、ペリクル付きマスク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6277645

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250