JP6277610B2 - 多板摩擦係合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドリブンプレートとドライブプレートを複数枚配列したクラッチ部と、該クラッチ部を押圧するピストンと、を備えた多板摩擦係合装置に関する。
従来、クラッチを締結させるピストンと、プレート部を挟んで締結反力を受けるバッキングプレートと、を備え、ピストンとバッキングプレートのプレート径中央位置にそれぞれ突起を設ける。そして、ピストン側突起による押圧部と、バッキングプレート側突起による受圧部とを、プレート径中央位置に一致させることで均一な面圧による接触を保つようにした多板摩擦係合装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−215498号公報
しかしながら、従来の多板摩擦係合装置にあっては、ピストンとバッキングプレートのプレート径中央位置にそれぞれ押圧部と受圧部になる突起を設ける構成としている。このため、多板摩擦係合装置としての軸方向長さが長くなり、コンパクト性を確保できない、という問題があった。
なお、コンパクト性を確保するために両突起を無くしてしまうと、受圧部がプレート部の軸方向移動を規制するスナップリングとなり、ピストンによる押圧部の径方向位置と受圧部の径方向位置が異なるオフセット状態になる。このオフセット状態でピストンによる押圧部の位置決めすることなくクラッチ部を押圧すると、軸方向に設けられた複数のプレートに作用するクラッチ面圧の分布が偏り、偏摩耗が発生する。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、コンパクト性を確保しながら、性能安定性及び耐久信頼性の向上を図ることができる多板摩擦係合装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、軸方向に摩擦面を備えるドリブンプレートと、同じく軸方向に摩擦面を備えるドライブプレートを軸方向に複数枚交互に配置したクラッチ部と、前記ドリブンプレートと前記ドライブプレートを押圧し係合させるピストンとを備える。
前記多板摩擦係合装置において、前記クラッチ部を締結する際、前記ピストンによる締結力が伝達され、前記クラッチ部を押し付ける接触部分を押圧部というとき、前記押圧部とは前記クラッチ部を介して軸方向反対面のうち摩擦面外径側の端部位置に、前記クラッチ部の軸方向移動を規制する規制部材を設ける。
前記押圧部の径方向位置と、前記規制部材による受圧部の径方向位置を異ならせたオフセット状態で前記クラッチ部を押圧する。
このようにオフセット押圧するものであって、前記クラッチ部の摩擦面の内径端位置から外径端位置までの径方向全長をAとし、前記クラッチ部の摩擦面の内径端位置から前記押圧部の開始位置までの径方向長さをBとし、ピストン押圧位置比率を(B/A)×100(%)としたとき、
前記クラッチ部を締結する際、前記ピストンによる押圧部から最初のプレートにかかる荷重が前記摩擦面をはみ出さないため、前記ピストンによる押圧部を、前記ピストン押圧位置比率が15%以上で20%未満となる位置にオフセット設定した。
よって、ピストンによる押圧部の位置が、摩擦面の径方向全長をAとし、摩擦面の内径端位置から押圧部の開始位置までの径方向長さをBとしたとき、(B/A)×100(%)によるピストン押圧位置比率が15%以上で20%未満となる位置にオフセット設定される。
すなわち、ピストン(押圧部)と規制部材(受圧部)の径方向位置がオフセットしていることで、押圧部と受圧部になる突起等を設ける必要なく、コンパクト性が確保される。しかし、押圧部と受圧部のオフセットを最大にすると、押圧部側の最初のプレートにクラッチ面圧が集中し、且つ、プレート傾きも大きくなる。一方、押圧部と受圧部のオフセットを最小にすると、押圧部と受圧部を繋ぐ領域にクラッチ面圧が集中しやすくなり、受圧部から外れた領域にて面圧が作用せず、且つ、プレート傾きも大きくなる。
これに対し、クラッチ部を締結する際、ピストンによる押圧部から最初のプレートにかかる荷重が摩擦面をはみ出さないため、押圧部の位置を、ピストン押圧位置比率が15%以上で20%未満となる位置にオフセット設定した。このため、押圧部側の最初のプレートにクラッチ面圧が集中しない、複数枚のプレートのうち軸方向中央部分に作用するクラッチ面圧が分散する、プレート傾きが小さく抑えられる、という作用が得られ、クラッチ面圧分布が最適化される。
この結果、コンパクト性を確保しながら、性能安定性及び耐久信頼性の向上を図ることができる。
実施例1の乾式多板クラッチ(多板摩擦係合装置の一例)が適用されたFFハイブリッド駆動系を示す全体概略図である。 FFハイブリッド駆動系におけるモータ&クラッチユニットの構成を示す要部断面図である。 実施例1の乾式多板クラッチにおけるピストン組立体を示す分解斜視図である。 実施例1の乾式多板クラッチにおけるピストン押圧位置比率の関係を示す説明図である。 乾式多板クラッチにおいてピストンの押圧位置を摩擦面内径側から摩擦面外径側に移行したときのプレート傾きを示すプレート傾き作用説明図である。 乾式多板クラッチにおいてピストンからの押圧位置を摩擦面内径端部に設定したときの面圧集中箇所を示す図である。 乾式多板クラッチにおいてピストンからの押圧位置を摩擦面内径端部に設定したときの4枚のクラッチ面圧の分布を示す図である。 乾式多板クラッチにおいてピストンからの押圧位置を摩擦面内径端部に設定したときの摩擦材の摩耗イメージを示す図である。 乾式多板クラッチにおいてピストンからの押圧位置を実施例1の摩擦面内径側に設定したときの面圧集中箇所を示す図である。 乾式多板クラッチにおいてピストンからの押圧位置を実施例1の摩擦面内径側に設定したときの4枚のクラッチ面圧の分布を示す図である。 乾式多板クラッチにおいてピストンからの押圧位置を実施例1の摩擦面内径側に設定したときの摩擦材の摩耗イメージを示す図である。 乾式多板クラッチのピストンアーム形状の変形例1を示す図である。 乾式多板クラッチのピストンアーム形状の変形例2を示す図である。 乾式多板クラッチのピストンアーム形状の変形例3を示す図である。 乾式多板クラッチのピストンアーム形状の変形例4を示す図である。
以下、本発明の多板摩擦係合装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1の乾式多板クラッチ(多板摩擦係合装置の一例)の構成を、「FFハイブリッド駆動系の全体構成」、「モータ&クラッチユニットの構成」、「乾式多板クラッチの詳細構成」に分けて説明する。
[FFハイブリッド駆動系の全体構成]
図1は、実施例1の乾式多板クラッチが適用されたFFハイブリッド駆動系を示す。以下、図1に基づき、FFハイブリッド駆動系の全体構成を説明する。
実施例1のFFハイブリッド駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、モータ&クラッチユニットM/Cと、変速機ユニットT/Mと、エンジン出力軸1と、クラッチハブ軸2と、クラッチハブ3と、クラッチドラム軸4と、変速機入力軸5と、クラッチドラム6と、乾式多板クラッチ7と、スレーブシリンダー8と、モータ/ジェネレータ9と、を備えている。このFFハイブリッド駆動系は、1モータ(モータ/ジェネレータ9)・2クラッチ(第1クラッチCL1、第2クラッチCL2)と呼ばれる構成で、駆動モードとして、「電気自動車モード(EVモード)」と「ハイブリッド車モード(HEVモード)」の選択が可能である。すなわち、乾式多板クラッチ7(=第1クラッチCL1)の開放により「EVモード」が選択され、モータ/ジェネレータ9と変速機入力軸5が、クラッチドラム6とクラッチドラム軸4を介して連結される。乾式多板クラッチ7(=第1クラッチCL1)の締結により「HEVモード」が選択され、エンジンEngとモータ/ジェネレータ9が、乾式多板クラッチ7を介して連結される。
前記モータ&クラッチユニットM/Cは、乾式多板クラッチ7と、スレーブシリンダー8と、モータ/ジェネレータ9と、を有する。乾式多板クラッチ7は、エンジンEngに対しダンパー21を介して連結され、エンジンEngからの駆動力伝達を断接する。スレーブシリンダー8は、乾式多板クラッチ7の締結・開放を油圧制御する。モータ/ジェネレータ9は、乾式多板クラッチ7のクラッチドラム6の外周位置に配置され、変速機入力軸5との間で動力の伝達をする。このモータ&クラッチユニットM/Cには、スレーブシリンダー8への第1クラッチ圧油路85を有するシリンダーハウジング81が、O−リング10によりシール性を保ちながら設けられている。
前記モータ/ジェネレータ9は、同期型交流電動機であり、クラッチドラム6と一体に設けたロータ支持フレーム91と、ロータ支持フレーム91に支持固定され、永久磁石が埋め込まれたロータ92と、を有する。そして、ロータ92にエアギャップ93を介して配置され、シリンダーハウジング81に固定されたステータ94と、ステータ94に巻き付けられたステータコイル95と、を有する。なお、シリンダーハウジング81には、冷却水を流通させるウォータジャケット96が形成されている。
前記変速機ユニットT/Mは、モータ&クラッチユニットM/Cに連結接続され、変速機ハウジング41と、Vベルト式無段変速機構42と、オイルポンプO/Pと、を有する。Vベルト式無段変速機構42は、変速機ハウジング41に内蔵され、2つのプーリ間にVベルトを掛け渡し、ベルト接触径を変化させることにより無段階の変速比を得る。オイルポンプO/Pは、必要部位への油圧を作るメカ駆動の油圧源である。そして、オイルポンプO/Pと図外の電動オイルポンプからのオイルポンプ圧を元圧とし、プーリ室への変速油圧、クラッチ油圧、ブレーキ油圧、等を調圧し、調圧した油圧を必要部位へ導く。この変速機ユニットT/Mには、さらに前後進切換機構43と、オイルタンク44と、エンドプレート45と、が設けられている。エンドプレート45は、第2クラッチ圧油路48(図2)を有する。なお、前後進切換機構43の前進クラッチ46が前進走行時の第2クラッチCL2であり、後退ブレーキ47が後退走行時の第2クラッチCL2である。
前記オイルポンプO/Pは、変速機入力軸5の回転駆動トルクを、チェーン駆動機構を介して伝達することでポンプ駆動する。チェーン駆動機構は、変速機入力軸5の回転駆動に伴って回転する駆動側スプロケット51と、ポンプ軸57を回転駆動させる被動側スプロケット52と、両スプロケット51,52に掛け渡されたチェーン53と、を有する。駆動側スプロケット51は、変速機入力軸5とエンドプレート45との間に介装され、変速機ハウジング41に固定されたステータシャフト54に対し、ブッシュ55を介して回転可能に支持されている。そして、変速機入力軸5にスプライン嵌合すると共に、駆動側スプロケット51に対して爪嵌合する第1アダプタ56を介し、変速機入力軸5からの回転駆動トルクを伝達する。
[モータ&クラッチユニットの構成]
図2は、FFハイブリッド駆動系におけるモータ&クラッチユニットの構成を示し、図3は、実施例1における乾式多板クラッチのピストン組立体を示す。以下、図2及び図3に基づき、モータ&クラッチユニットM/Cの構成を説明する。
前記クラッチハブ3は、エンジンEngからのエンジン出力軸1を介して設けられたクラッチハブ軸2に連結される。このクラッチハブ3には、図2に示すように、乾式多板クラッチ7の4枚のドライブプレート71がスプライン結合により保持される。なお、クラッチハブ軸2は、第1ベアリング13を介し、フロントカバー60に対して回転可能に支持される。
前記クラッチドラム6は、変速機ユニットT/Mの変速機入力軸5に結合するクラッチドラム軸4に連結される。このクラッチドラム6には、図2に示すように、乾式多板クラッチ7の4枚のドリブンプレート72がスプライン結合により保持される。なお、クラッチドラム軸4は、第2ベアリング12を介し、シリンダーハウジング81に対して回転可能に支持される。
前記乾式多板クラッチ7は、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間に、両面に摩擦フェーシング73,73を貼り付けたドライブプレート71と、ドリブンプレート72と、を交互に4枚ずつ配列することでクラッチ部71,72,73を構成する。そして、スレーブシリンダー8の反対側(エンジンEng側)には、一番端のドリブンプレート72として意味を持つリテーニングプレート74が設けられる。さらに、リテーニングプレート74は、クラッチドラム6のリング溝に嵌合されたスナップリング75により軸方向の移動が規制される。
前記スレーブシリンダー8は、乾式多板クラッチ7の締結・開放を制御する油圧アクチュエータであり、変速機ユニットT/M側とクラッチドラム6の間の位置に配置される。このスレーブシリンダー8は、図2に示すように、シリンダーハウジング81のシリンダー孔80に摺動可能に設けたピストン82と、シリンダーハウジング81に形成し、変速機ユニットT/Mにより作り出したクラッチ圧を導く第1クラッチ圧油路85と、第1クラッチ圧油路85に連通するシリンダー油室86と、を有する。ピストン82と乾式多板クラッチ7との間には、図2に示すように、ニードルベアリング87と、ピストンアーム83と、リターンスプリング84と、アーム圧入プレート88と、が介装されている。
前記ピストンアーム83は、スレーブシリンダー8からの押圧力により乾式多板クラッチ7の押し付け力を発生させるもので、クラッチドラム6に形成した貫通孔61に摺動可能に設けている。リターンスプリング84は、ピストンアーム83とクラッチドラム6の間に介装されている。ニードルベアリング87は、ピストン82とピストンアーム83との間に介装され、ピストン82がピストンアーム83の回転に伴って連れ回るのを抑えている。アーム圧入プレート88は、蛇腹弾性支持部材89,89と一体に設けられ、蛇腹弾性支持部材89,89の内周部と外周部がクラッチドラム6に圧入固定されている。このアーム圧入プレート88と蛇腹弾性支持部材89,89により、ピストンアーム83側からのリーク油が乾式多板クラッチ7へ流れ込むのを遮断する。つまり、クラッチドラム6のピストンアーム取り付け位置に密封固定されたアーム圧入プレート88及び蛇腹弾性支持部材89により、スレーブシリンダー8を配置したウェット空間と、乾式多板クラッチ7を配置したドライ空間を分ける仕切り機能を持たせている。
前記ピストンアーム83は、図3に示すように、リング状に形成したアームボディ83aと、該アームボディ83aから円周上に4箇所で突設させたアーム突条83bと、によって構成されている。
前記リターンスプリング84は、図3に示すように、リング状に形成したスプリング支持プレート84aと、該スプリング支持プレート84aに固定した複数個のコイルスプリング84bと、により構成されている。
前記アーム圧入プレート88は、図2に示すように、ピストンアーム83のアーム突条83bの先端部に圧入固定される。そして、図3に示すように、アーム圧入プレート88の内径側と外径側に蛇腹弾性支持部材89,89を一体に有する。
[乾式多板クラッチの詳細構成]
図4は、実施例1の乾式多板クラッチにおけるピストン押圧位置比率の関係を示す。以下、図2〜図4に基づき、乾式多板クラッチ7の詳細構成を説明する。
前記乾式多板クラッチ7は、ドライブプレート71とドリブンプレート72と摩擦フェーシング73を軸方向に複数枚交互に配置したクラッチ部71,72,73と、該クラッチ部71,72,73を押圧し係合させるピストン82と、を備える。ドリブンプレート72は、ドライブプレート71の摩擦フェーシング73に摩擦接触する面(軸方向の摩擦面)を備える。ドライブプレート71は、両面に摩擦フェーシング73,73が貼り付けられ、ドリブンプレート72に摩擦接触するフェーシング面(軸方向の摩擦面)を備える。ピストン82によるクラッチ部71,72,73への押圧部は、図3に示すように、クラッチ中心軸CLから等距離の円周上に4分割にて突出させたアーム突条83bの先端部を繋ぐように圧入されるアーム圧入プレート88によって円環形状に構成される。
前記アーム圧入プレート88(押圧部)とはクラッチ部71,72,73を介して軸方向反対面のうち摩擦面外径側の端部位置に、クラッチ部71,72,73の軸方向移動を規制するスナップリング75(規制部材)が設けられる。ここで、摩擦面外径側の端部位置とは、図2に示すように、摩擦面(=摩擦フェーシング73)のうちクラッチ中心軸CLから外径方向に最も離れた位置をいう。このスナップリング75は、クラッチ部71,72,73の端面に配置されたリテーニングプレート74の軸方向の移動を規制するように、クラッチドラム6のリング溝に嵌合され、リテーニングプレート74とスナップリング75との接触部分が、クラッチ締結時に締結反力を受ける受圧部とされる。
前記乾式多板クラッチ7は、ピストン82によるアーム圧入プレート88(押圧部)の径方向位置と、スナップリング75による受圧部の径方向位置を異ならせたオフセット状態でクラッチ部71,72,73を押圧する多板摩擦係合装置としている。そして、ピストン82によるアーム圧入プレート88(押圧部)の位置を、ピストン82により押圧される最初のドリブンプレート72の偏摩耗を小さくしつつ、且つ、スナップリング75による受圧部と反対方向の摩擦面内径側にオフセットさせて設定している。ここで、摩擦面内径側の位置とは、図2に示すように、摩擦面(=摩擦フェーシング73)のうち、摩擦面中央部位置よりもクラッチ中心軸CLに近い側の位置をいう。
前記アーム圧入プレート88(押圧部)の位置設定を、図4に基づき詳しく述べる。クラッチ部71,72,73の摩擦面内周端位置から摩擦面外周端位置までの径方向全長をA(=摩擦フェーシング73の径方向全長)とし、クラッチ部71,72,73の摩擦面内周端位置からアーム圧入プレート88(押圧部)の開始位置までの径方向長さをBとする。そして、ピストン押圧位置比率を(B/A)×100(%)としたとき、アーム圧入プレート88(押圧部)を、ピストン押圧位置比率が15%以上で20%未満となる位置にオフセット設定している。ここで、ピストン押圧位置比率が15%以上で20%未満となる位置とは、ピストン82により押圧される最初のドリブンプレート72の偏摩耗が小さく抑えられる位置範囲をいう。実施例1では、具体的なピストン押圧位置比率として17.5%としている。この17.5%は、最初のドリブンプレート72にかかる荷重が摩擦フェーシング73をはみ出さない(面圧を集中させない)ために設定された値である。
そして、ピストン82は、乾式多板クラッチ7を締結する際、クラッチ部71,72,73でのプレート傾き角度が、0.2度以下となるピストン押力領域を常用範囲に設定している。これは、押圧部の位置設定によりプレート傾きが軽減されるのに伴い、クラッチ部71,72,73でのプレート傾き角度を所定角度に規制することで、乾式多板クラッチ7に過剰な締結力を与えて偏摩耗を促進しないようにするためである。
次に、作用を説明する。
実施例1の乾式多板クラッチ7における作用を、「クラッチ締結/開放作用」と「クラッチ部での面圧平均化作用」に分けて説明する。
[クラッチ締結/開放作用]
以下、図2を用いてスレーブシリンダー8により乾式多板クラッチ7を締結・開放するクラッチ締結/開放作用を説明する。
スレーブシリンダー8による乾式多板クラッチ7を締結するときには、変速機ユニットT/Mにて作り出したクラッチ油圧を、シリンダーハウジング81に形成した第1クラッチ圧油路85を経過してシリンダー油室86に供給する。これにより、油圧と受圧面積を掛け合わせた油圧力がピストン82に作用し、ピストンアーム83とクラッチドラム6の間に介装されたリターンスプリング84による付勢力に抗して、ピストン82を図2の右方向にストロークさせる。そして、油圧力と付勢力の差による締結力は、ピストン82→ニードルベアリング87→ピストンアーム83→アーム圧入プレート88へと伝達され、ドライブプレート71とドリブンプレート72を押し付け、乾式多板クラッチ7が締結される。この乾式多板クラッチ7の締結時、締結反力は、リテーニングプレート74とスナップリング75との接触部分により受けられる。
締結状態の乾式多板クラッチ7を開放するときは、シリンダー油室86に供給されている作動油を、クラッチ圧油路85を経過して変速機ユニットT/Mへ抜き、ピストン82に作用する油圧力を低下させると、リターンスプリング84による付勢力が油圧力を上回り、一体に構成されたピストンアーム83とアーム圧入プレート88を図2の左方向にストロークさせる。これによりアーム圧入プレート88へ伝達されていた締結力が解除され、乾式多板クラッチ7が開放される。
クラッチ部での面圧平均化作用]
上記のように、乾式多板クラッチ7が締結されると、ドライブプレート71とドリブンプレート72によるクラッチ部にて面圧が作用する。以下、図5〜図7に基づき、これを反映するクラッチ部での面圧平均化作用を説明する。
まず、アーム圧入プレート88(押圧部)とスナップリング75(受圧部)の径方向位置がオフセットしている場合、ドリブンプレート72の一番端のプレートであるリテーニングプレート74を厚くすることでプレートの倒れを防止することが可能である。しかし、プレートの倒れを防止するには、リテーニングプレート74の軸方向の厚さを十分に厚くせざるを得ず、ユニット全体の軸方向長さが長くなる。
上記同様に、スナップリング75を深く溝嵌合させたり、リング幅を半径方向に延長させたりすることで、プレートの倒れを防止することが可能である。しかし、リテーニングプレート74の強化策と同様に、軸方向の厚さを増やすこととなり、ユニット軸方向長さが長くなる。
さらに、ピストンアーム83自体を大きくしてプレート全体を押すようにすることで、プレートの傾きを防止することも可能である。しかし、その場合、ピストンアーム83が倒れないように、ピストンアーム83より大きなアーム支持構造にする必要があり、円周方向に大きくなってしまう、という問題がある。
特に、実施例1では多板クラッチを乾式としているため、シリンダー油室86(ウェット室)と乾式多板クラッチ7(ドライ室)を完全に分離する必要がある。このため、大型のピストンアーム83を配置するには、アーム圧入プレート88及び蛇腹弾性支持部材89,89によるシール部(ピストンアーム83が軸方向にストローク可能、且つ、油室を分割するシール部)の面積が拡大し、好ましくない。
以上の通り、規制部材(スナップリング75)を強化することや、ピストンアーム83を大型化することはユニットの大型化につながり好ましくない。
しかし、ユニットを大型化しない方策を採ると、押圧部と受圧部の径方向位置をオフセットせざるを得ない場合、乾式多板クラッチ7のクラッチ部71,72,73にかかる面圧が偏り、摩擦材である摩擦フェーシング73が偏摩耗するという問題発生が避けられない。これに対し、摩擦フェーシング73で偏摩耗が発生する程度は、アーム圧入プレート88(押圧部)の位置にかかわらず同じというわけではなく、偏摩耗を最小に抑えることができるアーム圧入プレート88(押圧部)の位置があることも確かである。
そこで、偏摩耗を最小に抑える最適な押圧部の位置を見出すため、押圧位置を摩擦面内径側から摩擦面外径側に移行させてプレート傾きを検証した。以下、乾式多板クラッチ7において、アーム圧入プレート88(押圧部)による押圧位置を摩擦面内径側から摩擦面外径側に移行させたときのプレート傾き変化状態を図5に基づき説明する。
押圧部と受圧部のオフセットを最大にし、摩擦面内径端押しにすると、図5の左端部に示すように、押圧部である内径側に圧力が集中し、摩擦面内径側が受圧部側に押し込まれてプレートが大きく傾く。一方、押圧部と受圧部のオフセットを最小にし、摩擦面外径端押しにすると、図5の右端部に示すように、押圧部である外径側に圧力が集中し、摩擦面内径側が押圧部側に突出してプレートが大きく傾いてプレート間が開き、摩擦面内側に圧力がかからなくなる。すなわち、押圧部の位置としては、摩擦面内径端押しと摩擦面外径端押しの中間領域に偏摩耗を最小に抑える最適解が存在することが明らかとなった。
次に、偏摩耗を最小に抑える最適な押圧部の位置を見出すため、押圧位置を摩擦面内径端にしたときの各プレートでのクラッチ面圧の分布を検証した。以下、乾式多板クラッチ7において、アーム圧入プレート88(押圧部)による押圧位置を摩擦面内径端にしたときのクラッチ面圧の分布を、図6A、図6B,図6Cに基づき説明する。
押圧位置を摩擦面内径端にすると、図6Aに示すように、摩擦面内径端部領域に面圧が集中する。そして、クラッチ面圧は、図6Bに示すように、押圧部から1枚目のクラッチ面圧が高く、2枚目及び3枚目のクラッチ面圧が1枚目に比べ大幅に低く、4枚目のクラッチ面圧が2枚目及び3枚目に比べ少し高くなる。このとき、摩擦材の摩耗イメージは、図6Cに示すように、クラッチ1枚目の内径側に集中し、クラッチ1枚目の内径側摩耗が多くなる。すなわち、押圧部と受圧部を繋ぐ領域を斜め対角領域とすると、1枚目のクラッチ面圧は高くなり、クラッチ面圧分布のバランスは悪くなるものの、クラッチ部71,72,73の厚さ方向の中央部に存在する2枚目及び3枚目のクラッチ面圧が低く抑えられる。
そこで、押圧部の位置を設定するに際し、押圧部と受圧部を繋ぐ領域を斜め対角領域にしながらも、1枚目のクラッチ面圧を低く抑える押し方にすることをコンセプトにした。このコンセプトに基づき、乾式多板クラッチ7において、アーム圧入プレート88(押圧部)による押圧位置を、最初のドリブンプレート72の偏摩耗を小さくしつつ、且つ、オフセット量を確保する摩擦面内径側に設定した。このときのクラッチ面圧の分布を、図7A、図7B,図7Cに基づき説明する。
押圧位置を摩擦面内径側にすると、図7Aに示すように、摩擦面内径側領域に面圧が集中する。そして、クラッチ面圧は、図7Bに示すように、押圧部から1枚目のクラッチ面圧が低く抑えられ、2枚目及び3枚目のクラッチ面圧が1枚目に比べ僅かに低く、図6Bの2枚目及び3枚目に比べ高くなる。そして、4枚目のクラッチ面圧が2枚目及び3枚目に比べ僅かに高くなる。このとき、摩擦材の摩耗イメージは、図7Cに示すように、クラッチ1枚目に集中することなく、クラッチ1枚目〜クラッチ4枚目まで面圧が分散し、図7Bに示すように、クラッチ面圧の平均化が達成される。
このように、実施例1では、ピストン82による押圧部の位置を、ピストン82により押圧される最初のドリブンプレート72の偏摩耗を小さくしつつ、且つ、スナップリング75による受圧部と反対方向の摩擦面内径側にオフセットさせて設定する構成を採用した。
すなわち、従来、一つのプレート同士で面圧を下げることが考慮されていたが、軸方向の複数のプレートの面圧を平均化するという概念がなかったのに対し、複数のプレートの面圧を平均化するという概念を導入した。このため、
第一に、押圧部の位置設定に際し最初のドリブンプレート72の偏摩耗を小さくすることを意図したため、押圧部側の最初のドリブンプレート72にクラッチ面圧が集中しない。
第二に、押圧部と受圧部を繋ぐ領域を斜め対角領域としたため、複数枚のプレートに作用するクラッチ面圧が分散する。
第三に、押圧部を摩擦面の内径端から外径方向にずれた位置に設定したため、プレート傾きが小さく抑えられる。
という作用が得られ、クラッチ面圧分布が最適化される。
このように、コンパクト性を確保しながら、クラッチ面圧分布の最適化によりクラッチ部71,72,73に有する摩擦フェーシング73の偏摩耗を抑制することで、乾式多板クラッチ7の性能安定性及び耐久信頼性の向上を図ることができる。また本実施例においては、ピストン82のアーム突条83bが半径方向において中心方向にオフセットされる為、アーム突条83bの半径が小さくなりアーム突条83bの軽量化も図ることができる。
実施例1では、ピストン82によるアーム圧入プレート88(押圧部)を、ピストン押圧位置比率である(B/A)×100(%)が、15%以上で20%未満となる位置にオフセット設定する構成を採用した。
ここで、ピストン押圧位置比率を15%以上で20%未満としたのは、最初のドリブンプレート72にかかる荷重が摩擦フェーシング73をはみ出さない(面圧を集中させない)ためである。しかも、最もスナップリング75(規制部材)からオフセットさせた状態である。これはプレートを変形(倒れさない)しない範囲でクラッチ面圧分布を最適化し、押圧をしようとするものである。なお、面圧=荷重/面積であり、荷重が同じと考えれば接触面積が増えれば面圧が下がる。この結果、摩耗耐久が向上する。また、ピストン押位置比率(B/A)において、クラッチ部71,72,73の摩擦面内周端位置からアーム圧入プレート88(押圧部)の開始位置までの径方向長さをBとした。この径方向長さBは、最初のドリブンプレート72にかかる荷重が摩擦フェーシング73をはみ出さない設定とするのに必要な長さを決める設定である。
したがって、ピストン押圧位置比率を15%以上で20%未満としたことで、クラッチ面圧分布が平均化され、クラッチ部71,72,73に有する摩擦フェーシング73の偏摩耗を有効に抑制することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の乾式多板クラッチ7にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 軸方向に摩擦面を備えるドリブンプレート72と、同じく軸方向に摩擦面を備えるドライブプレート71を軸方向に複数枚交互に配置したクラッチ部71,72,73と、前記ドリブンプレート72と前記ドライブプレート71を押圧し係合させるピストン82とを備えた多板摩擦係合装置(乾式多板クラッチ7)において、
前記ピストン82による押圧部(アーム圧入プレート88)とは前記クラッチ部71,72,73を介して軸方向反対面のうち摩擦面外径側の端部位置に、前記クラッチ部71,72,73の軸方向移動を規制する規制部材(スナップリング75)を設け、
前記押圧部(アーム圧入プレート88)の径方向位置と、前記規制部材(スナップリング75)による受圧部の径方向位置を異ならせたオフセット状態で前記クラッチ部71,72,73を押圧するものであって、
前記押圧部(アーム圧入プレート88)の位置を、前記ピストン82により押圧される最初のプレート(ドリブンプレート72)の偏摩耗を小さくしつつ、且つ、前記受圧部と反対方向の摩擦面内径側にオフセットさせて設定した(図2)。
このため、コンパクト性を確保しながら、性能安定性及び耐久信頼性の向上を図ることができる。
(2) 前記クラッチ部71,72,73の摩擦面の内径端位置から外径端位置までの径方向全長をAとし、前記クラッチ部71,72,73の摩擦面の内径端位置から前記押圧部(アーム圧入プレート88)の開始位置までの径方向長さをBとし、ピストン押圧位置比率を(B/A)×100(%)としたとき、
前記ピストン82による押圧部(アーム圧入プレート88)を、ピストン押圧位置比率が15%以上で20%未満となる位置にオフセット設定した(図4)。
このため、上記(1)の効果に加え、クラッチ面圧分布が平均化され、クラッチ部71,72,73に有する摩擦フェーシング73の偏摩耗を有効に抑制することができる。
(3) 前記ピストン(ピストンアーム83)のピストン形状を、クラッチ中心軸CLから等距離の円周上から軸方向に延びる円環形状または分割円環形状とした(図3)。
このため、上記(1)又は(2)の効果に加え、クラッチ中心軸CLから等距離の円周上以外にピストンを延設する必要がなく、コンパクトに押圧部を構成することができる。
(4) 前記ピストン82は、クラッチ締結の際、前記クラッチ部71,72,73でのプレート傾き角度が0.2度以下となるピストン押力領域を常用範囲に設定した(図5)。
このため、上記(1)〜(3)の効果に加え、クラッチ面圧分布の平均化を保つようにプレート傾き角度を規制することで、クラッチ部71,72,73に過剰な締結力を与えることによる偏摩耗の促進を防止することができる。
以上、本発明の多板摩擦係合装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ピストンアーム83として、図3に示すように、リング状に形成したアームボディ83aと、該アームボディ83aから円周上に4箇所で突設させたアーム突条83bと、により構成される例を示した。しかし、ピストンアーム83-1としては、図8に示すように、アームボディ83a-1と、該アームボディ83a-1から4箇所で平板により突設させたアーム突条83b-1により構成される例としても良い。また、ピストンアーム83-2としては、図9に示すように、アームボディ83a-2と、該アームボディ83a-2から円筒状に突設させたアーム突条83b-2により構成される例としても良い。また、ピストンアーム83-3としては、図10に示すように、アームボディ83a-3と、該アームボディ83a-3から3箇所で平板により突設させたアーム突条83b-3により構成される例としても良い。また、ピストンアーム83-4としては、図11に示すように、アームボディ83a-4と、該アームボディ83a-4から3箇所で円弧板と平板の組み合わせにより突設させたアーム突条83b-4により構成される例としても良い。
実施例1では、多板摩擦係合装置として、乾式多板クラッチ7とする例を示した。しかし、多板摩擦係合装置としては、湿式多板クラッチを用いた例であっても良い。
実施例1では、ドライブプレート71をクラッチハブ3にスプライン結合し、ドリブンプレート72をクラッチドラム6にスプライン結合する例を示した。しかし、ドライブプレートをクラッチドラムにスプライン結合し、ドリブンプレートをクラッチハブにスプライン結合するような例としても良い。
実施例1では、ドライブプレート71に摩擦フェーシング73を有する例を示した。しかし、ドリブンプレートに摩擦フェーシングを有する例としても良い。
実施例1では、多板摩擦係合装置として、エンジンEngとモータ/ジェネレータ9を搭載したFFハイブリッド駆動系において、走行モードを選択する乾式多板クラッチ7の例を示した。しかし、FRハイブリッド駆動系やエンジン駆動系や電気自動車駆動系等のように、他の駆動系に適用される多板クラッチや多板ブレーキ等の多板摩擦係合装置に対しても適用することができる。
Eng エンジン
3 クラッチハブ
6 クラッチドラム
7 乾式多板クラッチ(多板摩擦係合装置)
71 ドライブプレート
72 ドリブンプレート
73 摩擦フェーシング
74 リテーニングプレート
75 スナップリング(規制部材)
8 スレーブシリンダー
82 ピストン
83 ピストンアーム
84 リターンスプリング
85 第1クラッチ圧油路
86 シリンダー油室
87 ニードルベアリング
88 アーム圧入プレート
89 蛇腹弾性支持部材
9 モータ/ジェネレータ

Claims (3)

  1. 軸方向に摩擦面を備えるドリブンプレートと、同じく軸方向に摩擦面を備えるドライブプレートを軸方向に複数枚交互に配置したクラッチ部と、前記ドリブンプレートと前記ドライブプレートを押圧し係合させるピストンとを備えた多板摩擦係合装置において、
    前記クラッチ部を締結する際、前記ピストンによる締結力が伝達され、前記クラッチ部を押し付ける接触部分を押圧部というとき、前記押圧部とは前記クラッチ部を介して軸方向反対面のうち摩擦面外径側の端部位置に、前記クラッチ部の軸方向移動を規制する規制部材を設け、
    前記押圧部の径方向位置と、前記規制部材による受圧部の径方向位置を異ならせたオフセット状態で前記クラッチ部を押圧するものであって、
    前記クラッチ部の摩擦面の内径端位置から外径端位置までの径方向全長をAとし、前記クラッチ部の摩擦面の内径端位置から前記押圧部の開始位置までの径方向長さをBとし、ピストン押圧位置比率を(B/A)×100(%)としたとき、
    前記クラッチ部を締結する際、前記ピストンによる押圧部から最初のプレートにかかる荷重が前記摩擦面をはみ出さないため、前記ピストンによる押圧部を、前記ピストン押圧位置比率が15%以上で20%未満となる位置にオフセット設定した
    ことを特徴とする多板摩擦係合装置。
  2. 請求項1に記載された多板摩擦係合装置において、
    前記ピストンのピストン形状を、クラッチ中心軸から等距離の円周上から軸方向に延びる円環形状または分割円環形状とした
    ことを特徴とする多板摩擦係合装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された多板摩擦係合装置において、
    前記ピストンは、前記クラッチ部が完全にクラッチ締結された状態の際、前記クラッチ部の内径部をプレート傾き角度の基準としたとき、クラッチ中心軸に対して直交する方向から前記押圧部側に傾くプレート傾き角度が0.2度以下となるピストン押力領域を常用範囲に設定した
    ことを特徴とする多板摩擦係合装置。
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