JP2008256009A - 油圧回路のエア抜き装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動油の供給に伴って油圧室内のエアを良好に排出できるとともに、その作動油の漏洩を抑制して作動油の供給量を低減し、燃費等のエネルギー効率を向上させる。
【解決手段】ピストン本体48を貫通するようにエア抜き孔82が形成されるとともに、第1油圧室52側の開口82aの近傍に開閉弁84が設けられ、第1油圧室52内に作動油が供給される時にその油圧室52内のエアが開閉弁84と開口82aとの間の隙間からエア抜き孔82へ流出してエア抜きされる一方、そのエア抜き孔82の開口部分まで作動油が達すると、その作動油の油圧により開閉弁84が開口82aに押圧されてエア抜き孔82を閉塞するため、エア抜き孔82からの作動油の流出が防止される。
【選択図】図2

Description

本発明は油圧式摩擦係合装置等の油圧回路のエア抜き装置に係り、特に、油圧供給時の作動油の漏洩が少ないエア抜き装置に関するものである。
車両用自動変速機の摩擦係合装置は、押圧されることにより互いに一体的に摩擦係合させられる摩擦係合要素(摩擦板など)と、その摩擦係合要素を押圧するピストンと、そのピストンの駆動源となる作動油が供給されるピストン油圧室と、ピストンが摩擦係合要素を押圧しない方向に付勢するリターンスプリングと、を主に備えている。そして、ピストン油圧室に作動油が供給されると、その油圧によってピストンが移動し、摩擦係合要素を押圧する。この押圧によって摩擦係合要素が互いに係合させられると、それぞれの摩擦係合要素を支持する部材が連結され、一体的に回転或いは回転停止させられる。上記ピストンを挟んでピストン油圧室と反対側には、遠心力による油圧増加を相殺するために作動油が供給されるキャンセラ室が必要に応じて設けられる。
ところで、このような車両用自動変速機の油圧制御装置においては、上記ピストン油圧室内にエア(空気)が溜まると、油圧制御の応答性が悪くなる。このため、ピストンの油圧室に開口するようにエア抜き孔を設け、油圧室内に溜まったエアが作動油の供給に伴って自動的に排出されるようにすることが提案されている(特許文献1参照)。
特開平11−141661号公報
しかながら、このようにエア抜き孔を設けるだけでは、エアだけでなく作動油もエア抜き孔から漏洩してしまうため、作動油の供給量が多くなるという問題があった。なお、このような問題は、車両用自動変速機の摩擦係合装置に限られるものではなく、車両用或いは車両用以外の種々の油圧回路において同様に生じ、所定の油圧を発生させるためのエネルギー効率(燃費など)が悪化したり、油圧制御の精度が損なわれたりする。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、作動油の供給に伴って油圧室内のエアを良好に排出できるとともに、その作動油の漏洩を抑制して作動油の供給量を低減し、燃費等のエネルギー効率を向上させることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、油圧回路のエア抜き装置であって、(a) 作動油が供給される油圧室に開口するように設けられたエア抜き孔と、(b) 前記油圧室内において、前記エア抜き孔の開口との間に所定の隙間を有する状態で配設され、その油圧室内に作動油が供給された時にその油圧室内のエアがその隙間から前記エア抜き孔へ流出するエア抜きを許容する一方、そのエア抜き孔の開口部分まで作動油が達すると、その作動油の油圧によりその開口に押圧されてそのエア抜き孔を閉塞する開閉弁と、を有することを特徴とする。
第2発明は、第1発明の油圧回路のエア抜き装置において、(a) 前記開閉弁は、1枚の金属板材にプレス加工を施して所定形状に成形したもので、(b) 前記エア抜き孔の開口に対して前記隙間を隔てて対向するように配置される弁体部と、(c) その弁体部に連続して一体に設けられ、自身の弾性変形で前記油圧によってその弁体部が前記開口に押圧されることを許容しつつ、その油圧が低下した場合には自身の弾性復元力でその弁体部をその開口から離間させる弾性変形部と、(d) その弾性変形部に連続して一体に設けられ、前記油圧室内において前記開口の近傍に一体的に固定される取付部と、を備えていることを特徴とする。
第3発明は、第2発明の油圧回路のエア抜き装置において、(a) 前記取付部は、前記油圧室の内壁面であって前記開口の近傍に一方の面が密着する状態で固定される一方、(b) その取付部の前記開口と反対側の端部には、プレスによる曲げ加工で180°回曲してその取付部の他方の面に密着するように折り曲げられるとともに、その取付部からその開口側へ向かって延び出す回曲支持部が連続して設けられており、(c) その回曲支持部が前記取付部から前記開口側へ向かって延び出した部分が前記弾性変形部として機能するとともに、その弾性変形部の先端側に前記弁体部が設けられており、その弾性変形部がその取付部の板厚分だけ前記開口から離間させられることにより、その弁体部とその開口との間に前記隙間が設けられて前記エア抜きを許容することを特徴とする。
このような油圧回路のエア抜き装置においては、油圧室に開口するように設けられたエア抜き孔のその開口との間に所定の隙間を有する状態で開閉弁が設けられ、油圧室内に作動油が供給される時にその油圧室内のエアがその隙間からエア抜き孔へ流出してエア抜きされる一方、そのエア抜き孔の開口部分まで作動油が達すると、その作動油の油圧により開閉弁がその開口に押圧されてエア抜き孔を閉塞するため、エア抜き孔からの作動油の流出が防止される。このようにエア抜き孔からの作動油の流出が防止されることから、エア抜きと相まって油圧制御を高い応答性および精度で行うことができるとともに、作動油の供給量が低減されて所定の油圧を発生させるためのエネルギー効率(燃費など)が向上する。
第2発明では、上記開閉弁が、1枚の金属板材にプレス加工を施して所定形状に成形したもので、弁体部と弾性変形部と取付部とを有して構成されているため、チェックボールやスプリング等の付勢手段を用いて開閉弁を構成する場合に比較して、簡単且つ安価でコンパクトに構成される。これにより、例えば車両用自動変速機の油圧式摩擦係合装置などに対しても、大掛かりな設計変更等を必要とすることなく小さなスペースにコンパクトに配置することが可能となる。
第3発明では、上記取付部が油圧室の内壁面に密着する状態で固定される一方、180°回曲してその取付部に密着するように折り曲げられた回曲支持部を介して弾性変形部が設けられるとともに、その弾性変形部の先端側に弁体部が設けられており、弾性変形部が取付部の板厚分だけエア抜き孔の開口から離間させられることにより、弁体部と開口との間に所定の隙間が設けられるようになっているため、エア抜きおよび作動油の流出防止に大きく関与する隙間寸法が常に高い精度で一定の大きさとなるように、油圧室の内壁面の所定の位置に開閉弁を容易に取り付けることができる。
本発明のエア抜き装置は、例えば車両用自動変速機の油圧式摩擦係合装置のエア抜きに好適に適用されるが、自動変速機以外の車両用の油圧制御回路、或いは車両用以外の油圧回路など、種々の油圧回路のエア抜き装置に適用され得る。特に、比較的高い油圧を発生する油圧シリンダ等のエア抜きに好適に適用される。上記車両用自動変速機は、変速比を段階的或いは連続的に変化させたり、前後進を切り換えたりするものである。
上記車両用自動変速機の油圧式摩擦係合装置などで、ピストンを挟んで油圧室と反対側に、遠心力による油圧増加を相殺するために作動油が供給されるキャンセラ室が設けられている場合に、それ等の油圧室とキャンセラ室とを連通するようにそのピストンにエア抜き孔を設けるとともに、油圧室側の開口部分に開閉弁を設ければ、キャンセラ室内の油圧に起因してピストンの移動が阻害されるオーバーキャンセル現象が防止される。
エア抜き孔は、断面が円形の一直線の貫通孔が好適に用いられるが、互いに反対側から設けられて先端で交わる一対の直線孔にて構成することもできるし、一対の部材の突合せ面の一方または両方に断面が半円弧形状或いは角形等の溝を設け、突き合わせて一体的に接合されることによりその溝によってエア抜き孔が形成されるようにすることもできるなど、種々の態様が可能である。このエア抜き孔は、油圧室内のエアが外部に排出されるように、一般にその油圧室を大気に連通させるように設けられる。
エア抜き孔の開口と開閉弁との間の隙間の寸法は、油圧室内のエアを良好に排出できるとともに、作動油がエア抜き孔まで達した場合には、その隙間が絞りとして作用することにより油圧室内とエア抜き孔内との間で圧力差が生じ、その圧力差で開閉弁がエア抜き孔の開口に押圧されるように、開閉弁の弾性係数や形状、板厚等に応じて定められる。
第2発明の開閉弁は、1枚の金属板材にプレス加工を施して所定形状に成形されたものであるが、第1発明の実施に際しては、プレス加工は必ずしも要件でなく、切削加工を用いて加工しても良いし、チェックボールやスプリング等の複数の部材を組み合わせて開閉弁を構成しても良いなど、種々の態様が可能である。この開閉弁は、溶接により油圧室の内壁面に一体的に固設することが望ましいが、ボルトやリベット等の他の固設手段を採用することもできる。
第2発明の開閉弁を構成する金属板材は、例えば鋼板が好適に用いられるが、アルミニウム合金等の他の金属板材を用いることも可能である。この開閉弁の弁体部には、エア抜き孔の開口周縁部に接する部分に耐摩耗性の硬質被膜、或いは密着性を良くするための軟質被膜などを必要に応じてコーティングすることが可能である。
第3発明の開閉弁は、取付部と弾性変形部との間に180°回曲した回曲支持部を備えているが、他の発明の実施に際しては、弁体部を開口から所定寸法だけ離間させるとともに開口に密着するように変位することを許容するクランク状、或いはU字形状等の弾性変形部を介して取付部に連結するようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
弁体部は、プレス加工等により部分球面状に膨出させられたり、截頭円錐形状に突出させられたりしたものが好適に採用され、少なくとも開口部分が円形とされた前記エア抜き孔のその開口に対して、膨出側の球面や突出側のテーパ面が対向するように配置され、油圧によりそのエア抜き孔の開口周縁部に密着させられるように構成される。その場合は、エア抜き孔の開口部分まで作動油が達した時に、その作動油の油圧により弾性変形部が弾性変形させられることにより、部分球面状或いは截頭円錐形状の弁体部の膨出側の球面或いは突出側のテーパ面が開口周縁部に密着するように押圧されるため、そのエア抜き孔からの作動油の漏出を一層好適に防止できる。但し、油圧室の内壁面のうちエア抜き孔が開口する部分と略平行な平面形状の弁体部を採用することもできる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された油圧回路を有する車両用自動変速機8を説明する図で、中心線Oより上半分を示す断面図である。この車両用自動変速機8は、油圧式摩擦係合装置としてダブルクラッチ構造のクラッチ装置10を備えており、このクラッチ装置10は、第1摩擦係合要素12および第2摩擦係合要素14と、それ等の第1摩擦係合要素12および第2摩擦係合要素14を支持しているクラッチドラム16と、そのクラッチドラム16の外側に設けられた第1ピストン18と、そのクラッチドラム16の内側に設けられた第2ピストン20とを有する。
図示しないエンジン等の動力源によって回転駆動される入力軸22は、ケース24に相対回転可能に支持されているとともに、その入力軸22には、筒状部材26を介して前記クラッチドラム16が一体的に固設されている。クラッチドラム16は有底円筒形状を成しており、円環形状の底部16aと、その底部16aの外周縁に連結される円筒部16bとを備えており、円筒部16bの内周面には、第1摩擦係合要素12の複数の内向摩擦板32および第2摩擦係合要素14の複数の内向摩擦板38が相対回転不能にスプライン嵌合されている。第1摩擦係合要素12は、複数の内向摩擦板32およびその複数の内向摩擦板32の間に介在させられる複数の外向摩擦板34から構成されており、第2摩擦係合要素14は、複数の内向摩擦板38およびその複数の内向摩擦板38の間に介在させられる複数の外向摩擦板40から構成されている。第1摩擦係合要素12の複数の外向摩擦板34は、図示しない遊星歯車装置のリングギヤ36の外周面にスプライン嵌合されており、第2摩擦係合要素14の複数の外向摩擦板40は、その遊星歯車装置のサンギヤ42に一体的に連結されたクラッチハブ44の外周面にスプライン嵌合されている。
前記第1ピストン18は、クラッチドラム16の外周側に位置する円筒部材46と、円筒部材46の軸方向の一方の端部に相対回転不能に嵌合され、第1ピストン18の底部を構成する円環状のピストン本体48とを備えている。ピストン本体48の内周縁は筒状部材26に対して摺動可能とされており、ピストン本体48とクラッチドラム16の底部16aとの間に第1油圧室52が形成されている。この第1油圧室52には、筒状部材26に形成された油路54を経由して作動油が供給され、第1油圧室52に作動油が供給されることにより、第1ピストン18は、ピストン本体48がクラッチドラム16の底部16aから離隔する左方向へ移動させられる。第1ピストン18、クラッチドラム16の底部16a、筒状部材26等によって第1油圧シリンダが構成されている。
ピストン本体48の第1油圧室52とは反対の背面側には、バランサ58が筒状部材26の外周に嵌合されており、そのバランサ58とピストン本体48との間にキャンセラ室60が形成されているとともに、そのキャンセラ室60内にはリターンスプリング62が配設されている。筒状部材26には、上記キャンセラ室60に作動油を導く図示しない供給油孔が形成されており、その供給油孔を経由してキャンセラ室60に作動油が供給されることにより、第1油圧室52内の油圧の遠心油圧分をキャンセルする。このキャンセラ室60に供給された作動油は、筒状部材26の前記バランサ58が取り付けられている部分に形成された軸方向に延びる溝66を経由して、バランサ58の背面側(図の左側)の大気に連通している空間へ排出される。
第1ピストン18の円筒部材46の先端には押圧部46aが設けられており、前記第1油圧室52内に作動油が供給されて第1ピストン18が図の左方向へ移動させられることにより、その押圧部46aが第1摩擦係合要素12に押圧されて摩擦材32、34を摩擦係合させる。これにより、第1摩擦係合要素12が係合状態とされ、クラッチドラム16更には入力軸22と、リングギヤ36とが一体回転させられる。
一方、前記第2ピストン20は略円環形状を成しており、入力軸22とクラッチドラム16との間に軸方向の摺動可能に嵌合されており、そのクラッチドラム16の底部16aと第2ピストン20との間に第2油圧室70が形成されている。この第2油圧室70には、入力軸22に形成された油路72を経由して作動油が供給されるようになっており、この第2油圧室70に作動油が供給されることにより、第2ピストン20は、クラッチドラム16の底部16aから離隔する右方向へ移動させられる。第2ピストン20、クラッチドラム16の底部16a、入力軸22等によって第2油圧シリンダが構成されている。
第2ピストン20の第2油圧室70と反対側には、バランサ74が入力軸22の外周に嵌合されており、そのバランサ74と第2ピストン20との間にキャンセラ室76が形成されているとともに、そのキャンセラ室76内にはリターンスプリング77が配設されている。入力軸22には、キャンセラ室76に作動油を導く図示しない供給油孔が形成されており、その供給油孔を経由してキャンセラ室76に作動油が供給されることにより、第2油圧室70内の油圧の遠心油圧分をキャンセルする。このキャンセラ室76に供給された作動油は、バランサ74の内周縁部に形成された切欠78を経由して、バランサ74の背面側(図の右側)の大気に連通している空間へ排出される。
第2ピストン20の外周部には押圧部20aが一体に設けられており、前記第2油圧室70内に作動油が供給されて第2ピストン20が図の右方向へ移動させられることにより、その押圧部20aが第2摩擦係合要素14に押圧されて摩擦材38、40を摩擦係合させる。これにより、第2摩擦係合要素14が係合状態とされ、クラッチドラム16更には入力軸22と、サンギヤ42とが一体回転させられる。
ここで、前記第1ピストン18のピストン本体48には、第1油圧室52内のエアを排出するためのエア抜き装置80が設けられている一方、第2ピストン20には、第2油圧室70内のエアを排出するためのエア抜き装置100が設けられている。エア抜き装置80は、第1油圧室52とキャンセラ室60とを連通させるようにピストン本体48に中心線Oと平行に設けられた断面円形の一直線のエア抜き孔82と、そのエア抜き孔82の第1油圧室52側の開口の近傍においてピストン本体48に設けられた開閉弁84とを備えている。また、エア抜き装置100は、第2油圧室70とキャンセラ室76とを連通させるように第2ピストン20に中心線Oと平行に設けられた断面円形の一直線のエア抜き孔102と、そのエア抜き孔102の第2油圧室70側の開口の近傍において第2ピストン20に設けられた開閉弁104とを備えている。そして、これ等のエア抜き装置80、100は、少なくとも一部が油面から上方へ出ているように、それぞれ中心線Oまわりに等角度間隔で複数箇所(例えば2〜4箇所程度)に配設されるが、エア抜き装置100のように中心線Oの近くに配設され、常に油面から上方へ出ているような場合、或いはクラッチドラム16が回転状態でクラッチ装置10の係合制御が行われるような場合等には、それ等のエア抜き装置80、100を中心線Oまわりの1箇所に配設するだけでも良い。
上記エア抜き装置80、100は、実質的に同じ構成であるため、以下、一方のエア抜き装置80について、図2および図3を参照して具体的に説明する。図2、図3の(a) は、図1に相当する断面の拡大図で、(b) はその右側すなわち第1油圧室52側から見た正面図である。
これ等の図において、エア抜き孔82は、ピストン本体48のうち中心線Oに対して略直角となる平板状部分に、そのピストン本体48に対して略垂直に設けられている。開閉弁84は、第1油圧室52内において、エア抜き孔82の開口82aとの間に所定の隙間を有する状態で配設され、油圧室52内に作動油が供給された時に油圧室52内のエアが、図2に白抜き矢印で示すようにその隙間からエア抜き孔82へ流出するエア抜きを許容する。また、エア抜き孔82の開口部分まで作動油が達すると、その隙間が絞りとして作用することにより油圧室52内とエア抜き孔82内との間で圧力差が生じ、その圧力差で開閉弁84が図3に示すようにエア抜き孔82側へ向かって弾性変形させられ、エア抜き孔82の開口82aに押圧されることにより、エア抜き孔82を閉塞して作動油の流出を防止する。上記隙間の大きさは、エア抜き孔82を閉塞すべき油圧値や油圧供給速度等を考慮して、開閉弁84の弾性係数や形状、板厚等に応じて適宜定められる。
上記開閉弁84は、1枚の金属板材(本実施例では鋼板)にプレス加工を施して所定形状に成形したもので、(a) エア抜き孔82の開口82aの近傍に一方の面が密着するように、ピストン本体48の側面(第1油圧室52の内壁面)48fに一体的に溶接固定される平坦な取付部86と、(b) その取付部86の開口82aと反対側の端部(図2、図3の上端部)に連続して設けられ、プレスによる曲げ加工で180°回曲してその取付部86の他方の面に密着するように折り曲げられるとともに、取付部86から開口82a側(図2、図3における下方)へ向かって真っ直ぐに延び出す回曲支持部88と、(c) その回曲支持部88が取付部86から開口82a側へ向かって延び出した部分によって構成されている弾性変形部90と、(d) その弾性変形部90の先端側であって開口82aに対向する位置に設けられた弁体部92とを有する。この場合は、弾性変形部90が取付部86の板厚分だけ開口82aすなわちピストン本体48の側面48fから離間させられることにより、弁体部92と開口82aとの間に所定の隙間が設けられてエア抜きを許容する。弾性変形部90は、自身の弾性変形で図3に示すように油圧により弁体部92がエア抜き孔82の開口82aに押圧されることを許容しつつ、油圧が低下した場合には、自身の弾性復元力で図2に示すように弁体部92を開口82aから離間させる。
また、上記弁体部92は、プレス加工によって部分球面状に膨出させられており、エア抜き孔82の開口82aに対して膨出側の球面92fが対向するように配置されている。したがって、油圧により弾性変形部90が図3のように弾性変形させられ、弁体部92が開口82aに押圧されると、その球面92fが開口82aの周縁部に良好に密着させられる。これにより、エア抜き孔82からの作動油の漏出が一層好適に防止される。
このように、本実施例のクラッチ装置10においては、第1油圧室52とキャンセラ室60との間のピストン本体48にエア抜き装置80が配設され、第1油圧室52内に作動油が供給される時にその油圧室52内のエアが開閉弁84と開口82aとの間の隙間からエア抜き孔82へ流出してエア抜きされる一方、そのエア抜き孔82の開口部分まで作動油が達すると、その作動油の油圧により開閉弁84が開口82aに押圧されてエア抜き孔82を閉塞するため、エア抜き孔82からの作動油の流出が防止される。このようにエア抜き孔82からの作動油の流出が防止されることから、エア抜きと相まってクラッチ装置10の油圧制御を高い応答性および精度で行うことができるとともに、作動油の供給量が低減されて所定の油圧を発生させるためのエネルギー効率(燃費など)が向上する。
また、本実施例では、上記開閉弁84が、1枚の金属板材にプレス加工を施して所定形状に成形したもので、弁体部92と弾性変形部90と取付部86とを有して一体に構成されているため、チェックボールやスプリング等の付勢手段を用いて開閉弁を構成する場合に比較して、簡単且つ安価でコンパクトに構成される。これにより、車両用自動変速機8のクラッチ装置10に対して、大掛かりな設計変更を必要とすることなく小さなスペースにコンパクトに配置することが可能である。
また、本実施例では、上記取付部86がピストン本体48の側面48fに密着する状態で固定される一方、180°回曲してその取付部86に密着するように折り曲げられた回曲支持部88を介して弾性変形部90が設けられるとともに、その弾性変形部90の先端側に弁体部92が設けられており、弾性変形部90が取付部86の板厚分だけエア抜き孔82の開口82aから離間させられることにより、弁体部92と開口82aとの間に所定の隙間が設けられるようになっているため、エア抜きおよび作動油の流出防止に大きく関与する隙間寸法が常に高い精度で一定の大きさとなるように、側面48fの所定の位置に開閉弁84を容易に取り付けることができる。
また、本実施例では、プレス加工により部分球面状に膨出させられた弁体部92が用いられ、油圧により弾性変形部90が図3のように弾性変形させられた時に、弁体部92の膨出側の球面92fが開口82aの周縁部に良好に密着させられるため、エア抜き孔82からの作動油の漏出が一層好適に防止される。
また、本実施例では、エア抜き装置80が設けられたピストン本体48を挟んで第1油圧室52と反対側にキャンセラ室60が設けられており、その第1油圧室52とキャンセラ室60とを連通するようにエア抜き孔82が設けられているため、キャンセラ室60内の油圧に起因して第1ピストン18の移動が阻害されるオーバーキャンセル現象が防止される。
なお、第2ピストン20に配設された他方のエア抜き装置100についても、上記エア抜き装置80と同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が適用された車両用自動変速機のクラッチ装置の要部を示す断面図である。 図1のクラッチ装置のピストンに設けられたエア抜き装置を拡大して示す図で、(a) は図1に相当する断面図、(b) は(a) の右方向から見た正面図である。 図2のエア抜き装置において開閉弁が油圧により弾性変形させられてエア抜き孔を閉塞した状態を示す図である。
符号の説明
10:クラッチ装置(油圧回路) 52:第1油圧室(油圧室) 70:第2油圧室(油圧室) 80、100:エア抜き装置 82、102:エア抜き孔 82a:開口 84、104:開閉弁 86:取付部 88:回曲支持部 90:弾性変形部 92:弁体部

Claims (3)

  1. 油圧回路のエア抜き装置であって、
    作動油が供給される油圧室に開口するように設けられたエア抜き孔と、
    前記油圧室内において、前記エア抜き孔の開口との間に所定の隙間を有する状態で配設され、該油圧室内に作動油が供給された時に該油圧室内のエアが該隙間から前記エア抜き孔へ流出するエア抜きを許容する一方、該エア抜き孔の開口部分まで作動油が達すると、該作動油の油圧により該開口に押圧されて該エア抜き孔を閉塞する開閉弁と、
    を有することを特徴とする油圧回路のエア抜き装置。
  2. 前記開閉弁は、1枚の金属板材にプレス加工を施して所定形状に成形したもので、
    前記エア抜き孔の開口に対して前記隙間を隔てて対向するように配置される弁体部と、
    該弁体部に連続して一体に設けられ、自身の弾性変形で前記油圧によって該弁体部が前記開口に押圧されることを許容しつつ、該油圧が低下した場合には自身の弾性復元力で該弁体部を該開口から離間させる弾性変形部と、
    該弾性変形部に連続して一体に設けられ、前記油圧室内において前記開口の近傍に一体的に固定される取付部と、を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の油圧回路のエア抜き装置。
  3. 前記取付部は、前記油圧室の内壁面であって前記開口の近傍に一方の面が密着する状態で固定される一方、
    該取付部の前記開口と反対側の端部には、プレスによる曲げ加工で180°回曲して該取付部の他方の面に密着するように折り曲げられるとともに、該取付部から該開口側へ向かって延び出す回曲支持部が連続して設けられており、
    該回曲支持部が前記取付部から前記開口側へ向かって延び出した部分が前記弾性変形部として機能するとともに、該弾性変形部の先端側に前記弁体部が設けられており、該弾性変形部が該取付部の板厚分だけ前記開口から離間させられることにより、該弁体部と該開口との間に前記隙間が設けられて前記エア抜きを許容する
    ことを特徴とする請求項2に記載の油圧回路のエア抜き装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112741712A (zh) * 2019-10-31 2021-05-04 杭州启明医疗器械股份有限公司 通过液压方式驱动的介入器械输送系统

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