JP6276881B2 - ユーザ端末及びプロセッサ - Google Patents

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Description

本発明は、D2D通信をサポートするユーザ端末及びプロセッサに関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リリース12以降の新機能として、端末間(Device to Device:D2D)通信の導入が検討されている(非特許文献1参照)。
D2D通信では、近接する複数のユーザ端末が、コアネットワークを介さずに直接的な端末間通信を行う。一方、移動通信システムの通常の通信(セルラ通信)のデータパスはコアネットワークを経由する。
D2D通信には、セルラ通信の上りリンク無線リソース又は下りリンク無線リソースを利用することが想定されている。上りリンク無線リソースは、時間軸上で分割された複数の上りリンクサブフレームを含む。下りリンク無線リソースは、時間軸上で分割された複数の下りリンクサブフレームを含む。
3GPP技術報告書 「TR 22.803 V12.1.0」 2013年3月
セルラ通信においては、ユーザ端末と基地局との間の伝搬遅延及びそれを補償する制御などに起因して、ユーザ端末が取り扱う上りリンクサブフレーム及び下りリンクサブフレームは、時間軸上で一致しないことが一般的である。
よって、上りリンク無線リソースをD2D通信に利用するケースにおいては、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、セルラ通信のデータ受信を行うべき下りリンクサブフレームとD2D通信のデータ受信を行うべき上りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複(すなわち、セルラ・D2D同時受信)する状況が生じ得る。
ここで、ユーザ端末は、必ずしもセルラ・D2D同時受信を行う能力を有しているとは限らない。或いは、セルラ・D2D同時受信の能力を有する場合であっても、セルラ・D2D同時受信を行うと、干渉による通信品質の劣化が生じる。
従って、このような不具合を解消するために、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、セルラ通信のデータ受信を行うべき下りリンクサブフレームとD2D通信のデータ受信を行うべき上りリンクサブフレームとが時間軸上で重複する場合には、該重複する2つのサブフレームの両方を使用しない方法が考えられる。
しかしながら、このような方法では、2サブフレーム分の無線リソースが無駄になるため、無線リソースを有効活用できないという問題がある。
一方、下りリンク無線リソースをD2D通信に利用するケースにおいて、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、セルラ通信のデータ送信を行うべき上りリンクサブフレームとD2D通信のデータ送信を行うべき下りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複(すなわち、セルラ・D2D同時送信)する状況が生じ得る。
従って、下りリンク無線リソースをD2D通信に利用するケースにおいても、上りリンク無線リソースをD2D通信に利用するケースと同様の問題が生じる。
そこで、本発明は、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、無線リソースの有効活用を図りつつ、セルラ・D2D同時受信又はセルラ・D2D同時送信を回避可能な移動通信システム及びユーザ端末を提供することを目的とする。
一の実施形態に係るユーザ端末は、上り通信及び下り通信のために規定されたフレーム構成を利用して、直接的な端末間通信であるD2D通信を実行する制御を行う制御部と、前記上り通信による送信時間と前記D2D通信による送信時間との少なくとも一部が重複する場合、前記D2D通信による送信ではなく前記上り通信による送信を実行する送信部と、を備える。
一の実施形態に係るユーザ端末を制御するためのプロセッサは、上り通信及び下り通信のために規定されたフレーム構成を利用して、直接的な端末間通信であるD2D通信を実行する制御を行う処理と、前記上り通信による送信時間と前記D2D通信による送信時間との少なくとも一部が重複する場合、前記D2D通信による送信ではなく前記上り通信による送信を実行する処理と、を実行する。
本発明によれば、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、無線リソースの有効活用を図りつつ、セルラ・D2D同時受信又はセルラ・D2D同時送信を回避可能な移動通信システム及びユーザ端末を提供できる。
第1実施形態乃至第3実施形態に係るLTEシステムの構成図である。 第1実施形態乃至第3実施形態に係るUEのブロック図である。 第1実施形態乃至第3実施形態に係るeNBのブロック図である。 第1実施形態乃至第3実施形態に係る無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。 第1実施形態乃至第3実施形態に係る無線フレームの構成図である。 第1実施形態乃至第3実施形態に係るD2D通信を説明するための図である。 第1実施形態において、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作を説明するための図である。 第1実施形態において、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作を説明するための図である。 第1実施形態において、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作の詳細を説明するための図である。 第1実施形態において、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作を示すシーケンス図である。 図10に示すシーケンスにおけるeNBの動作を示すフロー図である。 第1実施形態において、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてD2D通信からセルラ通信への切り替え動作を説明するための図である。 第1実施形態において、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてD2D通信からセルラ通信への切り替え動作の詳細を説明するための図である。 第1実施形態において、DL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作を説明するための図である。 第1実施形態において、DL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作の詳細を説明するための図である。 第1実施形態において、DL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてD2D通信からセルラ通信への切り替え動作を説明するための図である。 第1実施形態において、DL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてD2D通信からセルラ通信への切り替え動作の詳細を説明するための図である。 第2実施形態に係る動作を説明するための図である。 第2実施形態及び第3実施形態に係る切り替え用ガードタイムの設定フォーマットを示すフォーマット識別情報を説明するための図である。 第2実施形態において、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作を示すシーケンス図である。 図20に示すシーケンスにおけるeNB200の動作を示すフロー図である。 第3実施形態に係る動作を説明するための図である。 第3実施形態において、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作を示すシーケンス図である。
[実施形態の概要]
第1実施形態乃至第3実施形態に係る移動通信システムは、セルラ通信の上りリンク無線リソースが、時間軸上で分割された複数の上りリンクサブフレームを含み、前記セルラ通信の下りリンク無線リソースが、時間軸上で分割された複数の下りリンクサブフレームを含む。前記移動通信システムは、直接的な端末間通信であるD2D通信を前記上りリンク無線リソースを利用して行うユーザ端末を備える。前記ユーザ端末が前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ受信を行うべき下りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ受信を行うべき上りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、前記ユーザ端末は、該重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームにおいてデータ受信を行う。
第1実施形態では、前記移動通信システムは、前記ユーザ端末に対して無線リソースを割り当てる基地局をさらに備える。前記ユーザ端末が前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ受信を行うべき下りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ受信を行うべき上りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、前記基地局は、前記一方のサブフレームに対応する無線リソースを前記ユーザ端末に割り当てるとともに、前記重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームに対応する無線リソースを前記ユーザ端末以外のユーザ端末に割り当てる。
第2実施形態では、前記重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームは、前記一方のサブフレームと時間軸上で重複しない非重複区間を含む。前記ユーザ端末は、さらに、前記他方のサブフレームに含まれる前記非重複区間においてデータ受信を行う。
第2実施形態では、前記移動通信システムは、前記ユーザ端末に対して無線リソースを割り当てる基地局をさらに備える。前記ユーザ端末が前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ受信を行うべき下りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ受信を行うべき上りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、前記基地局は、前記一方のサブフレームに対応する無線リソースを前記ユーザ端末に割り当てるとともに、前記他方のサブフレームに含まれる前記非重複区間に対応する無線リソースを前記ユーザ端末に割り当てる。
第3実施形態では、前記重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームは、前記一方のサブフレームと時間軸上で重複しない非重複区間を含む。前記ユーザ端末は、前記他方のサブフレームに含まれる前記非重複区間において、前記D2D通信の発見処理を行う。
第3実施形態では、前記移動通信システムは、前記ユーザ端末に対して無線リソースを割り当てる基地局をさらに備える。前記ユーザ端末が前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ受信を行うべき下りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ受信を行うべき上りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、前記基地局は、前記一方のサブフレームに対応する無線リソースを前記ユーザ端末に割り当てるとともに、前記他方のサブフレームに含まれる前記非重複区間に対応する無線リソースを、前記発見処理用に前記ユーザ端末に割り当てる。
第1実施形態乃至第3実施形態に係る移動通信システムは、セルラ通信の上りリンク無線リソースが、時間軸上で分割された複数の上りリンクサブフレームを含み、前記セルラ通信の下りリンク無線リソースが、時間軸上で分割された複数の下りリンクサブフレームを含む。前記移動通信システムは、直接的な端末間通信であるD2D通信を前記下りリンク無線リソースを利用して行うユーザ端末を備える。前記ユーザ端末が前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ送信を行うべき上りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ送信を行うべき下りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、前記ユーザ端末は、該重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームにおいてデータ送信を行う。
第1実施形態では、前記移動通信システムは、前記ユーザ端末に対して無線リソースを割り当てる基地局をさらに備える。前記ユーザ端末が前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ送信を行うべき上りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ送信を行うべき下りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、前記基地局は、前記一方のサブフレームに対応する無線リソースを前記ユーザ端末に割り当てるとともに、前記重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームに対応する無線リソースを前記ユーザ端末以外のユーザ端末に割り当てる。
第2実施形態では、前記重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームは、前記一方のサブフレームと時間軸上で重複しない非重複区間を含む。前記ユーザ端末は、さらに、前記他方のサブフレームに含まれる前記非重複区間においてデータ送信を行う。
第2実施形態では、前記移動通信システムは、前記ユーザ端末に対して無線リソースを割り当てる基地局をさらに備える。前記ユーザ端末が前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ送信を行うべき上りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ送信を行うべき下りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、前記基地局は、前記一方のサブフレームに対応する無線リソースを前記ユーザ端末に割り当てるとともに、前記他方のサブフレームに含まれる前記非重複区間に対応する無線リソースを前記ユーザ端末に割り当てる。
第3実施形態では、前記重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームは、前記一方のサブフレームと時間軸上で重複しない非重複区間を含む。前記ユーザ端末は、前記他方のサブフレームに含まれる前記非重複区間において、前記D2D通信の発見処理を行う。
第3実施形態では、前記移動通信システムは、前記ユーザ端末に対して無線リソースを割り当てる基地局をさらに備える。前記ユーザ端末が前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ送信を行うべき上りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ送信を行うべき下りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、前記基地局は、前記一方のサブフレームに対応する無線リソースを前記ユーザ端末に割り当てるとともに、前記他方のサブフレームに含まれる前記非重複区間に対応する無線リソースを、前記発見処理用に前記ユーザ端末に割り当てる。
第1実施形態乃至第3実施形態に係るユーザ端末は、セルラ通信の上りリンク無線リソースが、時間軸上で分割された複数の上りリンクサブフレームを含み、前記セルラ通信の下りリンク無線リソースが、時間軸上で分割された複数の下りリンクサブフレームを含む移動通信システムにおいて、直接的な端末間通信であるD2D通信を前記上りリンク無線リソースを利用して行う。前記ユーザ端末は、前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ受信を行うべき下りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ受信を行うべき上りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、該重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームにおいてデータ受信を行う制御部を備える。
第1実施形態乃至第3実施形態に係るユーザ端末は、セルラ通信の上りリンク無線リソースが、時間軸上で分割された複数の上りリンクサブフレームを含み、前記セルラ通信の下りリンク無線リソースが、時間軸上で分割された複数の下りリンクサブフレームを含む移動通信システムにおいて、直接的な端末間通信であるD2D通信を前記下りリンク無線リソースを利用して行う。前記ユーザ端末は、前記セルラ通信と前記D2D通信との間で通信モードを切り替える際に、前記セルラ通信のデータ送信を行うべき上りリンクサブフレームと前記D2D通信のデータ送信を行うべき下りリンクサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、該重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームにおいてデータ送信を行う制御部を備える。
[第1実施形態]
以下において、本発明をLTEシステムに適用する場合の実施形態を説明する。
(システム構成)
図1は、第1実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、第1実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、EUTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、接続先のセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20によりLTEシステムのネットワークが構成される。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。SGWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、複数のアンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
複数のアンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換して複数のアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、複数のアンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、複数のアンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。
複数のアンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換して複数のアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、複数のアンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Media Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100は接続状態(RRC接続状態)であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態(RRCアイドル状態)である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンク(DL)にはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンク(UL)にはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。
各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルによりリソースエレメントが構成される。
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより構成され、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により構成される。
DLにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。また、各サブフレームの残りの部分は、主にユーザデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。
ULにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主にユーザデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
(第1実施形態に係る動作)
第1実施形態に係るLTEシステムは、直接的な端末間通信(UE間通信)であるD2D通信をサポートする。ここでは、D2D通信を、LTEシステムの通常の通信であるセルラ通信と比較して説明する。セルラ通信は、データパスがネットワーク(E−UTRAN10、EPC20)を経由する通信モードである。データパスとは、ユーザデータの通信経路である。これに対し、D2D通信は、UE間に設定されるデータパスがネットワークを経由しない通信モードである。
図6は、D2D通信を説明するための図である。
図6に示すように、D2D通信は、データパスがeNB200を経由しない。相互に近接するUE100−1及びUE100−2は、eNB200のセルにおいて、低送信電力で直接的に無線通信を行う。UE100−1は、ユーザデータの送信(以下、単に「データ送信」という)を行う送信側UEである。UE100−2は、ユーザデータの受信(以下、単に「データ受信」という)を行う受信側UEである。
このように、近接するUE100−1及びUE100−2が低送信電力で直接的に無線通信を行うことにより、セルラ通信と比べて、UE100の消費電力を削減し、かつ、隣接セルへの干渉を低減できる。D2D通信には、セルラ通信のUL無線リソース(UL帯域)又はDL無線リソース(DL帯域)を利用することが想定されている。UL無線リソースは、時間軸上で分割された複数のULサブフレームを含む。DL無線リソースは、時間軸上で分割された複数のDLサブフレームを含む。
以下において、第1実施形態に係る動作について、(1)UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケース、(2)DL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースの順に説明する。
(1)UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケース
セルラ通信においては、UE100とeNB200との間の伝搬遅延及びそれを補償する制御などに起因して、UE100が取り扱うULサブフレーム及びDLサブフレームは、時間軸上で一致しないことが一般的である。よって、UL無線リソースをD2D通信に利用するケースにおいては、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームとD2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複(すなわち、セルラ・D2D同時受信)する状況が生じ得る。UE100は必ずしもセルラ・D2D同時受信を行う能力を有しているとは限らない。或いは、セルラ・D2D同時受信の能力を有する場合であっても、セルラ・D2D同時受信を行うと、干渉による通信品質の劣化が生じる。
そこで、第1実施形態では、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うUE100−2(受信側UE)は、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームとD2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、該重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームにおいてデータ受信を行う。
また、UE100−2に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、UE100−2がセルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームとD2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2に割り当てるとともに、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2以外のUE100(UE100−X)に割り当てる。
従って、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースにおいて、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、無線リソースの有効活用を図りつつ、セルラ・D2D同時受信を回避できる。
以下において、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについて、(1.1)セルラ通信からD2D通信への切り替え動作、(1.2)D2D通信からセルラ通信への切り替え動作の順に説明する。
(1.1)セルラ通信からD2D通信への切り替え動作
図7及び図8は、セルラ通信からD2D通信への切り替え動作を説明するための図である。
図7に示すように、初期状態において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、eNB200のセルにおいてセルラ通信(UL通信及びDL通信)を行っている。ここでは、UE100−1及びUE100−2がeNB200の遠方に位置するような動作環境を想定する。
DL通信においては、eNB200がユーザデータを送信してから、伝搬遅延分の遅延時間の経過後に、UE100−1及びUE100−2が該ユーザデータを受信する。よって、UE100−1及びUE100−2におけるDLサブフレームは、eNB200におけるDLサブフレームに対して時間軸上で後に位置する。
これに対し、UL通信においては、伝搬遅延を補償する制御が適用される。具体的には、eNB200は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれに対して、送信タイミングを調整するためのタイミングアドバンス値を送信する。タイミングアドバンス値は、eNB200における受信タイミングが目標タイミングになるように、UE100の現送信タイミングに対する調整量を示す値が設定される。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、eNB200から受信したタイミングアドバンス値に基づいて送信タイミングを調整する。よって、UE100−1及びUE100−2におけるULサブフレームは、eNB200におけるULサブフレームに対して時間軸上で前に位置する。
その結果、UE100−1及びUE100−2のそれぞれが取り扱うULサブフレームは、DLサブフレームに対して時間軸上で前に位置する。
このような状況において、UE100−1及びUE100−2がセルラ通信からD2D通信への切り替えを行う場合、UE100−2(受信側UE)において、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF11とD2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF12とが時間軸上で重複し、セルラ・D2D同時受信を行う状況が生じる。
図7では、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF11の後側部分が、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF12の前側部分と重複している。
よって、図8に示すように、UE100−2に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2に割り当てるとともに、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2以外のUE100(UE100−X)に割り当てる。
例えば、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF12に対応する無線リソースをUE100−2に割り当てる。これに対し、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF11に対応する無線リソースをUE100−2に割り当てずに、該無線リソースを他のUE100−Xに割り当てる。他のUE100−Xは、eNB200とのセルラ通信を行うUE100である。
或いは、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF11に対応する無線リソースをUE100−2に割り当ててもよい。この場合、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF12に対応する無線リソースをUE100−2に割り当てずに、該無線リソースを他のUE100−Xに割り当ててもよい。
図9は、セルラ通信からD2D通信への切り替え動作の詳細を説明するための図である。
図9に示すように、UE100−2において、ULサブフレームはDLサブフレームに対して時間軸上で前に位置する。ここで、ULサブフレーム「UL3」及びDLサブフレーム「DL3」までセルラ通信を行って、D2D通信に切り替える場合を想定する。この場合、ULサブフレーム「UL4」においてUE100−2がD2D通信のデータ受信を行うと、DLサブフレーム「DL3」におけるセルラ通信(DL通信)のデータ受信と競合する。
よって、eNB200は、ULサブフレーム「UL4」に対応する無線リソースをUE100−2に割り当てない。言い換えると、eNB200及びUE100−2は、ULサブフレーム「UL4」を切り替え用ガードタイムとして設定する。
そして、eNB200は、ULサブフレーム「UL5」以降の各ULサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2に割り当てる。UE100−2は、ULサブフレーム「UL5」以降の各ULサブフレームにおいてD2D通信のデータ受信を行う。
図10は、セルラ通信からD2D通信への切り替え動作を示すシーケンス図である。図10では、UE100−1及びUE100−2が相互に近接しており、UE100−1とUE100−2との間でネットワークを経由してセルラ通信を行っている状況を想定する。
図10に示すように、ステップS101において、UE100−1、UE100−2、及びUE100−Xのそれぞれは、eNB200とのセルラ通信を行っている。eNB200は、セルラ通信のための無線リソースをUE100−1、UE100−2、及びUE100−Xのそれぞれに割り当てている。
ステップS102において、eNB200は、UE100−1及びUE100−2について、セルラ通信からD2D通信への切り替えを決定する。例えば、eNB200は、UE100−1及びUE100−2のうち一方が他方を発見したことに応じて、セルラ通信からD2D通信への切り替えを決定する。或いは、eNB200は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれの位置情報に基づいて、UE100−1及びUE100−2の近接を検知したことに応じて、セルラ通信からD2D通信への切り替えを決定してもよい。或いは、eNB200は、UE100−1又はUE100−2からフィードバックされるCSI(Channel State Information)に基づいて、セルラ通信からD2D通信への切り替えを決定してもよい。
ステップS103において、eNB200は、セルラ通信からD2D通信への切り替えタイミングをサブフレーム単位でUE100−1及びUE100−2に通知する。図9の例では、「UL3」及び「DL3」まではセルラ通信を行い、「UL3」及び「DL3」よりも後はD2D通信に切り替える旨をUE100−1及びUE100−2に通知する。
なお、ステップS103は、後述するステップS106と同時に行われてもよい。或いは、eNB200がD2D通信用の無線リソース割り当てを行う場合に、その割り当てと同時にステップS103が行われてもよい。
ステップS104において、eNB200は、D2D通信において受信側UEとなるUE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしているか否かを確認する。例えば、eNB200は、UE100−2から予め受信している能力通知情報(UE Capability)に基づいて、UE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしているか否かを確認する。この場合、能力通知情報(UE Capability)は、セルラ・D2D同時受信をサポートしているか否かを示す情報を含む。
UE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしていない場合、ステップS105において、eNB200は、UE100−2に設定されているタイミングアドバンス値に基づいて、切り替え用ガードタイムをサブフレーム単位で計算する。例えば、eNB200は、タイミングアドバンス値の累積値を取得し、該累積値に基づいて、UE100−2においてULサブフレーム及びDLサブフレームがどの程度重複しているかを判断する。但し、第1実施形態では、切り替え用ガードタイムはサブフレーム単位であるため、必ずしもそのような厳密な判断を行うことを要しない。
ステップS106において、eNB200は、切り替え用ガードタイムをサブフレーム単位でUE100−1及びUE100−2に通知する。図9の例では、eNB200は、「UL4」を切り替え用ガードタイムとしてUE100−1及びUE100−2に通知する。
ステップS107において、eNB200は、UE100−1、UE100−2、及びUE100−Xに対する無線リソースの割り当てを決定する。図9の例では、eNB200は、切り替え用ガードタイムとして設定する「UL4」に対応する無線リソースをUE100−1及びUE100−2に割り当てずに、該無線リソースをUE100−Xに割り当てることを決定する。
ステップS108において、eNB200は、切り替え用ガードタイムに対応する無線リソースを示す割り当て情報をUE100−Xに送信する。UE100−Xは、該無線リソースをセルラ通信に利用する。図9の例では、UE100−Xは、「UL4」に対応する無線リソースをセルラ通信(UL通信)に利用する。
ステップS109において、UE100−1及びUE100−2は、切り替え用ガードタイムの経過後にD2D通信を開始する。図9の例では、UE100−1が「UL5」においてデータ送信を行い、UE100−2が「UL5」においてデータ受信を行う。
図11は、図10に示すシーケンスにおけるeNB200の動作を示すフロー図である。本フローは、図10のステップS104及びS105と対応する。なお、本フローにおける判断の一部を省略してもよい。
図11に示すように、ステップS151において、eNB200は、D2D通信において受信側UEとなるUE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしているか否かを確認する。
UE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートする場合(ステップS151:No)、ステップS152において、eNB200は、切り替え用ガードタイムなしと判断する。
これに対し、UE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしない場合(ステップS151:Yes)、ステップS153において、eNB200は、UE100−2に設定されているタイミングアドバンス値(累積値)がゼロ以上であるか否かを確認する。
UE100−2に設定されているタイミングアドバンス値(累積値)がゼロ未満である場合(ステップS153:No)、ステップS154において、eNB200は、切り替え用ガードタイムをゼロ(すなわち、切り替え用ガードタイムなし)と判断する。
これに対し、UE100−2に設定されているタイミングアドバンス値(累積値)がゼロ以上である場合(ステップS153:Yes)、ステップS155において、eNB200は、切り替え用ガードタイムを1サブフレーム(すなわち、1ms)と判断する。
(1.2)D2D通信からセルラ通信への切り替え動作
次に、D2D通信からセルラ通信への切り替え動作を説明する。但し、上述した動作と重複する動作については説明を省略する。
図12は、D2D通信からセルラ通信への切り替え動作を説明するための図である。
図12に示すように、初期状態において、UE100−1及びUE100−2は、eNB200のセルにおいてD2D通信を行っている。ここでは、UE100−1及びUE100−2がeNB200の近傍に位置するような動作環境を想定する。
このような動作環境では、UE100−1及びUE100−2がeNB200の遠方に位置する動作環境とは逆に、タイミングアドバンス値によりULサブフレームタイミングを遅らせるように調整される。すなわち、タイミングアドバンス値の累積値はゼロ未満(負の値)となる。その結果、UE100−1及びUE100−2のそれぞれが取り扱うULサブフレームは、DLサブフレームに対して時間軸上で後に位置する。
このような状況において、UE100−1及びUE100−2がD2D通信からセルラ通信への切り替えを行う場合、UE100−2(受信側UE)において、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF21とD2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF22とが時間軸上で重複し、セルラ・D2D同時受信を行う状況が生じる。
図12では、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF22の後側部分が、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF21の前側部分と重複している。
よって、UE100−2に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2に割り当てるとともに、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2以外のUE100(UE100−X)に割り当てる。
図13は、D2D通信からセルラ通信への切り替え動作の詳細を説明するための図である。
図13に示すように、UE100−2において、DLサブフレームはULサブフレームに対して時間軸上で前に位置する。ここで、ULサブフレーム「UL3」までD2D通信を行って、セルラ通信に切り替える場合を想定する。この場合、「UL3」においてUE100−2がD2D通信のデータ受信を行うと、DLサブフレーム「DL4」におけるセルラ通信(DL通信)のデータ受信と競合する。
よって、eNB200は、DLサブフレーム「DL4」に対応する無線リソースをUE100−2に割り当てない。言い換えると、eNB200及びUE100−2は、DLサブフレーム「DL4」を切り替え用ガードタイムとして設定する。
そして、eNB200は、DLサブフレーム「DL5」以降の各DLサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2に割り当てる。UE100−2は、「DL5」以降の各DLサブフレームにおいてDL通信を行う。
(2)DL無線リソースを利用してD2D通信を行うケース
DL無線リソースをD2D通信に利用するケースにおいては、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、セルラ通信のデータ送信を行うべきULサブフレームとD2D通信のデータ送信を行うべきDLサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複(すなわち、セルラ・D2D同時送信)する状況が生じる。ここで、UE100は、必ずしもセルラ・D2D同時送信を行う能力を有しているとは限らない。或いは、セルラ・D2D同時送信の能力を有する場合であっても、セルラ・D2D同時送信を行うと、干渉による通信品質の劣化が生じる。
そこで、第1実施形態では、DL無線リソースを利用してD2D通信を行うUE100−1(送信側UE)は、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、セルラ通信のデータ送信を行うべきULサブフレームとD2D通信のデータ送信を行うべきDLサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、該重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームにおいてデータ送信を行う。
また、UE100−1に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、UE100−1がセルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、セルラ通信のデータ送信を行うべきULサブフレームとD2D通信のデータ送信を行うべきDLサブフレームとが時間軸上で少なくとも一部重複する場合には、一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1に割り当てるとともに、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1以外のUE100(UE100−X)に割り当てる。
従って、DL無線リソースをD2D通信に利用するケースにおいて、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、無線リソースの有効活用を図りつつ、セルラ・D2D同時送信を回避できる。
以下において、DL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについて、(2.1)セルラ通信からD2D通信への切り替え動作、(2.2)D2D通信からセルラ通信への切り替え動作の順に説明する。但し、上述した動作と重複する動作については説明を省略する。
(2.1)セルラ通信からD2D通信への切り替え動作
図14は、セルラ通信からD2D通信への切り替え動作を説明するための図である。
図14に示すように、初期状態において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、eNB200のセルにおいてセルラ通信(UL通信及びDL通信)を行っている。
ここでは、UE100−1及びUE100−2がeNB200の近傍に位置するような動作環境を想定する。このような動作環境では、UE100−1及びUE100−2のそれぞれが取り扱うULサブフレームは、DLサブフレームに対して時間軸上で後に位置する。
このような状況において、UE100−1及びUE100−2がセルラ通信からD2D通信への切り替えを行う場合、UE100−1(送信側UE)において、セルラ通信のデータ送信を行うべきULサブフレームF32とD2D通信のデータ送信を行うべきDLサブフレームF31とが時間軸上で重複し、セルラ・D2D同時送信を行う状況が生じる。
図14では、セルラ通信のデータ送信を行うべきULサブフレームF32の後側部分が、D2D通信のデータ送信を行うべきDLサブフレームF31の前側部分と重複している。
よって、UE100−1に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1に割り当てるとともに、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1以外のUE100(UE100−X)に割り当てる。
例えば、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、D2D通信のデータ送信を行うべきDLサブフレームF31に対応する無線リソースをUE100−1に割り当てる。これに対し、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、セルラ通信のデータ送信を行うべきULサブフレームF32に対応する無線リソースをUE100−1に割り当てずに、該無線リソースを他のUE100−Xに割り当てる。
或いは、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、セルラ通信のデータ送信を行うべきULサブフレームF32に対応する無線リソースをUE100−1に割り当ててもよい。この場合、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、D2D通信のデータ送信を行うべきDLサブフレームF31に対応する無線リソースをUE100−1に割り当てずに、該無線リソースを他のUE100−Xに割り当ててもよい。
図15は、セルラ通信からD2D通信への切り替え動作の詳細を説明するための図である。
図15に示すように、UE100−1において、DLサブフレームはULサブフレームに対して時間軸上で前に位置する。ここで、ULサブフレーム「UL3」までセルラ通信を行って、D2D通信に切り替える場合を想定する。この場合、ULサブフレーム「UL3」の次のULサブフレームである「UL4」においてUE100−1がセルラ通信のデータ送信を行うと、DLサブフレーム「DL5」におけるD2D通信のデータ送信と競合する。
よって、eNB200は、ULサブフレーム「UL4」に対応する無線リソースをUE100−1に割り当てない。言い換えると、eNB200及びUE100−1は、ULサブフレーム「UL4」を切り替え用ガードタイムとして設定する。
そして、eNB200は、DLサブフレーム「DL5」以降の各DLサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1に割り当てる。UE100−1は、DLサブフレーム「DL5」以降の各DLサブフレームにおいてD2D通信のデータ送信を行う。
(2.2)D2D通信からセルラ通信への切り替え動作
次に、D2D通信からセルラ通信への切り替え動作を説明する。但し、上述した動作と重複する動作については説明を省略する。
図16は、D2D通信からセルラ通信への切り替え動作を説明するための図である。
図16に示すように、初期状態において、UE100−1及びUE100−2は、eNB200のセルにおいてD2D通信を行っている。ここでは、UE100−1及びUE100−2がeNB200の遠方に位置するような動作環境を想定する。このような動作環境では、タイミングアドバンス値により、ULサブフレームタイミングを進めるように調整される。すなわち、タイミングアドバンス値の累積値は正の値となる。その結果、UE100−1及びUE100−2のそれぞれが取り扱うDLサブフレームは、ULサブフレームに対して時間軸上で後に位置する。
このような状況において、UE100−1及びUE100−2がD2D通信からセルラ通信への切り替えを行う場合、UE100−1(送信側UE)において、セルラ通信のデータ送信を行うべきULサブフレームF42とD2D通信のデータ送信を行うべきDLサブフレームF41とが時間軸上で重複し、セルラ・D2D同時送信を行う状況が生じる。
図16では、D2D通信のデータ送信を行うべきDLサブフレームF41の後側部分が、セルラ通信のデータ送信を行うべきULサブフレームF42の前側部分と重複している。
よって、UE100−1に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1に割り当てるとともに、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1以外のUE100(UE100−X)に割り当てる。
図17は、D2D通信からセルラ通信への切り替え動作の詳細を説明するための図である。
図17に示すように、UE100−1において、ULサブフレームはDLサブフレームに対して時間軸上で前に位置する。ここで、DLサブフレーム「DL3」までD2D通信を行って、セルラ通信に切り替える場合を想定する。この場合、「DL3」においてUE100−1がD2D通信のデータ送信を行うと、ULサブフレーム「UL4」におけるセルラ通信(UL通信)のデータ送信と競合する。
よって、eNB200は、ULサブフレーム「UL4」に対応する無線リソースをUE100−1に割り当てない。言い換えると、eNB200及びUE100−1は、ULサブフレーム「UL4」を切り替え用ガードタイムとして設定する。
そして、eNB200は、ULサブフレーム「UL5」以降の各ULサブフレームに対応する無線リソース及びDLサブフレーム「DL5」以降の各DLサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1に割り当てる。UE100−1は、「UL5」以降の各ULサブフレームにおいてUL通信を行い、「DL5」以降の各DLサブフレームにおいてDL通信を行う。
[第2実施形態]
第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。
上述した第1実施形態では、切り替え用ガードタイムをサブフレーム単位で設定していたが、第2実施形態では、切り替え用ガードタイムをシンボル単位で設定する。
第2実施形態では、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについて、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームは、一方のサブフレームと時間軸上で重複しない非重複区間を含む。UE100−2(受信側UE)は、さらに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間においてデータ受信を行う。UE100−2に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2に割り当てるとともに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間に対応する無線リソースをUE100−2に割り当てる。これにより、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、無線リソースの利用効率をさらに高めつつ、セルラ・D2D同時受信を回避できる。
第2実施形態では、DL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについて、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームは、一方のサブフレームと時間軸上で重複しない非重複区間を含む。UE100−1(送信側UE)は、さらに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間においてデータ送信を行う。UE100−1に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1に割り当てるとともに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間に対応する無線リソースをUE100−1に割り当てる。これにより、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、無線リソースの利用効率をさらに高めつつ、セルラ・D2D同時送信を回避できる。
図18は、第2実施形態に係る動作を説明するための図である。ここでは、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースにおいて、セルラ通信からD2D通信への切り替え動作を説明する。但し、D2D通信からセルラ通信への切り替え動作、及びDL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースにも応用可能である。
図18に示すように、初期状態において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、eNB200のセルにおいてセルラ通信(UL通信及びDL通信)を行っている。
ここでは、UE100−1及びUE100−2がeNB200の遠方に位置するような動作環境を想定する。このような動作環境では、UE100−1及びUE100−2のそれぞれが取り扱うULサブフレームULサブフレームは、DLサブフレームに対して時間軸上で前に位置する。
このような状況において、UE100−1及びUE100−2がセルラ通信からD2D通信への切り替えを行う場合、UE100−2(受信側UE)において、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF51とD2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF52とが時間軸上で重複し、セルラ・D2D同時受信を行う状況が生じる。
図18では、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF51の後側部分が、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF52の前側部分と重複している。
よって、第2実施形態では、UE100−2に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2に割り当てるとともに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間に対応する無線リソースをUE100−2に割り当てる。
図18では、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF51に対応する無線リソースをUE100−2に割り当てる。また、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF52に含まれる非重複区間に対応する無線リソースをシンボル単位でUE100−2に割り当てる。
その結果、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF52において、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームと重複する重複区間は、切り替え用ガードタイム(データなし区間)として設定される。また、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF52において、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF51と重複しない非重複区間は、データ受信を行う区間として設定される。
なお、eNB200は、切り替え用ガードタイムをUE100−1及びUE100−2に通知するために、切り替え用ガードタイムを構成する各シンボルを示すシンボル識別情報をUE100−1及びUE100−2に送信してもよく、切り替え用ガードタイムの設定フォーマットを示すフォーマット識別情報をUE100−1及びUE100−2に送信してもよい。
図19は、切り替え用ガードタイムの設定フォーマットを示すフォーマット識別情報を説明するための図である。
図19に示すように、切り替え用ガードタイムの設定フォーマットが予め複数規定されている。フォーマット0は、切り替え用ガードタイムがないフォーマットである。図19の例では、フォーマット1は、サブフレームの先頭シンボルを切り替え用ガードタイムとするフォーマットである。フォーマット2は、サブフレームの先頭シンボル及び2番目のシンボルを切り替え用ガードタイムとするフォーマットである。フォーマット3は、サブフレームの先頭シンボルから3番目のシンボルまでを切り替え用ガードタイムとするフォーマットである。なお、図19は一例であり、切り替え用ガードタイムのシンボル数は任意に規定可能である。
図20は、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作を示すシーケンス図である。図20では、UE100−1及びUE100−2が相互に近接しており、UE100−1とUE100−2との間でネットワークを経由してセルラ通信を行っている状況を想定する。また、図20では、セルラ通信からD2D通信への切り替えをUE100−1で決定する一例を説明するが、該切り替えをeNB200で決定してもよい。
図20に示すように、ステップS201において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、eNB200とのセルラ通信を行っている。eNB200は、セルラ通信のための無線リソースをUE100−1及びUE100−2のそれぞれに割り当てている。
ステップS202において、UE100−1は、セルラ通信からD2D通信への切り替えを決定する。例えば、UE100−1は、UE100−2を発見したことに応じて、セルラ通信からD2D通信への切り替えを決定する。
ステップS203において、UE100−1は、セルラ通信からD2D通信への切り替えを要求するための切り替え要求をeNB200に送信する。
ステップS204において、切り替え要求を受信したeNB200は、セルラ通信からD2D通信への切り替えを許可するための切り替え許可をUE100−1に送信する。なお、ステップS204は、後述するステップS205又はS208と同時に行われてもよい。
ステップS205において、eNB200は、セルラ通信からD2D通信への切り替えタイミングをサブフレーム単位でUE100−1及びUE100−2に通知する。なお、ステップS205は、後述するステップS208と同時に行われてもよい。
ステップS206において、eNB200は、D2D通信において受信側UEとなるUE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしているか否かを確認する。
UE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしていない場合、ステップS207において、eNB200は、UE100−2に設定されているタイミングアドバンス値に基づいて、切り替え用ガードタイムをシンボル単位で計算する。例えば、eNB200は、タイミングアドバンス値の累積値を取得し、該累積値に基づいて、UE100−2においてULサブフレーム及びDLサブフレームがどの程度重複しているかを判断する。
ステップS208において、eNB200は、切り替え用ガードタイムをシンボル単位でUE100−1及びUE100−2に通知する。上述したように、切り替え用ガードタイムはフォーマットのインデックスにより通知可能である。
ステップS209において、eNB200は、切り替え用ガードタイムに応じてユーザデータの間引きを行い、データ割り当てシンボル数を削減する。
ステップS210において、eNB200は、間引きを行ったユーザデータをUE100−1に送信する。
ステップS211において、UE100−1及びUE100−2は、切り替え用ガードタイムの経過後にD2D通信を開始する。
図21は、図20に示すシーケンスにおけるeNB200の動作を示すフロー図である。本フローは、図20のステップS206及びS207と対応する。なお、本フローにおける判断の一部を省略してもよい。
図21に示すように、ステップS251において、eNB200は、D2D通信において受信側UEとなるUE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしているか否かを確認する。
UE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートする場合(ステップS251:No)、ステップS252において、eNB200は、切り替え用ガードタイムなしと判断する。
これに対し、UE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしない場合(ステップS251:Yes)、ステップS253において、eNB200は、UE100−2に設定されているタイミングアドバンス値(累積値)がゼロ以上であるか否かを確認する。
UE100−2に設定されているタイミングアドバンス値(累積値)がゼロ未満である場合(ステップS253:No)、ステップS254において、eNB200は、切り替え用ガードタイムゼロ(すなわち、切り替え用ガードタイムなし)と判断する。
これに対し、UE100−2に設定されているタイミングアドバンス値(累積値)がゼロ以上である場合(ステップS253:Yes)、ステップS255において、eNB200は、タイミングアドバンス値(累積値)をシンボル長で割った余りの値がゼロであるか否かを確認する。
ステップS255で「Yes」の場合、ステップS256において、eNB200は、タイミングアドバンス値(累積値)をシンボル長で割った値を切り替え用ガードタイムのシンボル数とする。これにより、重複区間に対応する時間長の切り替え用ガードタイムを設定できる。
これに対し、ステップS255で「No」の場合、ステップS257において、eNB200は、タイミングアドバンス値(累積値)をシンボル長で割った値に「1」を加えた結果を切り替え用ガードタイムのシンボル数とする。これにより、重複区間をカバーする時間長の切り替え用ガードタイムを設定できる。
[第3実施形態]
第3実施形態について、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主として説明する。
第3実施形態は、切り替え用ガードタイムをシンボル単位で設定する点については第2実施形態と同様である。但し、第3実施形態は、切り替え用ガードタイムが設けられるサブフレームにおいて切り替え用ガードタイム以外の区間をD2D通信の発見用信号(以下、「Discovery信号」という)の送信又は受信に使用する点で第2実施形態とは異なる。
第3実施形態では、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについて、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームは、一方のサブフレームと時間軸上で重複しない非重複区間を含む。UE100−2(受信側UE)は、さらに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間において、Discovery信号の送信を行う。UE100−2に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2に割り当てるとともに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間に対応する無線リソースをDiscovery信号の送信又は受信用にUE100−2に割り当てる。これにより、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、無線リソースの利用効率をさらに高めつつ、セルラ・D2D同時受信を回避できる。
第3実施形態では、DL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについて、重複する2つのサブフレームのうち他方のサブフレームは、一方のサブフレームと時間軸上で重複しない非重複区間を含む。UE100−1(送信側UE)は、さらに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間において、Discovery信号の送信又は受信を行う。UE100−1に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−1に割り当てるとともに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間に対応する無線リソースをDiscovery信号の送信又は受信用にUE100−1に割り当てる。これにより、セルラ通信とD2D通信との間で通信モードを切り替える際に、無線リソースの利用効率をさらに高めつつ、セルラ・D2D同時送信を回避できる。
図22は、第3実施形態に係る動作を説明するための図である。ここでは、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについて、セルラ通信からD2D通信への切り替え動作を説明する。但し、D2D通信からセルラ通信への切り替え動作、及びDL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースにも応用可能である。
図22に示すように、初期状態において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、eNB200のセルにおいてセルラ通信(UL通信及びDL通信)を行っている。
ここでは、UE100−1及びUE100−2がeNB200の遠方に位置するような動作環境を想定する。このような動作環境では、UE100−1及びUE100−2のそれぞれが取り扱うULサブフレームは、DLサブフレームに対して時間軸上で前に位置する。
このような状況において、UE100−1及びUE100−2がセルラ通信からD2D通信への切り替えを行う場合、UE100−2(受信側UE)において、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF61とD2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF62とが時間軸上で重複し、セルラ・D2D同時受信を行う状況が生じる。
図22では、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF61の後側部分が、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF62の前側部分と重複している。
よって、第3実施形態では、UE100−2に対して無線リソースを割り当てるeNB200は、重複する2つのサブフレームのうち一方のサブフレームに対応する無線リソースをUE100−2に割り当てるとともに、他方のサブフレームに含まれる非重複区間に対応する無線リソースをDiscovery信号の送信又は受信用にUE100−2に割り当てる。
図22では、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF61に対応する無線リソースをUE100−2に割り当てる。また、eNB200は、重複する2つのサブフレームのうち、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF62に含まれる非重複区間に対応する無線リソースをシンボル単位でUE100−2に割り当てる。
その結果、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF62において、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF61と重複する重複区間は、切り替え用ガードタイム(データなし区間)として設定される。また、D2D通信のデータ受信を行うべきULサブフレームF62において、セルラ通信のデータ受信を行うべきDLサブフレームF61と重複しない非重複区間は、Discovery信号を送信又は受信する区間として設定される。
なお、eNB200は、切り替え用ガードタイムをUE100−1及びUE100−2に通知するために、切り替え用ガードタイムを構成する各シンボルを示すシンボル識別情報をUE100−1及びUE100−2に送信してもよく、切り替え用ガードタイムの設定フォーマットを示すフォーマット識別情報をUE100−1及びUE100−2に送信してもよい。
図23は、UL無線リソースを利用してD2D通信を行うケースについてセルラ通信からD2D通信への切り替え動作を示すシーケンス図である。図23では、UE100−1及びUE100−2が相互に近接しており、UE100−1とUE100−2との間でネットワークを経由してセルラ通信を行っている状況を想定する。また、UE100−1及びUE100−2の周辺にUE100−3及びUE100−4が位置している状況を想定する。
図23に示すように、ステップS301において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、eNB200とのセルラ通信を行っている。eNB200は、セルラ通信のための無線リソースをUE100−1及びUE100−2のそれぞれに割り当てている。
ステップS302において、eNB200は、UE100−1及びUE100−2について、セルラ通信からD2D通信への切り替えを決定する。
ステップS303において、eNB200は、D2D通信において受信側UEとなるUE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしているか否かを確認する。
UE100−2がセルラ・D2D同時受信をサポートしていない場合、ステップS304において、eNB200は、UE100−2に設定されているタイミングアドバンス値に基づいて、切り替え用ガードタイムをシンボル単位で計算する。例えば、eNB200は、タイミングアドバンス値の累積値を取得し、該累積値に基づいてUE100−2においてULサブフレーム及びDLサブフレームがどの程度重複しているかを判断する。
ステップS305において、eNB200は、セルラ通信からD2D通信への切り替えタイミングをサブフレーム単位でUE100−1乃至UE100−4に通知する。
ステップS306において、eNB200は、切り替え用ガードタイム及びDiscovery信号送信タイミングをUE100−1、UE100−3、及びUE100−4に通知する。
ステップS307乃至S309において、UE100−1、UE100−3、及びUE100−4のそれぞれは、Discovery信号送信タイミングでDiscovery信号を送信する。
ステップS310において、UE100−1及びUE100−2は、切り替え用ガードタイム及びDiscovery信号送信タイミングの経過後にD2D通信を開始する。
ステップS311において、UE100−1乃至UE100−4のそれぞれは、Discovery信号の受信結果をeNB200に通知する。
[その他の実施形態]
上述した各実施形態では、eNB200は、セルラ・D2D同時受信又はセルラ・D2D同時送信をサポートしているか否かを確認していた。しかしながら、セルラ・D2D同時受信又はセルラ・D2D同時送信を行うと、干渉による通信品質の劣化が生じる可能性がある。よって、eNB200は、セルラ・D2D同時受信又はセルラ・D2D同時送信をサポートしているか否かを確認することなく、タイミングアドバンス値に基づいて切り替え用ガードタイムを設定してもよい。
上述した各実施形態では、切り替え用ガードタイムの算出及び通知などをeNB200で行っていたが、切り替え用ガードタイムの算出及び通知などをUE100−1又はUE100−2で行ってもよい。
上述した各実施形態では、セルラ通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
10…E−UTRAN、20…EPC、100…UE、101…アンテナ、110…無線送受信機、120…ユーザインターフェイス、130…GNSS受信機、140…バッテリ、150…メモリ、160…プロセッサ、200…eNB、201…アンテナ、210…無線送受信機、220…ネットワークインターフェイス、230…メモリ、240…プロセッサ、300…MME/S−GW

Claims (4)

  1. ユーザ端末であって、
    上り通信及び下り通信のために規定されたフレーム構成を利用して、直接的な端末間通信であるD2D通信を実行する制御を行う制御部と、
    前記上り通信による送信時間と前記D2D通信による送信時間との少なくとも一部が重複する場合、前記D2D通信による送信ではなく前記上り通信による送信を実行する送信部と、を備え
    前記送信部は、前記上り通信及び前記D2D通信による同時送信を前記ユーザ端末がサポートしているかを示す情報を基地局へ送信するユーザ端末。
  2. 前記送信部は、前記ユーザ端末の送信能力が制限されている場合に、前記D2D通信による送信ではなく前記上り通信による送信を実行する請求項1に記載のユーザ端末。
  3. 前記送信部は、前記情として、前記上り通信及び前記D2D通信によるユーザデータの同時送信を前記ユーザ端末がサポートしているかを示す情報を基地局へ送信する請求項1に記載のユーザ端末。
  4. ユーザ端末を制御するためのプロセッサであって、
    上り通信及び下り通信のために規定されたフレーム構成を利用して、直接的な端末間通信であるD2D通信を実行する制御を行う処理と、
    前記上り通信による送信時間と前記D2D通信による送信時間との少なくとも一部が重複する場合、前記D2D通信による送信ではなく前記上り通信による送信を実行する処理と、
    前記上り通信及び前記D2D通信による同時送信を前記ユーザ端末がサポートしているかを示す情報を基地局へ送信する処理と、を実行するプロセッサ。
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