JP6276602B2 - 有機光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールに用いられる有機光電変換素子に関する。
有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる方法として、例えば、バンドギャップが異なる2種類以上の化合物を用い、吸収波長範囲を拡大する方法が検討されている(特許文献1及び2)。
特開2011−119702号公報 特開2005−32793号公報
バンドギャップが異なる2種類以上の化合物を用いて、高い光電変換効率を実現し得る有機光電変換素子が求められている。
本発明の目的は、バンドギャップが異なる2種類の化合物を用いて、光電変換効率が高い有機光電変換素子を提供することにある。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[15]を提供するものである。
[1] 第1の電極及び第2の電極の間に、下記層(A)を有する有機光電変換素子。
<層(A)>
イオン化ポテンシャルの差が0.20eV以下である2つの化合物を含む層であって、前記2つの化合物のうち、バンドギャップがより小さい化合物を第1の化合物、バンドギャップがより大きい化合物を第2の化合物としたときに、第1の化合物の含有量が、第1の化合物と第2の化合物との合計100重量部に対して、85重量部以上98重量部以下である層。
[2] 第1の化合物が、式(1)で表される構成単位を有する化合物である[1]に記載の有機光電変換素子。
Figure 0006276602
(1)
〔式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子、−B(R)−、−C(=O)−、−Si(R)(R)−、−Ge(R)(R)−、−Sn(R)(R)−、−N(R10)−、−P(R11)−、−P(=O)(R12)−、−S(=O)−または−SO−を表す。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環または置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
[3] R及びRが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基である[2]に記載の有機光電変換素子。
[4] R及びRの炭素原子数が、それぞれ独立に、10〜15である[2]または[3]に記載の有機光電変換素子。
[5] 第2の化合物が、式(1)で表される構成単位、式(4−1)で表される構成単位、式(4−2)で表される構成単位、式(4−3)で表される構成単位及び式(4−4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を有する化合物である[2]〜[4]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
Figure 0006276602

Figure 0006276602
〔各式中、R41及びR42は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Yは、酸素原子、硫黄原子、−B(R43)−、−C(=O)−、−Si(R44)(R45)−、−Ge(R46)(R47)−、−Sn(R48)(R49)−、−N(R50)−、−P(R51)−、−P(=O)(R52)−、−S(=O)−または−SO−を表す。R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51及びR52は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。〕
[6] 第2の化合物が、さらに、式(2)で表される構成単位を有する化合物である[5]に記載の有機光電変換素子。
Figure 0006276602
(2)
〔式中、Arは、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)及び式(4−4)でそれぞれ表される構成単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
[7] 第1の化合物が、さらに、式(2)で表される構成単位を有する化合物である[2]〜[6]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
Figure 0006276602
(2)
〔式中、Arは、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)及び式(4−4)でそれぞれ表される構成単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
[8] Arが、式(3−1)、式(3−2)、式(3−3)、式(3−4)、式(3−5)、式(3−6)、式(3−7)または式(3−8)で表される構成単位である[6]または[7]に記載の有機光電変換素子。
Figure 0006276602

Figure 0006276602
〔各式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28及びX29は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表す。〕
[9] 第1の化合物が、高分子化合物である[1]〜[8]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
[10] R41及びR42が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基である[5]〜[9]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
[11] R41及びR42の炭素原子数が、それぞれ独立に、10〜15である[5]〜[10]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
[12] 前記層(A)が、さらに、電子受容性化合物を含む[1]〜[11]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
[13] 前記電子受容性化合物が、フラーレン及び/又はフラーレン誘導体である[12]に記載の有機光電気変換素子。
[14] [1]〜[13]のいずれかに記載の有機光電変換素子を含む太陽電池モジュール。
[15] [1]〜[13]のいずれかに記載の有機光電変換素子を含むイメージセンサー。
本発明のバンドギャップが異なる2種類の化合物を含む有機光電変換素子は、光電変換効率が高い。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機光電変換素子は、第1の電極及び第2の電極の間に、層(A)を有する有機光電変換素子である。層(A)は、イオン化ポテンシャルの差が0.20eV以下である2つの化合物を含む層であって、2つの化合物のうち、バンドギャップがより小さい化合物を第1の化合物、バンドギャップがより大きい化合物を第2の化合物としたときに、第1の化合物の含有量が、第1の化合物と第2の化合物との合計100重量部に対して、85重量部以上98重量部以下となる層である。
第1の化合物としては、式(1)で表される構成単位を有する化合物が挙げられる。
Figure 0006276602
(1)
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。R及びRで表される1価の有機基の具体例としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、イミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、置換基を有していてもよい1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキニル基及びカルボキシ基が挙げられる。
及びRで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基において、アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルキル基の炭素原子数は、通常1〜30である。置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、3−プロピルヘプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、3−ヘプチルドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基及びエイコシル基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいシクロアルキル基の炭素原子数は、通常3〜30である。置換基としては、ハロゲン原子及びアルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基がアルキル基である場合、アルキル基は、それぞれ独立に、互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに、環を形成していてもよい。置換基を有していてもよいシクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びアダマンチル基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアルコキシ基のアルキル部分は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルコキシ基の炭素原子数は、通常1〜20である。置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−プロピルヘプチルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基及び2−メトキシエチルオキシ基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基の炭素原子数は、通常3〜20である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基の具体例としては、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアルキルチオ基のアルキル部分は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルキルチオ基の炭素原子数は、通常1〜20である。置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいアルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基及びトリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいシクロアルキルチオ基の炭素原子数は、通常3〜20である。置換基としては、ハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいシクロアルキルチオ基の具体例としては、シクロヘキシルチオ基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアリール基において、アリール基は、芳香族炭化水素から水素原子を1個除いた基である。アリール基の炭素原子数は、通常6〜60である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいアリール基の具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基及びC1〜C12アルコキシフェニル基が挙げられる。
C1〜C12アルキルは、炭素原子数1〜12のアルキルであることを示す。C1〜C12アルキルとしては、C1〜C8アルキルが好ましく、C1〜C6アルキルがより好ましい。C1〜C8アルキルは、炭素原子数1〜8のアルキルであることを示し、C1〜C6アルキルは、炭素原子数1〜6のアルキルであることを示す。C1〜C12アルキル、C1〜C8アルキル及びC1〜C6アルキルの具体例としては、前記アルキル基で説明し例示したR及びRと同じアルキル基が挙げられる。以下も同様である。
C1〜C12アルコキシは、炭素原子数1〜12のアルコキシであることを示す。C1〜C12アルコキシとしては、C1〜C8アルコキシが好ましく、C1〜C6アルコキシがより好ましい。C1〜C8アルコキシは、炭素原子数1〜8のアルコキシであることを示し、C1〜C6アルコキシは、炭素原子数1〜6のアルコキシであることを示す。C1〜C12アルコキシ、C1〜C8アルコキシ及びC1〜C6アルコキシの具体例としては、前記アルコキシ基で説明し例示したR及びRと同じアルコキシ基が挙げられる。以下も同様である。
2個以上の芳香環が縮合したアリール基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ペンタフルオロフェニル基、アントラセニル基、フェナントリル基、テトラセニル基及びピレリル基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアリールオキシ基において、アリールオキシ基の炭素原子数は、通常6〜60である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基及びペンタフルオロフェニルオキシ基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアリールチオ基において、アリールチオ基の炭素原子数は、通常6〜60である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいアリールチオ基の具体例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基及びペンタフルオロフェニルチオ基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアリールアルキル基において、アリールアルキル基の炭素原子数は、通常7〜60である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいアリールアルキル基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基及び2−ナフチル−C1〜C12アルキル基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基において、アリールアルコキシ基の炭素原子数は、通常7〜60である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基及び2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基において、アリールアルキルチオ基の炭素原子数は、通常7〜60である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基及び2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基が挙げられる。
及びRで表されるアシル基は、カルボン酸のカルボキシル基から水酸基を除いた基である。アシル基の炭素原子数は、通常2〜20である。アシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、トリフルオロアセチル基などのハロゲン原子で置換されていてもよいアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基などのハロゲン原子で置換されていてもよいフェニルカルボニル基が挙げられる。
及びRで表されるアシルオキシ基は、カルボン酸のカルボキシル基から水素原子を除いた基である。アシルオキシ基の炭素原子数は、通常2〜20である。アシルオキシ基の具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基及びペンタフルオロベンゾイルオキシ基が挙げられる。
及びRで表されるアミド基は、アミドから窒素原子に結合した水素原子を1個除いた基である。アミド基の炭素原子数は、通常1〜20である。アミド基の具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基及びジペンタフルオロベンズアミド基が挙げられる。
及びRで表されるイミド基は、イミドから窒素原子に結合した水素原子を1個除いた基である。イミド基の炭素原子数は、通常1〜20である。イミド基の具体例としては、スクシンイミド基、フタルイミド基が挙げられる。
及びRで表される置換アミノ基は、アミノ基の水素原子の1個または2個が置換された基である。置換アミノ基の置換基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例は、R及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例と同じである。置換アミノ基の炭素原子数は、通常1〜40である。置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(フェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基及び2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基が挙げられる。
及びRで表される置換シリル基は、シリル基の水素原子の1個、2個または3個が置換された基で、一般に、シリル基の3個の水素原子がすべて置換された基である。置換シリル基の置換基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例は、R及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例と同じである。置換シリル基の炭素原子数は、通常1〜30である。置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基及びジメチルフェニルシリル基が挙げられる。
及びRで表される置換シリルオキシ基は、上記の置換シリル基に酸素原子が結合した基である。置換シリルオキシ基の炭素原子数は、通常1〜30である。置換シリルオキシ基の具体例としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリプロピルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基及びジメチルフェニルシリルオキシ基が挙げられる。
及びRで表される置換シリルチオ基は、上記の置換シリル基に硫黄原子が結合した基である。置換シリルチオ基の炭素原子数は、通常1〜30である。置換シリルチオ基の具体例としては、トリメチルシリルチオ基、トリエチルシリルチオ基、トリプロピルシリルチオ基、トリイソプロピルシリルチオ基、tert−ブチルジメチルシリルチオ基、トリフェニルシリルチオ基、トリ−p−キシリルシリルチオ基、トリベンジルシリルチオ基、ジフェニルメチルシリルチオ基、tert−ブチルジフェニルシリルチオ基及びジメチルフェニルシリルチオ基が挙げられる。
及びRで表される置換シリルアミノ基は、アミノ基の水素原子の1個または2個が、上記の置換シリル基で置換された基である。置換シリルアミノ基の炭素原子数は、通常1〜50である。置換シリルアミノ基の具体例としては、トリメチルシリルアミノ基、トリエチルシリルアミノ基、トリプロピルシリルアミノ基、トリイソプロピルシリルアミノ基、tert−ブチルジメチルシリルアミノ基、トリフェニルシリルアミノ基、トリ−p−キシリルシリルアミノ基、トリベンジルシリルアミノ基、ジフェニルメチルシリルアミノ基、tert−ブチルジフェニルシリルアミノ基、ジメチルフェニルシリルアミノ基、ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(トリエチルシリル)アミノ基、ジ(トリプロピルシリル)アミノ基、ジ(トリイソプロピルシリル)アミノ基、ジ(tert−ブチルジメチルシリル)アミノ基、ジ(トリフェニルシリル)アミノ基、ジ(トリ−p−キシリルシリル)アミノ基、ジ(トリベンジルシリル)アミノ基、ジ(ジフェニルメチルシリル)アミノ基、ジ(tert−ブチルジフェニルシリル)アミノ基及びジ(ジメチルフェニルシリル)アミノ基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよい1価の複素環基の複素環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、プラゾリジン、フラザン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、チオピラン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、モルホリン、トリアジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、クロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾピラン、キノリン、イソキノリン、キノリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、キナゾリジン、シンノリン、フタラジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、キサンテン、フェナントリジン、アクリジン、β-カルボリン、ペリミジン、フェナントロリン、チアントレン、フェノキサチイン、フェノキサジン、フェノチアジン及びフェナジンからなる群から選ばれる複素環式化合物から水素原子を1個除いた基が挙げられる。1価の複素環基の炭素原子数は、通常1〜50である。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルチオ基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルチオ基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルチオ基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例と同じである。1価の複素環基としては、1価の芳香族複素環基が好ましい。
及びRで表される複素環オキシ基としては、上記の複素環基に酸素原子が結合した式(3)で表される基が挙げられる。
及びRで表される複素環チオ基としては、上記の複素環基に硫黄原子が結合した式(4)で表される基が挙げられる。
Figure 0006276602
(3) (4)
〔Arは、複素環基を表す。〕
複素環オキシ基の炭素原子数は、通常2〜60である。複素環オキシ基の具体例としては、チエニルオキシ基、C1〜C12アルキルチエニルオキシ基、ピロリルオキシ基、フリルオキシ基、ピリジルオキシ基、C1〜C12アルキルピリジルオキシ基、イミダゾリルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、トリアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、チアゾールオキシ基及びチアジアゾールオキシ基が挙げられる。
複素環チオ基の炭素原子数は、通常2〜60である。複素環チオ基の具体例としては、チエニルメルカプト基、C1〜C12アルキルチエニルメルカプト基、ピロリルメルカプト基、フリルメルカプト基、ピリジルメルカプト基、C1〜C12アルキルピリジルメルカプト基、イミダゾリルメルカプト基、ピラゾリルメルカプト基、トリアゾリルメルカプト基、オキサゾリルメルカプト基、チアゾールメルカプト基及びチアジアゾールメルカプト基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアリールアルケニル基の炭素原子数は、通常8〜20である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。アリールアルケニル基の具体例としては、スチリル基が挙げられる。
及びRで表される置換基を有していてもよいアリールアルキニル基の炭素原子数は、通常8〜20である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。アリールアルキニル基の具体例としては、フェニルアセチレニル基が挙げられる。
及びRで表されるカルボキシ基中の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。置換基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が挙げられる。このようなカルボキシ基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基及びプロポキシカルボニル基が挙げられる。
本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、R及びRとしては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基及び置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアリールアルキル基がより好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、R及びRの炭素原子数は、それぞれ独立に、10〜15であることが好ましい。
及びRが分岐状のアルキル基である式(1)で表される構成単位としては、例えば、式(1−1)〜式(1−12)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0006276602

Figure 0006276602
及びRが分岐状のアルキル基である場合、R及びRの炭素原子数は、それぞれ独立に、5〜20が好ましく、8〜16がより好ましく、10〜15がさらに好ましい。式(1−1)〜式(1−12)で表される構成単位の中でも、式(1−2)〜式(1−10)で表される構成単位が好ましい。
及びRが直鎖状のアルキル基である式(1)で表される構成単位としては、例えば、式(2−1)〜式(2−8)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0006276602

Figure 0006276602
及びRが直鎖状のアルキル基である場合、R及びRの炭素原子数は、それぞれ独立に、6〜20が好ましく、8〜16がより好ましく、10〜15がさらに好ましい。式(2−1)〜式(2−8)で表される構成単位の中でも、式(2−3)〜式(2−6)で表される構成単位が好ましい。
式(1)中、Yは、酸素原子、硫黄原子、−B(R)−、−C(=O)−、−Si(R)(R)−、−Ge(R)(R)−、−Sn(R)(R)−、−N(R10)−、−P(R11)−、−P(=O)(R12)−、−S(=O)−または−SO−を表す。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環または置換基を有していてもよい複素環を表す。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12で表されるハロゲン原子及び有機基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例と同じである。本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、Yとしては、酸素原子または−C(=O)−が好ましい。
式(1)中、環Z及び環Zは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環または置換基を有していてもよい複素環を表す。
環Z及び環Zで表される置換基を有していてもよい芳香族炭素環の芳香族炭素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、ペリレン環、テトラセン環及びペンタセン環が挙げられる。本発明の有機光電変換素子の短絡電流密度を向上させる観点から、芳香族炭素環としては、ベンゼン環及びナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
環Z及び環Zで表される置換基を有していてもよい複素環の複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、キナゾリン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、ジベンゾピロール環、シロール環、ベンゾシロール環、ジベンゾシロール環、ボロール環、ベンゾボロール環及びジベンゾボロール環が挙げられる。チオフェン環、ベンゾチオフェン環及びジベンゾチオフェン環中の硫黄原子は、オキソ基が結合し、環状のスルホキシドまたは環状のスルホンを形成してもよい。環Z及び環Zで表される複素環としては、芳香族複素環が好ましい。本発明の有機光電変換素子の短絡電流密度を向上させる観点から、芳香族複素環としては、チオフェン環、フラン環及びピロール環が好ましく、チオフェン環及びフラン環がより好ましく、チオフェン環が特に好ましい。
環Z及び環Zで表される置換基を有していてもよい芳香族炭素環及び置換基を有していてもよい複素環において、置換基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基の定義及び具体例と同じである。
式(1)で表される構成単位の具体例としては、式(301)〜式(375)で表される構成単位が挙げられる。式(301)〜式(375)で表される構成単位中に含まれる芳香族炭素環または複素環は、置換基を有していてもよい。
Figure 0006276602
Figure 0006276602
Figure 0006276602
Figure 0006276602
Figure 0006276602
式(301)〜式(375)中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Rで表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例と同じである。
式(1)で表される構成単位を有する化合物の有機溶媒に対する溶解性を高める観点から、環Z及び環Zで表される置換基を有していてもよい芳香族炭素環及び置換基を有していてもよい複素環は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアリールオキシ基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有することが好ましい。
第2の化合物としては、式(1)で表される構成単位、式(4−1)で表される構成単位、式(4−2)で表される構成単位、式(4−3)で表される構成単位及び式(4−4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を有する化合物が挙げられる。
Figure 0006276602

Figure 0006276602
式(4−1)及び式(4−2)中、R41及びR42は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。R41及びR42で表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例と同じである。
本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、R41及びR42としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基及び置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアリールアルキル基がより好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、R41及びR42の炭素原子数は、それぞれ独立に、10〜15であることが好ましい。
式(4−3)及び式(4−4)中、Yは、酸素原子、硫黄原子、−B(R43)−、−C(=O)−、−Si(R44)(R45)−、−Ge(R46)(R47)−、−Sn(R48)(R49)−、−N(R50)−、−P(R51)−、−P(=O)(R52)−、−S(=O)−または−SO−を表す。R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51及びR52は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51及びR52で表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例と同じである。本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、Yとしては、−Si(R44)(R45)−、−Ge(R46)(R47)−または−N(R50)−が好ましい。
式(1)で表される構成単位を有する第1の化合物並びに/又は式(1)で表される構成単位、式(4−1)で表される構成単位、式(4−2)で表される構成単位、式(4−3)で表される構成単位及び式(4−4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を有する第2の化合物は、他の構成単位を有していてもよい。他の構成単位としては、例えば、式(2)で表される構成単位が挙げられる。第1の化合物及び第2の化合物が、式(2)で表される構成単位を有する場合、第1の化合物が有する式(2)で表される構成単位と、第2の化合物が有する式(2)で表される構成単位とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
Figure 0006276602
(2)
〔式中、Arは、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)及び式(4−4)でそれぞれ表される構成単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
Arで表される置換基を有していてもよいアリーレン基において、アリーレン基は、芳香族炭化水素から水素原子を2個除いた基である。アリーレン基の炭素原子数は、通常6〜60である。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜20)、シクロアルキル基(例えば、炭素原子数3〜20)、アルコキシ基(例えば、炭素原子数1〜20)及びシクロアルコキシ基(例えば、炭素原子数3〜20)が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
置換基を有していてもよいアリーレン基の具体例としては、置換基を有していてもよいフェニレン基(下図の式1〜3)、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基(下図の式4〜13)、置換基を有していてもよいアントラセンジイル基(下図の式14〜19)、置換基を有していてもよいビフェニルジイル基(下図の式20〜25)、置換基を有していてもよいターフェニルジイル基(下図の式26〜28)、置換基を有していてもよい縮合環化合物基(下図の式29〜38)が挙げられる。縮合環化合物基には、フルオレンジイル基(下図の式36〜38)が含まれる。
Arで表される置換基を有していてもよい2価の複素環基の複素環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、プラゾリジン、フラザン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、チオピラン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、モルホリン、トリアジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、クロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾピラン、キノリン、イソキノリン、キノリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、キナゾリジン、シンノリン、フタラジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、キサンテン、フェナントリジン、アクリジン、β-カルボリン、ペリミジン、フェナントロリン、チアントレン、フェノキサチイン、フェノキサジン、フェノチアジン及びフェナジンからなる群から選ばれる複素環式化合物から水素原子を2個除いた基が挙げられる。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルチオ基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルチオ基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキルチオ基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例と同じである。2価の複素環基としては、2価の芳香族複素環基が好ましい。
2価の複素環基の具体例としては、以下の基が挙げられる。
ヘテロ原子として窒素を含む2価の複素環基:
置換基を有していてもよいピリジンジイル基(下図の式39〜44)。
置換基を有していてもよいジアザフェニレン基(下図の式45〜48)。
置換基を有していてもよいキノリンジイル基(下図の式49〜63)。
置換基を有していてもよいキノキサリンジイル基(下図の式64〜68)。
置換基を有していてもよいアクリジンジイル基(下図の式69〜72)。
置換基を有していてもよいビピリジルジイル基(下図の式73〜75)。
置換基を有していてもよいフェナントロリンジイル基(下図の式76〜78)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含み、フルオレン構造を有する基(下図の式80〜92)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基(下図の式94〜98)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下図の式99〜109)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基:
ヘテロ原子のα位で結合し、2量体やオリゴマーになっている基(下図の式111〜112)。
ヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下図の式113〜119)。
ベンゼン環とチオフェン環が縮合した基(下図の式120〜122)。
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式1〜式122中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Rで表されるハロゲン原子及び有機基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例と同じである。
本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、式(1)で表される構成単位を有する第1の化合物は、さらに、式(2)で表される構成単位を有することが好ましい。
本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、式(1)で表される構成単位、式(4−1)で表される構成単位、式(4−2)で表される構成単位、式(4−3)で表される構成単位及び式(4−4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を有する第2の化合物は、さらに、式(2)で表される構成単位を有することが好ましい。
式(2)で表される構成単位としては、式(3−1)、式(3−2)、式(3−3)、式(3−4)、式(3−5)、式(3−6)、式(3−7)または式(3−8)で表される構成単位が好ましく、式(3−2)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 0006276602

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式(3−1)〜式(3−8)中、R21〜R38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。R21〜R38で表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例と同じである。
21、R22及びR35としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基及び置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアリールアルキル基がより好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよいが、第1の化合物及び第2の化合物の有機溶媒に対する溶解性を高める観点から、分岐状のアルキル基が好ましい。
23、R24、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R37及びR38としては、ハロゲン原子及び水素原子が好ましく、フッ素原子及び水素原子がより好ましい。
25、R26、R29及びR30としては、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいアリールアルキル基が好ましく、水素原子及び置換基を有していてもよいアリールアルキル基がより好ましい。
36としては、水素原子、ハロゲン原子、アシル基及びアシルオキシ基が好ましく、アシル基及びアシルオキシ基がより好ましい。
式(3−1)〜式(3−8)中、X21〜X29は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表す。X21〜X29としては、硫黄原子及び酸素原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
式(3−2)で表される構成単位の具体例としては、式(3−2−1)〜式(3−2−9)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0006276602

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式(3−2−1)〜式(3−2−9)中、R’は、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。R’で表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例は、R及びRで表されるハロゲン原子及び1価の有機基の定義及び具体例と同じである。
第1の化合物及び/又は第2の化合物が、式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位を有する場合、第1の化合物及び/又は第2の化合物に含まれる式(1)で表される構成単位の割合は、式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位との合計に対して、30%〜70%が好ましい。
第2の化合物が、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)または式(4−4)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位を有する場合、第2の化合物に含まれる式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)または式(4−4)で表される構成単位の割合は、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)または式(4−4)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位との合計に対して、30%〜70%が好ましい。
本発明において、光吸収末端波長とは、第1の化合物または第2の化合物を含む薄膜の吸収スペクトルから、以下の方法で求めた波長を意味する。
第1の化合物または第2の化合物を含む薄膜の吸収スペクトルの測定には、例えば、日本分光製の紫外可視近赤外分光光度計(商品名:V670)を用いる。V670を用いる場合、300nm〜2000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定することができる。
まず、基板(例えば、石英基板、ガラス基板)の上に、第1の化合物または第2の化合物を含む溶液を塗布することにより、第1の化合物または第2の化合物を含む薄膜を形成する。次に、基板の吸収スペクトル及び薄膜と基板との積層体の吸収スペクトルを測定する。薄膜の吸収スペクトルは、積層体の吸収スペクトルから基板の吸収スペクトルを差し引いたものである。
吸収スペクトルの縦軸及び横軸は、それぞれ吸光度及び波長を示す。最大吸光度が0.3〜2になるように、薄膜の膜厚を調整することが望ましい。
薄膜の吸収スペクトルにおいて、最も長波長側の吸収ピークよりも長波長側にあって、吸光度が該吸収ピークの吸光度の50%となる点をP1、25%となる点をP2、10%となる点をP3とする。さらに、P3から100nm長波長側の点をP4、P3から150nm長波長側の点をP5とする。
光吸収末端波長とは、P1とP2とを結ぶ直線と、基準線との交点の波長を意味する。基準線とは、P4とP5とを結ぶ直線を意味する。
本発明において、バンドギャップとは、光吸収末端波長から求めた値を意味する。光吸収末端波長をλとすると、バンドギャップは、(hc/λ)で表される。ここで、hはプランク定数、cは真空中の光速度である。例えば、光吸収末端波長が620nmである場合、バンドギャップは2.0eVである。
第1の化合物及び第2の化合物のイオン化ポテンシャルは、例えば、光電子収量分光法によって求めることができる。本発明では、理研計器製の光電子分光装置(商品名:AC−2)を用いて、第1の化合物及び第2の化合物のイオン化ポテンシャルを測定した。
第1の化合物のイオン化ポテンシャルと第2の化合物のイオン化ポテンシャルとの差は、0.05eV〜0.20eVが好ましく、0.05eV〜0.15eVがより好ましく、0.05eV〜0.10eVがさらに好ましい。
本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、第1の化合物の光吸収末端波長は、700nm以上であることが好ましく、800nm以上であることがより好ましく、850nm以上であることがさらに好ましい。
本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、第2の化合物の光吸収末端波長は、800nm以下が好ましく、750nm以下がより好ましく、700nm以下がさらに好ましい。
第1の化合物としては、式(1)で表される構成単位を有する化合物が好ましく、式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位を有する化合物がより好ましい。光吸収末端波長を長波長化する観点から、式(1)で表される構成単位を有する第1の化合物は、高分子化合物であることが好ましい。
第1の化合物が、式(1)で表される構成単位を有する化合物であるとき、第2の化合物としては、式(1)で表される構成単位、式(4−1)で表される構成単位、式(4−2)で表される構成単位、式(4−3)で表される構成単位及び式(4−4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を有する化合物が好ましく、式(1)で表される構成単位及び/又は式(4−1)で表される構成単位を有する化合物がより好ましく、式(4−1)で表される構成単位を有する化合物がさらに好ましい。
第1の化合物が、式(1)で表される構成単位を有する化合物であって、第2の化合物が、式(1)で表される構成単位、式(4−1)で表される構成単位、式(4−2)で表される構成単位、式(4−3)で表される構成単位及び式(4−4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を有する化合物であるとき、第1の化合物及び/又は第2の化合物が、さらに、式(2)で表される構成単位を有することが好ましい。
本発明の有機光電変換素子の光電変換効率を向上させる観点から、層(A)に含まれる第1の化合物の含有量は、第1の化合物と第2の化合物との合計100重量部に対して、85重量部〜98重量部が好ましく、85重量部〜96重量部がより好ましく、90重量部〜96重量部がさらに好ましい。
本発明において、高分子化合物は、重量平均分子量が3000以上の化合物を意味する。高分子化合物の重量平均分子量は、3000〜10000000が好ましく、8000〜5000000がより好ましく、10000〜1000000がさらに好ましい。
高分子化合物の重量平均分子量が3000より小さいと、素子の作製に用いたときに、塗布性が低下することがある。また、重量平均分子量が10000000より大きいと、素子の作製に用いたときに、溶媒への溶解性や塗布性が低下することがある。
高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量としては、1000〜100000000が好ましい。ポリスチレン換算の数平均分子量が1000以上である場合には、強靭な薄膜が得られやすくなる。ポリスチレン換算の数平均分子量が100000000以下である場合には、高分子化合物の溶解性が高く、薄膜の作製が容易である。高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量としては、3000以上が好ましい。
化合物は、素子作製の容易さから、溶媒への溶解度が高いことが望ましい。具体的には、化合物が、該化合物を0.01重量%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することが好ましく、0.1重量%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがより好ましく、0.4重量%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがさらに好ましい。
式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位とからなる化合物及び式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)または式(4−4)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位とからなる化合物の製造方法は、特に制限されるものではないが、化合物の合成の容易さから、Suzukiカップリング反応またはStilleカップリング反応を用いる方法が好ましい。
Suzukiカップリング反応を用いる方法としては、例えば、パラジウム触媒及び塩基の存在下で、式(C−1)で表される1種類以上の化合物と、式(C−2)で表される1種類以上の化合物とを反応させる工程を含む製造方法が挙げられる。
−E1−Q (C−1)
〔E1は、式(2)で表される構成単位を表す。Q及びQは、それぞれ独立に、ジヒドロキシボリル基[−B(OH)]またはホウ酸エステル残基を表す。〕

1−E2−T2 (C−2)
〔E2は、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)または式(4−4)で表される構成単位を表す。T1及びT2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子またはスルホン酸残基を表す。〕
としては、式(3−1)〜式(3−8)で表される構成単位が好ましい。
Suzukiカップリング反応を用いる場合、式(C−2)で表される2種類以上の化合物のモル数の合計が、式(C−1)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計に対して、過剰であることが好ましい。式(C−2)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計を1モルとすると、式(C−1)で表される1種類以上の化合物のモル数の合計は、0.6モル〜0.99モルであることが好ましく、0.7モル〜0.95モルであることがさらに好ましい。
ホウ酸エステル残基とは、ホウ酸ジエステルから水酸基を除去した基を意味し、ジアルキルエステル残基、ジアリールエステル残基、ジ(アリールアルキル)エステル残基などが挙げられる。ホウ酸エステル残基の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0006276602

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〔Meはメチル基、Etはエチル基を表す。〕
及びTで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。化合物の合成の容易さから、ハロゲン原子としては、臭素原子及びヨウ素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。
及びTで表されるスルホン酸残基とは、スルホン酸(−SOH)から酸性水素を除いた基を意味する。スルホン酸残基の具体例としては、アルキルスルホネート基(例えば、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基)、アリールスルホネート基(例えば、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基)、アリールアルキルスルホネート基(例えば、ベンジルスルホネート基)及びトリフルオロメタンスルホネート基が挙げられる。
Suzukiカップリング反応を行う方法としては、例えば、パラジウム触媒を用い、塩基の存在下で反応させる方法などが挙げられる。
Suzukiカップリング反応に用いるパラジウム触媒としては、例えば、Pd(0)触媒、Pd(II)触媒が挙げられる。パラジウム触媒の具体例としては、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムが挙げられる。反応(重合)操作の容易さ及び反応(重合)速度の観点から、パラジウム触媒としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましい。
パラジウム触媒の使用量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよいが、式(C−1)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001モル〜0.5モルである。パラジウム触媒の使用量としては、0.0003モル〜0.1モルが好ましい。
触媒として、パラジウムアセテート類を用いる場合には、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィンなどのリン化合物を配位子として使用することができる。配位子の使用量は、パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルである。配位子の使用量としては、0.9モル〜20モルが好ましく、1モル〜10モルがさらに好ましい。
Suzukiカップリング反応に用いる塩基としては、無機塩基、有機塩基及び無機塩が挙げられる。無機塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウムが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンが挙げられる。無機塩としては、例えば、フッ化セシウムが挙げられる。
塩基の使用量は、式(C−1)で表される化合物1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルである。塩基の使用量としては、0.9モル〜20モルが好ましく、1モル〜10モルがさらに好ましい。
Suzukiカップリング反応は、通常、溶媒中で行う。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランが挙げられる。化合物の溶解性の観点から、溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフランが好ましい。
塩基は、水溶液として用いる。2相系で反応を行う場合には、必要に応じて、第4級アンモニウム塩などの相間移動触媒を用いてもよい。
Suzukiカップリング反応の温度は、溶媒にもよるが、通常、50℃〜160℃である。化合物を高分子量化する観点から、反応温度としては、60℃〜120℃が好ましい。また、溶媒を沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は、目的の重合度に達したときを終点としてもよいが、通常、0.1時間〜200時間である。反応時間としては、1時間〜30時間が、効率的で好ましい。
Suzukiカップリング反応は、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性雰囲気下、Pd(0)触媒が失活しない反応系で行う。例えば、アルゴンガスや窒素ガスなどで、十分脱気された系で行う。
具体的には、重合容器(反応系)内を窒素ガスで十分置換し、脱気する。その後、この重合容器に、式(C−1)で表される化合物、式(C−2)で表される化合物及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を入れる。さらに、重合容器を窒素ガスで十分置換し、脱気する。その後、脱気した溶媒(例えば、窒素ガスでバブリングしたトルエン)を加え、次いで、脱気した塩基(例えば、窒素ガスでバブリングした炭酸ナトリウム水溶液)を滴下する。この溶液を加熱、昇温し、不活性雰囲気を保持しながら重合する(例えば、還流温度で8時間反応させる)。
Stilleカップリング反応を用いる方法としては、例えば、式(C−3):
−E−Q (C−3)
〔Eは、式(2)で表される構成単位を表す。Q及びQは、それぞれ独立に、置換スタンニル基を表す。〕
で表される1種類以上の化合物と、式(C−2)で表される1種類以上の化合物とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程を含む製造方法が挙げられる。Eとしては、式(3−1)〜式(3−8)で表される構成単位が好ましい。
置換スタンニル基としては、-SnR100 で表される基などが挙げられる。R100は、1価の有機基を表す。1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基が挙げられる。アルキル基の炭素原子数は、通常1〜30である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2一メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基、エイコシル基が挙げられる。シクロアルキル基の炭素原子数は、通常3〜30である。シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。置換スタンニル基としては、−SnMe、−SnEt、−SnBu、−SnPhが好ましく、−SnMe、−SnEt、−SnBuがさらに好ましい。Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、Phはフェニル基を表す。
及びTで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。高分子化合物の合成の容易さから、ハロゲン原子としては、臭素原子及びヨウ素原子が好ましい。
及びTで表されるスルホン酸残基の具体例としては、アルキルスルホネート基(例えば、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基)、アリールスルホネート基(例えば、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基)、アリールアルキルスルホネート基(例えば、ベンジルスルホネート基)及びトリフルオロメタンスルホネート基が挙げられる。
Stilleカップリング反応を行う方法としては、例えば、パラジウム触媒の存在下で反応させる方法などが挙げられる。
Stilleカップリング反応に用いるパラジウム触媒としては、例えば、Pd(0)触媒、Pd(II)触媒が挙げられる。パラジウム触媒の具体例としては、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムが挙げられる。反応(重合)操作の容易さ及び反応(重合)速度の観点から、パラジウム触媒としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましい。
パラジウム触媒の使用量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよいが、式(C−3)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001モル〜0.5モルである。パラジウム触媒の使用量としては、0.0003モル〜0.2モルが好ましい。
Stilleカップリング反応を用いる場合には、必要に応じて、配位子及び/又は助触媒を用いることができる。配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィンなどのリン化合物、または、トリフェニルアルシン、トリフェノキシアルシンなどの砒素化合物が挙げられる。助触媒としては、例えば、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅、2−テノイル酸銅(I)などが挙げられる。
配位子及び/又は助触媒を用いる場合、配位子及び/又は助触媒の使用量は、パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルである。配位子及び/又は助触媒の使用量としては、0.9モル〜20モルが好ましく、1モル〜10モルがさらに好ましい。
Stilleカップリング反応は、通常、溶媒中で行う。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランが挙げられる。化合物の溶解性の観点から、溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフランが好ましい。
Stilleカップリング反応の温度は、溶媒にもよるが、通常、50℃〜160℃である。化合物を高分子量化する観点から、反応温度としては、60℃〜120℃が好ましい。また、溶媒を沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は、目的の重合度に達したときを終点としてもよいが、通常、0.1時間〜200時間である。反応時間としては、1時間〜30時間が、効率的で好ましい。
Stilleカップリング反応は、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性雰囲気下、Pd(0)触媒が失活しない反応系で行う。例えば、アルゴンガスや窒素ガスなどで、十分脱気された系で行う。
具体的には、重合容器(反応系)内を窒素ガスで十分置換し、脱気する。その後、この重合容器に、式(C−3)で表される化合物、式(C−2)で表される化合物、パラジウム触媒を入れる。さらに、重合容器を窒素ガスで十分置換し、脱気した溶媒(例えば、窒素ガスでバブリングしたトルエン)を加える。必要に応じて、配位子や助触媒を用いてもよい。この溶液を加熱、昇温し、不活性雰囲気を保持しながら重合する(例えば、還流温度で8時間反応させる)。
Suzukiカップリング反応またはStilleカップリング反応によって製造された化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子(例えば、光電変換素子)の作製に用いたときに、素子の特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてもよい。末端基としては、主鎖の共役構造と連続した共役結合を有している基が好ましい。また、ビニレン基を介して、アリール基または複素環基と結合している構造であってもよい。
式(C−2)で表される化合物のうち、式(1)で表される構成単位を有する化合物であって、Yが酸素原子である化合物は、例えば、国際公開第2011/052709号の記載に従って合成することができる。
式(C−2)で表される化合物のうち、式(1)で表される構成単位を有し、Yが−C(=O)−である式(5)で表される化合物は、例えば、式(6)で表される化合物の臭素化によって得ることができる。
Figure 0006276602
(5) (6)
〔R及びRは、前記と同じ意味を表す。〕
臭素化には、公知の方法を用いることができる。臭素化の方法としては、例えば、無溶媒で、または溶媒中で、臭素化剤を用いて臭素化する方法が挙げられる。
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素などが挙げられる。
臭素化剤としては、臭素、N−ブロモスクシンイミド(以下、NBSと呼称することもある)、四塩化炭素、臭化水素酸などが挙げられる。これらの臭素化剤を複数組み合わせて用いることも可能である。臭素化剤の使用量は、通常、式(6)で表される化合物のモル数に対して、2当量〜100000当量である。
また、臭素化の際に、臭素化を促進するための触媒を共存させることも可能である。触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅などの金属、ハロゲン化鉄、ハロゲン化コバルト、ハロゲン化ニッケル、ハロゲン化銅などのハロゲン化金属、ベンゾイルパーオキシド、アゾイソブチロニトリルなどのラジカル発生剤などが挙げられる。触媒としては、金属、ハロゲン化金属が好ましく、鉄、臭化鉄がさらに好ましい。触媒の使用量は、通常、式(6)で表される化合物のモル数に対して、0.001当量〜10当量である。触媒の使用量としては、0.01当量〜1当量が好ましい。反応温度は、通常、−50℃〜200℃である。反応温度としては、0℃〜150℃が好ましい。
反応後(例えば、水を加えて反応を停止した後)、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去するなどの通常の後処理を行うことによって、式(5)で表される化合物を得ることができる。また、必要に応じて、クロマトグラフィーによる分取及び/又は再結晶などの精製を行ってもよい。
式(6)で表される化合物は、式(7)で表される化合物と酸との反応によって得ることができる。
Figure 0006276602
(7)
〔R及びRは、前記と同じ意味を表す。〕
酸としては、ルイス酸、ブレンステッド酸のいずれを用いてもよい。酸の具体例としては、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、安息香酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウム、塩化スズ(IV)、塩化ケイ素(IV)、塩化鉄(III)、四塩化チタン、塩化亜鉛、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びこれらの混合物などが挙げられる。
式(7)で表される化合物と酸との反応は、酸のみの存在下で行ってもよく、酸と溶媒の存在下で行ってもよい。反応温度は、特に制限されないが、−80℃〜溶媒の沸点の範囲内の温度が好ましい。
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸などの無機酸などが挙げられる。該溶媒は、単一で用いてもよく、混合して用いてもよい。
反応後(例えば、水を加えて反応を停止した後)、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去するなどの通常の後処理を行うことによって、式(6)で表される化合物を得ることができる。また、必要に応じて、クロマトグラフィーによる分取及び/又は再結晶などの精製を行ってもよい。
式(7)で表される化合物は、アルキルリチウム試薬またはグリニヤ試薬と、化合物1との反応によって得ることができる。
Figure 0006276602
化合物1
アルキルリチウム試薬としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、2-エチルヘキシルリチウム、3,7−ジメチルオクチルリチウム、3,7,11−トリメチルドデシルリチウム、3−ヘプチルデシルリチウム、ドデシルリチウム、ペンタデシルリチウム、ヘキサデシルリチウム、フェニルリチウム、ナフチルリチウム、ベンジルリチウム、トリルリチウムなどが挙げられる。
グリニヤ試薬としては、メチルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシウムクロライド、プロピルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムブロマイド、ヘキシルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムブロマイド、2-エチルヘキシルマグネシウムクロライド、2−エチルヘキシルマグネシウムブロマイド、3,7−ジメチルオクチルクロライド、3,7−ジメチルオクチルブロマイド、3,7,11−トリメチルドデシルブロマイド、3−ヘプチルデシルブロマイド、オクチルマグネシウムブロマイド、デシルマグネシウムブロマイド、ドデシルブロマイド、ペンタデシルブロマイド、ヘキサデシルブロマイド、アリルマグネシウムクロライド、アリルマグネシウムブロマイド、ベンジルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイド、ナフチルマグネシウムブロマイド、トリルマグネシウムブロマイドなどが挙げられる。
アルキルリチウム試薬またはグリニヤ試薬と化合物1との反応は、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、溶媒の存在下で行ってもよい。反応温度は、特に制限されないが、−80℃〜溶媒の沸点の範囲内の温度が好ましい。
アルキルリチウム試薬またはグリニヤ試薬と化合物1との反応に用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類などが挙げられる。該溶媒は、単一で用いてもよく、混合して用いてもよい。
反応後(例えば、水を加えて反応を停止した後)、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去するなどの通常の後処理を行うことによって、式(7)で表される化合物を含有する混合物を得ることができる。また、必要に応じて、クロマトグラフィーによる分取及び/又は再結晶などの精製を行ってもよい。
本発明の有機光電変換素子は、光電変換効率が高いため、太陽電池モジュール、イメージセンサーに好適に使用し得る。
<有機光電変換素子>
本発明の有機光電変換素子は、第1の電極及び第2の電極からなる一対の電極間に、第1の化合物及び前記第1の化合物よりバンドギャップが大きい第2の化合物を含む層(A)を有する。
本発明の有機光電変換素子は、活性層として層(A)を有する。
本発明の有機光電変換素子は、第1の電極及び第2の電極からなる一対の電極間に、2層以上の層(A)を有していてもよく、層(A)以外の活性層を有していてもよい。活性層が2層以上である場合、該活性層の間に付加的な層(例えば、電荷再結合層)を設けてもよい。
光電変換効率を向上させるために、第1の電極と第1の電極に最も近い活性層との間及び/又は第2の電極と第2の電極に最も近い活性層との間に、バッファー層を設けてもよい。バッファー層の材料としては、例えば、フッ化リチウムなどのアルカリ金属のハロゲン化物、カルシウムなどのアルカリ土類金属及び/又はそのハロゲン化物、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化モリブデン及び酸化タングステンなどの酸化物、PEDOT:PSS[poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/poly(4-styrenesulfonate)]などの高分子化合物が挙げられる。
本発明の有機光電変換素子は、通常、基板上に形成される。基板は、電極を形成し、その上に有機物の層を形成する際に、化学的に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い側の電極)が、透明または半透明であることが好ましい。
第1の電極及び第2の電極の一方は、透明または半透明であることが好ましい。透明または半透明の電極としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜などが挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ及び/又はそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイドなどの導電性材料からなる膜、NESA、金、白金、銀、銅などの膜が用いられる。透明または半透明の電極としては、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズの膜が好ましい。該電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などが挙げられる。
透明または半透明の電極として、有機の透明導電膜を用いてもよい。該電極の材料としては、例えば、ポリアニリン及び/又はその誘導体、ポリチオフェン及び/又はその誘導体などが挙げられる。
第1の電極及び第2の電極の一方は、透明でなくてもよい。該電極の材料として、金属、導電性高分子などを用いることができる。電極の材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム、バナジウム、銀、金、亜鉛、アルミニウム、インジウムなどの金属、これら2種以上の金属の合金、これらのうち1種以上の金属と、チタン、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、白金、銅、銀、金及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物、ポリアニリン及び/又はその誘導体、ポリチオフェン及び/又はその誘導体が挙げられる。合金としては、例えば、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−インジウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−アルミニウム合金、マグネシウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金及び銀−インジウム合金が挙げられる。
<層(A)>
層(A)は、第1の化合物及び第2の化合物以外に、さらに、電子供与性化合物及び/又は電子受容性化合物を含んでいてもよい。層(A)に含まれる第1の化合物及び第2の化合物以外の化合物としては、電子受容性化合物が好ましい。層(A)に含まれる第1の化合物及び第2の化合物以外の化合物が、電子供与性化合物であるか電子受容性化合物であるかは、第1の化合物及び第2の化合物のエネルギー準位から相対的に決定される。
電子受容性化合物の具体例としては、フラーレン及び/又はその誘導体、炭素材料、酸化チタンなどの金属酸化物、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及び/又はその誘導体、ベンゾキノン及び/又はその誘導体、ナフトキノン及び/又はその誘導体、アントラキノン及び/又はその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及び/又はその誘導体、ペリレン誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及び/又はその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及び/又はその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及び/又はその誘導体、ポリキノキサリン及び/又はその誘導体、ポリフルオレン及び/又はその誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン)などのフェナントロリン誘導体が挙げられる。電子受容性化合物としては、酸化チタン、カーボンナノチューブ、フラーレン及び/又はその誘導体が好ましく、フラーレン及び/又はその誘導体が特に好ましい。
フラーレン及び/又はその誘導体としては、C60、C70、C76、C78、C84及び/又はそれらの誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体は、フラーレンの少なくとも一部が修飾されたものである。
フラーレン誘導体としては、例えば、式(8)で表される化合物、式(9)で表される化合物、式(10)で表される化合物及び式(11)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006276602
(8) (9) (10) (11)
〔Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、複素環基またはエステル構造を有する基を表す。複数個あるRは、同一であっても相異なっていてもよい。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。複数個あるRは、同一であっても相異なっていてもよい。〕
及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び複素環基の定義及び具体例は、R及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び複素環基の定義及び具体例と同じである。
で表されるエステル構造を有する基としては、例えば、式(12)で表される基が挙げられる。
Figure 0006276602
(12)
〔u1は、1〜6の整数を表す。u2は、0〜6の整数を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または複素環基を表す。〕
で表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び複素環基の定義及び具体例は、R及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基及び複素環基の定義及び具体例と同じである。
60フラーレンの誘導体としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0006276602
70フラーレンの誘導体としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0006276602
フラーレン誘導体の具体例としては、PC61BM([6,6]-Phenyl C61 butyric acid methyl ester)、PC71BM([6,6]-Phenyl C71 butyric acid methyl ester)、PC85BM([6,6]-Phenyl C85 butyric acid methyl ester)、[6,6]-Thienyl C61 butyric acid methyl esterが挙げられる。
電子供与性化合物としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及び/又はその誘導体、ポリビニルカルバゾール及び/又はその誘導体、ポリシラン及び/又はその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及び/又はその誘導体、ポリチオフェン及び/又はその誘導体、ポリピロール及び/又はその誘導体、ポリフェニレンビニレン及び/又はその誘導体、ポリチエニレンビニレン及び/又はその誘導体が挙げられる。
層(A)が、第1の化合物及び第2の化合物以外に、さらに、電子受容性化合物を含む場合、層(A)に含まれる第1の化合物及び第2の化合物の含有量は、第1の化合物及び第2の化合物と電子受容性化合物との合計100重量部に対して、20重量部〜50重量部が好ましく、25重量部〜40重量部がさらに好ましい。第1の化合物及び第2の化合物の重量の合計に対する電子受容性化合物の重量の比は、1.0〜4.0が好ましく、2.0〜3.0がさらに好ましい。
層(A)の厚さは、通常、1nm〜100μmである。層(A)の厚さは、2nm〜1000nmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましく、20nm〜200nmがさらに好ましい。
<有機光電変換素子の製造方法>
本発明の有機光電変換素子の製造方法は、第1の電極及び第2の電極を有し、第1の電極及び第2の電極からなる一対の電極間に、層(A)を有する素子の製造方法であって、第1の電極を形成する工程と、第1の化合物及び第2の化合物を含む層(A)を形成する工程と、第2の電極を形成する工程とを含む製造方法である。
本発明の有機光電変換素子の製造方法は、第1の電極上に、第1の化合物と、第2の化合物と、溶媒とを含む液(インク)を塗布して層(A)を形成する工程と、層(A)の上に第2の電極を形成する工程とを含むことが好ましい。
層(A)は、いかなる方法で製造してもよい。例えば、第1の化合物及び第2の化合物を含む液を塗布する方法が挙げられる。
第1の化合物及び第2の化合物を溶解させる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼンなどの炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのエーテル溶媒が挙げられる。第1の化合物及び第2の化合物は、通常、溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
第1の化合物と第2の化合物と溶媒とを含む液(インク)の塗布方法としては、スリットコート法、ナイフコート法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットコート法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法などの方法を用いることができる。インクの塗布方法としては、スリットコート法、キャピラリーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ノズルコート法、インクジェットコート法、スピンコート法が好ましい。
成膜性の観点から、25℃における溶媒の表面張力は、15mN/mより大きいことが好ましく、15mN/mより大きく100mN/mより小さいことがより好ましく、25mN/mより大きく60mN/mより小さいことがさらに好ましい。
<素子の用途>
本発明の有機光電変換素子は、透明または半透明の電極側から太陽光などの光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより、有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、電極間に電圧を印加した状態、あるいは無印加の状態で、透明または半透明の電極側から光を照射することにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより、有機イメージセンサーとして用いることができる。
<太陽電池モジュール>
有機薄膜太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと同様のモジュール構造をとりうる。一般的に、太陽電池モジュールは、金属、セラミックなどの支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラスなどで覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとる。また、支持基板に強化ガラスなどの透明材料を用い、その上にセルを構成して、支持基板側から光を取り込む構造とすることもできる。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造などが知られている。本発明の有機光電変換素子からなる有機薄膜太陽電池も、使用目的、使用場所及び環境により、これらのモジュール構造を適宜選択することができる。
代表的なスーパーストレートタイプあるいはサブストレートタイプのモジュールでは、片側または両側が透明で、反射防止処理が施された支持基板の間に、一定間隔にセルが配置される。隣り合うセル同士は、金属リードまたはフレキシブル配線などによって接続され、外縁部に配置された集電電極から、発生した電力が外部に取り出される構造となっている。セルの保護及び集電効率向上のため、通常、様々な種類のプラスチック材料が、フィルムまたは充填樹脂の形で用いられる。プラスチック材料としては、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)が挙げられる。また、外部からの衝撃が少ない場所など、表面を硬い素材で覆う必要のない場所で使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成する、または、前記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板をなくしてもよい。支持基板の周囲は、内部の密封及びモジュールの剛性を確保するため、金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、封止材料で支持基板とフレームとの間を密封シールする。さらに、セルそのものや支持基板、充填材料及び封止材料に、可撓性の素材を用いれば、曲面に太陽電池を構成することもできる。
ポリマーフィルムなどのフレキシブル支持体を用いる太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出しながら、順次セルを形成し、所望のサイズに切断する。その後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることによって、電池本体を作製することができる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p383-391に記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造にすることもできる。フレキシブル支持体を用いる太陽電池は、曲面ガラスなどに接着固定して使用することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1
(化合物3の合成)
Figure 0006276602
化合物2 化合物3

フラスコ内の空気をアルゴンで置換した200mLフラスコに、国際公開第2011/052709号の実施例29に記載された方法により合成した化合物2を2.00g(3.77mmol)、脱水テトラヒドロフランを100mL入れて、均一な溶液とした。該溶液を−78℃に保ち、1.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液5.89mL(9.42mmol)を10分かけて滴下した。滴下後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で2時間攪拌した。その後、フラスコを−78℃に冷却し、反応液にトリブチルスズクロリドを3.37g(10.4mmol)加えた。添加後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で3時間攪拌した。その後、反応液に水200mlを加えて反応を停止させ、酢酸エチルを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過後、濾液をエバポレーターで濃縮し、溶媒を留去した。得られたオイル状の物質を展開溶媒がヘキサンであるシリカゲルカラムで精製した。シリカゲルカラムのシリカゲルには、あらかじめ10重量%のトリエチルアミンを含むヘキサンに5分間浸し、その後、ヘキサンで濯いだシリカゲルを用いた。精製後、化合物3を3.55g(3.20mmol)得た。
合成例2
(化合物6の合成)
Figure 0006276602
化合物3 化合物4
Figure 0006276602
化合物5

フラスコ内の空気をアルゴンで置換した300mLフラスコに、化合物3を840mg(0.757mmol)、国際公開第2011/052709号の実施例53に記載された方法により合成した化合物4を800mg(0.760mmol)、国際公開第2011/052709号の参考例14に記載された方法により合成した化合物5を471mg(1.43mmol)、トルエンを107ml入れて、均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを19.6mg(0.0214mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィンを39.1mg(0.128mmol)加え、100℃で6時間攪拌した。その後、反応液にフェニルブロミドを660mg加え、5時間攪拌した。その後、フラスコを25℃に冷却し、反応液をメタノール2000mLに注いだ。析出したポリマーを濾過して集め、得られたポリマーを円筒濾紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトン及びヘキサンで、それぞれ5時間抽出した。円筒濾紙内に残ったポリマーをo−ジクロロベンゼン53mLに溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム1.21gと水12mLとを加え、8時間還流下で攪拌した。水層を除去後、有機層を水200mlで2回洗浄し、次いで、3重量%の酢酸水溶液200mLで2回洗浄し、次いで、水200mLで2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーを濾過後、乾燥させ、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン62mLに再度溶解させ、アルミナ/シリカゲルカラムに通した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーを濾過後、乾燥させ、精製された重合体802mgを得た。以下、この重合体を化合物6と呼称する。
合成例3
(化合物7の合成)
Figure 0006276602
化合物7

フラスコ内の空気をアルゴンで置換した100mLフラスコに、国際公開第2011/052709号の実施例53に記載された方法により合成した化合物4を500mg(0.475mmol)、国際公開第2011/052709号の参考例14に記載された方法により合成した化合物5を393mg(1.19mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィンを13.0mg(0.0426mmol)、脱水トルエンを10ml入れて、均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを6.5mg(0.0071mmol)加え、105℃で6時間攪拌した。その後、フラスコを室温まで冷却し、有機層を水50mLで2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した後、エバポレーターで溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、化合物7を209mg得た。
合成例4
(化合物9の合成)
Figure 0006276602
化合物8
Figure 0006276602
化合物9

フラスコ内の空気をアルゴンで置換した100mLフラスコに、化合物7を200mg(0.206mmol)、化合物8(シグマ アルドリッチ社製)を571mg(1.52mmol)、メチルトリアルキルアンモニウムクロリド(シグマ アルドリッチ社製、商品名:Aliquat336(登録商標))を50mg、トルエンを20ml入れて、均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、酢酸パラジウムを0.67mg、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィンを3.7mg、16.7重量%の炭酸ナトリウム水溶液を2mL加え、100℃で6時間攪拌した。分液ロートで水層を除去した後、有機層を水で2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した後、エバポレーターで溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、化合物9を220mg得た。
実施例1−1
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6、化合物9及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク1を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物9との合計100重量部に対して、95.1重量部であった。化合物6と化合物9との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.0であった。化合物6と化合物9とPC61BMとの重量の合計は、インク1の重量に対して、1.8重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク1をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物9及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、116nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物9のイオン化ポテンシャルとの差は、0.00eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物9のバンドギャップは、化合物9の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物9が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は17.1mA/cmであり、開放端電圧は0.71Vであり、フィルファクターは0.66であり、光電変換効率は8.0%であった。
実施例1−2
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6、化合物9及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク2を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物9との合計100重量部に対して、90.4重量部であった。化合物6と化合物9との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6と化合物9とPC61BMとの重量の合計は、インク2の重量に対して、1.9重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク2をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物7及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、116nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物9のイオン化ポテンシャルとの差は、0.00eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物9のバンドギャップは、化合物9の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物9が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.9mA/cmであり、開放端電圧は0.72Vであり、フィルファクターは0.66であり、光電変換効率は8.0%であった。
比較例1−1
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク3を製造した。化合物6の重量に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6とPC61BMとの重量の合計は、インク3の重量に対して、1.9重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク3をスピンコートにより塗布し、化合物6及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、107nmであった。化合物6の光吸収末端波長は885nmであった。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.7mA/cmであり、開放端電圧は0.71Vであり、フィルファクターは0.66であり、光電変換効率は7.8%であった。
比較例1−2
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6、化合物9及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク4を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物9との合計100重量部に対して、81.5重量部であった。化合物6と化合物9との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.0であった。化合物6と化合物7とPC61BMとの重量の合計は、インク4の重量に対して、1.8重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク4をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物9及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、111nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物9のイオン化ポテンシャルとの差は、0.00eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物9のバンドギャップは、化合物9の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物9が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.6mA/cmであり、開放端電圧は0.71Vであり、フィルファクターは0.66であり、光電変換効率は7.8%であった。
表1 有機薄膜太陽電池評価結果
Figure 0006276602
実施例2−1
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
Figure 0006276602
化合物10

化合物6、化合物10(1-material社製)及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク5を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物10との合計100重量部に対して、90.1重量部であった。化合物6と化合物10との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6と化合物10とPC61BMとの重量の合計は、インク5の重量に対して、1.6重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク5をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物10及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、108nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物10のイオン化ポテンシャルとの差は、0.10eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物10のバンドギャップは、化合物10の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物10が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.7mA/cmであり、開放端電圧は0.72Vであり、フィルファクターは0.63であり、光電変換効率は7.6%であった。
比較例2−1
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク7を製造した。化合物6の重量に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6とPC61BMとの重量の合計は、インク7の重量に対して、1.5重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク7をスピンコートにより塗布し、化合物6及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、103nmであった。化合物6の光吸収末端波長は885nmであった。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.2mA/cmであり、開放端電圧は0.72Vであり、フィルファクターは0.63であり、光電変換効率は7.4%であった。
比較例2−2
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6、化合物10(1-material社製)及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク8を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物10との合計100重量部に対して、51.0重量部であった。化合物6と化合物10との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6と化合物10とPC61BMとの重量の合計は、インク8の重量に対して、1.6重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク8をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物8及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、105nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物10のイオン化ポテンシャルとの差は、0.10eVであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物10のイオン化ポテンシャルとの差は、0.10eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物10のバンドギャップは、化合物10の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物10が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は13.5mA/cmであり、開放端電圧は0.75Vであり、フィルファクターは0.64であり、光電変換効率は6.4%であった。
表2 有機薄膜太陽電池評価結果
Figure 0006276602

Claims (12)

  1. 第1の電極及び第2の電極の間に、下記層(A)を有する有機光電変換素子。
    <層(A)>
    イオン化ポテンシャルの差が0.20eV以下である2つの化合物を含む層であって、
    前記2つの化合物のうち、バンドギャップがより小さい化合物を第1の化合物、バンドギャップがより大きい化合物を第2の化合物としたときに、第1の化合物の含有量が、第1の化合物と第2の化合物との合計100重量部に対して、85重量部以上98重量部以下であり、
    第1の化合物が、式(1)で表される構成単位を有する化合物であって、
    Figure 0006276602
    〔式中、R 及びR は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Y は、酸素原子、硫黄原子、−B(R )−、−C(=O)−、−Si(R )(R )−、−Ge(R )(R )−、−Sn(R )(R )−、−N(R 10 )−、−P(R 11 )−、−P(=O)(R 12 )−、−S(=O)−または−SO −を表す。R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。環Z 及び環Z は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環または置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
    さらに、式(2)で表される構成単位を有する化合物であり、
    Figure 0006276602
    〔式中、Ar は、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)及び式(4−4)でそれぞれ表される構成単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
    第2の化合物が、式(1)で表される構成単位、式(4−1)で表される構成単位、式(4−2)で表される構成単位、式(4−3)で表される構成単位及び式(4−4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を有する化合物である
    Figure 0006276602
    〔各式中、R 41 及びR 42 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Y は、酸素原子、硫黄原子、−B(R 43 )−、−C(=O)−、−Si(R 44 )(R 45 )−、−Ge(R 46 )(R 47 )−、−Sn(R 48 )(R 49 )−、−N(R 50 )−、−P(R 51 )−、−P(=O)(R 52 )−、−S(=O)−または−SO −を表す。R 43 、R 44 、R 45 、R 46 、R 47 、R 48 、R 49 、R 50 、R 51 及びR 52 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。〕
  2. 及びRが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基である請求項に記載の有機光電変換素子。
  3. 及びRの炭素原子数が、それぞれ独立に、10〜15である請求項またはに記載の有機光電変換素子。
  4. 第2の化合物が、さらに、式(2)で表される構成単位を有する化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
    Figure 0006276602
    〔式中、Arは、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)及び式(4−4)でそれぞれ表される構成単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
  5. Arが、式(3−1)、式(3−2)、式(3−3)、式(3−4)、式(3−5)、式(3−6)、式(3−7)または式(3−8)で表される構成単位である請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
    Figure 0006276602
    〔各式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28及びX29は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表す。〕
  6. 第1の化合物が、高分子化合物である請求項1〜のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  7. 41及びR42が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基である請求項のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  8. 41及びR42の炭素原子数が、それぞれ独立に、10〜15である請求項のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  9. 前記層(A)が、さらに、電子受容性化合物を含む請求項1〜のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
  10. 前記電子受容性化合物が、フラーレン及び/又はフラーレン誘導体である請求項に記載の有機光電気変換素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機光電変換素子を含む太陽電池モジュール。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機光電変換素子を含むイメージセンサー。
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