JP6276602B2 - 有機光電変換素子 - Google Patents
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Description
<層(A)>
イオン化ポテンシャルの差が0.20eV以下である2つの化合物を含む層であって、前記2つの化合物のうち、バンドギャップがより小さい化合物を第1の化合物、バンドギャップがより大きい化合物を第2の化合物としたときに、第1の化合物の含有量が、第1の化合物と第2の化合物との合計100重量部に対して、85重量部以上98重量部以下である層。
[2] 第1の化合物が、式(1)で表される構成単位を有する化合物である[1]に記載の有機光電変換素子。
(1)
〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Y1は、酸素原子、硫黄原子、−B(R3)−、−C(=O)−、−Si(R4)(R5)−、−Ge(R6)(R7)−、−Sn(R8)(R9)−、−N(R10)−、−P(R11)−、−P(=O)(R12)−、−S(=O)−または−SO2−を表す。R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。環Z1及び環Z2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環または置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
[3] R1及びR2が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基である[2]に記載の有機光電変換素子。
[4] R1及びR2の炭素原子数が、それぞれ独立に、10〜15である[2]または[3]に記載の有機光電変換素子。
[5] 第2の化合物が、式(1)で表される構成単位、式(4−1)で表される構成単位、式(4−2)で表される構成単位、式(4−3)で表される構成単位及び式(4−4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を有する化合物である[2]〜[4]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
〔各式中、R41及びR42は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Y2は、酸素原子、硫黄原子、−B(R43)−、−C(=O)−、−Si(R44)(R45)−、−Ge(R46)(R47)−、−Sn(R48)(R49)−、−N(R50)−、−P(R51)−、−P(=O)(R52)−、−S(=O)−または−SO2−を表す。R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51及びR52は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。〕
[6] 第2の化合物が、さらに、式(2)で表される構成単位を有する化合物である[5]に記載の有機光電変換素子。
(2)
〔式中、Ar1は、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)及び式(4−4)でそれぞれ表される構成単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
[7] 第1の化合物が、さらに、式(2)で表される構成単位を有する化合物である[2]〜[6]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
(2)
〔式中、Ar1は、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)及び式(4−4)でそれぞれ表される構成単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
[8] Ar1が、式(3−1)、式(3−2)、式(3−3)、式(3−4)、式(3−5)、式(3−6)、式(3−7)または式(3−8)で表される構成単位である[6]または[7]に記載の有機光電変換素子。
〔各式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28及びX29は、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表す。〕
[9] 第1の化合物が、高分子化合物である[1]〜[8]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
[10] R41及びR42が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基である[5]〜[9]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
[11] R41及びR42の炭素原子数が、それぞれ独立に、10〜15である[5]〜[10]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
[12] 前記層(A)が、さらに、電子受容性化合物を含む[1]〜[11]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
[13] 前記電子受容性化合物が、フラーレン及び/又はフラーレン誘導体である[12]に記載の有機光電気変換素子。
[14] [1]〜[13]のいずれかに記載の有機光電変換素子を含む太陽電池モジュール。
[15] [1]〜[13]のいずれかに記載の有機光電変換素子を含むイメージセンサー。
R1及びR2で表される複素環チオ基としては、上記の複素環基に硫黄原子が結合した式(4)で表される基が挙げられる。
(3) (4)
〔Ar2は、複素環基を表す。〕
複素環チオ基の炭素原子数は、通常2〜60である。複素環チオ基の具体例としては、チエニルメルカプト基、C1〜C12アルキルチエニルメルカプト基、ピロリルメルカプト基、フリルメルカプト基、ピリジルメルカプト基、C1〜C12アルキルピリジルメルカプト基、イミダゾリルメルカプト基、ピラゾリルメルカプト基、トリアゾリルメルカプト基、オキサゾリルメルカプト基、チアゾールメルカプト基及びチアジアゾールメルカプト基が挙げられる。
(2)
〔式中、Ar1は、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)及び式(4−4)でそれぞれ表される構成単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
置換基を有していてもよいアリーレン基の具体例としては、置換基を有していてもよいフェニレン基(下図の式1〜3)、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基(下図の式4〜13)、置換基を有していてもよいアントラセンジイル基(下図の式14〜19)、置換基を有していてもよいビフェニルジイル基(下図の式20〜25)、置換基を有していてもよいターフェニルジイル基(下図の式26〜28)、置換基を有していてもよい縮合環化合物基(下図の式29〜38)が挙げられる。縮合環化合物基には、フルオレンジイル基(下図の式36〜38)が含まれる。
ヘテロ原子として窒素を含む2価の複素環基:
置換基を有していてもよいピリジンジイル基(下図の式39〜44)。
置換基を有していてもよいジアザフェニレン基(下図の式45〜48)。
置換基を有していてもよいキノリンジイル基(下図の式49〜63)。
置換基を有していてもよいキノキサリンジイル基(下図の式64〜68)。
置換基を有していてもよいアクリジンジイル基(下図の式69〜72)。
置換基を有していてもよいビピリジルジイル基(下図の式73〜75)。
置換基を有していてもよいフェナントロリンジイル基(下図の式76〜78)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含み、フルオレン構造を有する基(下図の式80〜92)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基(下図の式94〜98)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下図の式99〜109)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基:
ヘテロ原子のα位で結合し、2量体やオリゴマーになっている基(下図の式111〜112)。
ヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下図の式113〜119)。
ベンゼン環とチオフェン環が縮合した基(下図の式120〜122)。
第1の化合物または第2の化合物を含む薄膜の吸収スペクトルの測定には、例えば、日本分光製の紫外可視近赤外分光光度計(商品名:V670)を用いる。V670を用いる場合、300nm〜2000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定することができる。
まず、基板(例えば、石英基板、ガラス基板)の上に、第1の化合物または第2の化合物を含む溶液を塗布することにより、第1の化合物または第2の化合物を含む薄膜を形成する。次に、基板の吸収スペクトル及び薄膜と基板との積層体の吸収スペクトルを測定する。薄膜の吸収スペクトルは、積層体の吸収スペクトルから基板の吸収スペクトルを差し引いたものである。
吸収スペクトルの縦軸及び横軸は、それぞれ吸光度及び波長を示す。最大吸光度が0.3〜2になるように、薄膜の膜厚を調整することが望ましい。
薄膜の吸収スペクトルにおいて、最も長波長側の吸収ピークよりも長波長側にあって、吸光度が該吸収ピークの吸光度の50%となる点をP1、25%となる点をP2、10%となる点をP3とする。さらに、P3から100nm長波長側の点をP4、P3から150nm長波長側の点をP5とする。
光吸収末端波長とは、P1とP2とを結ぶ直線と、基準線との交点の波長を意味する。基準線とは、P4とP5とを結ぶ直線を意味する。
高分子化合物の重量平均分子量が3000より小さいと、素子の作製に用いたときに、塗布性が低下することがある。また、重量平均分子量が10000000より大きいと、素子の作製に用いたときに、溶媒への溶解性や塗布性が低下することがある。
高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
Q1−E1−Q2 (C−1)
〔E1は、式(2)で表される構成単位を表す。Q1及びQ2は、それぞれ独立に、ジヒドロキシボリル基[−B(OH)2]またはホウ酸エステル残基を表す。〕
T1−E2−T2 (C−2)
〔E2は、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)または式(4−4)で表される構成単位を表す。T1及びT2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子またはスルホン酸残基を表す。〕
〔Meはメチル基、Etはエチル基を表す。〕
パラジウム触媒の使用量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよいが、式(C−1)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001モル〜0.5モルである。パラジウム触媒の使用量としては、0.0003モル〜0.1モルが好ましい。
塩基の使用量は、式(C−1)で表される化合物1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルである。塩基の使用量としては、0.9モル〜20モルが好ましく、1モル〜10モルがさらに好ましい。
具体的には、重合容器(反応系)内を窒素ガスで十分置換し、脱気する。その後、この重合容器に、式(C−1)で表される化合物、式(C−2)で表される化合物及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を入れる。さらに、重合容器を窒素ガスで十分置換し、脱気する。その後、脱気した溶媒(例えば、窒素ガスでバブリングしたトルエン)を加え、次いで、脱気した塩基(例えば、窒素ガスでバブリングした炭酸ナトリウム水溶液)を滴下する。この溶液を加熱、昇温し、不活性雰囲気を保持しながら重合する(例えば、還流温度で8時間反応させる)。
Q3−E3−Q4 (C−3)
〔E3は、式(2)で表される構成単位を表す。Q3及びQ4は、それぞれ独立に、置換スタンニル基を表す。〕
で表される1種類以上の化合物と、式(C−2)で表される1種類以上の化合物とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程を含む製造方法が挙げられる。E3としては、式(3−1)〜式(3−8)で表される構成単位が好ましい。
パラジウム触媒の使用量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよいが、式(C−3)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001モル〜0.5モルである。パラジウム触媒の使用量としては、0.0003モル〜0.2モルが好ましい。
配位子及び/又は助触媒を用いる場合、配位子及び/又は助触媒の使用量は、パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルである。配位子及び/又は助触媒の使用量としては、0.9モル〜20モルが好ましく、1モル〜10モルがさらに好ましい。
具体的には、重合容器(反応系)内を窒素ガスで十分置換し、脱気する。その後、この重合容器に、式(C−3)で表される化合物、式(C−2)で表される化合物、パラジウム触媒を入れる。さらに、重合容器を窒素ガスで十分置換し、脱気した溶媒(例えば、窒素ガスでバブリングしたトルエン)を加える。必要に応じて、配位子や助触媒を用いてもよい。この溶液を加熱、昇温し、不活性雰囲気を保持しながら重合する(例えば、還流温度で8時間反応させる)。
(5) (6)
〔R1及びR2は、前記と同じ意味を表す。〕
また、臭素化の際に、臭素化を促進するための触媒を共存させることも可能である。触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅などの金属、ハロゲン化鉄、ハロゲン化コバルト、ハロゲン化ニッケル、ハロゲン化銅などのハロゲン化金属、ベンゾイルパーオキシド、アゾイソブチロニトリルなどのラジカル発生剤などが挙げられる。触媒としては、金属、ハロゲン化金属が好ましく、鉄、臭化鉄がさらに好ましい。触媒の使用量は、通常、式(6)で表される化合物のモル数に対して、0.001当量〜10当量である。触媒の使用量としては、0.01当量〜1当量が好ましい。反応温度は、通常、−50℃〜200℃である。反応温度としては、0℃〜150℃が好ましい。
反応後(例えば、水を加えて反応を停止した後)、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去するなどの通常の後処理を行うことによって、式(5)で表される化合物を得ることができる。また、必要に応じて、クロマトグラフィーによる分取及び/又は再結晶などの精製を行ってもよい。
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸などの無機酸などが挙げられる。該溶媒は、単一で用いてもよく、混合して用いてもよい。
反応後(例えば、水を加えて反応を停止した後)、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去するなどの通常の後処理を行うことによって、式(6)で表される化合物を得ることができる。また、必要に応じて、クロマトグラフィーによる分取及び/又は再結晶などの精製を行ってもよい。
反応後(例えば、水を加えて反応を停止した後)、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去するなどの通常の後処理を行うことによって、式(7)で表される化合物を含有する混合物を得ることができる。また、必要に応じて、クロマトグラフィーによる分取及び/又は再結晶などの精製を行ってもよい。
本発明の有機光電変換素子は、第1の電極及び第2の電極からなる一対の電極間に、第1の化合物及び前記第1の化合物よりバンドギャップが大きい第2の化合物を含む層(A)を有する。
層(A)は、第1の化合物及び第2の化合物以外に、さらに、電子供与性化合物及び/又は電子受容性化合物を含んでいてもよい。層(A)に含まれる第1の化合物及び第2の化合物以外の化合物としては、電子受容性化合物が好ましい。層(A)に含まれる第1の化合物及び第2の化合物以外の化合物が、電子供与性化合物であるか電子受容性化合物であるかは、第1の化合物及び第2の化合物のエネルギー準位から相対的に決定される。
フラーレン及び/又はその誘導体としては、C60、C70、C76、C78、C84及び/又はそれらの誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体は、フラーレンの少なくとも一部が修飾されたものである。
(8) (9) (10) (11)
〔Raは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、複素環基またはエステル構造を有する基を表す。複数個あるRaは、同一であっても相異なっていてもよい。Rbは、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。複数個あるRbは、同一であっても相異なっていてもよい。〕
(12)
〔u1は、1〜6の整数を表す。u2は、0〜6の整数を表す。Rcは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または複素環基を表す。〕
本発明の有機光電変換素子の製造方法は、第1の電極及び第2の電極を有し、第1の電極及び第2の電極からなる一対の電極間に、層(A)を有する素子の製造方法であって、第1の電極を形成する工程と、第1の化合物及び第2の化合物を含む層(A)を形成する工程と、第2の電極を形成する工程とを含む製造方法である。
成膜性の観点から、25℃における溶媒の表面張力は、15mN/mより大きいことが好ましく、15mN/mより大きく100mN/mより小さいことがより好ましく、25mN/mより大きく60mN/mより小さいことがさらに好ましい。
本発明の有機光電変換素子は、透明または半透明の電極側から太陽光などの光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより、有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
有機薄膜太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと同様のモジュール構造をとりうる。一般的に、太陽電池モジュールは、金属、セラミックなどの支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラスなどで覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとる。また、支持基板に強化ガラスなどの透明材料を用い、その上にセルを構成して、支持基板側から光を取り込む構造とすることもできる。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造などが知られている。本発明の有機光電変換素子からなる有機薄膜太陽電池も、使用目的、使用場所及び環境により、これらのモジュール構造を適宜選択することができる。
ポリマーフィルムなどのフレキシブル支持体を用いる太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出しながら、順次セルを形成し、所望のサイズに切断する。その後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることによって、電池本体を作製することができる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p383-391に記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造にすることもできる。フレキシブル支持体を用いる太陽電池は、曲面ガラスなどに接着固定して使用することができる。
(化合物3の合成)
化合物2 化合物3
フラスコ内の空気をアルゴンで置換した200mLフラスコに、国際公開第2011/052709号の実施例29に記載された方法により合成した化合物2を2.00g(3.77mmol)、脱水テトラヒドロフランを100mL入れて、均一な溶液とした。該溶液を−78℃に保ち、1.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液5.89mL(9.42mmol)を10分かけて滴下した。滴下後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で2時間攪拌した。その後、フラスコを−78℃に冷却し、反応液にトリブチルスズクロリドを3.37g(10.4mmol)加えた。添加後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で3時間攪拌した。その後、反応液に水200mlを加えて反応を停止させ、酢酸エチルを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過後、濾液をエバポレーターで濃縮し、溶媒を留去した。得られたオイル状の物質を展開溶媒がヘキサンであるシリカゲルカラムで精製した。シリカゲルカラムのシリカゲルには、あらかじめ10重量%のトリエチルアミンを含むヘキサンに5分間浸し、その後、ヘキサンで濯いだシリカゲルを用いた。精製後、化合物3を3.55g(3.20mmol)得た。
(化合物6の合成)
化合物3 化合物4
化合物5
フラスコ内の空気をアルゴンで置換した300mLフラスコに、化合物3を840mg(0.757mmol)、国際公開第2011/052709号の実施例53に記載された方法により合成した化合物4を800mg(0.760mmol)、国際公開第2011/052709号の参考例14に記載された方法により合成した化合物5を471mg(1.43mmol)、トルエンを107ml入れて、均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを19.6mg(0.0214mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィンを39.1mg(0.128mmol)加え、100℃で6時間攪拌した。その後、反応液にフェニルブロミドを660mg加え、5時間攪拌した。その後、フラスコを25℃に冷却し、反応液をメタノール2000mLに注いだ。析出したポリマーを濾過して集め、得られたポリマーを円筒濾紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトン及びヘキサンで、それぞれ5時間抽出した。円筒濾紙内に残ったポリマーをo−ジクロロベンゼン53mLに溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム1.21gと水12mLとを加え、8時間還流下で攪拌した。水層を除去後、有機層を水200mlで2回洗浄し、次いで、3重量%の酢酸水溶液200mLで2回洗浄し、次いで、水200mLで2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーを濾過後、乾燥させ、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン62mLに再度溶解させ、アルミナ/シリカゲルカラムに通した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーを濾過後、乾燥させ、精製された重合体802mgを得た。以下、この重合体を化合物6と呼称する。
(化合物7の合成)
化合物7
フラスコ内の空気をアルゴンで置換した100mLフラスコに、国際公開第2011/052709号の実施例53に記載された方法により合成した化合物4を500mg(0.475mmol)、国際公開第2011/052709号の参考例14に記載された方法により合成した化合物5を393mg(1.19mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィンを13.0mg(0.0426mmol)、脱水トルエンを10ml入れて、均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを6.5mg(0.0071mmol)加え、105℃で6時間攪拌した。その後、フラスコを室温まで冷却し、有機層を水50mLで2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した後、エバポレーターで溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、化合物7を209mg得た。
(化合物9の合成)
化合物8
化合物9
フラスコ内の空気をアルゴンで置換した100mLフラスコに、化合物7を200mg(0.206mmol)、化合物8(シグマ アルドリッチ社製)を571mg(1.52mmol)、メチルトリアルキルアンモニウムクロリド(シグマ アルドリッチ社製、商品名:Aliquat336(登録商標))を50mg、トルエンを20ml入れて、均一な溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、酢酸パラジウムを0.67mg、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィンを3.7mg、16.7重量%の炭酸ナトリウム水溶液を2mL加え、100℃で6時間攪拌した。分液ロートで水層を除去した後、有機層を水で2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した後、エバポレーターで溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、化合物9を220mg得た。
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6、化合物9及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク1を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物9との合計100重量部に対して、95.1重量部であった。化合物6と化合物9との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.0であった。化合物6と化合物9とPC61BMとの重量の合計は、インク1の重量に対して、1.8重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク1をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物9及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、116nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物9のイオン化ポテンシャルとの差は、0.00eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物9のバンドギャップは、化合物9の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物9が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm2(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は17.1mA/cm2であり、開放端電圧は0.71Vであり、フィルファクターは0.66であり、光電変換効率は8.0%であった。
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6、化合物9及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク2を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物9との合計100重量部に対して、90.4重量部であった。化合物6と化合物9との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6と化合物9とPC61BMとの重量の合計は、インク2の重量に対して、1.9重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク2をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物7及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、116nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物9のイオン化ポテンシャルとの差は、0.00eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物9のバンドギャップは、化合物9の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物9が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm2(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.9mA/cm2であり、開放端電圧は0.72Vであり、フィルファクターは0.66であり、光電変換効率は8.0%であった。
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク3を製造した。化合物6の重量に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6とPC61BMとの重量の合計は、インク3の重量に対して、1.9重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク3をスピンコートにより塗布し、化合物6及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、107nmであった。化合物6の光吸収末端波長は885nmであった。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm2(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.7mA/cm2であり、開放端電圧は0.71Vであり、フィルファクターは0.66であり、光電変換効率は7.8%であった。
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6、化合物9及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク4を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物9との合計100重量部に対して、81.5重量部であった。化合物6と化合物9との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.0であった。化合物6と化合物7とPC61BMとの重量の合計は、インク4の重量に対して、1.8重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク4をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物9及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、111nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物9のイオン化ポテンシャルとの差は、0.00eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物9のバンドギャップは、化合物9の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物9が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm2(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.6mA/cm2であり、開放端電圧は0.71Vであり、フィルファクターは0.66であり、光電変換効率は7.8%であった。
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物10
化合物6、化合物10(1-material社製)及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク5を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物10との合計100重量部に対して、90.1重量部であった。化合物6と化合物10との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6と化合物10とPC61BMとの重量の合計は、インク5の重量に対して、1.6重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク5をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物10及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、108nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物10のイオン化ポテンシャルとの差は、0.10eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物10のバンドギャップは、化合物10の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物10が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm2(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.7mA/cm2であり、開放端電圧は0.72Vであり、フィルファクターは0.63であり、光電変換効率は7.6%であった。
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク7を製造した。化合物6の重量に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6とPC61BMとの重量の合計は、インク7の重量に対して、1.5重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク7をスピンコートにより塗布し、化合物6及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、103nmであった。化合物6の光吸収末端波長は885nmであった。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm2(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は16.2mA/cm2であり、開放端電圧は0.72Vであり、フィルファクターは0.63であり、光電変換効率は7.4%であった。
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
化合物6、化合物10(1-material社製)及びPC61BM(フロンティアカーボン社製、商品名:nanom spectra E100)をo−ジクロロベンゼンに溶解し、インク8を製造した。化合物6の含有量は、化合物6と化合物10との合計100重量部に対して、51.0重量部であった。化合物6と化合物10との重量の合計に対するPC61BMの重量の比は、2.1であった。化合物6と化合物10とPC61BMとの重量の合計は、インク8の重量に対して、1.6重量%であった。
次に、UVオゾン洗浄装置を用いて紫外線を照射することにより、ガラス基板上に成膜されたITO膜の表面処理を行った。この基板上に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製、商品名:Clevios P VP.AI 4083)をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で10分加熱した。次いで、この基板上に、インク8をスピンコートにより塗布し、化合物6、化合物8及びPC61BMを含む有機膜を作製した。有機膜の膜厚は、105nmであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物10のイオン化ポテンシャルとの差は、0.10eVであった。化合物6のイオン化ポテンシャルと、化合物10のイオン化ポテンシャルとの差は、0.10eVであった。化合物6のバンドギャップは、化合物6の光吸収末端波長(885nm)から、1.40eVと求められる。化合物10のバンドギャップは、化合物10の光吸収末端波長(745nm)から、1.66eVと求められる。バンドギャップの値から、化合物6が第1の化合物に相当し、化合物10が第2の化合物に相当する。
次に、1×10−5Pa〜1×10−4Paの真空中で、有機膜上に、カルシウム(シグマ アルドリッチ社製)を4nm蒸着した。さらに、銀を90nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。
その後、擬似太陽光照射装置(分光計器製、商品名:CEP−2000型 分光感度測定装置)を用いて、白色光(キセノンランプ)を照射しながら、得られた有機薄膜太陽電池の電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクター(曲線因子)及び光電変換効率を求めた。白色光の光量は、標準太陽電池(分光計器製、BS−520BK)の出力を測定し、100mW/cm2(AM1.5G)に調整した。短絡電流密度は13.5mA/cm2であり、開放端電圧は0.75Vであり、フィルファクターは0.64であり、光電変換効率は6.4%であった。
Claims (12)
- 第1の電極及び第2の電極の間に、下記層(A)を有する有機光電変換素子。
<層(A)>
イオン化ポテンシャルの差が0.20eV以下である2つの化合物を含む層であって、
前記2つの化合物のうち、バンドギャップがより小さい化合物を第1の化合物、バンドギャップがより大きい化合物を第2の化合物としたときに、第1の化合物の含有量が、第1の化合物と第2の化合物との合計100重量部に対して、85重量部以上98重量部以下であり、
第1の化合物が、式(1)で表される構成単位を有する化合物であって、
〔式中、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Y 1 は、酸素原子、硫黄原子、−B(R 3 )−、−C(=O)−、−Si(R 4 )(R 5 )−、−Ge(R 6 )(R 7 )−、−Sn(R 8 )(R 9 )−、−N(R 10 )−、−P(R 11 )−、−P(=O)(R 12 )−、−S(=O)−または−SO 2 −を表す。R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。環Z 1 及び環Z 2 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環または置換基を有していてもよい複素環を表す。〕
さらに、式(2)で表される構成単位を有する化合物であり、
〔式中、Ar 1 は、式(1)、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)及び式(4−4)でそれぞれ表される構成単位のいずれとも異なり、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。〕
第2の化合物が、式(1)で表される構成単位、式(4−1)で表される構成単位、式(4−2)で表される構成単位、式(4−3)で表される構成単位及び式(4−4)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位を有する化合物である。
〔各式中、R 41 及びR 42 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。Y 2 は、酸素原子、硫黄原子、−B(R 43 )−、−C(=O)−、−Si(R 44 )(R 45 )−、−Ge(R 46 )(R 47 )−、−Sn(R 48 )(R 49 )−、−N(R 50 )−、−P(R 51 )−、−P(=O)(R 52 )−、−S(=O)−または−SO 2 −を表す。R 43 、R 44 、R 45 、R 46 、R 47 、R 48 、R 49 、R 50 、R 51 及びR 52 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基または1価の有機基を表す。〕 - R1及びR2が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基である請求項1に記載の有機光電変換素子。
- R1及びR2の炭素原子数が、それぞれ独立に、10〜15である請求項1または2に記載の有機光電変換素子。
- 第1の化合物が、高分子化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
- R41及びR42が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基である請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
- R41及びR42の炭素原子数が、それぞれ独立に、10〜15である請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
- 前記層(A)が、さらに、電子受容性化合物を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機光電変換素子。
- 前記電子受容性化合物が、フラーレン及び/又はフラーレン誘導体である請求項9に記載の有機光電気変換素子。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機光電変換素子を含む太陽電池モジュール。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機光電変換素子を含むイメージセンサー。
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